姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
2: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:09:41 ID:SRX3C5IHRs
姫「ついてた」
王子「あ、当たり前じゃないですかぁ」
姫「しかもビッグマグナムとか。なに、ギャップ萌え?ギャップ萌え狙ってるの?」
王子「馬鹿なこと言ってないで早くパンツ返してください」
3: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:12:38 ID:ymzI0KJTGY
姫「私ねー、ずっと白馬の王子様が迎えに来てくれるのを待ってたの」
王子「はぁ」
姫「背が高くて、イケメンで、男らしくて!……わかる?」
王子「姫よりは背が高いと思いますが」
姫「だめだめ!175pは必要よ!あんた170いってないでしょ。しかも全然男らしく見えない」
王子「どうせ政略結婚なんだから、しょうもない理想は捨てましょうよ」
姫「うっわ最低」
4: 名無しさん@読者の声:2011/10/7(金) 21:24:16 ID:SnP2cyRSbc
っC
5: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:47:22 ID:QIyxlkKpbI
姫「悪いけど、あんたみたいな女もどき、全くタイプじゃないの。帰ってもらえるかしら」
王子「わざわざ隣国から半日かけて来たのに…」
姫「じゃあ半日かけて帰って。私はお父様に結婚を取り止めてくれるよう頼んでくるから」スタスタ
バタンッ(部屋から出ていく
王子「─……僕だって、好きでこんな容姿になってるんじゃないのにな」
6: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 22:49:34 ID:B9LLUanOto
─ガタンッ!
姫「お父様!」
王「おぉ、姫ではないか。どうだ、隣国の王子は気に入ったかね?」
姫「お父様、お父様は私の好みの男性を知ってるはずよね」
王「知っているとも。背が高くて、イケメンで、男らしい人だろう」
姫「じゃあなんであんな奴を結婚相手に選んだの!的はずれもいいところよ!」
7: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 23:26:58 ID:gctR7TVIS.
王「姫よ、人を見かけで判断してはいかんぞ。あの王子は可愛い外見とは裏腹に、武闘と剣の達人と聞いている」
姫「それが彼を選んだ理由?」
王「そうとも」
姫「嘘。お父様は、政略結婚させたいだけだわ」
王「姫……」
姫「私は外交の道具じゃない!自分の結婚相手くらい、自分で決めさせて!」
大臣「それはできません」
姫「!」
8: ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 23:31:21 ID:fKwTipKZmw
大臣「姫さまは、自分の立場をわかっておられますか」
姫「立場…?」
大臣「あなたは一国の王女。そこらへんにいる町娘ではないのですよ」
姫「だから何よ」
大臣「今、この国と隣国の仲が険悪化しているのはご存知でしょう。戦争を防ぐためにも、あなたは姫として国のために動く義務があります」
姫「だから好きでもない相手と結婚しろって言うの?」
大臣「姫さまは、自分ひとりが犠牲になるのと、大勢の国民が犠牲になるのとではどちらを選びますか?」
9: 名無しさん@読者の声:2011/10/7(金) 23:54:20 ID:jFGI/.r5Dw
試演C
10: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 08:01:15 ID:AqiMF1SjsM
>>4>>9
支援ありがとうございます!^^
11: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 08:08:26 ID:xNxxKHx.l2
姫「それは…」
大臣「理想は捨ててください。姫さまにこの国の命運がかかっていると言っても過言ではないのです」
王「その通りだ。お前と王子の結婚は、2つの国を救うのだ」
姫「………てよ」
王「ん?」
姫「勝手よ。隣国と仲が悪いのはただの国境争いでしょ。そんなくだらない喧嘩の仲介役をしろっての?なにが『2つの国を救う』よ、おとなしく土地を半分こすればいいじゃない」
大臣「姫、それは違いますぞ」
姫「それに、きっとあの王子だって政略結婚に迷惑してるはずよ!」
王「…………大臣、王子を呼んできてくれないか」
12: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 08:31:46 ID:F4BvMARXc6
─────
王子「──お呼びでしょうか」
王「うむ。遠路はるばる来てくれたのにろくなもてなしもできず、すまんな」
王子「いえ、そんなことはありません」
王「単刀直入だが、姫のことは気に入ってくれたかね?」
王子「……」
姫(さっきあれほど苛めたんだから、気に入ってるはずないわ)
13: 名無しさん@読者の声:2011/10/8(土) 09:01:29 ID:u.qZdwGW4Q
期待C
14: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 15:58:44 ID:7SfR0Jtw4k
王「どうなんだね?」
王子「……すみません、姫の美しさに見とれていました」
姫「はぁ!?」
王子「このように可憐で淑やかな女性には今までお会いしたことがありません。僕は、この胸の高まりをどう表現すればいいのか…」
姫「…!?」
王子「姫のためなら、この命を捨ててもかまわないと思っています」
王「素晴らしい…」
15: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 16:02:09 ID:cTECjkj2mA
大臣「これはこれは。王子殿は姫をすっかり気に入ってらっしゃるようで」
姫「う、嘘よ!こいつ適当なこと言ってる!」
大臣「姫さま、人間というものは接してみて初めてお互いの良さがわかるというものです。いかがでしょう、王子殿に町を案内して差し上げては?」
姫「!?」
王「それは名案だ。姫はよく城下へ遊びに行ってるしな」
王子「しかし、この恰好では…」
王「安心しろ。ちゃんと変装用の服を用意させる」
16: ◆qoozyz1NgY:2011/10/8(土) 19:22:32 ID:9VR0S5JPWM
──────試着室にて
ワイワイ ガヤガヤ
侍女1「きゃーっ、王子様ちょー可愛い〜!絶対ゴスロリ似合うと思ったのっ」
侍女2「見てみて、肌しろーい!すべすべ!」
侍女3「王子様、このニーソ履いてみて!!パニエとニーソの間から垣間見える絶対領域は欠かせないわ!」
王子「ちょ、ちょっと待って、町人の恰好するんじゃないの!?」
侍女2「最終的にはそうなりますけどぉ、その前に色々試してみなくてはいけないんですっ」
侍女1「パットはどうする〜?」
侍女3「つるぺたでいいのっ!これからは貧乳の時代よ!」
王子「貧乳っていうか僕男ですから!わ、変なとこ触らないでください!」
侍女3「腰も細いんですねー」キラキラ
17: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 01:01:03 ID:yKtndiNjVY
つCC
18: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 08:51:20 ID:aw.NT1r60Y
>>13>>17
支援ありがとです!
亀更新で申し訳ないorz
19: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 08:52:19 ID:aw.NT1r60Y
姫「……やけに騒がしいわね…。なにをモタモタしてんのかしら」
ガラッ
姫「!」
王子「姫、助けてください!」
姫「王子!?ちょ、あんたなんて恰好して」
侍女2「王子様ぁ、逃がしませんよ〜♪」ガバッ
王子「あぁもう、抱きつかないでください!胸や尻を触るのもやめてください!」
姫「あんたたち、私をほっといてそんな破廉恥プレイやってたの…」
20: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 08:57:07 ID:KkTCZVzyVw
─────
王子「──やっと町人の恰好になれた…」
姫「全く、男のくせにパニエやらスカートやら履かされて恥ずかしくないの?」
王子「あの侍女たちの気迫でそれどころじゃなかったです」
姫「あの子たちは可愛いものが大好きだから。…ていうか、町人の恰好しても女の子に見えるわよ、あんた」
王子「そ、そうですか?できるだけ男らしくしてくれって頼んだのにな…」ショボン
21: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 10:38:52 ID:B4e878yC4E
王子かわゆす
つC
22: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 12:11:17 ID:CFD0b4ypFo
支援♪
23: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 12:54:00 ID:fKwTipKZmw
>>21>>22
おおぉ、やっぱり支援もらえると嬉しいですね!ありがとうございます!(^ω^)
24: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 12:55:58 ID:v9Rvk.Kov2
- 城下町 -
ワイワイ ガヤガヤ
王子「……賑やかで活気のある町ですね」
姫「そうね。食べ物もそこそこ足りてるし、自然もあるから景観が綺麗なの。住んでる人たちも陽気で元気いいから」
王子「……」
姫「あ。そういえば、さっきはよくも嘘ついてくれたわね!」
王子「え?」
姫「私に見とれたとか、可憐で淑やかとか、私のためなら命を捨ててもかまわないとか。心にもないこと言わないでよね!」
25: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 12:58:13 ID:YGMLEynOII
王子「あー…それは」
姫「あれのおかげでお父様が完全に乗り気になっちゃったじゃない!あそこで『こんな姫こっちから願い下げだ〜』とかなんとか言ってくれたらうまく言ったのに!」
王子「姫、」
姫「ううん、今からでも遅くないわ。あんただって私と結婚なんかしたくないでしょ?二人でお父様を説得しましょう!」
王子「姫!」
姫「な…なによ」
26: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 13:00:43 ID:DjGow5sBJA
王子「姫が僕を嫌うのは、僕が女の子みたいな容姿だからですか?」
姫「べ…別に嫌いっていうか、タイプじゃないだけ。結婚はやっぱ好きな人がいいし」
王子「じゃあ、僕がもっと背が高くて、男らしかったら僕のこと好きになってくれますか?僕と結婚してくれますか?」
姫「な…、なんでそんなに一生懸命なのよ。まさかあんた私と結婚したいの?」
王子「それは──」
『ピーッ!!』「!?」
?????「皆の者、税務官コルネオ様のお通りであるっ!!端へ寄れぃ、頭が高いぞー!!!!」
27: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 13:20:57 ID:S0L2PoK8to
ザワザワ
王子「コルネオ…?」
姫「確か、お父様の古い友人とかいう人で、町人からの税の徴収に関して一任されてる人…だったかしら」
王子「なんか派手な馬車が来ますけど」
姫「相当な金持ちらしいからね〜。って、私たちが言える話じゃないかしら」
町人A「ほら、あんたたち何やってるんだい!コルネオ様が来たんだから、端へ寄ってひざまずくんだよ!」
姫「はぁ?何で私がそんなことしなきゃなんないのよ」
町人A「さっさとしないと鞭で叩かれるよ!」
姫「!?」
王子「姫、僕たちは今町人なんですから。事を荒げないように、ここは従いましょう」
28: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 13:32:00 ID:QLtJnGYVdg
wktkC
29: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 18:00:07 ID:7hZUJ7s.K2
wktkCCCC
30: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 18:19:23 ID:tA6KOE9Ttw
こういうの大好き!!
期待つC
31: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:01:16 ID:9OzucEzTfM
こんなに支援頂けるとは…
ありがたやー(;´Д`)
32: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:04:28 ID:9OzucEzTfM
町人たちが道の脇で一列に並び、ひざまずく。
役人「──よし、全員並んだな」
役人「税務官コルネオ様の命により、これより今月の税未納者を晒しあげる!」
姫・王子「!?」
役人「こいつだ」
ドスンッ、と音がして手首を拘束された男が道の真ん中へ投げ出された。
役人「こいつは先月も税を半分しか納めなかったカス野郎だ。皆への見せしめに、鞭打ちの刑にしろとのコルネオ様の命である」
ザワザワ
男「た…助けてくれ!今月は、妻に子供が産まれたんだ。だから、」
役人「えぇい口答えするな!皆の者、よく見ておけ。税を滞納するとどうなるかを」
33: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:07:37 ID:5V2pnSlcCU
姫「信じらんない、町人に暴力をふるうつもり!?止めなきゃ!」
王子「お待ちください、今ここで出ていったら姫まで鞭で叩かれるかもしれません」
姫「私は王女だって名乗ればいいでしょ!」
バシンッ!! 「!」
鈍い音が響いた。
バシンッ! バシンッ!
使者が男の身体を鞭で激しく打ちはじめていた。
姫「──やめなさい!」ダッ
王子「姫!!」
34: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:12:52 ID:J4YZkVOK3.
役人「んん?なんだ小娘」
姫「その人を解放しなさい。いくら税を滞納してるからって、暴力に訴えるのはご法度のはずよ」
ザワザワ
役人「なにぃ?お前は誰に向かって口を聞いとるんだ」
姫「お生憎さま、私はこの国の王女よ」
役人「王女だと…?」
姫「そうよ。私に逆らわない方が身のためね」
役人「…はっ、姫が町人の恰好をしてるわけがないだろう。誰がそんな嘘にひっかかるかこの無礼者め!」バッ
(姫にめがけて鞭を振り上げる)
姫「!」
35: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:18:28 ID:J1gnA8ZFUc
バシンッ!
王子「くっ…!」
姫「王子!?」
瞬間に王子が姫の前へ飛び出し、姫の代わりに鞭を受けていた。
右腕に当たったのか、その部分の服が破れ血が滲んでいる。
姫「王子、大丈夫!?」
王子「た…ただのかすり傷です」
役人「…なんだ?今日はやけに楯つく小娘が多いな」
姫「……この腐れ役人…!」
ザワザワ
?????「──ほほほほ、最近の若い者は元気が良いのぉ」
突如、馬車の中から低いカバのような声が聞こえた。
36: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:22:51 ID:h1FU9y4QR2
役人「コルネオ様!」
コルネオ「馬車上から失礼。お嬢さん、あなたはさっき町人に暴力を振るうのはご法度…などとおっしゃったかな?」
姫「えぇ、言ったわ」
コルネオ「しかし、税を滞納する者に罰を与える…。これは国王から公認されていることなのですよ」
姫「な、なんですって…!?」
コルネオ「ふふ、当たり前でしょう。ルールを守れない者には然るべき裁きを下すべきなのですから」
姫「お父様がそんなこと認めるはずないわ!それに、暴力は良くないに決まってるじゃない!」
コルネオ「おやおや、暴力なしで治安ができるとお思いで?ずいぶんめでたい頭の持ち主だ」
姫「こ、こいつ…!!」
37: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:29:09 ID:fG9SKUvHl6
コルネオ「お嬢さんのしたことは立派な公務妨害です。さぁ、その未納者とともに鞭打ちの刑を受けなさい」
姫「……!!」
王子「──コルネオ様、お待ちください」
コルネオ「?」
姫「王子!?」
王子「コルネオ様、僕…いえ、私の願いを聞いてくれませんか」
姫「あんたなにを…」
コルネオ「ふふ。さきほどこのお嬢さんをかばった人ですね。いいでしょう、言うだけ言ってみなさい」
38: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:32:54 ID:3PUtevh2O6
王子「実は、そこに横たわっている未納者は私の父であり、公務を妨害したこの女は、私の姉であります」
姫「!?」
王子「二人の犯した罪は確かに鞭打ちに相当するもの…。しかし、どうかここは二人と血縁関係にある私に免じて二人を解放して頂けませんか」
コルネオ「ほほぅ…。つまり、あなた一人で罪をかぶると」
王子「その通りです」
姫「あんた何言って…!」
39: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 20:46:01 ID:w1j0WUkscs
ズルリ、と引きずる音を立てて、太った中年男が馬車から降りてきた。
役人「コ、コルネオ様…」
コルネオは王子に近づくと、グイッと顔を近づけた。
コルネオ「んん〜、なかなか可愛い顔をしていますねェ、お嬢さん」
王子「ありがとうございます」
コルネオ「細い身体と大きな瞳が実に私の好みです…。おお、髪もサラサラですねぇ。肌も白くすべすべだ。……ふふ、素晴らしい。気に入りましたよ」ジュルリ
姫(なにこいつキモい…!)
コルネオ「あなたの願い、叶えましょう。そこの未納者とお嬢さんを解放するかわりに、あなたの身体を売ってもらいます」
王子「はい」
40: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 21:10:15 ID:0xMKuL70YQ
コルネオに死亡フラグが立ったぞ
41: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 22:45:34 ID:u.qZdwGW4Q
CCCCCCCCC
42: 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 23:29:21 ID:zRM3qmvt7o
姫と王子のイメージ画描いていいですか?
むしろ、勢いでかいてしまったので、お絵かきスレにのせていいですか?
43: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 23:37:33 ID:k4PK7qxgmg
>>40
( ^ω^)フフフ
>>41
あわわわ、たくさん支援ありがとうございます!!
>>42
ぎょえー!マジですか!!
どうぞどうぞ、全裸待機してます(*^ω^)超嬉しいです!
44: ◆qoozyz1NgY:2011/10/9(日) 23:40:45 ID:6l3aJR6yFE
姫「ちょっと王子!なに勝手なことしてんのよ!!」
王子「……」
コルネオ「さぁ、馬車にお乗りなさい」
王子「わかりました」
コルネオ「──っと、その前に」
バッ
王子「!」
突如コルネオの手が王子の腰にのび、何かを抜き取った。
コルネオ「いけませんねェ、こんな物騒なものを隠し持って」
ブラブラと王子の剣を左右に振ってみせる。
コルネオ「最近の娘は剣なんて持ち歩いてるんですか?怖い世の中になったものですねぇ」
王子「…!」
45: 42:2011/10/9(日) 23:57:52 ID:Dix0uZLpUY
さっそくうpしてきました><
イメージにあってなかったら申し訳ないです(;Д;)
46: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 00:09:43 ID:3PUtevh2O6
>>45
見てきました、ありがとうございます!!あちらで主に感謝爆発させちゃってるんですが(笑)、可愛く描いてくださって嬉しいです!
47: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 00:17:05 ID:3PUtevh2O6
コルネオ「これで問題はありません。さぁ、私と帰りましょう」
王子の腕を掴むと、強引に馬車の中へ押し込んだ。
姫「王子!!」
コルネオ「あなたと未納者の男は約束通り、解放します。ですが、今後は未納者や無礼を働いた者は一切見逃しませんので、皆さん肝に命じておいてくださいね」スッ
コルネオも乗り込み、ガタンゴトンと馬車が走りだす。
姫「こらっ、待ちなさいって言ってるでしょ!王子、王子!!」
ガシッ 「!?」
不意に身体が押さえこまれる。
役人「お前はおとなしくしてろ」
姫「離して、離しなさいっ!!」
ザワザワ
姫(は…早くお父様に報告して王子を助けてもらわなきゃ…!!)
48: 42:2011/10/10(月) 00:22:42 ID:tA6KOE9Ttw
喜んでくださって幸いです〜
頑張ってください><
つC
49: 名無しさん@読者の声:2011/10/10(月) 00:38:46 ID:QLtJnGYVdg
さて…姫がちょっとデレてきたわけだが
50: 名無しさん@読者の声:2011/10/10(月) 13:10:55 ID:nkjGDsskew
っCCCCC
51: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 19:25:05 ID:ozxwJgEqGM
支援ありがとうございます!
( ^ω^)ノシ
姫デレてきましたかね?(笑
52: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 19:26:27 ID:xNxxKHx.l2
- コルネオ邸 -
コルネオ「──これが私の屋敷です。立派でしょう?」
王子「はい」
コルネオ「そういえば、あなたのお名前は?」
王子「……おうじ、です」
コルネオ「オージですか。少し変わった名前ですねェ」
王子「……」
コルネオ「ま、今日からあなたは私のモノですから。自分の家だと思って頂いてかまいませんよ」
ギイィィィ...
53: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 19:31:18 ID:qf6c.YL4uE
玄関を開けると、そこには十数人の女たちがズラリと並んでいた。
王子「…!?」
女1「─お帰りなさいませ、コルネオ様」ペコリ
女's「「「お帰りなさいませ!!」」」
コルネオ「ふふ、ただいま」
女1「……あら、そちらの方は?」
コルネオ「新しい妻ですよ。今日町で偶然手に入りましてね…。名前はオージです」
女1「左様でございますか。では、新しい部屋を用意致します」
コルネオ「明日でかまいませんよ。今夜は私の部屋で一緒に寝ますから」
女1「かしこまりました」ペコリ
54: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 19:41:21 ID:C.YeTEqF1I
女1「……あら、コルネオ様。そのオージさんという方、腕にケガをしてらっしゃるようですけど」
コルネオ「ん?」
王子「……あ」
女1「とても痛そうですわ」
コルネオ「あぁ、さっき鞭で打たれたときの傷ですか」
女1「いけませんわ、せっかく綺麗な肌をしてらっしゃるのに」
女1「コルネオ様、まずはこの方の手当てをさせてください。その後にコルネオ様の部屋へ行かせますから」
コルネオ「ふふ、相変わらずあなたは気が回りますねぇ。傷など私が舐めてさしあげるのに」
王子(きも…)
55: ◆qoozyz1NgY:2011/10/10(月) 19:57:58 ID:BBW4yqMudk
- 城 -
─バタンッ!
姫「お父様!!」
大臣「ひ、姫?どうなさったのです、そんなに慌てて」
姫「大変なの、お父様はどこ!?」
大臣「王なら、護衛団と共に狩りにお出かけになっています」
姫「はぁ!?なんで狩りなんかに行ってんのよ!!」
大臣「姫と王子が親睦を深めている間暇だから、と…。最近キツネやタヌキの毛皮にハマっていらっしゃるようで」
姫「どうでもいいし!ていうかタイミング悪すぎ!」
大臣「何かあったのですか?」
56: 名無しさん@読者の声:2011/10/10(月) 20:16:18 ID:pAvdrFDKwc
っCCCCC
57: 名無しさん@読者の声:2011/10/10(月) 21:58:26 ID:.YOolMoLDs
ふむ…狩りということは、
王は今、飛び道具を
持っているということか…
58: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 09:05:10 ID:7eieR24plI
>>56
支援もらえると書く気力が湧いてきますね!^^
>>57
まさかのwww
なるほど、使えるかも←
59: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 09:09:16 ID:7eieR24plI
─────
大臣「──なるほど、コルネオ様が…」
姫「お父様が帰ってくるのなんて待ってられないわ、兵を貸して!」
大臣「なっ、まさかコルネオ様の家に攻め入るおつもりですか!?」
姫「違うわ、連れてくだけよ。私だけじゃ絶対取り合ってくれないもの」
大臣「落ち着いてください、コルネオ様は王のご友人です。脅すような手荒な真似はできません」
姫「じゃあどうしろっていうの!」
大臣「そんなに警戒する必要はありません。私が直々にコルネオ様に王子を返していただくようお願いすれば済む話です」
60: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 11:19:04 ID:cTECjkj2mA
大臣「それに、もともとの原因は姫さまたちが公務を妨害されたことにあるのでしょう。非はこちらにあります」
姫「はぁ!?大臣までそんなこと言うの!?」
大臣「まぁ、それに関してはまた王とコルネオ様で話し合って頂けば良い話ですから。とりあえず今は、王子に何かあってはいけませんからね。ひとまず私と姫でコルネオ邸へ行きましょう」
姫「うぅ……なんか釈然としないけどわかったわ」
61: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 20:12:45 ID:x7UqZMWZxI
─────
女1「──はい、手当てができましたよ」
王子「ありがとうございます」
女2「女の子は肌大事にしなきゃだめだぞー」
王子「はは…」
王子「ところで、あなた方はどういった…」
女1「あぁ、私たちは皆コルネオ様の妻ですよ」
王子「つ、妻…!?」
女2「あなたは14人目だよー」
62: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 20:16:28 ID:8CvlVX4ZxU
王子「一夫多妻ですか…」
女1「今どき流行りませんよねぇ」
王子「………あの、女の人って、見た目で結婚相手を決めてるんじゃないんですか…?」
女2「?」
女1「ふふ、おかしなことを尋ねるんですね。あなたも女なのに」
王子「あっ、いや!ふ、深い意味はないんです。ただ、やっぱり背が高くてイケメンで、男らしい人が好きなのかなって…」
女2「コルネオ様ははっきり言ってデブで不細工だよねー」ケラケラ
63: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 20:18:46 ID:OErSI1ldIc
女1「でも、見た目で結婚相手を決めるってのはひどい話だわ」
王子「え…」
女1「そりゃあはじめは見た目がものを言いますけど、『結婚』の段階までくると、嫌でも性格とか内面を気にしますよ」
王子「じゃあ、コルネオ様は…」
女1「あら、勘違いしないでくださいね。コルネオ様は性格も良くありません」
女2「強欲で、自分勝手で、女好きなんだよねー」
王子「…それならどうして、コルネオ様と結婚したんですか?」
女1「あなたと同じ。みんな色々訳あって拾われたり、拉致されて強引に妻にされたんです」
王子「……!」
64: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 20:23:11 ID:OErSI1ldIc
女1「だから、私たちは誰一人としてコルネオ様を愛していません。私たちにそれなりの生活をさせてくれますが、コルネオ様は私たちを性欲処理機だと思っていますから」
王子「……もし、コルネオ様がいなくなったらどうしますか?」
女1「──帰ります。家族のもとへ」
女2「私は、帰るところがないなぁ」
女1「私が引き取ってあげるわ」
女2「ほんとー!?」
65: ◆qoozyz1NgY:2011/10/11(火) 20:30:29 ID:AOaUwiaPg6
王子「……」
女1「さ、こんな話はもう終わりにしましょう。オージさん、コルネオ様の寝室へ案内します」
王子「……最後にもう一つだけ、お尋ねしたいことがあるんですが」
女1「はい。いいですよ」
王子「──性格とかは置いといて、外見が女の子みたいな男と結婚できますか?」
女1「………」
女1「それが私の愛した人なら」
66: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 16:20:00 ID:KSxQVUxEmU
───────
女1「ここがコルネオ様の寝室です」
コンコン
女1「コルネオ様、オージさんをお連れしました」
王子「……」
ガチャリ(ドアが開く
コルネオ「──おぉ、やっと来たかね。待ちくたびれましたよ」
女1「さ、オージさん。中に」
促されるままに、王子は部屋へと足を踏み入れる。
中は薄暗く、あまりはっきり見えない。
王子「……コルネオ様」
バタン、とドアが閉まった瞬間──突如腕をつかまれ、勢いよく引っ張られた。
王子「……っ!?」
コルネオ「……ふふっ」
声を上げる暇もなく、ベッドに押し倒された。
67: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 16:41:15 ID:A/m73bWzEU
ちょっぴり卑猥なのでご注意を
しばらくsageます
68: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 16:42:51 ID:A/m73bWzEU
コルネオ「……ふふ、本当に可愛い顔をしていますねェ。実にいい。そそられます」
毛むくじゃらの大きな手が、王子の髪から頬へ、撫でるように触れていく。
コルネオ「今夜はいっぱい可愛いがってあげますからねぇ…」
王子(顔近い…)
コルネオ「…そういえば、あなたは初めてですか?」ニヨニヨ
王子「…どういう意味でしょう」
コルネオ「ふふ。何も知らない処女ですか… 初めてなら、私が優しくしてあげますよ…」
69: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 17:15:12 ID:.YOolMoLDs
コルネオKIMEEEEEEEEEEEEEE!!!!
70: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 17:27:27 ID:WPw5dFjMQg
すると、コルネオは王子の胸に手を這わせながら、首もとへ顔をうずめてきた。
王子(ひいいいぃぃぃ)
チクチクとした髭の感触に、身体中が鳥肌になる。
──ぺろり、と生温かい舌の感触が首に当たった。
首筋を舐められている。
王子(……!!)
コルネオ「とってもおいしいですよオージちゃん…」
次に胸もとに這っていた手が、王子の肌を堪能するかのように蠢きながら、シャツの中に侵入してくる。
コルネオ「おっぱいはどうかな…?」
ガバッ
いっきにシャツを捲りあげられた。
71: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 17:41:28 ID:J4YZkVOK3.
コルネオ「……おや」
王子の平たい胸をさわさわと撫でる。
コルネオ「これは驚いた、あなたはスレンダーなのですね」
王子「は…はい」
コルネオ「ふふ…心配しなくていいですよ。私はおっぱいの大きさなんて気にしませんから…」
コルネオが自分の唇を王子の胸へ近づけていく。
王子(げ…!)
コルネオ「おっぱいはね、揉んだり舐めたり吸ったりすれば大きくなるんですよ…」
再び全身を鳥肌が駆けめぐった。
72: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 18:26:26 ID:B9LLUanOto
王子「こっ、コルネオ様…!」
コルネオ「ん?」
今にも王子の胸にしゃぶりつきそうなところを制止する。
王子「……コルネオ様………だめです…」
コルネオ「ふふ、照れてるんですか?本当に可愛いですねェ、何がだめなんですか」
王子「ち、違うんです… 」
コルネオ「違う?」
王子は顔を真っ赤に紅潮させた。
目をつぶって、意を決してセリフを吐く。
王子「コルネオ様… 私、あそこが疼くんです… おっぱいじゃなくて、あそこを、見てください……」
73: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 18:28:48 ID:dLCU9OGsOM
コルネオは薄汚い顔をニンマリと歪めた。
コルネオ「ずいぶん積極的ですねぇ…。いいでしょう、一足先にオージちゃんのあそこを堪能させてもらうとしましょう…」
王子「は…はい……」
王子は先ほど、女たちによってズボンの代わりにスカートを履かされていた。
コルネオの手が胸から下半身へと移動し、無遠慮にスカートの中をまさぐる。
そして、
コルネオ「────!?」
王子「……ばーか」
王子は思いきりコルネオの股間を蹴り上げた。
74: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 19:00:06 ID:oiC72V.arM
コルネオざまあwwwwwww
つC
75: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 19:39:09 ID:TmLelNOaS.
U^エ^Uざまあwww
つC
76: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 19:50:28 ID:yMDOTeggTE
コルネオm9(^Д^)プギャー
77: ◆qoozyz1NgY:2011/10/12(水) 20:23:37 ID:gctR7TVIS.
ちょwww
皆さんありがとうございますww
また少し書きためたら投下するのでよろしくです(^ω^)
78: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 02:24:49 ID:bHDcPRiTV6
コルネオwざまぁwwww
王子頑張れ(^Д^)
つCCC
79: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 04:35:59 ID:sBrVYo19lY
この時間に声出してワロタwww
つCCCC
80: ◆qoozyz1NgY:2011/10/13(木) 19:59:28 ID:9UTIFscckY
「ぬぉうっ…!」
コルネオが股間を押さえ悶える。
コルネオ「お…おまえ…」
王子「……急所は痛いですよね。僕もついてるんでよくわかります」
コルネオ「男だったのか…!!」
王子「……僕は一言も自分が女だなんて言ってない」
コルネオの胸元を掴むと、強引にグイッと引きよせた。
王子「あなたの種々の横暴を、僕は許せません」
コルネオ「なにを…」
王子「今すぐ軟禁している女たちを解放し、町人への対応を改めると誓ってください」
81: ◆qoozyz1NgY:2011/10/13(木) 20:01:10 ID:IFKL1janvs
コルネオ「ふ…ふふ、いきなり何を言うのかと思えば。横暴?何のことでしょう」
コルネオ「大体、剣を没収されて丸腰のあなたが、この私に何をできるというんです?」
そう言うと、コルネオは近くにあった赤いボタンを押した。
ジリリリリッ!!!!とけたたましい音が鳴る。
コルネオ「………警備団を呼びました。わかりますか?あなたは自分で自分を窮地へ追い込んだんですよ」
王子「警備団…」
コルネオ「黙って私に抱かれていれば良かったものを…。男どうしも、たまにはいいですし」ニヤリ
王子「僕にそういう趣味はない」
82: ◆qoozyz1NgY:2011/10/13(木) 20:04:36 ID:hnAX7VEYf2
ダダダダダッ
廊下を人が走る音が聞こえてくる。
コルネオ「…さぁ、早くも警備団が来てくれたみたいです。私に逆らった罰は、きっちり受けてもらいますよ」
ガタンッ!
警A「コルネオ様!」
勢いよくドアが開き、十数人の男たちが飛び込んできた。
あっという間に王子の周囲を囲む。
警B「貴様、死にたくなかったらおとなしくしろ!」
王子「……」
コルネオ「皆さん、警戒することはありませんよ、こいつは何も武器を持っていませんから」
王子「……あれ、言いませんでしたっけ」
コルネオ「ん?」
ドゴォッ! 「ぐはっ…!?」
次の瞬間、一人の警備員が吹っ飛び、ベッドの脇に叩きつけられた。
王子「──僕、剣だけじゃなくて体術もやるんですよ」
ニッコリと笑って、小さく首をかしげた。
83: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 21:33:14 ID:Q8rdfabC4M
王子かっけええええええええ!!
男の娘とは思えんwww
84: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 22:16:16 ID:dz7ykgEFtY
ハヤテが脳内再生されたww
85: 名無しさん@読者の声:2011/10/14(金) 10:40:25 ID:55nOZpGR0o
しえんしえん(*゚∀゚*)
86: ◆qoozyz1NgY:2011/10/14(金) 21:45:17 ID:BBW4yqMudk
支援ありがとうございます!
ハヤテは盲点でした…w
87: ◆qoozyz1NgY:2011/10/14(金) 21:46:22 ID:cqzjf8u.V6
警A「貴様…!!」
王子「僕が用があるのはコルネオだけです。他の人たちはどいていてくれませんか」
コルネオ「…に…、人数は圧倒的にこちらが有利だ!体術など恐るるに値しません!」
コルネオ「あなたたち、何をボーッとしているのです!早くそいつを捕らえなさい!!」
警「はっ」
チャキッと音を立てて警備員たちが剣を構えた。
そのまま、ジリジリと王子との間合いを詰めていく。
王子「……」
王子の周囲が、十数本の剣で囲まれた。少しでも身動きすれば刺さりそうな距離である。
警C「……さぁ、勘念しろ!」
警D「お前の逃げる場所はない!」
88: ◆qoozyz1NgY:2011/10/14(金) 21:54:33 ID:B9LLUanOto
王子「……せっかく忠告したのに…聞いてくれないならもういいですよ」
警C「なんだと?」
王子「……あ」
警「?」
王子「…し、志村後ろ!後ろマジやばい!!やばいって!!」アタフタ
警「!?」バッ
王子「─まさかひっかかってくれるとは」
バシッ! 警「うぉっ…!?」
王子は一気に体勢を低くし、数人の警備員の足をなぎ払った。
ドテッと男たちが尻もちをつく。
警A「な…」
王子はそのまま両手を床につき、勢いよく身体を倒立させ、開脚して警備員の顔面を蹴り飛ばした。
89: ◆qoozyz1NgY:2011/10/14(金) 22:02:38 ID:vIGoGXjj4M
警C「がはっ」
警G「ぐあぁっ…」
攻撃をくらった男たちがよろめき、倒れていく。
警A「きっ…、貴様ぁー!!」
王子「!」
警備員Aが剣を振り上げて王子に襲いかかった。
剣が振り下ろされる瞬間──
王子が丁度薙ぎ倒した一人の警備員の首根っこを掴み、警備員Aに向かって放り投げた。
警A「──!? ぐぁっ…!」
体勢を崩し、投げられた警備員とともに壁に叩きつけられる。
警H「ちぇすとおーっ!!!!」
ドカッ! 「ぎぇっ」
再び正面から襲いかかってきた警備員のみぞおちを蹴りとばすと、その反動を利用してバク宙し、背後で剣を振り上げていた男の顔面を踏みつけた。
そのままクーラーに手をのばしてつかまり、下半身に勢いをつけて飛翔。男に体当たりして押し倒すと、その近くにいた警備員も脚技で薙ぎ倒した。
90: ◆qoozyz1NgY:2011/10/15(土) 08:27:56 ID:oAdVYPzaZE
───────
女3「──なんだか、やけに騒がしいわね」
女4「警備団まで出動してるみたいだけど…」
女3「えーっ、マジで?」
女1「こら、あなたたちお喋りしてないで仕事しなさい」
女4「でも、あんなにドタバタ音を立てられたら気になりますよぉ」
女1「……あちらはあちらに任せておけばいいんです」
女3・4「?」
ピンポーン
女1「あら」
ピンポーン
女1(お客さんかしら…)パタパタ
91: ◆qoozyz1NgY:2011/10/15(土) 08:42:57 ID:dLCU9OGsOM
ガチャ(玄関を開ける
女1「どちらさまで…」
姫「あ、こんばんは」
女1「こんばんは」
大臣「突然お邪魔して申し訳ない。私は城の大臣、この方は王女であられます」
女1「おっ、王女さまと大臣さま…!?」
大臣「実は、コルネオ様が隣国の王子を連れていってしまったとの報告を受けまして…」
姫「この屋敷にいるはずよ」
92: 名無しさん@読者の声:2011/10/15(土) 15:24:47 ID:iTvQgHEoL2
しえんしえん(*゚∀゚*)
93: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 09:28:55 ID:HquBRzpqmg
>>92
支援ありがとうございます!
亀更新でホントすみません…orz
94: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 09:36:36 ID:Dvtd8unda.
女1「コルネオ様が王子様を!?ま、まさか…」
姫「今すぐコルネオを呼んで。姫と大臣が来たって」
女1「そ、それが今は取り込み中でして」
大臣「取り込み中…?」
女1「は、はい…」
\ドターン バキッ ガシャーン/
姫「……あの音はなに?喧嘩でもしてるの?」
女1「それは…」
姫「……」ダッ
女1「あっ」
大臣「姫さま!?お待ちください、勝手に入っては…!」
95: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 09:39:02 ID:jxhZHLJ7ek
──バタッ
最後の警備員が倒れた。
王子「……」
気絶して床に転がる男たち。 その中心に、軽く息を切らす王子が立っていた。
コルネオ「な…何だ、なんなんだこいつは…!」
王子「あなたが抱こうとした男ですよ」
くるりと振り返り、コルネオの方へ歩みよる。
コルネオ「よ…寄るな!お前、このコルネオ様に働いた無礼がただで済むと思うなよ!!お、王に言って、お前を監獄行きにしてやる…!!」
王子「お好きにどうぞ。でも、あなたが今まで隠ぺいしてきた悪事みたいなのも、明るみに出るんじゃないですか?」
コルネオ「…!」
バタンッ (ドアが開く
王子「!」
姫「───王子!!!」
96: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 09:50:47 ID:B9LLUanOto
王子「ひ、姫?」
姫「……このバカ王子!!」
バチーンッ!! 王子「!?」
思いきり平手打ちをされる。
王子「い、いきなり何するんですかぁ〜」ヒリヒリ
姫「何でこういう勝手な行動するのよ!馬鹿じゃないの!?殺されたりしたらどうするの!?私はこの国の姫なんだから、私に任せて──って、あれ?」
姫「何この状況」キョトン
王子「あ、あはは〜」
姫「まさかこれ全部王子がやったの?」
王子「ち、違いますよ。……ス…スパイダーマンが現れて」
姫「はぁ?」
王子(…何言ってるんだろ僕)
コルネオ「お前は昼間の小娘…。なぜここにいるんです」
姫「王子を返してもらいに来ただけ。あと、お父様にあなたのことを告発させてもらうわ」
97: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 10:40:45 ID:TUIybGqP9g
支援!面白いww
98: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 14:22:37 ID:.vzfPR1jHQ
っCCCCC
99: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 20:21:35 ID:1h9cqhfM4c
>>97>>98
支援ありがとうございます!
(*・∀・)ノシ
ホントに嬉しいです!!
