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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


31: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 01:49:22 ID:ghswXoejkk
カロル「ホントなの…?」ジッ

母「え?」

カロル「お母さまは…もうボクのお母さまじゃないの?」

母「…そんなはずないでしょ?」ナデリ

孤児1「えっ」ピシィッ

孤児2「うそ…だったんだ」ピシィッ

母「へ!?い、いや…嘘というか……」アセアセ

孤児1「ウソつき!!」パッ

孤児2「ママになるって言ったのに!?」パッ

母「え、えと…その、ね?あのー…分かるでしょ?親代わりなら…」

孤児1「おかわりなんてしない!!」

母「お、おかわりじゃないのよー?おやがわりって言ったの?」オロオロ

孤児1「おまえのごはん、まずい!おかわりしないし、食べたくない!!」

母「!?」ガガーン

孤児1「ホビットだからウソつきなんだ!」

孤児2「そうだよ!町の人たちに言われたもん!ホビットはウソつきだって!」

母「……!」

カロル「……」

ラム「……」

ルーボイ「お前ら変なこと言ってっと泣かすぞ!」ムカァァァ

ナラ「ルーボイ、やめて!」ガシッ

ルーボイ「はぁ!?なんでだよ!?」

ナラ「こういうときは、せんきょうしさまか、ミシングさんにまかせないと!」

ミシング「そゆこと!お子ちゃまはお布団でぐっすり好きな女の子の夢を見てなさい!」ポンッ

ルーボイ「っ…み、見ねぇし!」

32: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 01:51:30 ID:ghswXoejkk
孤児1「ウソつきホビット!」

孤児2「ホビットなんかきらい!」

母「お、落ち着きましょ!あたしを嫌いになるのはいいわ?でもラムくんや坊やは関係ないじゃない?」

孤児1「うるさーい!ウソつき!」

孤児2「きらいきらいきらい!ホビットだいっきらい!」ジダンダ

母「(あ、あぁどうしましょう…。せっかく頂いた居場所なのに…あたしが余計なことを言ったせいで良くない空気に…)」オロオロ

ミシング「はい、おしまーい!おねんねしないとお仕置きオバケが食べ散らかしちゃうぞー?」パンッパンッ

母「み、ミシングさん…?」

ミシング「今夜のところはあたしの部屋で寝かせますからマリーさんはみんなを寝かし付けちゃってくださいな?」

母「わ、分かりました…?」

ミシング「はーい、おチビちゃんたちー!今日はミシングお姉ちゃんと寝ましょうね?」ガシッ

孤児1「やーだー!!」ジタバタ

孤児2「バカホビット!いなくなっちゃえ!」

ルーボイ「こ、こ、コノヤロー……!」ワナワナ

ナラ「ルーボイはホビットじゃないでしょう?」ポンポン

ルーボイ「うるせぇ!!俺のダチをバカにしたんだぞ!?」

ナラ「……」モジモジ
33: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 01:53:21 ID:jOOK1VnbDQ
ミシング「はいはい!明日用に買っておいたドーナツがあるからおとなしく来なさい!」

孤児1「ドーナツ!?」ピクッ

孤児2「ほんと!?」パァァ

ミシング「ホントよー?今ならかわゆいミシングちゃんと甘いドーナツを食べながらあまーい密室デートが楽しめるよ!
特別に膝の上で歯磨きもしてあげちゃうんだから!世の男性ファン達に憎まれちゃうかも、なんてね?」

孤児1「えー!歯みがきやだー!」

孤児2「ドーナツ!ドーナツ!」

ミシング「うんうん、じゃあ、お部屋に行きましょう!」

ルーボイ「俺のドーナツは!?」

ミシング「あ、ごめんね。ルーボイくん!あたしの部屋、3人用なんだ!」

ルーボイ「いや、部屋なんかどーでもいいし!ドーナツだよ、ドーナツ!」

ミシング「2個しか買ってないよ?」

ルーボイ「はぁ!?6人いるだろ!?」

ミシング「数間違えちゃったー?てへっ!」

ルーボイ「どうやったらそんなに間違うんだよ!?」

ミシング「じゃ、おやすみーん!」ガチャッ

ミシング「(本当は明日、みんなにナイショでこっそり食べる予定だったんだもーん)」シランプリ
34: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 01:56:54 ID:ghswXoejkk
母「…み、みんなも寝ましょっか?」

