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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


915: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 21:50:59 ID:sL1tEWAnpc
あなたは現実に目の前で殺されるお友達の無残な姿を受け止められますか?

自分の無力さを受け入れられますか?

そうさせた相手を恨まずにいられますか?

不条理に尽きる世界を……愛せますか?

カロル「そんなの……」プイッ

わたしはかつて多くの人々とふれあい、きらめく世界を夢見ました
あなたのしたように……穢れのない生き方をしてきたつもりです

カロル「……」

清く正しく美しく、とはいきませんが
それはあなたも同じこと
時に傷付き、時に悩み、時に荒み、時に諦め、泥臭くもがいてきたものです

カロル「……」

そう生き続けた日々は悔しくもあり、哀しくもあり……遂には希望を棄てた
誰が聞いても愚かで投げやりな結末、だからこそ人はこの運命を避けようと改める
わたしにとっては失敗でしたが未来への教訓にはなれました
916: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 21:52:52 ID:sL1tEWAnpc
この身が魂となって大樹に宿り、世界を眺める
ただそれだけに費やした300年という月日
観測者というのはあまりにもどかしい役割です

けれど……この300年はわたしのいた時代と程遠く豊かに育ち
過ぎ去る平穏と争乱に一喜一憂するのも悪くはなかった
なにより、立ち会えなかった未来を覗けるなんて夢のよう

……あなたが生まれてくるまでは

カロル「!」

わたしはアピシナ。癒しの力を使い、争いの源となる大樹を産み出した戦犯
そしてあなたもまた……わたしと同じ道を辿ろうとしている

カロル「アピシナ…さま…!?」

あなたの存在は幾度もの混沌、再びの争い、欲望の坩堝へといざなう
そしてあなた自身、誰よりも深く悟っているはず

カロル「〜〜〜!」キュッ

己は"災い"なのだと

カロル「ボクはっ…」

あの時、割れた酒瓶で胸をえぐられたあなたは
回復する術を持っていながら使おうとはしなかった

カロル「」ドクンッ

お友達や家族を思い浮かべ、命を手放そうとした

カロル「や……」ブルッ

なぜ?

カロル「わ、かん…な……」ブルブル

……………

カロル「……」ブルブル
917: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 21:55:28 ID:XiUVsR3VT.
……本当は気付いていますね?

カロル「……!」

優しいあなたが、誠実なあなたが、悪意なきあなたが
大勢を不幸に陥れている事実

カロル「ふ、ぐ……」ツツー

あなたを愛してくれた家族

あなたが信じるお友達

あなたに敵意を向ける人々

あなたの力に心惹かれる者たち

癒しの力は誰も幸せにしません
あなたを含めて、誰も……

カロル「ふ、ぅ…ぅ…」ポロポロ
918: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 21:56:40 ID:XiUVsR3VT.
それらを踏まえてもなお
あなたはあの世界に残っていたいと望みますか?

カロル「ひっ…く……」グスグス

幸せになどなれないのに生きることを選びますか?

カロル「っ…っ……」ギュッ

わたしにはあなたの気持ちがよく分かります
なぜならあなたはわたしだから
あなたを分かってあげられる唯一の理解者だから

カロル「ボク…は……」ジッ

そうです。今こそ本当の答えを見つける時
本心から言葉を紡ぎ出しなさい
恐れずに……あるがまま

カロル「ボクは……」
919: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 22:01:55 ID:sL1tEWAnpc
カロル「ボクは生きたいっ!!」

……………生きたい?

カロル「生きて!またみんなといたい!」

それはまた皆を不幸に………

カロル「ちがうっ!!」

……………

カロル「アピシナさまのお話は分かるよ…!でもボクはアピシナさまじゃない!」

そうでしょうか?
わたしとあなたは……

カロル「そっくりだよ!でもおんなじじゃない!」

カロル「癒しの力があって、ホビットで、似てるかもしれないけど…!」

カロル「出会った人も生まれた時も育ててくれた親もちがう!」

カロル「ボクはボクで……アピシナさまはアピシナさまだよ!」

……………

カロル「…だから、やめてよ。そんな風に…悪く言わないで」ズズッ

……やはり受け入れられませんか?
自分が他を脅かす"災い"だと……

カロル「アピシナさまは誰も不幸にしてないよ」ウルウル

は……?

カロル「だって誰も……アピシナさまを恨んだりしてない」グズッ

………まさか、わたしの為に泣いていたのですか?

カロル「自分を好きになれないのは悲しいよ…。ボクも、そうだったもの」ヒック

…………
920: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 22:08:02 ID:XiUVsR3VT.
カロル「おねがい…。ボクをみんなのいる所に戻して」

まだ希望を棄てないのですか…
今を乗り越えられたとしても、あなたが生き続ける限り不幸は終わりませんよ

カロル「…みんなもそうだよ」

…………?

カロル「幸せと不幸せを繰り返して生きてる」

カロル「ボクやアピシナさまだけじゃなくて、みんな」

あなたは……怖くないのですか?

カロル「怖いよ。でも怖がるだけじゃダメ」

カロル「ボクがみんなを失うのが怖いみたいに……きっとみんなもボクを必要だと思ってくれてる」

カロル「怖くても、やるせなくても一人じゃないから」

カロル「だから一緒に生きていきたいの」

カロル「それがボクの幸せなんだ」ニコッ

……仲間に必要とされたまま過ごせると本気で信じていますか?
自分を嫌い、自分に好意を向ける人たちを不安に思っていたあなたが

カロル「」コクッ

……どうしてそう強く言い切れるのです?
しつこいようですが、この先も幾度となく……

カロル「…たくさんのことがあったよ。ツラいことも嬉しいことも」

カロル「でもそのたびにともだちができたんだ。ツラいのなんて忘れちゃうくらいステキなみんな!」パァァ

…………

カロル「みんなのおかげでボクもやっと自分を好きになれそうなの」ニコッ
921: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 22:09:46 ID:sL1tEWAnpc
ふふ………

カロル「……?」

あなたのお友達も似たような答えを出していましたよ

カロル「え?」

挫けない訳です
こんなに前向きなんですもの
あなたも……あなたのそばにいる方々も

カロル「アピシナさま…」

試すような真似をしてごめんなさい、カロルくん
あなたにわたしの言葉など要らなかったでしょう

カロル「…ううん、大事なこと、たくさん思い出したよ。ありがとう。アピシナさま!」ペコッ

……わたしの方こそお礼を言わせてください
夢を見させてくれてありがとう
あなたの軌跡はわたしに希望を思い出させてくれました

カロル「……」ニコッ

人とホビット、異なる種族の生きる道は限りなく照らされた
思い残しはありません
これでもう……わたしの役目は本当に終わり

カロル「終わりって…?」

さようなら。癒しの力を継ぐ少年
たとえ世界は変わらなくても、あなたの見る世界が満ち足りたものでありますように

カロル「待ってよ!消えちゃうの!ねぇ!」

さぁ……お戻りなさい
あなたを待つ方々のもとへ

カロル「アピシナさま…?アピシナさま!」

シュワァァァァァァァァァアアアン………
922: ◆WEmWDvOgzo:2017/3/12(日) 22:31:06 ID:sL1tEWAnpc
長らく放置して本当に申し訳ありません…
支援してくださった方々、保守してくださった皆様、ありがとうございます!
すごく嬉しかったですし本当に勇気づけられました!

支援スレの283さんのレスを見て笑い転げると同時にとても感動しました!
1スレ目からのエピソードやほとんど出番のないキャラの名前など深く読み込んでいただけてるのが伝わって、言葉にできないくらい嬉しかったです!
かれこれ30回は読み返して、もはや暗記するレベルにまで達してしまいました!
おかげさまで改めて自分のSSを1から読み返す機会にもなり、原点回帰できた気がします!
本当にありがとうございました!

>>911
すみません、かなり間が空いてしまいました…。
更新する更新すると口ばかりで長引かせて、謝るのもこれで何度目かと…
再三、優しさに甘えてしまう形となって本当に申し訳ありません…
こんなとろい自分を励ましてくださってありがとうございます!
今度こそ口ばかりで終わらないように更新を頑張ります!
923: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:02:07 ID:u8oh19UNDM
―――西の国(地下迷宮)―――

魔導師「ずいぶん散らかしたものだねぇ。後処理が大変だ…」ジロジロ

ファルージャ「腐らせておけばよい…。死なば、ただの肉塊よ。いずれ地の底へ還るわさ」

魔導師「地の底か…自分も、いずれはそこに堕ちるのかね」

ファルージャ「恐ろしいのかえ…?」

魔導師「…そりゃあね」

ファルージャ「案ずるな。そなたの見た目ほど恐ろしいものはなかろうよ」クスッ

魔導師「……」

ファルージャ「惑わされるでない。妾とそなたは確かな愛で結ばれておる?」サスッ

魔導師「この命は女王に預けてある。だから…その時が来ても躊躇いはしないよ」

ファルージャ「良い子じゃ?」ニヤリ
924: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:02:39 ID:u8oh19UNDM
ズォォオオオン………

カロル「」グッタリ

宣教師「」グッタリ

ラム「」ベチャア

団長「」グッタリ

フィクサー「マ、ダだ……!」ググッ

魔導師「おや…まだ生きてるのかい?そろそろ時間切れだろうけど」

フィクサー「王ノ首……!奪ワナケレバ勝利ではナイ…!!」ミキミキィッ

ファルージャ「王……あぁ」チラッ

ヒメ「」グッタリ

魔導師「だとさ、どうする?」

ファルージャ「好きにせよ。そやつの首になど関心ない」クスッ

フィクサー「ヴグフ…ヴフファァア…!!」ザッ

ヒメ「……」パチッ

フィクサー「ガァアアアアハハハハァ!!!」ジャキッ

ドスッ!

フィクサー「ヴムグっ!?」ガクッ

ヒメ「誰の首を取るっ…て!?」ズボッ

フィクサー「アァグッ!!」ブシュッ

ファルージャ「ンゥ…?」
925:容量と残りレス数が心配 ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:05:24 ID:u8oh19UNDM
魔導師「うわ…痛そう。脛ザックリ刺された」ドンビキ

フィクサー「グ、オェォ…!ギザマァ…!!」ダラダラ

ヒメ「(ファルージャ…!?)」ハッ

ファルージャ「息のある者が残っていたか。なんたるしぶとさよ」

ヒメ「(気絶してた間に癒されたのか…。身体が軽い…。けど、なぜみんなが倒れてる?)」チラッ

ファルージャ「ほとほと呆れるわ…。そなたらは何度、妾の前に立ちはだかろうというのか」フー

ヒメ「(状況が読めない…。だが確実に悪い予感がする…!)」ギロッ

ファルージャ「フィクサー!」

フィクサー「」ビクッ

ファルージャ「誰が膝を付けと申した?」

フィクサー「ウッ……ゥウグ」ググッ

ファルージャ「もたつくな。情けない男は好かぬぞ」

ヒメ「(フィクサー…そうだ、あいつにやられて、そこから記憶が……)」
926: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:05:47 ID:u8oh19UNDM
ファルージャ「…そなたで最後となろうか」ジッ

ヒメ「……!?」ジャキッ

ファルージャ「ふむ。青いが、瑞々しい」クスッ

ヒメ「仲間に何をした…!」カッ

ファルージャ「熟した実の肉々しい甘味も良い…。なれど未熟さもまた味よ」

ヒメ「質問に答えろ!」ズイッ

ファルージャ「クスス…その反抗的な眼差し。噛みごたえのありそうな?」フッ

ヒメ「……!」ゾワッ

ファルージャ「ちょうど三銃士も欠けておること。そなたに一席預けてもよいぞ」

ヒメ「なに…!?」

ファルージャ「妾に忠誠を誓ってもよいと…そう申しておるのじゃ」ニタァァァ

ヒメ「ふざけるな!誰が……」

ファルージャ「ならばそこに転がる仲間と運命を共にするか?」

ヒメ「なっ…!」

ファルージャ「なぁに。難しいものでもない。生きるか死ぬか、ただそれだけのこと」ニヤニヤ

ヒメ「お、おまえ…!」

ファルージャ「…女の誘いには黙って頷け。それが男の甲斐性というものぞ?」ニヤニヤ

ヒメ「〜〜〜!」ギリッ

ファルージャ「返事は…?」ニヤニヤ

ヒメ「死んでも断る!!」キッ

ファルージャ「……馬鹿な男」ボソッ

フィクサー「ウゴォアアアア!!!」バウンッ

ヒメ「くっ…!?」サッ

バゴォォン!

