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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


261: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:11:53 ID:8VYUmGqBd.
〜〜〜夕方〜〜〜

ガッションガッション ギギギギギギギ………

ザワザワ ザワザワ

ガララララララ ザァァァァァン

ドレッド「……ほん、とうに…開きやがった?」ポカーン

王国兵1「軍長!門が開け放たれ、橋が渡されました!!?」

ドレッド「ちくしょう…!あの野郎…!?」ギリッ

王国兵1「ドレッド軍長!?」

ドレッド「分かっとるわ!!第1軍、全兵突入だぁぁあああ!!!」パシンッ

ウオオオオオオオオ!!!

ドガガガガガガガガガガッ
262: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:13:00 ID:G41uxMId7g
〜〜〜夜〜〜〜

―――西の国(国境防衛砦)―――

ガキンッ ズバッ ギャリィンッ ザシュッ

バタバタッ バタバタッ

西の城主「ひ、ひぃいい!?」ズサァァ

ドレッド「貴様が城主か。散々てこずらせやがって…?」ザッ

西の城主「お、お助けを…!命ばかりは…!?」ガクガク

ドレッド「クククッ…もう降伏かよ?侵入しちまえば雑作もねぇもんだ?」

王国兵1「いかがなさいましょう?」

ドレッド「展望台に立たせろ?」

王国兵1「見せしめに突き落とすのですか?」

西の城主「ひぃあああ…!」ガクガクブルブル

ドレッド「アホ!んな事すりゃ王国軍の品位を落とすだろが?」

王国兵1「ではどうされるので?」

ドレッド「決まってんだろうが…ぅおい!!」

西の城主「」ビクッ

ドレッド「まだ外で兵が交戦中だ。降伏を叫び、投降を勧めろ?」

西の城主「お、お安いご用です!!」ヘコヘコ

ドレッド「お前らは下の兵に呼び掛けて戦闘を中止させろ。無駄に殺すのは無しだ?」

王国兵1「ははぁっ!!」ダッ

西の城主「た、助かった…」ホッ

ドレッド「ぅおい!?さっさと行けや!?」ゲシッ

西の城主「ぶっ!?」ドシャッ
263: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:14:31 ID:8VYUmGqBd.
ゾロゾロ ゾロゾロ

ドレッド「これで全部か…」

王国兵1「はっ!!2万ほどの兵、および6万の住民を保護しました!!」ピシッ

パカラッパカラッ

ドレッド「あーん?」ジロッ

フィクサー「任務遂行、か。誉めて遣わそう」ガガッ

ドレッド「ちっ…奇しくもあんたの予言が的中したよ…。一体どんな手使ったんだ?」

副官「それは私から説明しましょうかね」カッカッ

ドレッド「あぁ…!?てめぇ、いねぇと思ったら…今まで何してやがった!?」

副官「まぁまぁまぁ!まずはお手柄でしたな。ドレッド軍長!」ポンポン

ドレッド「馴れ馴れしいわ!?質問に答えろ!!」バッ

副官「や、いろいろ言いたいのは分かりますがね、追って説明しますから?」ドウドウ

ドレッド「はぁ…!?」

副官「東部と北部、両砦の兵が不在にしているのを見計らってね、攻め落とした訳なんですけども…」

ドレッド「ふ、不在…?あ、ありえんだろ!それじゃなんの為の……」

副官「まぁ〜まぁ!まぁまぁまぁ!」ドウドウ

ドレッド「ぐむっ…」タジッ

副官「で、えー…なんだっけな?……あぁ、そうそう。アレした訳でね。これこれこうこうと…」

ドレッド「わからねぇよ!?」
264: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:19:33 ID:8VYUmGqBd.
副官「まぁ手っ取り早く言うと彼らがね、活躍してくれたのですよ?」

