http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10
1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10
2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10
3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)
あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)
>>2から本編になります!
825: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:33:17 ID:nXQmAoWB0E
レジスタンス11「あ、あいつら…くたばってなかったのか!?」
ヒメ「あれも味方か!?」
レジスタンス11「おう!だが、あの手勢じゃ、この数の兵を相手には…!」
ヒメ「…いや、そうでもないぞ!」ジッ
レジスタンス11「あぁ!?無理だろ!?さっきだってボロ負けしてトンズラこいたんだぜ!?」
ヒメ「見てみろ!」ジーッ
レジスタンス11「……?」
バキッ ガンッ ゴッ ボキィッ
レジスタンス11「お、押してる…?な、なんでだ?さっきは……」
ヒメ「必死に逃げたのも、あながち無駄じゃなかったかもな!」ニヤッ
レジスタンス11「はぁ…?」
ヒメ「僕らもやるぞ!」ザッ
レジスタンス11「お、おい!本気か!?」
ヒメ「付いてこい!」ダッ
レジスタンス11「ちぃっ!付き合いきれんがやるしかないか!!」ダッ
826: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:35:46 ID:nXQmAoWB0E
西兵108「ぐらぁっ!?なにじでんだぁ!!ざっさどやらねぇがぁ!?」
西兵111「ヒィっヒィっ…も、もうヘトヘトだぁ…」ゼェゼェ
西兵112「こんなジメジメした暗がりで走らされてヘバっちまったよぉ…」ゼェゼェ
西兵113「夜中っから、ずっと動きっぱなんだぜぇ…?もう身体がガタガタだよぉ…!」ゼェゼェ
賊徒27「なんだ、こいつらぁ!!ちょれーぞ!?」ブンッ ガスッ
賊徒28「なんか知らねーが、こっちのモンだ!!」ブンッ ドカッ
賊徒29「へへへ!あのガキに治療されてから妙に身体が軽いぜ!」ブンッ バコッ
西兵's「グギャアアアアア!!」バタバタバタッ
西兵108「グゾォ〜…おめぇら、ぞれでも女王の親衛隊がぁ!?」ワナワナ
ヒメ「おい!」ザッ
西兵108「おぉう!?」ギロッ
ヒメ「こいつらの首領格はおまえか?」ジャキッ
西兵108「で、でめぇの仕業かぁ!!クソガキがぁ〜!?」
ヒメ「武器を捨てて全員に降伏を促せ?そうすれば命は保障してやるぞ!」ジリッ
西兵108「ギガァァァアアア!!」ブンッ
ガンッ!!
西兵108「ヒヒ……んが?い、いねぇ?」キョトン
ヒメ「ここだよ」トンッ
西兵108「ケェイッ!?」バッ
ヒメ「遅い!!」ヒュンッ
西兵108「うっ!?」ビクッ
ヒメ「力任せのおざなりな剣技だな。それじゃ僕は殺せないぞ?」ピタピタ
西兵108「で、でめぇ…いつ後ろに!?」ワナワナ
ヒメ「次は振り抜くからな?」ジロッ
西兵108「う、ぐぐ!」プルプル
827: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:37:29 ID:ikW458cjLg
ヒメ「これが最後だ。よく聞け?」
西兵108「ぐぎぎ…きき!」ギリッ
ヒメ「死にたくなかったら降伏しろ。無駄に死人を増やしたくない」
西兵108「だ、だぁれがでめぇの言うことなんか…!?」
ヒメ「…おまえたちの主君、ファルージャの命も奪わないと約束する」
西兵108「でめぇ気安く女王を呼び捨てんじゃねぇぞ!?」
ヒメ「上の戦いも決した。残るはおまえらだけだが…勝ち目がないのは分かるだろ?」
西兵108「ん、だどぉ…!?調子に乗りやがってぇ…!?」
ヒメ「無謀な真似はよせ」
西兵108「あぁん!?」
ヒメ「おまえがいなくなったら誰がファルージャを守ってやるんだ?」
西兵108「!?」
ヒメ「本気で尽くしたいなら生き残って、そばにいてやるのが真の忠心じゃないのか?」
西兵108「お、おでが…女王のそばに…!?」
ヒメ「そうだ。彼女には、おまえが必要だろ?」
西兵108「……お、おでが…女王を……揉んで、舐めて、ウヒ!うへへへへ…!?」ニタァァァ
ヒメ「…こほんっ!」
西兵108「ホゲッ!?あ、あぁぞうだ?ほ、ほんどに女王にゃ何もしねぇんだな?」アセアセ
ヒメ「あー、僕は約束を破らない。絶対にだ」シラー