フィクサー「ヴゥグルルル…!!」ガラッ

ヒメ「(っ…石床がひび割れた!?なんて怪力だ…!)」チャッ
927: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:06:32 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「ハァグアアァア!!!」バウンッ

ヒメ「!?」ピョンッ

ゴシャアッ!!

ヒメ「あっ…つ…!」ゴロゴロ

魔導師「」ヒュッ

ヒメ「うっ…!」バサッ

ビシャッ

魔導師「咄嗟にマントで防いだかぁ…。素早い判断だねぇ」ゴソッ トプンッ

ヒメ「…起きろカロル!!なにやってるんだ!?」ムクッ

カロル「」クタァァ

ヒメ「おまえが倒れたら誰が仲間を助けるんだ!?癒しの力はおまえにしかないんだぞ!?」

魔導師「ムダムダ。呼び掛けたって聞こえやしないよ」

ヒメ「諦めないのがおまえの取り柄だろ!?諦めたらおまえに何が残るんだ!?」

カロル「……」

ヒメ「家族や仲間を失う前に自分を失ってどうする!?」

ヒメ「おまえが守ろうとした絆は…おまえ自身にも繋がってるんだぞ!!」

カロル「」ピクッ

ヒメ「起きろ!起きて救え!仲間も自分自身も!!」

フィクサー「グラァアアッ!!」ブゥンッ

ヒメ「うっ…!」ササッ

ガァァンッ!!

ヒメ「(防いでも吹き飛ばされかねない剣圧だっ…!こいつ、いったい…!?)」サッ
928: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:11:32 ID:7TPSqG30CI
ファルージャ「フゥ〜…無意味よな。声を枯らしたとて死人には響くまいに」

魔導師「叫ぶしかないのさ。絶望に立たされたら…」

ファルージャ「それで何が変わると言うのじゃ?」

魔導師「何も……ただ虚しいだけ」

ファルージャ「つまりは無意味ではないか」

魔導師「…そう。無意味だよ。助けを求めるなんて……」

ファルージャ「フゥン。往生際の悪いこと……パカラゥロ」

魔導師「ん?」

ファルージャ「出し惜しみせずともよい。一思いに始末なさいな」ニヤッ

魔導師「……」

ファルージャ「ン…?いかがした?」

魔導師「いやぁ……うん、分かったよ。危険だから女王は避難してて」

ファルージャ「…なんぞ気掛かりかえ?」

魔導師「別に…あんなのに使うのはもったいないと思っただけさ」

ファルージャ「あやつは妾を侮辱した。そこらに転がる仲間も……捨て置く訳にはいかぬ…。
女として、魔性の異名を取る妾の誇りがあやつらの存在を許せぬのよ」

魔導師「そうかい…。それは良くないねぇ」

ファルージャ「…この世界は無情なるモノ。一つの輝きを得る為にはいくつもの代償を払わねばならぬ。
妾の魅力は虜となる有象無象がいて初めて成り立つのよ」

ファルージャ「なれば…その価値を認めぬ輩は排除せねばなるまい?」

魔導師「……」

ファルージャ「妾の為…頼んだぞ?愛しき従者よ?」ナデリ

魔導師「」コクッ

ファルージャ「では地上で待っておるぞ?」ヒタヒタ

魔導師「うん、すぐ行くよ…。待っていておくれ」

ヒタヒタ ヒタヒタ………

魔導師「………」
929: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:13:11 ID:u8oh19UNDM
ドゴォッ!

ヒメ「くそっ!どうなってる…!急にこんな怪力……」

フィクサー「グッ!ブフゥウ!!ムゴハッ!!」ゴホゴホ

ヒメ「(吐血…?)」

フィクサー「バァオ゛…!グフゥゥ…!」ゼェゼェ

ヒメ「(苦痛に呻いてる。突然の豹変と何か関係があるのか…?)」

魔導師「やれやれ」ザッ

ヒメ「!」ピクッ

魔導師「いつだってそうさ。自分らは玩具。気まぐれに翻弄されて、飽きられたら棄てられる」ボソボソ

ヒメ「(まずいな。一人でも手一杯なのに…カロルたちも目を覚まさないままだし)」アセアセ

魔導師「だけどそれでいいんだ。遊ぶのも棄てるのも満たされた上での特権。自由を楽しんだ証拠」ゴソッ

ヒメ「(また何か容器を取り出した…。液体じゃなさそうだが……)」

魔導師「この世は彼女の楽園さ。全ての喜びは彼女に恵まれる。だから美しいんだ。恵まれた彼女は」カパッ

ヒメ「(仮面を外した…?)」ピクッ

魔導師「ふぅ」スッ

ヒメ「……女!?」ギョギョッ

魔導師「自分も一緒になんて浅ましかった。楽園に住めるのはただ一人……」キュッ

シュコォォォ

ヒメ「!」ハッ

魔導師「う゛っ!!ぐえ゛っ!!」ギュウウ

ヒメ「(こ、れは…猛毒の霧、か!?)」ゴボッ

魔導師「さぁ、君も自分も糧となろう。彼女を楽園に導くんだ…っ」サァァ

ヒメ「おまえっ…っ!」クラッ
930: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:14:06 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「グモォッ…ムグッ!ヴゥガァアアア!!!」ジタバタ

ヒメ「う゛……お゛ぅえ」バタッ

魔導師「うぶ…ふぅえ…!」クラッ

魔導師「(くるしい…。こんなに……自分で作ったとは…おもえないなぁ)」ケホッ

魔導師「(ま、それもそうか…試したことなんてないし)」ガクガク

魔導師「あぐぅ…!」ガシッ

魔導師「(息がまるで、大量の砂を飲まされてるみたいだ。喉に…空気が通らない…!)」ガクッ

魔導師「(この苦しみも……女王の喜び……あぁ…)」ウツラウツラ

魔導師「(死……死……死が……女王の…ため…死……死!)」フッ

魔導師「(死…!!)」ゾワァッ

魔導師「〜〜〜!」ゾクゾク

魔導師「ひ、ひぃ。ひぃぃ…」ズルズル

魔導師「うぇっぐ!ごふ……」コヒューコヒュー

魔導師「う……」ギュッ

魔導師「(女王……)」ウルッ

魔導師「(…じょ、お…う!)」ボロッ

パァァァァアアアア!!!
931: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:16:58 ID:7TPSqG30CI
シーン………

ヒメ「な、なんだ…なにが、起きた?」パチクリ

カロル「う…ん」ムクッ

ヒメ「カロル…!」

カロル「あ、ヒメくん…」ムニャッ

ヒメ「お、おまえがやったのか……今の…」

カロル「今の…?」キョトン

ヒメ「突然、ヤツが撒いた毒の霧が晴れたんだ!おまえじゃないのか?」

カロル「あ……」

ヒメ「え?」

カロル「アピシナさま…」ホワンホワン

ヒメ「アピシナ…?大樹を育てた伝説の…?」

カロル「…少し夢を見てたみたい」ニコッ

ヒメ「夢…?」

カロル「あんまり覚えてないけど、いい夢だったよ」ニコニコ

ヒメ「はぁ?」チンプンカンプン

カロル「ヒメくん」ジッ

ヒメ「? な、なんだよ?」タジッ

カロル「みんなで帰ろう!」

ヒメ「!」

カロル「約束だよ?」ウインク

ヒメ「あぁ、当然だ!!」グッ

カロル「ふふ、なんだろ。ふしぎな気分」クスクス

ヒメ「?」

カロル「こういう気持ちになれるから頑張ろうって思えるんだろうね」ニコニコ

ヒメ「そうかもな…」ニコッ
932: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:18:53 ID:u8oh19UNDM
魔導師「そうか…そんなことも出来るのか」ジャリッ

カロル「?」

ヒメ「!」ハッ

魔導師「完敗だよ。成す術もない…。やっぱり本物は違うなぁ。君は特別だ」ボソボソ

ヒメ「……?」

魔導師「は、はは…は……」ブルッ

カロル「パカラーロさん、もう…」

魔導師「…偽物」ガリッ

カロル「!?」

魔導師「偽物だ、こんな……化け物のふりも、散々だ」ボリボリ

ヒメ「(か、顔を掻きむしってる…?)」

魔導師「醜さが、醜さが欲しい。女王が愛してくれた、醜さが」バリバリ

カロル「やめなよ!血が出てる!」パシッ

魔導師「触れるなぁ!!」バチンッ

カロル「っ……」ゴクリ

魔導師「血が乾かない…。息苦しさがない…。腹の底から冷えきった、あの感覚がない…」ボリボリ

カロル「パカラーロさん!」アセアセ

魔導師「……触れるだけで傷も、毒も、苦痛も、歪みも……」ブルブル

カロル「パカラーロ…さん?」

魔導師「自分から"特別"がごっそり消滅した…」

カロル「とくべつ…?」

魔導師「怖い力だよ。黒魔術なんかより、よっぽど恐ろしい。まるで過去を無かったことにされたみたいだ…」

魔導師「仰々しく覆うローブも目深に被ったフードも素顔を秘めるマスクもまやかしだ…」ブツブツ

魔導師「…もう、誤魔化しきれない」キュッ

ヒメ「…事情がよく飲み込めないが要は利用されてるだけじゃないか。なんでファルージャに固執するんだ?」

魔導師「……」ピタッ
933: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:22:24 ID:7TPSqG30CI
魔導師「ん、ふふ……ふふふ」プルプル

ヒメ「な、なんだよ。いきなり笑いだして?」

魔導師「なにも分かっちゃない…」

ヒメ「……?」

魔導師「献身と享受。それが愛だ。自分らなんかは献身、女王はもちろん享受。利害なんて求めてない」

ヒメ「あ、愛…?」

魔導師「自分は昔、思い知った。ある国から連れ去られて…何年もこの地下に閉じ込められてから」

ヒメ「連れ去られた…?」ピクッ

魔導師「可笑しくなるくらい不運だった…。どれだけ待ちわびても幸運の兆しなんて訪れなかった…。呪ったよ。不運を。その裏側にある真実も」

魔導師「故郷、家族、友達、覚えてる限りの絆……当たり前に信じてた繋がりは全部、全部まやかしだったのさ」

ヒメ「おまえ、まさか……」ハッ

魔導師「……愛されてなかった。だから自分には不運しか訪れなかった」

魔導師「だけど彼女は違う。愛された。幸運に満ちてた。自分の不運を感謝したいくらい、美しかった」

魔導師「全てを捧げる喜びが自分を生かしてる…。女王との間にあるのは至純の愛だけさ」

ヒメ「共依存関係だ…。そんなの愛とは呼べない」

魔導師「ん、ふふ…子供には早すぎたかなぁ。その内知るよ。自分らの愛がどれだけ空っぽでちっぽけな物か」

ヒメ「おまえは知らないだろうけど…ブルードル陛下は……東の国はおまえたちを見捨ててなんかいないぞ」

魔導師「!」

ヒメ「あの方はずっとおまえたちの身を案じてた。いつか必ず助け出そうと力を蓄えてたんだ」

魔導師「……」

ヒメ「遅すぎたと言えば、それまでかもしれない。でも…おまえは確かに愛されてたよ」

魔導師「…哀しくなるなぁ。響かないんだよ。今さら…そんな話で喜べるほど静謐な過去じゃないんだ」

カロル「だけど信じようとしたんでしょ…?」

魔導師「……」

カロル「信じても…助けてもらえなかった。だから辛いんだよね」

魔導師「ふん…」
934: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:23:28 ID:u8oh19UNDM
魔導師「忌々しいなぁ…。どうして、どいつもこいつもうざったい過去を持ち出すのかね」