ルーボイ「いいのかよ、おばちゃん!あんなん言われて!?」

母「え?」

ルーボイ「カロルとラムだってムカつくだろ!?」

ラム「…いいんじゃないの?」

ルーボイ「はぁ!?」

ラム「小さい子の言う事だしムキにならなくてもさ?」

ルーボイ「そ、そりゃあいつらはガキだけど…それだけで許せるかよ!」

カロル「…ボクのせいでイヤな気持ちにさせちゃったよね。みんなも…二人も…」

ナラ「へいきだよ。あしたになったらわすれてるよ?」ニコッ

母「そうよ…。あたしが軽はずみに親代わりになるなんて言っちゃったから…」

カロル「ううん…ボクも二人がお母さまを好きになってくれて嬉しかったの。
『ママができた』って喜んでくれたから…お母さまのこと、もっと知ってほしくて……」

母「坊や…」

カロル「でも…そうじゃなかったんだね。ボクの思い出は…ボクしか知らないことだから、二人には自慢に聞こえちゃったのかも」ウルッ

ラム「考えすぎじゃない?」

ナラ「カロルがやさしすぎるだけ?」

ルーボイ「ふつー逆だろ!お前があいつらに母ちゃん取んじゃねぇって怒んだよ!?」

カロル「うん…。さっき話してた時、お母さまが二人に取られるって思ったら…すごくイヤだった」

『お母さまは…もうボクのお母さまじゃないの?』

母「(……)」

カロル「きっと同じ…。こんなにツラい気持ちを二人に我慢させてたんだもの。怒るのも…しょうがないよ」シュン

ルーボイ「(こ、こいつ…)」ヒクヒク

ラム「(な、なんか…ここまでくると優しさっていうより?)」ヒクヒク

ナラ「(よくわかんない…?)」ヒクヒク
35: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 01:59:03 ID:ghswXoejkk
〜〜〜3日後〜〜〜

ルーボイ「カロル!今日、市場で祭りがあんだってよ?」

カロル「そうなの?」パァァ

ラム「町が出来た日を祝うんだってさ?」

カロル「へー!そうなんだ!」キラキラ

ルーボイ「夜にミシング姉ちゃんが連れてってくれるけどお前も行くよな?」

カロル「うん!行きたい!」キラキラ

孤児1「ナラ姉ちゃん!一緒にまわろーね!」ダキッ

ナラ「へ?」

孤児2「ぼくもナラ姉ちゃんとがいいー?」

ナラ「…で、でもみんなで?」アセアセ

孤児1「やだー?」

孤児2「ナラ姉ちゃんとまわるのー!」

ナラ「えー…?」アセアセ

ルーボイ「(まだ根に持ってんのかよ…)」

カロル「…」ズーン

ラム「じゃあ僕らはカロルくん達と回るからナラは二人をよろしく?」

ナラ「わかった…」シュン

孤児1「イヤ?」ウルウル

孤児2「ナラ姉ちゃん…ぼくらがきらいなの?」ウルウル

ナラ「そ、そんなことないよ?いっしょにまわろ?」ニコッ

孤児1「へへへー」ニコニコ

孤児2「やった!」

ナラ「(カロルとまわりたかったなぁ…)」ションボリ

ルーボイ「(ちくしょう…。ナラいねーのかよ)」ションボリ
36: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:00:57 ID:ghswXoejkk
〜〜〜夜〜〜〜