西兵108「わ、わがった…。女王を守れんなら……」
828: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:37:51 ID:nXQmAoWB0E
ヒメ「よし!レジスタンスも止まれ!!」
レジスタンス11「あぁ!?今イイとこだろうよ!?」ブンッ ズバッ
ヒメ「おまえの気分なんか知るか!いいから仲間を止めろ!!」
レジスタンス11「おい…!勘違いすんなよ…?俺たちはてめぇの手下でもなんでもねぇぞ…!?」
ヒメ「……」
レジスタンス11「いつまでも黙って従うと踏んでんなら大間違いだぞ…!?」
ヒメ「おまえ、何しに来たんだ?」
レジスタンス11「はぁ…!?決まってるだろ!俺たちの尊厳を勝ち取る為だ!!」
ヒメ「それなら無駄話するな!!」
レジスタンス11「」ビクッ
ヒメ「おまえが無駄にした1秒が何千人を殺すか考えろ!!刹那の遅延も許されない状況だぞ!?」
レジスタンス11「ぐぅぅ…!」
ヒメ「さっさと止めろ!!勝負の際を見誤るな!?」
レジスタンス11「あぁ分かったよ!クソ生意気なガキめ!今に見てろよ…!?」ブツクサ
829: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:38:42 ID:ikW458cjLg
賊徒26「おぅい!?どうなってんだ!なんで止めやがった!?」
賊徒27「そうだぜ!こちとらイケイケでいってたじゃんかよ!?」
賊徒28「あとちょっとで奴らをぶっ殺せたんだぞぉ!!」
レジスタンス11「うるせぇんだよ!!いいから黙っとけ!?」
ワァーワァーギャーギャー
西兵112「なぁんだって俺らが、あんな泥虫相手に降伏せにゃならんのだ!?」
西兵113「そうだ、そうだ!!まとめてぶちのめしてやりゃいいんだ!!」
西兵114「ヒヨってんのか?あぁゴラァ!?」
西兵108「うるぜぇぞ!!でめぇからぶっ殺されでぇか!?」
ワァーワァーギャーギャー
ヒメ「(…こいつら、やっぱり同じ西国民だな。やりとりに知性が感じられない)」シミジミ
830: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/14(日) 22:40:53 ID:nXQmAoWB0E
レジスタンス11「で、止めたはいいがどーすんだ?押さえつけてられんのも時間の問題だぞ!?」ギロォォッ
西兵108「ゴイヅらを皆殺しにずりゃ〜いいのが!?」ギロォォッ
レジスタンス11「あぁなんつったぁ!?」ズイッ
西兵108「おぉう文句あっがぁ〜!?」ズイッ
バチバチ バチバチ
ヒメ「やめろ。せっかく止めたのに争ってどうする?」
レジスタンス11「けっ!んなら、さっさと言わねぇか!」
西兵108「武器は捨ててやっだぞ!あどはどーすりゃいい!?」
ヒメ「上に戻って団長たちに西国側との休戦を伝えてくれ」
レジスタンス11「きゅ、休戦だぁ〜?」
ヒメ「西の兵たちも形だけで構わないから捕虜を装って降伏の意を示し、レジスタンスに倣って停戦を訴えるんだ」
西兵108「待てやぁ!?なんでおで達が、ごんなクソゴミ共や王国のクソッタレに従わなきゃ……」
ヒメ「我慢しろ。ファルージャを救えるかは、おまえらに懸かってる」
西兵108「っ……お、おう…」ゴクッ
レジスタンス11「そ、そんなんで、どうにかなんのか?」
ヒメ「なるさ。おまえ達にしかできない詰みの一手だ」
レジスタンス11「はぁ〜?」シラー
ヒメ「分からないなら黙って僕の言うことを聞いてろ」
レジスタンス11「くっ…!言わせとけば…!?」ピキッ
ヒメ「これでおまえらの勝利が確定するんだ。素直にしろよ?」
レジスタンス11「勝利っ……気に入らねぇが言われた通りにしといてやるよ…!」
ヒメ「頼んだぞ!」
ザッザッザッ………
ヒメ「……単純な奴らで助かった」ボソッ
831: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 22:52:03 ID:g5X5idGIPQ
ヒメ「ふぅ……」スーハー
ヒメ「……」キョロキョロ
ヒメ「(結構経ったし誰もいないよな?)」
ヒメ「よし…!よし!よぉし!!」ガッツポーズ
ヒメ「勝った…!勝ったぞ!!」ググッ
ヒメ「(あとは団長たちが報せを受けるのを待つだけだ!それでこの戦争は決着する!!)」
ヒメ「あいつらにも伝えてやらないとな!」ルンルン
「どなたかを探しておいでか?」
ヒメ「」ビクッ
カツンカツン
ヒメ「な、なんで……おまえが……」
フィクサー「ずいぶんと浮かれたご様子だが…なにか良きことでもござったか」ジリッ
ヒメ「フィクサー…!」
フィクサー「お覚悟を…」ジャキッ
ヒメ「どういうことだ!?上で戦ってたんじゃ……」
ヒュオンッ
ヒメ「くっ!!」スラッ
ガァンッ!!
