「出来、たー……!」
オフィス用の椅子を限界まで倒してのけ反ると、背骨と腰の辺りからばきぼきと嫌な音が鳴った。
うん。リアルだ。
ひとりで納得しながら腕を伸ばしていると、窓口に立っていた結さんが振り返る。
「お疲れ様、今日のノルマは終わりよ」
「死んでるのにドライアイになりそうですよ」
「私だって死んでから書類仕事する羽目になるとは思わなかったわよ」
お腹は空かない、でも眠れる。
肉体はないはずなのに、仕事をすれば疲れるし、物に触れることもできる。
死後の世界というものは、全くおかしな場所だった。
175:🎏 ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/9(月) 11:52:56 ID:aLkl3hdfUg
すみません順番間違えました。
>>171と>>172の間にこれが入ります。
順番的には>>171>>175>>172-174です。
年配の人と話すのは、基本的には好きだ。
自分より遥かに年上だという安心感だろうか、同年代や年下よりも自然に言葉が出て、気持ちも落ち着く。
向こうにいた頃は、彼女のお祖父さんともよく話した。
もっとも、お祖父さんは出会って間もないうちに亡くなってしまったけれど。
「はい、これでよろしいかしら」
お婆さんがペンを置く。
俺は慌てて意識を戻すと、礼を言ってその書類に目を通した。
項目に不備はなかった。
ただ、ひとつ問題が。
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