―――ミラルドの町(市場)―――

ワイワイガヤガヤ

ミシング「さぁーやってきましたよー!ミラルド名物、一夜限りの町興し記念祭ー!
こちら現場からミシングちゃんがお送りしてまーす!」

ポンポポポンポン ポポンポポン

ミシング「まずはこちらをご覧ください!町の人たちで結成された楽団による民謡奏楽に合わせて老若男女、さまざまな人が輪になって伝統舞踊を楽しんでまーす!」

ランランラン ランランラン

ミシング「月の欠けた夜とは思えないくらい明るいですよー!
多くの出店を伝って紐に吊るされた可愛い装飾の雪洞(※ぼんぼり)が町の隅々まで照らしてくれてまーす!」

ワァーワァーキャーキャー

ミシング「ではここで一旦、子供連れのご夫婦に感想を伺ってみましょう!そこの楽しげな新婚さん!」ポンポン

町人1「かれこれ結婚12年目ですかね」

ミシング「楽しんでますかー!」

町人1「えぇ!楽しんでますよ!」

町人1の妻「毎年、この日が楽しみです!」

町人1の子供「見てー!水風船!」ボヨンボヨン

ミシング「うーん!なんて幸せいっぱいなんでしょう!あー結婚したい!!」キュンッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

ミシング「あ、そこの若い団体さん!お祭り楽しんでますかー?」

若者1「えー?つかー?まぁまぁー?みたいなー?」チャラチャラ

若者2「てかおねーさん、なに?誘ってんの?一緒に回りたい感じ?」チャラチャラ

若者3「あーそっかー!ゴメンねー?俺ら彼女いっからー?」チャラチャラ

若者4「つか早く合流すんべ!待たせんとカチキレっぞ!」チャラチャラ

チャラチャラ チャラチャラ………

ミシング「若い男女でイチャイチャお祭り……あはっ!ミシングちゃんったら奥歯がギシギシ言ってるよ!」イライラ

ミシング「あーあ、急な大雨とかで中止になんないかにゃー」ケッ
37: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:03:16 ID:jOOK1VnbDQ
ミシング「という訳でお祭りです!」

ラム「(この人、さっきから一人で喋ったり知らない人に話しかけたり何してるんだろう?)」

ミシング「ここで大事な御約束をします!まず絶対に一人で行動しないこと!」

ミシング「それからお小遣いは銅貨500枚まで!それ以上のお買い物はしちゃいけません!ミシングちゃんのお財布が餓死しちゃいます!」

ミシング「そして町人全員が行き来してるお祭りに参加するからには人に迷惑をかけちゃいけませんっ!当たり前だのクラッカーなのです!」

ミシング「あたしがみんなをここに連れてきたのは人とのふれあい、お金の管理、正しい道徳心を育んでもらう為です!」

ルーボイ「ちっ…普通に遊ばしてくれりゃいいじゃんか?」ブツクサ

ミシング「なんか言ったー?バッキバキにしちゃうよー?」コキッコキッ

ルーボイ「な、なんでもないし…」ビクビク

ミシング「今言った御約束を守れたらオールオッケー!大いに楽しんじゃってください!」

ハーイ!

ミシング「うんうん、元気が一番!じゃあみんなお小遣い渡すから並んで!」

ワーイワーイ!!

ミシング「(初めて自由に使わせるお金……これもたくさんの寄付から成り立つ物だけど)」

ミシング「(お金の使い道っていうのは自分で使っていかないと分からないんだよねー。
もちろん自分で頑張って働いて得るのが一番いいんだけど…こういうことを教えてあげられる機会ってあんまりないもんね)」

ミシング「(立派になんてならなくてもいい…。この子たちが大人になれる手助けを少しでも多くしてあげたいな。一緒にいてあげられる内に?)」

ミシング「(…任せて、宣教師。あなたの願いはあたしが叶えてあげる。
あなたが目指してる理想は到底、不可能に思えちゃうような話だけど…あたしはあんたを信じてるからね)」
38: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:06:18 ID:ghswXoejkk
―――露店通り―――

ワァーワァー!

カランカラン

輪投げ屋「はい、残念でした!全部はずれ!5等のオモチャ、どれでも一つ持ってっていいよ?」

ルーボイ「ちぇー!遠すぎんだよな?…これにしよ!」スッ ゴソゴソ

カロル「惜しかったね!あとちょっとだったよ?」

ルーボイ「そうか!?もっかいやろーかな?」

ラム「無駄遣いしたら貰ったお金無くなるよ?」

ルーボイ「うるせぇな!お前は俺の母ちゃんか!?」

ラム「違うけど」シレッ

ルーボイ「冷静に言うなし!?つーかカロルは欲しい景品ねーのかよ!」

カロル「あるけどボクじゃ取れないかも…?」シュン

ラム「どれ?」

カロル「あれ!」ビッ

ラム「昌石を原料にした貴重なインク一式……画材じゃないか?あんなの貰ってどうするんだい?」

カロル「ボク、お絵描きが好きなの?」ニコニコ

ラム「ふーん…そっか。ちょっと待ってて?」

カロル「え?」
39: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:08:39 ID:ghswXoejkk
カランカラン!