ヒメ「ぎゃっ!?」ドタッ
フィクサー「こんなものか……」チャッ
ヒメ「な、なんで……」ヨロッ
フィクサー「生ぬるい…。その程度の力で、わたしを下そうと言うのか?」フゥッ
ヒメ「!?」イラッ
832: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 22:54:34 ID:1.Ek.8qzag
ヒメ「おまえこそ!指揮官が戦場を放り出して来たのか!?」ムクッ
フィクサー「配下に任せてこそこそと動き回る子ネズミがほざけた義理か?」
ヒメ「曲がりなりにもおまえの為に戦っている兵士たちを捨ててきたのか!?」
フィクサー「捨てる…?ハッハハ……心外この上ない」
ヒメ「どれだけ数で圧倒しても支柱を失った兵の末路は目に見えてる!軍を扱う者ならば何よりも分かっている筈だ!!」
フィクサー「ご忠告かたじけのう存じます…が、まぁ心配ご無用。しかと踏まえておりますゆえ」スチャッ
ヒメ「……!」
フィクサー「畏れながら案ずるべきは己の身では…?」
ヒメ「くっ…!」ガッ スチャッ
833: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 22:57:59 ID:g5X5idGIPQ
ヒメ「僕を…どうする気だ?」ブルッ
フィクサー「悟れぬほど愚かでもございますまい?」
ヒメ「よせ…!もう十分に戦った筈だ!ここで止めなかったら本当に全ての国を巻き込むことになるぞ!?」
フィクサー「狂信的な平和主義、恐れ入る…。しかしわたしはそれを望もうとは思わない」
ヒメ「どこまでやるんだよ…!大義のない、ただの殺し合いを…!?」
フィクサー「どこまでも…」
ヒメ「……!」ギリッ
フィクサー「いや、おっしゃる通り戦争において最も傾けるべき置き所は大義であると心得る…」
ヒメ「道理を外した卑劣漢が今さらぬけぬけと…!?」
フィクサー「そして大義を押し通すには圧倒的な力がなくてはならない」
フィクサー「力の在処を示せば自然と力は呼び寄せられる」
フィクサー「故に力の証明こそが、それ即ち大義と認められるのだ」
ヒメ「誤った力の使い道は破滅を招くだけだ!!いい加減、目を覚ませ!!」
フィクサー「存外、惜しいものです…。高い地位に恵まれ、秀でた才を生まれ持ちながら思考が凡夫と変わりないときている」
ヒメ「見下した気になっていれば高みを望んだ気分にでもなれるんだろうが…僕からしてみれば、おまえらのような俗物が描く野心ほどちっぽけな物はないぞ!?」
フィクサー「ほう…わたしの野望が、ただおとなしく過ごそうという退屈な思想に劣ると?」
ヒメ「平穏を維持する…。たったそれだけの事ができないヤツに平和思想を笑う資格はない!!」
フィクサー「臆病風に吹かれた虫けらの戯れ言だな。挑戦しようという気概もないか」
ヒメ「なにが挑戦だ!!ふざけるな!?」
834: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:02:10 ID:g5X5idGIPQ
ヒメ「おまえが殺戮の限りを尽くした…この西国の惨状を知ってるのか!?」
フィクサー「なぜ知る必要がある?わたしには関わりなきことだ?」
ヒメ「僕たちが引き起こしたんだぞ!?」
フィクサー「は…?」
ヒメ「この戦争に巻き込まれた町々が焼かれ、人々が惨殺と略奪の憂き目に遭った!!