100: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 20:23:59 ID:1h9cqhfM4c
ガタタッ
大臣「──姫さま!困りますよ、勝手に行かれては!」ハァハァ
コルネオ「だ、大臣殿!?」
大臣「おや、コルネオ様…。って何ですかこの部屋は!寝転がってる人ばかり!」
王子「……」
コルネオ「…ま、まさかこの小娘…いや、お嬢さんは本当に王女だったのか…!?」
姫「間抜けね。あなたとはもともと面識なかったけど、王女の顔も覚えてなかったなんて」
コルネオ「な、なんということでしょう…」
101: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 20:26:51 ID:um8Iuczxw.
大臣「ところでコルネオ様、こちらに隣国の王子がいると伺ったのですが」
コルネオ「……は?」
姫「大臣、王子ならそこにいるじゃない」
大臣「ややっ!私も老眼ですなぁ… 王子殿、ご無事でしたか」
王子「はい。心配をおかけしたようで申し訳ありません」
コルネオ「…隣国の、王子……」
姫「さぁ、無礼を働いたのはどちらかしらね」
102: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 20:30:46 ID:YKW6x3TXVw
コルネオ「…だ、大臣殿!これには深い訳がありまして」
大臣「詳しい話はまた王を交えてしますので。とりあえず今夜は、王子を保護させていただきます」
コルネオ「わ、私はこの方たちが王女や王子などとは知らなかったのです!」
姫「馬鹿、そんなの関係ないわ!あんたの横暴、全部暴いてやるんだからね!!」
コルネオ「ですから、横暴など…!あれは公務であると申しましたでしょう!!」
王子「──女性を拉致し、無理やり妻にして軟禁する」
コルネオ「……!?」
王子「まさかこれを公務だなんて言いませんよね?…コルネオ様」
103: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 20:44:34 ID:UrTy.eU.y.
(`・∀・)オウジカコイイ!!CC
104: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 21:50:12 ID:9OzucEzTfM
>>103
マジですかあぁ(´///`)ピャー
105: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 21:53:00 ID:9OzucEzTfM
──翌日
王「いやいや、昨日は大変じゃったようじゃのぉ、二人とも」
姫「ひどいわお父様、まるで他人事じゃない」
王「昨日はすっかり狩りに夢中になってしまってな。なんと熊と遭遇したのじゃ!大きな足跡と糞があって、それを追いかけて…」
大臣「コホン、…王」
王「おぉ、すまんすまん。それで、コルネオの件じゃが」
王「確かにワシは税未納者に対する罰を許可した」
姫「!」
王「じゃが、それは体罰を与えよという意味ではない。正確には、税未納者に対しては1ヶ月以上3ヶ月未満の兵役を課す。こういう内容だったのじゃ」
姫「そうだったの…」
106: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 21:56:09 ID:pr/vmPsHlc
王「よって、コルネオの行為は公務とは認められん。そして、王子から報告された件じゃが」
王子「はい」
王「先ほど調査に向かわせた家来たちから、正確な事実確認ができたとの連絡がきた。コルネオが複数の女性を軟禁していたというのは本当だったようじゃな」
王子「……」
姫「全く、最低な男ね」
王「コルネオには全ての女性を解放させ、税務官の任を解くつもりだ。あやつには失望した。しばらく牢に入れて反省させるほかなかろう」
107: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:01:32 ID:R93H4N5un6
姫「良かった!これで町の人たちも安心して生活できるわね!」
王「もちろんだ。そして最後に、──王子」
王子「はい」
王「……警備員の入院費は、ワシが払っておいた」
王子「…あ」
王「まぁ、スパイダーマンにやられたものはどうしようもないからのう」ホッホッホ
王子「…す、すみませんでした…」
108: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 22:08:44 ID:JrqGbBqdhE
(。・ω・)ノ゛C
109: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:16:29 ID:ZcWpf5xQ5g
王「何はともあれ、これにて一件落着じゃ」
大臣「そうですね」
姫「一番苦労したのは私と王子よ。全く、馬鹿にされるわ鞭で叩かれそうになるわで──」
王「姫よ、お前はちゃんと王子に礼を言ったのか?」
姫「はぁ?なんで私が」
王「今回の件は全て姫を庇ってのことだったのであろう」
姫「……」
王子「いや、僕は別にそんな──」
姫「バカ王子」
王子「は、はい」
姫「……………ありがと」 ボソッ
王子「…姫……」
姫「…だっ、だからってあんたと結婚するつもりは全然ないから!!私の好きなタイプは、」
王子「背が高くて、イケメンで、男らしい人…、でしょう?」
姫「……!!」カアァッ
110: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:40:43 ID:fKwTipKZmw
大臣「ふふ、もう随分仲良くなられたようで」
姫「な、なってないから!節穴な目してんじゃないわよ!」プンプン
姫「ていうか、あんたいつまでこの国にいるつもり!?いい加減帰りなさいよ!!」
王「こら、姫。あまり乱暴な言葉を使うでない」
王子「えーと、婚約パーティーはいつでしたっけ?」
姫「こっ…婚約パーティー!?」
大臣「来週でございます。その時には、隣国の王や王妃も来訪される予定です」
王「そうそう。王子は姫と親睦を深めるために、1週間早く来たというわけだ」
111: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:45:03 ID:fKwTipKZmw
パシッ!}Cヽ(・∀・。)アリガトウ!
112: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 23:08:22 ID:R5HxqJsml6
頑張れー
っCCCCC
113: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 08:06:17 ID:CFD0b4ypFo
ささやかですが
っ四円
114: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:14:07 ID:cqzjf8u.V6
うおおお支援ありがとうございます!!( ^ω^)
コルネオ編が終わりましたので、次へ移っていきますノシ
115: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:16:11 ID:BBW4yqMudk
姫「こ、婚約パーティーとか冗談じゃないわ!結婚する気はないって、何回言ったらわかるの!」
王「そう言うでない。1週間王子と一緒にいれば、きっと気が変わる」
大臣「まだ結婚するわけじゃないですから。ゆっくり愛を育んでください」
姫「あぁもう〜!!」
大臣「…そうそう、ちなみに今夜は王子の歓迎会と銘打った舞踏会を開きますので、そちらのほうもご了承くださいね」
116: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:19:14 ID:O2iLUoTt4M
姫「舞踏会!?それも聞いてない!」
王「せっかく王子が来ているのに、婚約パーティーまで何もしないというのも暇だろう。とりあえず王朝関係者や貴族は一通り呼んである」
王子「すみません、色々やっていただいて」
王「当然のもてなしだ。是非、我が国の者たちと親交を深めてくれ」
王子「はい」
王「姫も舞踏会は好きだろう?」
姫「そりゃあ好きだけど…」
王子「姫、一緒に踊りましょうね」
姫「やだ」
117: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:24:47 ID:YKW6x3TXVw
────
───────
姫「……全く、みんな勝手だわ。私のいないところで話を進めて」 テクテク
姫「まぁ、舞踏会くらいならいいけどさ。王子が相手じゃ女の子同士で踊ってるように見えるじゃない」
侍女「──あ、姫さま」
姫「あら」
侍女「また王子様の愚痴ですか?」クスクス
姫「─ち、違うから!あんな奴どうでもいいし!」
侍女「はいはい、わかってますよ」
姫「むー」
侍女「あ。そういえば、ロイ様がお帰りになってましたよ」
姫「ロイが!?」パアァッ
侍女「はい。中庭の方におられるのではないかと」
姫「わかった、ありがと!」タタタッ
118: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:26:38 ID:O7FQb6/AP6
- 中庭 -
王子「──へぇ、花や植物がいっぱいあって綺麗な庭だなぁ」
キョロキョロ
「わんわん!」
王子「!?」
犬「わんっ、わんわん!」
王子「な、なんだ犬か… びっくりした。ていうか何でここに犬がいるんだ?放し飼い?」ナデナデ
犬「くぅ〜ん」 フリフリ
?????「──それは俺の犬だ」
119: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:28:27 ID:2GHD9vlNoI
王子「……?」
王子が振り向くと、そこには長身の若い男が立っていた。
腰に剣をおさめ、マントを身につけている。
?????「可愛いだろ。名前はジョンっていうんだ」
ジョン「わん!」
王子「……どなたですか?」
?????「あれ?俺のこと知らないの?てことはあんた部外者?」
王子「まぁ一応部外者ですけど」
ロイ「俺の名前はロイ。この城の近衛隊長だ。こう見えて姫と同い年なんだぜ、若いだろ!」
王子「はぁ…」
120: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:30:57 ID:YGPmka0QrY
ロイ「ていうか嬢ちゃんどっから来たの?つーかよく城に入ってこれたな」
王子「じょ、嬢ちゃん…」ガーン
ロイ「ん?どした?」
王子「……僕これでも男なんですけど」
ロイ「は?」
王子「僕は男です」
ロイ「え、ギャグ?」
王子「ギャグじゃないです」
ロイ「………マジで!?」
王子「マジです」
121: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 19:30:49 ID:Thy0bdY3Q.
ロイ「ひぇ〜、そりゃ悪かったな。しかし、えらく可愛い顔してんだなぁ」
王子(嬉しくない…)
ロイ「ん、待てよ…。つーことはお前もしかして…」
姫「───ロイ!!」
王子「!」
ロイ「あっ!!」
姫「ロイ、帰ってきてたのね!おかえり!」ダッ
ロイ「ひっ…、姫えぇえっ!ただ今帰りましたあぁっ」ダッ
122: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 19:32:47 ID:ScZrKHOJSw
二人は走り寄ると、ぎゅっと抱擁を交わした。
王子(ええええええぇ)
ロイ「…姫、長らく留守にしていて申し訳ありませんでした」
姫「ううん、大丈夫。無事に帰ってきてくれて嬉しい」
ロイ「ちょっと見ない間にまた綺麗になりましたね」
姫「バカ、お世辞言っても何も出ないんだから!」
王子(……なるほど)
ロイの容姿をまじまじと見つめる。
王子(背が高くて、イケメンで、男らしい…)
ジー
王子(……全部当てはまってる)
123: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:16:00 ID:KkTCZVzyVw
姫「──あ、王子」
王子「……」
姫「あんたも中庭にいたの。紹介するわね、この人は近衛隊長のロイ」
ロイ「どーも、ハジメマシテ」ニッコリ
姫「私と同い年で、小さい頃から仲がいいの。ロイはすっごく剣が強いのよ!城の中でも1、2を争ってるわね」
ロイ「姫にそう言って頂けるとは光栄です」
姫「確か、ここ2ヶ月くらい他国視察に行ってたのよね」
ロイ「はい」
124: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:18:28 ID:/4TxF8mZnI
王子「…えーと、僕は、」
ロイ「隣国の王子?」
王子「はい」
ロイ「あー、やっぱり。じゃあ君が姫の結婚相手なんだ」
王子「……一応」 チラ
姫「なによー、私は認めてないからねっ」
ロイ「ふーん」 ジロジロ
王子「…なにか」
ロイ「……お前、すっげぇ弱そうだな」プッ
125: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:30:39 ID:O7FQb6/AP6
王子「な…」
ロイ「女顔だし、小柄だし、腕も腰も足も細いし。そんなんで姫を守れんの?」
王子「……」 ムカッ
姫「ちょっと、ロイ」
ロイ「それにさぁ、政略結婚なんでしょ?お互い好き合って結婚するわけじゃないよね」
王子「──余計なお世話だ。大体、姫を守るとか結婚するとかに女顔は関係ないだろ」
ロイ「え、まさか姫の好み知らない?君みたいなタイプ嫌だって言われなかった?」
王子「腐るほど言われたけど」
王子(……ていうか、何でこいつ姫には敬語で僕にはタメ口なんだ)
126: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 12:39:45 ID:hnAX7VEYf2
ロイと決闘だな(▼皿▼)Ψ
男の娘を馬鹿にした罪万死に値する!
ゆけ(`・ω・)つC
127: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 16:34:08 ID:sBrVYo19lY
燃料投下
(´・ω・)つCCCC
スパイダーマンいけー
128: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 18:26:11 ID:bqDeqinkt.
王子頑張って
っC
129: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 19:16:22 ID:k1SERnf23Q
っCCCCC
130: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:17:14 ID:OWEszdaDTk
ロイ「にしても、この国も舐められたもんだよなぁ。こっちはただ一人の大切な王女を差し出すってのに、隣国は三男の女男」
王子「……!」
ロイ「他国視察に行ったとき、あんたの国もちょっと調べたんだ。隣国はこの国とは違って王子が三人もいる。そしてあんたは、地位が低めの第三王子。政略結婚にはもってこいってわけだ」
姫「ちょ…」
王子「…おしゃべりな奴だな。三男だろうと僕が王子であることに変わりはないし、これは僕が選んだ道だ」
ロイ「姫は嫌がってるでしょ?その気持ちは汲んであげようとは思わないわけ?」
王子「お前はただ姫をとられたくないだけだろ」
131: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:21:46 ID:/X0pWY6/w.
バチバチと火花をとばしはじめる二人に、慌てて姫が割って入る。
姫「も…、もうなに言い合いはじめてんのよ二人とも!仲良くしなさい!!」
ロイ「ですが姫、」
姫「結婚のことは私と王子とお父様でまた話すから!とりあえず、王子につっかかかるのはやめなさい!」
ロイ「………はい。すみませんでした」 ショボン
王子(素直だな…)
姫「─王子」
王子「あ、はい」
姫「あんたはちゃんと今夜の舞踏会の用意しとくのよ。私に恥かかせたら承知しないからね!」
王子「あれ、一緒に踊ってくれるんですか?」
姫「お、踊らないわよバカ!」
ロイ(………あれ?)
132: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:29:25 ID:OoRBbSIjuQ
>>126
ふおぉ…!二人の決闘はもうしばしお待ちを( ^ω^)
>>127
王子の体術はスパイダーマンみたいな感じですよねとか今更言ってみるw
>>128>>129
支援超絶ありがとうございます!!王子にはこれからも頑張ってもらいます←
133: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:01:20 ID:fXuzWbCQg6
───夕方、試着室にて
王子「だあああぁっ!着替えくらい一人でできますって!!」
侍女1「ダメですー!舞踏会のお洋服はビシッときめていただかないと!お手伝いしますっ」
侍女2「シワとかほつれとか無いかチェックしないといけないし!」
王子「だからどさくさに紛れて身体を触るのはやめてくださいっ!」
〜〜〜数分後
侍女2「……うーん、ブカブカですねぇ」
侍女3「王が若いときに来てた服なんだけどー」
王子「……」
侍女1「この服もこの服もこの服も……全部王子様より一回り大きいわ」
134: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:04:45 ID:YepzLr4ZbA
王子「サイズがないなら自分の正装用の服を持ってきたのに……。貸してくれるって言うから」
侍女1「まさか王子がここまで小柄だとは思わなかったんですっ」
王子「そんなに僕小さいかなー」
侍女3「どうするー?超緊急事態じゃん。これから発注しても間に合わないし」
王子「僕が着ていた普段着でなんとかカモフラージュするとか…」
侍女2「さっき全部洗っちゃいました」 テヘッ
王子「」
135: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:31:48 ID:KkTCZVzyVw
王子「──というわけなんですが」
王「ふむ。それはこちらの不手際だったのう、すまん」
王子「いえ… しかし、どうすれば良いでしょうか。着る服がないなんて」
大臣「舞踏会まであと1時間…。時間がないですね」
王「むう…」
王子「……」
大臣「……」
王「─…仕方ない、王子の歓迎会というのは取り止めよう」
大臣「!?」
王「当初は王子と貴族たちの面識をつくる程度の目的だったからな。ただの舞踏会としてもさほど問題なかろう」
王「何より、王子にブカブカの服を着せて恥をかかせるわけにはいかん」
王子「王…」ジーン
136: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:33:34 ID:ScZrKHOJSw
王子「では、僕は出席しなくても良いということでしょうか」
王「いやいや、出席はしてもらうぞ」
王子「え?でも…」
王「今宵は『ただの』舞踏会じゃ。王子として名乗らなければ、恥はかかん」
王子「貴族として出席しても、服がないですよ」
王「ドレスなら着れるんじゃろう?」
王子「───え?」
137: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 21:49:07 ID:J1gnA8ZFUc
王GJwwww
138: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:27:04 ID:ocxqtmFaOg
姫「──王子の具合が悪い?」
大臣「はい。ですから、今夜の舞踏会には出れないと…」
姫「な、なによそれ!王子の歓迎会なんじゃないの?王子が出ないんじゃ話にならないじゃない!」
大臣「ただの舞踏会に変更すると、王がおっしゃっていました」
姫「……ありえない。昼間はピンピンしてたくせに」
姫「王子は今どこ?」
大臣「2階の寝室で休まれています」
139: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:29:17 ID:3bES8Jxo8w
姫「もう、情けない奴!」ダッ
大臣「お待ちください姫さま、まもなく舞踏会が始まります」
姫「でも、」
大臣「王子殿は姫に迷惑をかけて申し訳ないが、自分のことは放っておいてほしいとおっしゃっていました」
姫「……」
大臣「とりあえず、王子殿がいないかわりに、姫さまのエスコートはロイ殿にお願いしてありますので、姫さまも早くお着替えを」
姫「ロイが?……わ、わかったわ」
140: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:31:26 ID:dCcobmLbww
- 寝室 -
王子(……) ゴロン
王子(…女装してまた姫に馬鹿にされるくらいなら、出ないほうがマシだよな…)
王子(……)
王子(……結局姫と踊れないってことか…)
王子(……) ゴロン
141: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:34:53 ID:z/P1S2BebI
コンコン
姫「──はい」
ロイ「俺です。舞踏会のお迎えに上がりました」
姫「……」
ガチャ
ロイ「…!」
姫「わざわざありがと。よろしくね」
ロイ「は、はい」
姫「…なに?私の顔になんかついてるかしら」
ロイ「い、いや、その…。綺麗だなと思って」
姫「!」
ロイ「そのドレスすごく似合ってます」
姫「そ、そうかな… でも、ロイにそう言ってもらえると嬉しいわ」
142: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 17:33:18 ID:vIWFqtbwWQ
っCCCCC
143: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 23:28:49 ID:G5WKvPJIR6
っCCCCCC
頑張れー
144: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 01:44:02 ID:w30xTApJT.
続きを…早く続きを!!
つC
145: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:40:16 ID:gctR7TVIS.
>>137
王は色々融通がきくので助かってますww
>>142>>143>>144
支援ありがとうございます!!!
こんなにたくさん…あわわわわ
自分も他の作者さんみたいに面白いレス返がしたいなー、と思ってるんですが、なかなかできませんねー(;^_^A でも、支援頂けるだけで幸せです!!
146: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:53:04 ID:UDHBDcGQ6A
- 大広間 -
ワイワイ ガヤガヤ
大臣「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。これより舞踏会の幕開けとなります。………では、王よりお言葉を」
王「──オホン。皆の衆、忙しい中我が城の舞踏会へ足を運んでくれたことに礼を言う」
王「しかし、一つ詫びねばならんことがある。今宵は我が国の姫の結婚相手である隣国の王子を皆にお披露目する予定だったのじゃが、諸事情により王子は出席を見合わせることになった」
ザワザワ
姫「……」
王「まぁそうは言っても近々婚約パーティーもあるし、そう問題はなかろう。というわけで、今宵は王子欠席で少々残念じゃが、皆大いに楽しんでくれたらと思う。以上だ」
パチパチパチパチ....
147: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:54:40 ID:aLZyixOqHw
王「……おい大臣」
大臣「はい?」
王「王子はホントに来ないのか?」
大臣「はい…。ドレスを着て正体を隠して出席するくらいなら欠席した方が良いと」
王「うむ… しかし、ワシは出席してほしかったのう」
大臣「王は王子殿のドレス姿が見たいだけでしょう」クスッ
王「む、そんなことはないぞ!……見てみたくないといえば嘘になるが」
大臣「まぁ、気長に待ちましょう。そのうちひょっこり顔を出すかもしれませんから」
148: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:57:32 ID:KYtqs3eTIA
姫(やっぱ変よ… あいつさっきまで元気だったじゃない。仮病に決まってる)
姫(何で出ないんだろ…。私が一緒に踊りたくないって言ったから?)
姫(……せっかく可愛いドレス着たのにな…)
姫(ばっ、バカバカなに考えてんのよ私!王子なんてどうでもいいじゃない!)
ロイ「──姫、」
姫「え?」
次の瞬間、手を引かれて腰が抱かれた。ふわりとロイの近くへ引き込まれる。
ロイ「踊りましょう、姫」
149: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 09:02:58 ID:F4BvMARXc6
大広間には軽やかな音楽が流れていた。
導かれるままに中央へ行くと、ロイにリードされてステップを踏みはじめる。
姫(……大きい)
背の高いロイの肩に手をおく。
姫(……あと、やっぱりイケメン)
改めて至近距離から顔を見た。
鼻筋が通っていて、前髪の間から見える目が凛々しくて、唇も薄い。本当に顔全体が整っている。
これで体格も良くて剣も強いのだから、文句なしの外見だろう。
ロイ「……姫、そんなに俺の顔を見ないでくださいよ」
姫「えっ!?」
ロイ「ひょっとして俺の顔に見惚れていてくれたんですか?」
150: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 09:05:42 ID:nSwSSJ4ZyY
姫「ば…ばかっ!そんなんじゃない──ひゃっ」
ロイ「はは、ボーッとしてると転びますよ」
足をもつらせかけた姫をサッと支える。
姫「あ…ありがと…」ドキドキ
ロイ「……本当に可愛いなぁ、」
チュッ
姫「──!?」
額にキスをされた。
姫の顔がみるみるうちに赤くなる。
姫「い、いきなりなにをっ…」
ロイ「……もうすぐダンスが終わりますね。姫、このあとちょっと付き合って頂いてもいいですか?」
151: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 12:54:08 ID:qviQorEFqA
今までゼルダで再生されてたがロイが出てきた瞬間ハガレンでry
152: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 14:03:29 ID:weA6l9wvtU
実際にやったら不敬罪ってレベルじゃないんよなぁ、だいたいが。
153: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:15:15 ID:1aUoG5Q0f2
>>151
やっぱりwwいや、私はハガレンはよく知らないんですけど、ロイっていったら彼だろうなとは思いました。
ただ、SSを書く上で二文字くらいの名前で且つ厨二ぽくない名前にしようと思ったらロイが真っ先に浮かんできてww正直名前は適当に決めてるので、全然深い意味はないです
>>152
ロイの姫に対する馴々しさ、王子に対する無礼さは、姫と王子が許容していると思ってくださいw
姫とロイはもともと仲がいいし、王子はタメ口とか不敬とかあんま気にしないタイプです、とか言って言い訳orz
154: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:18:09 ID:6md7A0MgcE
─────
王子「あ―… 暇だなぁ」
広間の方から賑やかな人の声と音楽が聞こえてくる。
王子(………寝よ)
─ボスッ、と枕に顔を埋めたときだった。
バタンッ! 「!?」
ジョン「わんわん!わんわん!!」
いきなり一匹の犬が扉を体当たりでこじあけて突っ込んできた。
そのままベッドへジャンプし、しっぽをブンブン振りながら王子に猛烈にじゃれついてくる。
王子「なっ、なっ、なっ」
ジョン「がるるるるる」 バフバフ
王子「ちょっ、やめてくすぐったい!あ、あはははは」
ジョンは王子の身体の上で跳ねたり転がったり噛み付いたりして遊びはじめた。
小さな柴犬なので全然痛くはなく、肉球攻撃もくすぐったいだけである。
155: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:20:28 ID:weA6l9wvtU
王子「……って、いきなりなんなんだ!」
ガシッ、とジョンを両手で捕まえて拘束する。
ジョン「がうー」 ガブカブ
相変わらず王子のシャツに噛み付いて離そうとしない。
王子「お前は確か、ロイとかいう奴の犬だよな… 何でいきなりこんな」
ジョン「……」 ガブカブ
王子「……そっか、ひょっとしてお前もハブられ組?犬は舞踏会出れないもんなぁ」
ジョン「わぅ」 パッ
やっと解放されたシャツは、ヨダレでべとべとになっていた。
王子「う… これ、借りてるシャツなのに…」
ジョン「わぅ」 フリフリ
王子「…じゃあ一緒に寝る?おもらしとかしないよね?」
ジョン「わん!」
156: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:22:47 ID:.btD106ojs
王子「全く… 飼い犬の面倒くらいちゃんと見ろよな」
ジョン「わん」
王子「………あれ、そういえば」
王子(ロイは舞踏会に出てるんだよな…。で、僕は出てなくて)
王子(姫は出てる…) ハッ!
ジョン「?」 フリフリ
王子「馬鹿か僕は!あいつ絶対姫に近づいて何かするに決まってるじゃん!」
ジョン「わん!」
王子「やば、早く着替えて──」
ピタッ
王子「─服ないんだった…」 ガーン
157: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 19:35:12 ID:bHDcPRiTV6
|Å
| \
|ω・`) ダレモイナイ・・・
|⊂ シエンスルナラ
| イマノウチ
C Å
C / \ C シエン
ヽ(´・ω・)ノ シエン
( へ) シエ-ン
く
C Å
C / \ C シエシエン
ヽ(´・ω・)ノ シエエ-ン
C (へ ) Cシエシエン
C > シエエーン
158: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 19:38:39 ID:NYMUUcmH8.
面白いな。紫煙
159: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 21:53:19 ID:OKTsxd6gOQ
やめろっ…
私の可愛い王子の姫だぞっ
触るなマスタング!
160: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 22:44:45 ID:diohQUs896
っCCCCC
面白いよー
161: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:10:56 ID:rHFRB5t09Y
支援ありがとうございます!!
>>157
可愛い―!!(´///`)
AA弱いです、はい
>>158>>160
うぎゃあぁ面白いとか最高の褒め言葉です…!!嬉しいです!
>>159
くそ…!マスタングって呼ぶなよ…!(笑)ハガレンファンに怒られちゃうじゃないか…!←
皆さん大好きですちゅっちゅ()
162: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:12:26 ID:rHFRB5t09Y
姫「──ちょっと、ロイ!どこに行くのよ!」
ロイ「……」スタスタ
ロイに手を引かれるままに舞踏会を抜け出し、誰もいない廊下を歩いていた。
やがて中庭にやってくると、ロイはぴたりと足を止めた。
そこは薄暗く、月の光だけが二人を照らしている。
姫「……ロイ?」
ロイ「─姫… 答えてください」
163: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:14:16 ID:LJ9EDVfDOc
ロイ「姫は、あの王子と結婚するつもりなんですか?」
姫「えっ?」
ロイ「あんな女みたいで弱そうな男と結婚するんですか?」
姫「な…何言ってるの、私は王子と結婚する気なんてないわよ!」
ロイ「本当ですか!」 パアァッ
姫「う…うん」
ロイ「良かった…。俺、あんな奴に姫をとられたらどうしようかと思っていたんです」
164: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:17:28 ID:A/m73bWzEU
姫「……」
ロイ「俺、もしどこかの国と戦争とかになった場合、絶対に姫を守れる男じゃないと姫の結婚相手にはふさわしくないと思うんです」
姫「……そうね。確かに王子は弱そう。ロイの方がずっと強いでしょうね」
ロイ「はい」
姫「でも、王子はそこまで情けない奴じゃないわよ?見た目こそあれだけど、中身はちょっと見込みあるかなーって…」
姫「……やだ、なに驚いた顔してんのよ」
ロイ「い、いや。姫が他人の内面を褒めるのは珍しいなと思って…ほら、姫は面食いだから」
姫「ま、まぁね…」
165: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:23:13 ID:rHFRB5t09Y
ロイ「……」
姫「……」
ロイ「……姫」
姫「ん、」
ガバッ! 姫「きゃっ」
突如、姫はロイに抱き締められた。髪の毛がふわりと鼻に当たる。
姫「な、な──」
ロイ「……」 ギュー
姫「……」 アワアワ
ロイ「……すみません。離したくないです」
姫「ロ、ロイ…」
166: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:31:58 ID:o5tB/L3U8o
ロイ「……俺、小さい頃からずっと姫のそばで姫をお守りしてきました。…ずっと、姫だけを見て」
ロイ「姫は強くてかっこいい男が好きだって言うから、俺は一生懸命剣の修行して、姫にかっこいいところを見せよう、見てほしいって、無我夢中で、」
姫「ロイ…」
ロイ「それで、頑張って近衛隊長にまでなれた。……全部、姫のためだったんですよ」
ロイ「……だから、他国視察から帰ってきて、姫の結婚の話を聞いたときは信じられなかった。……無性に腹が立って、悔しくて、歯痒くて… 何で俺じゃないのか、俺じゃダメなのかって」
167: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:37:02 ID:Hfe7ffEMW.
ロイ「しかも、理由を聞けば政略結婚… 俺は、死んでも認めることなんてできないですよ…」
姫「……」
ぎゅっと、姫を抱きしめる腕に力が入る。
ロイ「俺なら、姫を守れる!あんな女みたいな朴念仁より、俺の方が姫を大切にするし、愛するし、絶対に悲しませたりしない!姫を守れるのは俺だけだ…俺にしか、俺にしかできないんです!」
姫「……ロイ……」
ロイ「姫…好きです…」
ロイは優しく姫の頬に触れると、ゆっくりと顔を近づけた。
168: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:45:20 ID:UrTy.eU.y.
──チャキッ
「──!」
……ロイの喉元に、剣が突き付けられていた。
月光に照らされ、反射するかのように刃が光る。その奧で、黒いシルエットが揺れた。
「──今すぐ、姫から離れろ」
立っていたのは、ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレスを着た王子だった。
169: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:52:17 ID:F63PeM9b6A
Σ(・Д・`;)
170: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:54:41 ID:YGPmka0QrY
俺の中でロイはクズ男に認定された(#`皿´)プンプン
王子いったれ!
つCC
171: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:59:43 ID:f79T6dgeUQ
いろんな意味でさすが王子www
つCCCCC
172: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 06:59:28 ID:ko6MdTU4hc
わりとロイも嫌いじゃない
C
173: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 07:25:14 ID:xNrqaOIV7Q
王子wwww
っC
174: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 07:46:54 ID:ko6MdTU4hc
これはおもしろいSSを見つけた(*´∀`*)
支援
175: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 13:18:18 ID:um8Iuczxw.
しえんしえん(*゚∀゚*)
176: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 20:33:56 ID:SwAvmhCx7U
姫の前だとロイめっちゃいいやつだなwww
っCCCCC
177: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:30:14 ID:vDehRJtTs6
れ、レスがこんなにっ…!
ありがとうございます!!
本当はお一人お一人にレスをしたいのですが、自分が蛇足なこと言いそうなので、また改めてさせていただきますね!( ^ω^)
皆さんは流れとか気にせずにコメントして頂いて全然かまいませんのであわわわわ
178: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:31:54 ID:3PUtevh2O6
姫「──お、…王子!?」カアアァ
王子「……」
ロイ「…なんだ、あんたか。今いいところなんだけど、邪魔しないでくれる?」
王子「お前は自分のやってることがわかってるのか?」
ロイ「姫はあんたのもんじゃねぇ。俺は自分のやりたいようにする」
ロイ「…つーか、なにその恰好。女装趣味でもあんの?それとも、俺を馬鹿にしてんの?」
王子「どちらでもない。さっさと姫を離さないと、お前の首を飛ばすぞ」
ロイ「……その顔と恰好で、よくそんなセリフが吐けるもんだ」
179: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:32:54 ID:sBrVYo19lY
>立っていたのは、ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレスを着た王子だった。
やっぱ王子好きだw
つC
180: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:35:25 ID:fRKEPCfywI
姫「お、王子、違うの!ていうか、物騒なことはやめて!」
ロイ「違くないですよ。まったく…人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ねってね」
ロイは姫から手を離すと、スッと立ち上がった。
ロイ「丁度いい、どーせあんたは俺の剣で叩き潰すつもりだったんだ。あんたもちょっとくらいは剣使えるんだろ?」
王子「あぁ」
姫「こ…こら!待ちなさいって、剣なんかで喧嘩してケガしたらどうするの!!」
ロイ「姫、これは姫のためです。こいつさえいなくなれば、姫も望まない結婚をしないですむ」
181: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:38:39 ID:O7FQb6/AP6
王子「…馬鹿だな、お前は。目先のことしか考えてないのか?僕をやっつけたら、自分が姫と結婚できるとでも思ってるのか」
ロイ「あんたに渡すよりマシだ」
王子「監獄行きになって、姫を守れなくなっても?」
ロイ「うるせぇ、あんたに俺の気持ちがわかるのか!姫を…姫を救うためには、これしかねぇだろ!」
姫「…ロイ……」
王子「やれやれ… すっかり僕は悪役だな」
ふわりと後退し、ロイと数メートルの間をあけると、王子は改めて剣をかまえた。
王子「来い。相手してやる」
182: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:41:49 ID:9UPngmLhlU
姫「ばっ…、馬鹿やめなさい!!王子がロイに勝てるわけないじゃない!」
王子「あれ、心配してくれてるんですか?」
姫「無意味な喧嘩はやめなさいって言ってるの!」
王子「……姫、姫がもしこいつのことを好きだったら、逢引を邪魔したことを謝ります。だけど、こいつと同じで、僕もやりたいようにやらせてもらう」
姫「…!」
ロイ「……いい度胸だ」
ダンッ!
ロイが地を蹴り、剣を抜いて王子に突撃した。
183: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:42:29 ID:6ATZQoPsn.
王子カッケーwww
これが漫画じゃなくて良かった
つC
184: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:45:09 ID:53ZNTmD6fY
王子かっこいいよ!!けど格好は"ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレス"の美少女www
つCCCCC
185: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:45:46 ID:O2iLUoTt4M
カキィンッ!
勢いよく振り下ろされた剣を受けとめた。
グググッ、とお互いに剣で押し合い、均衡する。
ロイ「……そんな細い腕でどこまで耐えられるのか」
腕力はもちろんロイが上だ。
徐々に王子の剣が後退させられていく。
王子「……っ」
ガキィッ!
力をこめて剣を振り払う。
ロイ「───お、」
次の瞬間、ロイの目の前でピンクのドレスが舞った。
ロイ「──!?」
肩に重みがくる。
なんと、王子はロイの肩に手を置き土台にして宙返りしていた。
ロイ(背後…!!)
186: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:50:41 ID:x7UqZMWZxI
タン、と王子が着地する音がする。
ロイが振り向くと同時に、背後から剣撃がやってきた。
ロイ「ぐっ…!」
ガキィンッ!
ギリギリで剣撃を受けとめる。
だが、焦って振り向いたためか下半身の体勢が悪い。
王子は即座にロイの足の間に自分の足を滑り込ませ、なぎ払った。
ロイ(やべぇっ…)
尻もちをつけば斬られる。
ロイは剣をおさめていた鞘を腰から抜くと、転ぶ瞬間に王子のみぞおちを突いて跳ねとばした。
187: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 22:01:32 ID:Z/5gMg0gNA
自国との関係が険悪な隣国の
王子を私的な感情で殺そうとするとは…
殺したその後に隣国の報復が
待っていることもわからんのか?
自分が死ぬだけでなく、
国が滅ぶかも知れんのだぞ?
下手したら姫も死ぬ。
しかもロイは自国が隣国と比べて
弱小だということを理解している。
その上でのこの行動…
どうやらこのロイという男は
近衛隊長でありながら
自分のことしか考えられないようだ。
『姫と一緒になりたい』という欲望で
頭がいっぱいなんだろうな。
目先のことしか考えられない愚か者めが
もうロイは絶対許さん
イケメンでも許さん
むしろイケメンだから許さん
イケメンで背高いとかマジ許せんわ
イケメンはこの世から消滅しろ
ちくしょう…
188: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 22:04:55 ID:58wuFueqRM
>>187
涙拭けよ
そして1には支援を
189: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 22:22:08 ID:aqlShdSPd2
王子「がっ…」
思わぬ衝撃に軽量の王子は跳ねとばされ、中庭の噴水に激突した。
同時にロイも尻もちをつく。
姫「お、王子…!」
ロイ(信じらんねー… なんつー身のこなししやがる)
ただでさえドレスを着ていて動きが制限されているはずなのに、動きが常人とは思えない。
ロイ「……!?」
噴水のそばから王子の姿が消えていた。
王子「──こっちだ」
中庭の芝生を駆け抜ける音がして、左に人影が現れる。
ザシュッッ!
ロイ「っ…!!」
瞬間的に身を引いたが、左腕に刃が擦った。鮮血が流れる。
姫「ちょっ…!」
190: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 22:28:26 ID:lKxfnCS9Cc
よろめきはしたが、ロイは足を踏みしめて平衡を保つ。
ロイ「この野郎っ…!」
負けじと剣を振るが、王子には当たらない──が、
王子「……!?」
剣で応戦している間に、いつのまにかロイが王子のドレスの裾を踏みつけていた。
王子「やばっ……」
ロイ「!」
言うまでもなく王子はバランスを崩し、足をもつらせた。
ドサッと尻もちをつく。
ロイ「──へっ、女装趣味が裏目に出たな」
ロイは王子に向かって剣を振り下ろした。
191: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:05:29 ID:fpQqmiv8kI
姫「───やめてっ!!」
ロイ「!?」
剣を振り下ろす瞬間、姫が二人の間に割って入り、王子の前で両手を広げた。
ロイ「姫…!?」
姫「ロイ、これ以上はダメ!王子が死んだらどうするの?監獄行きどころじゃないわよ!!」
ロイ「……んなこと、わかってます。わかって、自分で決意した上で行動してるんです」
姫「だからって…!」
王子「……姫、どいてください」
姫「王子!?」
王子「こいつは、目先のことしか見えてない。自分が国を守る近衛隊長だってことも忘れて… 本当に、馬鹿だ」
192: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 23:07:20 ID:IA53ORRaRc
それでも私はロイが好きだ
っC
193: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:08:17 ID:j3r3Hvi5Xw
ロイ「うるせぇ… 俺は、姫が悲しい思いをするのが嫌なだけだ。自分の身なんて知らねぇ、死刑にされたってかまわねぇ」
王子「……僕が、姫を幸せにするって誓っても?」
ロイ「あ?」
王子「お前は僕が女みたいで弱そうで、姫を守れないと思ったから僕と姫の結婚を認めないんだろ」
王子「…生憎、僕はお前が思っているほど弱くはない」
姫「王子…」
194: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:20:15 ID:h1FU9y4QR2
ロイ「はっ…はははは」
王子「?」
ロイ「まぁ確かに、あんたは弱くねぇわ…現に今の勝負、どう見ても俺が劣勢だったからな」
王子「……腕、大丈夫か」
ロイ「こんなかすり傷平気だよ。……つーか、俺もちょっと頭に血がのぼりすぎてたわ。……姫、心配かけてすんませんでした」
姫「え、」
ロイ「でも、さっき俺が姫に言ったこと、姫を好きだってことは本当ですから」
姫「…う、うん…」カアアァ
ロイ「……返事って、いつ聞かせてもらえるんでしょうか」
姫「へっ、返事!?」
王子「……」
195: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:25:56 ID:XUCcTNMehw
ロイ「……まぁ、焦んなくてもいいや。何か怖い気もするし」
姫「ロイ…」
ロイ「一晩寝て、頭冷やしてきます。それでまた、王子と喧嘩したくなったらしてもいいですか?」
姫「な…」
王子「…僕は嫌だな。さっき噴水に頭ぶつけてフラフラ」
姫「ちょっ…!あんたよく見たら額から血が出てるじゃない!」
ロイ「……」
ロイ(…バレる、よな……)
姫「ロイ、あんたも腕ケガしてるんだから早く手当てして──って、ちょっと、ロイ!?」
ロイは剣を収めると、腕をおさえながら廊下の方へ歩き出していた。──そのまま振り返ることなく、中庭から消えていった。
196: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:47:05 ID:dz7ykgEFtY
今回はここまでです。
読んでくださっている方々、支援くださっている方々、本当にありがとうございます!(*´ω`)
今回は戦闘描写のため少し地の文が多くなってしまったのですが、我慢して読んで頂けると嬉しいです!