輪投げ屋「んな…アホな…!?」

ラム「思ったより簡単だったね?」クルクル

ルーボイ「すげぇ!?全部入れたし!?」

カロル「わぁぁ…!ラムくん、すごーい!」パチパチ

輪投げ屋「はぁ…まさかホビットに取られるとはな」

ラム「3等のインク、ちょうだい?」

輪投げ屋「は?こんなのでいいのか?」スッ

ラム「カロルくん」パシッ

カロル「?」

ラム「あげるよ」スッ

カロル「いいの!?」パシッ

ラム「うん。僕は絵心なんてないから?」

カロル「そ、それならラムくんが欲しい景品に…?」アセアセ

ラム「じゃあ喜んでみせてよ?」ニコッ

カロル「へ?」

ラム「一等の景品より君の笑顔が見たいな?」

カロル「え…えへへ!」テレッ

ラム「ふふ?」ニコニコ

カロル「ホントにこんなのでいいの…?ちょっぴり恥ずかしい?」テレテレ

ラム「うん、十分だよ。君にはかなり助けられたしね」

カロル「…そんなことないよ?」

ラム「君が笑顔を向けてくれたから僕はやり直せたんだ。本当にありがとう?カロルくん?」ニコニコ

カロル「ラムくん…」

ラム「受け取ってくれるかい?」

カロル「うん…!大事にするね?」ギュッ
40: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:10:43 ID:ghswXoejkk
カロル「水色の兎飴一つください!」チャリッ

飴細工屋「はいはい。銅貨70枚、ちょうど。ところでお前さんはホビットだね?」スッ

カロル「引っ越してきました!」パシッ

飴細工屋「ほー…そうかい、そうかい。この町の住み心地はどうだい?」

カロル「とっても幸せです!」ニコッ

飴細工屋「し、幸せ…?」ポカーン

カロル「はい!」ニコニコ

飴細工屋「…そか、そか。幸せか…。うん、いいこった?」ニコッ

カロル「ともだちと一緒にお祭りに来られるなんて夢みたい…えへへ!」ニコニコ

飴細工屋「…お連れさんは何人いるんだい?」

カロル「えと…二人!」

飴細工屋「じゃあこれ、おまけしてあげよう」スッ

カロル「? でも…お金が…?」キョトン

飴細工屋「町を褒めてくれたお礼さ?幸せなんて言葉…そうそう出てくるもんじゃない?」ニコニコ

カロル「だ、ダメだよ?お母さまに怒られちゃうもの?」アセアセ

飴細工屋「ならお友達に私の飴細工を広めておくれ?宣伝になるから?」

カロル「せ…でん?」チンプンカンプン

飴細工屋「商売人にとってはお金を受け取るより嬉しいことさ?宣伝してくれたらお代はいらないよ?はい?」スッ

カロル「そ、そうなの?ホントにいいのかな…」ウーン

飴細工屋「私の作った飴をたくさんの人に見せたいんだ?君はその手助けをしてるんだよ?」

カロル「そうだったんだ!がんばらなくちゃ!」

飴細工屋「ふふ…がんばっておくれ?」ニコニコ
41: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:12:55 ID:ghswXoejkk
ルーボイ「あーうめぇ!」パクパク