食糧も資産も労働力も没収され、荒廃した街に取り残された、かよわく無力な老人や乳飲み子が今も飢えて死んでるんだぞ!!」
フィクサー「あぁ、死ぬるがよかろう。大道に犠牲は付き物だ」
ヒメ「大道だとか野望だとか…カッコつけた言葉で正当化するな!!」
フィクサー「ふん…」
ヒメ「その犠牲に見合うだけの価値が、この戦いにはあるのか!?」
ヒメ「おまえが勝手に決めた正義に本気で続いていける味方がどれだけいる!?」
ヒメ「何十年も守られた平和を壊した責任がおまえに取れるのか!?」
フィクサー「責任…?」
835: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:05:54 ID:g5X5idGIPQ
ヒメ「戦争が終結したとして、その後の未来をきちんと見据えているのか!?
そこに住まう一人一人が戦争は正しかったと言えるような国家がおまえに創れるのか!?」
フィクサー「そんな物を抱える気はない」キッパリ
ヒメ「……!?」
フィクサー「これより時代は荒れ果てた戦乱の世に突入する。それが何十年続くかは分からんが……」
フィクサー「いかなる敵が立ちはだかろうとも捩じ伏せ、勝利の栄冠を勝ち取ってみせよう」
フィクサー「わたしの予測では15年もあれば国家を統一し、大陸の覇者となれる」
フィクサー「そこが一段落すれば海を渡り、更なる開拓を目指すとしようか」
フィクサー「わたしの治める世界は無限に広がる…。貴様のように縮こまった思想しか持てぬ愚か者には成せぬ所業だ」
フィクサー「ゆくゆくは万民がひれ伏す王となりて世界統一の創世記を飾ろうではないか?」
ヒメ「この…救いようのない大馬鹿が…!」ワナワナ
フィクサー「これを成し遂げられるは力ある者のみ……ふ!まさしくわたしにこそ託された天命であろう!」
ヒメ「狂ってるな…!いつからそんな夢見がちになったんだ…!?」
フィクサー「これは預言……そう、神々が与えし命題。語りかけてくる…。わたしは神の導きに尽くそう」
ヒメ「(自己陶酔が過ぎて、とうとう妄想まで持ち込んできた…。こうなったら何を言っても無駄だ!)」
836: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:09:24 ID:1.Ek.8qzag
フィクサー「クク……全てを手にした暁には妃の心も染まることだろう。
わたしだけにとらわれ…わたしだけを見つめ…わたしの物となる」ボソッ
ヒメ「りゃあっ!!」シュバッ
フィクサー「!」キィンッ
ヒメ「」ビュンッ
フィクサー「ちっ!」ガィンッ
ヒメ「」シュタッ
フィクサー「無粋な…まだ会話の途中だろうが?」シュタッ
ヒメ「おまえの痛々しい妄想話をいつまでも聞いてられるほど寛容じゃないんだよ!」イラッ
フィクサー「なんとでも言え。実現させれば誰もが我が前に控える。
恩恵にあやかれると感じれば憎悪さえ忘れてしまうのが人という生き物なのだから」
ヒメ「ふん!もう遅いさ!」
フィクサー「なに…?」
ヒメ「おまえが来る前に先手を打たせてもらった!既に勝利は確定してるんだ!」
フィクサー「話が読めんな…?」
ヒメ「レジスタンスと西の帝国側に合議を持ち掛けて休戦を成立させた」ニッ
フィクサー「……!」ピクッ
ヒメ「腐っても名だたる軍長を押さえて王国軍の総指揮を務めた知将だ。当然、この意味が分かるよな?」
フィクサー「なるほど、そうきたか…」
ヒメ「軍略家のおまえには思いもよらなかったか?」
フィクサー「いや、この程度の画策は常套手段だ。開戦後に打つ手としては諸刃だがな」
ヒメ「踏み切るのは容易いさ。政略の点では立場上、僕の方が何枚も上手だからな」
フィクサー「だが休戦を成立させるには女王の言質が要るだろう。勿論、直接の交渉は済ませてあるのだろうな?」
ヒメ「……あぁ、双方の合意は取ってある」
フィクサー「そうか…」
837: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:13:23 ID:g5X5idGIPQ
ヒメ「これで分かっただろ。もはや争いは無用だ。僅かでも武人としての誇りが残ってるなら兵士達の命を尊重してやれ」
フィクサー「わたしに降伏を受け入れろと?」
