「出来、たー……!」
オフィス用の椅子を限界まで倒してのけ反ると、背骨と腰の辺りからばきぼきと嫌な音が鳴った。
うん。リアルだ。
ひとりで納得しながら腕を伸ばしていると、窓口に立っていた結さんが振り返る。
「お疲れ様、今日のノルマは終わりよ」
「死んでるのにドライアイになりそうですよ」
「私だって死んでから書類仕事する羽目になるとは思わなかったわよ」
お腹は空かない、でも眠れる。
肉体はないはずなのに、仕事をすれば疲れるし、物に触れることもできる。
死後の世界というものは、全くおかしな場所だった。
208: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/13(金) 08:49:18 ID:tbpDYj2bNQ
「疲れたとき、ねえ……」
俺はもう一度ミルクティに口を付ける。
うんざりするくらいの甘さが、口中に広がった。
お婆さんの対応のことを言っているのか、それとも昔のことを思い出していたのを勘づかれたのか。
どちらにしても、気遣ってくれたことは素直に嬉しい。
甘すぎるミルクティを少しずつ飲みながら、じんわりと温もってゆく指先を擦り合わせる。
あとどのくらいこの場所にいられるのか、もう見当はついてしまうほどだけれど。
どうかもう少しこのままで、と俺は、加奈のためだけではなく願った。
209: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:46:54 ID:o7726pFAMk
「復讐をしたいんです」
その日窓口に訪れた女性は、ぎらぎらとした目でそう告げた。
「……まあ落ち着きましょう」
「私は落ち着いてます」
両手を上げて宥めようとする結さんを制して、女性が言う。
明らかに落ち着いていなかった。
「一応聞くけれど、それは現世の人かしら」
「はい」
結さんと同じくらいか、少し年下のようだった。
210: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:47:40 ID:o7726pFAMk
彼女の鋭い眼差しが、結さんを射抜く。
「私を殺した犯人に、復讐をしたいんです」
面倒な人が来た、と片付けることはできなかった。
それほどまでに彼女の気迫に圧されていた。
結さんも同じなのだろうか、いつもより若干腰が引けた様子で女性に提案する。
「ここで話すのも何だから、中で聞かせて貰えないかしら」
「必要ありません」
女性がばっさりと却下する。
俺は事務所の奥で、怖、と身を縮めた。
211: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:48:35 ID:o7726pFAMk
「聞きました、ここで現世に行くための手続きができると」
ええ、と結さんが不穏な声で肯定する。
この前の宮田のようなことになるのはごめんだと、俺はキィを打つ手を止めて、本格的に会話に耳を傾けた。
「それじゃあ私を現世に行かせてください。現世で何をするつもりだろうが、ここが拒むことはできないでしょう?」
傲慢な物言いに俺は眉をひそめた、
殺されたと言っていたが、そのせいで気が立っているのか、気の毒ではあれどあまり良い印象はない。
212: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:49:03 ID:o7726pFAMk
「……現世で悪事を働いたら、それ相応の処罰があるわよ」
「上等です」
うわっこいつむかつく。
女性が馬鹿にしたように笑う。
俺はいつの間にか指で机を叩いていた。
「要するに犯罪をしなければいいんでしょう?」
「ええ、言ってしまえば。そして私にあなたの要求を断る権利はない」
結さんが静かに答えて、記入用紙を差し出す。
まさか大人しく許可してしまうのだろうか。
口を挟みたくなるのを抑えた俺の視線の先、女性は満足そうにペンを取った。
213: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:49:33 ID:o7726pFAMk
「ありがとうございます」
「いいえ」
ちらりと見えた結さんの横顔は、見事なまでに無表情だった。
記入のために俯く女性の、恐らくつむじの辺りを見つめながら結さんが口を開く。
「ひとつ言わせて」
何ですか、と女性が怪訝そうに顔を上げる。
結さんは静かに宣告した。
「あなたはきっと、何もできないわ」
俺は思わず息を呑む。
女性は大きく目を見開いていた。
214: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:50:00 ID:o7726pFAMk
「どうしてそんなことが、言えるんですか」
「どうしてもよ」
相変わらず平らな声の結さんが繰り返す。
「どれだけあちらに滞在しても、あなたは何もできない」
ただそうとだけ断言する結さんの言葉は、呪いのようにすら聞こえた。
女性が身を強張らせる。
俺は息を潜めて、その様子を見守っていた。
「どのくらい発行しましょうか」
「……、どのくらい、できますか」
「最大で一ヶ月」
じゃあそれで、と女性が言い捨てる。
結さんは淡々と最終確認を済ませると、判を押した。
215: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/14(土) 22:50:31 ID:o7726pFAMk
「はい、どうぞ」
「どうも」
女性はやや警戒したように切符を受け取った。
結さんはにこりと営業用の笑顔をつくる。
「9番線だから、お気をつけて。何があっても必ず、期限内に戻ってきてね」
「戻らなかったら?」
「どうなるのか、私は知らない。でも期限を過ぎて再会した人はいないわ」