カロル「…パカラーロさんはしあわせだったの?」

魔導師「ん…?」

カロル「ファルージャさんのそばで悲しいことも楽しいことも…しあわせって感じてた?」

魔導師「感じてたさ。自分は特別だった。女王もそう褒めてくれた」

カロル「うん…」

魔導師「君がいなければ全部うまくいってたんだ…。ずっと特別でいられて、この命も女王に捧げられた」

魔導師「偽物は…取り繕っても偽物だ。こうして化けの皮を剥がされてみて、よく分かった」

カロル「そうなのかな」

魔導師「……?」

カロル「特別って、そういうものじゃないと思うよ」

魔導師「なに…?」

カロル「ただ便利な物を特別っていうなら人じゃなくてもいいでしょう?」

魔導師「?」

カロル「ボクたちは物じゃないよ。生きてる。だからいろんな感情を一緒に分かち合えるんだ」

魔導師「……!」

カロル「そうやって過ごしてきた思い出とか、信頼を特別っていうんじゃないかな?」

魔導師「詭弁だ…!そんな戯れ言、なんの意味もない!」

カロル「……」

魔導師「な、にも……うっ」ズキッ

カロル「パカラーロさん……」ジッ

魔導師「〜〜〜!!」ドクンッ
935: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:24:20 ID:7TPSqG30CI
『あぁ……くるしぃ…』

『たすけて…おねえちゃん……』

『かえり、たい……ママ、パパ……あいたいよぅ』

魔導師「!!!」ゾワァッ

『わたしとおねえちゃん、ふたりになっちゃったね……ごほっ』

魔導師「……!」ゾクゾク

『ねぇ、だいじょうぶって言って…?いつもみたいに優しく撫でて…?』

魔導師「(やめ、ろ。思い出させるな…!)」ガリッ

『ナニゴレ!?ぎぼぢわるい!ごんなの!ワダシじゃナイ!!げほっう゛ぇぶぅごぼはっ』

魔導師「聞きたくない!イヤだ!やめてくれっ!!」ボリボリ

ヒメ「お、おい!どうした!?」アセアセ

『ヴゾヅギィ!!ガエレルッデ!!イッダノニィ!!?』

魔導師「あっあっひやぁ!うやぁぁああああ!!!?」バリボリ

カロル「」パシッ

魔導師「!!?」ビクッ

カロル「血が出てる…」ギュッ

魔導師「へ、あ……」フワッ

カロル「大丈夫」ニコッ

魔導師「あ、あぁ……」ブルブル

カロル「大丈夫だよ」ニコニコ

魔導師「ふ、う……」ジワァァ
936: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:25:59 ID:7TPSqG30CI
魔導師「…自分には、なにもない」グシッ

魔導師「特別だった物を失ってきた…。助けられなかった…!」ググッ

魔導師「女王だけなんだ…。どんなに醜くなっても…愛してくれたのは…」

カロル「…だからホビットの里を襲ったの?」

魔導師「……?」

カロル「あの日、たくさんの人が大切な物を奪われたんだよ…?」

魔導師「なんの…はな、し」

カロル「ボクは覚えてるよ。パカラーロさんがボクを探しに来た時のこと」

魔導師「あ……」ハッ

カロル「悲しむ人。怒る人。我慢する人。復讐しようとする人。耐えられなくて、おかしくなっちゃう人…いろんな人がいた」

魔導師「……」

カロル「誰かの為にしたことなら、誰かを不幸にしてもいいの?」

魔導師「っ…そうやって成り立つもんさ。イヤって言うほど経験してきた…!」

カロル「……」

魔導師「自分の為に生きてるヤツなんか一握りさ!みんな誰かに使われて生きてるんだ!その中で意味を探すのが大変だから…愛を求めるんだ!」
937: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:26:50 ID:7TPSqG30CI
魔導師「女王の為なら、いくらでも手を汚す…!全ては献身……愛がそうさせるんだ!」

カロル「…とっても怯えてたね。なにを思い出したの?」

魔導師「」ビクッ

カロル「…パカラーロさんがしてきたこと?それともされてきたこと?」

魔導師「言うな…!」ブルッ

カロル「悲しいね。憎んできた人たちと同じことをしてるなんて」

魔導師「言うなぁ!!!」

カロル「お母さまがいつも言ってた。自分たちもいつそうなるか分からないって…」

カロル「だから大切な人を愛するんだ。愛情は心の拠り所なんだって…そう言ってたよ」

魔導師「〜〜〜!!」

カロル「愛にもいろんな形があるんだね。でも人を繋げて希望になる。そういう愛をボクは知ってるよ」

ヒメ「……」

カロル「…きちんと伝えた方がいいと思う。ホントに好きで一緒にいたいなら」

魔導師「っ…だったら死んでくれ!めんどくさいんだ、説教なんていらないんだよ!自分はただ女王の役に立ちたいだけなんだ!」

ヒメ「ここで死んでも無駄だぞ」

魔導師「!?」

ヒメ「おまえが二度とあいつの役に立つことはなくなる。死んだら、そこで終わりなんだよ」

魔導師「……!」ギリッ

カロル「お互いに、だよ」

ヒメ「……」

カロル「愛は人と人を結ぶものでしょう。欠けてしまったら、どうして喜べばいいの?」

魔導師「ぐ、ぐ……」プルプル
938: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:27:37 ID:u8oh19UNDM
カロル「行こ?」

魔導師「ど、こ…?」

カロル「本当の気持ちを聞いてみたらいいよ。ファルージャさんに」

魔導師「女王に…今の自分をさらけ出せって言うのかい…!?」

カロル「…本当に特別なら関係ないよ。どんな形でも好きになってくれる」

魔導師「……!」ブルッ

カロル「平気だよ。信じて?」

魔導師「なにを…!?」

カロル「ファルージャさんと自分の気持ちを」

魔導師「っ……」ギュッ

カロル「ヒメくん、いいかな…?」

ヒメ「良い訳ないだろ。そいつは何度も僕たちを殺そうとしてきたんだぞ。なんの利もないし時間の無駄だ」

カロル「そんな……」シュン

ヒメ「…けど、東国の民だと分かった以上、手出しは出来ないな」フー

カロル「!」

ヒメ「亡きブルードル陛下への義理を果たす意味でも、この場は不問にしておいてやる」ニコッ

カロル「〜〜〜!」パァァ

ヒメ「さ、皆を起こして行くぞ」

カロル「うん!」
939: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:28:21 ID:7TPSqG30CI
カロル「宣教師さま!ラムくん!へいき?」ユサユサ

ヒメ「おーい団長生きてるかー?国王命令だ、起きて働けー」ゲシゲシ

カロル「(ふ、踏みつけてる…)」ハラハラ

魔導師「(なんなんだ、こいつらは……)」

魔導師「(敵だ…女王を否定し、憎まれた敵……)」

魔導師「(あんな戯れ言に動じるような自分じゃなかった…)」

魔導師「(なのになんで……自分は……)」

『そなたの命は妾の為に使え……』

魔導師「……」チラッ

フィクサー「」スースー

『妾はそなたを愛しておる……』

魔導師「(女王……)」スッ

魔導師「(大丈夫…自分もだよ)」クスッ
940: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:29:57 ID:u8oh19UNDM
ドバッ

プシャアアアアア

カロル「へ?」クルッ

ヒメ「なっ…!?」ハッ

フィクサー「ちっ…」ザッ

魔導師「ぁ……ふ」ドシャッ

フィクサー「下衆が…」ヒュンッ ピシュッ

カロル「パカラーロさん!」ダッ

ヒメ「やめろ!行くな!」ガッ

カロル「な、なにするの!パカラーロさんが!?」ジタバタ

ヒメ「おまえ…なんでもかんでも助ければいい訳じゃないんだぞ!ラムにも叱られただろ!?」カッ

カロル「」ビクッ

ヒメ「下がってろ!」バッ

カロル「……!」サッ

ヒメ「フィクサー!!」ジャキッ

フィクサー「ふっ…」ニィィ
941: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:30:57 ID:u8oh19UNDM
ヒメ「どうあっても僕とおまえの間には決着が必要らしいな!」キッ

フィクサー「…傍らには救い主、か」ジロッ

カロル「……!」キュッ

フィクサー「……なるほど、これが……ずいぶんと研ぎ澄まされた心地だ」グッパッ

魔導師「ん、ふふふ……」ダラァァン

カロル「っ……どうして!」

魔導師「なにも…自分じゃなくても、いい。守れたら…それで……」ジャリッ

カロル「……!?」

魔導師「あいし、てる」ズズッ

カロル「死なないで…!死んじゃダメだよ!!」

魔導師「あい…てるよ、じょ……」ズリズリ

ドスッ!

魔導師「ぶっ…!」ゴフッ

フィクサー「耳障りだ。黙っていろ」グリィッ

魔導師「んぅ!!」ブシュッ

ヒメ「……!?」

カロル「!!!」ダッ

ヒメ「お、おい!カロル!」アセアセ

カロル「……!」タタタッ

フィクサー「迷信だとばかり考えていたが、いざ体感すると疑いようもないな」ズボッ

魔導師「」ピクピク

カロル「〜〜〜!!」バッ

フィクサー「」ヒュンッ

カロル「あつっ!?」バシンッ
942: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:32:04 ID:u8oh19UNDM
カロル「くぁっ…」ズサッ

ヒメ「カロル!?」

フィクサー「心配するな。刃は当てていない」ザッ

ヒメ「このっ…!」ザッ

フィクサー「が、懲らしめる必要がありそうだ」ズシッ

カロル「ぐっき…ぁぁあああ!!!」バタバタ

ヒメ「やめろぉ!!足をどかせ!?」

フィクサー「手は痛みの宝庫だ。与えるにも受けるにも関わらず、ほとんどの痛みは手から生み出される」グリグリ

カロル「ひあぁっ!ひっ…いぎゃああああ!!!」バタバタ

フィクサー「だが貴様はその手で人を癒し、痛みを取り除く。酔狂なものだ」グリグリ

カロル「う゛っ!!はぁ!はぁ!」ゼェゼェ

フィクサー「空いた手をなおも伸ばすか。貴様を脅かす敵の為に……」パッ

カロル「いま…いや、すから」ピトッ

魔導師「」フワッ

カロル「」ホッ

魔導師「」ダラン

カロル「……!?」パチクリ

フィクサー「」ズシッ

カロル「うっ!あぐぅ…!」ズシャッ

フィクサー「遅かったな」グリグリ

カロル「そん…な……いや…ぁぁあああ!!!」バタバタ

ヒメ「!!」ダッ ブンッ

フィクサー「」ヒュンッ

カァァァンッ
943: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:38:06 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「激昂しているのか?」ギギギッ