ヒメ「そうだ!今なら、まだ内々に処理できる。無駄に命を散らさなくてもいいんだ!」
フィクサー「ほうほう、なるほど…」チャッ
ヒメ「男らしく腹を決めろ…!くだらない野心にとらわれるな!?」
フィクサー「断る」ザウッ ビュンッ
ヒメ「えっ……」ピッ
ヒメ「ふ…ぐっ……」プシャッ
ヒメ「う…ぁぁぁああああ!!」ブシャァァ
フィクサー「貴様こそくだらぬ嘘はよせ?」ニヤッ
ヒメ「いった…い…!あう……ぐぅぅぅ!!!」ボタボタ
フィクサー「おめおめと負けを認め、申し出を受け入れるなど…気高く美しい我が妃に限ってありえまい?」
ヒメ「お、まえ…!なにを…!?」ガシッ
フィクサー「彼女こそが唯一わたしと並び立つに相応しい女性なのだから」
ヒメ「〜〜〜!?」ギュウウ
フィクサー「しがみつくな」ドンッ
ヒメ「うあっ!?」ドタッ
フィクサー「クク…おおかた女王の親衛隊を言いくるめ、西国側の代理として進言させようとでも企んでいたのだろう?」
ヒメ「う……」ヨロッ
フィクサー「悪くない策だ。賭けとしては十分に成立するが…とんだ誤算が生じたな?」
ヒメ「はぁ!くそ…くそ…くそぉ…!!」ギリッ
838: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:15:57 ID:g5X5idGIPQ
フィクサー「丁度いい。貴様の首を持ち帰り、女王自らに訂正の旨を伝えさせれば苦労して案じた計略も雲散霧消するだろう」
ヒメ「ハァァッ!!」ヒュンッ
フィクサー「おっと」サッ
ヒメ「うぐ…!」バタッ
フィクサー「多少は健闘したが詰めが甘かったな」ズシッ
ヒメ「ぎぃ…くぅぅ」ズリッ
フィクサー「貴様の始末を優先して正解だった…。預言者の勘もまだまだ衰えていなかったようだ」グリグリ
ヒメ「ぎ、あぁぁぁ…!!」ジャリッ
フィクサー「が、何より単純に腸が煮えくり返っていたのだが…な!!」グンッ
ベシャアッ!!
ヒメ「」ピクピク
フィクサー「じっくりといきたかったが、もはや猶予をもたせるゆとりもなし…これまでにしよう」ジャキッ
フィクサー「さらば…幼き国王よ、平和にしがみついた惰弱として歴史の狭間に埋もれるがいい」バッ
フィクサー「」ヒュオンッ
ガシュッ!
839: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:19:47 ID:g5X5idGIPQ
フィクサー「……」
フィクサー「ぶ……」ゴポッ
フィクサー「……!?」ドロッ
フィクサー「な…んだ、と」ヒクッ
フィクサー「うっぐ……かだぁぁ!!?」クルッ ブンッ
ガキィィンッ!
フィクサー「ぎ、さまぁ…!?」ギンッ
団長「ふぅ…う!間に合ったな!」ギギギッ
フィクサー「がぁぁっ!!」ギャリンッ
団長「うぬ…!」タンッ
フィクサー「なぜだ…!?」ゼェゼェ
団長「はぁ…!陛下の身を最優先するは家臣たる……いや、忠臣たる務めよ!!」ググッ
フィクサー「足止めを命じた兵は…!?」プルプル
団長「大義を見失った者らにワシが止められると思うか!?」
フィクサー「ぐ、く……たかが私兵の分際で…よくも、げぅふっ…!」ゴフッ
団長「背中を切るのは武人の名折れだがやむを得まい…!陛下の命には代えられんからな!」ゼェゼェ
フィクサー「ちぃっ!!くそっ…がはあぁっ!!」ゴホゴホ
団長「今こそ成敗してくれるぞ!!覚悟は決まったか、フィクサー!?」
840: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:23:44 ID:1.Ek.8qzag
フィクサー「はぁぁああ!!!」ヒュオンッ
団長「ぬぅりゃあああああ!!」ブォンッ
ガァンッ ギンッ ガッ キキンッ
フィクサー「ふっ!はぁぁ!う゛う゛あ゛あ゛あ゛!!!」ガガッ ガガンッ
団長「ぐぬ…!だぁぁああ!!!」ガィンッ キキンッ
フィクサー「うぐ!?」ザシュッ
団長「ぬぅ…!!」プシャッ
フィクサー「はぁぐ…!」ボタボタ
フィクサー「(血が…止まらん…!)」
団長「傷の度合いは五分といったところか…!これでようやく…正々堂々とやり合えるな?」ニィィッ
フィクサー「(まず、い…まずい!このままでは……このまま……では)」ハァハァ