結さんが素っ気なく伝える。
女性は申し訳程度に礼をすると、知ったことかとでも言うように、大股で去って行った。
216: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:07:38 ID:tbpDYj2bNQ
「……いいんですか」
何が、とは言わない。
俺が椅子の上から背もたれを抱え込んで聞くと、結さんはまあね、と言葉を濁した。
「ぶっちゃけ賭けだわ」
「そんなの行かせたんですか」
「まあまあ、憩も読む?」
はぐらかされた返事に、渋々差し出された先程の女性の書類を受け取る。
整った美しい文字が、尾上葵、と彼女の名前を示していた。
「また随分と几帳面そうな」
「でしょ、これがまた偉い美人なのよ」
はー嫌んなっちゃう、と結さんは椅子のキャスターで俺の方に滑った。
217: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:08:39 ID:tbpDYj2bNQ
ふたりして書類を覗き込む。
尾上葵は確かに殺されたようだった。
「自宅のアパートに入ろうとしたところで、後ろから包丁で……」
「物騒ねえ」
結さんが眉をひそめる。
死因の備考欄にみっちりと書き込まれた状況には、尾上の恨みが詰まっているようで空恐ろしい。
俺は書類を机に置くと、椅子を回してすぐ横の結さんにくるりと向き直った。
「で、どうするんですか」
「どうも」
しれっと流した結さんに、俺は間抜けな声を上げた。
218: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:09:19 ID:2ho66zkJlw
「はぇ?」
「だってあの子行っちゃったもの、もう私達にできることないし」
「まあ、そうですけど」
いいのかそんなんで。
今頃現世で何をしているのか、俺は気が気でないのだが。
「……葵ちゃんはどうして、わざわざ私に向かって復讐を宣言したのかしらね」
あんなに冷たく接しておきながら、結さんは尾上を葵ちゃんと呼んだ。
俺はその真意を分からずに、はあ、と相槌を打った。
219: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:09:57 ID:2ho66zkJlw
「絶対に引き留められるって、分かっていたでしょうに敢えて言ったのよ」
結さんは椅子のままずるずると滑っていって、いつものクッションに手を伸ばした。
結さんは自分が分からないというよりも、俺を試しているように見えた。
尾上は、どうして結さんに告げたのか。
止められると分かっていたのに、何故。
俺は貧困な想像力をフル稼働させて考える。
「……決意を固めたかったか、復讐を止めさせてほしかった?」
弾き出した答えに、結さんは満足そうに口端を吊り上げた。
220: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:10:36 ID:2ho66zkJlw
制止を振り切って出てしまえば、もう後には引けない。
例え振り切れなくても、復讐をやめることができる。
「私はなんとなく、そう思ったの」
だって見るからに正義感強そうで真面目っぽいんだもの、と結さんが指を折る。
「絶対優等生タイプね、曲がったことが大嫌い」
「そんな妄想広げなくても……」
そう言いながらも、どこかでその推測に納得している自分がいた。
「何にせよ葵ちゃんは迷っているはずよ」
そして私は復讐できない方に賭けた、と結さんは言った。
221: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:11:08 ID:2ho66zkJlw
「そもそも幽霊よ、現世でできることなんて限られてる」
少なくとも物理的にどうこうするのは無理よね、と結さんが顎に手を当てた。
「呪ったりできないんですか」
「知ぃらない」
「知らないって」
「だってしたことなかったもの、呪う人なんていなかったし」
はっきりとそう言える結さんは、きっと生前幸せだったんだろう。
俺も試しはしなかったけれど、できるなら呪ってみたい人はひとりでなかった。
222: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/15(日) 14:11:52 ID:2ho66zkJlw
「ともかく、待つしかないわ。でも二週間経たずに帰って来ちゃうかもね」
クッションを手にいれた結さんが、いつものようにそれを抱き込みながら結論付ける。
結局はそうなるのかと、俺は脱力して背もたれの上に顔をうずめた。
「ほら、そうと決まれば仕事仕事。私と違って憩はやることたくさんあるでしょ」
「ちょ、やめてください脛蹴ろうとするの」
「意外と素早いわね」
「舌打ちするし!」
一気にくだらない話題に戻ったことで、俺は仕方なくパソコンに向かい合う。
そして結さんの言う通り、その日は十日を過ぎた頃にやって来た。
223: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:10:18 ID:c.gYySYfy6
「あの……」
そう声をかけてきたのは、前よりも随分と大人しくなった尾上だった。
「はい、どうされましたか?」
来た、と思った。
ちょうど窓口に座った俺を、狙って訪れたようなタイミング。
確かに結さんには会いにくかったかもしれない。
俺がにこやかに対応すると、尾上は口早に告げた。
「現世から戻ってきたら、報告に行くのだと聞いたので」
「ありがとうございます、ですが……」
俺は結さんが休んでいる奥の方をちらと見やった。