ロイを好きだと言ってくれる方がいた…!彼の内面は>>187さんにいいところを持ってかれましたが(笑)、彼は彼なりに葛藤してるんですよね。ただ、彼は私情だけで動いているわけではなくうぼあぁああ
王子がかっこいいとのレスを見るたびにニヤニヤしてます←
つい、戦闘描写とか書いてると男の娘ってことを忘れそうになるんですよね…(笑)
197: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 00:39:54 ID:f79T6dgeUQ
戦闘時はスパイダーマンだもんなwww
198: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 02:33:59 ID:4D3STncBRg
面白かった!!
続きwktkしながら待ってる!!
つCCCCC
199: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 17:57:09 ID:d9pJJGWPZM
>>197
スパイダーマンから蜘蛛っぽさを除いた感じですねw
>>198
おおお良かったです!!
書いてからいつも不安になるんですよねw支援ありがとうございます!!
200: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 17:58:18 ID:d9pJJGWPZM
姫「ロイ… 大丈夫かしら」
王子「心配ですか?」
姫「当たり前じゃない」
王子「……さっき、二人で何してたんですか」
姫「え!?」
王子「いや、何してたのかは大体想像つきますが… 僕、邪魔しない方が良かったですかね」
姫「そっ、それは…。正直、いきなりだったから私も…なんか、軽く混乱してて」
王子「ロイって、背が高くてイケメンで、男らしいの三拍子そろってるじゃないですか。文句なしで姫のタイプだろうなって…」
姫「う、うん…」
姫「…でも正直、好きなのかわかんない。私、恋したことないから」
王子「え」
201: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:01:13 ID:KkTCZVzyVw
王子「…マジですか」
姫「ばっ、馬鹿にしないでよ!私はそう簡単に落ちる女じゃないってことなんだからね!」
王子「さっきロイに赤面しまくってたのは誰でしたっけ」
姫「し、してないわよバカ!!」
姫「…ていうか、何であんたここに来たのよ。具合が悪かったんじゃないの?あと、その恰好!それ私のスパンコールドレス!」
王子「う… これには深い訳がありまして… かくかくしかじか」
姫「……」
王子「──というわけです」
姫「あんたが小柄すぎるのがいけないんじゃない。もっと大きくなりなさい」
王子「…頑張ります」
202: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:02:22 ID:ln.l.Bu3Ho
>>199
それただのマンやww
そして200はいただいた
203: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:03:02 ID:UrTy.eU.y.
姫「……じゃ、あんたは頭の手当てをしに──」
王子「姫、」
姫「ん?」
王子「まだ舞踏会終わってないですよね。良かったら僕と踊ってくれませんか」
姫「はぁ!?」
王子「ロイとは踊ったんでしょう?」
姫「そ、そりゃあ… じゃなくて、だからまず手当てを」
王子「こんなの平気です」ゴシゴシ
姫「ゴシゴシって…」
204: 202:2011/10/22(土) 18:04:32 ID:ln.l.Bu3Ho
がーん(´;ω;`)
もう…1なんて…1なんて…!
…大好きなんだから←
205: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:04:41 ID:mLQbycA2bc
ドレスで踊るのかよw
206: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:06:13 ID:8CvlVX4ZxU
>>202
m9(^Д^)プギャー
207: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:07:08 ID:8CvlVX4ZxU
王子「舞踏会のご馳走も一口も食べてないですし。お腹ペコペコなんですよ」
姫「…じゃあ、ごはんだけ食べてこればいいじゃない」
王子「冷たいなぁ。ちゃんとエスコートしてあげますって」 スッ
王子はドレス姿のまま芝生の上にひざまずくと、姫の手をとった。
姫「…!」
王子「──姫は、僕の結婚相手なんですから」
そして、静かに手の甲に口づけた。
208: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 19:20:49 ID:zLEOvVapk6
きゃあああああ、王子大胆ww
209: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 19:39:31 ID:77CQh8L5sg
──舞踏会も終わりにさしかかった、大広間。
ワイワイ ガヤガヤ
大臣「皆さん、今宵は楽しんで頂けたでしょうか。では、次が最後の曲になります。曲は──」
王「! お、おい、大臣」
大臣「え?──ややっ!」
大広間の入り口から、華やかなドレスを着た二人の少女が入ってきた。
姫「……やだ、みんなこっち見てる」
ザワザワ
王子「きっと姫に見惚れてるんですよ」ニコニコ
大臣「……ふふ、やけに可愛い姫が二人もそろいましたね」
王「むうぅ、萌え…」
大臣「──では、最後の曲でございます。曲は、皇帝円舞曲!」
チャッ、と奏者たちが楽器を構えた。
210: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 23:14:28 ID:G55o20rWxA
紫煙紫煙
211: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 00:54:32 ID:MtDiFOHHTI
>>204
私も大好きですちゅっちゅ
>>205
女の子同士で踊るに等しい異様な光景ですw
>>207
支援ありがとうございます―!!
212: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 00:55:55 ID:TwhE4fWSAQ
────
───────
ロイ「あ―…くっそ、まさか王子があんなに強いなんて」
左腕にぐるぐると包帯を巻く。
ロイ(……)
ロイ(どーすっかな、これから)
ロイ(軽く王子にケガさせちまったからな… あいつが王にちくるとは思わねぇけど、禁固刑くらいは覚悟しといた方がいいかな)
ロイ(………ま、ぐちぐち考えても仕方ねぇか…)
ごろん、とベッドに横になる。
──すると次の瞬間、胸の奧から何かがこみあげてくるのを感じた。
ロイ「───っ!」
慌てて口元を覆う。
ロイ「ごほっ、ごほっ」
ロイ(…何だよ、風邪か…?)
無意識に手のひらを眺めた。
ロイ「───…血……?」
213: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 01:00:25 ID:4Nlnc0808U
──ダンス終了後
王子「……」パクパク
姫「……」
王子「……」パクパク
姫「……あんた、ホントにお腹すいてたんだ」
王子「あひゃりまえじゃらいれすか、ずっひょへらにとりこもってたん」
姫「あーもう、飲み込んでから喋りなさい、飲み込んでから」
王子「……」 モグモグ
姫「……ていうか、あんたダンス下手くそ」
王子「……」 ムッ モグモグ
214: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 01:02:45 ID:I94awiT9bk
王子「……」 ゴックン
王子「……まぁ僕は、ダンスとかそういう社交系よりも剣とか習う方が好きでしたから」
姫「……そうね。私、王子なんてきっと弱いんだろうなって思ってたんだけど、ロイとの勝負見てびっくりしちゃった」
王子「……」 パクパク
姫「まぁ、何だかんだいって、私も最後に王子と踊れて楽しかったわ」
王子「……」 モグモグ
姫(……なんか腹立ってきた…)
215: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 14:10:22 ID:zXkHFdJH0Q
っCCCCC
216: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 14:19:03 ID:IrfKoGehyE
ロイ(;Д;`)!?ロイ好きの私が今日もしえんしにきました
っCCC
217: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 15:07:56 ID:S8zkYjuuI.
雰囲気がすごい好きですたい!
つC
王子に
つスパイダーマンの衣装(サイズL)
218: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:10:47 ID:weA6l9wvtU
>>208
王子も一応男の子ですからね!^^
>>215
たくさん支援ありがとうございます…!力になります!
>>216
ふおぉ、いつも支援してくださるのですね!!これからもよろしくお願いします!!
>>217
王子「姫、この服どうですか?少しは男らしく見えますか?」
姫「……サイズが……」
王子「何かこれカッコいいかも…顔見えないから女だと間違われないし」 ピョンピョン
姫「ちょ、蜘蛛っぽい動きやめて。それ王子的にアウト」
219: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:12:25 ID:weA6l9wvtU
───翌日
ロイ(あー、かったりぃ)テクテク
ロイ(…姫と王子に、なんて顔して会えばいいんだか)
ロイ「……あ」
城医「おや、ロイ殿。おはようございます」ペコリ
ロイ「おはようございます」ペコリ
城医「他国視察から帰ってらしたのですね。先ほど、曼陀羅葉をお土産に戴きましたよ」
ロイ「あー、俺が偶然拾ったやつね」
城医「おかげで良い薬の研究ができそうです。ありがとうございました」
ロイ「いいよそんなの。……そうだ先生、ちっと俺の身体診てくんねーか。なんか調子悪くってよ」
220: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:14:38 ID:A/m73bWzEU
──────
姫「……」ドキドキ
王子「……」
姫「……いくわよ」ドキドキ
王子「はい」
姫「えーいっ、これでどうだ!ストレート!!」 バッ
王子「残念、フルハウス」 バラッ
姫「!?」
姫「ま、また負けた…」 ガーン
王子「僕の8連勝です」
姫「もー!なんで王子に勝てないのよっ」
221: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:16:52 ID:aw.NT1r60Y
大臣「おやおや、何をしていらっしゃるんですか」
姫「ポーカーよ」
大臣「昼間からトランプですか。今日はこんなに天気がいいんですから、外にお出かけになっては」
姫「イヤよ、またコルネオみたいな奴に会いたくないもん」
王子「あんな奴はそうそういないと思いますが…」
姫「何よ。あんたは私が勝つまでトランプやってればいいの!」
王子「……」
222: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:19:54 ID:J1gnA8ZFUc
- 城下町 -
ワイワイ ガヤガヤ
姫「……で、何で結局城下へ来てるのかしら、私たち」
王子「姫が全然勝てないからですね」
姫「ありえない!50連勝とか!あんた化け物!?」
王子「………まぁ、ネタばらししとくと」
王子は右腕の袖をまさぐると、逆さまに広げた。
バラバラバラ...
十数枚のカードが下に落ちる。
姫「……え?」
王子「イカサマです」
姫「え?」
223: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 16:39:06 ID:77CQh8L5sg
わかった!
ハヤテのごとく男の娘で
アレン・ウォーカーのように腹黒なんだなww
もはや超人じゃねーかwwwつ≡C
224: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 17:14:29 ID:YKW6x3TXVw
>>220
フルハウスとストレートじゃストレートの方が役は強かったんじゃ…
225: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 17:26:03 ID:weA6l9wvtU
>>223
た、確かにw
でもダンスは下手ですから!(笑)
支援ありがとうございます!
>>224
フルハウスの方が強いです。
ちゃんと調べたので間違いありません!
226: 224:2011/10/23(日) 17:28:51 ID:9OzucEzTfM
それは申し訳ありませんでした…
勝手な勘違いですみませんm(__)m
お詫びといってはなんですが…これを
つC
応援してます!!頑張って下さい!!
227: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 19:07:25 ID:amH5u9QIXM
CCCCC
228: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:11:30 ID:v9Rvk.Kov2
>>226
いえ、大丈夫です!
応援すごく嬉しいです!!
>>227
支援ありがとうございます!^^
229: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:12:26 ID:v9Rvk.Kov2
王子「姫ー」
姫「……」スタスタ
王子「姫ー」
姫「……」スタスタ
王子「姫、怒ってるんですか?」
姫「怒ってない!」
王子「怒ってる… 謝りますってばー」 パタパタ
姫「あ」 ピタッ
王子「? どうかしたんですか?」
姫「王子、ここ入ろ、ここ!」
230: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:14:28 ID:AhKggD5OzY
<マジックハウス>
王子「マジックハウス…?」
姫「手品を見せてくれるの。私、入ってみたかったんだ!」
王子「来たことなかったんですか?」
姫「うん。城下へ遊びに行くときはいつも普通のお店とか見てたから」
王子「へぇ…」
姫「さ、いこいこ!」
姫は王子の手を掴むと、マジックハウスの中へ入っていった。
231: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:16:43 ID:iTvQgHEoL2
男「──さぁ行きますよ、皆さん。ワン、ツー、スリー!」 バッ
ボォンッ!
男の持っていたシルクハットから小さな爆発が起こり、中からパタパタと鳩が飛び出した。
おおぉっ、と観衆が驚きの声を上げる。
\パチパチパチパチ/
姫「きゃーっ、すごいすごい!」
男「…では、次はこのスティックを花束に変えてご覧に入れましょう!」
姫「わー!」 キラキラ
王子(………ありきたりすぎ…)
232: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:20:28 ID:ScZrKHOJSw
──────城にて
ガチャ
ロイ「失礼します。──王、少しお話があるのですが」
王「ん?ロイか。なんだね、改まって」
ロイ「実は、お願いがありまして」
王「?」
ロイ「俺に隣国への視察の許可を頂きたいのです」
王「!」
大臣「な、なんですと!?」
ロイ「…俺自身、姫の結婚には納得できません。もちろん、隣国との外交上必要な結婚であることはわかっています」
ロイ「だけど、このままじゃ俺、どうしたらいいかわからないんです。姫と王子の結婚を祝福することなんてできないんです」
233: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:23:05 ID:LL3bQjTjnI
王「…ふふ、だから王子に喧嘩をふっかけたというわけか」
ロイ「!」
ロイ「…知ってたんですか」
王「いや、何も報告は受けとらん。ただ、お前の左腕の傷と、お前の姫を想う気持ちを考えれば察しはつく」
ロイ「……」
王「安心せい。何も罰は与えん。お前には散々姫の面倒を見てもらって世話になっとるし、王子も気にしてないようじゃからのう」
ロイ「…ありがとうございます」
ペコリ
大臣「……ですが、婚約パーティーまであと4日ですよ。王子が来国している最中に、隣国の視察へ行くとはなんとも…」
ロイ「隣国へは馬を飛ばして半日です。婚約パーティーまでには必ず帰ってくるつもりです」
234: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:26:40 ID:ZcWpf5xQ5g
王「隣国へ行って何がしたいんじゃ?」
ロイ「……姫と王子の政略結婚が本当に必要なのか、見てきます」
大臣「なっ…」
王「ほう」
ロイ「俺は、小さい頃からずっと姫をお守りしてきました。だから、姫のことは誰よりも大切に思っています」
ロイ「……けど、このまま王子と結婚させて、姫が幸せになれるのか俺にはわからない。そんな状態で、姫を送り出すことなんてできません」
王「……つまり、隣国へ行けば納得できる理由が見つかるかもしれないと」
ロイ「…はい」
235: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:30:25 ID:UrTy.eU.y.
王「ふむ… まぁ、お前が納得できるようにすれば良いと思うが…」
ロイ「勝手だとはわかっています。俺は…俺は、絶対に後悔したくないんです」
王「……」
ロイ「……」
王「……供はいるか?」
大臣「! 王!」
ロイ「いりません。俺一人で行きます」
王「…わかった。気をつけて行くんじゃぞ」
ロイ「はい」
王「姫と王子には内密にしておいた方がいいかのう?」
ロイ「そうしてください。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
ペコリ
236: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 21:53:42 ID:u.qZdwGW4Q
ここ数週間で一番好きなSS
支援!!
237: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 22:55:06 ID:D40Af.WWi2
コルネオ大好きな俺が支援!
小者がっ小者が足りない…もっと小者をっ…
238: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 23:34:16 ID:fpQqmiv8kI
──────
ロイ「ごほっ、ごほっ」
ロイ「……さて、行くか」
馬「ヒヒーン」
ロイ「わりぃな、相棒。他国視察から帰ってきたばっかりだってのに、また走らせることになっちまって」
馬「ヒヒーン」 ブルルッ
ロイ「はは、さんきゅー」
ロイ「…っ、ごほっ、ごほっ」
ロイ(あー… 咳うぜぇ)
─ダダダッ
ジョン「わん!わん!」
ロイ「!」
239: ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 23:36:37 ID:R93H4N5un6
ジョン「わんわん!わんわん!」
ロイ「おー、ジョン。見送りに来てくれたのか」 ナデナデ
ジョン「くぅ〜ん」 フリフリ
ロイ「全然構ってやれなくてごめんな。帰ってきたらいっぱい遊んでやるからよ」
ジョン「わぅ…」
ロイ「しけたツラすんなって。…ジョン、お前しっかり王子見張っとけよ。姫に手を出したら噛みつくんだぞ、いいか」
ジョン「わんっ!」 フリフリ
ロイ「よし、それでこそ俺の相棒だ」 ナデナデ
馬「ヒヒーン」 ブルルッ
ロイ「あ、わり。お前ら両方俺の相棒だよ」
馬とジョンの両方を撫でる。
ロイ「─……じゃあな、ジョン」
ロイは馬にまたがると、勢いよく駆け出した。
240: 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 23:47:07 ID:coZ3jnnCPA
これって死亡フラg……
241: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:18:54 ID:sBrVYo19lY
>>240のせいでそうとしか見えなくなった
1に見習ってsage支援
242: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:21:22 ID:R93H4N5un6
>>236
ま、マジですかあぁぁ!!!
もったいなきお言葉(´;ω;`)
むっちゃ嬉しいです!!
>>237
コルネオを好きなどという方がいたのか!!(笑)
小物はまだ出てきますのでご安心を(・∀・)
>>238>>239
大丈夫、ロイはまだまだ元気です
243: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:30:39 ID:UDHBDcGQ6A
───────
姫「あー!面白かった!」テクテク
王子(いや、全然…)テクテク
姫「何であの帽子からは動物が出てくるのかしら」
王子「さぁ…」
姫「魔法!?魔法なのかな!?」
王子「いや、手品ですから」
姫「じゃあ王子もやってみなさいよー」
王子「それなんて無茶振り…──って、うわっ!」 ドカッ
姫「!?」
突如、背後から走ってきた子供が王子の背中に激突した。
子供「あっ、ごめんなさい!」
王子「え、え?」
タタタッ…
子供はそのまま王子の脇を走りぬけ、颯爽と消えていった。
244: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:02 ID:tT5O.oaoYw
1、1
安価安価…!(ボソボソ
こっそり壁の中から支援
壁壁壁壁]っC
245: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:19 ID:TSKjRXSWvs
ロイ好きだよロイ
っC
246: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:44 ID:sBrVYo19lY
こっそり壁が支援
壁]つC
247: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:33:56 ID:qdMevyRfro
>>244
安価しくじってたwww
壁の中から支援ありがとう!!
>>245
私もロイ好きですイケメンなので(笑)支援ありがとうございます!!
248: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:34:56 ID:qdMevyRfro
姫「……なに、今の子供」
王子「さぁ…」
姫「迷子かしらね。6歳くらいだったけど」
王子「……あ」
姫「ん?どうしたの?」
王子「あーあー」 ガサゴソ
姫「?」
王子「……スられました」
249: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:36:56 ID:trx0HkZN.I
姫「……は?」
王子「スられましたー」 シクシク
姫「……何を」
王子「財布」
姫「えええええぇ!!!!!」
姫「あ、あんたいくら持ってたの!」
王子「5万ゼニーくらい…」
姫「はああぁ!?あんたバカ!?何でそんな大金持ち歩いてんのよ!!」
王子「だって王子ですから」
姫「あんのクソガキ…!!追いかけるわよ、王子!!」ダッ
王子「姫、もう少し言葉遣いを」
姫「うるさい!!」
250: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 02:28:36 ID:RAxY55LQB2
子供「──はぁっ、はぁっ」タタタッ
子供(……追いかけてこない、よな?) クルッ
…ズドドドドド
子供「!?」
姫「待ちなさあぁいっっ!!スリなんてして恥ずかしくないのこのチビ助があぁぁっ!!」ズドドドッ
子供「ひいいいぃっ!?」ダッ
王子「姫っ 顔、顔!」
251: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:03:40 ID:5uoDVsXYRE
姫www
っCCCCC
252: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:31:11 ID:o5tB/L3U8o
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …?!
253: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:16:24 ID:5V2pnSlcCU
子供「うわーんうわーん、誰か助けてー」 ダダダッ
姫「助けてじゃないわよこのバカ!待ちなさいって言ってるでしょ!!」 ダダダッ
子供「わーわー誘拐されるーっ!」ダダダッ
王子「姫、町の人がむちゃくちゃこっち見てますっ」 ダダダッ
町人A「やだ、あれひょっとして人さらい?」
町人B「ちょっと誰か警官呼んできてよ」 ザワザワ
姫「あーもうっっ!!被害者はこっちだっての!」
254: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:17:39 ID:BzrtlN2WkQ
子供はわめきちらしながら、ある建物の中に逃げ込んだ。
姫「!」
王子「マジックハウス…」
姫「さっきまで私たちが手品見てたところじゃない」
王子「マジシャンの子供なんですかね?」
姫「知らないわよ。とにかく、さっさと財布返してもらわないと」
スタスタ
二人は再び、マジックハウスの中へ入っていった。
255: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:19:00 ID:ZoYc6yK4vU
観客席を抜け、舞台裏の方へ歩いていく。
姫「…今は開演時間じゃないのね」
王子「3時間に一度の公演って書いてありましたから。僕たちが見終わったのが30分くらい前ですから… まだ時間がありますね」
?????「──おやおや、困りますなぁ、勝手にこんな裏の方へ入って来られては」
「!」
フッ、とカーテンの袖から一人の男が姿を現わした。
シルクハットをかぶり、洒落れた燕尾服を着ている。
王子「……さきほど、手品を披露していた方ですね」
256: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:20:20 ID:ozxwJgEqGM
男「おや… お客様でしたか。これは失礼。しかし、一体何の御用ですかな?次の開演はまだですよ」
姫「ここに子供が来たでしょ。私たち、そいつに財布を盗まれて追いかけてきたの」
男「子供…?それは、この子のことですかな」
姫「?」
すると、ヒョイッと男の後ろからさきほどの子供が顔を覗かせた。
姫「あーっ!あんた!!」
子供「ひぃっ」 ビクッ
257: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:21:51 ID:8PDjJTANHw
姫「さっさと財布を返しなさい!!」
子供「し、知らないよぉ〜」
姫「はぁ!?あんたシラ切るつもり
!?ぶん殴るわよ!」
王子「姫、落ち着いてください」
姫「王子もなんか言いなさいよ!」
男「まぁまぁ… この子は私の息子なのです。手荒な真似はおやめください」
男「…それに、うちの子が盗みなどするはずがありません」
258: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:24:27 ID:XJFj.rwXLw
姫「いや、現にしてるから!ポケットとかひっくり返してみなさいよ」
男「はいはい、お待ちくださいね」
男は気のない返事をしつつ、子供のポケットをまさぐった。
男「───お、」 スッ
王子の白い財布を取り出す。
姫「ほら、それよそれ!」
男「……」
王子「返してもらえませんかね?」
男「……いえ、これは私の財布です」
「!?」
259: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:26:02 ID:cZcmqXbLIE
姫「……今、なんて?」
男「この財布は私のものです。さきほど、おつかいのために子供に持たせたのです」
王子「いや、それ僕の名前が彫ってあるんですけど」
男「いいえ、これは私の財布です」
そう言うと、男は財布を懐に入れた。
姫「ちょっ…」
男「お引き取りください」
260: 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 23:28:38 ID:GLlX6Te9R6
王子が5万って少なめ…?
1ゼニーはだいたい何円くらいの価値なの?
261: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:28:57 ID:R93H4N5un6
姫「え、冗談でしょ?あんた自分が何言ってるかわかってる?」
男「帰ってください。これ以上は業務妨害です」
姫「はぁ!?バカじゃないの、返してくれるまで絶対帰らないからね!」
男「……どうしても帰りませんか」
姫「帰らないわよ!!」
男「やれやれ… しょうがない方ですね」 チッ
王子「─!」
男はそばの壁にあった青いボタンをポチッと押した。
───次の瞬間、
ガチャンッ!
姫「きゃっ…!?」
姫の真上から大きな檻が勢いよく落下し、姫を中に閉じ込めた。
王子「姫…!?」
262: ◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:31:35 ID:XJFj.rwXLw
>>260
あ、すみません説明不足でしたw
ここの設定では
1ゼニー=10円くらいだと思ってください。とすると、王子は50万円相当持ち歩いていたということですw
263: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:54:33 ID:ScZrKHOJSw
男「安心してください、少し落ち着いてもらおうと思っただけです」
男「一見普通の檻ですが、アレは少々特殊な作りになっていましてね。透明なバリケードがあり、かつ防音効果が施されているのです」
姫「─!─!」
男「ほら、彼女の声は何も聞こえないでしょう?あちらもこちらの会話を聞くことはできません」
王子「……何がしたいんですか、あなたは」
264: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:56:53 ID:Nr3eU51cGc
男「なぁに、どうしても帰らないとおっしゃるので、こちらが一つ提案をして差し上げようというわけですよ」
王子「提案…?」
男「そちらが『なくされた』財布のお金… もし、今日1日このマジックハウスで働いて頂ければ給料としてお支払いしてあげましょう」
王子「……なくした財布のお金を給料として払ってくれるんですか。ずいぶん奇妙な話ですね」
男「善意…、人助けのつもりで申し上げているのです。一文無しでは色々とお困りでしょう。もちろん、全額は無理ですが」
265: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:59:37 ID:6b29G1x/UY
王子「勝手ですね。金がほしけりゃ財布ごとあげますよ。それより、姫を返してくれませんか」
男「おや、意外ですな… しかし、こちらとしては是非あなたに働いて頂きたいのです」
王子「?」
男「実は、ここのところ観客が減っていましてねぇ… 何とか人気とりができないかと、可愛い女の子のアシスタントを探していたんですよ」
男「…そして、あなたは小柄でとても可愛いらしい。我々が求めていた看板娘にピッタリなのです。どうです、今日1日だけでもこのマジックハウスで働くというのは。給料も出しますし、悪い話じゃないでしょう」
266: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:07:03 ID:qtzPYBHBoM
王子「…興味ありません。さっさと姫を返してください」
男「……働かなければ、そちらのお嬢さんを解放しないといったら?」
王子「は?」
男「鍵は私が持っています。彼女をずっと閉じ込めたままにすることだってできるんですよ」
王子「……馬鹿だな。あんたの言ってることは犯罪だ」
男「事を荒立てるのはやめましょう。私はただ、あなたにマジックのお手伝いをして頂きたいだけなのですから」
王子「……」
男「ここは穏便に、お互いの利益に繋がるようにするのが得策だと思いますよ」
267: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:40:16 ID:j3r3Hvi5Xw
─────
────────楽屋
男「……フフ、ご理解感謝しますよ」
王子「…今日1日だけですからね」
男「えぇ、それだけで十分客寄せ効果があります。ところで、あなたのお名前は?」
王子「おうじです」
男「オージさんですね。遅くなりましたが、私の名前はパンドラ。ここの団長で、マジシャンです」
王子「……他に人はいるんですか」
パンドラ「いますよ。あと5人ほど。みんな今は休憩中です」
268: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:42:36 ID:dCcobmLbww
王子「ちゃんと後で姫を返してくださいね」
パンドラ「わかってますよ。約束は守ります」
パンドラ「……あ、これ、オージさんの衣装です。着てみてください」 スッ
王子「……は?」
パンドラ「きっと似合いますよ」
王子「……え、これって」
パンドラ「バニースーツですが。何かご不満でも?」
269: 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 01:46:43 ID:UrTy.eU.y.
うはっwwwwキタキタwwwwww
270: 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 01:53:16 ID:ltP/Ll0.T2
小物キタwww
271: 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 04:16:58 ID:Qkeb3Kk31s
バニー王子キター
272: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:10:24 ID:6l3aJR6yFE
>>251
支援ありがとですっ(*・∀・)ノ
>>252
( ゜Д゜)
>>269-271
やっときましたw
あともう一人だけ新キャラ出すのでよろしくです
273: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:11:35 ID:YFbsvLyf9k
〜〜〜10分後
王子「……」ちーん
パンドラ「ブラボー!ブラボー!なんて可愛いんでしょう!」パチパチ
王子「……姫に見られたら死ぬ…」
パンドラ「足も細いし線がきれいだ!ウサミミも似合ってる!やはり君を選んで良かった!」
王子「………胸がすっかすかなんですけど」
パンドラ「大丈夫、これはつるぺたにも対応できる最新のバニースーツです。ここをこうすると…」 スッ
ボンッ! 「!」
パンドラ「ほら、胸部が膨らんでカモフラージュできたでしょう」
王子「ええぇ〜…」
274: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:15:53 ID:O7FQb6/AP6
──そのとき、ガチャリと楽屋のドアが開いた。
?????「団長ぉ〜、あと15分で開演だよぉ?」ヒョイ
パンドラ「おぉ、ランちゃんじゃないですか。丁度いいところに」
入ってきたのは、髪が腰までの長さもある、中華服を着た少女だった。
パンドラ「紹介するよ。この子はマジックハウスのメンバーの一人のランちゃん。雑技担当」
王子「はぁ…」
パンドラ「ランちゃんは可愛いんだけどなかなか凶暴でねぇ。看板娘には不向きなんだよ」
ラン「ぶー」
275: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:18:54 ID:BzrtlN2WkQ
ラン「で、誰こいつ?新入り?」
パンドラ「今日1日アシスタントをやってくれることになった、オージさんだよ。バニーが似合ってるだろう?」
ラン「知らなーい。ラン、女には興味なーい」
王子「いや、僕はおと…」
パンドラ「おっ、いかんいかん!そろそろ舞台に行かなければ!」
王子「え、」
ラン「結構お客さん入ってるよー」
パンドラ「オージさん、君は私の指示に従ってやってくれれば大丈夫だからね」
王子「は、はぁ…」
276: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:29:27 ID:YGPmka0QrY
───────
ワイワイ ガヤガヤ
会場には、多くの観衆が集まっていた。
パッ、とステージにライトが照らされる。
パンドラ「─レディース・アン・ジェントルメ―ン!皆様、マジックハウスへようこそ!!」
パンドラ「これより、午後・サーカスの部の幕開けとなります!」
\パチパチパチパチ/
派手な音楽流れ、と拍手が起こった。
王子「さ、サーカスの部…?マジックショーじゃないんですか」
ラン「マジックショーは午前!午後はサーカス!そんなことも知らなかったの?おっくれってるう!」
王子「いや知らないから…」
277: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:32:09 ID:.btD106ojs
パンドラ「本日は皆様に我々の新しいメンバーを紹介します。
バニーちゃんです!」
王子「え」
前触れなく、パンドラが王子に向かってスポットを当てた。
王子「ちょ、ちょ、いきなり?」
パンドラ「さぁ、バニーちゃん出ておいで!」
王子「バニーちゃんって…」
なかなか出ていく勇気が出ずに戸惑っていると、
ラン「んもー、さっさと出ていきなさいよぉ!」 ドカッ
王子「うわっ」
ランに尻を蹴られ、王子はカーテン裏からステージへ飛び出した。
278: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:38:33 ID:YGMLEynOII
ザワザワ
バニー姿の王子を見て、観客がざわつき始める
「なにあれ、かわいー!」
「お尻にちょこんとしっぽがついてる!」
「すごぉい、ホントのウサギちゃんみたい」
「ヤバイヤバイあれヤバイよ、俺あの子で10回は抜ける」
「萌ええええええぇ!!!!!!」
「うっ…………ふぅ」
「あっ顔赤くなってる!かわゆっ」
王子「……」 カアァァ
パンドラ(むっふっふ… 予想通りの好感触だ。素晴らしい)
279: ◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:44:50 ID:.btD106ojs
パンドラ「せっかくですから、早速バニーちゃんにお手伝いしてもらいましょう!」
パンドラがパチッ、と指をならすと、大きな板が運ばれてきた。
パンドラ「さ、バニーちゃん」
王子「え?」
抵抗する間もなく、数人の男たちによってその板に括り付けられ、手足も板に取り付けられた枷によって拘束される。
つまり、垂直に立った板の上に大の字でくくりつけられているという状態になった。
ザワザワ
王子「な…何するんですか、これ」
ラン「うふふ、決まってるじゃーん」
ニヤニヤ笑いながら、ランが舞台袖から現れた。
その手には数十本のナイフが入った箱が。
王子「……あー、あー」
ラン「わかった?」
王子「まさかそれを投げるなんてベタな芸じゃないよね」
ラン「ベタじゃないよぉ、ランは
ナイフ50本投げるからね!」
王子「50本!?」
280: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 19:00:56 ID:rRV/Hw7/1Y
CCCCC
281: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:03:53 ID:KYtqs3eTIA
パンドラ「さぁ、可愛いバニーちゃんは今はりつけ状態!これからここにバニーちゃんに当てることなく50本のナイフを投げます!」
ワーワー
王子「ぜ、絶対当てるなよ!……ら、ランちゃんだっけ?」
ラン「女の子にランちゃんなんて呼ばれても嬉しくなーい。ま、すれすれで板に当てるから安心して」
ランが両手に溢れんばかりのナイフをもち、構える。
王子「そ、そうだよね、所詮芸だし──」
ヒュンッ ドスッ
王子「!」
1本のナイフが板に突き刺さった。王子の顔から数ミリの位置である。
王子「げ…」
ラン「どんどんいくよー」
ニヤリと笑って大きく振りかぶった。
282: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:06:38 ID:aqlShdSPd2
ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!
ドスドスドスドスッ!
目にもとまらぬ速さでナイフが投げられ、板に突き刺さる。
それは全て王子の身体と紙一重の位置で、頭の上、首の横、手・腰・足の回りをもらすことなく射止めていく。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!
王子(ひいいいいぃ)
ドスドスドスドスッ!
283: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 21:10:28 ID:ltP/Ll0.T2
王子泣いちゃうwwww
284: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:13:53 ID:YKW6x3TXVw
ラン「………ふぅ」
ランが投げ終えたとき、板はナイフでびっしりになり、見事に人型を描いていた。
もちろん王子には当たっていない。
\パチパチパチパチ!!/
大きな拍手が起こる。
王子「す…すごいな」
ラン「当たり前っしょお?私を誰だと思ってるのー」
ラン「…………あ」
王子「?」
ラン「1本残ってた」
285: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:16:17 ID:mP9KidIxe.
王子「………え」
もう板に刺さるところは残っていない。残っているのは──
ラン「えーい、投げちゃえ」
王子「!」
ヒュンッ
ランは振りかぶり、最後のナイフを投げた。
……だがそれは、王子の顔に向かって直線上を走っていた。
王子「────っ…」
反射的に顔を右に引く。
ドスッ!
──ナイフは王子の左頬があった位置に刺さっていた。
286: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:18:20 ID:8CvlVX4ZxU
ラン「……!」
王子「あ、危ないなぁ… 当てるつもりだっただろ、今の」
ラン「……へぇ、意外。よく避けられたね」
王子「避けなきゃ困る」
ラン「そりゃそーだけど…… ねぇ、あんたひょっとしてデキる?」
王子「は?」
ラン「強いのかって聞いてんの」
王子(……何か嫌な予感)
王子「……強くないけど」
ラン「……ふーん」
287: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:27:12 ID:ScZrKHOJSw
>>280
あばば支援ありがとうございます(´///`)
>>283
姫「王子の泣き顔、ちょっと見てみたいかも」
王子「え」
姫「ほらほら」
王子「姫がそう言うなら…」
王子「……ひっぐ、ぇ、…ぅっ-…」 シクシク
1「うっ………ふぅ」
288: ◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:47:26 ID:Nr3eU51cGc
──舞台裏、檻のなか
姫「……」 ゲシッゲシッ
姫「……」 ガションガション
姫「……」
姫「あーもうっっ!!!何で出られないのよ馬鹿!!!!」
姫「私を誰だと思ってるの!?この国の王女よ!? 無礼にもほどがあるわ!!」
防音のせいで、外の音は全く聞こえない。
姫「……私だって… 一人でこんなところにいたら…」 グスッ
姫(何やってんのよアイツ…)
姫「早く助けにきなさいよ、王子いいいぃぃっ!!!」
289: 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 23:12:23 ID:ZoYc6yK4vU
姫可愛い
しえん(*゚∀゚*)
290: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:34:47 ID:aw.NT1r60Y
>>289
支援ありがとうございます!
(*´∀`)
最近、みんな見てくれてるのかちょっぴり不安だったので嬉しいです。少し投下しますねー
291: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:38:38 ID:aw.NT1r60Y
──舞台では、ピエロが玉乗りをしたり、動物が火の輪くぐりをするなどの芸が披露されていた。
王子(僕の出番はもうないかな…芸なんて何もできないし)
ラン「ねぇ」
王子「え?」
ラン「私このあと剣技披露なんだけど、あんたって剣使える?」
王子「け、剣…?いや、ムリムリ」
ラン「うっそだぁ。さっきあんたの荷物の中に剣があるの見たもん」
王子「あれは護身用で… ていうか、知ってるなら聞くなよ」
292: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:41:22 ID:BzrtlN2WkQ
ラン「私、いっつも一人で剣振り回してるんだけどぉ、さすがに飽きてきちゃってさー」
王子「剣を振り回すと芸になるの?」
ラン「やだ、馬鹿にしてんのぉ?よくあるじゃん、カッコよく剣を回したり投げたりしてポーズ決めるやつ!あんな感じ」
王子「僕はそんな芸したことないんだけど…」
ラン「違う違う!今日の場合はあんたと私の試合を披露しようって言ってんの!」
王子「…………え」
ラン「団長にはもう許可とってあるから―」 ムフフ
王子「はやっ!」
293: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:44:26 ID:0k2PYN1fOY
パンドラ「───さぁ、空中ブランコが終わったところで、再びバニーちゃんに登場してもらいましょう!」
王子「…!」
ワーワー ワーワー
パンドラ「今度は我がメンバーの一人、ランちゃんと剣技勝負をしてくれるとのこと!楽しみですねぇ」
ラン「ね」
王子「む…無茶振りすぎるだろ。僕が剣使えなかったらどうするつもりだったんだ」
ラン「実際使えるんだからいいじゃーん。あ、言っとくけどラン強いよ?特に女相手には容赦しないから」
王子「待って、本物の剣は危ないよ。当たったらケガする」
ラン「あんたは絶対私に当てられないから大丈夫」
王子「すごい自信だな…」
294: 名無しさん@読者の声:2011/10/27(木) 19:06:13 ID:4i0OkmvnaE
とあるコラボスレから
原作のこっちも面白くてわらたwww
295: 名無しさん@読者の声:2011/10/27(木) 22:49:14 ID:yCl96nADP2
みんな可愛すぎてやばいw
イラスト描いてもいいですか…!