841: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:28:00 ID:g5X5idGIPQ
団長「これまでだっ!!」ブォンッ
フィクサー「邪魔立てするなぁっ!!」ヒュオンッ
団長「っ…粗いわぁ!!」ガキンッ
フィクサー「く……」シュタッ
フィクサー「(弾かれた…!やはり腕力の上では分が悪い…!)」ジンジン
フィクサー「(身体が思うように動かん…!!速度が…足りない!)」ズキッ
フィクサー「(やられる…!このままこの男とやり合うのは得策ではない…!だが今やらねば……ヒメを討ち取る機会が…!?)」
団長「神妙にせいっ!!」ブォンッ
フィクサー「っ!?」ピシャッ
団長「しぶとい奴め…!」ジリッ
フィクサー「がはっはぁっ!!」ゴホゴホ
フィクサー「〜〜〜!!」タラー
フィクサー「おぅぐ!!な、ぜだ…!!なぜ…!!」ゴホッ
フィクサー「なぜ…思い通りにいかない…!?」ブチィッ
団長「なおも足掻くか…!?」
フィクサー「ウアァァァアガアァァアアアアア!!!!」ブンッブンッ
団長「なっ…!?」ビクッ
842: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:29:36 ID:g5X5idGIPQ
フィクサー「アァァァ!!なんだ!これは!?なんなんだ、これはぁぁ!?」ボタボタ
団長「な、なんだ…!?」メダパニ
フィクサー「預言にはなかった!!あってはならない!!」ググッ
フィクサー「ごんな…無様な……わだしが…世界の中心にあるわらじが……ボヘァッ」ゴパァッ
フィクサー「きざまぁ……なにをしたかわがっでいるのが…!?」ギロォッ
団長「……?」ゼェゼェ
フィクサー「損失だ!!ごの才能が使い果たされるごとなぐ終わるのは……大いなる損失だぁっ!!」ガァーッ
団長「……なにを、言っとるんだ、お前は…?」ゼェゼェ
フィクサー「はぁっ…ゔばぁっ…!!馬鹿ばかりだ!!なんにもわがっでない!!なぜわがらない!?」ギリッ
フィクサー「戦争は必要だ!!改革が必要だ!!わたしが必要なんだぁ!!」ヨロッ
フィクサー「わたしが世の覇者となり……世を手にする!!それが真理だろうがぁ!?ちがうかぁ!?」
団長「……」
フィクサー「国も民も論も法も資本も必要ない…!わたしが…わたしによる、わたしの為の……わたしで、いいんだ……ウブッ!!」ゴホッゴホッ
団長「…始末におえん。本物の馬鹿だ」
843: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:32:42 ID:g5X5idGIPQ
フィクサー「グェッ!!ゲェフッエフッ!!」ゴボゴボ
団長「いいか、馬鹿者が?これだけは言っておくぞ?」
フィクサー「フゥ…グフゥ〜…!」ゴホッゴホッ
団長「民が真に欲している物……それらを誰より理解しておられる方は我が王を置いて他にない!!」
フィクサー「〜〜!?」ビキィィッ
団長「私欲に溺れ、不用意に混沌を招いた貴様ごとき国賊の出る幕などないわぁっ!!」
フィクサー「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」ブンッ
団長「貴様のツラは見飽きたぁ!往生際よく討たれろ!外道があぁぁあっ!!」ブォンッ
ズバァァァッ!!
フィクサー「ア゛…あ……がふっ!!」ブバァッ
フィクサー「ぐ……がはぁ」ドシャッ
団長「…陛下の下された苦渋の決断、民の心に渦巻く喪失、そしてワシの怒りをとくと味わえ!!」カッ
844: ◆WEmWDvOgzo:2016/8/23(火) 23:34:20 ID:1.Ek.8qzag
ヒメ「」ダラァァァン
団長「」ハッ
団長「陛下!!」ガバッ
ヒメ「」ピクピク
団長「……!なんとむごい!許せん…!?」ギリッ
団長「一刻も早く小童に癒してもらわねば!いったいどこに…!?」キョロキョロ
団長「えぇいっ!仕方あるまい!!」グワッ
ヒメ「」ポスッ
団長「うっ…!」ボタボタ
団長「なんの…これしき!!」ギュゥゥッ
団長「死ねん…!陛下を…お救いするのだ…!ワシは……」フラッ
団長「ど、こだ…!小童ぁ…!?」ヨロヨロ
タッタッタッ………
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