ドレッド「この薄汚い連中が?」

西の捕虜1「そ、そうだ!俺達が中に入って城門を開けたんだ!!」ザッ

西の捕虜2「これでいいんだよな!自由にしてくれるんだろ!?」

西の捕虜3「約束は守ってもらうぞ!?」

ドレッド「……おい、なんなんだ、こいつらは?」

副官「私が落とした砦の捕虜です。彼らに財貨と兵糧を持たせて補給班を偽装し、城内に入らせました」

ドレッド「……」

副官「後は想像が付きましょう?」

ドレッド「…お前の部隊が雪崩れ込んでる隙にこいつらが城門を開いたのか?」

副官「ご名答!諸君、惜しみない拍手を!?」パチパチ

パチパチ パチパチ

ドレッド「ちっ…どうりで手応えがなかった訳だ?」

副官「ドレッド様が早々に降伏を促してくださったので助かりましたよ?
派手に引き付けすぎてしまって我々も危うかったんでね?」

ドレッド「…しかし、どうも腑に落ちんな?お前らはどうやって北東の拠点を……」

副官「主の予言に従ったまでですよ」

ドレッド「……」ジロッ

フィクサー「…言っただろう?わたしの予言は外れないと?」ニヤリ

ドレッド「…出来すぎだ」

フィクサー「……」

ドレッド「ここから北東の動きを読める訳がねぇ?」

フィクサー「戦況を逐一把握する必要はない。事前に予測を立て、戦略を組み立てれば、この程度の成り行きは自由に操作できる?」

ドレッド「味方にまで間者を仕込んでたのか…?」

フィクサー「そうだ」

ドレッド「(こ、こいつ…俺に黙っておいて平然と…!)」ギリッ
265: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:22:24 ID:8VYUmGqBd.
副官「やぁ〜しかし意外でしたな?全滅を予想された東国軍が生き延びるとは?」

フィクサー「構わんよ。作戦に支障がなければな」

ドレッド「(…黙って聞いてりゃ好き勝手に…!)」イライラ

副官「やや?まだ不満がおありですか?ドレッド様?」

ドレッド「当たり前だぁ!?」ズイッ

副官「?」

ドレッド「幹部の俺が何も知らされずに主攻の任を背負って必死に戦ってきたのに…それが出汁に使われてただけだとぉ!?」

フィクサー「…いきり立つな。目障りだ」

ドレッド「あぁ…!?」ワナワナ

フィクサー「わたしは与えられた指揮権に基づいて軍を動かしているのだ。
不満を口にするのなら、わたしにではなく己の実力不足を責めるんだな?」

ドレッド「〜〜〜!!」ブチブチィッ

副官「まぁ〜まぁ!むしろ感謝するべきでは?」ドウドウ

ドレッド「はぁ!?」ギロッ

副官「フィクサー様の作戦ではありますが、この城を落としたのは間違いなくドレッド様なのですから?」

ドレッド「こ、こんな形で手柄を納めても嬉しかねぇよ…!」ギリギリ

フィクサー「そうか?」

ドレッド「…!?」ギロッ
266: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:23:51 ID:G41uxMId7g
フィクサー「これでお前は歴史に一つの功績と共に名を刻んだのだぞ?」

ドレッド「れ、歴史に…?」

フィクサー「お前は開戦前、何者かになりたいから軍に入ったのだと語っていたな?」

ドレッド「お、おう…?」

フィクサー「既になっているんだよ」

ドレッド「お、俺が…?」

フィクサー「この戦いにはそれだけの重みがある。
そしてわたしの指示に従えば、その名は未来永劫、忘れられる事のない物にまで昇華されるだろうさ?」

ドレッド「そ、そんなうまく……」

フィクサー「戦場を彩った我々は国王を超越し、時代を代表する名として残されるのだ」

ドレッド「っ……」ゴクリ

副官「……」ポリポリ

フィクサー「言い争う時間が惜しい。今こうしている間に時代は進み続けている…。納得してはもらえないか?」ジッ

ドレッド「……!」
267: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:25:41 ID:8VYUmGqBd.
ゾロゾロ ゾロゾロ