ヒメ「…!?」グググッ

フィクサー「」シュッ

ヒメ「おぅっ…」ドフッ

フィクサー「剣に集中しすぎだ。胴ががら空きだったぞ」ニヤッ

ヒメ「うっ…」ゲホゲホ

フィクサー「…わたしもだ。とてつもなく憤怒に駈られたよ」

ヒメ「…うぅ!」ジャリッ

フィクサー「誤算ばかりだった。予測し得る対策はほぼほぼ講じていた筈なのにだ」

フィクサー「ファルージャの……我が妃の魅力。このわたしがもはや恋に堕ち、情欲に溺れるとは……思えばアレが全てだったか。
本来の目的にズレが生じるほどに…単なる男女の営みではない未知の感覚に支配されたのだ」

フィクサー「西国の統治、長期作戦による王国の権威剥奪。どれも予定していた計画とは違う。だが妃を手に入れる為には必要だった。だからこそ杜撰(ずさん)なものになってしまった」

フィクサー「わたしは彼女に踊らされた道化に過ぎないのかもしれん」フッ

フィクサー「彼女はまさしく……魔性の女だ」

ヒメ「はぁっ…!」ムクッ

フィクサー「どうやらこいつもわたしも取り憑かれていたらしい」ゲシッ

魔導師「」ゴロン

フィクサー「しかし頂けないな。愛の為に命を捧ぐなど、まったく愚かな決断だ」

ヒメ「ふん!女に溺れたヤツが言っても説得力がないな…!」ヨロッ

フィクサー「愛も野望も手に入れればいい。欲望がある限り、夢は見られるのだから」

ヒメ「…じゃあおまえの目的ってなんなんだよ!国の未来も見ていないのに争いを望む理由はなんだ!?」ジャキッ

フィクサー「…いろいろあるさ。その時々に感じた物の積み重ねだ」

ヒメ「僕はこの戦いを通して何一つ意味なんか感じられなかった!なぜこんな事をしてるのか自分でも分からない!」

フィクサー「そうか…」

ヒメ「やめる気はないのか…!もうたくさんだ…!」ググッ
944: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:39:46 ID:u8oh19UNDM
フィクサー「やめる気など毛頭ない。思考を取り戻した今となってはむしろ本来の目的を果たすのが最優先だ」

ヒメ「なに…!?」

フィクサー「ここまでの犠牲を踏まえても有り余る成果が…ここにあるからな」ズシッ

カロル「ひぐ…!」ググッ

フィクサー「圧倒的な暴力と死者を産み出す技術……近代までの軍事はそればかりに費やし、同様に戦略も組み立てられた。その真逆をいく発想がコレだ……」チラッ

カロル「はっ…あぁぐ…」ピクピク

フィクサー「生命を保管し、不死を完成させる魔力……ふ、はは。なんたる嘘めいた絵空事だ!想像の域を遥かに越えている!」ワナワナ

フィクサー「かつての教団が起こした国家反逆……あの鼻白む愚行の意味がようやく分かった。
妃をして欲望に狂わせたのも頷ける。わたしも今、果てしない野心に埋もれそうだ…!」

ヒメ「……!」ブチィッ

フィクサー「不死の兵、不死の民、不死の帝国!!不死の軍による戦乱!!」

フィクサー「まさに終わらない!終わりようのない争いだ!比喩でない血の海をじかに見られるぞ?はっははは!!」ゲラゲラ

ヒメ「喋るな!!」バッ

フィクサー「っ…」ギィィンッ

ヒメ「なんなんだ、なんなんだよ、おまえは!?」ビュバッ

フィクサー「……」ガィンッ ギギンッ

ヒメ「争い、争い、争い…!なにがしたいんだよ!今もその先もぶち壊してどうしたいんだ!?」ガァンッ ギャリンッ

フィクサー「」サッ

ヒメ「!?」ズザッ
945: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:42:24 ID:7TPSqG30CI
フィクサー「わたしはただ…持て余していたんだ」

ヒメ「はぁ…!?」

フィクサー「今の時代はあまりに刺激が無さすぎる。憂いているんだよ、わたしは」

ヒメ「憂いてるだと…!」

フィクサー「冷戦と呼べる駆け引きもさほど無く、国々は自己保身に積極的だ。何も進展しない。誰も大志を抱かない。流されるままありふれた日常にのめり込む」

フィクサー「果てしない静けさがわたしの胸をざわつかせるんだ。このままでは何一つ残せない。ただ生きてみただけだとな」

ヒメ「おまえは夢でも語ってるつもりか…!そんなくだらない理由でこの惨劇を引き起こしたのか!?」

フィクサー「極めた分野による優秀な能力を遺憾無く発揮し、望む結果を勝ち取る。一種の遊戯だよ」

ヒメ「遊戯…!?遊びで、こんなことを…!?」

フィクサー「大袈裟に言えばな。根本にあるのは挑戦とも言える好奇心だ。
誰もが一度は夢に向かい目標を立て、到達点を目指すだろう?それの延長といった具合か?」

ヒメ「馬鹿な…!狂ってるとしか思えない!」

フィクサー「正常さ。わたしもおまえもここにいる全ての者が普通ではないことをしている」

ヒメ「これが正常だと…!?」
946: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:43:49 ID:7TPSqG30CI
フィクサー「なにも不思議な事はない。我々は自由なのだ。全ては許容される」

ヒメ「許される筈がないだろ!こんなのが正常だって言うなら何を信じればいいんだ!?」

フィクサー「何かを信じればいい。結果次第では偉業とも過ちとも捉えられる。
本当に狂っているのは…許容も拒絶もせず、ただ与えられた日常に甘んじる民衆なのかもしれんな」

ヒメ「ふざけるな…!おまえの起こした事で悲鳴を上げる人々は今も平和を待ちわびてるんだ!修正しようと戦う皆が…日常に帰りたいと願ってる!」

フィクサー「救い主に振り回され、視野の狭い行動を繰り返しているだけだろう」

カロル「……!」ピクッ

フィクサー「ここに集まった者は全て、このホビットによって巡り会った。修正すべきと言うのなら"因果"から断つのが筋ではないのか?」

ヒメ「そんな理屈が…まかるかぁ!?」バッ

フィクサー「」ヒュオンッ

ガァンッ

ヒメ「ぐあっ!」ドサッ

フィクサー「救い主よ。罪深きは貴様だ。貴様が争いを呼び、皆を死に向かわせたのだ」

カロル「………」

フィクサー「貴様もだ。国王という重責を負い、全うな政治に尽くそうというのなら、いずれ知るだろう」

ヒメ「うる、さい…!」ググッ

フィクサー「利用するか、始末するか、二つに一つの選択を迫られる」

ヒメ「どちらも選ばない!こいつは普通に生きたいだけだ!」

フィクサー「だから…こうなった」シュッ

ヒメ「ぎゃっ!?」バキッ

フィクサー「…選べないのならわたしが代わろう。"魔性"も"癒しの力"も…この才知に委ねるがいい」
947: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:50:31 ID:u8oh19UNDM
カロル「ヒメくん…!」ムクッ

フィクサー「……」ジロッ

カロル「もう、やめて……おねがい」ヨロッ

フィクサー「」シュッ

カロル「うぶっ!」バキッ ズダァァン

フィクサー「かよわいものだな」ガッ

カロル「いたっ…」グイッ

フィクサー「いいか。貴様は道具だ。わたしの意思のままに力を行使すればいい」ブンッ

カロル「ひぐっ!」ビタンッ

フィクサー「貴様を尊重してやる気はない。管理から外れた言動をするな」

カロル「は、ふ……」ボタボタ

フィクサー「癒しの力が実在するとなれば永遠の命も見込める訳か。妃が大樹に赴いたのなら既に…ふっ」ニヤリ

カロル「」ズズッ

フィクサー「嬉しい誤算だ…。また一から組み立てねばな」ニヤニヤ
948: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:51:01 ID:u8oh19UNDM
カロル「うっ……」フワッ

フィクサー「…そうか。自身の傷も癒せるんだったな」

カロル「……」ムクッ

フィクサー「まずは軽く耳でも削ぎ落とすか。少しは従順になるだろう」ジャキッ

カロル「ごめんなさい…」スッ

フィクサー「クックッ…物分かりは良さそうだ。素直にしていれば……」ニィィ

カロル「助けられなくて…ごめんなさい」サワサワ

フィクサー「……?死体などまさぐって何をしている?」

カロル「…なにもできなくてごめんなさい…」パシッ

フィクサー「……!?」ハッ

カロル「あなたにも…ごめんなさい。ボク…悪いことをします」キュッキュッ

フィクサー「!!!」ザウッ

ガキィィンッ!

ヒメ「ぐっ…うぅ!やれ!こいつを退けるには…もうそれしかない!」ギギギッ

フィクサー「ヒメぇ……!?」ギギギッ

カロル「こんなことしたくなかった…。誰も傷付けたくなかった…。ホントだよ?」グッ

フィクサー「やめっ……」

カロル「だけど…ごめんなさい」キュポッ

シュコォォォオオ
949:投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2017/4/12(水) 22:52:58 ID:u8oh19UNDM
カロル「」ピトッ

ヒメ「」フワッ

カロル「…これでみんな」パッ

宣教師「」スースー

団長「」スースー

ラム「」スースー

カロル「……」

フィクサー「ヴボゥッ!オゲッグフゥッ!」ゴボッ

カロル「……!」ギュウ

フィクサー「がっふ!がはっ!うっ……あ゛は」フッ

カロル「」スッ

フワッ

フィクサー「」スースー

カロル「(やっぱりできないや…。また叱られちゃうかな)」ズーン

カロル「……」スッ

魔導師「」フワッ

カロル「〜〜〜!」プルプル

カロル「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめ、なさい」ポロッ

カロル「ふっ…うぅ……ぅぅ……」ポロポロ
950: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:00:16 ID:8RM3./Nalk
―――宮殿―――

ファルージャ「ふあぁ…誰もおらぬのか。玉座で寝こけてしまいそうじゃ」クタァァ

スタスタ スタスタ

ファルージャ「ンゥ…」クルッ

ピタッ

ファルージャ「クスス…待ちくたびれたぞ?」スクッ

魔導師「……」

ファルージャ「地下の始末は済んだのか?」ジッ

魔導師「」コクリ

ファルージャ「ふむ、しからば残る者共の選別に参るとしようか」

魔導師「せん…べつ?」

ファルージャ「…さよう。渡り廊下の向こうにおる兵らに妾を愛し、命を捧げる覚悟を問うのよ」

魔導師「……どうやって?」

ファルージャ「フフ…!そなたの術にかけ、生死をさまよわせるのじゃ」ニタァァ

魔導師「……」

ファルージャ「その中で生き延び、なおも妾の寵愛を望むとあらば飼ってやってもよい」ニヤニヤ

魔導師「どうして…?」

ファルージャ「ン?」キョトン

魔導師「どうして…そんなことするの?」

ファルージャ「愉快であろうな?」ニヤァァ

魔導師「ゆかい…?」

ファルージャ「妾欲しさに命を賭ける卑しい男共の狂宴じゃ。そなたも見たいと思わぬか…?」ニヤニヤ

魔導師「イヤだって…言ったら?」

ファルージャ「」ピクッ
951: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:01:04 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「…それはどういう意味じゃ?」