224: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:10:57 ID:c.gYySYfy6
「……尾上さんは、奥にお通しするよう言われてますので」
「ええ?」
尾上がすっとんきょうな声を上げる。
きつい美人でも意外と可愛いじゃないかと不躾なことを考えながら、俺は涼しい顔で畳み掛けた。
「お時間はきっと大丈夫ですよね、お茶でもお出ししますから、お話を聞かせて頂きたいと上司が」
もちろん全部はったりだ。
ここでターゲットを逃したら後でどうなるかなど分かりきっている。
「そんな、勝手な」
225: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:11:37 ID:c.gYySYfy6
抗議する尾上をよそに、俺の肩にずっしりと重みが乗る。
「聞かせて貰えるわよね?」
尾上を遮って、楽しそうな声が響く。
いつの間にやら戻ってきた結さんが、俺の肩に腕をついて乱入してきたのだった。
「ぐっじょぶ憩」
「お誉めに預り光栄です」
俺もなかなか強かになったと内心苦笑するも、実際満更でもなかった。
「という訳で葵ちゃん」
尾上が逃げたそうに一歩足を引くが、結さんがそれを許すはずもなく。
「入り口開けるから、右から回ってちょうだい。逃げないでね」
賭けに勝った結さんは、うんざりするほど上機嫌だった。
226: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:12:09 ID:c.gYySYfy6
今更のことながら、結さんはコーヒーよりも断然紅茶派らしい。
しかも決まってミルクティ、砂糖もしっかり投入するというお子様味覚だ。
しかしながら、それしか飲めないという訳ではなくて、ブラックコーヒーでも実は余裕でいけるという。
要するに何が言いたいのかといえば、相手の希望によって飲み物を変えることも可能で。
結果俺は今、三人分のコーヒーを淹れるという、極めて珍しい状況に立たされていたのだった。
227: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:12:45 ID:c.gYySYfy6
「たまには良いものね」
目の前に置いたコーヒーを見て、結さんが目を和ませる。
久々に淹れたものだから上手くできているか心配だったが、それは杞憂に終わったらしい。
結さんは特に何かを言うこともなく、ず、とごく普通にそれを啜っていた。
「……ありがとう、ございます」
対する尾上は警戒心を剥き出しにしてカップを見つめていた。
顔と態度はきついのに、小動物を餌付けしているような気分になる。
尾上がようやくカップに手を伸ばしたのを見計らって、結さんが口を開いた。
228: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/16(月) 23:13:22 ID:c.gYySYfy6
「それで、復讐は成功した?」
「ちょ、結さん」
単刀直入に尋ねる言葉に、慌てたのは俺だけで。
「あなたの言った通りでした」
尾上は力なく微笑んでカップを置いた。
かちゃ、と陶器の触れ合う音が、部屋の中に響く。
「結局何も、できなかった」
そう、俺のときと同じことを言う。
ただひとつ、彼女の方がずっと落ち着き払っていた。
229: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:28:41 ID:wKwNii9EEI
「私が殺されたとき、相手の顔は分からなかったんです」
尾上は語り出す。
「後ろから刺されて、確認する間もなく死んでしまいましたから。復讐は、犯人を見つけるところから始めるつもりでした」
「犯人は、見つかったのかしら」
結さんが先を促す。
尾上は自分を奮い立たせるようにコーヒーをもう一口飲み込むと、再び口を開いた。
「……知り合いの男の子でした。前に、家庭教師をしていた」
完全に予想外でしたと尾上は唇を噛む。
視線がカップの縁をなぞるように動いて、揺らいで、最終的には手元に落ちた。
230: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:29:37 ID:wKwNii9EEI
「だって悪質なストーカーか何かだと思ったから、復讐するって決めたんです。なのにこんな、最近も会っていないのに、仲も良くて、慕われていると思っていたのに……」
尾上はくしゃりと顔を歪めた。
信じてたのに、なんてお決まりの台詞が聞こえてくるようだった。
でも尾上は、それ以上嘆くのを恥じるかのように表情を引き締めて話を再開する。
「私はしばらくその子の家にいました。本人はいなかったけれど、何かできるんじゃないかって」
だって私は殺されたんですよ、と尾上が責めるように話す。
一体誰を責めているのかは、彼女にも分からないようだった。
231: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:30:27 ID:wKwNii9EEI
「でも、できなかったのね」
柔らかな結さんの声が、不意打ちのように尾上を抱きしめる。
尾上ははっとしたように結さんを見て、泣き出しそうな顔をしたかに見えたが、すぐにそれを振り払うように声を荒げた。
「――じゃあどうしろって言うんですか!家族は何も悪くないのに、あんなに苦しんでて、その上私に何をしろと!?」
尾上の喉がひくりと震える。
上手く吸えなかった息をもう一度吸おうとして、諦めたようにまた、無理矢理に言葉を放る。
「うちの母親はノイローゼで家族はバラバラ、毎日のようにその子のお母さんに電話して責めるんです」