副官「えー…あぁ…おほん!話が付いたのでしたら彼らの処遇を決めましょうか?」

西の捕虜's「……?」キョトン

ドレッド「は?処遇?保護するに決まって……」

フィクサー「財貨と兵糧を積み次第、砦と共に焼き払え」サラリ

ザワッ

ドレッド「は…?あ、あんた何を言ってんだ?」オロオロ

フィクサー「不要な荷は始末し、先を急ぐぞ」

ドレッド「無益な殺戮や略奪は禁止されてるだろうが!あの坊っちゃん国王に知れたら処刑されちまうぞ!?」

フィクサー「…先ほどから否定的な進言が多いが何か忘れてはいないか?」

ドレッド「な、なんの事だ…?」

フィクサー「これまでわたしの予言は的中しているだろう?」

ドレッド「」ハッ

フィクサー「確か…今後一切、異論は挟まないと誓っていた筈だったな?」

ドレッド「い、異論ではないだろうが!明らかにまずいから注意してんだ…!」

副官「や、ドレッド様はお堅いですなぁ?」

ドレッド「お堅いぃ?てめぇ誰に口聞いてんだ!?」

副官「どうにでもなるでしょう?我々が始末したという証拠もないのですから?」

ドレッド「兵に口止めしたとこで数万の人間が消えれば不自然だとバレるだろう!?」

副官「や、なんのなんの?陥落した砦に捕虜を解放し、我々は先に進んだが敗北を受け入れられなかった西の民は自ら火を放って同胞を道連れに心中したとか報告しとけばいいんですよ?」

フィクサー「敵国の捕虜など生かしても弊害にしかならん。野蛮で低能な西の民となればなおさらだ?」

副官「そうそう。それに戦場での出来事に死因なんかいらんのですよ?
『〇〇人、死にました。以上!』でいいんです?」

ドレッド「あ、悪魔か…お前らは…!?」ゾクッ

ザワザワ ザワザワ
268: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:28:05 ID:8VYUmGqBd.
ブルブル ブルブル

ドレッド「ほ、本気か…?本当にやる気か…?」オロオロ

西の捕虜1「お、お待ちを!?俺達はあなた方に協力して…!?」

副官「では諸君、潔い敗残者の皆さんに惜しみない拍手を!」パチパチ

王国兵's「」パチパチ

パチパチ パチパチ

西の捕虜1「そ、そんな…話が違うじゃねぇか…!?」アワアワ

西の捕虜2「こ、厚遇を受けられるって……」ヘナヘナ

西の捕虜3「ほ、報酬は…?自由は…?」ガクンッ

西の城主「ざまぁみろ!裏切り者が!?」ペッ

西兵24「そもそも貴様らが加担しなければ、この砦が落ちる事もなかったんだぞ!?」ギシギシ

西兵25「王国の偽善者に魂を売った馬鹿共め!くたばってしまえ!」

ワァーワァーギャーギャー

副官「…ではお二人は先に城外へ?後始末は私が?」

フィクサー「頼んだぞ」パカラッパカラッ

ドレッド「(知ったこっちゃないと言えばそれまでだが…本当にいいのか…?)」シブシブ
269: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:29:31 ID:8VYUmGqBd.
ボォォオオオオオオオ………

ギャアアアアアアアアア!!!

メラメラ メラメラ

アツイヨォオオオオ!!! タスケテェェエエエ!!!

イヤダァァアアアアア!!! カミサマァァァアアアアア………

ゴゴゴッ ガランッ ゴシャアッ

ガラガラガラ ズシンッ ドガァッ

パラパラ パラパラ
270: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:31:15 ID:8VYUmGqBd.
〜〜〜深夜〜〜〜

―――王国軍・野営地―――

王国兵1「今夜はここに陣を敷き、待機するとのお達しだ!
フィクサー総指揮の計らいにより、各自に酒肴が行き渡ったと思うが…。
今宵は勝利を祝福し、大いに飲んでくれと仰せつかった!ありがたく頂戴するがいい!?」

ワァァァアアアアアア!!!

バンザーイ!! バンザーイ!!

カンッカンッ ドンチャン ドンチャン
271: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:33:38 ID:8VYUmGqBd.
ワァーワァー ワァーワァー ドンチャン ドンチャン

教団員1「向こうは気楽でいいな…!こっちは何日も昼から夜通しかけて施術してるってのに!」

教団員2「本当ですよね?僕たちの気も知らないで?」

教団員3「負傷した人達も可哀想だよ。重傷でも動ける内は前線に駆り出されてさ…」

教団員4「あの指揮官、人の使い方を分かってないよ。自分勝手で粗っぽすぎる?」

教団員5「それにしても…目の前に石や矢が飛んでくるなんて考えもしなかったでしょうね。こんなに恐ろしいものだなんて…」

教団員6「…ここ数日だけで1000人は死んでますよ。自分たちも、いつそうなるか…」ブルッ

負傷者1「ひっぐ…ぐぅぅ…!」シクシク

負傷者2「おっかねぇ…家に帰りてぇよぉ…」シクシク

負傷者3「ひぃやぁああ…!石が…矢がぁあああ!!」ブルブル
272: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2015/10/18(日) 22:42:49 ID:G41uxMId7g
ウウウ〜 ウウウ〜

