姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
602: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:08:12 ID:Ep/rQ5.Aro
王子は軍隊の前で馬に乗ったまま、動こうとしない。
馬「……」 ブルルッブルル
第2王子「……」
第1王子「……何を、考えている」
王子「……僕は、」
王子「僕は、戦争なんてするつもりはなかった」
603: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:12:22 ID:nky3KnsThQ
第1王子「……あぁ、その話か」
王子「確かに、僕の役目は本国に潜り込んで油断させ、軍の準備をさせないこと…」
王子「だけどそれは、『戦争をせずに本国を降伏させる』ためだ」
第2王子「……」
王子「…僕は、戦争は嫌だと… 人が死ぬのは嫌だと、ずっと父さんに言ってきた」
王子「……でも、自国のためには、本国の土地が必要なんだと言われた。穀物を送られる程度じゃ足りない、もっと隣国の人々が豊かで幸せになるためには、どうしても本国の土地が必要だって」
604: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:15:31 ID:wUf5zKLk5A
第2王子「そうさ。隣国は、もはやあの痩せた土地じゃ暮らしていけない。王子だってわかってるでしょ?」
王子「わかってる。わかってるから、本国へ行くことを了承した」
王子「……でもそれは、戦争に勝つためじゃない。本国に無血開城させるためだ」
王子「僕は、本国の人々を殺してまで土地を手に入れるのは絶対に嫌だ。そんな土地で、生きたいとは思わない」
第1王子「……お前は、相変わらず甘いな」
605: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:19:53 ID:qf2Xyjydl2
第1王子「だが、仕方がないだろう。隣国に本国の侵入者が入ったせいで、計画がバレた」
第1王子「本国も軍の準備を始めただろう。もはや戦争は避けられない」
第2王子「それにさぁ、無血開城なんてほざいてたのはお前だけだよね?本国なんて、さっさと滅ぼしちゃえばいいんだよ」
第2王子「ほら、世の中焼肉定食っていうじゃん?」
第1王子「弱肉強食だ」
606: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:30:15 ID:KqTJbdQyF2
王子「……そうさ、もう戦争は避けられない」
王子「だから僕は、本国を裏切ってきた」
第1王子「…?」
王子「……もう誰かが血を流すことを避けられないなら… どうせ戦争をするなら、僕は本国を支援する」
第1王子「!」
第2王子「はぁあ!?」
王子「本国にはもう、戦争をすることに迷いがない。僕がそうするように仕向けた」
607: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:42:02 ID:qWiM/K5756
第1王子「…挑発でもしてきたか」
王子「あぁ。もうスッパリ嫌われてきた」
第2王子「……へぇ。まさか本気で本国に勝たせるつもりなんだ?」
第1王子「自分の国を捨ててか。
本国で情にでもほだされたか?」
王子「……」
王子「本国に、未練はない。未練があったら、これから僕のやろうとしてること… 僕の、責任を果たすことができそうにないから、全部切って捨ててきた」
第2王子「…?」
王子「…それに、これは隣国のためでもある」
第1王子「なに?」
608: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 21:42:19 ID:oLaq8djkcQ
王子っ信じてたよ(´Д⊂グスン
っCCCCC
609: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:46:28 ID:fVVLBZ49.o
すぅっ、と息を吸った。
王子「──隣国の兵士たちよ、聞いてくれ!」
「!?」
王子「お前たちはこれから、本国を攻めるつもりなんだろうが、もう一度よく考えてみてほしい!」
王子「もし、隣国が勝って、隣国が本国の土地を手に入れたら、
お前たちは幸せになれると思うか!?」
第1王子「おい、一体なにを…」
王子「本国の土地を手に入れても、王が変わらない限り悪政は変わらない!多く作物が獲れる分だけ重税になるだけだ!」
ザワザワと兵士たちがどよめき始めた。
610: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:52:21 ID:yUqErVkrqI
王子「そして、本国の人達もまた、隣国に支配されれば今までのお前たちと同じように悪政に苦しめられることになる!」
王子「お前たちはそれでいいのか!?不幸な人がこれ以上増えて…戦争に勝てば、全てがうまくいくと思っているのか!?」
ザワザワ ザワザワ
第2王子「……ねぇ、いい加減にしなよ。何が言いたいの?」
王子「僕は、本国で本国の王と国民を見てきた!王は国民のことをよく考え、思いやり、良い政治を行っている!隣国よりもずっとずっと、人々は幸せな生活を送っていた!」
王子「僕は……僕は、隣国は本国に支配されるべきだと思っている!そっちの方が、絶対にお前たちも幸せになれるんだ!」
ザワザワ ザワザワ
611: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:57:24 ID:KdRzS59wow
チャキッ、と第1王子が剣を抜いた。
第1王子「…それ以上言ってみろ。弟だろうと容赦はしない」
王子「……」
王子「…冷酷なのは、僕も同じだ」
再び息を吸う。
王子「──もし、それでもまだ本国と戦争をしたいという奴がいるなら、僕を殺してから本国へ行け!」
王子「だが、そういう奴には僕も容赦しない!僕に斬られる覚悟がある奴はかかってこい!」
612: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:02:37 ID:X69mGgi7ZY
第2王子「…呆れた。祖国の仲間と敵対するつもりなんだ」
王子「言っただろ、これは隣国のためだ」
第1王子「にしても、お前にはこの軍勢が見えないのか?お前が勝てる要素がどこにある」
王子「……別に、勝とうなんて思ってない」
王子「一人でも兵を減らせればいい。そうすれば、後から来る本国も、少しは戦いやすくなるはず」
第2王子「……言っとくけど、本気でやるならボクも弟だろうと容赦しないよ」
第1王子「あぁ。お前、死ぬぞ」
613: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:11:30 ID:yMRb0gueNs
王子「……かまわない。それで、本国の人々へ少しでも償えるなら……隣国の人々が、幸せになれるなら」
第1王子「……前軍、剣を抜け」
王子「僕に… 僕にできることは、これだけだ」
シャキン、と音を立てて剣を抜く。
第2王子「……馬鹿だね、お前は」
兵士たちも剣を構え、王子へと視線を集中させた。
しばしの間沈黙が流れ、張り詰めた空気が流れる。
王子「……」
小さく息をついて、ゆっくりと空を仰いだ。
614: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:13:29 ID:Ob7w30XrzA
「──さよなら、姫」
615: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:19:39 ID:6ryzL53E0I
うあああああああああぁぁぁぁあ!
王子いいいいぃぃぃぃぃ
616: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:22:54 ID:BhHGk/K4Z6
やだぁ…(´;Д;`)
617: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 23:48:06 ID:v61gFz7xyw
王子あかん(つд;`*)
姫を幸せにする仕事が残ってるんやで…
618: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 00:38:32 ID:RS4QTzybjU
ちょ、え?!
ああああああああッ
619: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 00:44:33 ID:eMMyymVLo6
王子いいいぃぃぃぃ!!!!!!
620: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 10:04:30 ID:VDnJeC4e6A
え!
やだやだっ!!!
行かないで…(:_;)
621: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 15:31:08 ID:ax87L.yVJA
信じてたよ王子ぃぃぃ!!!
でもしなないでぇー
。゜(゜´Д`゜)゜。
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