232: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:31:36 ID:VMnJaffQ7E
私だって責めたかった、尾上がそう詰る。
でもできなかったと、彼女は癇癪を起こした子供みたいに頭をかきむしった。
「その子の家には私の遺影があって、すごく綺麗に毎日手入れしてあった。人殺し、人殺しって言われてたのは、その子のお母さんだった」
それ以上何ができますか、と尾上が結さんを睨む。
最初と同じ瞳に、俺は気付いた。
彼女が抱いていたのは、殺気なんかじゃない。
行き場のない気持ちを、どこにぶつけるかも分からずに、燻らせていただけなんだ。
233: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:32:23 ID:VMnJaffQ7E
重苦しい沈黙がその場を支配する。
尾上は肩を僅かに上下させて、辛うじて虚勢を張っているようだった。
結さんは彼女の眼差しを受け止めて、苦しそうな顔をしていた。
「その男の子には、会ったの?」
結さんが尋ねる。
尾上はますます高ぶりそうなのを抑えて、幾分か落ち着いた声を絞り出した。
「会いました、未成年だったから、少し遠い場所に」
彼の母親が面会に行くのに、ついて行ったのだと言う。
俺は酷く喉が渇いていることに気付いたけれど、コーヒーに手を伸ばすことはできなかった。
234: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:35:55 ID:ogjb0kC5Sw
「本当に、ドラマみたいにガラスで仕切られていて、向こう側にその子はいました」
尾上も先程から姿勢を変えずに、動いているのは口と、まばたきの瞼だけである。
力の入った肩が、辛そうだと思った。
「久々に見たら大きくなっていて、背も、肩幅も顔つきも変わっていて、ああ私はこの子に殺されたんだなって」
そう、思って見てました、と尾上が切れ切れに言う。
そして握った手のひらを恐る恐る開くのを、俺は安堵したように見ていた。
「私のことを、見たような気がしました。気のせいだと思ったけれど、霊感があることは聞いていました」
そういえば自分達は所謂幽霊だったと、その言葉で改めて気が付いた。
235: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:36:54 ID:aLkl3hdfUg
尾上は自嘲するように歪んだ笑顔をつくると、目を伏せてひとつ、言い放った。
「そしてその子は明らかに私の方を見て、言ったんです」
ごめんね、って。
俺は思わず息を呑む。
結さんはずっと、押し黙ったままだった。
「どうして私を殺したかなんて知らない、知りたくもない。そんなのどうだっていい、でも!」
がん、と尾上が自分の膝を殴る。
「私が悪者みたいじゃないですか!一生罪を背負っていくなんて、あんな痛そうな顔で言われたって、私にはその一生だってないのに!」
236: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:38:36 ID:c.gYySYfy6
がん。がん。がん。
抑えきれなくて、でも机に当たらないだけの理性を残してしまっている彼女が、ひたすらに気の毒だった。
「どうしてあの子だけ悔い改めて、また進んでいけるの?何で?私が悪いの?じゃあお前も死ねって、何で言っちゃいけないの?」
結さんが尾上の手を取る。
尾上はいやいやと振り払おうとするが、離れない。
そこで俺は思い出す。
最後に会いに行った加奈も、扉の向こうで同じことをしていた。
「何でなのよ……っ!」
泣き崩れる彼女を、寄り添うことも慰めることもできず、あの日と同じように、俺は呆然と立ち竦むだけだった。
237: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:39:34 ID:c.gYySYfy6
「……何も、言わないんですね」
彼女が去った後の事務所でぽつり、そう投げ掛ける。
「何も言えないでしょう」
結さんはのんびりとそう言うと、そうっと目を閉じた。
あれから尾上は、泣いて泣いて、ようやく涙も涸れた頃に、この場所を出て行った。
結さんは切符を渡さなかった。
次の場所に行くことはできない。
今頃駅構内の何処かで、涙を流しているんだろうか。
238: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:40:49 ID:2ho66zkJlw
「どうして切符を、渡さなかったんですか」
ぎし、と椅子を軋ませて問うと、珍しく結さんが優しくクッションを撫でる。
「まだそんな状態じゃ、なかったでしょう」
「まあ、」
俺は控え目に肯定した。
結さんはまだ丁寧に、確かめるようにクッションに触れている。
「決めるのは葵ちゃんよ」
結さんが呟く。
俺もそろそろ、決めなくてはいけない。
整理すべき書類のファイルは、あと数冊になっていた。
239: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/17(火) 21:52:54 ID:c.gYySYfy6
次のお話が最後になります。
という訳で一度、流れをリセットするために書き込み。
設定上重くて暗い話ばかりでしたけれど、後味が悪いのは今回限りにして、最後くらいは少しでも希望が見えるといいですね。
もしかすると細切れになるかもしれませんが、どうか明日以降の更新にもお付き合いください。
240: 名無しさん@読者の声:2012/1/17(火) 22:43:30 ID:/0856AJwQo
まだまだ見ていたいけど、終わりも見たい。
なんだろうこの不思議な気持ちは…
とにかく支援!