負傷者4「あっ…ぐふぅぅ」ズキズキ

教団員7「痛みますか?」ピトッ

負傷者5「はぁっ…はぁっ…」ゼェゼェ

教団員8「氷を取ってきて!酒と布も!?」

教団員9「はい!」ダッ

ドタドタバタバタ

クーペ「……」ジーッ

負傷者6「ごぼっ!おぅえっ!」ビタビタ

クーペ「(ダメ…刺さった矢が内臓に届いてる…)」キュッ

負傷者7「うわあああああ!!?」ジタバタ

クーペ「」ビクッ

負傷者7「俺の足は!?どこだ!?早く持ってこぉぉい!!」バタバタ

教団員10「暴れないでください!まだ塞がってませんから…!」ガシッ

クーペ「……」

教団員11「また一人、息を引き取ったから何人か運ぶの手伝ってもらえる!?」

教団員12「手伝います!」スクッ

クーペ「(力になれたらなんて自惚れてみたけれど…誰も助けれてない…)」

クーペ「(ココットを一人にしてまで…わたしは何しに来たんだろう…)」シュン

クーペ「(……)」

負傷者8「い、いづぅぃ…!」ボタボタ

クーペ「」ハッ

ウウウ〜 ウウウ〜

クーペ「(…悩んでもしょうがないよね。一人でも多く救わなくちゃ…)」

教団員13「誰か薬師の方、手ぇ空いてませんか!裂傷が酷くて膿んでしまったみたいなんですが!?」

クーペ「はい!今、行きます!」スクッ
273: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:34:28 ID:6FAwtITC1A
〜〜〜〜〜〜〜〜

ブワァアアア ビュオオオオン ヒュールルル

『才知ある者よ。吹きすさぶ風の呼び声を聞け』

『果敢なる者よ。彼の地へ続く道を行け』

『憂いを秘めし者よ。悪逆の蔓延る都に集え』

『民草よ。枯れた心に火を灯し、争乱渦巻く世に大炎を撒き散らせ』

『我ら、神の意思の下、勇気ある民・イアマンとなりて魔の者を砕く礎となろう』

『自由を望むなら立ち上がれ』

『平等を掲げるなら武器を取れ』

『振るう刃は天の裁きと讃えられよう。その手を濡らす血は史に正義を記した証と誇れ』

『イアマンの手に触れた魂は遥かなる約束の地・ザリオンへと昇る』

『非道の世を洗い清める道の者、陽は陰りに射し煌めく』

『揃え、イアマン………今こそ闇を裂く光となりて』

『戦え、イアマン………度重なる不条理に決着を』

『愛すべき同志達よ。風吹く声に共鳴せよ』

『我ら、イアマン……同志よ……同志よ………』

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

「イーアーマン!!イーアーマン!!イーアーマン!!イーアーマン!!」

イーアーマン!! イーアーマン!! イーアーマン!! イーアーマン!!
274: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:35:44 ID:EZ0/NsJFHM
―――西の国・本土(帝都)―――

ゾロゾロ ゾロゾロ

ワァァァァアアアアアア!!!

ダダダダダダダダダダッ

西の衛兵1「止まれぇい!!奸賊共めぇ!?」ジャキッ

西の衛兵's「」ザザザッ

レジスタンス5「悪魔の手下に屈するなぁ!!我らイアマンの加護を受けし勇者なりぃぃいいい!!!」ダダダッ

レジスタンス's「オォォアアアア!!!」ダダダッ

ガガンッ! バシュッ ドバッ ズンッ ゴスッ バキッ ブシャッ

バタバタッ ドサドサ ゴロゴロ

メキィッ ゴリッ グシャッ ズシズシ ダダダッ

ヒギィィィイイイイ!!! グワァァァアアアアアア!!!