296: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:14:55 ID:8PDjJTANHw
>>294
ま、マジですかあぁあ!!///
ホントにもうキノとコラボとか夢みたいでした!しかもそのおかげで読者さまが増えるなんて幸せすぎてぐはあぁ(´///`)
ありがとうございます!!!
>>295
可愛いですか!!ひゃー、嬉しいです!王子でも姫でもロイでも誰でも描いてくださってかまいませんので!全裸待機しとります!!
297: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:15:43 ID:OErSI1ldIc
観客の歓声の中、剣を持った二人がステージへあがる。
王子(……まさかこんなところで剣を振るはめになるとは)
与えられた剣は王子の自前のものではなく、装飾が派手な安っぽい剣だった。
ラン「ふふふー♪」
ランは得意気に剣を弄んでいる。
王子(……かなり使い慣れてるみたいだけど…)
ラン「なぁに、深刻な顔して。ビビってんの?」 クスクス
王子「……わざと負ける理由もないか」
298: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:17:45 ID:1h9cqhfM4c
パンドラ「ランちゃん、いつでも始めてもらっていいよ」
ラン「はーい」
くるりとこちらを向き、ニコッと笑う。
ラン「……覚悟はいい?」
王子「いいよ」
ラン「それじゃ」 スッ
ランは懐から十数本のナイフを取り出した。
王子「え…ナイフ?」
ラン「てりゃっ」
ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!
王子「ちょ…!」 バッ
カンカンカンカンッ!
前触れなく投げられたナイフをバク転で避ける。
王子「け、剣勝負って言ってたのに…!」
299: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:20:31 ID:O2iLUoTt4M
ラン「──剣だけが芸だと思って?」
王子「!」
ナイフに気をとられているうちに、ランが至近距離まで間合いを詰めていた。
ガキィンッ! 王子「ぐっ…」
一気に振り下ろされた剣を受けとめる。
王子「いつのまに…」
ラン「足の速さには自信があるの」
そのままクルッ、と1回転して王子の真横に着地すると、
ラン「えーい」 ガシッ
王子「な…」
態勢を低くしたかと思うと、なんと王子の足首を掴み、思い切り引き寄せた。
王子「うわああああぁっ」
びたーん!!!
仰向けの状態で叩きつけられた。
300: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:27:35 ID:ocxqtmFaOg
ラン「………あれ?」
王子「いつつ…」
ラン「なんかショボくない、あんた?」
ラン「ごめんごめん、これくらい避けられると思ってたからさー」
王子「……」 ムッ
ラン「次からはもうちょっと手加減したげるね!」
王子「……女だと思って引け目に捉えてたのが間違いだったな…」
ラン「は?」
王子「やっぱほら、女の子相手だとやりづらいわけで」
ラン「何言ってんの、あんたも女でしょー」
王子「でももういいや。結構痛い一撃くらっちゃったし」
ラン「…人の話聞いてる?マジいみふなんだけど」
王子「…つまり…」
スッと立ち上がり、剣を持ち直す。身体のホコリを払う。
王子「──手加減してやるのは僕の方だってこと。遊んでやるから全力でかかってきなよ」
301: 295:2011/10/27(木) 23:27:41 ID:EgJaIXV9H6
快諾してくれてありがとう!
早速上げてきましたっw
少しでも支援の気持ちが伝わるといいな><
302: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:37:11 ID:kkv4gh8dE.
>>301
ありがとうございました!!
お返事はあちらでさせていただきました(*・∀・)
支援のお気持ちありがたく受け取りましたっっ!!
これからもよろしくお願いしますm(*__)m
303: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:38:47 ID:ZcWpf5xQ5g
──────
姫「……はぁ…」
姫「王子のばか… 何で来ないのよ…」
姫「……絶対ほっぺたビンタしてやる…っ!」 グスッ
──そのとき、
ガチャリ 姫「!」
突然檻の鍵があけられ、ぬっと男が顔を覗かせた。
姫「あーっ!!あんた!!」
パンドラ「ご気分はいかがですか?」
304: ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:41:17 ID:HquBRzpqmg
姫「ふざけんじゃないわよ!こんなところに閉じ込めて、訴えてやるんだから!!」
パンドラ「まぁまぁ。それに関しては申し訳ありませんでした」
パンドラ「これから出して差し上げますので、どうぞ機嫌を直してください」
姫「はぁ!?ごめんなさいで済むと思ってんの!?早く財布返しなさいよ!あと、王子!王子はどこよ!!」
パンドラ(なんと凶暴な……まだ落ち着いてないのか…)
パンドラ「…オージさんなら丁度今、舞台にいます。案内して差し上げましょう」
姫「は?」
305: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:06:55 ID:ZoYc6yK4vU
──────
ラン「……へぇ、驚いた。あんたそんな余裕ぶっこけるんだ」
王子「まぁね」
ラン「いいよ。ちょっとくらいケガしても文句いわないで──」
ラン「ねっ!!」
ダンッ、と地を蹴りランが王子に向かって駆け出す。
ガキィンッ!
先ほどと同様に、振り下ろされた剣を王子の剣が受けとめる。
───が、王子は剣を受けとめたまま微動だにしない。
ラン「……っ」
ググッ、と剣を押し込むが、全く王子の剣は揺らがない。
ラン「……これならどうだっ」
一旦身体を退き剣を構え直すと、今度は四方八方から剣撃を放った。
キンッ、キンッ、キンッ!
一辺倒な剣筋ではないはずなのに、王子は全て見切ったように受けとめる。
306: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:09:36 ID:WPw5dFjMQg
ラン(こいつ… 一歩も動いてない……っ!?)
素早く王子の背後に回るが──
ガキィンッ!
王子は前を向いたまま、腕と剣だけを後ろに回してあっさりと止める。
ラン「な…!?」
王子「……」
ラン「な…何なのよあんた…!!」
王子「…君は女だから、やっぱり腕力がないよ。ロイの剣だったらこんなふうにはいかないけど」
ラン「何ですって…!?」
王子「もういいかな、」
ガキッッ!! 「!」
均衡していたランの剣を振りさばく。
王子「──これがオモチャみたいな剣で良かった」
ニッコリと笑って、勢いよく刀身に向かって自分の剣刃を叩きつけた。
307: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:14:09 ID:1aUoG5Q0f2
───鈍い音がして、剣が空を舞った。
ラン「……!?」
カランッ、と剣が床に落ちる。
……だがその剣は、真っ二つに折れていた。
ラン「う、うそ…」
王子「まぁ、所詮サーカス用の剣だし」
そう言って、王子は自分の剣を示した。
ラン「……!」
ランの剣ほどひどくはないが、王子の剣も二つに割れている。
王子「こういうわけだから。引き分けってことにしない?」
会場に大きな歓声が上がった。
308: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:16:33 ID:.an2ZGn4Bc
ワーワー ワーワー
ラン「……冗談じゃないわ。見ず知らずの女に、私が引き分けなんてありえない」
王子「でも…」
ラン「女に負けるのだけは絶対にイヤ。許せない」
ラン「……剣なんていらない」
王子「──!」
フッ、とランの姿が消えた。
王子(左っ…)
左横からやってきたアッパーを間一髪で避ける。
王子「やめろ、これはサーカスのパフォーマンスだろ。こんなの芸じゃない」
ラン「うっさいなぁ、新入りに決定権はないよ!」
そのまま、がむしゃらにパンチや蹴りを繰り出してくる。
王子(…相当イライラしてるな…。看板娘に不向きなわけだ)
309: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 00:17:22 ID:4N/yaiYbEA
王子かっこいいよぉぉお!
王子ください!(∵*)
しかしバニーちゃん姿でやってるのか…www
萌えるな!(・∀・)
310: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 00:21:31 ID:zb75NEKtkk
CCCCC
311: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:39:40 ID:r7uU1uvmEE
王子「落ち着きなよ」
パンチを放ったランの腕をガシッ、とつかむ。
ラン「!」
次の瞬間、一気に体勢を低くしてランの足をなぎ払った。
ラン「くぅっ…」
ランは小さく声をあげたが、転ぶ瞬間に手を床について前転し、王子に向かって勢いよく跳ね、ひざ蹴りを繰り出した。
王子「っ…」 バッ
王子はそれをバク宙で避けると、そのままバク転を続けて距離をあける。
王子「しょうがないなぁ、」
ラン「!」
息をつく間もなく、今度は王子から間合いを詰めにいった。
312: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:44:51 ID:QIyxlkKpbI
ラン(速いっ…)
あっという間に王子が自分の眼前に入る。
ラン「てりゃっ」 ビュッ
正面から来た王子に拳をうつが───
ラン「!?」
王子が視界から消えていた。
「……ちょっと痛いけど我慢してね」
ドカッ!!
王子はランの上空に飛翔。右足を引き寄せ加速をつけると、ランの背中を蹴り飛ばした。
ラン「きゃぁっ」
どてっ、とランが前のめりになり、転ぶ。
王子「ちょっと君調子にのりすぎだよね」
そのまま着地すると、倒れているランに近づいた。
ラン「!? いっ、いたたたたた」
ラン「きゃーっ、痛い痛いやめてっ!」
王子「ギブ?ギブ?」
……そこにはバニー少女が中華服少女に卍固めをかますという、異様な光景が広がっていた。
313: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 01:01:55 ID:.yw9LayCwY
シュールwww
C
314: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 01:07:40 ID:3Nsg4FPNeQ
wwwwwwwww
つCCCCC
315: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:29:11 ID:jR1JaAuaqs
ワーワー ワーワー
姫「……なにこれ」
パンドラ「サーカスです」
姫「あれ誰?」
パンドラ「ランちゃんとオージさんですね」
姫「何で王子がバニーになってるの?何で王子が女の子に卍固めキめてるの?」
パンドラ「オージさんにはサーカスのお手伝いをしてもらっていたのです」
姫「……」 ダッ
パンドラ「あぁ!?お嬢さん困ります、勝手に舞台に上がられてはっ」
316: 295:2011/10/28(金) 01:38:21 ID:jo4dSKI5kg
姫頑張れ!
つCCC
コソ(性懲りもなくまた描きました…!)コソッ
317: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:40:46 ID:6l3aJR6yFE
ラン「きゃーっ、ムリムリもうムリっ」
王子「……」 ギシギシ
ラン「ぎ…ギブ!ギブアップ!わ、私の負けだよぉ!!」
王子「……ふー」 スッ
解放すると、ランはヒーヒー喘ぎながらその場に倒れこんだ。
王子「…ごめん。そんなにキツかったかな」
ラン「ち、違うもん… 悔しいだけだもん…」
ラン「女に負けるなんて、一生の恥…」 グスッ
王子「……勘違いしてるみたいだけど、僕は男だからね」
ラン「は?」
王子「僕は男」
ラン「……は?」
王子「どいつもこいつも…」 ハァ
318: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:46:09 ID:j3r3Hvi5Xw
ラン「し、信じらんない… こんな女みたいな男が存在するんだ」
王子「……」
ラン「じゃ、じゃあ私、女に負けてない…?」
王子「……何でそんなに女に負けるのを嫌がるのか知らないけど」
王子「君は十分強いよ。男の僕が言うんだから間違いない」
ラン「…よ…」
王子「よ?」
ラン「良かったああぁぁっ!!」ガシッ
王子「わっ」
いきなりランが王子に抱きついた。
ラン「私ね、小さい頃からずっと武芸を習ってたから、それに関しては人一倍自信もってたの!だから、絶対同じ女だけには負けたくなくて、」 ギュー
王子「わ、わかった、わかったから離して!」
ラン「やだ!!!」 ギュー
姫「………お〜う〜じ〜〜」
王子「!?」
319: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:50:03 ID:jxhZHLJ7ek
王子「ひ、姫…!?」
姫「……」 ゴゴゴゴゴ
王子「あの、これは違うんです、そ、その、事故で」
ラン「♪♪」 ゴロゴロ
姫「…私はずっと一人で檻の中にいたのに……」
王子「ひっ…」
姫「助けにきてくれるのずっと待ってたのに…!」
王子「ぼ、僕は姫を助けるために、」
姫「うるさーいっ!そうやって女の子と楽しく遊んでればいいのよ!!!」
バチーーンッ!!!!
会場に子気味良い音が響いた。
320: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 02:00:18 ID:QIyxlkKpbI
>>309
王子カッコいいと言ってもらえて嬉しいです!( ^ω^)
はい、王子あげます!もらっていってください!←
>>310>>313>>314
たくさんの支援ありがとうございます―!!
>>316
またまたありがとうございます!!すごく良かったです、大切にします!!良ければまた描いてくださいね(*・∀・)
このSSも半分は終わりました!
皆さんこれからもよろしくお願いしますm(*__)m
今日は強引にたくさん書いたので疲れますた…(笑)
321: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:01:18 ID:3Nsg4FPNeQ
乙!!
王子は私の嫁にほしいwww
322: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:05:57 ID:ge9IR0wMlk
乙支援
王子は叩かれてばかりですね
323: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:23:06 ID:rlDvAj2o/A
おつ
つ リポD
324: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 07:27:38 ID:2GHD9vlNoI
おつ
つバイアグラ
325: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:28:35 ID:ZUPIg.siV.
>>321
王子「ダメですよ、僕は姫と結婚するんですから」
姫「別にかまわないけど」
王子「え?」
姫「え?」
>>322
姫「私そんなに叩いてるかしら」
王子「えーと、コルネオの時に1回ビンタされてますから、全部で2回ですね」
姫「なによ、そんなに叩いてないじゃない、嘘つき!」
王子「姫、読者さんになんてことを!」
326: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:34:40 ID:aLZyixOqHw
>>323
ありがとうございます、このリポDは1がもらっていきますね!
( ^ω^)ゴクゴク
>>324
姫「なにこれ… バイアグラ?」
王子「うわああああぁっ!姫っ、それを見てはいけません!」 バッ
姫「何よ、なんかの薬?」
王子「違いますから、僕はちゃんとたちますから、使わなくても大丈夫ですからっ」 アワアワ
姫「は?」
327: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:39:22 ID:ScZrKHOJSw
- 城 -
王「うーむ…」
王「うむむむむ」
大臣「どうなされたんですか、王」
王「いや、姫と王子の結婚式をいつにしようかと思っての。婚約パーティーからどのくらい日付をあけるのが妥当かのう」
大臣「なんだ、そのようなことですか。早いなら早いほうがいいんじゃないですか?そうすれば隣国との和解も早まりますし」
王「うむ、そうだな…」
コンコン、
王「ん?」
大臣「おや」
コンコン
『城医です。実は、少々お話がありまして……』
328: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:41:02 ID:kQZsiAi4Og
王「──どうした。珍しいな、お前がわざわざ来るなんて」
城医「はい」
王「で、話というのは?」
城医「……ロイ殿のことでございます」
王「ロイ?ロイなら今隣国へ視察に行っているが…」
城医「いえ…、彼の身体のことで」
王「?」
城医「──ロイ殿は結核にかかっている恐れがあります」
329: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:43:12 ID:Tc7eTW812Y
王「け、結核じゃと…!?」
大臣「いつだか他国で流行っているというのを聞いたことがありますね」
城医「はい。私も実際の患者に出会うのは初めてでして… ロイ殿の他国視察の報告書の中に結核のことが書いてありましたので、申し上げます」
バサッ、と冊子を開く。
城医「──初期は何ともないことが多いが、症状としては数週内以上続く咳、血痰、微熱。……咳が出始めたのは最近らしいですが、血痰や微熱の症状がロイ殿にみられました」
王「なんと…」
城医「病状が進行すると、疲労感、食欲不振、体重減少などの症状が起こるそうです」
大臣「それは死に至る病なのですか?」
城医「ひどくなれば、おそらく…」
330: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:46:31 ID:pZldxr8Itg
王「ロイが… なんということだ。あいつは自覚しとるのか?」
城医「今朝、身体の調子がおかしいから診てくれと言われまして…診断結果はまだ教えていません」
城医「しかし、結核の報告書を書いたのは紛れもなく彼。感づいてはいるかもしれません…」
王「……」
大臣「……その病は、感染すると聞いたことがありますが」
城医「はい、空気感染します」
「!!」
城医「ですが、仮に感染したとしてもその中で発症するのは10人に1人以下らしいので… ロイ殿が隣国から帰ってきてから予防策をはっても間に合うかと思います」
331: ◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:50:12 ID:jxhZHLJ7ek
王「……治るんだろうな、その病は」
城医「……我が国にとって結核はまだ研究途中です。はっきり治せると断言はできません」
城医「しかし、以前結核が流行った他国では今は落ち着いている模様ですから、他国の友人に連絡をとり、治療および予防法を検討する予定です」
王「……うむ、わかった。よろしく頼むぞ。こんなところで大事な近衛隊長を失うわけにはいかん」
城医「はい」
王「……何より、あやつはまだ19じゃ。これからの幸多き未来が、失われてなるものか」
332: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 16:21:12 ID:diohQUs896
っCCCCC
333: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 18:09:27 ID:wlvWOmzt5w
ロイが…っ!
CCCCCC
334: 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 22:43:02 ID:9UPngmLhlU
うわああああああああああああマスタングうううううううううう!!!!
しえん
335: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 02:10:38 ID:iYfAOJbG8g
つCCCCCCCCCCCCC
336: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 02:12:40 ID:8CvlVX4ZxU
ロイ嫌いなんだが…
ロイ…
337: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:27:29 ID:uLRV0pSTHM
─────隣国へ向かう途中
ロイ「へっくし!!」
ロイ「あ〜、誰か噂してやがんな」
馬「ヒヒーン」 パカッパカッ
ロイ「隣国まであと4時間くれぇかな…日が暮れるまでにつきますように」
ロイ「………ん?」
商人「──おや」
338: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:29:24 ID:x7UqZMWZxI
前方から、同じく馬に乗った商人がやって来た。
後ろに多くの荷物を抱えている。
商人「兄ちゃん、珍しいね。一人でどこへ行くんだい」
ロイ「ちょっと、この向こうの国に用があってさ」
商人「ほほう。剣まで携えて、立派なこった」
商人「どうだい、何か買わないか?」
ロイ「ん―…特に欲しいものはねぇけど」
商人「そう言うなって。色々そろってるよ」 バラッ
ロイ「………あ」
商人「ん?」
ロイ「その白いやつ、」
商人「あぁ、マスクだよ。丁度いま風邪ひいててねぇ、くしゃみがとまらないんだ」
ロイ「奇遇だな、俺もだ。良かったら何枚か売ってくんねぇか」
商人「そりゃあかまわないが…、兄ちゃんのイケメンを半分隠すのはもったいないなぁ」
ロイ「はは、ちげーねぇ」
339: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:32:02 ID:ZcWpf5xQ5g
────
─────────
姫「あーっ、やっと解放された!!」テクテク
王子「厄介な目にあいましたね」
テクテク
姫「ホントよ。しばらくあのマジックハウスなんてところには近づきたくないわ」
姫「……まぁ、なんだかんだ言って結局財布返してくれたから許すけど」
王子「僕のおかげですよ。僕がサーカスに貢献して大好評だったから、パンドラさんも大喜びで…」
姫「働き損じゃない。得したのはあの男だけ」
王子「なかなか苦労しますね、僕たち」 ハハ
340: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:34:18 ID:5V2pnSlcCU
王子「……もう夕方ですね。そろそろ城に帰りましょうか」
姫「そうね、お腹すいちゃった」
姫「……」 ピタ
王子「……姫?どうかしましたか」
姫「あー…うん」
王子「まさか空腹で動けなくなったとか」
姫「バカ、違うわよ!」
王子「じゃあどうしたんですか」
姫「…その…、せっかく城下に来たのにあんまり遊べなかったなって」
王子「……」
姫「そりゃマジックショーとかは面白かったけど…」
341: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:37:05 ID:tEnRpUWvuA
王子「……なんだ、そんなことですか。だったらまた明日遊びにこればいいじゃないですか」
姫「え…」
王子「僕も姫と城下に来ると楽しいですし。明日はもっと、色んなところを見て回りましょう」
姫「う、うん…」
王子「お城にこもって姫とポーカーやってもいいですけど、姫は弱すぎて相手になりませんから」
姫「む…!ひ、一言余計なのよあんたはっ」 ブンッ
王子「おぉっと、平手打ちはもうくらいませんよ」 ヒョイッ
姫「バカ!せっかく明日も付き合ってやろうと思ったのに!」
王子「はいはい、明日もよろしくお願いしますね」 タタタッ
姫「あっ、逃げるな!」
王子「やだなぁ、帰るんですよ」
姫「っ…こら、待ちなさいって!私より先に城門に入ったら晩ご飯ぬいてやるんだからっ!」 タタタッ..
342: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:43:38 ID:tEnRpUWvuA
皆さんホントにたくさん支援ありがとうございますm(*__)m
毎日更新ができるのも皆さんの支援があってこそだと思います
(↑現金な奴だなんて言わないでください・゚(゚^O^゚)゚・ビエーッ)
たぶんまた後で更新しにきます
343: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:25:42 ID:XD5RMu2koI
ウヒョヒョ〜〜
344: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 19:45:43 ID:xYHv2yZO6M
ムヒョー
私怨シュッシュッシュッシュッ
345: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 19:46:28 ID:YepzLr4ZbA
──日が暮れました
ロイ「……」 ちーん
ロイ「あああぁくっそ!!あと1時間もありゃ隣国着くじゃねぇかよ!!野宿!?ここで野宿!?」
馬「ヒヒーン」
ロイ「もう薄暗くて前がよく見えねーし…」
まわりは人気のない荒原で、ゴツゴツとした岩が転がっている。
ロイ「……ごほっ、ごほっ」
ロイ「しゃーねぇ、どっか野宿できそうなところ探すか」 ピシッ
346: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 19:49:50 ID:ZoYc6yK4vU
──そのとき、
「きゃああああぁっ!!」
ロイ「!」
突如、右前方の岩陰から悲鳴が聞こえた。
「へへ、おとなしくしなよ姉ちゃあん」
「そうだよ、こんな時間にこんなとこほっつき歩いて、誘ってんだろ?」
「ち、違いますっ!離してくださいっ」
「じゃあせめて金になるもんくれよォ。こちとらお前ら貧民のために働いてやってんだぞ」
「んん?その籠の中には何が入ってんだぁ?」
「お金になるものはありませんっ!さ、触らないで!」
「ケケケ、金がねぇならやっぱ身体だよなぁ」
ロイ「……またなんつーベタな」
馬「ヒヒーン」 パカッパカッ
ロイ「…ちぇ、めんどくせー」
347: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 19:52:59 ID:J4YZkVOK3.
少女「やめてくださいっ!早く帰りたいんですっ」
野盗1「強情な姉ちゃんだなぁ〜、もうちっとおとなしくしてくれや」 グイグイ
ロイ「──おい」
野盗2「あ?」
野盗1「誰だてめぇ」
ロイ「誰だっていいだろ。その女嫌がってんだから離してやれよ」
野盗2「あぁ?部外者が偉そうに口出してんじゃねーよ!」
野盗1「そうやってお前がこの女奪うつもりなんだろ!」
ロイ「一緒にすんじゃねーよカスが」
348: ◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 19:57:34 ID:QjCfpQIpGQ
少女「たっ、助けてください!お願いします!」
ロイ「んー、任せrごほっ、ごほっ」
ロイ「…あーかっちょわりー」
野盗1「……なんだこいつは。舐めとんのか?」
野盗2「これ以上邪魔するなら斬るぞ!」
ロイ「……斬られんのはてめぇらの方だ」
シャキンッ、と音がして剣が抜かれた
野盗「…!」
ロイ「わりぃが俺手加減できねーんだわ。やるなら殺すぜ」
349: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 20:49:29 ID:sa8/N5OhZE
まじロイがイケメンすぎてつらい
っCCC
350: 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 20:59:06 ID:fUYLiEF9Jk
でもロイ嫌いなんだ…
351: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 00:25:47 ID:uy.tVMa1xI
ロイ好きだぁぁ
でも王子も好きだぁぁ
決められないぃぃ決めなくていいいかぁぁぁ
352: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 11:00:35 ID:lt5aHmjKwg
俺はランちゃんが好きだわ
353: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 13:20:26 ID:9OzucEzTfM
SSランキング2位おめでとうございます(*゚∀゚*)!!
しえんしえん!!!
354: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 15:31:09 ID:m9.Gjc1SlI
っCCCCC
355: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 16:00:04 ID:QDabvY9nTk
つC
356: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 17:57:09 ID:kkv4gh8dE.
( ゚Д゚)…
( ゚Д゚)2位…!!!
あばばば皆さんありがとうございます!!(´///`)
何だかすごい光栄なものを戴いてしまいました!2位って…!
支援&投票してくださった方々本当にありがとうございます!!
責任もって完結まで頑張らせていただきます( ^ω^)ノシ
お一人お一人にレスできなくてすみません
コメや支援もらえるたびに超ハイテンションになってます!!
嬉しいなぁ嬉しいなぁ
皆さん大好きちゅっちゅ←
ていうか、ランちゃん好きな人いたwwびっくりwww
更新は夜になるかと思います
なんとか毎日更新は続けたいな!
357: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:04:44 ID:BzrtlN2WkQ
──バタッ、と地面に二人の野盗が倒れた。
少女「…!」
野盗1「がっ、がはっ…」
野盗2「な…何なんだてめぇ…」
ロイ「…前言通りてめぇらを殺すけど、文句はねーよな?」 チャキッ
野盗2「ひぃっ」
野盗1「ま、待ってくれ!俺らが悪かった!もうしねぇ、もうしねぇから助けてくれ!」
ロイ「じゃ、今すぐ目の前から失せろ。てめぇらみたいな根性腐った野郎を見てると腹立つわ」
358: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:07:01 ID:RAxY55LQB2
─────
少女「──あ、ありがとうございましたっ!」 ペコッ
ロイ「おう。つーかあんた、こんなところで何やってたんだ」
少女「は、はい… 実は」
少女はトコトコとある岩のそばへ歩いていくと、地面と岩の間の隙間を指さした。
少女「ここ、ここ見てください」
ロイ「……?」
ロイ「………あ」
子猫「……」 ジー
なんとその隙間に、小さな子猫がすっぽりと入っていた。
少女「数日前に見つけたんです。人間を警戒してるのか、全然出てこなくって」
359: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:09:48 ID:dz7ykgEFtY
ロイ「また変なところに入りこんだな… 出られないわけじゃなくて?」
少女「はい。たぶん怖がってるんだと思います」
子猫「……」 ジー
ロイ「てことは、あんたはこの猫の様子を見に来てたってことか」
少女「はい」
ロイ「その籠は?」
少女「エサです。さすがに何か食べさせないと死んじゃうので…」
360: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:11:55 ID:6l3aJR6yFE
ロイ「ふーん」
少女「ホント、困っちゃってて…なんとか助けてあげたいんですけど」
ロイ「……あー、俺いけるかも」
少女「え?」
ロイ「俺、結構動物に好かれるタイプだから」
馬「ヒヒーン」 ブルルッブルルッ
ロイはゆっくりと隙間へ手を伸ばして、子猫の頬に触れた。
ロイ「…にゃー」
子猫「……」 ジー
ロイ「にゃー」
子猫「……」 ジー
ロイ「にゃー」
子猫「……」 ジー
ロイ「にゃー」
子猫「……ニャ」
ロイ「にゃ」 ナデナデ
子猫「ニャ」
少女「……!」
361: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:14:25 ID:XJFj.rwXLw
そのままゴロゴロと撫でてやると、子猫はくすぐったそうに目を細めた。
ロイ「ほら、こんな狭いとこにいないで出てこい」 ナデナデ
子猫「…ニャー」
子猫がロイの手に乗っかるようにしてしがみつく。
少女「あ…!」
ロイが手を引くと、子猫は一緒に外へ引きだされ、そのまま地面におりたった。
少女「す、すごい…」
ロイ「別に大したことしてねぇけど。……あー、にゃーにゃー言うの恥ずかしかった」
362: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:18:27 ID:fUYLiEF9Jk
少女「ありがとうございましたっっ!!もうホントに何てお礼を言ったらいいのか」
ギューッ、と子猫を抱き締める。
少女「この子は責任もって私が育てますね!」
ロイ「あぁ、頼むわ。俺はもう行くから」
身体のホコリをはらってから、あぶみを踏んで馬にまたがる。
少女「行くって、どちらへ…?もう真っ暗ですよ」
ロイ「人の心配はいいからあんたは気をつけて家帰りな」
少女「そんな、これから馬を走らせるのは危ないですよ!道に迷うかもしれませんし」
ロイ「ほっとけ。あんたにゃ関係ねぇ」
馬「ヒヒーン」
363: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:20:44 ID:Burp/6qM.k
少女「そっ、そうだ!良かったらウチへ泊まっていってください!」
ロイ「はぁ?」
少女「お礼に夕飯ご馳走しますし!お願いしますっ」 ペコッ
ロイ「いいよそんなの。そういうつもりで助けたわけじゃねーし」
少女「じゃ、じゃあ、私を家まで送ってくださいっ!また襲われるかもしれないので!」
ロイ「え〜…」
364: ◆qoozyz1NgY:2011/10/30(日) 21:27:53 ID:C.YeTEqF1I
ロイ(……でもまぁ、野宿よりはマシかな…)
少女「と、どうですか?」 ドキドキ
ロイ「んじゃ、お言葉に甘えるわ。よろしく頼む」
少女「ホントですか!!」 パアァッ
少女「わ、私クレアって言います!良かったらお名前教えてくださいっ」
ロイ「…ロイ」
クレア「ロイさんですね!今夜は腕を振るって夕飯作ります!カレーとシチューどっちがいいですか?」
ロイ「どっちでもいいよ」
クレア「じゃあカレーにしますっ!辛口中辛甘口どれがいいですか?」
ロイ「いやだから何でもいいって」
365: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 21:36:47 ID:vIWFqtbwWQ
ロイは姫以外の女の子に対してはツンデレなのかwww
っCCCCC
366: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 21:59:26 ID:cx7dQjLYV6
やっぱりロイ嫌いだ…いたいけな少女に…
367: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 22:09:49 ID:K9qNJO3ZaM
ロイ嫌いだ
モテやがって
増田ングめ
368: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 22:13:37 ID:Ur8zpOk9GY
いやむしろロイ好きになったぞ
素っ気ないイケメンとかhshs
369: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 22:22:02 ID:wnLpg.lGXw
イケメンだからだよ
くそっ
支援
370: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 22:29:06 ID:UaQSp.O2dE
ロイは姫至上主義だからなぁ
(*´∀`)
371: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 22:29:44 ID:V0WOOxQzfs
クレアたんかわいいよクレアたん
つCCCCCCCC
372: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 23:09:33 ID:Kocpl1EPM2
私は登場したときからロイが好きだったんだぞ(;Д;`)!!
だからロイは私と結婚するんだ(;Д;`)!!
っCCC
373: 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 23:50:16 ID:OPjjzsSZjw
>>372落ち着けよwww
君にはロイをあげるからクレアは俺がもらう。異論は認めない
つC
374: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 00:25:41 ID:LHj7VdGG5Q
>>372-373
その二人なら今俺の両脇で寝てるよ
私怨シュッシュッシュッシュッ
375: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 01:03:56 ID:53ZNTmD6fY
イケメンはぜろ( ^ω^)
C
376: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 01:17:42 ID:3Nsg4FPNeQ
いつも更新楽しみにしていますw
つCCC
377: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:00:43 ID:h6Fzqp8fVM
コメント見て笑ってしまたww
ロイには賛否両論ですね( ^ω^)
支援ありがとうございます!!
むちゃくちゃ励みになります
あ、ちょっと簡単に今までのをまとめてみますた
ちょっと分けにくいのもありますが、良ければどうぞ!*^^
●コルネオ編 >>1-109
●vsロイ編 >>110-209
●マジックハウス編 >>212-341
378: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:02:59 ID:h6Fzqp8fVM
──10分ほど馬を進めると、閑散とした荒原にぽつんと立つ小屋に辿り着いた。
クレア「ここが私の家です!」
ロイ「え、ここ?」
クレア「はい!」
ロイ「こんな辺境の地によく…」
クレア「全然人が通らないところですから、意外にのびのびできて快適ですよ!」
ロイ「…まさか独り暮らし?」
クレア「はいっ」
ロイ「はいって…」
クレア「色々事情があったんです。ささっ、遠慮なくどうぞ!」
ガチャリと家のドアを開けた。
379: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:05:10 ID:cqzjf8u.V6
─────
クレア「じゃじゃーん!クレア特製中辛カレーライスが完成しました!」
ドンッ、とテーブルに作りたてホカホカのカレーライスが置かれた。
ロイ「…中辛にしたんだ」
クレア「真ん中は一番無難ですからね!」
ロイ「ふーん」
クレア「ロイさんは私の恩人ですから、遠慮なくどんどん食べてください!おかわりもありますっ」
ロイ「さんきゅー。んじゃ、いただきます」 ペコ
380: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:08:20 ID:8CvlVX4ZxU
ロイ「……」 パクパク
クレア「……」 ドキドキ
ロイ「……」 モグモグ
クレア「ど…どうですかっ?」
ロイ「………うまい」
クレア「ホントですかあぁ!!」
ガタンッ、と音を立ててクレアが椅子から立ち上がる。
ロイ「うん。あんた料理できるんだな」
クレア「こ、光栄です!!良かった〜、ロイさんのお口に合わなかったらどうしようかと」
ロイ「……」
ロイ(……そういや姫の手料理って食べたことないなぁ) パクパク
ロイ(まぁ、姫は箱入り娘だし…あーでも、姫が一生懸命作った料理なら何でも食えそう) モグモグ
ロイ(姫… 今頃なにしてるのかな…) ショボーン
クレア「…あの、ロイさん?」
ロイ「え?」
クレア「聞いてました?私の話」
ロイ「いや全然」
381: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:12:16 ID:I.ZpwUjV3w
クレア「んもーっ、ちゃんと聞いててくださいよぉ」
ロイ「わり。何の話だっけ」
クレア「ロイさんはどこへ行こうとしてるんですか?」
ロイ「……隣国」
クレア「隣国!もう目の前じゃないですか」
ロイ「しゃーねぇだろ、日が暮れちまったんだから」
クレア「でもそのおかげでロイさんに助けてもらったんですから、感謝しないといけませんね」 クスクス
ロイ「……ごちそうさん」
カチャリとスプーンを皿の上に置いた。
382: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:18:51 ID:hDHpJ5nbX.
クレア「あれ、もういいんですか?」
ロイ「あぁ。うまかったよ、ありがとう」
クレア「ひゃーっ!また褒められちゃった!」
ロイ(変なやつ…)
クレア「…そういえば、どうして隣国へ行こうとしてるんですか?面白いものなんてないと思いますけど」
ロイ「それは──」
次の瞬間。
突然胸に圧迫されるような重みがかかり、何かがこみあげてきた。
ロイ「──っ!」
慌てて口を覆う。
ロイ「ごほっ、ごほっ、ごほっ」
クレア「ロイさん!?」
383: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:22:19 ID:Sxz12VfY0s
ロイ「っ、ごほっ、ごほっ、ごほっ…」
苦しそうに顔を歪める。
慌ててクレアがロイに駆け寄った。
ロイ「ごほっ、ごほっ」
クレア「ろ、ロイさん大丈夫ですか!」
背中に手をあて、さする。
ロイ「近づくな…」 ゴホッゴホッ
クレア「咳、止まりませんか!?何か喉につまったでしょうか、それとも──」
ロイ「近づくなっつってんだろ!!!!」
クレア「っ!」 ビクッ
384: ◆qoozyz1NgY:2011/10/31(月) 21:47:58 ID:1aUoG5Q0f2
ロイ「……」 ハァ、ハァ
クレア「……」
ロイ「………わりぃ」
クレア「! いっ、いえ!こちらこそ勝手なことしてごめんなさいっ…」
ロイ「……」
額の汗をぬぐう。
血のついた手のひらを、クレアから見えないようにハンカチで拭いた。
クレア「…すみません…。私、ちょっと馴々しくしすぎましたよね」
ロイ「……風邪、うつしたくねぇから」
クレア「え?」
ロイ「今度咳したくなったら外に行くわ」
クレア「えぇ!?」
385: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:34:20 ID:T/2e1zFibk
ロイは死んでほしくないぃ
386: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:38:39 ID:O2iLUoTt4M
いやロイはしななきゃ駄目だ!!!!
しんで王子にあやまらなきゃ…
387: 名無しさん@読者の声:2011/10/31(月) 23:39:50 ID:6iDiLHT5wA
ロイがしんだって王子は喜ばないよ(`;ω;´)!そして私は泣く(`;ω;´)!
388: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:05:17 ID:abfFXIg/oE
ロイはもう王子とくっつけばいい
389: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:13:20 ID:9OlYbe6a82
クレアたん可愛い俺の嫁
390: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:13:57 ID:OxfdlXW7XU
>>388
そ れ だ !
391: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:15:17 ID:/h1J5f9sxg
>>388
奇才現る
392: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 00:44:24 ID:emIXT3i.Lo
>>388
アッー
393: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 01:00:14 ID:Cd/PMBqUCQ
イク〜!
