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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
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1: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


582:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:41:59 ID:esacBCDh.U

ロイ「……」

城医「せ、戦争前にこのようなことをお伝えするのはどうかと思ったのですが…」

城医「私は医者として、どうしても…黙っていることが…」

ロイ「……いいよ」

城医「え?」

ロイ「薄々気づいてたし。覚悟はしてた」

城医「ろ、ロイ殿…」

ロイ「別に今すぐ死ぬってわけじゃねぇんだろ?だったら、治療は戦いが終わってからでいい」
583:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:48:05 ID:Y7BaV1vgDU

城医「で、ですが… ロイ殿は隣国視察から帰ってきてまともに休んでないのでしょう」

城医「その上に結核の症状…。
とても戦うのは無理です」

ロイ「……俺は、さ」

ロイ「国のために死ねるなら本望なんだ。病気なんかでだんだんくたばってくより、剣で貫かれた方がマシだって思ってる」

城医「……」

ロイ「それに、いくら血を吐いたって、俺の身体が動く限りは… 俺が剣を握れる間は、俺は戦える。」

城医「…ロイ殿…」

ロイ「…先生、ごめん。俺が生きて帰ってきたら、結核の治療に専念する。約束するよ」

城医「……」

城医「わかりました。我が国の軍隊には、あなたが必要です」

城医「…必ず、帰ってきてくださいね。ベッドを用意して待っていますので」
584:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:51:59 ID:uZn9xXorvI

──バタン


ロイ「……ふー」

ロイ(俺も出陣の準備しねーと…)

ロイ「ごほっ、ごほっ」


「……あの、ロイさん」

ロイ「え?」

クレア「……」

ロイ「…なんだお前、部屋の前にいたのかよ。びっくりしたじゃねぇか」

クレア「……はい」

ロイ「……」

ロイ「…俺と先生の話、聞いてたのか」
585:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:55:49 ID:QsZCryh2P.

クレア「……すみません」

ロイ「…なにそんなにショボくれてんの?別に今すぐ死ぬわけじゃねーよ」

クレア「だ、だって結核って…!お、恐ろしい流行り病だと聞いたことがあります!」

ロイ「だったらなるべく俺に近づくな。うつりたくなかったらよ」

クレア「っ… な、何でそんなこと言うんですか!」

ロイ「お前のために言ってるだけ」

クレア「私は平気です!うつりません!」
586:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:57:47 ID:tII4jXRnG2

ロイ「根拠もなく見栄はってんじゃねぇ。お前は侍女の部屋にでも泊めてもらって、おとなしくしてろ」

クレア「っ…」

クレア「わ、私はロイさんの傍にいます!」

ロイ「なんで?」

クレア「なんでって… し、心配だからですよ!」

ロイ「いい。迷惑」

クレア「だっ、誰のおかげで本国へ来れたと思ってるんですか!」
587:
◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 23:01:23 ID:OHenw44lQM

ロイ「お前のおかげ。だから避難してろって言ってんだろが」

クレア「でも…!」

ロイ「……つーか」

ロイ「お前、俺のなんなの?」

クレア「え…」

ロイ「わりぃけど、お前みたいな女、興味ねーんだわ」

クレア「…!」

ロイは踵を返すと、スタスタと廊下を歩いていった。
588: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 23:19:06 ID:RS4QTzybjU
つCCCCCCCCCC

凄い展開になってる…!

589: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 09:53:26 ID:nUErM70S8M
ちょっ…
ロイに殺意わいた

いいんだクレアたんは私が幸せにするもん!!!

っCCCCCC
590: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:56:51 ID:r517UsUXT6
ロイとクレアがくっついたら殺意わく!

ロイは一途に姫を思ってたらいいなぁ


591:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:09:51 ID:dOfZ1I1ro.