241: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/18(水) 17:48:17 ID:2ho66zkJlw
>>240
支援ありがとうございます(´∀`*)
何にせよもうすぐ終わりですから、見届けて貰えたら嬉しいです。
では少ないですが、今日の更新に。
242: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/18(水) 17:49:23 ID:2ho66zkJlw
最後の文字を打ち終えると、結さんがぱちぱちと拍手を送ってくれた。
「お疲れ様」
「どうも」
「よくもまあ、あんなに溢れていた書類を……お見事だわ」
結さんが俺を労う。
俺は少しのわだかまりを感じながら、結さんに笑顔を向けた。
俺が言いつけられた仕事は、全て終わってしまった。
この場所に留まることのできる期間は、もう過ぎ去ったのだ。
243: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/18(水) 17:50:01 ID:2ho66zkJlw
「さて、君が留まる理由はこれでなくなってしまった訳だけども」
結さんがてきぱきと話を進める。
「決まった?君の気持ちは」
「……、いいえ」
正直のところ、先になんて行きたくない。
まだここにいたかった。
でも、それが出来ないことも分かっていた。
「やっぱり、そうよねえ」
そうだと思った、と結さんが頷く。
まるで俺が駄々を捏ねているかのように思えて、俺は居心地が悪くてもぞもぞと座り直した。
244: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/18(水) 17:51:06 ID:tbpDYj2bNQ
よし、と結さんが気合いを入れて立ち上がる。
何事かと思わず身を引く俺にも、結さんは席を立つよう促した。
「おいで、憩。話してごらん」
結さんがにこり、笑って応接室を指差す。
今まで色々な人が、迷い、悩み、事情を語って、次に進んできた場所だ。
俺は結さんを見る。
結さんは俺を見据えたまま、高らかに宣言した。
「君を繋ぎ留めているものを、私が取っ払ってあげる」
245: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:28:31 ID:wKwNii9EEI
紅茶は結さんが淹れた。
いつもは並んで座るソファも、今日はテーブル越しに向き合って。
どうやら結さんは本格的に、俺を客として扱うらしい。
普段と反対側のソファに腰掛けて、何となく落ち着かない気持ちで待っていると、結さんがカップをふたつ手にして部屋に入ってきた。
「そこはやっぱりマグカップなんですね……」
「こっちの方が落ち着くでしょう」
結さんが、普段使いのマグカップを俺に手渡す。
受け取ったそれはじんわりと指先を温もらせて、確かに自分はこの方が好きだと思った。
246: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:29:29 ID:wKwNii9EEI
「本当は誰でもマグカップ出したいくらいよ」
「それは失礼なんじゃないですか」
「だから憩に任せてたでしょう」
あ、過去形。
俺は少し気分が曇るのを感じた。
分かっていたけれど、結さんはもう俺を手放す気でいるようだった。
「じゃあ話して」
結さんがさらりと言う。
俺はそろりと視線を上げた。
「何から?」
「何でも」
247: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:30:10 ID:wKwNii9EEI
未だかつてこれほど適当な対応があったろうか。いやない。
と思わず反語で驚いてしまうほど結さんはあっさりしていた。
俺が困惑するのを分かってか、結さんがマグカップを持ち上げながら付け足す。
「話したいことから、話せばいいのよ。好きだったこと、小さい頃の思い出、悩んでいたこと。いくらでも聞いてあげるわ」
結さんがマグカップの中身を、恐らく俺のと同じミルクティを吹き冷ます。
結さんがミルクティを好きな理由。
猫舌の自分に淹れたての紅茶は熱すぎるから、冷たい牛乳をたっぷり入れてちょうどよい温度にするのだと。
心地良い温もりと優しい味わいが、とても好きなのだと。
248: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:31:00 ID:wKwNii9EEI
「次に行きたくない理由と、関係がなくたっていいわ。どんな些細なことでもいい。君が生きてたことの話を、私は聞きたいのよ」
結さんの目が、熱っぽく俺を見つめる。
軽くなんてなかった。
結さんは真剣だった。
ここを訪れる人は皆、この瞳と対峙していたのだろうか。
俺は促されるままに、ゆっくりと口を開いた。
彼女がいたこと。幸せだったこと。正造さんと打つ囲碁が好きだったこと。加奈とふたりの帰り道が、どうしようもなく大切だったこと。
高校時代の思い出は、悲しい記憶に連鎖して、いつの間にか加奈との約束も、正造さんの死も、俺が死んでからのことまで洗いざらい吐き出していた。
249: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:31:44 ID:wKwNii9EEI
こんな俺の青臭い話を、結さんはずっと聞いていてくれた。
何度も頷きながら、決して目を逸らさず、疲れた様子も見せずに、ずっと。
俺は夢中で話した。
気付けばマグカップいっぱいに入っていたミルクティは、すっかり飲み干してしまっていた。
「……終わり、です」
ようやく次の話題が見つからなくなったところで、俺は口を閉じた。
随分と長いこと話していたような気がする。