ラム「買い食いしすぎ?まだ2時間もあるのにお小遣い足りるの?」

ルーボイ「ん?フランクフルトだろ?綿飴だろ?かき氷だろ?焼きそばだろ?焼き鳥だろ?ジャガバターも食ったな?まだまだ食えるぜ!」

ラム「食欲があったってお金が無かったら意味ないだろ?」

カロル「ふんふふーん!あ、ラムくん!ルーボイくーん!」ルンルン

ルーボイ「ん?あ、お前、同じの3つも買ったのかよ?」

ラム「き、君まで…」

カロル「買ったんじゃないよ?おまけしてもらったの!」

ルーボイ「はぁ!?なんでお前だけ!ずりーぞ!?」

カロル「はい?せんでん!」スッ

ルーボイ「お!くれんのか?てかせんでんってなんだし?」パシッ

ラム「あ、ありがとう?」パシッ

カロル「飴屋さんのおばあさまに教えてもらったんだ?せんでんすると嬉しいんだって?」ペロペロ

ルーボイ「だからせんでんってなんだよ!」

ラム「へー…鳥の形してる?」

カロル「すごいよね?食べるのがもったいなくなっちゃう?」ペロペロ

ラム「ふふ…たしかにね?」

ルーボイ「」ガリッ

ルーボイ「」ボリッボリッ

ルーボイ「」ゴックン

ルーボイ「まぁ普通の飴だな」

ラム「……」

カロル「……」

ルーボイ「なんだよ?」キョトン

カロル「な、なんでもないよ?あはは!」アセアセ

ラム「(花よりダンゴ…って感じ?)」シラー
42: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:15:08 ID:jOOK1VnbDQ
お面屋「どれにする?」

カロル「あれがいい!」キャッキャッ

ルーボイ「お面なんか食えねーじゃん!」

ラム「君はなんか一つくらい思い出を形にしようとしないの?」

ルーボイ「へっへーん!腹ん中に入ってるぜ?」ドヤァッ

ラム「あっそ…君の思い出は明日の朝にでも厠に流れてくだろうね?」シラー

ルーボイ「きたねーからやめろし!?」

カロル「わんっ!」バッ

ルーボイ「うおっ!?」ビクッ

カロル「えへへー!驚いた?」スルッ

ルーボイ「お、お前かよ!?お面被って飛び出すなっつの!?」ビクビク

ラム「犬のにしたのかい?」

カロル「うん!マルクとお揃い!」カポッ

ラム「僕も一つ買おうかな?どれがいいと思う?」キョロキョロ

ルーボイ「狐!ズルそうだしお前にそっくりだぜ!」

ラム「え?なに?ケンカ売ってるの?」イラッ

カロル「ボクも狐がいいと思うよ?頭がよさそうだからラムくんにピッタリ!」

ラム「そ、そう…?じゃあそうしよっかな」テレッ

ルーボイ「俺も…げっ!もう金ねぇ?」ジャラッ

ラム「だから言っただろ?おじさーん、狐のお面ください!」チャリッ

お面屋「はいはい。狐ね!どうぞ!」スッ
43: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:17:58 ID:jOOK1VnbDQ
ルーボイ「ちぇっ!」

カロル「いいよ。ルーボイくん?ボク、まだ残ってるから出してあげる!」

ルーボイ「え?い、いいのかよ?」

カロル「うん。大丈夫だよ!」

ルーボイ「へへ!じゃあ…」

ラム「甘やかしたらダメだよ?」カポッ

ルーボイ「なんだよ、狐!」

ラム「狐じゃ…いや、狐でいいのかな?狐のお面してるし…じゃなくてカロルくん!」

カロル「?」

ラム「ルーボイは自分の欲しい物を買って渡されたお金を無くしたんだから自業自得?君が出してあげることないよ?」

カロル「え…」

ルーボイ「カロルがいいっつーんだからいいじゃんか!」

ラム「友達同士でもお金の貸し借りはいけないって習っただろ?」

ルーボイ「借りてねーよ!奢りだよ!」

ラム「なおさら悪い!」

カロル「……」モジモジ

ルーボイ「カロル!どうなんだよ!」

カロル「…み、みんなで楽しく遊べたらボクはなにも買えなくていいよ?」チラッ

ラム「そんなのダメだよ!ミシング姉さんはお金の使い方を学びなさいって言ってたんだからさ!」

ルーボイ「うるせぇな!狐は黙ってろよ!」

ラム「今は狐だけど狐じゃない!……あれ、僕なに言ってるんだ?」メダパニ

カロル「う、うーん…」モジモジ
44: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:20:05 ID:jOOK1VnbDQ
ラム「だいたい今、二人はいくら持ってるの?
それ次第でこれから先の行動も変わってくるよ?」