ワァーワァーギャーギャー
275: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:39:25 ID:6FAwtITC1A
―――西の城(バルコニー)―――

側近3「野猿の集団め…!よもや、この機に乗じて攻めてこようとは…!?」ギリィッ

官吏4「有能な戦術家が各所に出払ってる隙を狙ったものかと思われます!」

側近3「…猿の分際でいらぬ知恵を働かせおって!おい!最高司令官殿はどうした!?」ギリッ

官吏5「東国軍を討伐すると言い残し、帝都にいた兵のほとんどを連れて出ていきました!!」

側近3「なにぃ!?それでは今、残っているのは城の衛兵だけなのか!?」

官吏6「ご、ご覧ください!!衛兵達が左右に押し込まれ、中央の守備を突破されました!?正門に迫っています!?」

側近3「ま、まずい…!まずいぞ…!城内に入られたら、あっという間に…!?」

官吏7「ひぃぃ!!」ヘナヘナ

側近3「奴らがここまで来る前に渡り廊下を封鎖しろ!!女王の宮に近付けるな!?」

官吏4「ははっ!下僕共に呼び掛けてまいります!!」

軍師「おやおや…どなたもお忙しくしてらっしゃる?」スタスタ

側近3「ん…!お、おぉ…老師も城に残っておられましたか…!」

軍師「これは一大事ですな。女王の御身は既に安全な場所に隠されたので?」

側近3「う、うむ!部下に命じて宮殿の宝物庫から地下に続く隠し通路に案内させた!」

軍師「そうですか…」

直属兵's「」ザザザッ

側近3「おぉ!老師殿の兵も残っていたか!ありがたい!これで身の程を弁えぬ猿共を……」

直属兵's「」ジリッジリッ

側近3「え…?」

官吏4「な、なぜ我らに迫る!?さっさと外の連中を制圧してこい!?」

軍師「ご苦労様でしたな?黄泉に浸かり、ゆるりとお身体を労りなされ?」ニコニコ

側近3「ジジイ!!きっ…さま…!?」カッ

ダダダダッ

ヒィィィイイイイ!!!

276: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:43:34 ID:EZ0/NsJFHM
―――女王の宮殿(地下の隠し部屋)―――

女王親衛隊1「き、貴様ら!なぜ、ここが……ぐあっ!」ドシュッ

女王親衛隊2「おのれ!よくもぐきゃあっ!?」ズバッ

ワァーワァーギャーギャー

ガシュッ ドバッ ザンッ ズドッ

バタバタッ バタバタッ

ファルージャ「……」

軍師「お迎えに上がりました。ファルージャ女王陛下」

直属兵's「……」ジャキッ

ファルージャ「よきにはからえ?」ポフッ

直属兵's「……!」ドキンッ

ファルージャ「ここは蒸し暑いのう…?」ハラリ

直属兵's「!!?」ドキドキ

軍師「絶体絶命の危機ともなりますれば、いかに豪胆な気性をお持ちでも多少は心の揺らぎが表に現れてしまうもの…。
その点、貴殿の落ち着き払った立ち振舞いはさすがであると讃えられましょう?」カツンカツン

ファルージャ「さようか?」

軍師「下々の身分から這い出てこられた卑しい娼婦にしては…ですがな?」ニヤリ
277: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:45:25 ID:6FAwtITC1A
ファルージャ「……」

軍師「おや…押し黙ってしまわれましたな?
私めのような老人に暴言を吐かれ、お怒りでいらっしゃるか?」ニヤニヤ

ファルージャ「はて…?」キョトン

軍師「……?」

ファルージャ「いずれかの感情を向けられるほど…妾がそなたに興味を抱くとでも?」シラー

軍師「……言葉を選ばれよ?惨い死に目を迎えたくなければな?」ギロッ

ファルージャ「なんと…?妾に命令しておるのか?」クスクス

軍師「宮女の分際で出しゃばり過ぎたのが運の尽きと…お諦めくだされ?」

ファルージャ「先ほどから身分、身分とのたまうが……何者の手先かえ?」

軍師「帝たりえるは正統の血筋のみ…。はたして貴女の内に流れし血は…高潔であると言えましょうや?」

ファルージャ「ほう…皇族の生き残りにでもそそのかされたか?」ニヤニヤ

軍師「よもや語らう必要もございますまい?お覚悟を…?」

ファルージャ「クスス…そうさな?」ダラーン

軍師「(あくまで足掻かぬか…。最期まで己を貫く姿勢、見事なり。じゃが少々、拍子抜けだのう?)」ジッ

ファルージャ「」ジッ

軍師「!」ドキンッ

ファルージャ「」クスッ

軍師「(っ…い、いかん!儂とした事が…!やはりこの女は危険だ…!?)」ゾワッ
278: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:48:43 ID:6FAwtITC1A
軍師「こやつを生け捕りにせよ!?」バッ