394: 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 20:53:56 ID:rlABdhtnEw
支援あげ
395: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:51:01 ID:GUEAzaQzlA
少し補足
姫の国→本国
王子の国→隣国と表記します
隣国の人でも自分の国を「隣国」と呼ぶのでご注意を
396: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:53:08 ID:NA5BbxDVyU
クレア「…もし、具合悪かったら言ってくださいね。風邪薬くらいはありますから」
ロイ「…あぁ」
クレア「……」
クレア「──隣国へは、行かないほうがいいですよ」
ロイ「は…?」
クレア「私はその隣国から逃げてきたんですから」
ロイ「!」
クレア「……」
ロイ「……隣国について、知ってることを教えてほしいんだけど」
クレア「知らないのに隣国へ行こうとしてたんですか?」
ロイ「外面なら知ってるさ。けど…俺にも事情がある」
クレア「……」
クレア「…わかりました。私の知ってる範囲で、お話します」
397: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:56:40 ID:QFizjqWWJ6
───城(夜)、姫の部屋
姫「──そういえば、ロイの姿を見ないわね」
侍女「はい、そうですね… どこかへお出かけになっているようですけど」
姫「あら、そうなの?」
侍女「婚約パーティーまでにはお帰りになられるそうですよ」
姫「な〜んだ…せっかく他国視察から帰ってきてくれたのに。近衛隊長も暇じゃないのね…」
侍女「…さ、寝台の準備が終わりましたよ」 パッパッ
姫「ん、ありがと」
コンコン
姫「?」
侍女「誰か来ましたかね」
コンコン、
『王子です。姫、ちょっといいですか?』
398: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:58:01 ID:Ix/8/HR8zU
姫「……夜にレディの部屋に来るなんて、あんたも大胆なことするじゃないの」
王子「え! いやいや、違いますよ、そんなつもりは微塵も」
姫「じゃあ何の用よ」
王子「暇だったので。トランプやりませんか?」
ニコッと笑って、得意気にトランプを取り出す。
姫「……それだけのために来たの?」
王子「はい。あ、ポーカーじゃなくてもいいですよ。ババ抜きでも七並べでも」
姫「やだ。負けるの目に見えてるもん」
王子「えー」
姫「……」
王子「…? どうかしましたか、急に難しい顔して」
姫「……思い出した。王子、あんたにずっと聞きたいことがあったの」
399: ◆qoozyz1NgY:2011/11/1(火) 23:59:34 ID:HUyNmpQ.3E
王子「聞きたいこと…?」
姫「政略結婚のこと。私はずっと嫌だ嫌だ言ってたけど、あんたの意見を何も聞いてない」
王子「……」
姫「王子はどういうつもりで私との結婚を承諾したの?やっぱり国のため?」
王子「……そうですね。国のため、といえば国のためです」
姫「この国との戦争を避けるため?」
王子「…それは、隣国にはあてはまりません」
姫「?」
400: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:02:19 ID:NHcPp6t4no
姫「どういうこと?隣国との不和の原因は国境争いで、その衝突を避けるための政略結婚なんじゃないの」
王子「姫は本当に何も知らないんですね」
姫「む。しょ、しょうがないじゃない!外交とかお父様に任せきりで、全然興味なかったし」
王子「…確かに簡単に言えば国境争いですが、国境を変えようと積極的に働きかけているのは隣国です」
王子「一方この国は保守的で、国境を広げようとも狭めようともしていません」
姫「……じゃあ、不和の原因は隣国だってこと?」
王子「はい」
401: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:03:54 ID:YvuzyYVhZU
クレア「──隣国は、資源的に貧しい国です。木や草がなく、土地は枯れ、満足に作物を収穫することができません」
クレア「ですから、国民が懸命に働いても食料が賄いきれないのです。飢餓で亡くなる人も少なくありません」
ロイ「…確かにな。俺もここまで走ってきてわかったが、隣国へ近くなるほど土地が痩せてきている」
クレア「はい。…ですが、王はそのような国民の事情をわかっていてもなお、重い税を課してきます。自分たちの、裕福のために」
402: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:06:06 ID:M97GWVJjkM
王子「……僕の父さんは、冷酷な人です。そして、二人の兄さんも」
王子「土地が痩せているのは国民が手入れを怠けているからだと。米の収穫が悪いのは、苗を作っている農家が悪いからだと言うんです」
姫「…隣国が悪政だというのは聞いたことがあるけど…、土地のことは知らなかったわ…」
王子「はい。けど、やはり獲れないものは獲れませんから。父さんも、やっとそれに気づいたみたいで… 資源豊かなこの国に、目をつけたんです」
姫「!」
403: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:08:05 ID:qWiM/K5756
王子「父さんは、この国の王に国境を変えるよう要請しました。この国は自然豊かで、食べ物にもさほど困っていませんから、その肥沃な大地を欲しいと思ったんでしょう」
王子「ですが、この国の王はそれを断りました」
姫「お父様が…?」
王子「僕の父のような暴君に、土地を分け与えるのは良くないと判断したんでしょう」
王子「しかし、それでも父は土地を分譲するよう迫りました。それが、本国と隣国の不和です」
404: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:10:25 ID:x4x9i9Nzlc
ロイ「──つーかよ、そんなに悪政ならなんで内乱が起こらないんだ。国民が団結して王を倒せばいいだろ」
クレア「内乱は何度も起こりました。…ですが、城の軍事力がとても強いのです。起こす度に鎮圧されました」
ロイ「…マジか」
クレア「特に3人の王子は、とても武力に長けているのです。一度か農民軍がかなり有利に内乱を進めたことがあったのですが、そのときは直々に出陣した王子によって、壊滅せしめられました」
ロイ「…!」
クレア「国から逃げようとすれば、門番に殺されます。…まぁ、私はちょっと特殊な方法で逃げることができたんですけどね」
405: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:12:37 ID:8C0o4sgn8A
王子「──僕には、何もできなかった。僕は第3王子で、地位も兄さんたちより低いから、権力なんて思ったほどないんです」
王子「でも、この国の王が、隣国との和解のために、僕と姫との結婚を提案してくれました。……僕にもやっと、祖国のためにできることが生まれたんです」
姫「え、でもそれじゃ──」
王子「僕たちの結婚によって、隣国が本国の土地を求めないこと、本国が隣国に相当量の穀物を分け与えることが約束されています」
姫「…!」
406: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 00:17:33 ID:svXBI68Hng
姫「……じゃあ王子は、本当に、『政略結婚』するつもりなんだ」
王子「…僕も、はじめはそのつもりでした」
姫「はじめ…?」
王子「今は、姫と結婚したいと心から思っています」
姫「っ…!」
王子「これ以上国民が重税や飢餓に苦しむところをみたくない…。でも、戦争はもっと嫌だ…
……僕にできることは、これが全てなんです」
姫「……王子」
王子「姫の気持ちはわかります。でも…でも、どうか、わかってください」
姫「─……王子、あんた泣いてるの?」
王子「え?」
──はらりと、王子の頬に一筋の涙がつたった。
407: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 02:02:21 ID:xhfzhuhFdc
王子タンセツナス(・ω・`)
やっぱ良い子!
そしてロイははやくしんじゃえ!!プンプン
408: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 02:25:38 ID:56UEjhngyc
>>407かわいく言っても「しんじゃえ」はねーよ
409: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 04:16:10 ID:r517UsUXT6
>>408
はげど
410: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 05:05:38 ID:a/d3N7/7Ow
しななきゃ物語りは始まらんですたい!
411: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 07:22:22 ID:56UEjhngyc
>>410
そりゃねえわ
しななきゃ始まらない物語とかふざけるな
物語の登場人物だからって簡単に殺していいわけじゃねぇんだ
しねとか簡単に言うの
やめてくれ
412: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 09:59:09 ID:fLSctY7Zi.
>>407>>410
読者さまには自由にコメントして頂いて全く構わないのですが、他の読者さまが不愉快に感じたりするレスはできるだけ控えて頂けたらと思います。
申し訳ありませんm(*__)m
413: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 12:44:12 ID:MIZQN488hg
これまでいい感じで読んでたのに…
414: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 15:39:50 ID:9T2uppugkA
┌────────┐
│ │
│ /■~\ │
│ (´∀`∩) │
│ (つ 丿 │
│ ( ヽノ │
│ し(_) │
│ │
│Now Onigiring...│
│ │
│ 暫くおにぎりで │
│ お待ちください │
└────────┘
`∧_∧ そのまま
( ・∀・) マターリで
( つ つ お待ち下さい
>>1にはCCCCCCCCCCCCCCCCCC
415: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 21:02:10 ID:qt.iPt1kok
バババババババババババババババババンバンバンバンバンバンバン
、
(∩ ・ω・)
/ ミつ/ ̄支 ̄/
 ̄ ̄\/_援_/
王子ッ王子ッ
きゅんきゅんっ!
バババババババババババンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
416: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 21:05:23 ID:rVwgDI2mjg
うあああああズレたあああ
うそおぉぉぉぉ…
(´;ω;`)つC
CC CC
CCCCCCCC
CCCCCCC
CCCCCC
CCCC
CC
C
417: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:34:20 ID:hwWDAEBxtk
>>414-416
支援ありがとうございます!!
おかげで今日も更新ができそうです( ^ω^)ノシ
418: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:36:03 ID:hwWDAEBxtk
ロイ「……なるほどな。王子が政略結婚に積極的になるわけだ」
クレア「……王子?」
ロイ「あんたは隣国から逃げてきたから知らないんだな。隣国の王子と、本国の姫が結婚するんだよ」
クレア「そっ、そうなんですか!?それは知らなかったです…」
ロイ「俺は認めてないけどな」
ロイ「……それに、あんたの話によれば王子が農民軍を鎮圧したんだろ?なおさらアイツを信用できなくなったぜ」
クレア「…あの、ロイさんは一体…?」
ロイ「あ?」
クレア「何だか王子と知り合いのようなので…」
419: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:37:49 ID:LSTUsvET3o
ロイ「あー、俺はあれ、近衛隊長だから。本国の」
クレア「え?」
ロイ「本国の近衛隊長」
クレア「えっ…ええぇ!?」
ロイ「俺は姫と王子の結婚が納得いかないから、隣国へ行こうとしてんだよ。もしかしたら結婚しなくて済む理由が見つかるかもしれないと思って」
クレア「……そうだったんですか」
クレア「く、詳しい事情も知らずに色々勝手なことしてごめんなさい」 ペコリ
420: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:39:18 ID:eaK745q2DQ
ロイ「いや、あんたには感謝してるよ。夕飯もご馳走になったし、隣国のことも教えてもらったし」
クレア「い、いえ…」
ロイ「俺は明日の早朝に発つ。朝飯はいらねぇし、あんたは寝てていいからな」
クレア「え! あ、朝ご飯くらい作りますよ!」
ロイ「いいって。あ、俺そこのソファーで寝ていい?」
クレア「ま、待ってください、その前にお風呂をっ…」 バッ
ドテー-ン!!!
ロイ「……なにコケてんの」
クレア「あはは…」
421: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:42:38 ID:JfGY8W0o7c
ロイ「─…さて、風呂にも入ったし。寝るか」
剣を傍に立て掛けて、ソファーに座る。
ロイ(……明日の午前中には隣国に到着するけど、滞在はできて1日だな。じゃないと婚約パーティーに間に合わねぇ)
─そのときだった。
『きゃーっ!!』
ロイ「!?」
突如風呂場の方からクレアの悲鳴が聞こえた。
クレア『ろ、ロイさんロイさんロイさんっ!!』
ロイ「……?」
422: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:44:23 ID:JGzeeerFDo
ロイ「なんだよ」
風呂場のドア越しに話し掛ける。
クレア「ごっ…ゴキブリ!ゴキブリがいるんですううぅ」
ロイ「はぁ?」
クレア「私、ゴキブリだめなんですっ!助けてください!!」
クレア「きゃあああぁこっち来ないでえええぇ」 バタバタ
ロイ「……」
ロイ(入っていいのか…?)
423: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:48:20 ID:0VQbs4Y8tE
ロイ「お前独り暮らししてんだろ。ゴキブリくらい潰せよ」
クレア『無理ですううぅっ!!今年初めてのゴキブリなんですうぅ』
ロイ「俺入っていいわけ?」
クレア『か、身体にタオル巻いてるので、大丈夫です!』
ロイ「……あ、そ」
ガラリとドアを開けた。
引きつった表情をしたクレアが、身体にタオルを巻いただけの状態で立っている。
クレア「あそこっ、あそこです!」
指差した先をみると、シャンプーの陰でごそごそ動く黒いものが。
ロイ「……えーと、武器は」
近くに吊してあった掃除用ブラシを手にとった。
424: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:50:16 ID:LBw8.eRCAE
クレア「きゃーっ、ロイさんそっち、そっち行きました!」
ロイ「うっせぇ騒ぐな!」
クレア「いやあああぁ飛んだああああああっ」 バタバタ
ロイ「ちょこまかと動きやがって…!つーかお前は風呂場から出てろ!邪魔!」
クレア「ひいいいぃ早く退治してくださいいぃ」
ロイ「城にはゴキブリなんて出ねぇんだよ!」
\ドターンッ バタン ガシャーン!!/
425: ◆qoozyz1NgY:2011/11/2(水) 23:54:41 ID:UYNYISK/jE
ロイ「──やっと倒せた…」
クレア「…黒いものが飛び散ってるんですけど」
ロイ「そりゃ叩き潰したんだから当たり前だろ」
クレア「……な、何はともあれ良かったです…」
──クレアがホッと胸を撫で下ろしたとき。
まさにお約束。
ロイ「───え」
はらりと、クレアの身体に巻いていたバスタオルが床に落ちた。
426: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 23:56:34 ID:w7nclR6Oqs
クレアたんちょっと場所代わってください。私もロイに助けられたいCCC
427: 名無しさん@読者の声:2011/11/2(水) 23:57:53 ID:wxB1uZfEsc
ロイさん代わってください、私もクレアたんの風呂場に入りた(ry
428: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 00:35:33 ID:emIXT3i.Lo
俺が!バスタオルだ!
429: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:23:38 ID:T8hYnX7qxo
──────
姫「……」
王子「……」
姫「…お、王子…」
王子「はい」
姫「…顔、ち、近いんだけど…」
王子「……夜に姫の部屋に行って、何もしないというのは男が廃るかと思いまして」
姫を壁に押しつけ、ぐぃっと顔を近づける。
姫「ばっ… 何いってんのよ!」
王子「僕は本気です」
430: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:26:00 ID:2.YmjrSCgk
姫「や、やめてよ。私、王子とそんなことするつもりは──」
王子「さっき僕の涙ぬぐってくれたじゃないですか。凄く嬉しかったです」
姫「そ、それは関係ないでしょ!王子の話聞いたら情が移っちゃったっていうか…」
王子「じゃあ、僕と結婚してくれますか?」
王子の顔が至近距離まで迫る。
ドキッとして押し払おうとすると、手が王子によって握られていた。
姫「…!」
王子「……姫」
ボスンッ、と音がして、
姫はベッドに押し倒されていた。
431: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:28:15 ID:yUqErVkrqI
姫「っ…」
王子「……抵抗しないんですね」
姫「あ…、あんたみたいな女顔に押し倒されても何も感じないのよ」
王子「……」
姫「……あんたの考えてること、当ててあげる」
王子「…?」
姫「王子は、無理に男らしくなろうとしてる。私に認めてもらうために」
王子「……」
姫「私を押し倒したのは褒めてあげる。でも、王子はこれ以上は望んでない。私が抵抗するのを待ってる…そんな顔してるわ」
王子「……ずいぶん余裕ですね。顔、真っ赤なのに」
432: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:32:58 ID:wUf5zKLk5A
姫「…そりゃ、ちょっとはドキドキしてるから」
姫「でも、王子がそんなに意地をはる必要があるの?王子は王子で、そのままでいいじゃない」
王子「……散々僕の容姿を馬鹿にしたのは姫じゃないですか」
姫「う…」
王子「男らしい人が好きだと言ったのも姫じゃないですか」
姫「……そ、そうだったわね…」
王子「……」
─ボスッ
不意に、王子は姫の首もとに顔を埋めた。
姫「ちょ、お、王子!?」
433: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:35:23 ID:O5X0CHOlqg
王子「……安心してください。何もしません」
姫「え…」
王子「姫は、全部お見通しみたいですから」
姫「……」
王子「僕は、この女の子みたいな容姿のせいで、根拠もなく意気地なしとか、男らしくないとか色々言われてきました」
王子「……だからせめて、姫にふさわしい男になれることくらいは、証明したかった」
姫「王子…」
434: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:42:18 ID:yCR8lNQFsc
王子「……姫」
姫「…なによ」
王子「抱きしめるくらいは、いいですよね」
姫「……」
姫「……うん」
──次の瞬間。
バタンッ!! 「!?」
勢いよく扉が開き、何かが飛び込んできた。
ジョン「わんわん!わんわん!」
435: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 01:46:21 ID:Xtx7gAHpjY
王子「じょ、ジョン…!?」
ジョン「わんわんっ!わん!」
(ロイの姫に手を出してんじゃねぇよこのカス!!!)
王子「!?」
王子「いっ、いたたたたっ」
ジョンがベッドへ向かって飛翔し、王子の腕に勢いよく噛み付いた。
ジョン「がるるるるる」 ガブガブ
王子「ま、待って待っていきなり何なの!?」
姫「……」 ボーゼン
ジョン「がるるるるる!!」ガブガブ
王子「ちょっ、ストップ、ストップジョン!!」
ジョン(ロイ… 約束>>239は果たしたぜ!!!) ドヤァ
436: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 05:43:26 ID:qSwxP77vlw
ジョンwww空気読めwwwww
437: 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 16:38:29 ID:vJ5YwfnO9A
ジョンのアフォwwwwwいいところだったのにwwwww
438: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:40:04 ID:oXJpTUulPQ
──翌日、朝4時
ロイ「……」
クレアが寝ているのを確認しつつ、身支度を整えて腰に剣をさす。
クレア「…zzZ」
ロイ「……」
ロイ「……ま、縁があったらまたどこかで」
ふわりと外套を翻すと、静かに小屋を後にした。
439: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:42:50 ID:OEv/Nma8qg
──馬を走らせて、2時間弱。
ロイ「……着いたな」
馬「ヒヒーン」
隣国は頑丈な鉄壁に囲まれており、外からは国の中は見えない。
ロイは入国手続きをするために門番のところへ行った。
ロイ「──どうも」
門番「ん?なんだお前は」
ロイ「ただの旅人です。観光に来たんですけど、入国してもいいですか?」
門番「ほう。入国料は2万ゼニーだ」
ロイ「高いですね」
門番「文句を言うなら帰れ。あと、お前の持ち物を全てチェックさせてもらおう」
440: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:45:17 ID:QP6X0Gynu.
門番「……ふむ。そこの腰に下げている剣以外は、特に怪しいものはないな」
ロイ「旅をしていれば、護身用に剣を持ち歩くのは当然ですよ」
門番「そんなことは聞いていない。その剣は、こちらで預からせてもらおう」
ロイ「はぁ」
門番「なんだ、文句があるのか?」
ロイ「いいえ、何も」
涼しげな表情をして、ロイは剣を門番に手渡した。
門番「──よし。入国料も貰ったし、入国を許可しよう。入れ」
ギイイイィ、と音を立てて灰色の門が開いた。
441: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:47:38 ID:apt6p77LGE
ロイ「……」
歩きつつ、ぐるりと周りを見渡す。
ロイ「……息がつまりそうだ」
無機質な光景。
木や草花がほとんどなく、あるのは質素な家屋と農地。
それが東西南北飽きることなく続いていた。
ロイ「…あの女が言っていたことは本当みたいだな」
黙々と農作業をする人々。
その目は曇り、諦めに似た色が見えた。
442: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:49:52 ID:nylk54VH.6
ロイ「……」
だが、予想とは違い農民が過酷な重労働を強いられているようには見えなかった。
鞭をもった役人もいなければ、剣をもった兵士もいない。
ロイ「……静かだな」
ロイ(ひょっとして、案外治安は保たれているのか?)
畑仕事をする一人の老人に歩みよる。
ロイ「……よう、爺さん」
443: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:52:40 ID:oaV8sFVAmA
老人「ん…?」
ロイ「ちょっと聞きたいことがあるんだが」
老人「……見ない顔だな。外の人間かい」
ロイ「あぁ。観光にきた」
老人「この国に観光とは珍しいことだ。何も面白いものはなかろう」
ロイ「んー、まぁな。ところで爺さん、この国は今どういう状況なんだ?」
爺さん「……」
444: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:54:25 ID:6ryzL53E0I
ロイ「あと、この国の王とか王子のこととかも知りたいんだが」
老人「……」
ロイ「……?」
老人「……」
ロイ「……なんだよ、教えてくれねぇのか?」
老人「…部外者に余計なことを言わないというのがこの国の決まりだ。何も言うことはない」
ロイ「……あ、そう…」
445: ◆qoozyz1NgY:2011/11/3(木) 23:56:59 ID:apt6p77LGE
…他の国民に尋ねても、結果は同じだった。
誰も何も教えてくれない。
ロイ(……怪しいな)
ロイ(いっそ、本国の近衛隊長と名乗って城に入れてもらうか)
ロイ(……あ。隊長バッジ忘れた)
ロイ「……つーか、こうまで面白みの無い国じゃ、調べるものもねぇな」
ロイ「あるのは農地と住宅地と小さな商店街、か…」
446: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:00:48 ID:eaK745q2DQ
ロイ(……待てよ。確か、隣国は内乱を鎮圧するだけの軍事力があるんだよな)
再び周りを見渡す。
ロイ「……軍事施設はねぇ、な…」
考える。
地上には何もない、それならば──
ロイ「─……地下」
447: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 00:02:55 ID:JP3KYIqJtA
>>262からすると2万ゼニーは20万か
ロイは金たくさん持ってんだな
448: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:15:52 ID:sv4nAwFHwA
>>447
ロイ「ちげぇよ、入国料が高すぎんだよ」
ロイ「見ろよ、俺の財布… 多めに持ってきたのにもう小銭しかないとかどんだけ」 グスン
ロイ「…まぁ、確かに金には困ってないけど。近衛隊長だから」
449: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 00:55:53 ID:6WPIlMnLYs
ロイ「………あ」
不意に、城門から出てくる一人の兵士を見つけた。
農民の様子を見るつもりなのか、引き締まった表情で農地の周りを歩きはじめた。
ロイ「……」
まじまじとその兵士を見つめて、気づく。
ロイ「……女か」
顔や体型から察するに、どうやら女兵士のようだ。
ロイ「ふーん…」
ロイ「色仕掛けでもやるか」 ニヤリ
450: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 17:32:52 ID:LMpZijVXKE
い、い色仕掛けだと………。
ゴクリ
451: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:50:02 ID:v61gFz7xyw
読んでくださっている方、本当にありがとうございます!
雰囲気を壊さないために読者さんのコメにはレスをしたりしなかったりですが、ひとつひとつありがたく受け取ってます!(´∀`)
最近は新しいSSに勢いが負けちゃいそうですが(笑)、もう少しお付き合い頂けたら幸いですm(*__)m
452: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:56:10 ID:MIZQN488hg
女兵士「──はぁ、だっるぅ…」
女兵士「女は役に立たないから巡回でもしてろなんて。あんまりだわ」
女兵士「農民なんか見てても面白くないのよー!真面目な顔して歩くだけとか!暇!暇すぎ!」
「ねぇ、」
女兵士「あー、こうなったらサボってやる!どうせ女の私には仕事なんてないんだし!」
ロイ「ねぇ、君」
女兵士「どっかにイイ男いないかなぁ!軍人の男なんて汗臭くてたまんない!」
ロイ「うーん、俺は別に臭くないけどなぁ」
女兵士「そりゃ個人差あるけど、」
女兵士「………え?」
453: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 20:59:24 ID:zrmPsL1RCc
ロイ「こんにちは」 ニッコリ
女兵士「へ…?」
ロイ「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
女兵士(なっ… なにこの超イケメン!!こ、こここんなイケメンがこの国にいたっけ!?)
女兵士(ハッ!だめだめ、私は兵士なんだからピシッとしないと!)
女兵士「……コホン、何かしら。見ない顔だけど、どこから来たの?」
ロイ「んー、俺ただの旅人なんで。出身とかないかな」
女兵士(タメ口…)
女兵士「そ、そう。じゃ、聞きたいことっていうのは?」
454: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:01:58 ID:T77F4lTOsc
ロイ「長旅で疲れちゃって。どこか一息つけるとこない?」
女兵士「…カフェなら近くにあります」
ロイ「え」
女兵士「? なにか」
ロイ「いや、殺風景なこの国にずいぶん不似合いだなと思って」
女兵士「……」
女兵士(ど、どうでもいいけど、いちいち仕草がカッコいいわね…)
ロイ「んじゃ、案内してもらってもいいかな」
女兵士「は、はぁ!?」
ロイ「別にいいでしょ。君、暇そうだったし」 ニッコリ
455: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:06:19 ID:swnM2r.2YI
───カフェ
女兵士「ここです」
ロイ「へぇ、案外お洒落だな」
女兵士「このカフェは軍人や地主とか、階級の高い人間が入るところなので」
ロイ「ふーん」
女兵士「…では、私は仕事に戻ります」 スッ
ロイ「あ、待って」
女兵士「?」
ロイ「せっかく案内してくれたんだから、奢るよ。一緒に飲もうぜ」
456: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:09:38 ID:k81ksGofh2
ロイ「──あ、酒よろしく」
店員「かしこまりました」 ペコリ
女兵士「……」
女兵士(……乗せられちゃった。私、ホントにイケメンに弱い。情けない…)
ロイ「どうしたの、難しい顔して」
女兵士「……これでも勤務中ですので。お酒は遠慮します」
ロイ「はは、一口や二口ならいいんじゃねーの」
女兵士「ダメです」
ロイ「ずっと堅い顔してっともったいないぜ?せっかく可愛い顔してんのに」
女兵士「は…?」
457: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:12:45 ID:ElWhNBG81s
クスリと笑う。
ロイ「あれ、気づかなかった?まさか、俺が誰彼かまわず選んでると思った?」
女兵士「ど、どういうことですか」
ロイ「君が可愛くてタイプだったから誘ったんだよ」 ニッコリ
女兵士「…!」 カアアァッ
女兵士「かっ、からかわないでください!」
ロイ「からかってないよ。……
ねぇ、君、彼氏いる?」
458: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 21:15:47 ID:qSwxP77vlw
ロイ…恐ろしい子!!
459: ◆qoozyz1NgY:2011/11/4(金) 21:17:50 ID:8C0o4sgn8A
女兵士「か、彼氏…!?」
ロイ「俺は独り身だから。君みたいな人と付き合いたいなって、思ってたし」
ガララッ、と椅子を動かして女兵士に近づき、肩に手を回す。
女兵士(ひいいぃっ、ち、近い!近いって!///)
ロイ「あはは、顔真っ赤。ひょっとして照れてるの?」
女兵士「そ、そんなこと…!」
ロイ「…ねぇ、どうかな。俺なら、君を飽きさせないと思うけど」
そう言って、身体を密着させて、女兵士の顔を正面から見つめた。
460: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 22:01:01 ID:g/4JcTXXFc
ろ、ロイの色仕掛けなら、受けてあげてもいいわっ///
461: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 22:03:42 ID:joj8demQhQ
ロイ…っ貴様っ
イケメンなんてっ
イケメンなんてっ
C
462: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 23:00:54 ID:Sw0MpfAOAk
マスタング…恐るべし…!
つCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
463: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 23:18:00 ID:AK.WDzviWU
>>462
それちがうロイやwww
イケメンはぜろ!
C
464: 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 23:31:12 ID:HWZfAtFH0.
ロイになら弄ばれたい(´Д`*)CCCCCC
465: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 00:16:46 ID:6LYyU.x/2k
鼻血がぱねぇですなう
466: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 06:27:55 ID:hWvCoopnsE
くそっ…イケメンめ…爆発しろ…!
467: ◆qoozyz1NgY:2011/11/5(土) 09:24:45 ID:NrNVsrSms6
──────
女兵士「………」 グビグビ
ロイ(むっちゃ飲んでる…)
女兵士「…っ、ぷはぁ」
ガタン、とグラスを置く。
女兵士「お酒おいしい〜♪」
ロイ(…やべ、金たんねぇかも)
女兵士「わ〜いロイくぅ〜ん」
赤い顔をしてロイの腕をぎゅっと抱きしめた。
甘えるようにして顔をすりつける。
女兵士「私、こんなにカッコいい彼氏ができて嬉しいよぉ」 ヒック
ロイ「んー」
女兵士「ずっと独りで寂しかったのぉ… ねぇ、私のこと好き?愛してくれる?」
ロイ「当たり前だろ」
女兵士「くふふ、きっと私たちは運命の糸で結ばれてるんだぁ〜」
ロイ(俺の運命の女は姫だけどな)
468: ◆qoozyz1NgY:2011/11/5(土) 09:26:47 ID:gWo5pRD/ec
ロイ(……そろそろいいかな)
ロイ「ねぇ、」
女兵士「きゃはっ、なぁ〜に?」
スリスリ
ロイ「この国の王子と本国の姫が結婚するのは知ってるよね」
女兵士「知らなぁ〜い」
ロイ「は…知らない?」
女兵士「だって、私とロイくんが結婚するんだもぉ〜ん」 スリスリ
ロイ「いや、そうじゃなくて」
女兵士「やだー!ロイくんは私のものー!」 ギュッ
ロイ(ダメだこりゃ…)
469: ◆qoozyz1NgY:2011/11/5(土) 09:29:17 ID:xhfzhuhFdc
ロイ「……じゃあさ、この国のこと色々教えてくれないかな。俺、来たばかりだからまだよくわからなくて」
女兵士「……」 ヒック
ロイ「農民に聞いたけど、教えてくれないんだ… 君なら、教えてくれるよね?俺の女なんだから」
優しく女兵士の髪を撫でる。
女兵士「……」
女兵士「……うん、いいよぉ」ヒック
ロイ「!」
女兵士「だけど、私のお願い聞いてくれなきゃイヤ」
ロイ「お願い…?」
470: ◆qoozyz1NgY:2011/11/5(土) 09:36:37 ID:dM0NqCm5NY
女兵士「ちゅーしてくれたら教えてあげる!」
ロイ「……」
女兵士「ちゅーして」
ロイ「……」
女兵士「ちゅーしてくれないと教えてあげない」
ロイ「……」 ハァ
ロイは小さくため息をつくと、女兵士を抱きよせた。
女兵士「…!」 カアァ
ロイ「─……人気のないところに、行きたいな」
耳元で囁く。
女兵士「ひと、け…?」
ロイ「ここじゃみんなに見られるだろ」
女兵士「じゃあ、どこに行けば…」
ロイ「そうだな… 地下、とか。
あるんだろ?」
微笑んで、優しく抱きしめた。
471: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 11:40:31 ID:QR7exZCYBQ
策士ロイ…
472: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 15:22:39 ID:u154Dzic7I
うっはマスタングえんろ←
CCCC
473: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 15:42:39 ID:fZuW8wDP1g
>>471が策エロイに見えた
474: 名無しさん@読者の声:2011/11/5(土) 16:18:44 ID:MA8B0c.i1w
>>473
俺がいるww
475: ◆LSV2TFho7E:2011/11/6(日) 00:29:01 ID:AAS5HN/OAk
──────
女兵士「ここが、地下への入り口の1つだよ〜」 ヒック
女兵士に案内されたのは、カフェの裏側にある木の下だった。
ロイ「こんなところに…」
女兵士「まぁ、一目につかない場所を選んでるから。他にも10ヶ所くらいあるんだぁ」
ズズズ、と石のフタを押して横にどける。
奧へ続く階段が現れた。
ロイ「……」
女兵士「あまり奧に行くとみんなに会っちゃうけど、入り口付近なら誰もいなくて静かだよ♪」
ヒョイ、と中へ飛び込んだ。
476: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:31:17 ID:hKOyz/u7wA
シーン...と静まり返る地下通路。
所々に火が灯してあるので、暗くはない。
ロイ(この通路は…どこに続いてるんだ?)
奧の方から、かすかな音が聞こえる。
ロイ(─… この音は)
女兵士「さ、ロイくん、ここなら誰にも───って、ロイくん!?」
ロイ「……」
ロイは女兵士を無視して、スタスタと奧へ向かって歩きだした。
477: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:34:25 ID:9OlYbe6a82
女兵士「ちょ、ちょっと、待って!!」
酔いがさめたのか、焦ったように女兵士がロイの後を追う。
女兵士「どうしたのよ、ねぇ、ロイくんっ!!」
ロイ「──答えろ」
歩きながらロイが口を開く。
女兵士「え?」
ロイ「この地下は、何のためにある?」
478: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:36:17 ID:5RiZkxhOv2
女兵士「そ、それは…」
ロイ「…この国の地上に無かったものが、地下にあるんだろ?」
女兵士「え…」
ロイ「……剣がぶつかる音がする。当ててやるよ、この地下にあるのは」
ロイ「──軍事施設だ」
そう言って、突き当たりの大きな扉を開いた。
479: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:41:02 ID:CFz6aP7Usc
──そこにあったのは、部屋と呼ぶにはあまりに大きな空間。
四隅に茶色の袋に包まれた荷物が山積みにされ、中央には何百人もの兵士が集まり、剣や戦陣の訓練をしていた。
ロイ「……やっぱりな。部外者に見られないように軍事施設を地下に作ったってわけか」
女兵士「そ…そうよ。だけどそんなの、ロイくんに関係ないでしょ?」
女兵士「こんなところに外部の人間がいるなんて知られたら、何されるかわからないし… 早く、出口の方へ戻らなきゃ」
ロイ「……」
ロイ「もう1つだけ教えてほしいんだけど」
女兵士「?」
480: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:43:28 ID:6ryzL53E0I
ロイ「……ずいぶん、兵士たちの装備がものものしい。それに、周りに山積みにされてる食糧や軍備も本格的だ」
女兵士「それは…」
ロイ「どこかの国と戦争でもすんのか?」
女兵士「……そうよ」
ロイ「どこと?」
女兵士「本国」
481: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 00:46:30 ID:l5Pa902z2Y
ロイ「………は?」
女兵士「明日出発して、本国を攻めにいくの」
ロイ「はぁ!?」
女兵士「な…なによ。何でロイくんがそんなに驚くの?」
ロイ「ありえねぇだろ!本国には今、この国の王子がいるんだぞ」
女兵士「それは、本国を油断させるため」
ロイ「な…」
女兵士「詳しいことは私にもわからないわ。私たちは全て、王の命令で動いてるんだもの」
?????「──その通りだ」
ロイ「……!」
不意に、背中に剣が突きつけられる。
兵士1「…貴様、本国の使いか。生きて帰れると思うなよ」
チャキッ、と剣の鍔が鳴った。
482: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:23:05 ID:S20/xVf06Q
ロイ「……」
見渡すと、ロイに向かって剣を構えているのは一人だけではなかった。
何十人もの兵士がこちらへ目を向け、ロイの周囲を囲みはじめた。
ロイ「…ちょっと声が大きかったか」
苦笑する。さすがにもう少し警戒すべきだった。
女兵士「ま…待ってください、この人は関係ありません!」
兵士1「なんだと?」
女兵士「私が連れてきたんです!だから、罰なら私が受けます!」
ロイ(あのバカ…)
483: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:26:09 ID:uI2Wh2UJdg
兵士1「部外者を地下へ連れてくるとは、とんでもない女だな。では、まずお前を──」
ロイ「待てよ」
兵士1「ん?」
ロイ「俺がその女脅してここまで案内させたんだ。その女は悪くねぇよ」
女兵士「ろ、ロイくん!!」
兵士1「ほう、庇いあいか… しかし、どちらであろうと貴様らに罰を与えるのは変わらないことだ」
兵士1「特に、そこの男。貴様はここで死んでもらう。本国を攻めることを知られてしまったからな」
484: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:28:27 ID:O5X0CHOlqg
ロイ「あー、まぁそれは正論だと思うんだけど」
ニッコリと笑って両手をあげる。
ロイ「見てよ。俺、門番さんに剣渡しちゃって、丸腰なんだよね」
ロイ「だから、あんたたちに抵抗することなんてできない」
兵士1「ほう…」
ロイ「だからさ、殺すのだけは勘弁してくんない?牢にでも何でも入るからさ」
兵士1「……」
女兵士「わ、私からもお願いします!」 ペコリ
485: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 01:34:09 ID:x4x9i9Nzlc
……まわりは完全に、兵士たちによって包囲されていた。
どう見ても丸腰の人間が突破できる状況ではない。
兵士1「……」
兵士1「……良かろう。この男の目を隠し、手首を拘束しろ」
そう言って、兵士が剣を下ろした瞬間。
ロイ「───なーんちゃって」
外套が翻り、背に隠し持っていた2本目の剣が引き抜かれる。
兵士「──!?」
ロイ「死ぬのはてめぇらだ」
鋭い音と共に、血飛沫が舞った。
486: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 02:10:53 ID:lNbS31iwTM
今1から一気に読んだが凄く面白い!!
つCCCCCCCCCCCC
487: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:13:16 ID:aotAc0vzsc
「ぐあっ!!」
「ぎえぇっ…」
次々と斬りかかる兵士をなぎ払い、切り捨てていく。
兵士「きっ…貴様ああぁ!!」
ザシュッ! 「ぎゃっ!!」
ロイ「てめぇらみたいな雑魚、相手にならねぇんだよ!!」
ロイは迷うことなく兵士を斬り、突き刺し、殺していく。
女兵士「あわわ…」 ガタガタ
兵士1「何をしている、相手は一人だぞ、さっさと殺せ!!」
488: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:25:21 ID:fLSctY7Zi.
ロイ「一般兵ごときが…!」
剣を大きく横に引きつける。
ロイ「この俺にかなうわけねぇだろ!!!」
ザシュザシュザシュッ!!!
一気に振りぬき、肉を切り裂く。
兵士「……!!」
ロイの服が、返り血で赤く赤く染まっていく。
ロイ「本国を騙しやがって!!ぜってぇ許さねぇからな!!」
ザシュザシュザシュッ!
「ぎえぇっ」
ドスッ!
「ごふっ」
倒れた兵士から剣を奪うと、さらにそれを投げて他の兵士へ突き刺した。
ロイ「こっちは可愛い姫を差し出しってんのに、てめぇらは平気で裏切りかよ!ふざけんな!!姫はこんな腐れ隣国と仲良くするために生まれてきたんじゃねぇ!!!」
鬼のごとく叫び、剣を振るう。
──まさに無双。
ロイに近づく兵士は、片っ端から容赦なく斬られ、倒れた。
489: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:29:32 ID:M97GWVJjkM
──しかし、人数が圧倒的に違いすぎる。
ロイ「……っはぁっ、はぁっ」
否が応でも身体が疲労し、限界が近づいてくる。
兵士「きええええぇっ」
ザシュッ!! 「ぐへぁっ」
斬っても斬ってもキリがない。
真っ赤に染まった手を握り締める。
ロイ(本国へ……本国へ、早く、連絡しなければ)
地下からの出口へ目をやる。
──一気に走り抜けて、地上へ出て、隣国を脱出しなければ。
隣国が本国へ到着するよりも早く、自分が本国へ到着しなければ。
ロイ(─…俺が、死ぬ前に)
490: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 02:58:04 ID:U0P6p.FErc
応戦しながら、脱出するタイミングをはかる。
ロイ「……」 ハァ、ハァ
ザシュッ!!!
数十人目の兵士が倒れたとき。
出口へ続く地下通路への道が、わずかにひらけた。
ロイ(──今だ!!)
両脇にいた兵士を斬り捨てると、通路へ向かって一気に走りだす。
兵士1「! 逃げたぞ!!」
兵士2「追え、追え!!」 ダッ
491: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:05:18 ID:MmjrPVvqx6
ロイ「はぁっ、はぁっ」
無我夢中で地下通路を駆け抜ける。
通路は50メートル程度だ、さほど時間はかからない。
地上へと繋がる階段をあがり、石の扉をこじあけた。
ロイ「──うぜぇんだよっ!!」
ザンッ!ドスッ!
兵士「ぎゃあっ!!」
当然、地下扉のところに兵士が待ち受けていることなど読めていた。
地上からの光が注いだ瞬間に、剣を突き刺して足で蹴りとばす。
ロイ「っ……」 ダッ
休む暇なく、今度は門番がいる国門へと走る。
そこには自分の馬もいるはずだ。
馬に乗りさえすれば、追いつかれることはない。
492: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:22:00 ID:/FPw2cAcBE
ロイ「──!」
不意に背後から殺気を感じ、振り返る。
キィンッ!