口の中は乾ききり、顎も痛んでいた。
250: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/19(木) 13:32:20 ID:wKwNii9EEI
結さんが組んでいた足を解き、おもむろに身を乗り出した。
「ひとつ、いいかしら」
「はい」
「君はいささか真面目すぎるわ」
結さんはまっすぐに俺を見た。
「約束を守れなくなったのは、君のせいじゃない。憩は悪くないし、これ以上約束を守ろうとする必要もない」
「でも、」
俺は思わず声を上げた。
結さんは俺を、過大評価していた。
251: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/20(金) 15:32:22 ID:c.gYySYfy6
約束を守るのは、俺が誠実だからでも、罪悪感のせいでもない。
ただ、恐れているだけなのだ。
最後に聞いた加奈の、嘘つきと責める声だけが、今も頭に響いていて。
「……怖いんです。嘘つきと責めた加奈が、今の俺をどう思うか」
最後に加奈が叫ぼうとして、声にならず押し込めた言葉。
あんな嘘つき、どうなったって。
「あのとき加奈は、何を思ったんでしょうね」
俺は息苦しさを隠して笑う。
そうでもしないと、息ができそうになかった。
252: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/20(金) 15:32:57 ID:c.gYySYfy6
「……そうね、じゃあ、確かめてみましょうか」
結さんが含み笑いをする。
俺はその意味が掴めずに、ぽかんとそれを見ていた。
「憩、正造さんの名字は」
「内村、ですけど」
「亡くなった時期は?」
「二年前の七月」
「じゃあ、住んでいたのは八王子ね」
当たっていた。
253: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/20(金) 15:33:37 ID:c.gYySYfy6
俺が目を見開くと、結さんがやっぱりとほくそ笑む。
そうして得意気にこんこんと頭を叩いてみせた。
「言ったでしょう、全部覚えてるって」
絶句する俺の前を、結さんが横切る。
「憩、二年前の書類ってもう破棄しちゃった?」
「いや、これからです」
「どこ?」
「いちばん奥の棚の脇、縛って置いてあります」
結さんがつかつかと事務所に入る。
部屋の隅に積み上げられて、ビニール紐でくくられた書類は、最後に見たままの形で鎮座していた。
254: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/20(金) 15:34:25 ID:c.gYySYfy6
「早口で話す、さばさばしたお爺ちゃん」
そうでしょう、と結さんが書類を掻き分けながら問いかける。
俺も床に座り込んで、一緒に二年前の書類を探した。
「話したこと、あるんですか」
「当然よ、窓口だもの。お喋り好きで、あまりに立ち話が長引くものだから応接室に呼んじゃったわ」
結さんに絡む正造さんが目に浮かぶ。
あの頃に、加奈が隠れてずたずたに傷ついていた頃に、正造さんはここに居たんだ。
「お孫さんのことを、酷く心配してたわ」
探る腕は休めずに、結さんが呟く。
255: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/20(金) 15:34:58 ID:c.gYySYfy6
「あの子は一度落ちるととことん悲観的になるから、思い詰めて馬鹿なことを考えないかって。最近はよく笑うようになったけれど、彼氏と会うまでは悲惨だったって」
俺と会うまでは。
それは、俺が加奈を変えたと、そう考えても良いのだろうか。
何からひとつでも、俺は加奈のためになれていたのだろうか。
「……ほら」
結さんの手がふいに止まり、ひとつの書類束を拾い上げる。
まるで宝物みたいに捧げ持ったそれを、結さんは俺に手渡した。
内村正造、七十二歳。死亡地区、八王子市。
結さんの備考欄に、俺はそっと目を落とした。
256: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:16:21 ID:YMPC7wApis
備考欄:
お喋り好きのお爺ちゃん。お孫さんに関しては話題が尽きない。
家庭の事情で心を閉ざしていたお孫さんは、彼氏ができて明るくなったらしい。
あいつになら孫をやっていいなんて、父親みたいなことを言う。
お孫さんを可愛がっていたのがよく分かって微笑ましい。
悩み事は、お孫さんの痴話喧嘩に巻き込まれること。
嘘つき、どうなっても知らない等の愚痴を延々と聞かされるという。
確かに辛そうだ。
257: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:18:12 ID:YMPC7wApis
一度、なら別れろと叱りつけたことがあるらしい。
「でも絶対嫌いになれないんだ」とのろけを聞かされたと、嫌そうに話していた。
でも、お孫さんがそれだけ幸せそうだったからこそ、正造さんもこちらで明るく振る舞えたんだと思う。
心残りは、お孫さんが自分の死にショックを受けないかということ。
彼氏が傍にいるとはいえ、やはり心配な様子。
これから現世に戻るつもりだと言うから、それで不安が解消されたら良い。
願わくは、正造さんが安らかに旅立ち、残されたお孫さん達が幸せであるように。
8月2日
258: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:20:55 ID:2ho66zkJlw
――絶対、嫌いになれないんだあ。
加奈の声が、甘く耳の奥に響く。
例え嘘つきでも、どうなってもいいなんて言っても。
俺は書類を床に置く。