ルーボイ「お前はどうなんだよ!」

ラム「銅貨283枚だけど」

ルーボイ「覚えてんのかよっ!?」

カロル「ん…と、ボクは172枚!」ジャラッ

ルーボイ「お、俺は…26枚」ジャラッ

ラム「……」

カロル「あはは…?」ヒクヒク

ルーボイ「どうすんだよ!?なんもできねーぞ!?」

ラム「知らないよ!?」

カロル「あ、そっちの金魚すくいは?銅貨25枚で2回だって?」ビッ

ルーボイ「お!やろうぜ!」

ラム「はぁ…結局、なんにも学習してない」ヤレヤレ
45: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:21:46 ID:ghswXoejkk
パシャパシャ ピシャッ

金魚屋「お、お見事!10匹取ったから3匹まで持って帰っていいよ!」ガサゴソ

カロル「ラムくん、すごーい?ボクなんてすぐ破れちゃったのに?」

ラム「3人で1匹ずつ分けようか」

ルーボイ「デメキンくれよ!」

町の女の子「あっ…」パサッ

金魚屋「あー残念、お嬢ちゃん!2回、破れちゃったからおしまいだ?」

町の女の子「うっ…ふえっ…うえぇぇぇぇん!!!」ビエー

金魚屋「」ビクッ

ルーボイ「うわ!びっくりした!?」

ラム「あーあ?」

カロル「……おじさま!ボクたちの金魚、その子に1匹あげて?」

金魚屋「え?い、いいのか?君たちのだよ?」

カロル「うん!いいよね?」

ラム「いいんじゃない?」ニコッ

ルーボイ「ずっと泣かれてもうるせーしな」

金魚屋「お嬢ちゃん!よかったね!優しいホビットのお兄ちゃん達が1匹くれるとさ?」スッ

町の女の子「いらなぁい!!」バシンッ

バチャッ

金魚屋「お、お嬢ちゃん!?」オロオロ
46: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:23:35 ID:ghswXoejkk
町人2「かき氷買ってきたぞ……ん?」

町の女の子「」ビエーン!

町人2「だ、誰だ!うちの娘を泣かしたのは!?」

金魚屋「あ、あっしは何も!?」ブンブンッ

町の女の子「あのホビット…ふえっ…邪魔したから、金魚取れなかったぁ…」グズグズ

町人2「なにぃ…!?」ギロッ

カロル「ぼ、ボクたち?」キョトン

ラム「みたいだね?」

ルーボイ「はぁ!?勝手に泣いたんだろ!?」

町人2「この腐れホビット共がぁ!?町の伝統的な祭りに紛れやがって図々しい!
まだ小さな娘に嫌がらせすんのがそんなに楽しいか!あぁ!?」ガッ

カロル「きゃっ…」グイッ

町人2「おら、来い!この人混みじゃ迷惑が掛かるからな?向こうでとっちめてやる!」グッ

カロル「いっ…!」ズザァッ

ラム「カロルくん!」

ルーボイ「てめぇ!なにすんだよ!?」

ザワザワ ザワザワ

町人2「うるせぇ!てめぇらもだ!ホビットなんかとじゃれやがってクソガキが!」

町の女の子「あっかんべー!」ベロベロバー

ラム「…分かった。行ってやるよ」ギロッ

ルーボイ「このおっさん、俺たちでぶっ飛ばしてやろうぜ!」スクッ

町人2「な、なんだ、大人に向かって…」タジッ

「やめなっ!!!」

ザワッ
47: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:25:47 ID:ghswXoejkk
町人2「……!?」オロオロ