──────


侍女1「……ねぇ、姫さまは?」

侍女2「なんか部屋に閉じこもってるみたいで。開けてくれないの」

侍女3「誰も入ってこないでー、だって」

侍女2「そりゃあショックよねぇ…王子様がいなくなっちゃったんだもの」

侍女1「心配だわ…」


「──ねぇ」
592:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:11:46 ID:yUqErVkrqI

侍女1「へっ!?」

侍女3「ロイ様!び、びっくりするじゃないですかぁ〜」

ロイ「わり。……姫は?」

侍女2「ご自室におられます」

ロイ「ふーん」

ロイ「…俺、入ってもいいかな?」

侍女3「えぇ!?」

侍女1「さ、さすがにロイ様でもそれは… 誰も入れるなと命じられていますので」

ロイ「……」
593:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:14:08 ID:OSGANJ/Nfc

 - 姫の部屋 -


姫「……」 グスン

姫(……なによ、王子のばか)

姫(やっぱり私となんか結婚したくなかったんじゃない。私のことなんて何とも思ってなかったんじゃない)

姫(……しかも、政略結婚ですらなかった)

姫(王子はただ、戦争に勝ちたかっただけ)

姫(……)

姫(あ…あんな薄情な奴と少しでも仲良くしてたなんて…)

姫(ほんと、馬鹿みたい…) グスッ


──コンコン

姫「……」

コンコン

姫「……誰よ。入ってこないで」
594:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:16:44 ID:TtEmcv5bDI

ロイ『…俺です』

姫「……ロイ?」

ロイ『はい。……姫、中に入ってもいいですか』

姫「……」

姫「……ごめん、誰にも会いたくない」

ロイ『……あまり気を病まないようにしてください』

ロイ『王子は、あの程度の男だったんです。姫が気にすることはありません』

姫「っ…」
595:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:20:23 ID:5tYfNPQVjY

ロイ『所詮、冷酷な隣国の人間です。自分勝手で、強欲だ』

ロイ『……俺たちと、わかり合うことなんてできないんです』

姫「……お、王子は…」

ロイ『?』

姫「そんな…そんな男じゃないわ」

ロイ『……え』

姫(…! わ、私なに言って…)

ロイ『……』
596:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:23:29 ID:3MT/HFyZ1E

ロイ『……姫』

姫「……なに?」

ロイ『…俺はもう城を出るので、また暫く姫とは会えなくなると思います』

姫「……そっか」

姫「無事に帰ってきて、ね」

ロイ『……はい。最後に、姫にひとつだけ言っておきたいことが』

姫「?」

ロイ『……』

ロイ『俺が、姫を幸せにします』
597: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:25:21 ID:kU0.TrIKHA
姫は幸せ者だな
598: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:26:48 ID:CT7VV0836g
ロイ(つд;*)

つC
599:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:57:10 ID:n4xBg0Pe5M


───王子は馬に乗り、荒原を駆けていた。

その方角にあるのは、隣国。
本来の予定なら、そろそろ自国の軍隊が出発する時刻である。


…走り続けて、3時間ほどたった頃。

王子「……!」


ザッザッ、と土を踏みしめる音と共に
前方から、隣国の軍勢が現れた。
600:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:00:40 ID:l5Pa902z2Y

馬「ヒヒーン」

隣国の軍隊と向き合う形で、馬を止める。


第1王子「──あれ」

第2王子「王子じゃーん。何でこんなトコにいんの?」

先頭には、同じく馬に乗った二人の王子がいた。

王子「……」

第2王子「あ、そっかぁ〜。バレちゃったから、本国にいられなくなっちゃったんだね」

第1王子「あぁ、そういうことか。それは悪かったな」

王子「……出発時刻を早めたんだね」

第1王子「あぁ。予定が変わった」

第2王子「全く、兄さんが侵入者を逃がすからだよ」
601:
◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:05:30 ID:3U3Hhll63g

王子「父さんは?」

第2王子「城で待機。ボクたち王子が出陣すれば十分だってさ」

王子「……そう」

第1王子「お前も早く、軍に加われ。また本国へ戻ることになるがな」

第2王子「王子が加わればもう最強だよねぇ。本国なんて相手にならないや」 クスクス

王子「……」

第2王子「……?」

第1王子「どうした?」
288.35 KBytes

名前:
sage:


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