床に座った結さんは、俺と同じ高さで、その紙束を見ていた。
「加奈ちゃんは、君を恨んでいないわ」
あの日の慟哭は本物だった。
あれほど傷つけて裏切って、それでも嫌いになれないと、加奈は果たして言うのだろうか。
傷ついて裏切られて、それでもそう言ってくれると、信じていいのだろうか。
259: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:23:16 ID:wKwNii9EEI
「……君はもう、自由だわ」
約束に縛られる必要はない、と結さんは言った。
それはつまり、次に進めという暗黙の命令である。
「約束を、破れと?」
端的に問いかけると、結さんがゆるゆると首を振る。
「そういう意味じゃない。進むべき場所に進むのが、最善の選択なのよ」
そのくらい分かっている。
それでも愚図る俺の髪を、結さんは、小さい子供に言い聞かせるようにそっと撫でた。
「憩、よく聞いて」
260: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:26:17 ID:o7726pFAMk
「確かに、そっくりそのまま生まれ変わるなんて無理よ。記憶も容姿も、魂でさえ」
結さんの指がさらさらと髪を通る。
結さんとふたりして書類だらけの床の上に座ったまま、俺はじっと耳を傾けていた。
「でもね、君の魂は、たくさんの人の中に溶け込んで、たゆたって、広がって、そこから掬い上げられたひとしずくの命の中に、確かに紛れ込むの」
結さんの手つきは優しい。
幼い頃に親にされたものと、同じ手つきをしていると思った。
「もし加奈ちゃんが、いつか違う人と結婚して、子どもを産んだら。その子どもの中にはね、確かに君がいるの」
君の魂は、彼女のところに還るの。
261: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:29:34 ID:99nh8st8DU
でも、と俺は抗議しようとして、出来なかった。
酷く子供染みた我が儘を、言ってしまいそうだった。
「……でも、」
口にできない思いは、宙を彷徨って落ちる。
加奈のことは関係なく、次の場所から逃げる訳でもなく、それでもなお、ここに留まりたいなんて。
「君は行かなきゃならないわ」
俺の気持ちを見透かしたように、結さんが宣告する。
言えるはずが、なかった。
262: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:33:16 ID:99nh8st8DU
俺は立ち上がる。
書類まみれの床に座ったままの結さんが、俺を見上げた。
「結さんは、行かないんですか」
「ええ」
結さんは微笑んだ。
「私はずっとここにいる。ここは終着点、境界、そしてはじまりの場所。ここを守ることが、私の存在理由なの」
今はね、と結さんが小さく付け加える。
「この場所は終わらないわ」
263: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:36:03 ID:c.gYySYfy6
色んな人を、見送って。
今度は俺が行く番だった。
俺は静かに結さんへ頭を下げる。
結さんは息をひそめるようにして囁いた。
「最後に聞かせて。幸せな人生だった?」
結さんの声が、初めて揺らぐ。
期待と不安が入り混ざった、頼りなさげな声だった。
俺は目元を和ませる。
「ええ、とても」
そんなこと、決まっているじゃないか。
「生まれてきて、本当によかった」
264: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:39:25 ID:YMPC7wApis
生きてきたこと、生きて、大切な人達に出会えたこと。
後悔なんてひとつもないと、言い切ることはできなくても。
結さんは泣き顔のように笑うと、すっと出口を指差した。
「君の切符は机の上に置いてある。……行きなさい、まっすぐに」
外の雑踏が、いつになく恐ろしいものに感じられる。
それでも、猶予期間は終わった。
進むべきときが来たのだ。
「ターミナルの神様が、君にはついているわ」
265: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:42:27 ID:V5t1TG2Qic
俺は力強く頷いた。
結さんに背を向けて、切符を手に取る。
小さな紙切れをお守りのように握りしめると、心が落ち着くような気がした。
俺はもう振り向かなかった。
雑多な事務所を、結さんと過ごした愛おしい空間を、俺は出て行く。
だから俺は、結さんが最後に呟いた言葉なんて、知る由もなかった。
266: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 20:44:16 ID:V5t1TG2Qic
「ばいばい、憩」
「本当はお母さん、君には長生きしてほしかったな」
ターミナルの神様 おわり。
267: 名無しさん@読者の声:2012/1/21(土) 20:48:19 ID:.cEX9H328w
う、うわああぁあぁ!!!
素晴らしい物語を本当にありがとう!
ここ最近の楽しみがなくなってすごく辛い…
乙!盛大に乙!!
次回作も楽しみにしてる!
268: 名無しさん@読者の声:2012/1/21(土) 20:52:17 ID:1uPHLrvNvI
最後の一言に涙が溢れた
こんな素晴らしい作品をありがとう。出会えた私は幸せ者だ
今までさげで支援してきたけど最後だ、あげる!
ひととせさんお疲れ様でした!
269: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 22:10:15 ID:SclZQjm4pU
>>267
こちらこそ読んでくださってありがとうございます!