魔導師「……」

ファルージャ「よもやそなたまでもが……」

魔導師「……」

ファルージャ「フッ…戯れるでない。そなたの一途さを妾はよう知っておる」クスッ

魔導師「……」

ファルージャ「拗ねておるのかえ?ここ最近は構ってやれなかったものなァ?」ニヤニヤ

魔導師「……」

ファルージャ「フフン…おいでなさいな。よく働いてくれた褒美じゃ」ヌギッ

魔導師「ファルージャさま」

ファルージャ「ンゥ?」スラリ

魔導師「ボクが…見えてますか?」

ファルージャ「ボク…?」キョトン

魔導師「どんな形をしていても…好きでいてくれますか?」

ファルージャ「妾とそなたの間じゃ。口にせずとも察しておろう?」クスッ

魔導師「……」

ファルージャ「ふむ、様子が変わっておるな。どれ、久しぶりに顔を見せておくれな」

魔導師「」カパッ

ファルージャ「醜くも…二つとない特別なる容姿。妾に興奮を覚えさせた愛しきそなたを?」ニヤニヤ

仮面「」カランカラン

ファルージャ「そうそ……う」ピタッ
952: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:03:25 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「そ、そなたは……」

ファルージャ「いつから……」

ファルージャ「………」

魔導師?「騙してごめんなさい」バサッ

ローブ「」ファサッ

ファルージャ「……!」

カロル「…脱いだら、ちょっぴり肌寒いや。パカラーロさん、ずっと暑いの我慢してたのかな」

ファルージャ「なぜ……パカラゥロは……」

カロル「……死んだよ。金色の鎧を着た人間に斬られて」

ファルージャ「!……では、そやつは」

カロル「パカラーロさんの服に入ってたお薬を使って寝かせた…」

ファルージャ「…その服はパカラゥロが着てた物かえ?」

カロル「そう、だよ…」ブルッ

ファルージャ「なにゆえ…?」ジッ

カロル「ファルージャさんの気持ちが知りたかったから……」ブルブル

ファルージャ「……」

カロル「……!」ガチガチ

ファルージャ「……」

カロル「う、うぅ…」ブワッ

ファルージャ「……」

カロル「ふっぅ…もう、パカラーロさんに…えぐ…知らせてあげられないのに…うっ…なにがしたいんだろ」グシグシ

ファルージャ「…フゥ〜」ポスンッ
953: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:04:38 ID:8RM3./Nalk
カロル「ひっく…ごめ、なざい」グズッ

ファルージャ「…あやつはなんと?」

カロル「ボクが…癒したから、化け物じゃなくなったって……よく、わかんなかった…」ズビッ

ファルージャ「……ほう」

カロル「ど、ゆうことなの…?」ジッ

ファルージャ「他人が知るものではない。二人だけの秘め事よ」

カロル「……ファルージャさんは、それでキライになった?」

ファルージャ「はて、な」

カロル「はてな…?」ウルウル

ファルージャ「あやつは妾の愛を疑い、妾はそなたの変装を見抜けなかった」

カロル「う……」タジッ

ファルージャ「少し前まではあやつの仮面の内にある表情も見えたものじゃが…なぜであろうな?」

カロル「愛してるって言ってたよ…」

ファルージャ「……」

カロル「苦しそうにしてても…最後まで言ってた」

ファルージャ「さようか…」
954: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:05:47 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「クスス……」

カロル「?」キョトン

ファルージャ「パカラゥロ、シャルウィン、カカドゥーラ……」

カロル「(???)」

ファルージャ「妾の為の帝国を築き上げた忠実なしもべ。三銃士と名付け、格別に愛でた者たちよ」

ファルージャ「よく尽くし、持て囃してくれたわ。女として、これほど悦ばしいことはない」

ファルージャ「果ては命を差し出してまで…気に入られようと健気に…く、」

カロル「……?」

ファルージャ「キャハハハハハ!あーっははははは!」ケラケラ

カロル「ど、どうしたの?なんで笑うの?」オロオロ

ファルージャ「これが魅力よ。愛の成せる業よ!」クスクス

カロル「……?」

ファルージャ「あやつらは所詮、妾を伸し上げる奴隷に過ぎぬ。いくら貢がれ、愛を伝えられようと情など沸くものか!馬鹿馬鹿しい!」ケラケラ

カロル「…ホントに言ってるの?」

ファルージャ「ハァン?」ジロッ

カロル「あんなに思ってくれてたんだよ?ファルージャさんの為に必死になって……」

ファルージャ「クスス…嬉しいぞ?来世でもまた存分に可愛がってやろうでないか?」

カロル「…来世なんてないよ。生まれてくる人たちは死んだ人の代わりにはなれないもの」

ファルージャ「代わりなど、どこにでもおろう」

カロル「……!」

ファルージャ「この魅力が永遠にある限り、妾の未来に滅びはない。新しい奴隷がそこかしこに群がるわ」ニタァァァ
955: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:10:38 ID:8RM3./Nalk
カロル「……」シュン

ファルージャ「なんじゃ、その目は?」ジッ

カロル「寂しくならないの…?」

ファルージャ「寂しい?なにゆえ?」

カロル「……」

ファルージャ「望み通り妾の為に死ねたではないか。何を嘆くのじゃ?」

カロル「ボクは…そんな風に喜べないもん」プイッ

ファルージャ「…ここはそういう国よ。圧倒的な富裕か極限までの貧苦。平等などという言葉すら存在せぬ」

カロル「ボクも…ホビットだから。いろんなことがあったよ。でも……」

ファルージャ「それがどうした?」ジロッ

カロル「」ビクッ

ファルージャ「溌剌とした目…まるで穢れを知らぬような素振り…どれもが目に余る。それで妾と通じ合えるとでも思うておるのか?」

カロル「だ、だけど…」

ファルージャ「初めて見知った時からずっと…その愛情に満たされた顔を快楽に染め上げてやりたくてたまらなかった…!」

ファルージャ「傅かせ、脚に頬を擦り付け、妾に媚びる無様な顔が見たかった!」

カロル「……?」

ファルージャ「されど皮肉にも…そなたは妾など眼中にないように振る舞い、仲間も同様に妾を拒絶した」

ファルージャ「許せるものではない…許されてはならぬ。なればこそ…そなただけは消えてもらわねば」スクッ

カロル「へ…?」

ファルージャ「」ヒタヒタ

カロル「ど、どこに行くの…!?」

ファルージャ「妾を愚弄した罪……あの世で悔いるがいいわ」ニヤッ

カロル「まっ…」

「カロルくん!!!」

カロル「わっ!」ビクンッ
956: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:17:57 ID:8RM3./Nalk
宣教師「こ、ここにいたんですか!心配しましたよ!」ザッ

カロル「宣教師さま…!」

ヒメ「目が覚めたら、おまえだけいなくなってて混乱したぞ!何をしてたんだ!」

ラム「あの二人も倒れてたし、まさか君がやったのかい?」

カロル「ヒメくん!ラムくん!……あれ?団長さんは?」

ヒメ「団長には捕縛したフィクサーを見張らせてる。それよりもこれはどういう事態なんだ!」

カロル「あ、ごめんなさい…。その…二人きりで話したくて」

宣教師「ふ、二人きり…?」

カロル「うん。ファルージャさんと……」

宣教師「二人きりで……ま、まさかあの女にそそのかされたのでは!?」

ラム「落ち着きなよ。カロルくんに限ってそれはないって?」

宣教師「そ、そうでしょうけど…なぜわざわざ二人になる必要が?」

カロル「えっと、それは」チラッ

ポツン

カロル「あっ!ファルージャさんが!」

ヒメ「なに!?」

宣教師「と、扉が開いてますよ!」

ヒメ「向こうは渡り廊下に続いてる!その先は主戦場となった大階段だ!あいつを兵士と接触させたらまずい!」

ラム「たぶん、まだ遠くには行ってないよ!追おう!」ダッ

カロル「うん!」ダッ

ダダダッ
957: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:18:52 ID:Z3/ar.vMUI
―――宮殿2階(大階段)―――

ザワザワ ザワザワ

王国兵78「それは…本当なのか?」

レジスタンス11「そうだ。俺たち反乱軍と帝国軍は和睦を認め、争いを放棄する。な?」

西兵108「おうよ!女王が決めだんだ!イヤどは言わぜねぇ!」

王国兵78「な、ならば我々は…我々はどうなるんだ!?」

レジスタンス11「知るかよ。そっちはそっちでやりやがれ」

西兵108「おで様たちの城で暴れようっでんなら承知しねぇ!ぶっ殺すぞぉ!?」

王国兵78「ひっ!」

王国兵79「訳が分からん…。総指揮は…フィクサー様はどこだぁ!?」

護衛13「団長もおられない…。いったい宮殿で何が起こってるんだ」

護衛14「こ、これじゃまるで……俺たちの戦いはなんだったんだ」

賊徒29「よく分かんねぇが勝ったんだな!しゃあっ!!」ガッツポーズ

西兵108「あぁ!?誰がんなごど言っだぁ!?」

ワァーワァーギャーギャー

レジスタンス11「(………ダメだな。こりゃきっかけ一つで、どうにでもなっちまう)」

ズォォォオオオン

レジスタンス11「(こんだけの屍を積み上げたんだ…。なんとなしに引き下がれる筈もねぇ)」

レジスタンス11「(早く来い…!お前らがいなけりゃ、ここはまた戦場と化すぞ!王国人ども!)」ググッ
958: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:20:49 ID:Z3/ar.vMUI
ザッ

レジスタンス11「!!!」クルッ

西兵108「あぁん!?」ギロッ

ファルージャ「クスス…」ニィィ

レジスタンス11「ふぁ、ファルージャ!?」

西兵108「女王!!」カッ

ザワザワ ザワザワ

ファルージャ「乾いた風。血の味がする…。今にも狂気に当てられそうな。なんともむせ返す香りよ…」ヒタヒタ

王国兵's「あ、あれは……」

護衛's「だ、誰だ…」

賊徒's「うっひょ!」ギンギン

ファルージャ「そなたらに朗報じゃ」

ザワッ

ファルージャ「妾のしもべにしてやってもよい」

王国兵's「なっ…!?」

護衛's「し、しもべ…!?」

賊徒's「なんの冗談だぁ…!?」ビキッ

ファルージャ「」ハラリ

全員「」ドキィッ
959: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:23:01 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「どうさな?見事であろう?」クネッ

全員「……!」ゴクリ

ファルージャ「この肢体が欲しくば……それなりの誠意を示せ」クスッ

ファルージャ「態度次第では極上の快楽にいざなってやろうぞ?」スラリ

王国兵's「お、おぉ……」ボーッ

西兵's「ぐし、グシシシシ!」ジュルリ

護衛's「い、いかん。われ、われは……」ボーッ

賊徒's「な、なんて色っぽいんだ…!むしゃぶりつきてぇ!」ギンギン

レジスタンス11「お、おい!ふざけんな!なにその気になってんだ!」アセアセ

ファルージャ「苦しゅうない。すべてを忘れ、熱い猛りを見せてたもれ?」スラリ

全員「っ……」ゴクリ

ファルージャ「どうした?手を伸ばせば、いかようにでも出来るのだぞ?」ムチッ

西兵's「じょ、おう…!!」ジリッ

賊徒's「たまんねぇ…!たまんねぇよぅ…!!」ジリッ

レジスタンス11「くそっ…てめぇらまで何してんだ!イアマンの誇りを棄てるのか!?」

王国兵's「だ、駄目だ!我慢出来ん!」ズイッ

護衛13「よ、よせ!行くな!」ガッ

護衛14「うるせぇ!あんなの見せられて辛抱出来るか!」バッ

護衛15「俺も…」ジリッ

護衛16「へ、陛下や団長に背くことになるぞ!」

護衛17「引き寄せられるんだ…分からないけど目が離せないんだよ」ボーッ

ファルージャ「さぁおいでなさい。まとめて可愛がってやろう…」ボイン

ダダダッ

ファルージャ「クスス…」ニヤニヤ

ビュンッ ザスッ!