シーン

軍師「……おい、聞こえなかったのか?こやつを……」

直属兵's「」ボーッ

軍師「な、何を見とれてるんだ!?早く、この女を……」

ファルージャ「其奴の身ぐるみを剥ぎ捨て、我が前に這いつくばらせよ?」

軍師「は…?」キョトン

直属兵's「」バババッ

軍師「なっ…お前たち、なにす……」ビクッ

ウワァァ ヤメッ ガシッ グイッグイッ バッバッ

ファルージャ「……」ジーッ
279: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/24(土) 21:55:58 ID:6FAwtITC1A
ズダァンッ

軍師「ぎゃはあっ!?」ズシャッ

ファルージャ「フゥ〜…萎びた身体じゃのう?魅力の欠片も持ち合わせておらぬわ?」

軍師「お、お前たちぃっ!?なぜ儂を取り押さえる!?何をしておるか分かってるのか!?」ジタバタ

直属兵's「」ググッ

軍師「んぅおのれぇ!!いつからだ!いつから寝返っていた!?」

ファルージャ「寝返る…とな?」キョトン

軍師「こやつらは儂に長年仕えてきた私兵だぞ!?
一体どんな手を使って…いや、それよりもいつから儂らの企みを悟っていたのだ!?」

ファルージャ「企み?知らぬわ?」サラッ

軍師「はぁ!?」

ファルージャ「そなたが其奴らと、どれほどの月日を共にしたかは知らぬが…」

軍師「……!?」

ファルージャ「丹念に築き上げた信頼よりも…瞬間、目にした美が遥かに上回ったそうさな?」ニタァァァ

軍師「そ、そんな…バカな…!?」

ファルージャ「さぁ…そなたも骨抜きにしてくれようぞ?」ヒタヒタ

軍師「……!な、何をする気だ!?来るな!来るなぁ!?」ジタバタ

ファルージャ「案ずるな?乾いた皺肌も潤うというものよ?」ガッ クイッ

軍師「わ、私は…あのお方を…!」グググッ

ファルージャ「そんな輩は忘れておしまいな?」

軍師「っ…だま、れ」ギリッ

ファルージャ「妾の虜となるがいい?」ニタァァァ

軍師「っ〜〜〜!」

ヒィィィイイイイイ…………
280: ◆WEmWDvOgzo:2015/10/31(土) 21:33:05 ID:mMBbNGzqdU
―――西の国(南西部)―――

ドガガガガガガッ

ガキンッ キンッキンッ ザシュッ ドバッ ズブッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

騎士長「ゴォォアアアアア!!!!」ブンッ

ズバァッ!

西兵26「ぐぎゃあっ!!」バシュッ

騎士長「ローレン様ぁ!!ご無事ですかぁ!?」ヒュンッ

西兵27「べふっ!?」ズブッ

ローレン「案ずるな!!」ガキンッ シュバッ

西兵28「ごえっ……」ザクッ

騎士長「深手を負われておるのですから無茶は禁物です!どうか後ろにお下がりください!」

ローレン「構うな!無駄に命を散らしたくなければ雑念は捨てろ!?」

騎士長「こ、これ以上の深入りは危険です!!」

ローレン「戦局を見極めるのは俺の役目だ!お前は自分の使命に全力を注げ!?」

騎士長「し、しかし…!」

西兵29「隙ありぃっ!!」ザウッ

西兵30「死ね!素人集団が!?」バッ

騎士長「」ハッ

ローレン「せやぁっ!!」ヒュンッヒュンッ

バシュッ ズバッ ドサドサ ゴロゴロ

騎士長「ろ、ローレン様…!お、お手を煩わせて申し訳……」アセアセ

ローレン「集中しろ…!手強い部隊が迫っているぞ…!?」

騎士長「は…?」

ドドドドドドドドッ

ザンッザンッ ドシャッドシャッ ギャアアアアアアアアアア
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sage:


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