楽しみになれてたならすごく嬉しい。書いた甲斐があるというものですw
また何か書くときには、よろしくお願いしますね(´∀`*)
>>268
私の方こそ素敵な読者さんに恵まれて幸せだ(*´ω`*)
最後の台詞は最初から決めていたもので、ちょくちょく匂わせていたので、指摘されやしないか冷や汗ものでしたw
sage更新に付き合ってくださってありがとうございます。私も最後くらいageてみましょうか(*゚ω゚)
少し語りたくなったので、これから後書き的なものを置かせてください。
やや長くなりますが。
270: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/21(土) 22:15:08 ID:ogjb0kC5Sw
志望校の過去問を解いていたら、現代文にすごく素敵な文章を見つけたんです。
異文化との境界が最近変わってるよ、というような評論だったのですが、そのテーマや例えが好みすぎて、テンションがガッ↑となって書き殴ったものがこれ。
最近は小説文体のものを書けていなかったんですが、びっくりするほど筆が進んで、あっという間に書けてしまった気がします。
本当にきちんと書けているのか、果たして人に受け入れて貰えるものなのか不安で、最初はひっそりとスレを立てました。
それが、思っていた以上に好意的な反応を頂けて、好いてくださる方もいて、こんなに幸せなことはありません。
読み返すとあまりの拙さに後悔したり恥ずかしくなりますが、わたしにとっては大切なお話です。
本当に、読んでくださってありがとうございました。
271: 名無しさん@読者の声:2012/1/21(土) 22:27:41 ID:X67jMh/RMg
完結おめでとうございます、そしてお疲れ様ですっ。
大好きなのが終わってしまうと思うと、泣きそうですが……。
次回作を楽しみに待っていますっ。
本当にお疲れさまでしたっ(`;ω;´)
272: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 01:32:54 ID:5uuTIH4l1g
ランキング3位入賞おめでとうございます!
そして完結もおめでとうございますwww
273: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 01:35:41 ID:fOWyvjXFC2
おめ
今から読む
274: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/22(日) 08:48:46 ID:ogjb0kC5Sw
>>271
寂しがって頂けたなら作者冥利に尽きます(´ω`*)
私も少し寂しいけれど、こんな暖かいお言葉を頂けてすごく嬉しいです。ありがとうございます!
>>272
ランキングは驚きましたwww
完結してこんな幸せがあって、本当に有難いことです。
ありがとうございます!
>>273
ありがとうございます!
あなたの期待に叶うものが書けていたらいいと思っています。
275: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/22(日) 09:00:08 ID:V5t1TG2Qic
おはようございます。衝撃の展開に正直動揺を隠せない私ですヾ(゚д゚*三*゚д゚)ノ
ランキング3位ということで、皆様応援ありがとうございました!
まさかsage更新でランク入りさせて頂けるなんて夢みたいです。ちょっと寝惚けてるんじゃないかと思いました。
各方面で話題に挙げてくださった方や、祝ってくださった方にも、この場でお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!(´∀`*)
さて、皆さん次回作を待ってくださるようで大変嬉しいのですが。
もしその前にターミナル番外編書きたいとか言ったら怒りますか。もしかして蛇足ですか。
書き終わってから少々救済したい子が数人できたんですが、潔く終わらせるべきか迷っています。どうしましょう。
276: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 09:37:49 ID:hp6EhyVi/I
ランキング入りおめでとうございます
終わりが綺麗過ぎたから蛇足感は否めないかもしれないけど、番外編はその作品が好きな人にとってとてもわくわくするものだし、私は是非読みたい
277: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 12:19:02 ID:0i9z8hkfLU
最後の最後になんかこう気持ちがぶわってなった…!
完結&三位おめでとうございます!
sage更新だったけど、見つけて読むことができてほんとに良かったです
ありがとうございました!
278: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 19:37:23 ID:Ma2nBUKySI
完結と3位おめでとう!!!!!!
久々に来てみたら凄いヽ(*´∀`)ノ!!!!!!
さすがひととせさん(*´∀`*)
全然来れなかったぶん、ちょっと今から見てきます!!!
279: 名無しさん@読者の声:2012/1/22(日) 22:43:21 ID:JmyCuwL9V2
まとめ掲載&3位&完結
記念パピコ!
まとめで読みますね!
280: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/22(日) 23:24:15 ID:wKwNii9EEI
>>276
ありがとうございます。ランキングは私も予想外でした……w
番外編は別のスレでやることになりましたので、良かったら覗いてやってください(*´ω`*)
>>277
ぶわっとなりましたか!(*゚∀゚)=3
嬉しいです。ちゃんと伝えられてたなら、本当に嬉しいです。
見つけて読んでくださって、ありがとうございました。
>>278
こんなん初めてですよwwありがとうございます。
あなたに気に入って貰えることを、お祈りしています。
>>279
記念ありがとうございます!w
色んな方が祝ってくださって、私はすごい幸せ者です……!
281: ひととせ ◆EOQ3BRAmq.:2012/1/22(日) 23:26:26 ID:SclZQjm4pU
さて。
>>275でちょろっと言いました番外編ですが、色々と助言も頂きましたので、そのうち別スレを立てて、そこで書かせて頂きます。
この物語としては、蛇足になるかもしれません。
でも、それでも構わないという方は、どうかもう少し、別スレでもお付き合いください。
最後にもう一度、ここまで読んでくださった皆さんに。
本当にありがとうございました!
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