飴細工屋「そこまでにしときな」ザッ

町人2「なんだ、この婆さん…?」

飴細工屋「あたし達は祭りを主宰させてもらってる町会の役員さ」

お面屋「」ザッ

輪投げ屋「」ザッ

町人2「そ、それがなんだってんだ!」

飴細工屋「その子たちを離しな!祭り囃子が聴こえる内は揉め事なんかさせないよ!」キッ

町人2「こいつらが俺の娘を泣かしたんだ!叱って当然だろ!?」

飴細工屋「叱る?笑わせんじゃないよ!大の男が子供相手に髪の毛、引っ付かんで地面に擦り付けるのが躾ってかい!?」

町人2「くっ…!」

お面屋「この子らはうちの店にも来たが悪さなんかしねぇで行儀よく遊んでたぜ!」

輪投げ屋「おう、どうなんだ?金魚屋!」

金魚屋「あ、あぁ。気持ちよく遊んでくれたよ。それに泣いたお嬢ちゃんを見かねて自分たちが取った金魚を分けてやろうとしてた?」

町人2「!?」

町の女の子「」ギクッ

飴細工屋「それ見たことか!躾がなってないのはあんたの娘の方じゃないかさ!?」

町の女の子「ちがうもん!ホントだもぉん…!」グズグズ

町人2「……!」
48: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:27:32 ID:ghswXoejkk
飴細工屋「祭りはそこにいる全員のもんだ!ロクに遊び方も知らないなら失せな!?」

ソーダソーダ! カエレカエレ!

町人2「くっ…くぅぅ!」プルプル

町の女の子「うえぇぇぇぇん!!!」

ラム「自業自得だね」

ルーボイ「知ーらね」プイッ

カーエーレ! カーエーレ!

町人2「…くそぉ!」パッ

カロル「……」ジッ

町人2「なんだよ、その目はぁ!?俺たち親子が罵倒されんのがそんなに嬉しいか!?」

カロル「」スクッ パッパッ

町人2「」ビクッ

カロル「ごめんなさい!!」ペコッ

シーン

飴細工屋「え…?」

ラム「な、なんで君が謝るの…?」

ルーボイ「そうだよ!お前は悪くねーだろ!」

カロル「ううん、ホントはボクが悪いの。さっき間違って女の子に肘をぶつけちゃったんだ?」

ザワザワ ザワザワ
49: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:29:39 ID:ghswXoejkk
カロル「そうだよね?」

町の女の子「そう!肘でぶってきた!」コクコク

町人2「ほ、本当か?」

カロル「怒られるのが怖くて隠してました。ホントにごめんなさい」ペコッ

金魚屋「い、いや…正面から見てたけど、そんな場面は一度も?」

カロル「ぶつけました!」

金魚屋「え、えぇ…?」オロオロ

町の女の子「ね!パパ!本当でしょ!」ユサユサ

町人2「お、おう…」

カロル「隠したりしてごめんなさい。次から気をつけて遊びます」

町人2「わ、分かればいいんだよ!行くぞ?」ケッ

町の女の子「べーっだ?」ベロベロバー

スタスタ スタスタ……

お面屋「ま、まさか…」

飴細工屋「バカだね、そんな訳ないだろ?」コショコショ

お面屋「え?」

飴細工屋「怒られるのが怖かったんなら隠し通せばよかった話じゃないか?あの子は庇ってあげてんだよ?」コショコショ

お面屋「あ、そうか…!」

輪投げ屋「そ、それにしたって…どうして?」

飴細工屋「そこは私にも分かんないね…」
50: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:32:48 ID:jOOK1VnbDQ
カロル「ごめんね!二人とも?」

ラム「な、なんであんなこと言ったの…?」

ルーボイ「そうだよ!お前が謝るのおかしいだろ!」

カロル「だってボクがいけないんだもの?」ニコッ

ラム「……!?」

ルーボイ「ど、どうかしてんじゃねーの?」

ジロジロ ヒソヒソ

カロル「…見られちゃってるからボク、先に帰るよ?お小遣いは二人で使って?」ジャラッ

ラム「か、カロルくん…」

ルーボイ「……」

飴細工屋「いいんだよ。気にしなくて?」スタスタ

カロル「飴屋さん…」

飴細工屋「ほらほら、立ち止まってないで散った散った!」バッ

バラバラ バラバラ

飴細工屋「たく!困ったね、ここの連中ときたら?未だにホビットがああだこうだ言って…そんなだから田舎者呼ばわりされんだよ!」

カロル「ありがとうございました」ペコッ

飴細工屋「…なんであのロクデナシ親子を庇ったりしたんだい?」

ラム「そうだよ…。君が悪者になることないだろ?」

ルーボイ「しかもお前、俺とラムの真ん中にいたクセに端っこにいたあいつにどうやって肘ぶつけんだよ?」

カロル「…」
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うpろだ
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