全員「」ピタッ
960: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:24:55 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「……!」ドキドキ

ザワザワ ザワザワ

ファルージャ「…誰ぞ」ポツリ

レジスタンス11「……!?」

ファルージャ「妾の前に剣を突き立てたのは誰ぞ!?」カッ

西兵108「ひ、ヒィッ!?」タジッ

王国兵78「わ、私は知らん!知らんぞ!」アワアワ

賊徒33「あ、あっちから飛んできたぞ!?」アタフタ

護衛13「陛下!!」

レジスタンス11「なにぃ!?」

ヒメ「遅れてすまない!」ザッ

カロル「…わ」クラッ

宣教師「改めて見ると…なんて悲惨な…」ジッ

ラム「独房と違って真新しい匂いだね。これはこれでキツいなぁ」ツーン

ファルージャ「また、そなたらか…!!」ワナワナ
961: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:25:32 ID:Z3/ar.vMUI
ヒメ「王国軍に告ぐ!ただちに武器を捨て、投降しろ!」

王国兵's「なに…!?」

ヒメ「憎き国賊、アーディス・フィクサー総指揮の身柄はこちらで拘束した!もはや勝敗は決している!」

王国兵's「バカな!総指揮が!?」

護衛's「か、勝った…ということか?」

ヒメ「そうだ!この戦い、国王直属近衛師団の勝利は揺るぎない!
西国反乱軍及び西国帝国軍の代理戦争からは手を引き、我々は帰還する!
沙汰は王国領内王都議事堂にて下す物とする!速やかに降伏を受け入れろ!」

王国兵78「そん…な」

王国兵79「我々の…我々による新時代が……」

ヒメ「夢から覚めろ!おまえ達の行き先はその手で汚した現実だ!!」

王国兵's「あ…うあ……」ガクッ

護衛's「やった…やったぞ!勝ったんだ!」プルプル

ウオオォォォオオオァァァアアアアアア!!!!!

ヒメ「ふぅ…なんとか間に合ったな」

宣教師「…立派になりましたね」ニコッ

ラム「ホント!王様の風格ってやつ?」クスッ

ヒメ「まぁな!」ニィッ
962: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:26:19 ID:Z3/ar.vMUI
ワァーワァーギャーギャー

宣教師「さて、残るは…」

ラム「ファルージャがどう出るかだね」

ヒメ「いや、もう大丈夫だ」

宣教師「へ?」

ヒメ「4つの戦力には偏りがある」

ラム「……?」

ヒメ「僕らの陣営となる近衛師団が約100。レジスタンスの反乱軍が約3万。
ファルージャ配下の西国帝国軍は6000弱。フィクサーが引き抜いた王国軍が約10万。これが初期の戦力図だ」

ヒメ「この中でファルージャが動かせる戦力は西国帝国軍だが…以前の戦いで主力を欠いている帝国軍だけでは反乱軍と戦う余力さえない」

ヒメ「頼みの綱の王国軍は総指揮のフィクサーを失い、僕の呼び掛けで完全に停止した」

ヒメ「つまりファルージャに残された手は強引に負け戦を続けるか、降伏に応じて反乱軍との交渉に移るかの二つだ」

宣教師「……へぇ」ニコッ

ラム「……そうなんだ」ニコッ

ヒメ「おまえらなんとなく頷いてるだろ」
963: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:27:44 ID:8RM3./Nalk
西兵108「じょ、女王!どうじまじょう!」アセアセ

ファルージャ「フゥ〜…なにを慌てふためいておるか」

西兵108「ず、ずいやぜん!」

カロル「ファルージャさん!」

ファルージャ「!」ピクッ

カロル「…終わらせよう?」

ファルージャ「……」

カロル「もう十分でしょう?やめようよ!」

ファルージャ「クッ…」ギリッ

カロル「ファルージャさん…!」

ファルージャ「煩い!!妾に指図するでないわぁっ!!」キッ

カロル「」ビクッ

レジスタンス11「!?」ギョギョッ

西兵's「ヒィッ!?」ズサッ

ファルージャ「……そこのホビットを殺した者に褒美を取らす」

ザワッ

ファルージャ「誰でも構わぬ!妾を抱きたければ、あの童の首を跳ねてまいれ!!」シュルッ ボインッ

西兵's「う……」ワナワナ

賊徒's「お……」ググッ

王国軍's「おぉぉ……」ズズズッ

オォォオオオオオ!!!!!
964: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:28:58 ID:Z3/ar.vMUI
ラム「ちょっと!話が違うじゃないか!あいつの一声で暴動が起こってるよ!」アセアセ

ヒメ「そんなバカな…!?」ガクガク

宣教師「えぇ、バカですよ!男というのは本当に…!」イライラ

ラム「どうするんだよ!なにか秘策はないの!?」

ヒメ「冗談じゃない…!こんな……これ以上どうしろって言うんだ!」

宣教師「ひとまずカロルくんを避難させましょう!ここでは危険です!」

ラム「そ、そうだね!また地下に潜ればなんとか…」

ヒメ「くそっ!僕は残って食い止める!団長を呼んでくれ!」

宣教師「分かりました!」コクッ

ラム「カロルくんを逃がさないと!」ダッ

宣教師「では私も!」ダッ

ヒメ「頼んだぞ!」

「イアアァァアアアマァァァン!!!!」

宣教師、ヒメ、ラム「!!!」ビクッ
965: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:29:54 ID:8RM3./Nalk
アアァァァン………

宣教師「い、今の声は…!?」

ラム「あ、あれ!」

ヒメ「あいつ…!」


クンバヤ「ぐぅ…はあ!イアマンよ…おれに…ちか、らを」ズルズル

レジスタンス11「クンバヤ…!生きてたのか!?」

賊徒's「アニキ!!」

ファルージャ「なんじゃ…!?」ギロッ

クンバヤ「あくまを…たおす力を…!おれたちの自由を…とりもどす力をぉぉ…!!」ギンッ

ファルージャ「!?」ゾワッ

クンバヤ「ウガァァアアアアア!!!」バッ

ファルージャ「だ、誰ぞ!こやつを止めっ……」

ドシュッ!
966: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:31:23 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「ぐ……」ボタボタ

クンバヤ「」バタッ

ファルージャ「いっ……あっぐぅ!」ペタン

西兵108「じょ、女王!大丈夫ですがぁ!!」ハラハラ

ファルージャ「か、顔に……妾の、妾の美しき顔に…傷が…!?」ハァハァ

西兵's「」ハッ

ファルージャ「よ、くも…よくも…!!」ブチィッ

西兵108「女王…!」

ファルージャ「殺せっ!!そやつをなぶり殺しにせよ!!妾の顔を傷付けた罪、とくと思い知らせるのじゃ!?」ガァーッ

賊徒's「なんだ、ありゃ…!?」

王国兵's「ひ、ひでぇ…」

ファルージャ「なにをしておる!はよう!はよう殺さぬか!?」

西兵's「……」

ファルージャ「き、貴様らまで…!なぜ黙っておる!命令じゃ!」

「ひどい醜態ですね」

ファルージャ「なにぃ…!?誰じゃ!妾にかような……」クルッ

宣教師「目元から鼻にかけて顎先まで一文字が刻まれ、怒りを露にわめき散らす姿は誰の目から見ても醜いでしょう」ザッ

ファルージャ「そなた…!またしても…!?」

宣教師「その顔ではもはや誰も誘惑出来ませんね。魔性のファルージャさん…でしたっけ?」クスッ

ファルージャ「小娘がぁ…!」ワナワナ
967: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:34:05 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「たかが傷一つで…!?」ズキズキ

宣教師「完璧に清潔を保った部屋ほど埃が目立つものですよ。あなたのそれは致命的ですが」

ファルージャ「ありえぬ…!こんな、こんなもの……いっ!」ズキンッ

宣教師「無闇に触ると痛みますよ」

ファルージャ「う、ふぅ。ぐ……」ズキズキ

宣教師「"魅力"さえ失ったあなたに人の心を動かす力はありません」

ファルージャ「ほざくな…!小娘がぁぁ…!!!」ブシュッ

宣教師「敗北を認めなさい。そして…あなたに狂わされた人々の命に償うのです」

ファルージャ「だ、れが…グホッ!ゴフッ!」ブバァッ

ザワザワ ザワザワ

ファルージャ「(痛い…!黒魔術による苦悶とも無造作に抱かれる屈辱とも違う……純粋な激痛!)」ボタボタ

ジロジロ ヒソヒソ

ファルージャ「(なんじゃ、その目は…!なぜそんな目で見る…!?これしきで妾の美貌が霞むとでも…!?)」ブルッ
968: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:44:15 ID:8RM3./Nalk
ワラワラワラ

賊徒29「ヒヒヒ!あ〜やうく騙されんとこだったぜ!」ニヤニヤ

賊徒30「おう!こんなブスに従う俺らじゃねぇ!今こそアニキの意思を継ぎ、イアマンの鉄槌を降す時だ!」ジャキッ

ファルージャ「……!ふ、不埒者め!親衛隊!こやつらから妾を守れ!?」バッ

シーン

ファルージャ「守れと言うのが分からぬか!二度言わすな!?」キッ

西兵's「へ、へい……」シブシブ

ヒメ「やめておけ。勝ち目はないぞ」ザッ

ファルージャ「……!?」ビクッ

ヒメ「帝都や近隣の諸侯から全兵を召集したとしてもレジスタンスの勢力には到底及ばない。
しかもこの城内を占める兵の半数以上はレジスタンスと王国軍だ」

レジスタンス11「言っとくが俺達は一歩たりとも退かねぇぞ。やるならとことんやってやらぁ!?」ズイッ

ヒメ「帝都も事前の仕掛けで、ほぼ反乱軍が占拠した。
増援、補給等の後方支援も見込めない上、おまえ達をまとめられる指揮官級は不在と来ている」

西兵's「」ゾクッ

ヒメ「忠告はした。まだやるなら受けて立つぞ」ジッ

西兵's「」タジッ

ヒメ「その女と心中する覚悟があるなら話は別だが」

西兵's「」ポイッポイッ

カランカランカラン
969: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:46:26 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「な、なんの真似じゃ…!?なぜ武器を捨てる…!?」

宣教師「国王の説明を聞いたでしょう。彼らは敗北を認めたんです」

ファルージャ「馬鹿な!妾は帝ぞ!下僕は帝に尽くすが道理!!そのような小僧の戯れ言に耳を貸すなどありえぬわ!?」

ヒメ「おまえもそうやって地位を勝ち取ったんだろ」

ファルージャ「!?」

ヒメ「なんせ情婦の身でありながら皇帝一族を一人残らず抹殺した悪女だ。
裏切りと報復の恐ろしさを最もよく知るのはおまえじゃないのか?」

ファルージャ「わ、わら、妾が…棄てられると…!?」ガクガク

宣教師「あなたは長年、この国の女帝に君臨してきたそうですが…家臣の方々との信頼は稀薄だったのですね」チラッ

西兵's「………」

宣教師「どうやらこの方々はあなたの外見にしか興味が無かったようです」

ファルージャ「〜〜〜!!」ワナワナ

宣教師「内面も愛されていれば…結末は違ったかもしれませんね」

ファルージャ「あ、あぁアアアアア!!!アァァアアアアアア!!!」ワシャワシャ

宣教師「可哀想に……」ジッ

ヒメ「……終わったな。ようやく。全てが」

スタスタ

ラム「あっ!」

ヒメ&宣教師「!?」ピクッ
970: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:47:47 ID:Z3/ar.vMUI
カロル「」スッ