振り下ろされた剣を受けとめた。
ロイ「……!?」
明らかに、今までの兵士とは風体が違い、剣の威圧も異なる。
?????「──おかしな部外者がいると聞くから、来てみれば」
ガキィンッ、と剣がはじかれる。
?????「まさか、こんな俺と年差もない男がね」 ニヤリ
ロイ「……誰だてめぇ」
?????「俺?俺は──」
どこかで見たことのある面影が揺れる。
?????「──この国の第1王子だ。お前みたいな下賤な奴に、てめぇ呼ばわりされるいわれはないな」
ニッコリと笑って、ロイへ向かって剣を振りぬいた。
493: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 03:44:21 ID:yTWeyWMdBg
ロイ(はえぇっ…!)
ギィンッ!
振りぬかれた剣を斬られる寸前で止める。
第1王子「へぇ、やるね」
グググッ、と均衡する。
第1王子「…でも、君の動きを止めるのなんてわけないよ」
ロイ「!」
次の瞬間、第1王子が腰ベルトから短剣を引き抜く。
ロイ「な…」
第1王子「……」 ニッコリ
第1王子「──お疲れ様」
腕が振り上がる。
第1王子は満面の笑みを浮かべて、それをロイの脇腹に突き刺した。
反応、できなかった。
494: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 04:12:10 ID:FexRxm7Y9.
えぇぇ
495: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 08:40:34 ID:6G.p9Oyn4E
ろ…ロイ………………いやだ
496: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 11:50:33 ID:ecfxNS7H8Q
続きが気になる……
497: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 16:33:14 ID:mUCDMF7VaQ
ロイ「がっ…」
第1王子「……フン」
ズボッ、と短剣を引き抜く。
ロイが脇腹を押さえてその場に膝をついた。
ロイ「こ…この野郎…」
ボタボタと血が落ちる。
ロイ「……っ」
ロイ「ごほっ、ごほっ」
咳も重なって吐血する。
第1王子「……」
ロイ「……ちくしょう…」ハァ、ハァ
498: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 16:34:37 ID:kU0.TrIKHA
王子達強いな
499: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 16:36:13 ID:apt6p77LGE
第1王子「フン… 本国の使者が、あの地下まで忍びこんで脱出してきたのは褒めてやる」
第1王子「だが、貴様にはどうすることもできない。本国へ報告するつもりだったんだろうが、それはさせない。貴様はここで死ぬ」
ロイ「……」 ハァ、ハァ
ロイ(これが、王子の兄王子… どうりで身体の動きが半端ないわけだ)
ロイ「……答えろ」
第1王子「ん?」
ロイ「なぜ、本国を裏切った。姫と王子の政略結婚によって、本国へは何もしないことを約束したはずだ」
ロイ「本国も、かわりに隣国へ穀物を送ると約束したのに…」
500: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 16:39:28 ID:tP/EhEtJvg
第1王子「……簡単なことさ」
ロイ「…?」
第1王子「我が国は本国より勝る軍事力を有しているからだ。地下を見ただろう?あぁやって、本国に悟られないように軍事訓練を高め、行ってきた」
第1王子「そして、戦争に勝てるならわざわざ戦争を避ける必要はない。こざかしい契約をするより、もっと簡単に本国の土地を手に入れようと思ったのさ」
ロイ「……じゃあ一体、どういうつもりで王子…、第3王子を本国へ送ってきた」
第1王子「そりゃ、隣国が本国を攻めることを悟られない且つ、油断させるためさ」
第1王子「まさか、婚約パーティー当日に軍隊が攻めてくるとは思わないだろうからね」 ケラケラ
ロイ「てめぇ…!」
501: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 16:43:35 ID:LIrhX9.mL.
ロイ「っ…、それは、王子も承諾してのことか?」
第1王子「ん?」
ロイ「第3王子も、それをわかってて、本国へ来てるのかって聞いてんだよ!!」
第1王子「……あぁ、」 クスッ
第1王子「当たり前だろ、俺の弟だぞ?あいつは国王や王女と親しくなり、油断させることが仕事だ」
第1王子「そして、隙あらば殺せとも命じている」
ロイ「なん…だと…?」
502: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 16:47:46 ID:DPA4VYWeN2
う
うそだっ…!
嘘だと言ってよ…
503: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 16:50:46 ID:Xv5pa7mzCw
ロイぃぃぃいい(´;Д;`)
504: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 16:50:56 ID:ucuJBTcCFk
第1王子「もう手を下してるかもね」 ニッコリ
ロイ「くっ…」
ロイ「アイツ…、アイツまで裏切ってやがんのかよ!ふざけんな、俺たちは、一体何のために──」
ロイ「っ、ごほっ、ごほっ」
第1王子「はいはい、貴様はグチグチ言ってないでさっさと死になよ」
第1王子「──なるべく、痛くないようにしてやるからさ」 ニヤリ
膝をついているロイにむかって、剣が振り上げられた。
ロイ「…!」
第1王子「──死ね」
505: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 16:55:05 ID:5cv2uRWMyw
もしや王子…抱き締めようとしながら…うわっなにをすr(ry
506: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 17:26:24 ID:0YxcWEDMGI
「───ロイさんっ!!」
ロイ「!」
第1王子「!?」
馬の蹄の音とともに、
突如頭上から聞き覚えのある声がふってきた。
ロイ「──!!」
クレア「ロイさんっ、早く、早く乗ってくださいっ!」
馬「ヒヒーン」 ブルルッ
第1王子「な…」
馬に乗ったクレアが、手綱を引いて二人の前に現れた。
507: ◆qoozyz1NgY:2011/11/6(日) 17:31:13 ID:fVVLBZ49.o
ロイ「っ…」 バッ
力を振り絞り、クレアの後ろにつく形で馬にとびのる。
第1王子「ま、待て!一体どこから…!」
クレア「急いで!」 ピシッ
馬「ヒヒーン!」
馬は土を蹴り、国門の反対方向へ走りだした。
ロイ「…!?」
ダダダッ!!!!
馬は隣国を囲む鉄壁の近くまで来ると、段差を利用して勢いよく鉄壁を飛び越えた。
ロイ「な…」
クレア「しっかり掴まっていてください!!」
508: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 17:38:05 ID:gdsRLqBUn.
王子が泣いたのは……
てかクレアカッケエエエエエエ
509: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 23:16:06 ID:p3vEpZeNwk
きになるぅぅ
510: 名無しさん@読者の声:2011/11/6(日) 23:19:29 ID:MD.Og/oBiw
生物災害の
レッドフィールドさんを思い出したのは私だけでいい
511: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 01:34:43 ID:ecfxNS7H8Q
CCCCC
512: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 03:20:25 ID:38Q5k2MZnE
(*´∇`*)つCCCCC
513: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 03:35:26 ID:emIXT3i.Lo
(`・ω・)つCCCCCCCC
514: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 17:35:39 ID:wgw7HFfktw
('A`)っCCCCC
515: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 17:59:14 ID:FoW3zwzG66
どひゃー、こんなに支援を貰って幸せでござりまする!!!
もうCを見るだけで涙が
涙が… うおおおおぉ
1から読んでくださった方もいるようで、感謝感激雨あられとはこのことですね!!
コメのみの方もありがとうございます!!(*・∀・)
516: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 18:02:10 ID:FoW3zwzG66
ドスンッ、と馬が地面に着地し、そのまま隣国から遠ざかっていく。
ロイ「……お前、なんでここに」
クレア「もうっ!ロイさんが朝ご飯も食べずに行っちゃうからじゃないですか!」
ロイ「は…」
クレア「……まぁ、それは冗談なんですけど」
クレア「ちょっと嫌な予感がしたので。通りかかった商人さんに近くまで送ってもらったんです」
クレア「そしたら、ロイさんの馬が走ってくるじゃないですか。これは何かあったなと思って、ロイさんの馬に乗って隣国に無理やり侵入したんです」
517: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 18:05:15 ID:Kwo9hE/z3E
ロイ「無理やり侵入って……まさか、さっきみたいに鉄壁を飛び越えたのか」
クレア「はい。私、馬に乗るのは得意なんですよ!」 ニッコリ
ロイ「あんなの俺でもできねぇのに…」
クレア「ちなみに、私が前に隣国から逃げたのもこの方法です」
ロイ「え」
クレア「夜、一目のないときにぴょーんと、盗んだ馬で。誰にも気づかれませんでしたー♪」
ロイ(もっと巧妙な方法かと思ってた…)
518: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 18:10:01 ID:dM0NqCm5NY
クレア「というか、ロイさんは何であんな危ない状況だったんですか」
ロイ「あ―…」
クレア「確かあそこで剣持ってたのって、第1王子ですよね。ロイさんの服も返り血で真っ赤だし…何してきたんですか?」
ロイ「本国に向かってくれ」
クレア「はい?」
ロイ「本国に、……っ…」
クレア「ちょっとロイさん、私の話聞いてます?」
ロイ「く、詳しいことはまた話すから… 本国へ向かってくれ、頼む」
519: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 18:12:35 ID:YcLkyE1L4E
クレア「……!?」
クレア「ま、まさかロイさんケガしてるんですか!?」
驚いた声をあげ、手綱を引いて馬を止める。
ロイ「バカ、とめんな…」
クレア「まさか斬られたんですか!?み、見せてください!」
振り向いて苦しそうなロイを見つめる。
ロイ「……」 ハァ、ハァ
クレア「……!」
服に大量につく返り血は一目瞭然だが、異常に赤く染まっている脇腹を見て息を飲んだ。
クレア「た、たいへん…!」
クレア「ひとまず、私の家へ行って治療を──」
ロイ「クレア」
520: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 18:17:41 ID:iuXlfLsjlI
クレア「え…」
ロイ「頼むから、何も聞かずに本国へ向かってくれ… せ、説明したいのは山々なんだが、喋ると
マジでつらいんだよ…」
クレア「ロイさん…」
ロイ「は、早くしねぇと隣国の追っ手が来る。お前の家に寄ってる暇はねぇ…」
ロイ「それに、治療なんて本国に着いてからで間に合うよ…」
クレア「……」
クレア「……初めて、私の名前呼んでくれましたね」
ロイ「は…」
クレア「…嬉しいです」
小さく微笑んで、グッと手綱を握る。
クレア「わかりました!本国へ向かいます!!」
ピシッ、と子気味良い音が響き、再び勢いよく馬が走りだした。
521: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 18:57:22 ID:MQIzvx2X4k
わくわく
522: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 19:13:21 ID:O5X0CHOlqg
──────
隣王「──なに、侵入者を逃がした?」
第1王子「…はい。俺が出向いていながら、申し訳ありません」
隣王「それは本国の使いで間違いないのか」
第1王子「おそらく。その者と接触をもった女兵士が、話の内容からそうではないかと、証言しております」
隣王「全く… ここまで気づかれずに準備してきたのに、余計なことをしてくれたものだ」
523: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 19:17:58 ID:0fd8NEJ9sQ
?????「──なっさけないなぁ、兄さん」
第1王子「……うるさい」
第2王子「ボクならまず足を潰すね。脇腹に刺してどうすんのさ」
第1王子「ほっとけ。ずっとエロ本読んでた奴に言われたくない」
第2王子「むっ、いーじゃん思春期なんだから!女の子の身体が気になる年頃なんだよ!兄さんだって持ってるだろ!」
第1王子「持ってない。つーか、女に興味ないから」
第2王子「うわっ、そっち系!?
やめてよ、まさかボクを狙ってないよね」
第1王子「殺すぞ」
王妃「こら、喧嘩はやめなさい!」
524: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 19:21:59 ID:ucuJBTcCFk
隣王「……で?どうするのだ」
第1王子「既に追っ手は差し向けてありますが、馬を操っていた女を見るに、追いつくのは無理でしょう」
第2王子「えっ、女!?可愛かった!?」 ガタン
第1王子「我が国の軍隊の出発は明日でしたが、早めることを提案します」
第1王子「本国はまだ軍の準備などできていないはず…。あの男が報告してしまえば、応戦準備に入るでしょう。そうなれば、わざわざ第3王子を送り込んだ意味がなくなります」
第2王子「んな面倒なことしなくたって勝てるってー」
第1王子「お前は少し黙ってろ」
525: ◆qoozyz1NgY:2011/11/7(月) 19:25:05 ID:esacBCDh.U
隣王「……わかった。軍隊の出発を早めよう」
第1王子「婚約パーティーの前日の早朝には本国へ到着すると思います」
隣王「よし。──軍隊総員に連絡せよ!今すぐ軍備を整え、本国討伐の出発に向けて各自準備をしろと!!」
「はっ!!!」
ダダダッ、と慌ただしく城内が動き始めた。
526: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 20:56:08 ID:MIZQN488hg
(^_-)つCCCCCC
527: 名無しさん@読者の声:2011/11/7(月) 21:00:09 ID:O2Dmey52w.
(・ω・)つCCCCCCCCCC
528: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 11:58:25 ID:oaV8sFVAmA
────────
姫「王子―、用意できたー?」
王子「あ、はい。いつでも行けますよ」
侍女1「姫さま、どちらへ?」
姫「城下よ」
侍女1「あ、左様ですか。それでは、明日時間を空けて頂いてもいいですか?」
姫「いいけどなんで?」
侍女2「試さなきゃいけないことがあるんですよねー♪」
侍女3「ねー」
姫「?」
529: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 12:02:01 ID:2.YmjrSCgk
王子「姫、今日はどこへ行きますか?」
姫「お買い物に行きたいわ。あと、美術館、動物園… お昼は庶民的な所がいいわね」
王子「この国は本当に色々ありますねぇ。羨ましいです」
姫「隣国にはないの?」
王子「無いですね。特に美術館や動物園なんてものは…。必要最低限のものしかないので」
530: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 12:09:47 ID:O5X0CHOlqg
姫「ふぅん」
王子「この町は緑も多くて綺麗です。僕もこの国に生まれたかったなぁ」
姫「そしたら私たち、姉弟ね」
王子「え。そ、それは困ります!」
姫「ばか、何真面目に考えてるのよ」 クスクス
姫「さっ、今日はパーッと遊びましょ、パーッと!ボケッとしてると置いてくわよ!」 タタタッ
王子「あ、姫!待ってくださいっ」
タタタッ
────────
王「ふふふ、あの二人も大分仲良くなったようじゃのう」
大臣「はい。これなら、婚約パーティーもスムーズに行えそうですね」
531: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:35:42 ID:oXJpTUulPQ
────荒原を、ただひたすらに馬に乗って駆けていく。
クレア「……」
クレア「ロイさん、大丈夫ですか?」
先ほどから会話も途絶え、クレアの耳にはただ小さくロイの息切れが聞こえるだけだった。
ロイ「ん…」
クレア「血、止まりませんか?」
ロイ「……応急用の包帯くらいは、持ち歩いてたから。止血できた」
クレア「ホントですか!」
ロイ「あぁ」
532: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:38:31 ID:UdCBQzYwOk
クレア「良かった… 私、ロイさんが死んじゃったらどうしようかと」
ロイ「まだ死なねぇよ…」
ロイ「ごほっ、ごほっ」
クレア「そういえば、昨日も咳してましたね。風邪こじらせちゃいましたか」
ロイ「……」
ロイ「……あぁ」
クレアの後ろで、手のひらについた血を眺める。
ロイ「……」
ロイ「……死んで、たまるかよ…」
クレア「何か言いました?」
ロイ「いや、何も」
533: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:40:54 ID:9uEahCTKxM
──そのとき。
突如周囲の岩陰から十数人の男たちが飛び出してきた。
クレア「!?」 バッ
馬「ヒヒーン!」
思わず手綱を引いて馬を止める。
野盗1「──ひひ、1日ぶりだなぁ兄ちゃんたち」
クレア「あ、あなたたちは…!」
それは、昨日クレアに絡み、ロイによって懲らしめられていた野盗だった。
野盗2「今度は仲間を連れてきたからなぁ。昨日のようにはいかねぇぜ!」
クレア「っ…」
ジリジリと馬のまわりを囲まれる。
野盗1「散々バカにしやがって。
ブッ殺してやらぁ!」
534: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:46:49 ID:KdRzS59wow
ロイ「うぜぇなぁ…」
ロイが剣を握り、馬から降りようとする。
クレア「ろ、ロイさんダメです!ケガしてるんですから降りないでください!」
野盗がニヤリと笑った。
野盗3「こりゃあいい、男の方はケガしてんのかい」
野盗4「がはは、いいリンチになるぜぇ!!」
クレア「ふ、ふざけないで!私たちは急いでるんです!」
キッと睨みつけるが、野盗たちは下賤な笑みを浮かべたまま道を開けようとはしてくれない。
ロイ「……クレア」
クレア「え?」
ロイ「手綱を握れ」
535: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:49:34 ID:IsuJYzf34o
次の瞬間、ロイが馬上から大きく剣を振った。
「!?」
血とともに、二人の野盗の首が宙を舞う。
ロイ「クレア!」
クレア「はっ、はいっ!!」 ピシッ
馬「ヒヒーン!」 ダッ
野盗たちが狼狽えた隙に、一気に馬を走らせる。
野盗1「まっ、待ちやがれ!」
野盗2「この野郎…!」
──馬は勢いよく駆け、野盗たちから離れていった。
536: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 14:51:45 ID:YvGSKaKD7o
ロイ「──全く、懲りねぇ奴らだ」
クレア「……」
ロイ「……?」
クレア「……」 ガタガタ
ロイ「……お前、震えてんのか」
クレア「っ!」 ビクッ
ロイ「……」
ロイ「……わり。ちょっと過激なの見せちまったな」
クレア「す…すみません、大丈夫です。ちょっとビックリしちゃっただけで…」
ふ―、と深呼吸をする。
ロイ「クレア…」
クレア「さ、さぁ、だんだん本国に近づいてきましたよ!頑張りましょう!」
ぎこちなく笑って、ピシャリと馬をたたいた。
537: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:25:34 ID:JGzeeerFDo
───隣国の軍隊は、予定を早めて祖国を出発。
およそ千人の兵士が、一歩一歩と本国へ近づいていく。
だがそれを、本国の人々は知る由もない。
知っているのは、ただ一人だけ。
その一人と、彼を支える少女が、本国の危険を知らせるために、
走る。
日が暮れ、夜になっても休むことなく、寂れた荒原を走った。
そして運命は、婚約パーティーの前日へ。
538: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:28:03 ID:DGaa3FR.z2
姫「──えぇっ!? これ着るの!?」
侍女1「昨日、特注したのが届いたんです!サイズが合うか見なくちゃいけませんからね!」
姫「き、気が早いって!婚約パーティーもまだ終わってないのに…」
侍女2「でも、近いうちに着なきゃいけないものですから」
侍女3「そーそー」
姫「わっ、私はそんなつもりは…!」
侍女1「はいはい、早く着て王子様に見せてあげましょうね〜」
姫「そんな恥ずかしいことできるわけないじゃない!」
侍女3「えーいっ、強行手段!」
ガバッ
姫「きゃー!!」 ジタバタ
539: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:29:57 ID:w.7DrG1zg2
──────
王子「……なんか騒がしいですね」
大臣「侍女たちが興奮してるのでしょう」
王子「はは、相変わらずですね」
王「まぁ、アレが届いたからのう」
王子「アレ?」
王「いやいや、何でもない」 グフフ
王「ところで王子よ、明日はいよいよ婚約パーティーだな」
王子「はい」
王「どうだ、この1週間姫と過ごしてみて」
540: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:32:02 ID:eaK745q2DQ
王子「……やっと少し、僕に心を開いてくれたみたいです」
王「ほう」
王子「はじめは、こんな女みたいな奴イヤだって、ボロクソ言われてましたから」
王「そういえばそうじゃったのう」
大臣「そう考えると大進歩ですね」
王子「まだ色々悪口言われますけどね」 ハハハ
541: ◆qoozyz1NgY:2011/11/8(火) 18:34:15 ID:LIrhX9.mL.
王「……王子や」
王子「はい」
王「お主は見た目よりもしっかりした奴じゃから、わざわざ言う必要はないと思うが…」
王「──姫を、頼むぞ」
王子「……」
瞳が揺れ、様々な感情が交差する。
王子「──はい」
静かに、答えた。
542: 名無しさん@読者の声:2011/11/8(火) 22:26:28 ID:LMpZijVXKE
っCCCCC
543: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 07:14:29 ID:abfFXIg/oE
毎日見てるよ(*^^)つCCCCC
544: ◆LSV2TFho7E:2011/11/9(水) 16:28:40 ID:JGzeeerFDo
馬「ヒヒーン!」 ブルルッブルルッ
クレア「──ロイさん、ロイさんっ!本国が見えてきました!」
ロイ「あぁ。俺の顔を見せればすぐ入国できるから、そのまま城へ向かってくれ」
クレア「わかりましたっ!」
ロイ「あ、あとそれから」
クレア「はい!」
ロイ「……なんか言うタイミングがわからなかったんだけど、」
クレア「?」
ロイ「その… ありがとう」
545: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:30:14 ID:E41Ru0zsdI
──────
ワイワイ ガヤガヤ
姫「やだーっ!!絶対行かないっ、恥ずかしいってば!!」
侍女2「何をいまさらっ!すごくお似合いですよ!」
侍女3「さ、早く王間に入ってくださいっ」
姫「サイズ合ったんだからもういいでしょっ」
侍女2「いい加減勘念してください!」
侍女1「お待たせしましたー!姫さまのお着替えが終わりましたっ!」
バタンッ、と勢いよく王間の扉が開けられた。
546: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:32:09 ID:GUEAzaQzlA
王子「……!」
入ってきたのは、純白のウエディングドレスを着た姫だった。
姫「っ…」 カアアァ
王「ほう」
大臣「これはこれは…」
侍女1「特注しておいたウエディングドレスでございます。サイズや素材の質も、全く問題ありません」
王「うむ。…似合っておるぞ、姫。父は嬉しい」
大臣「お…幼い頃から姫を見てきた私は、泣いてしまいそうです」
グスッ
547: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:35:26 ID:bYbkJjNr/E
姫「た、たかだかウエディングドレスくらいで大袈裟なのよ」
王子「……」
姫「……な、なによ。そんなに見ないでよ」
王子「……すみません、見惚れていました」
姫「ばっ…バカ!あんたそれ、私と初めて会ったときも言ったわよね!今度は嘘ついたってなにも出ないわよ!」
王子「嘘じゃありません」
姫「こんな淑やかで可憐な女性には会ったことがない、なんてことも言ってたわね。あぁ、思い出したら腹立ってきた!」
王子「あの時とは違います」
姫「何が違うのよ!」
548: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 16:39:17 ID:9uEahCTKxM
王子「だ、だから… あの時は確かにちょっとお世辞入ってましたけど、今は本心です!本気です!」
姫「え…」
顔を真っ赤に紅潮させて、姫を見つめた。
王子「す…すごく、綺麗です」
姫「……!」
王子「ぼっ、僕が、今まで見てきた女性の中で…、い、一番綺麗で可愛いです!」
549: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:20:47 ID:eaK745q2DQ
姫「お、王子…」
───そのとき、突如廊下の方から慌ただしい声が聞こえた。
「ろ、ロイ殿っ!どうなされたのですかそんなに急いで…!」
「服が血まみれですよ!そのような恰好で王間に入れるわけには」
「うるせぇ、んなこと言ってる場合じゃねぇんだよっ」
「それに誰ですかこの少女はっ」
「ロイさんの付き添いですのでお気になさらずっ」
姫「……?」
550: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:25:15 ID:OqXv9TpU5w
王「なんじゃ…?」
ガタンッ、と扉が開かれる。
ロイ「──王!!」
ロイとクレアが王間に飛び込んできた。
王子「!」
姫「ロイ!? あんた、今までどこに出かけて──」
ロイが姫の方を見て、咄嗟に叫ぶ。
ロイ「姫!そいつ──、王子から今すぐ離れてくださいっ!!」
姫「え…?」
551: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:29:06 ID:6WPIlMnLYs
姫「な…、何言ってるのよ、王子から離れろ?」
ロイ「そうです!早くこちらへ来てください!」
王「これ、ロイ。お前は何を言うておる?ちゃんと説明せい」
大臣「そうですよ。それに、その血は… 一体何があったというのです」
ロイ「っ… すみません、隣国視察のご報告をします」
王子「!」
姫「隣国視察!?」
552: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:37:52 ID:l5W1Sce4Lg
ロイ「──報告。隣国は婚約パーティーに乗じて本国を攻めるつもりです」
「なっ…」
王「なんじゃと!?」
大臣「そ、そそそそれは本当なのですかっ」
ロイ「はい。この目でその軍隊を見てきましたし、実際にそうであると隣国の兵士から聞きました」
王「な、なんと…」
騒然とした空気が王間に漂う。
姫「…嘘……」
ロイ「そして王子がここにいるのは、本国を油断させ、軍の準備をさせないためです」
姫「……王子……」
姫「………王子っ!!」
553: ◆qoozyz1NgY:2011/11/9(水) 19:42:55 ID:3MiYLEePlw
王子「……」
姫「ロイの言ってること、本当なの!?隣国がここを攻めてくるの!?」
王子「……」
姫「あんたはそれ知ってたの!?知ってて、この国に来たの!?」
王子「……」
姫「どういうつもりで、私と仲良くしたのよっ!」
王子「……」
王子の肩を掴み、揺さぶる。
姫「王子っ… 黙ってないで答えなさいよ、王子ぃっ!!」
ロイ「姫…!」
──シャキン、と剣が抜かれる音がした。
姫「…!?」
グイッと引き寄せられ、姫の喉元に剣刃が当てられる。
……氷のような瞳が、見えた。
王子「──動くな。動けば、姫を殺す」
554: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 19:55:24 ID:RCXCl5If6k
!!!!!!(;Д;)王子ぃぃぃい!!
CCCCCC
555: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 20:15:59 ID:.Km5JWzyXY
(´;д;`)王子信じてるからな……
つC
556: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 22:32:02 ID:O2Dmey52w.
BADだけは勘弁してくれ・・・
泣きそうだ(;д;)
つCCCC
557: 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 23:49:17 ID:RVOhnVQ0xw
しえんしえん!
みんな大好きだが、第2王子が気になる…(´・ω・`)メロメロズッキュン
558: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 00:05:49 ID:p50CKzsejo
面白くなってきたな
っCCCCC
559: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:07:40 ID://Pq5MFqdI
……何が起こっているのか、わからなかった
だって、私に剣を当てているのが王子だったから
私が何言っても怒ったりしなくて
いつも微笑んでいてくれたから
姫、姫って名前を呼んで
傍にいてくれたから
その剣は、私を守るために使ってくれたから
王子「──…馬鹿だな」
小さく笑って、呟いた
でもそれは、いつもの優しい笑みじゃない
王子「僕が本当にこんな女と結婚すると思ってたのか?」
信じられなかった
──これは本当に、王子、なの?
560: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:09:45 ID:zL1WLCW5ps
更新ktkr!!
つC
561: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:14:14 ID:Ri/0Dq7liI
姫「っ…」
王子「くだらない。1週間過ごそうが1ヶ月過ごそうが、こんな乱暴な女と結婚したいなんて思わないよ」
ロイ「てめぇ…!」
王子「にしても、余計なことをしてくれたな…ロイ。このまま行けば僕たちの計画は完璧だったのに。まさか隣国視察に行っていたなんて、盲点だったよ」
ロイ「……やっと化けの皮が剥がれやがったな」
王子「化けの皮?」 クスリ
王子「──これが僕だ。それ以外の何でもない」
562: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:19:22 ID:8C0o4sgn8A
王「お、王子よ… お主はいったい」
王子「ロイの言ってることで間違いないですよ。隣国はここを攻めてくるし、僕の役目は本国に軍の準備をさせないことだ」
姫「…!」
王子「まぁ、おかげで予定が狂っちゃったけど。……他に質問はありますか?」
姫「……王子」
王子「はい」
姫「…王子が、私と結婚したいって言ってくれたこと… 私をか、可愛いって言ってくれたこと…
あれも嘘、なの?」
563: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:23:07 ID:4HN.k5LX7c
王子「……」
王子「はい、嘘です」
「!!」
姫「…呆れた… とんだ嘘つきね」
王子「はい。僕は嘘つきですから」
小さく目を細めて、グイッと刃を姫に近づける。
王間にいる兵士たちを見渡す。
王子「……姫を殺してほしくなかったら、黙って道をあけろ」
王「……何をするつもりだ」
王子「さすがの僕も城内全ての兵士を相手にしようとは思わないので。ここにいる理由ももうないし、潔く退かせてもらいます」
564: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 20:27:48 ID:uXbwh/DWnY
嘘つきってことはあれだろ!!どれだ!!っCCCC
565: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:32:13 ID:WpDpWV85XM
ロイ「……逃がすかよ」
王子「…お前は威勢がいいな。
ケガしてるくせに」
「!!」
王子「脇腹の傷。早く手当てした方がいいんじゃないのか?」
クレア「…!」
ロイ「…てめぇに心配されるほど落ちぶれてねぇよ」
王子「あ、そう」
ロイ「……」
王子「確か、お前は近衛隊長だったな。今すぐ、城内の兵士に王子には手を出すなと指示を出せ。姫を殺されたくなかったらの話だが」
ロイ「……んなことする必要ねぇ」
王子「へぇ、余裕だな」
静かに視線を動かす。
…今なら、いける。
ロイ「──ジョン!今だ!!」
566: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:35:29 ID:esacBCDh.U
次の瞬間、今まで隠れていたのか、玉座の陰からジョンが飛び出してきた。
ジョン「わんわん!わんわん!」
王子「!?」
勢いよくジャンプし、王子の腕に噛み付く。
ジョン「がううぅ―!!」ガブガブ
王子「っ、この犬は何度も何度も…!!」
振り払うと、ジョンは身を翻して床に着地した。
王子「──!?」
ジョンに気をとられた隙に、姫がするりと王子の腕から抜け出した。
王子「あ…!」
姫「この…!」
姫がくるりと王子の方を振り返る。
姫「バカ王子!!!」
勢いよく腕を振り上げた。
567: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:40:34 ID:mUCDMF7VaQ
──バシッ
…しかし、いつもの子気味良い音は鳴らなかった。
姫「…!」
王子が頬の横で、姫の平手打ちを止めていた。
姫「あ…」
王子「……残念でしたね」
小さく笑って、再び姫を拘束しようとしたとき。
「──させるかよ」
王子「!!」
ロイが王子の背後に回っていた。
568: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:45:11 ID:FsedaSvsrA
王子「く…」
腕に加速をつけ、王子に向かって剣を振りぬく───が、
ロイ「!?」
ロイの剣は空を斬っただけだった。
───シュタッ
王子が少し離れた窓際に着地する。
王子「……危なかった」
ロイ(あ、ありえね―… あのタイミングで飛んで避けやがった…)
569: ◆qoozyz1NgY:2011/11/10(木) 20:54:59 ID:yUqErVkrqI
窓際に立つ王子に、全員の視線が集まる。
王子「…これ以上長居できないな」
ボソリと呟くと、窓に手をかけた。
ロイ「な…」
姫「王子!?」
王子「……」
ニッコリと微笑む。
王子「この際だから言いますけど、早く軍の準備をした方がいいですよ。国を失いたくなかったら」
姫「王子!」
王子「僕は隣国の軍勢に加わりますので。ひょっとしたら、また後で会えるかも」
姫「王子っ…、王子!!」
王子「──ごきげんよう」
静かに言い放つと、窓から飛び降りた。
570: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 21:04:51 ID:Kwo9hE/z3E
それでも王子を信じるよ……。゚(。ノд<)つCCCC
571: 名無しさん@読者の声:2011/11/10(木) 21:18:24 ID:TcxQr27ML2
王子達最高だぜ
面白くなってきやがった
572: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 20:34:06 ID:AKEZMREro2
ヤベー。展開が読めねぇ。
ささやかですが。
4円
573: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 21:06:20 ID:n9ecgHDJME
この展開、BADENDでも面白そうだな…何でもないです!
支援してます
574: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 21:19:57 ID:A36.rRUHjU
やっぱハッピーエンドじゃなきゃ。
ロイ、死なないで(´`)
575: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:15:59 ID:CFz6aP7Usc
支援&コメありがとうございますm(*__)m!!
完結まで返レスができないことをお許しください
576: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 22:16:52 ID:EKSJzxcqmM
物語の最初の雰囲気と最近の雰囲気の違いにびっくりwww
だが面白い!!
これ漫画化じゃね?
C!
577: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:18:12 ID:CFz6aP7Usc
王「──やむを得ん。今すぐ国中の兵士を召集し、軍隊を編成しよう」
ロイ「よろしくお願いします。隣国がこちらへ到着するのにはまだ時間がかかるはずですから…
できる限り人数を集めてください」
王「うむ。ここで国を失うわけにはいかんからのう…。お前が報告してくれたおかけじゃ。感謝するぞ、ロイ」
ロイ「いえ… 国に仕える身として当然のことをしたまでです」
王「ご苦労であった。お前は早く城医のところで手当てしてもらえ」
ロイ「はい」
578: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:22:48 ID:T77F4lTOsc
王「……」 フゥ
王「…のう、大臣」
大臣「はい」
王「ワシは未だに王子に裏切られたということが信じられんのだ」
大臣「……」
王「あんなに素直で、姫のことを慕っていてくれたのにのぅ…
ワシは夢でも見ていたんじゃろうか」
大臣「……私も同じ気持ちですよ。つい数時間前までは、ここで談笑していたのに」
王「うむ…」
大臣「……姫さまは、大丈夫でしょうか」
王「……今はそっとしておくしかなかろう。これから我が国は臨戦態勢に入らなければならぬ。姫には今暫く、耐えてもらわねば…」
579: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 22:30:19 ID:I1hh53K5aA
久しぶりに来たらなんか凄い展開に…((゚Д゚ll))
王子…でも本心じゃないと信じてるよ…
CCCCCCC
580: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:31:38 ID:gg9sVDbflo
大臣「戦争ですか… 我が国が最も避けたかった事態になってしまいましたね」
王「うむ…。もし王子が自分は何も知らなかったと言ってくれたら、もう少し状況が変わっていたかもしれん」
王「しかし…王子の言葉を聞いて、もはや契約云々で済むことではないと悟ったよ」
大臣「…そうですね…」
王「……じゃがな、大臣」
大臣「はい」
王「ワシはまた、あの可愛い王子が帰ってきてくれるような気がしてならん」
王「今もワシの目には、二人がトランプをしたり城下町へ出かける姿が、見える。……瞼の裏にはりついて、とれんのじゃ」
581: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:39:15 ID:Xsg4vDSHiM
- 医務室 -
城医「──はい。とりあえず脇腹の手当ては済みましたよ」 スッ
ロイ「ありがとうございます」
城医「本来ならもっと安静にしていてほしい傷ですよ。ふさがってないし…、痛いでしょう?」
ロイ「思ったより深くねぇみたいだし、大丈夫だよ」
ロイ「…それに、他の兵士が戦争にいくってのに、近衛隊長の俺が寝てるわけにはいかねぇ」
城医「……」
城医「……先日行ったロイ殿の診断結果なのですが、」
ロイ「あ?」
城医「──ロイ殿は、結核です」
582: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:41:59 ID:esacBCDh.U
ロイ「……」
城医「せ、戦争前にこのようなことをお伝えするのはどうかと思ったのですが…」
城医「私は医者として、どうしても…黙っていることが…」
ロイ「……いいよ」
城医「え?」
ロイ「薄々気づいてたし。覚悟はしてた」
城医「ろ、ロイ殿…」
ロイ「別に今すぐ死ぬってわけじゃねぇんだろ?だったら、治療は戦いが終わってからでいい」
583: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:48:05 ID:Y7BaV1vgDU
城医「で、ですが… ロイ殿は隣国視察から帰ってきてまともに休んでないのでしょう」
城医「その上に結核の症状…。
とても戦うのは無理です」
ロイ「……俺は、さ」
ロイ「国のために死ねるなら本望なんだ。病気なんかでだんだんくたばってくより、剣で貫かれた方がマシだって思ってる」
城医「……」
ロイ「それに、いくら血を吐いたって、俺の身体が動く限りは… 俺が剣を握れる間は、俺は戦える。」
城医「…ロイ殿…」
ロイ「…先生、ごめん。俺が生きて帰ってきたら、結核の治療に専念する。約束するよ」
城医「……」
城医「わかりました。我が国の軍隊には、あなたが必要です」
城医「…必ず、帰ってきてくださいね。ベッドを用意して待っていますので」
584: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:51:59 ID:uZn9xXorvI
──バタン
ロイ「……ふー」
ロイ(俺も出陣の準備しねーと…)
ロイ「ごほっ、ごほっ」
「……あの、ロイさん」
ロイ「え?」
クレア「……」
ロイ「…なんだお前、部屋の前にいたのかよ。びっくりしたじゃねぇか」
クレア「……はい」
ロイ「……」
ロイ「…俺と先生の話、聞いてたのか」
585: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:55:49 ID:QsZCryh2P.
クレア「……すみません」
ロイ「…なにそんなにショボくれてんの?別に今すぐ死ぬわけじゃねーよ」
クレア「だ、だって結核って…!お、恐ろしい流行り病だと聞いたことがあります!」
ロイ「だったらなるべく俺に近づくな。うつりたくなかったらよ」
クレア「っ… な、何でそんなこと言うんですか!」
ロイ「お前のために言ってるだけ」
クレア「私は平気です!うつりません!」
586: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 22:57:47 ID:tII4jXRnG2
ロイ「根拠もなく見栄はってんじゃねぇ。お前は侍女の部屋にでも泊めてもらって、おとなしくしてろ」
クレア「っ…」
クレア「わ、私はロイさんの傍にいます!」
ロイ「なんで?」
クレア「なんでって… し、心配だからですよ!」
ロイ「いい。迷惑」
クレア「だっ、誰のおかげで本国へ来れたと思ってるんですか!」
587: ◆qoozyz1NgY:2011/11/11(金) 23:01:23 ID:OHenw44lQM
ロイ「お前のおかげ。だから避難してろって言ってんだろが」
クレア「でも…!」
ロイ「……つーか」
ロイ「お前、俺のなんなの?」
クレア「え…」
ロイ「わりぃけど、お前みたいな女、興味ねーんだわ」
クレア「…!」
ロイは踵を返すと、スタスタと廊下を歩いていった。
588: 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 23:19:06 ID:RS4QTzybjU
つCCCCCCCCCC
凄い展開になってる…!
589: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 09:53:26 ID:nUErM70S8M
ちょっ…
ロイに殺意わいた
いいんだクレアたんは私が幸せにするもん!!!
っCCCCCC
590: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 18:56:51 ID:r517UsUXT6
ロイとクレアがくっついたら殺意わく!
ロイは一途に姫を思ってたらいいなぁ
591: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:09:51 ID:dOfZ1I1ro.