ファルージャ「」ビクッ

カロル「」ピトッ

宣教師「カロルくん!?」

ヒメ「な、何してるんだ!よせ!?」アセアセ

ラム「そうだよ!せっかく苦労して倒したのに!?」

カロル「……」

ファルージャ「お、おぉ…」ガッ

カロル「……」

ファルージャ「そなた……そなたじゃ!そなたの力を使えば、この忌々しい傷も…!」パァァ

ヒメ「カロル!!!」

カロル「……」チラッ

ヒメ「その傷はさっきの男が命懸けで託した最後の希望だ!何もするな!絶対にだ!!」

ラム「そうだよ!犠牲を無駄にしない為にも、このままにしておくんだ!」

宣教師「手負いの彼女を見過ごせない気持ちは分かります!ですが…それは今でなくてもいい筈です!」

カロル「……」
971: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:48:13 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「み、見捨てまいな…?よもや……妾にはそなたしかおらぬ?」ブルブル

カロル「……」

ファルージャ「そなたは妾を救ってくれる…。そうであろう!?」ギュッ

カロル「昔ね、お母さまと約束したんだ」

ファルージャ「!?」

カロル「やりきれなくなったらやめなさいって」

ファルージャ「ハァ…!?」

カロル「人間の世界に入って、たくさんのことを知れて楽しかったよ」

カロル「もし諦めてたら出会えなかった人がこんなにいるなんて嬉しくて…ホントにしあわせだった」

カロル「それでも…同じくらいやりきれないこともあったんだ」

カロル「だから全部やめて元通りに暮らそうとしたけど……やっぱりできなかった」

ファルージャ「……!!どうでもよいわ!!はよう癒さぬか!?」カッ

カロル「…ともだちがボクを見捨てないでいてくれたから」ニコッ

宣教師「……!」

ヒメ「っ…!」

ラム「カロルくん…」
972: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:49:53 ID:Z3/ar.vMUI
ファルージャ「長々とくだらぬ話を…!無駄に時間を取らすな!!」

カロル「……」

ファルージャ「妾の美を返せ!!この激しい痛みから解放するのじゃ!?」ドクンドクン

カロル「…その痛みは今までファルージャさんの為に死んできた人たちの痛みだよ」

ファルージャ「うぐぁぁあ!!痛い!痛い痛い痛い!早く!早くしろぉ!?」ガシッ

カロル「傷付いて、動けなくなって、見捨てられて、それでもあなたを信じてひとりぼっちになった人たちの」

ファルージャ「コワッパァァァアア!!!」ググッ

カロル「っ…!」ズキッ

宣教師「(つ、爪を立てて…!?)」

ファルージャ「あたかも己が正しいように…!虫酸が走る!たかだか…ホビットの分際でぇ…!?」クワッ

カロル「…う……」タラー

ファルージャ「そなたは!石にかじりつき、泥を貪って飢えを凌いだことがあるかえ!?」

ファルージャ「襤褸を纏い、骨張った手足をひくつかせ、媚びへつらい、嘲られても!」

ファルージャ「粛々と野獣のように抱かれ、汚濁にまみれた肌を固く冷たい地べたに打ち捨てられる女の気持ちが分かるのか!?」

カロル「………」

ファルージャ「く、くす…クスス!笑えるであろう…?魔性と謳われた美姫の正体が薄汚い枯木のごとき不細工だったなど……」ガタガタ

カロル「笑わないよ…」

ファルージャ「じゃが妾はこうして登り詰めたっ…!悪罵にさらされ、陵辱を受け、絶望に満ちた苦痛の内にあろうとも死に物狂いで…!」

ファルージャ「生きる者を喰らい、死人をも喰らい、喰らえない物にさえかじりつき……生き抜いてきたのじゃ!」ギリッ

ファルージャ「銅貨一枚で身体を売り歩く貧民窟の遊女が……愛され、羨まれ、帝国の頂にさえ君臨してみせるには……どれほどの惨憺たる現実を見なければならなかったか分かるかぁ!!!」

カロル「……」シュン
973: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:52:05 ID:8RM3./Nalk
賊徒30「ゲヘへ!おい、聞いたかよ?」ニヤニヤ

賊徒31「おうよ。なっさけねぇ〜わ」ニタニタ

賊徒32「さんざんでけぇツラしてのさばってくれた割にはなぁ?」ププッ

賊徒33「女帝様はくっせぇ〜穴蔵育ちのあばずれ女だったってかぁ?グヒャヒャヒャヒャ!!!」

賊徒34「こいつぁ〜いいや!ほれ!」ピンッ

チャリンチャリン

ファルージャ「〜〜〜!!!」プルプル

賊徒34「銅貨一枚くれてやらぁ?さっさと股ぁ開けよビッチが?」ニタニタ

ファルージャ「なん、じゃと…キサマ…!?」ギロッ

賊徒35「俺も俺も〜」ピンッ

賊徒36「こんな傷物とヤるのかよ〜?俺は勘弁っすわ〜?」

賊徒37「顔なんざ布切れ被して隠しときゃいいだろ。腐っても身体は上等だ!ギャハハ!」ゲラゲラ

賊徒38「それもそうだなぁ!んじゃ俺も一枚投じてやっか!」ピンッ

賊徒39「おいおい、いったい何人でマワす気だよ〜!後に抱くヤツがバッチぃじゃねぇか?」

賊徒40「うしし…いいじゃねぇか。堕ちた女を汚すってのも乙なモンよ」ピンッ

ピンッ ピンッ ピンッ ピンッ

ファルージャ「お、のれ…!やめろ!小銭を投げつけるなぁ!?」ビシビシッ

賊徒30「ギャハハハハ!見ろよ!あの必死なツラ!血と涙で崩れた化粧がどろどろになってらぁ!」ゲラゲラ

ファルージャ「アァ…!ウアァァアアア!!」ボロボロ
974: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:53:09 ID:8RM3./Nalk
カロル「」バッ

ファルージャ「」ビクッ

カロル「……!」ビシビシッ

賊徒30「あぁ?なんだぁこのガキぃ?」

賊徒31「どけよ!邪魔だろうが!」

カロル「やめなよ…。男の人なのに女の人をいじめるなんてかっこ悪いよ!」キッ

賊徒32「てめぇ…!なんだその生意気な目ぇ?ぶっ殺すぞウラァ!!」

バキィッ

賊徒32「ぎゃふ!?」ズダァァ

レジスタンス11「みっともねぇんだよ。バカヤロウ」コキコキ

賊徒's「……!?」

レジスタンス11「リーダーのクンバヤが命を振り絞って掴んだ勝利に女を抱いて祝福ってか?意地きたねぇにも程があんだろうがよ!?」カッ

賊徒's「」ブルッ

レジスタンス11「王国人も見てる前でなんだ、このひでぇ有り様は?馬鹿にすんじゃねぇ!俺たちはイアマンだぞ!?」

レジスタンス11「この聖戦を勝利に導いた英雄だ!神に愛された戦士だ!路上でくだ巻くならず者じゃねぇ!誇りはねぇのかクソヤロウ共!?」ガァーッ

賊徒's「」ズーン
975: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 21:54:50 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「ひっ…ヒィ……」ボロボロ

カロル「怖かったよね。ごめんなさい」ダキッ

ファルージャ「!?」ギュッ

カロル「ボクも知ってるよ…」ナデナデ

ファルージャ「……!?」ブルブル

カロル「ボクたちに石を投げつける人たちは何を言ってもやめてくれなかった」

カロル「誰も止めようとしないし助けてくれることもなかった」

ファルージャ「……!」

カロル「だからボクは見捨てたくない。あんな苦しみは知らなくていいんだ」

ファルージャ「やかましい!!」バッ

カロル「!」

ファルージャ「そなたは…何がしたい…!?なにゆえ、庇おうとする…!?」ポロッ

カロル「……」

ファルージャ「落ちぶれる妾を見下しておるのであろうが…!?癒す気もないのなら、妾に情けなど…!」ググッ

カロル「ううん」フルフル

ファルージャ「はぁ…そうかっ…!味方のふりをし、欺くのだな…!?誰がそなたなどに振り回されるか!」

カロル「ちがうよ」

ファルージャ「なんなんじゃ…!魅力を無くした妾に…何を望む…!?」ポロポロ

カロル「なにも望んでないよ」ナデッ

フワッ

ファルージャ「!!!」

ファルージャ「……!」

ファルージャ「ふ、う」ポロポロ
976: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:38:50 ID:8RM3./Nalk
ラム「あ〜あ、またやっちゃったね」

ヒメ「よせって言うのに…」

ラム「でもいいんじゃない?あの様子なら大丈夫だよ。たぶん」

宣教師「……」

ラム「どうかしたの?」

宣教師「これで済むような相手でしたら最初から苦労していませんよ」

ラム「どういうこと?」

ヒメ「さすがに女の方が鋭いな」

宣教師「キミも?」

ヒメ「…あぁ、女心は分からないがヤツとは浅からぬ因縁がある。簡単に覆せるタマじゃない」

ラム「な、なにさ!二人だけで納得して!」

宣教師「キミも半年以上、この城で彼女を見てきたのなら、なんとなく察しませんか?」

ラム「……?」

ヒメ「成り上がりとはいえ、仮にも大国の支配者まで登り詰めたんだ。その自我は強いってことさ」

ラム「……!」
977: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:40:16 ID:Z3/ar.vMUI
カロル「へいき?」ナデナデ

ファルージャ「う、うっ…」ポロポロ

カロル「」ナデナデ

ファルージャ「(なんという屈辱…!ホビット風情に涙を見せ、懇願させられるなど…あるまじき醜態!)」ジワァァ

カロル「……」ナデナデ

ファルージャ「(なぜじゃ…なぜこやつには妾の魅力が通じぬ…!)」

ファルージャ「(ひとたび誘惑すれば皇族もその臣下も民衆さえも平伏した…)」

ファルージャ「(童の仲間とて初めは我が美に揺れていた…!)」

ファルージャ「(じゃがこやつは…こやつだけは!)」キッ

カロル「?」ニコッ

ファルージャ「(最初から靡かなかった!凪のごとく、なにも望まぬと言い切った…!無償で傷を癒した!)」

ファルージャ「(敵対した妾を愛するでもなく救った…!)」ギリッ

ファルージャ「(まるで妾を女とも見ておらぬかのように…!)」フーフー

ファルージャ「(侮辱じゃ…かつてない…!)」ググッ
978: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:41:19 ID:8RM3./Nalk
西国兵108「うへへ!じょ、女王の美貌が戻っだぞ!」

西国兵's「ぐしし…!やはり女王が一番だ!」ジュルリ

ファルージャ「……!」ジャリッ

西国兵108「さぁ女王!今度こそ、ごのネズミどもを一網打尽にしてやりやしょうや!」

ファルージャ「痴れ者めっ!?」カッ

西国兵's「ひっ!」タジッ

ファルージャ「ようも黙っておったものよ…!下僕の分際で高みの見物か!?」ジロッ

西国兵's「〜〜〜!」モゴモゴ

ファルージャ「…自害せよ」

西国兵's「え…?」

ファルージャ「互いに心臓を刺し合え…!妾を裏切った罪、死を以て償うのじゃ!!」

西国兵's「」オロオロ

ファルージャ「どうした!命令じゃ!やらぬかぁっ!?」

カロル「ふぁ、ファルージャさん…!やめなよ!」オロオロ

ファルージャ「そなたもじゃ…!」

カロル「え…?」

ファルージャ「価値の分からぬホビット風情が妾の心を手に入れたつもりか…!?」

カロル「な、なんのこと…?」

ファルージャ「こやつの心臓に剣を突き立てよ!無価値な愚か者はまとめて死ぬがいいわさ!」

パシンッ!