──────
侍女1「……ねぇ、姫さまは?」
侍女2「なんか部屋に閉じこもってるみたいで。開けてくれないの」
侍女3「誰も入ってこないでー、だって」
侍女2「そりゃあショックよねぇ…王子様がいなくなっちゃったんだもの」
侍女1「心配だわ…」
「──ねぇ」
592: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:11:46 ID:yUqErVkrqI
侍女1「へっ!?」
侍女3「ロイ様!び、びっくりするじゃないですかぁ〜」
ロイ「わり。……姫は?」
侍女2「ご自室におられます」
ロイ「ふーん」
ロイ「…俺、入ってもいいかな?」
侍女3「えぇ!?」
侍女1「さ、さすがにロイ様でもそれは… 誰も入れるなと命じられていますので」
ロイ「……」
593: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:14:08 ID:OSGANJ/Nfc
- 姫の部屋 -
姫「……」 グスン
姫(……なによ、王子のばか)
姫(やっぱり私となんか結婚したくなかったんじゃない。私のことなんて何とも思ってなかったんじゃない)
姫(……しかも、政略結婚ですらなかった)
姫(王子はただ、戦争に勝ちたかっただけ)
姫(……)
姫(あ…あんな薄情な奴と少しでも仲良くしてたなんて…)
姫(ほんと、馬鹿みたい…) グスッ
──コンコン
姫「……」
コンコン
姫「……誰よ。入ってこないで」
594: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:16:44 ID:TtEmcv5bDI
ロイ『…俺です』
姫「……ロイ?」
ロイ『はい。……姫、中に入ってもいいですか』
姫「……」
姫「……ごめん、誰にも会いたくない」
ロイ『……あまり気を病まないようにしてください』
ロイ『王子は、あの程度の男だったんです。姫が気にすることはありません』
姫「っ…」
595: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:20:23 ID:5tYfNPQVjY
ロイ『所詮、冷酷な隣国の人間です。自分勝手で、強欲だ』
ロイ『……俺たちと、わかり合うことなんてできないんです』
姫「……お、王子は…」
ロイ『?』
姫「そんな…そんな男じゃないわ」
ロイ『……え』
姫(…! わ、私なに言って…)
ロイ『……』
596: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:23:29 ID:3MT/HFyZ1E
ロイ『……姫』
姫「……なに?」
ロイ『…俺はもう城を出るので、また暫く姫とは会えなくなると思います』
姫「……そっか」
姫「無事に帰ってきて、ね」
ロイ『……はい。最後に、姫にひとつだけ言っておきたいことが』
姫「?」
ロイ『……』
ロイ『俺が、姫を幸せにします』
597: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:25:21 ID:kU0.TrIKHA
姫は幸せ者だな
598: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 20:26:48 ID:CT7VV0836g
ロイ(つд;*)
つC
599: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 20:57:10 ID:n4xBg0Pe5M
───王子は馬に乗り、荒原を駆けていた。
その方角にあるのは、隣国。
本来の予定なら、そろそろ自国の軍隊が出発する時刻である。
…走り続けて、3時間ほどたった頃。
王子「……!」
ザッザッ、と土を踏みしめる音と共に
前方から、隣国の軍勢が現れた。
600: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:00:40 ID:l5Pa902z2Y
馬「ヒヒーン」
隣国の軍隊と向き合う形で、馬を止める。
第1王子「──あれ」
第2王子「王子じゃーん。何でこんなトコにいんの?」
先頭には、同じく馬に乗った二人の王子がいた。
王子「……」
第2王子「あ、そっかぁ〜。バレちゃったから、本国にいられなくなっちゃったんだね」
第1王子「あぁ、そういうことか。それは悪かったな」
王子「……出発時刻を早めたんだね」
第1王子「あぁ。予定が変わった」
第2王子「全く、兄さんが侵入者を逃がすからだよ」
601: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:05:30 ID:3U3Hhll63g
王子「父さんは?」
第2王子「城で待機。ボクたち王子が出陣すれば十分だってさ」
王子「……そう」
第1王子「お前も早く、軍に加われ。また本国へ戻ることになるがな」
第2王子「王子が加わればもう最強だよねぇ。本国なんて相手にならないや」 クスクス
王子「……」
第2王子「……?」
第1王子「どうした?」
602: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:08:12 ID:Ep/rQ5.Aro
王子は軍隊の前で馬に乗ったまま、動こうとしない。
馬「……」 ブルルッブルル
第2王子「……」
第1王子「……何を、考えている」
王子「……僕は、」
王子「僕は、戦争なんてするつもりはなかった」
603: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:12:22 ID:nky3KnsThQ
第1王子「……あぁ、その話か」
王子「確かに、僕の役目は本国に潜り込んで油断させ、軍の準備をさせないこと…」
王子「だけどそれは、『戦争をせずに本国を降伏させる』ためだ」
第2王子「……」
王子「…僕は、戦争は嫌だと… 人が死ぬのは嫌だと、ずっと父さんに言ってきた」
王子「……でも、自国のためには、本国の土地が必要なんだと言われた。穀物を送られる程度じゃ足りない、もっと隣国の人々が豊かで幸せになるためには、どうしても本国の土地が必要だって」
604: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:15:31 ID:wUf5zKLk5A
第2王子「そうさ。隣国は、もはやあの痩せた土地じゃ暮らしていけない。王子だってわかってるでしょ?」
王子「わかってる。わかってるから、本国へ行くことを了承した」
王子「……でもそれは、戦争に勝つためじゃない。本国に無血開城させるためだ」
王子「僕は、本国の人々を殺してまで土地を手に入れるのは絶対に嫌だ。そんな土地で、生きたいとは思わない」
第1王子「……お前は、相変わらず甘いな」
605: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:19:53 ID:qf2Xyjydl2
第1王子「だが、仕方がないだろう。隣国に本国の侵入者が入ったせいで、計画がバレた」
第1王子「本国も軍の準備を始めただろう。もはや戦争は避けられない」
第2王子「それにさぁ、無血開城なんてほざいてたのはお前だけだよね?本国なんて、さっさと滅ぼしちゃえばいいんだよ」
第2王子「ほら、世の中焼肉定食っていうじゃん?」
第1王子「弱肉強食だ」
606: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:30:15 ID:KqTJbdQyF2
王子「……そうさ、もう戦争は避けられない」
王子「だから僕は、本国を裏切ってきた」
第1王子「…?」
王子「……もう誰かが血を流すことを避けられないなら… どうせ戦争をするなら、僕は本国を支援する」
第1王子「!」
第2王子「はぁあ!?」
王子「本国にはもう、戦争をすることに迷いがない。僕がそうするように仕向けた」
607: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:42:02 ID:qWiM/K5756
第1王子「…挑発でもしてきたか」
王子「あぁ。もうスッパリ嫌われてきた」
第2王子「……へぇ。まさか本気で本国に勝たせるつもりなんだ?」
第1王子「自分の国を捨ててか。
本国で情にでもほだされたか?」
王子「……」
王子「本国に、未練はない。未練があったら、これから僕のやろうとしてること… 僕の、責任を果たすことができそうにないから、全部切って捨ててきた」
第2王子「…?」
王子「…それに、これは隣国のためでもある」
第1王子「なに?」
608: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 21:42:19 ID:oLaq8djkcQ
王子っ信じてたよ(´Д⊂グスン
っCCCCC
609: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:46:28 ID:fVVLBZ49.o
すぅっ、と息を吸った。
王子「──隣国の兵士たちよ、聞いてくれ!」
「!?」
王子「お前たちはこれから、本国を攻めるつもりなんだろうが、もう一度よく考えてみてほしい!」
王子「もし、隣国が勝って、隣国が本国の土地を手に入れたら、
お前たちは幸せになれると思うか!?」
第1王子「おい、一体なにを…」
王子「本国の土地を手に入れても、王が変わらない限り悪政は変わらない!多く作物が獲れる分だけ重税になるだけだ!」
ザワザワと兵士たちがどよめき始めた。
610: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:52:21 ID:yUqErVkrqI
王子「そして、本国の人達もまた、隣国に支配されれば今までのお前たちと同じように悪政に苦しめられることになる!」
王子「お前たちはそれでいいのか!?不幸な人がこれ以上増えて…戦争に勝てば、全てがうまくいくと思っているのか!?」
ザワザワ ザワザワ
第2王子「……ねぇ、いい加減にしなよ。何が言いたいの?」
王子「僕は、本国で本国の王と国民を見てきた!王は国民のことをよく考え、思いやり、良い政治を行っている!隣国よりもずっとずっと、人々は幸せな生活を送っていた!」
王子「僕は……僕は、隣国は本国に支配されるべきだと思っている!そっちの方が、絶対にお前たちも幸せになれるんだ!」
ザワザワ ザワザワ
611: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 21:57:24 ID:KdRzS59wow
チャキッ、と第1王子が剣を抜いた。
第1王子「…それ以上言ってみろ。弟だろうと容赦はしない」
王子「……」
王子「…冷酷なのは、僕も同じだ」
再び息を吸う。
王子「──もし、それでもまだ本国と戦争をしたいという奴がいるなら、僕を殺してから本国へ行け!」
王子「だが、そういう奴には僕も容赦しない!僕に斬られる覚悟がある奴はかかってこい!」
612: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:02:37 ID:X69mGgi7ZY
第2王子「…呆れた。祖国の仲間と敵対するつもりなんだ」
王子「言っただろ、これは隣国のためだ」
第1王子「にしても、お前にはこの軍勢が見えないのか?お前が勝てる要素がどこにある」
王子「……別に、勝とうなんて思ってない」
王子「一人でも兵を減らせればいい。そうすれば、後から来る本国も、少しは戦いやすくなるはず」
第2王子「……言っとくけど、本気でやるならボクも弟だろうと容赦しないよ」
第1王子「あぁ。お前、死ぬぞ」
613: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:11:30 ID:yMRb0gueNs
王子「……かまわない。それで、本国の人々へ少しでも償えるなら……隣国の人々が、幸せになれるなら」
第1王子「……前軍、剣を抜け」
王子「僕に… 僕にできることは、これだけだ」
シャキン、と音を立てて剣を抜く。
第2王子「……馬鹿だね、お前は」
兵士たちも剣を構え、王子へと視線を集中させた。
しばしの間沈黙が流れ、張り詰めた空気が流れる。
王子「……」
小さく息をついて、ゆっくりと空を仰いだ。
614: ◆qoozyz1NgY:2011/11/12(土) 22:13:29 ID:Ob7w30XrzA
「──さよなら、姫」
615: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:19:39 ID:6ryzL53E0I
うあああああああああぁぁぁぁあ!
王子いいいいぃぃぃぃぃ
616: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 22:22:54 ID:BhHGk/K4Z6
やだぁ…(´;Д;`)
617: 名無しさん@読者の声:2011/11/12(土) 23:48:06 ID:v61gFz7xyw
王子あかん(つд;`*)
姫を幸せにする仕事が残ってるんやで…
618: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 00:38:32 ID:RS4QTzybjU
ちょ、え?!
ああああああああッ
619: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 00:44:33 ID:eMMyymVLo6
王子いいいぃぃぃぃ!!!!!!
620: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 10:04:30 ID:VDnJeC4e6A
え!
やだやだっ!!!
行かないで…(:_;)
621: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 15:31:08 ID:ax87L.yVJA
信じてたよ王子ぃぃぃ!!!
でもしなないでぇー
。゜(゜´Д`゜)゜。
622: ◆qoozyz1NgY:2011/11/13(日) 21:45:01 ID:a/d3N7/7Ow
姫「……」 ハッ
姫「……王子?」
───それから数時間後、本国と隣国の戦争が勃発する。
戦場となったのは、両国の国境付近に位置する荒原。
剣がぶつかり、血が飛ぶ戦いの日々が、幕を開けた。
623: ◆qoozyz1NgY:2011/11/13(日) 21:47:47 ID:Cd/PMBqUCQ
──戦争が始まって、1週間経った頃。
本国の戦陣にて。
ロイ「──隣国の王子を捕虜にした?」
兵士「はい」
ロイ「マジで!?お前それ、超手柄だぞ」
兵士「ありがとうございます!」
ロイ「……で?」
兵士「はい?」
ロイ「何番目の王子?」
兵士「第2王子と思われます」
ロイ「ふーん…」
兵士「戦場から少し離れた場所で自慰をしていたので後ろから拘束しました」
ロイ「は?」
624: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 21:50:54 ID:m5A7HqHqoI
おいwwww
625: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 21:51:05 ID:OSGANJ/Nfc
ちょwww自慰とかwww
626: ◆qoozyz1NgY:2011/11/13(日) 21:52:10 ID:l5Pa902z2Y
ロイ「……まぁいいや。そのまま本国に送って」
兵士「会わなくていいんですか?」
ロイ「俺もまたすぐ戦いに行かなきゃなんねぇから。本国で詰問させて、なんか情報得られたら連絡させて」
ロイ「それに、今は俺たちの方が優勢だし…焦る必要もねぇだろ」
兵士「わかりました。では、第2王子とその他捕虜を本国へ送ります」
ロイ「ごほっ、ごほっ」
ロイ「…あぁ、頼むわ」
627: 名無しさん@読者の声:2011/11/13(日) 21:58:39 ID:XZM9R81ObI
第2王子!第2王子!
628: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 01:17:45 ID:AY51fdUhxg
おめでと愛してるうぅぅぅぅぅ!
629: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 08:25:30 ID:ZwYLXgVxwU
うおおおぉ…!( ゚Д゚)
い、1位や…!1位…!!
何か未だにまだ信じられませんが、支援&投票してくださった方ありがとうございます!!!
今回は大波乱だったみたいで…
お、オラは何もしてねぇぞ…!
圧力とかかけてねぇからな…!
すみませんw
でも、もうすぐ完結なんで、次のランキングからは華麗にいなくなる予感(ノ∀`)
ていうか、ホントは先週中に完結させるつもりだったのに、どんどん延びてく…((汗 ゴメンナサイ...
レス返とかもできてませんが、支援とかコメくると度に小踊りしております←
いつも支援してくださる方々ありがとう!!
何はともあれ本当に嬉しいです!皆さん大好きちゅっちゅ
これからもよろしくお願いします!m(*__)m
それでは、また夜に更新しに参ります。
>>628
ありがと私も愛してるうううう!
630: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 11:59:31 ID:Ga85pR.zOs
ランキング入りおめでとうございます。
631: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:04:13 ID:O9oYtu06ZI
>>630
ありがとうございます!!
632: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:04:49 ID:m5A7HqHqoI
───本国、城
第2王子「いったぁ!押すなよバカ!」
兵士「うるさい、つべこべ言わず歩け!」
第2王子「ボク左腕折れてんの!傷だらけなの!わかってる!?」
兵士「自慰してたくせに何を言う」
第2王子「生理現象だよ!あとちょっとでイキそうだったのに邪魔しやがって!お前それでも男かよ!」
兵士「……」
633: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:07:55 ID:yTWeyWMdBg
大臣「──そろそろ捕虜が到着する頃ですな」
王「第2王子を捕らえたと言っていたな、確か。どんな男かのう」
大臣「とりあえず、隣国の軍隊の状況などについて聞かなければなりませんね」
王「そうだな」
姫「……お父様」
王「ん?」
姫「これからここに、第2王子って奴が来るのよね。私もここにいていいかしら」
王「……」
王「うむ。かまわんよ」
姫「ありがとう」
634: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:11:49 ID:KdRzS59wow
コンコン
姫「あ」
王「来たようじゃな」
ガチャ
兵士「──失礼します。隣国の第2王子を連れてきました」
兵士「さぁ、入れ」
第2王子「うるさいなー」 ブツブツ
仏頂面をした第2王子が、渋々と王間へ足を踏み入れる。
姫「……」
第2王子「…あ、お姫様」
姫「……」 ジー
第2王子「……?」
第2王子「…ボクの顔に何かついてるかな」
姫「え …あ、ごめん」
第2王子「…ま、無理もないかぁ。兄弟の中ではボクと王子が一番似てるもんねぇ。アイツほど女顔じゃないけど」
635: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:15:45 ID:.Km5JWzyXY
姫「……王子」
姫「王子は今、隣国の軍隊にいるのよね」
第2王子「はぁ?」
姫「は?」
兵士「こら、姫さまに無礼な口を叩くな!」
王「よい。好きに喋らせろ」
第2王子「……あぁ、そっかぁ。君たちはまだ、裏切られたまま、なんだね」
姫「……裏切られたまま?」
636: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:20:26 ID:HFamDqVsHc
第2王子「あんたたちは、王子に裏切られたと思ってるんでしょ?戦争のために王子がここへ潜りこんでいたって」
姫「そうよ。だって、王子がそう言ったもの」
第2王子「へぇ、信じてるんだ」
姫「……なによ。言いたいことがあるならさっさと言いなさいよ」
第2王子「どうしよっかなぁ。ボク、そんなこと教えてあげる義理ないし」
姫「……あんた、自分の立場わかってる?敵国に捕まってるのよ」
第2王子「じゃ、ボクが何も言わなかったらボクを殺す?それとも拷問でもする?ボクは──」
第2王子「ボクはどっちも嫌だな」
兵士「嫌なのかよ」 ペシッ
637: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:24:03 ID:UjZCWpAm.I
第2王子かわいすぎる……!
つ 支援
638: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:24:32 ID:OEv/Nma8qg
第2王子「……まぁいいや。王子のこと教えたからって今より戦況が不利になるわけでもないし」
姫「!」
第2王子「それに、お姫様ちょっと可愛いし」
姫「は、はぁ!?」
第2王子「王子ともう寝た?」
兵士「おら!」 スパコーン!!
第2王子「いったああぁぁっ!!さっきからお前なんだよ、ツッコミばっか入れてくんじゃねーよ童貞!」
王「……」
大臣「……」
639: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:28:02 ID:CFz6aP7Usc
姫「い、いいから早く王子のこと教えてよ」
第2王子「んーと… まず、アイツが本国に来た本当の理由ね」
「!」
第2王子「まぁ、本国を油断させるやら軍の準備をさせないってのはまんま合ってるよ。それで、本国に隣国からの奇襲に対応できないようにさせようとした」
王「……」
第2王子「でも、ここからが王子とボクたちの感性が食い違ってるところなんだ。ボクたちは、奇襲からそのまま本国を滅ぼせばいいと思ってた」
第2王子「一方王子は、戦わずして本国を降伏させようと思ってたみたい。誰一人傷つけずにね」
姫「え…」
640: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:30:51 ID:esacBCDh.U
大臣「し、しかし、どちらにせよ王子も本国を貶めるつもりだったんでしょう。隣国の奇襲に手を貸していたわけですから…」
第2王子「うん、そーだね。少なくともはじめはそのつもりだったと思うよ」
第2王子「王子も、隣国には本国の土地が必要だって理解してたから… 無血開城させて、人々を傷つけないことを条件に本国から一部土地を貰おうと思ってたんでしょ、たぶん」
姫「たぶんって… あんたたち話し合って決めたんじゃないの?」
第2王子「話し合ったよ。だから、当初の隣国の予定は王子の意志を汲んで無血開城作戦だった。そうしないと王子が本国に行かないって言うから、一応ね」
第2王子「……ま、結局予定が変わって戦争することになったんだけど… 何で変わったかは、わかる、よね?」
641: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:34:17 ID:lNbS31iwTM
CCCCCCC
642: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:35:14 ID:Lh8ZAZXuuE
王子……愛してる
643: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:35:40 ID:UdCBQzYwOk
王「……ロイか」
第2王子「名前なんて知らないよ。とにかく侵入者が入ってバレちゃったから、強引に攻めるしかなくなったわけ」
姫「……」
姫「…そりゃ戦争は一番嫌だけど、だからっていきなり降伏させられて土地を渡すのだってごめんだわ」
姫「……ホント、王子がなに考えてたのかわかんない」
第2王子「……」
第2王子「…ねぇ、お姫様」
姫「? なによ」
第2王子「何で今、戦いが本国優勢になってるか知ってる?」
644: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:39:18 ID:5RiZkxhOv2
王子が本国のために頑張ってるの想像して泣ける
CCCCC
645: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:40:55 ID:q2dqERqijw
姫「はぁ…?そりゃ、うちの兵士が頑張ってるからでしょ」
第2王子「頑張って戦争に勝てれば苦労しないよ。それに、軍事力そのものなら隣国の方が絶対に強い」
姫「……?」
第2王子「この際だから言っちゃうけど…… あんねぇ、隣国の兵士たちの戦意が喪失しかけてるんだわ」
「!!」
第2王子「王子に変なこと吹き込まれちゃってね」
姫「変なこと?」
646: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:44:31 ID:4HN.k5LX7c
第2王子「隣国が戦争に勝っても幸せになれない、隣国は本国に支配されるべきだーとか、うんたらかんたら」
「!!」
第2王子「どうやら王子、1週間本国に滞在したら、色々気が変わったみたい」
姫「そんな…」
第2王子「……ホント、迷惑だよ。ボクがやる気を出せって言って奮い立たせても、みんな心の奥底で負けてもいいって思ってるんだ」
第2王子「おかげで今は隣国劣勢。ボクも左腕折っちゃうし、捕まっちゃうし、散々だよ」
647: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:46:48 ID:Lh8ZAZXuuE
王子……王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子王子…
(((´;Д;`)))
648: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:49:22 ID:hwWDAEBxtk
姫「……それで、」
第2王子「?」
姫「お、王子は今、どこにいるの!王子がそんなこと言って、あんたたちは……」
第2王子「……そりゃあ、許せないよ。王子のやったことは隣国への裏切りだ」
姫「……!」
姫「ま、まさか…」
第2王子「──殺したよ」
姫「え?」
第2王子「王子はもう、この世にいない」
649: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:50:31 ID:5RiZkxhOv2
いやぁぁぁぁぁあああああ王子ぃぃぃぃあああああ!
650: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 20:50:45 ID:BhHGk/K4Z6
やだぁ…(´;Д;`)
651: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:53:15 ID:bd.VSVzfCA
姫「……」
姫「………嘘……」
第2王子「嘘なもんか。あいつから先に歯向かってきたんだ。ボクたちは迎え討っただけ」
王「な、なんと…」
第2王子「バカだよねぇ… 軍隊の中に飛び込んだりしたら死ぬに決まってるのに」
姫「あ、あんた…」
第2王子「ん?」
姫「あんた、王子の兄でしょ!
何で止めなかったのよ!弟が死んで平気なわけ!?」
第2王子「ちゃんと引き止めたよ?でもねぇ、ボクたちにとっては王子1人よりも戦争に勝つことの方が大切なんだよ」
姫「……!」
652: ◆qoozyz1NgY:2011/11/14(月) 20:58:38 ID:E41Ru0zsdI
第2王子「……まぁ、そうだよねぇ。仮にも婚約者みたいなもんだったし、死んだりしたらショックか」
第2王子「あ、なんなら代わりに俺が結婚してあげようか?俺まだ婚約者とかいな──」
バチイイィンッッ!!
突如、姫の平手打ちが飛んだ。
「!?」
王「姫!」
第2王子「……いったぁ」
赤くなった頬に触れる。
姫「……」
第2王子「……いきなり何なの? 女の子にぶたれるとか、初めてなんだけど」
姫「……あんたが嫌いだからよ」
第2王子「……」
第2王子(泣いてる……)
653: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 21:25:20 ID:nMDefqkDLo
えwwwwちょwwww
さっき全部読んで今に至るけど気になるとこで更新止まってたwwwwwwwwwwww
っ C!!!
654: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 21:43:30 ID:0YTV4R7azg
>>653
俺も一気に読んできたwww
気になるww
655: 名無しさん@読者の声:2011/11/14(月) 21:48:53 ID:yHp6xpyjuo
遅くなったけど…
一位おめでとう(*^▽^)/☆★!!!
支援っCCCCC
656: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 21:48:00 ID:tII4jXRnG2
姫「……お父様」
王「ひ、姫…」
姫「──失礼するわ」
バタンと音を立て、姫が王間から出ていった。
王「……むぅ」
大臣「姫さま…」
第2王子「……何これ。ボクのせい?ボクのせいなの?」
兵士「そうだ」
第2王子「意味わかんねー。教えろって言ったから教えただけじゃん…」
王「…第2王子よ」
第2王子「そういや、何かの本に女を泣かす男は最低だとかって書いてあったなぁ」
うーん、と考える動作をしてから、頷く。
第2王子「…決めた。拷問希望」
657: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 21:54:20 ID:yMRb0gueNs
王「……そんなことはせん」
第2王子「なんで?隣国の軍事情報が欲しいんでしょ?」
王「拷問は、この国では禁じている」
第2王子「…へぇ」
王「おい、兵士」
兵士「はい」
王「第2王子を医務室へ連れていってやれ。腕を折っているらしいからな」
第2王子「!?」
兵士「わかりました」
兵士「おらっ、行くぞ」 グイ
第2王子「……」
第2王子「…王子は、このぬるま湯に当たっちゃったんだね」
哀しげに目を細めて、小さく呟いた。
658: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 21:59:24 ID:KdRzS59wow
────中庭
姫「……」
おぼつかない足取りで、中庭の芝生を踏みしめる。
姫「……」
姫「……王子が……」
姫「死んじゃった……」
ポロポロと涙が落ちていく。
姫「……なんで…?」
姫「何でいつも、勝手なことするのよ…」
ぎゅっ、とドレスの裾を握り締めた。涙が止まらない。
喉の奥から押し出る声を、我慢できない。
姫「っ…」
姫「わあああぁぁ……っ」
そのままそこに、崩おれた。
659: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:16:10 ID://Pq5MFqdI
───隣国、城
第1王子「父さん、」
バタンと扉を開ける。
ディナーの最中だった隣王が目を向ける。
隣王「ん、なんじゃお前。帰ってきたのか」
第1王子「第2王子が捕まりました」
隣王「な、なんだと!?」 ガチャン
第1王子「これで戦力も大幅に減るし、こちらの情報が漏れる恐れがあります」
隣王「ぬうぅ… あやつめ、またどこかで気を抜いておったな」
660: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:20:29 ID:OXmxEE5H02
第1王子「どうしますか。思ったより戦況が悪いですし、何か別の作戦を…」
隣王「お前に任せる」
第1王子「は?」
隣王「お前は頭も良いし、しっかり者じゃから、何とかできるであろう!」
第1王子「俺がどうするというより、兵士の戦意がないので困っているんです」
第1王子「父さんに戦場へ出向いて頂き、兵士たちを叱咤してもらいたい」
隣王「……」
661: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:24:36 ID:etb2FfO1cY
隣王「…やむを得ん。明日、出向こう」
第1王子「ありがとうございます」
隣王「しかし、第1王子たるもの、兵士にやる気を出させることもできんようでは困るぞ」
第1王子「……はい」
隣王「第2王子はどこか抜けておるし、第3王子に至っては裏切りの大馬鹿者。お前以外にワシのあとを継げる者はおらんのだ」
第1王子「……父さん」
隣王「ん?」
662: ◆qoozyz1NgY:2011/11/15(火) 22:29:46 ID:LIrhX9.mL.
第1王子「もし俺が死んだら、どうしますか?」
隣王「…なに?」
第1王子「……弟が二人もいなくなると、結構つらいものですよ」
隣王「なんじゃ、弱音か?お前らしくないな」
隣王「大丈夫だ、自分に自信を持て。お前ならできる」
第1王子「……」
第1王子「はい」
663: 名無しさん@読者の声:2011/11/15(火) 22:39:48 ID:kU0.TrIKHA
第一王子…頑張れ
支援
664: 名無しさん@読者の声:2011/11/15(火) 22:48:50 ID:N0nxWG/O6Y
長男って辛いよな
わかるよ
支援
665: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 05:53:56 ID:O9oYtu06ZI
次男って馬鹿だよな…
わかるよ!!
支援
666: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 06:10:03 ID:Lnjzi0A3ek
何だかんだで三男って一番出来がいいよね
分かるよ
667: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 07:37:13 ID:p03NM465TM
うわぁああぁあぁあぁああああぁあやっぱ面白れぇなぁ!
続きめっちゃ気になる!紫煙紫煙紫煙!
668: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 13:38:20 ID:Sbys4aIzKQ
本国も、隣国も幸せになる事を願って…
CCCC
669: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 17:33:19 ID:xr/aBhm7kA
っCCCCC
670: 支援ありがとうございます ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:24:48 ID:KQAgxdxGac
戦いの日々が続いた。
当初の予定とは反対に、本国軍が優位に戦争を押し進め、徐々に隣国軍を後退させていく。
──そしてついに1ヶ月後、本国軍が隣国へ到達した。
堅く閉ざされた鉄壁の周囲を、何百人もの兵士が取り囲む。
事実上、隣国は籠城を余儀なくされる状況となっていた。
ロイ「──よし。あとはどうやって鉄壁を乗り越えて隣国に進入するかだな」
兵士1「なかなか頑丈にできていますね… 高さもありますし」
ロイ「ぶっ壊すのは無理だろうな」
兵士2「積み荷を何メートルもして飛び越えるというのは?」
ロイ「悪くねぇけど、のぼった瞬間矢で射られるぞ。あいつら、ずっとスタンバってやがる」
671: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:27:26 ID:a/d3N7/7Ow
兵士2「では、どうすれば…」
ロイ「……やっぱり国門を破壊するしかねぇな」
兵士1「できますかね?」
ロイ「……」
ロイ「もしくは、掘る」
兵士1「へ?」
ロイ「門の下なら金属が地中まで到達してないから、掘れば通り抜けする空間が作れるはず」
兵士2「なるほど…」
672: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:31:01 ID:bYbkJjNr/E
──────
隣王「──何故だ!!」
ダンッ、とテーブルを叩く。
第1王子「……」
隣王「我が国の軍事力は本国より強いはずだ!本来なら我が国が本国へ攻めこんでいるはずなのに……何故だ!!」
隣王「なぜ、我々が籠城しておるのだ!!!」
第1王子「……」
隣王「答えよ、第1王子!」
第1王子「……原因は色々考えられますが…」
窓際に歩み寄り、鉄壁を取り囲む本国軍を眺める。
第1王子「俺の、力不足です」
673: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:34:48 ID:2f74OR/8Q6
隣王「なに…?」
第1王子「…これからどうしましょうか、父さん」
隣王「……」
隣王「…他に手段がないというなら、籠城戦でかまわん。籠城戦であれば、兵の数が少なくても対抗できるだろう」
第1王子「……確かに籠城して守備に撤すれば、食糧的に半年はもつでしょう」
第1王子「ですが、籠城戦には高められた士気が絶対的に不可欠です。閉ざされた空間での、兵士たちの不安感やストレスは尋常じゃない… 今の我々には無理だと思われます」
隣王「では、どうしろというのだ!」
第1王子「降伏です」
隣王「…!?」
第1王子「俺はもう、疲れました」
674: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:40:01 ID:l5Pa902z2Y
隣王「疲れただと…?」
第1王子「1ヶ月、よく頑張ったと自分を褒めてやりたいくらいですよ」
隣王「勝たなければ意味がない!」
第1王子「父さんは何もしてないでしょう」
隣王「なに?」
第1王子「……」
第1王子「隣国の兵士は、もはやはじめの10分の1程度です。これ以上戦っても、俺は勝てる気がしません」
第1王子「意味のない戦いを、これ以上する必要がありますか?」
675: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:52:00 ID:sv4nAwFHwA
──そのとき、慌ただしい音がして、王間に兵士が飛び込んできた。
兵士「たっ、たたた大変です!!国門が突破されました!!!」
第1王子「!」
隣王「なんじゃと!?」
兵士「国門の下にトンネルを掘ったようで… どんどんと敵兵が進入してきます!!」
隣王「……」 ワナワナ
第1王子「……思ったより早かったですね」
隣王「っ… 絶対に城には侵入させるな!近づいてくる奴には矢を放て、石を落とせ!!」
676: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 21:56:00 ID:KdRzS59wow
──────
ロイ「っしゃぁ!5メートルくらいは掘ったぞ!!」 バッ
兵士1「た、隊長、顔が真っ黒です」
ロイ「ぺっ、ぺっ!土食っちまった!」
兵士2「隊長、お疲れ様です!」
兵士3「俺、一生隊長についていきます!」
ロイ「俺だけで掘ったわけじゃねぇし!──よし、穴堀り隊はちょっと休んでていいぞ!他の奴らは全員突撃準備しろ!!」
「はっ!!!」
677: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 22:02:27 ID:/kU2jJP7Ck
第1王子「──まぁ、父さんが戦えというなら、戦ってもいいですよ。俺は死なんか怖くない」
第1王子「でも… 戦えば、隣国は本当に滅ぶことになる。それでもいいんですか?」
隣王「…降伏したところで、隣国に何が残る」
第1王子「わかりません。終わった後に決まることですから」
隣王「……」
隣王「馬鹿らしい話だ。余裕綽々だった1ヶ月前が嘘のよう」
第1王子「それは俺も同じですよ」
678: 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 22:07:17 ID:yTWeyWMdBg
第1王子……(´;Д;`)
679: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 22:12:25 ID:qf7Rx7Huy.
──第1王子が立ち上がり、王間を出ていこうとする。
隣王「……おい、どこへ行く」
第1王子「白旗を揚げるなら俺で十分でしょう?」
隣王「殺されるかもしれんぞ」
第1王子「そう簡単に殺されたりしないのでご安心を」
隣王「……」
第1王子「…兵士たちには、これ以上戦う必要はないと伝えますので……父さんも、覚悟をきめてくださいね」
隣王「……」
悩むように顔を歪めてから、頷く。
隣王「……わかった」
隣王「世話を、かけたな」
第1王子「俺のことはいいので、怠惰な弟たちを叱ってやってください。長男ばかりに働かせるなってね」
苦笑して、王間をあとにした。
680: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 23:03:57 ID:ZwYLXgVxwU
ロイ「──全員、城のまわりを囲め!不用意に攻撃するなよ!」
ダダダダッ、と慌ただしく兵士たちの足音が響く。
兵士1「…!」
兵士1「た、隊長!隊長!」
ロイ「ん?」
兵士1「城の中から人が…!」
ロイ「…!」
不意に、城門に人影が現れた。
黒い外套をまとい、長剣を腰に差した若い男。
ロイ「…第1王子…!」
681: ◆qoozyz1NgY:2011/11/16(水) 23:22:03 ID:8C0o4sgn8A
バッ、と兵士たちが一斉に剣を構える。
ロイ「待て!何もするんじゃねぇ!!」
制止して、再び第1王子を見つめる。
ロイ(…様子がおかしい…?)
第1王子「……」
すると、前触れなく第1王子が腰の剣に手を当てた。
ロイ「!」
思わず警戒して身構える─が、
─────ガシャッ
第1王子は、自分の剣を取るやいなや、兵士たちの目の前に投げ捨てた。
ロイ「……!?」
第1王子「……」
ロイを一瞥してから敵国の兵士を見据える。
…やがて、ゆっくりと口を開いた。
第1王子「──我々の、負けだ」
静かで、凛とした声だった。
682: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 00:21:13 ID:Lh8ZAZXuuE
よかった……(´;ω;`)…
隣国も本国もこれで争わなくて済むんですね…
683: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 02:40:20 ID:sMCa5523Yo
なんかやだこの感じ
フラグ臭い
大丈夫だよね?ハッピーエンドだよね?(´;ω;)
684: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 10:49:42 ID:Sbys4aIzKQ
凄く気になる…(´・ω・)
皆がハッピーエンドになるのだろうか。
685: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 16:39:26 ID:HXlFouP9Ao
っCCCCC
>>1頑張ってね
686: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 16:50:01 ID:owdFNQ5OBY
>>683
>>1のSSなんだからフラグたてるのもバッドエンドにするのも>>1の自由だよ
CCC!!!
687: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 18:17:17 ID:emIXT3i.Lo
そりゃそうだ
すまん
688: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 18:54:54 ID:xu.SRBrCIs
みんなかわいくて好き
(*´ω`)つCCCCCC
689: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 19:32:19 ID:X/tdU9QhMo
皆さんがCって投稿されてるのは
支援の略かなんかですか?
スレチですみません(´・ω・`)
>>1さん
初めてSS見ましたがはまりました!
大変とは思いますが頑張って下さい><
690: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 21:07:33 ID:Xo4UbfHLPE
>>689
C→4円→4(し)えん→しえん→支援
691: 支援ありがとうございます!! ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:26:33 ID:ITpyHk7dP2
「か…」
ざわ...
「か…!」
ざわ...ざわ...
「か…!!」
「勝ったあああああぁぁっ!!!!!!!!!」
一斉にガッツポーズをする。
「やった、ついに本国が勝ったぞ!!」
「戦争が終わるぞ!帰れるんだ!!」
「よっしゃあぁ…!!!!」
「俺たちの、勝ちだあああああぁっ!!!!」
ワーワー、と本国の兵士たちが歓声をあげはじめた。
ロイ「ちょっ… おめぇら早えーよ!罠かもしんねぇだろ!!」
692: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:29:36 ID:oaV8sFVAmA
第1王子「罠じゃないから安心しろ。これは正式な降伏宣言だ」
ロイ「…!」
第1王子「…どうした?お前は歓声をあげなくていいのか?」
ロイ「っせーよ!降伏するってんなら、城内の兵士全員の武器を集めてきて、ここに置け!!」
第1王子「おぉっと、それもそうだな。少し待ってろ」
───────10分後
ガシャガシャ、ドサッ
ロイ「……マジか」
城門の前に、数えきれないほどの剣や弓矢が山積みにされた。
第1王子「──これで、信じてもらえるかな」
693: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:35:05 ID:3inC/w3.6k
ロイ「……」
ロイ「……勝った…」
──身体中の力が抜けていくのがわかった。
張り詰めていたものが切れてしまったのか、足元がふらつく。
兵士「……隊長?」
ロイ「っ…」
ロイ「ごほっ、ごほっ」
脱力すると同時に、今まで少しおさまっていた咳が、待っていたかのように襲ってきた。
兵士「た、隊長!?大丈夫ですか!」
よろめくロイを、慌てて兵士が後ろから支える。
ロイ「ごほっ、ごほっ」
兵士「……!?」
ロイの手のひらにつく血を見て、ドキッとする。
第1王子「……前も咳をしていたな、お前」
ロイ「……」 ハァ、ハァ
ロイ「……っせぇよ…」
兵士「隊長……」
694: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:38:43 ID:hwWDAEBxtk
ロイ「……指示を出す」
兵士「は、はいっ」
ロイ「──第1、2部隊はそのまま城のまわりを包囲して待機。第3〜5部隊は俺と一緒に城へ入り、城内の兵士、およびその他の人間を全て拘束する」
ロイ「第6、7部隊は国門周辺で待機。第8部隊は本国へ連絡しに行け」
「はっ!!!!」
ダダダダッ、と勢いよく兵士たちが駆け出した。
695: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:43:54 ID:qWiM/K5756
───隣国、城内
バタバタと慌ただしく兵士たちが走り回り、隣国の兵士を拘束したり、一つ一つの部屋を注意深くチェックし始めた。
第1王子「……父さん」
隣王「安心せい。もはや抵抗する気なぞないわい」
第1王子「はい。他の兵士たちもそうみたいですね」
第1王子や隣王も、黙ってロイの指示に従った。
隣王「…これからワシらはどうなるのかのぅ」
第1王子「早めに降伏したので、殺されることはないと思いますが。とりあえず本国へ送られるでしょうね」
隣王「第2王子がいる本国か…。
頭をひっぱたいてやらねば気が済まんわい」
696: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:46:52 ID:aotAc0vzsc
ロイ「──おい、第1王子」
第1王子「なんだ」
ロイ「この城にいる病人やケガ人だが、とりあえずまだ暫くここで療養させた方がいいよな」
第1王子「…そうだな。特に一人では動けんような重症の奴は、安静にさせておく必要がある」
ロイ「わかった。んじゃ、本国から少し医療品を手配させる」
第1王子「……」
第1王子「おい」
ロイ「あんだよ」
697: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:49:51 ID:Ck6no1fVS2
第1王子「……お前らが興味をもちそうなものを、見せてやろうか」
ロイ「は?」
第1王子「ついてこい」
第1王子はスッと立ち上がると、2階へと続く階段を上り始めた。
ロイ「お…おい!」
慌ててロイも階段をあがる。
ロイ「いきなり何だよ、勝手に動くな」
第1王子「ここは俺の城だ。わざわざ案内してやるって言ってんだから、黙ってついてこい」 スタスタ
698: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:52:54 ID:vmIGY5yfM.