ファルージャ「ッ……」ヒリヒリ
979: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:42:01 ID:8RM3./Nalk
ファルージャ「……!?」マジマジ

宣教師「……」

ファルージャ「キ、サマ……わ、妾の顔を張ったな…?」ワナワナ

宣教師「いい加減にしなさい!!」

ファルージャ「」ビクッ

宣教師「まだ分からないのですか!もう終わったんですよ!」

ザワザワ ザワザワ

宣教師「いつまでも喚いてないで現実を受け止めなさい!」

ファルージャ「……!」プルプル

宣教師「少しは改心するかと思いましたが手の尽くしようがありませんね」

ファルージャ「改心…!?妾が何を改める必要が…!?」

宣教師「それから!」ピシャリッ

ファルージャ「!」

宣教師「私はカロルくんのように無条件であなたを許す気にはなれません…。それだけの罰を覚悟なさい」

ファルージャ「ふ、ふざ…!」イラッ

宣教師「ふざけるな、は私のセリフです!」

ファルージャ「」ムグッ

宣教師「幾度となく差し伸べられた手を払ってきた…掴む手を失ってからでは遅いんですよ」

宣教師「犯した過ちもそうですが…自分の心に問いかけなさい。何が間違っていたのか、なぜ最後の最後で見捨てられたのか」

宣教師「それが分かる時まで…あなたに愛を語る資格はありません」

カロル「宣教師さま…」

宣教師「キミもやりすぎです!この女から離れなさい!」グイッ

カロル「あっ…」グンッ
980: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:44:05 ID:8RM3./Nalk
宣教師「さぁ帰りますよ」

カロル「……」

宣教師「…まだ気掛かりですか」

カロル「パカラーロさんとは…ホントに仲良しなんだと思ってた」

宣教師「?」

カロル「ファルージャさんはホントに誰も信じてなかったのかな…」

宣教師「諦めましょう…」ボソッ

カロル「へ…?」

宣教師「もう十分ですよ。キミはよくやりました」

カロル「……」

宣教師「女という生き物はね、見栄っ張りなんですよ」

カロル「そうなの…?」

宣教師「えぇ、私にも少なからずそういった部分がありますから」

カロル「宣教師さまも?」

宣教師「自分を押し通そうとするあまり他人を省みなくなることが多々あります。ファルージャはそれの究極……どこまでも"女"なのでしょうね」

カロル「分からないよ…」

宣教師「…キミも男の子なら分かる日が来ますよ。もう少し大きくなってから、ね」クスッ

カロル「…はい」チラッ


ファルージャ「そんな馬鹿な…妾が…?なぜこうなる…なにゆえ……誰か、誰か」ボー


カロル「っ…」シュン
981: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:54:27 ID:Z3/ar.vMUI
ヒメ「元王国軍はこちらの指示に倣い、速やかに撤退の準備をしろ!」

ヒメ「人員が不足してる分、みっちり働いてもらうぞ!真面目にこなした者には特例で恩赦も与える!贖罪と思って誠実に励め!」

王国兵's「……!」ググッ

ヒメ「女王以下帝国軍の処遇は反乱軍に委ね、王国はこれに関与しないものとする!いいな?」

レジスタンス11「おう」

ヒメ「よし、話はまとまった!僕たちも帰り支度を始めるぞ!」

ラム「か、帰るって…このまま?」

ヒメ「…あぁ、そうだ」

ズゥゥゥゥゥン

ラム「…いいのかい?」

ヒメ「…帝都も同様の被害に遭ってる。いくつもの軍勢から遺体を掻き分けて持ち帰ってやるのは不可能だ」

ラム「そっか…。しょうがないな」シュン

ヒメ「過酷なのはこれからだ…」

ラム「え…?」

ヒメ「いや、なんでもない。団長を呼びに行ってくる」スタスタ

ラム「あ、うん…」
982: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:55:18 ID:8RM3./Nalk
ザッザッザッザッ

ファルージャ「……!」

レジスタンス11「さぁて、と」ザッ

ファルージャ「なっ…」タジッ

レジスタンス11「分かってるよなぁ?」ギロッ

賊徒's「」ザザザッ

ファルージャ「ぶ、無礼者め…!道を開けよ!」ブルッ

ジリッジリッ

ファルージャ「う、あああ!!!」ダッ

賊徒36「おっとぉ」ガシッ

ファルージャ「触れるな!穢らわしい!!」ガリッ

賊徒36「おっつ!?引っ掻きやがった!このアマ!?」パッ

ファルージャ「はっ…は!」フラフラ

ドンッ

ファルージャ「グッ!?」ドサッ

レジスタンス11「逃げ場なんかねぇよ」

ファルージャ「わ、妾を…どうする気じゃ…!?」ブルブル

レジスタンス11「お前がしてきた事を思い出せよ。なんとなく想像出来るだろ?」ニヤリ

ファルージャ「」ゾワァッ
983: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 22:56:15 ID:8RM3./Nalk
レジスタンス11「地下に連れてけ。この女が拷問に使ってた独房がある筈だ」

賊徒37「あいよ」ガッ

ファルージャ「だ、誰か!誰か!助けて!イヤッ!?」ジタバタ

賊徒38「目ん玉ひん剥いてよく見てみな」グッ

賊徒39「てめぇの手下はみーんな空っぽになってらぁ」

西国兵's「」ボー

ファルージャ「な、なにをしておる!はよう!はよう!」ジタバタ

レジスタンス11「あいつらはもう脱け殻だよ。あんたがいくら泣き叫ぼうが石ころみてぇに固まってるさ」

ファルージャ「身の程を知れ!妾は帝……」

レジスタンス11「」ガッ

ファルージャ「ぉぐっ!」ギュウウ

レジスタンス11「ブスだな」ジーッ

ファルージャ「……!?」

レジスタンス11「あんた、この短時間でずいぶん人相変わったぜ。こえーな。一瞬にして全てを失うってのは」

ファルージャ「ぶ、す…?」ヘナヘナ

ガシッ ガシッ ズルズルズル………

984: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/19(水) 23:02:17 ID:Z3/ar.vMUI
スレ数があまり残ってないので、ここまでにしておきます!
続きは次のスレ立て時に更新しようと思ってます!
5スレも使ってしまって申し訳ございませんorz

支援スレの286さん
それぞれのキャラに重心を置いた支援すごく嬉しいです!
まさかの5スレ目突入で、もはやSSといっていいのか分かりませんが、これからもお付き合いいただけたら幸いです!
ありがとうございました!
985:名無しさん@読者の声:2017/4/21(金) 09:11:32 ID:aeiPKD4Roo
更新お疲れ様でした!いつも楽しく読ませていただいてます。
以前、作者様のとあるSSでお話しさせて頂いた者ですがようやく、漸く追い付く事が出来ましたのでご挨拶させて下さい(何の事か分からなかったら…恥ずかしいので全力でスルーして記憶から消してくださいお願いします)

あれからリアルが忙しくなり来れない事も多く、なかなか読めない期間もありましたが…。戻ってきてからは少し忘れている所もあり、読み返したりしているうちにまた再び三度ハマって、気づけば最初の《少年「僕が世界を変えてみせる」》から《カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】》の投下終了、と書かれた最新レスまで一晩かけて一気に読み進めた事も少なくありません。
味わうように何日もかけてじっくりゆっくり読ませていただいた事も何度もあります。

作者様の話の構成の仕方、一人ひとりが生き生きとして実際に居るかのような深いキャラメイク、緻密な戦術や心理描写、読む度に新たな発見と驚きのある物語
(最近の気づきはカロルの名前の意味が“愛情”で、アピシナの樹は“愛情を注がないと育たない”という点です)、そして作者様の人柄。
全部すっごく大好きです!

あの時レスしてよかった!
最初に支援してくれた読者さんのおかげで、カロルたちが殺されなくてホッとしてますw
あの頃はいつ支援しようかと見計らっていたんですが、捕えられた宣教師がどうなるのか心配していたりお母さまの手練手管にドキドキしていてタイミングを逃してしまっていました。

実は…通常板にまとモバ内のまとめ依頼スレで龍さんにカロルスレをまとめて欲しいとお願いしたのは私ですw
大大大好きなSSなのでもっと多くの人に読んで欲しくてお願いしました。

次スレへと続くとの事で、またカロルたちの活躍が見れると思うと、とっても嬉しいです。何度も読み返しながら次のスレを楽しみに待ってます。
…長々と書いてしまって申し訳ありません。2年数ヶ月分の想いがつい爆発してしまいました
986: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/21(金) 22:07:45 ID:MqaGU0TjNY
>>985
至上最も下品で最低なあのクソSSですよね!もちろん覚えてますよw
お話してて凄く楽しかったので、たまにやりとりを読み返したりして励みにさせてもらってました!
ご無沙汰してます!また応援していただけて嬉しいです!

こんな長い話を読み返していただけるなんて、もうなんと言ったらいいか…!
自慢じゃないですが書いてる本人でさえ読み返そうとして断念したくらいです!
書き手よりも読み手の方のほうが作品を愛してくれているんだなぁとしみじみ感じますw
頂いた一つ一つの感想から愛が伝わってきて、改めて自分もこの作品が好きになりました!
また再チャレンジして一から読み返してみます!きっと矛盾だらけかもしれませんがw

あの時の支援レスですが本当に感謝してます
SS板がまだ活発だった頃に書いていながら箸にも棒にも引っ掛からず、敢えて毎日更新をやめてみたり必死に上げながら更新してみたりと迷走していましたのでw
ですが、自分みたいな者が書いた話でも面白いと言ってくれる人がいて救われました
くどいようですが本当にありがとうございます
カロルを殺さなくて本当に良かったです(笑)

まとめ依頼もしてくださってたんですか!?
それはもうありがとうございますというか重ね重ね申し訳ありません!
さまざまな形でバックアップしていただけて物凄く助かります!
おかげさまで評価システムというもう1つの励みも貰えました!
管理人様共々感謝してもし足りません!

まとめに入っていた時は気付いたのが数日後だったので心臓飛び出そうなくらいビックリしましたw
そうそうたる作品の中に自分なんかのSSが入っていて感動すると同時に自作自演を疑われるんじゃないかと一喜一憂してしまいましたw
その時のトップページは今も保存してあります!気持ち悪いですよね!(笑)

長々となんてとんでもないです!
例によって自分の方が舞い上がって倍返ししてしまってますので!
これからも作品を好きでいてもらえるよう精一杯考えます!
読み手の皆様から頂いた愛ある感想に報いられるよう更新頻度を速めるように頑張ります!

嬉しいご報告と感想、本当にありがとうございました!
987:名無しさん@読者の声:2017/4/22(土) 04:22:30 ID:WBEjxRUfDg
まとめで見つけてから毎日読んでやっと追いつけた。壮大なSS、一旦お疲れ様さまです。
自作自演に疑われる?ナイナイ
まとめられたのも面白いから実力と実績で、って事読み手はわかってるから
更新>>1のペースでいいよ、早い方が読み手は嬉しいけど無理せずに自分のペースで投下してくれたら嬉しいな
988: ◆WEmWDvOgzo:2017/4/22(土) 21:30:01 ID:gRwPK6sp4k
>>987
労いのお言葉、ありがとうございます!
想定から大きく外れて次スレ突入という結果になってしまいましたので多少焦る気持ちがあったのですが、お気遣い頂けて気が楽になりました!
読み手の皆様の暖かさにいつも励まされています!
期待に応える為にも無い知恵を振り絞って頑張ります!
4スレ目もお付き合いいただき、ありがとうございました!
989:真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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