第1王子は2階の廊下を歩き、一番突き当たりの部屋へやってきた。
一人の兵士と侍女もいる。
兵士「あ…!隊長、丁度いいところに!」
ロイ「どうした?」
兵士「侍女さんが、ここの部屋を見せてくれないんです」
侍女「ここはあなたのような薄汚い兵士が入ってよい部屋ではありません!」
兵士「な、なんだとー!?」
第1王子「──侍女よ」
侍女「はっ… 第1王子さま!」
第1王子「ご苦労だったな。下がっていいぞ」
侍女「はっ、はいぃ!」 サササッ
ロイ「……?」
699: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:56:20 ID:l5Pa902z2Y
ロイ「何があるんだ、この部屋は」
第1王子「…別に。宝物や国家の秘密があるわけじゃない」
ドアノブに手をかける。
第1王子「ただ──」
ギイイィ、と扉を開けていく。
第1王子「──裏切り者が寝てるだけだ」
ロイ「……!!」
……真っ白な部屋。
その中心でベッドに横たわっていたのは、
ロイ「王、子…!?」
700: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 21:56:36 ID:aFLpXIlUeE
これは…まさか…!
っフルーツ盛り合わせ
701: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 21:57:42 ID:SFi0c66N7.
予測変換でフルーツ盛り合わせになってしまった…
っCCC
702: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 21:59:42 ID:WpDpWV85XM
第1王子「……フフ、驚いたかい」
ロイ「ちょっ… ちょっと待て、これはどういうことだ!!」
ロイ「王子は死んだんじゃねぇのか!?」
第1王子「誰がそんなこと言った」
ロイ「第2王子だよ!本国でそう吐いたって知らせが…」
第1王子「アイツは嘘つきだからな」
ロイ「な…」
703: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 22:02:31 ID:u154Dzic7I
第1王子「信じられないか?それもそうだよな、王子は1ヶ月ずっとここにいたんだから」
ロイ「っ… まさか、てめぇらが王子を生かしておくとは思わなかったんだよ」
第1王子「なぜ?」
ロイ「隣国の人間は冷酷だからな… 何よりこいつは、てめぇらにとって裏切り者だ」
第1王子「……確かにな」
第1王子「だがこいつは、俺の弟だ」
ロイ「!」
第1王子「……俺も第2王子も、非情になりきれなかった。弟を、殺しきれなかったんだよ」
704: ◆qoozyz1NgY:2011/11/17(木) 22:05:54 ID:9OlYbe6a82
第1王子「しかし、こいつのせいで我が軍の士気は大幅に下がり、結果的に敗因に繋がった」
第1王子「……本当に、しょうもない弟だ」
ロイ「……」
ロイ「……まぁ、王子が生きてるんならそれでいい。うちの王も喜ぶだろうよ」
第1王子「……」
ロイ「……どうした?」
第1王子「…生きている、か…。果たして本当にそう言えるのかな」
ロイ「? どういうことだ」
第1王子「……」
第1王子「……王子は、この1ヶ月、一度も目を覚ましていない。
1ヶ月、ずっとだ」
705: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 22:05:57 ID:H6mdcGME.s
キター!!!
706: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 22:16:53 ID:lNbS31iwTM
目を覚ましてくれぇぇぇぇ!!!!!
707: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 22:19:42 ID:SFi0c66N7.
姫がひっぱたくに期待
708: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 22:33:09 ID:y5G9XV1F1g
眠り王子は白馬が似合うお姫様のちっすでなんとやら
709: 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 23:03:04 ID:NJj.6Hm5WM
ロイのキスで目覚めてここからBL展開
710: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 02:18:09 ID:KXnfP1O8Pc
>>709
アッー
711: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 05:54:52 ID:nfXWrQKYlE
>>709
腐女子は自重を覚えようか。
王子ぃぃぃぃぃぃ
生きててよかったああああああ(;Д; )
712: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 10:16:23 ID:Sbys4aIzKQ
第1王子がイケメン過ぎる…
俺もこんな長男になりたい…(´;ω;)
713: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:04:28 ID:9u8vOEqdD6
──その後、本国主導のもと、和平や隣国への処置に関する話し合いが行われた。
第1王子が本国に全面的に従うという姿勢を見せたため、隣国の土地は全て本国の支配下に置かれることになった。
隣王は極刑は免れたが、今までの悪政の責任をとるという意味で、最低1年は刑に服することで一致。
事実上隣王は引退したことになったが、まだ王子達が未婚のため、王の代理という形で第1王子が隣国の政権を握ることになった。
ただし、無論本国の支配・監視のもとでの話であり、政策なども全て本国の指示に従うという条件つきである。
714: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:08:01 ID:UavECGF.sw
しかし、本国に支配されるおかげで食物が安定して供給され、悪政からも解放されることになったので、隣国の人々からは大いに歓迎された。
捕虜となっていた第2王子は、隣国が本国に歯向かうことがないように、あくまで建前上ではあるが、人質として暫くの間本国に滞在することになった。
第3王子は、本国側の要望により、病室を本国へ移された。
そして、戦争の後始末に追われる日々が過ぎ、穏やかな日常が戻りつつあった。
──終戦から、2週間。
王子はまだ、目を覚まさない。
715: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:11:16 ID:/Wp6oG/dVo
- 本国 -
──コンコン
王「…入れ」
ガチャ
ロイ「──失礼します。戦死者の埋葬が全て終了しましたので、報告に参りました」
王「…うむ。ご苦労であった」
大臣「これで、戦争の事後処理はほぼ終わりましたな」
ロイ「はい」
王「……これでお前も、近衛隊長を退任か」
ロイ「…はい。これからは、結核の治療に専念します」
王「隔離治療室だったか…。感染を防ぐためとはいえ、心苦しいのぅ」
716: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:18:30 ID:7ZmvR.FKR.
ロイ「今まで他に感染者が出ていないことに感謝するばかりですよ。色々好き勝手やらせてもらいましたから」
王「うむ…」
大臣「…大分、痩せましたね」
ロイ「……そうですね。10キロくらい、減りました」
王「……」
王「……お前はまだ若い。しっかり休んで、早く治すんだぞ」
ロイ「ありがとうございます」
717: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:20:44 ID:M97GWVJjkM
ロイ「そういえば…、姫は?」
王「また王子のところじゃないかのう」
大臣「王子が本国に帰ってきてから2週間、ずっと病室に通いっぱなしですね」
ロイ「……」
王「外傷は大分治癒してきているようじゃが… いつ目が覚めるのかのぅ」
大臣「まさか、一生意識がないままなんて…」
王「よさんか、縁起が悪い」
ロイ「……」
ロイ「……失礼、します」
718: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:24:41 ID:apt6p77LGE
───────
ロイ(……どーすっかなぁ)
考えながら、王宮の廊下を歩く。
ロイ(……)
ロイ(…やっぱ、後悔はしたくねぇよな…)
ロイ「……あ」
不意に、前方から誰かが歩いてくるのに気づいた。
手に花瓶を持っている。
ロイ「──姫、」
姫「……あ」
ロイの姿を見て、姫がぴたりと足を止めた。
姫「ロイじゃない。仕事はもう終わったの?」
719: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:28:28 ID:tVDyKCFPzs
ロイ「はい。一通り終わりました」
姫「そっか、お疲れさま。ロイも無理しちゃダメよ?病気なんだから」
ロイ「はっきり言いますね」
姫「当たり前じゃない。こんなところで遠慮してどうするのよ」
ロイ「……」
ロイ「姫、」
姫「うん?」
ロイ「…俺は今日で、近衛隊長を辞めます。隔離治療室に入るので…」
姫「……」
姫「…そっか……」
ロイ「……」
ロイ「……だから、姫に伝えたいことがあります」
720: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:33:19 ID:TjuDwVsXHM
姫「伝えたいこと…?」
ロイ「……はい。前にも一度、言ったことがあるんですが」
ロイ「返事をもらえたらな、と思って」
姫「…?」
ロイ「病気で一兵士に過ぎない俺が、こんなことを言うのは場違いだってわかってます」
ロイ「でも… でも、伝えなきゃ、俺がまだ元気なうちに伝えなきゃ、絶対に後悔すると思ったんです」
姫「ロイ…」
ロイ「俺…」
ロイ「俺、姫が好きです。ずっとずっと、好きでした」
ロイ「──俺の傍にいてください。お願いします」
721: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:37:51 ID:v6l4HiRCsk
姫「……」
ロイ「……」
姫「……ごめん、ロイ」
ロイ「……え」
姫「……」
姫「あたし、王子のそばにいる」
ロイ「……!」
姫「っ… ほんとにごめんね!」
姫はそのまま、花瓶を抱き抱えてロイの横を走り去っていった。
ロイ「……」
ロイ「…フラれた……」
722: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:42:42 ID:OEv/Nma8qg
へなへなとその場にしゃがみこむ。
ロイ「……そりゃ薄々わかってたけどさぁ……」
ロイ「何年想いつづけたと思ってんだよおぉ……」 ズウゥン
ロイ「……」
ロイ「…これが失恋か…」 グスッ
ロイ「……はは…シャレになんね―…」
…やがてゆっくりと立ち上がり、後ろを振り返った。
ため息をついてから、柱に隠れる人影に声をかける。
ロイ「……いつまで隠れてやがんだ、コラ」
723: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:45:57 ID:MmjrPVvqx6
クレア「……!」
ロイ「……出歯亀かよ、ふざけやがって」
クレア「ちっ、違います、違います!」
慌てたようにクレアが柱の陰から飛び出してきた。
クレア「け、決して聞き耳を立てていたわけではなく!偶然通りかかったんです!」
ロイ「どっちでもいいよ。ったく… 男がフラれるところなんて見るんじゃねーよ」
クレア「……!」
クレア「す、すみません…」
724: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:48:38 ID:nky3KnsThQ
ロイ「……つーかお前、まだ帰ってなかったの。いつまで本国にいる気だよ」
クレア「あ…!そ、そのことなんですが!」
ビシッと背筋を伸ばす。
クレア「わ、私、この度ロイさんお付きの侍女に任命されました!」
ロイ「はっ…」
ロイ「はあぁ!?」
クレア「王様から直々に頼まれました!」
ロイ「……あ、ありえね―…」
725: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:51:30 ID:JfGY8W0o7c
クレア「ロイさんが隔離治療室に入ってる間、私が身の回りのお世話をします!」
ロイ「ばっ… いらねぇよそんなもん!」
ロイ「大体、うつったらどうするつもりだ!!」
クレア「大丈夫です!城医さんから色々予防法を伝授していただきましたので、極力うつらない手法をとります!」
ロイ「……」
ロイ「……あ、そう……」
クレア「…やっぱりご迷惑でしたか?」
726: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 22:53:24 ID:yL8Zs9ljV.
くそう・・・ロイにはまだクレアがいたのか・・・
爆発しロイ!
727: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 22:57:37 ID:mYM8Ym1HnU
いやクレアが爆発しろっ!
ロイは一途なんだ!
728: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 22:58:32 ID:yL8Zs9ljV.
クレアは俺にエクレア作れぃ!
729: 明日で終わる…かな? ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 22:59:39 ID:KQAgxdxGac
ロイ「……もういいや、勝手にしろ」
クレア「!」
クレア「はい!勝手にします!」
ロイ「……」
ロイ「……つーか」
ロイ「失恋したての男に近づくなんて、お前も考えたな」
クレア「へ!?」
ロイ「あーやだやだ、これだから姫以外の女は」
クレア「ちっ…違います!わ、私にそんな下心は微塵も…!」
ロイ「どーだかな」 ケラケラ
クレア「もうっ、ロイさんのばか―!!」
730: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:02:37 ID:yL8Zs9ljV.
明日で終わっちまうかもしれねえのか・・・
寂しくなるな・・・
731: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:08:04 ID:yL8Zs9ljV.
マダー?
732: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:10:57 ID:q5FQ2QIDbc
ロイをどつきまわしてやりたい。
…完治してから
733: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:12:41 ID:yL8Zs9ljV.
女性キャラをど突きまわしてy(ry
734: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:13:35 ID:wfet.hi7A.
姫も王子もロイもクレアも第一王子も第二王子も国王も大臣もこのSSに出てくる奴ら全員大好きなんだからな(´;Д;`)!
完結までがんがれ>>1!!
っCCCC
735: 名無しさん@読者の声:2011/11/18(金) 23:46:03 ID:yL8Zs9ljV.
マダー?(;ω;)
736: ◆qoozyz1NgY:2011/11/18(金) 23:50:26 ID:WdcfcM3W0U
すみません、今日の更新はおしまいです。
>>734
ありがとうございます、いつもあなたの支援が身に染みています。完結まで頑張ります!!
737: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 12:23:49 ID:25dDkW6jrc
しえん♪(´ε` )
738: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 14:52:58 ID:RQHWy6SVUI
\シエンダオラーー!!/
デケデケ
ドコドコ オラオラッ!!
☆ ドムドム
ヽ ダダダダ ♪
☆ドシャーン! シャンシャン
=ニ= ∧_∧ ☆
/ 〃(・∀・#) /
〆| \と\と|∈Z∋
| /⌒丶丶コノ |
|ΣΣ | |∪〓 |
/|\ヘ_ノノ‖_/|\
ドチドチ!
739: 支援ありがとうございます ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:03:09 ID:sv4nAwFHwA
─────病室
コトッ
姫「……」
持ってきた花瓶を窓際に置く。
それから、いつものようにベッドの脇に腰掛けた。
姫「………王子」
安らかな表情で瞼を閉じている王子を見つめる。
息はしているのに、もう2ヶ月近くも目を覚ましてくれない。
姫「……」
王子が意識のないまま本国へ帰ってきたとき、私はただ王子が眠っているだけだと思った。
身体中に怪我をしていたけど、顔はいつもと同じ白い肌で、ちょっとかすり傷があるくらいで、
全然苦しそうな顔じゃなかったから。
740: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:05:26 ID:Y7BaV1vgDU
だけど、やっぱり王子は起きてくれない。
ずっとずっと、ベッドに横たわったまま。
姫「………寂しいよ、王子」
何回ベッドの脇で呟いたかわからない。
姫「早く、起きてよ」
話しかけていれば、いつか答えてくれるような気がして。
────ガチャ
姫「!」
不意に、病室のドアが開いた。
741: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:07:58 ID:tP/EhEtJvg
第2王子「──あれ、いたの」
姫「だ、第2王子…!」
第2王子「何でそんなビックリしてるの?」
姫「ノ…ノックぐらいしてよ」
第2王子「……あぁ、ごめんごめん」
第2王子は悪びれる様子もなく 端にあった椅子を持ってくると、姫の隣に座った。
姫「……何で隣に座るのよ」
第2王子「ん? いーじゃん、ボクも王子のお見舞いに来たんだからさ」
742: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:10:04 ID:SroD4kWui2
姫「……珍しいわね、第2王子がここに来るなんて」
第2王子「そうでもないよ?たまに覗いたりしてる」
第2王子「でも、こいつずっと寝たままじゃん?もー暇で暇で」
姫「人質のくせにいい身分ねぇ」
第2王子「ほんとほんと。ボク、いつになったら隣国に帰れるんだろうね」 ケラケラ
姫「……」
姫「…第2王子は、さ」
第2王子「ん?」
姫「…王子が隣国軍と対峙したとき、どんな気持ちだったの?」
743: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:12:02 ID:ucuJBTcCFk
第2王子「……変なこと、聞くね」
姫「変じゃないわよ。別に責めてるわけじゃないけど… あんたは、王子をこんなふうにした張本人の一人だから」
第2王子「ははっ、まーねぇ」
第2王子「実際、王子の腹あたりにある傷はボクがつけたものだし」
姫「……」
第2王子「でもさぁ、気持ちなんて聞かれても、そんな複雑なものはないんだよ」
姫「え…」
744: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:14:11 ID:l5Pa902z2Y
第2王子「ボクも王子も、隣国が良くなるように… 隣国のためを思って、起こした行動だから」
第2王子「それがボクや兄さんと王子の間で食い違っちゃっただけなんだよね」
姫「……」
第2王子「まぁ、王子は本国のことまで考えてたみたいだから、王子の方が一枚上手なのかなぁ」 ケラケラ
姫「……ごめん」
第2王子「何が?」
姫「……あんたも、辛かったよね」
745: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:16:27 ID:aMQyUdLMrI
第2王子「……」
姫「ほんとは… ほんとは、王子を傷つけたくなんかなかったよね」
姫「…大事な、家族だもん…」
第2王子「……」
第2王子「……ねぇ、お姫様」
姫「?」
第2王子「ボクと、賭けをしようよ」
746: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:18:37 ID:yMRb0gueNs
姫「賭け…?」
第2王子「うん」
姫「どういうこと?」
第2王子「…そこの窓から、イチョウの木が見えるでしょ」
姫「えぇ」
第2王子「今、真っ黄色にイチョウの葉っぱがついてるけど、一枚一枚散っていってる」
姫「……?」
第2王子「あの葉が全部散ったら、王子は死ぬ」
姫「はぁ!?」
747: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 17:20:46 ID:cc5v0xbd.w
おお、初めて遭遇した
CCCCCCC
748: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:21:18 ID:MD.Og/oBiw
姫「なに馬鹿なこといってるのよ、意味がわからないわ」
第2王子「ほら、童話とかでよくあるじゃん?病気を患ったいたいけな少女が、病室の窓から外を見て『あぁ…、あの木の葉っぱが全部散ったら、きっと私死ぬんだわ』って」
姫「王子をそんな世界へ連れていかないで」
姫「そんな話でたらめに決まってるし、第一賭けと全然関係ないじゃない」
第2王子「んー、まぁ死ぬってのは冗談だけど」
第2王子「タイムリミットが葉が散るまでってことで、どうかな?」
姫「…?」
749: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:23:29 ID:WpDpWV85XM
第2王子「ボクは、葉が散ったら王子が一生目を覚まさないことに賭ける」
姫「!?」
第2王子「だから、お姫様は葉が散るまでに王子が目を覚ますことに賭けて」
姫「……」
姫「何で、そんなことしなくちゃいけないのよ」
750: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:25:52 ID:9uEahCTKxM
姫「そんな期限必要ないわ。葉が散ったって、王子はいつかちゃんと目覚める」
第2王子「そうやって、いつまで待つつもりなの?」
姫「え…」
第2王子「いつかきっと目を覚ましてくれる、こうやって毎日傍にいて話しかければ、いつか起きてくれる」
第2王子「……そういうの、夢みすぎじゃない?」
姫「…何ですって?」
第2王子「もっと現実みようよ」
751: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:28:32 ID:nky3KnsThQ
第2王子「起きる奴は起きるけど、寝てる奴は一生寝たままだよ」
姫「…!」
第2王子「だから、諦める期間を作ってあげようってわけ。葉が散るまでに王子が起きればいいけど、起きなかったら諦める」
姫「……諦めるって、何するのよ。まさか墓に入れろっての?」
第2王子「違うよ。王子を隣国にもどす」
姫「!」
第2王子「王子と本国の関係を断ち切るんだ。王子とお姫様は、サヨウナラ」
752: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:31:33 ID:T77F4lTOsc
姫「っ… ふざけないで!そんなことする必要がどこにあるのよ!」
姫「私は王子が起きるまで傍にいるわ!」
第2王子「……」
第2王子「…それって、王子は喜ぶのかなぁ」
姫「……え」
第2王子「お姫様が毎日毎日、寝てる王子のところへやって来て時間を過ごす」
第2王子「自分を幸せにしてくれると言った男も振って、そばにいようとする」
姫「……!」
第2王子「王子はそれを、喜ぶのかな?」
753: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:33:39 ID:uI2Wh2UJdg
姫「っ…」
第2王子「……ボク、間違ってないよね」
姫「……」
姫「……賭けは、」
第2王子「?」
姫「賭けは、私が勝ったら何があるの?」
第2王子「……そうだね、」
第2王子「お姫様が賭けに勝ったら、王子とお姫様の結婚式でスピーチ読んであげるよ」
姫「は!?」
第2王子「あと、子供の名前はボクがつけてあげる」
754: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:35:26 ID:AAS5HN/OAk
姫「……それ、私が賭けに勝つ意味あるのかしら。全然得してない気がするんだけど」
第2王子「別にいいじゃん。お姫様は王子が目を覚ましてくれさえすれば、もう他に望むものなんてないでしょ?」
姫「……」
第2王子「あ、ちなみにボクが賭けに勝った場合だけど」
第2王子「ボクが勝ったら、ボクと結婚してね」
755: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:36:58 ID:9uEahCTKxM
姫「はっ…」
姫「はあぁ!?」
第2王子「あ、勘違いしないでねー。ボク別に、お姫様のことが好きなわけじゃないから」
姫「じゃあ何で…!」
第2王子「あれ、こういう話きいてない?戦争が終わったけど、確実な和平を結ぶためにはやっぱり両国の姫と王子の結婚が必要だって話」
姫「…!?」
第2王子「兄さんは隣国の政治で手いっぱいだし、王子は寝てるし。ボクしかいないってわけ」
756: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 17:37:22 ID:7gpeoe13BM
初リアルタイム\(^O^)/
支援支援
っC
757: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 17:42:24 ID:VtaVdMdf4E
姫「じょ、冗談じゃないわ!」
第2王子「まぁまぁ。別にチラッと出ただけで、今はそんな予定は全くないし。ボクが頼み込んだりしない限り、実現しないだろうね」
第2王子「…それに、こういう賭けの方が、王子も目を覚ましやすいんじゃないかなぁって」
姫「!」
第2王子は静かに立ち上がると、ドアに手をかけた。
第2王子「──ボクとお姫様を結婚させたくないなら、起きるよ」
ニッコリと笑って、病室から出ていった。
758: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 19:52:19 ID:kU0.TrIKHA
ラストに向けて頑張って!!
支援CCCCCCC
759: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 22:45:44 ID:Stzh54P18g
第2王子め…
キザったらしいのは次男特有だな…
んで次男らしく的を射た発言…
王子頑張れ!!
っ支援
今回は>>1にはナシだ
っ梨
760: 梨もぐもぐ(^〜^) ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:07:05 ID:9u8vOEqdD6
───────
姫「……」
姫「何だかんだで第2王子に乗せられちゃったけど…」
窓の外にたたずむイチョウの木を眺める。
姫「……もう散り始めてるし…」
ヒラヒラと黄色い葉が風にそよがされて舞っている。
姫「……」
姫「…全部散るまで、2週間くらい…?」
761: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:09:55 ID:0YxcWEDMGI
───ただ淡々と、毎日が過ぎていく。
ロイは隔離治療室に入ったため、滅多なことがない限り会うことはなくなった。
第2王子は、あれから一度も王子の病室に来ていない。
廊下ですれ違っても軽く挨拶を交わす程度で、第2王子から話しかけてくることはほとんどなかった。
ただ、王子を隣国へ連れ帰りたいと王に掛け合っている光景を見たので、
葉が散るまでに王子が目覚めなかったら……という賭けは本気なのだろう。
そして、あっという間に2週間が過ぎた。
762: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:13:14 ID:etb2FfO1cY
姫「っと…」 ギュウゥ-
タオルをお湯につけ、ぎゅっと絞る。
姫「熱くないかな?」
絞ったタオルを自分の頬に当ててみる。
姫「うん、大丈夫」
よいしょ、と身を乗り出すと、タオルで王子の顔を拭きはじめた。
擦りすぎないように、丁寧に拭いていく。
姫「……」
姫「……これでよしっ、と」
拭き終えると再び身体を椅子に戻して、ちゃぽんとタオルをお湯の中に入れた。
姫「……」
姫「……あーあ」
姫「もう、散っちゃいそう」
763: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:15:22 ID:EgOrOssl86
イチョウの木は、もうほとんど葉が散って枝だけになっていた。
木の根元に鮮やかな黄色が積もっている。
姫(……別に葉が散ったからって王子が目覚めないなんて思わないけど)
姫(……なんか、不安)
再び王子の顔を見つめる。
もう自分はどれだけ、こうやって目を閉じている王子の顔を見たのだろうか。
毎日見ていて、王子の表情に全く変化はないのだけれど、何だか今にも瞼を開けてくれるような気がしてならない。
姫「……ねぇ、王子」
姫「まだ、起きないの?」
764: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:18:58 ID:U0P6p.FErc
姫「……別に葉なんて散ったっていいんだけどね、」
姫「葉が散るまでに王子が起きないと、第2王子が王子を隣国に連れ帰っちゃうんだって」
姫「……そんなの、ダメよ」
姫「散々私に看病させといて、お礼も言わずに隣国に帰るの?それって凄く失礼だと思うわ」
姫「……」
姫「……それにね、ひょっとしたら私、第2王子と結婚させられちゃうかも」
姫「あんたそれでいいの?お兄さんに好き勝手されて平気なの?」
姫「……もし、このままずっと寝てるつもりなら、あんたのこと見損なうわよ」
姫「顔が女のくせして、心もヘタレなの?」
姫「………ほら、反論してみなさいよ。僕はそんな情けない男じゃないって」
姫「……」
姫「…でも、私はもう、そんなふうに思ってないわよ。王子のことはちゃんと認めてるから」
姫「……だから、」
姫「だから、起きてよ」
姫「ねぇ、」
姫「……お願い、だから……」
──いつのまにか、泣いていた。
もう数枚しか残っていないイチョウの葉を、眺める。
姫「……ばか……」
小さく呟くと、そのまま王子の胸元に顔を埋めた。
765: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:21:58 ID:qWiM/K5756
─────────
──────
どれくらい、経っただろうか
肩に若干の重みを感じる
…そっか、きっと私が寝てる間にお父様が来て、上着をかけてくれたんだ
………
あぁ、目を開けたくない
開けたらきっと、イチョウの葉が全部散ってしまっているから
王子とさよなら、しなきゃいけなくなるから
………
ずっとこうやって、
王子の胸で眠っていたい
私も目を開かなければ、
王子と一緒にいられる気がする
766: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:24:28 ID:zZ0LLNhnzs
──不意に、ぎしりと何かが軋む音がして
唇に柔らかい感触が落ちてきた
……?
今の、なに?
誰かが、自分の髪にふれている
私の髪を、優しく撫でている
これは誰?
お父様?
ロイ?
それとも────、
767: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:26:20 ID:0VQbs4Y8tE
……うっすらと、目を開けた
寝起きだからか、視界がぼやけてよく見えない
「………?」
だんだん視界がはっきりしてくる
「………!」
見覚えのある顔
この2ヶ月、1日たりとも欠かさずにずっと見てきた、
「……おはようございます、姫」
王子の、顔
768: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:28:55 ID:Zn..IGjcXM
姫「……おう、じ……?」
王子が少し困ったように顔を赤らめ、微笑む
王子「す…すみません、姫。姫の寝顔があまりに可愛かったもので…」
王子「……が、我慢できなくなって、その…き、キスをしてしまったんですが…」
王子「怒らないでください、ね…?」
姫「っ…!!」
もう、何も考えられなかった
ただ、王子が目を開けて喋っているのがどうしようもなく嬉しくて、嬉しくて
手をのばして、王子に触れる
王子「わっ… 姫!?」
夢だったら怖いから
絶対に逃がさないように、また眠らないように
──おもいきり力をこめて、王子を抱きしめた
769: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:33:45 ID:9IAOdG2/VE
──────────
─────
第2王子「えーっ!ボクこんな長ったらしくてクサい文章読まなくちゃいけないの!?」
第1王子「結婚式のスピーチをすると言ったのはお前だろう。考えてやっただけありがたいと思え」
第2王子「うっわ〜、これボクのキャラ崩壊の危機だよ。『二人の和やかで幸せな結婚生活と、両国の今以上の親善な交流を望みます〜〜』なんて、笑っちゃって読めないよ!!」
第1王子「グダグダ言うな。俺は王に挨拶してくる」 スタスタ
第2王子「あっ、待ってよ!ボクも行くよー!!」 ダッ
770: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 23:34:40 ID:yL8Zs9ljV.
うおおおおおおおおお!!
王子ーーーーー!!
待ってたぞおおおおおおおお!!
支援支援しえーーーーーん!!
771: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 23:36:53 ID:cSpAHp.McE
わきゃーヽ(´∀`*)ノ
772: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 23:37:34 ID:y5G9XV1F1g
王子ぃぃぃぃぃぃ待ってたよぉぉぉぉぉぉぉぉ
773: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:38:11 ID:Zje4slNxzY
ロイ「……」
クレア「……よしっ、できました!」 スッ
ロイ「……礼服とか……」
クレア「とってもお似合いです!かっこいいです!」
ロイ「すっげー動きづれぇ。何これ、敵来たらどうすんの?戦えねぇじゃん」
クレア「ロイさんは披露宴だけ出席を許されたんですから、文句いわないでください!」
クレア「あっ!マスクは絶対にとらないでくださいね。ご馳走も食べちゃダメですよ」
ロイ「わかってるよ、しつこいな」
──コンコン
ロイ「ん?」
クレア「誰か来ましたね」
ガチャ
王子「──どうも」
ロイ「っ…!」
クレア「おっ、王子様!この度はおめでとうございます!」 ペコリ
774: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:41:09 ID:x4x9i9Nzlc
ロイ「…はっ、何の用だコノヤロー」
王子「相変わらず柄が悪いなぁ、お前」
ロイ「言っとくけど、俺はお前のことは祝福してねぇからな!姫の幸せを願う意味で結婚式に出るんであって、」
王子「はいはい、ありがとさん」
ロイ「だーっ!やっぱもっぺん喧嘩しねぇと気が済まねぇ!!」
クレア「きゃーっ、ロイさんやめてください!」 バタバタ
775: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 23:42:51 ID:yL8Zs9ljV.
ロイ、お前にはもうクレアがいるじゃないか
776: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:45:37 ID:x4x9i9Nzlc
王子「……でも、」
王子「ロイには凄く感謝してる」
ロイ「……は?」
王子「今まで姫を守ってくれて、ありがとう」
ロイ「……!!」
王子「これからは、僕が姫を守る」
ロイ「なっ…」
王子「間違えた」
ロイ「!?」
王子「これからは一緒に、姫を幸せにして、この国を守っていこう」
ロイ「……!!」
王子「まぁ、姫を渡すつもりはないけどね」 ニッコリ
777: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:48:50 ID:EgOrOssl86
ロイ「……はは…」
ロイ「お前にはかなわねぇなぁ…」
王子「…早く病気、治せよ」
ロイ「わかってるよ。俺の仕事は生涯、姫と国を守ることだ。病気になろうがなるまいが、関係ねぇ」
クレア「ロイさん…」
ロイ「…ま、そんなかっこつけても、俺はまだ暫く布団に寝てなきゃならねぇんだけどな」
王子「……」
ロイ「……だから、俺が復帰するまでは、」
ロイ「──姫のこと、よろしくお願いします」 ペコリ
778: 名無しさん@読者の声:2011/11/19(土) 23:56:45 ID:aMwffahcKs
王子!待ってた!!
ロイ…早く治せよ!!
779: ◆qoozyz1NgY:2011/11/19(土) 23:59:06 ID:fLSctY7Zi.
──ふわりと、純白のウエディングドレスが揺れた。
侍女「……とても綺麗です、姫さま」
大臣「うぅっ… ついにこの日が…うぅっ…」 グスッ
姫「ありがとう、みんな」
王「……ワシは娘の晴れ姿を見れて、幸せじゃ…。お前も幸せになるんじゃぞ、姫」
姫「はい、お父様」
くるりと回って、鏡の中の自分を見つめる。
姫「王子、可愛いって言ってくれるかな…」
無意識のうちに、頬が赤くなった。
──王子と出逢って、3ヶ月
色々あったけど、私はいま、このウエディングドレスを着ていることをすごく嬉しく思う
780: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 00:05:16 ID:WDqI.QgUIw
楽しいこともつらいことも、王子との思い出は、全部心に残ってる
そしてこれからも、一緒に
ずっと一緒に、同じ道を歩んでいきたい
侍女「──姫さま、王子様がいらっしゃいましたよ」
姫「ありがとう、今行くわ」
ドレスの裾をきゅっと持ち上げて、大好きな人のところへ歩いていく
ありがとう
私はいま、とても幸せです
姫「……」
姫「結婚相手が男の娘だなんて」
姫「……悪く、ないかな!」
〜fin〜
781: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:06:24 ID:yL8Zs9ljV.
えんだああああああああああああ
782: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:07:10 ID:.SoJTZsdJo
>>1さんお疲れさま!
783: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:07:13 ID:ke8kDwatac
うわああああ乙でしたあああ!みんながこれからも幸せでありますように!
784: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:08:54 ID:JY6V4dC4Js
>>781
いやあああああああ
1乙!!!!
785: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 00:09:20 ID:O9oYtu06ZI
はい!
読んでくださった方々、ありがとうございました!
これにてこのSSは終了です。
な、長かった…!
予定よりもどんどん長くなって、気がついたらこんなレス数にwwびっくりですよ!
しかし、これも一重に皆さんの支援のおかげです、本当にありがとうございました。
至らないところも多かったと思いますが、見逃してやってくださいw
今までかなりレス返さぼっていたので、最後くらいは超丁寧に全レスさせて頂こうと思います。今までレスしなくてごめんね!
雰囲気を壊したくなかったんです(´///`)
みんな大好きだ―――!!!
786: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:09:37 ID:E1vvQmQ3Ms
乙乙乙!!
最後まで楽しめました!
ほとんどのキャラにそれぞれの魅力があって感動した!!
本当に良い話だ!!ありがとう>>1!!
787: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:11:01 ID:VSZkNQQiMw
>>1乙!
キャラみんな大好きです
素晴らしいSSをありがとう!!
788: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:13:23 ID:evFZogwKZs
お疲れ様!お疲れ様っ!
姫たちも1も大好きだー!!!
789: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:15:29 ID:crm30tAqEA
1さんお疲れさまでした!こんなにSSに夢中になって更新ボタンを連打したのは初めてでした!
もう王子や姫達とさよならだと思うと寂しいですが、皆の幸せを願って…おめでとう(*´∀`*)
1さんもこのSSに出てくる全てのキャラクターも全員纏めて愛してる!!!
790: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:29:04 ID:.F.3lH/78g
うわぁぁぁぁぁぁ!
良かったぁぁぁぁ!
王子ぃぃぃぃぃ!
791: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:33:15 ID:adMUXkgFVg
王子…お前…ほんま泣かせるやっちゃのう…(´;ω;)
男の娘、悪くないね姫!
この2人には美人さんがうまれそうやなぁw
1ありがとう!
楽しかった!
792: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 00:37:44 ID:E41Ru0zsdI
そういえば、ロイに対してのコメントがかなりの確率で「爆発しろ!」だったので、いつも「みんなイケメン嫌いなのねww」って思ってました(笑)
しかし、まさか姫に振られるシーンでも爆発しろと言われるとは思わなかった…w
>>781
えんどやああああああぁぁぁ
あなたは、ひょっとして「マダー?」って言っていた人かな?w
>>782
ありがとうございます!!
>>783
私のキャラ達の幸せを願ってやみません…!お疲れさまでした!
>>784
ありがとうございます!
(*´∀`)
>>786
マジですかああぁ////
感激です!終盤はやはりシリアス中心になってしまいましたが、楽しんで頂けて良かったです!
793: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:38:14 ID:AUzjhvMyrc
小説にここまではまったのは久しぶりです。最初は興味本意で読みましたが、最後の最後までドキドキワクワクしながら読ませて頂きました!!
>>1さま、今までお疲れさまでした。素敵なSSが見れて本当に良かったです!また機会があれば番外編なんかも見てみたいなーなんて(笑)
とりあえず、本当にお疲れ様でした!そしてありがとう!
794: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:46:15 ID:yL8Zs9ljV.
番外編マダー?w
795: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 00:47:31 ID:S20/xVf06Q
>>783
×私のキャラ達
○私もキャラ達 すみませんw
>>787
素晴らしいSSだなんて、皆さんの支援のおかげですほんとに!
(´///`)
>>788
お疲れさまでした!
私もあなたが大好きですちゅっちゅ
>>789
更新ボタンを連打…!マジですか、超嬉しいです!
キャラが一人歩きするとはこのことで、私もキャラ全員に幸せになってほしいと願うばかりです。
はわああぁ、私もあなたが大好き!ありがとうございました!!
思い返すと、結構たくさんキャラいましたね…!
私もお別れするのが寂しいです
796: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 01:06:58 ID:yTWeyWMdBg
>>790
最後の最後で、やっと目を覚ましてくれました、王子
王子が寝てる間は第1王子や第2王子に頑張ってもらいました(笑)
>>791
終盤はほんとどうしようかと、昨日くらいから悩んでおりました←
その日に書いたものをその日に投下していたので…w
二人の子供はどうなりますかね…わかっているのは、第2王子が命名するってことです(笑)
>>793
うおおぉ嬉しいお言葉ありがとうございます!!( ^ω^)
ワクワクドキドキしていただけてなによりです!!
番外編ですか、機会があったら是非書きたいですね!それまで皆さんに覚えていただけたら幸いです…!
>>794
IDもろばれじゃこらああぁwww
昨日5回くらいコメしていたのを、私は知っている←
番外編は考えときますね!
もし、他にレスくださった方がいましたら、明日レスしますね!
本当に皆さんありがとうございました!!おやすみなさい
797: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 01:56:21 ID:O2Dmey52w.
>>1
完結おめぇぇぇ!
めっさ感動しました!
番外編も期待してますよ?
>>796で気付いたんだが>>794ェ・・・
今日めちゃくちゃ別スレで見たぜぇ・・・
798: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 02:00:11 ID:wxB1uZfEsc
>>1さんお疲れさまです
素晴らしい物語ありがとうございます。
わたしは王子が本国をわざと裏切ったように見せかけて
本国と隣国のために戦うところが好きッス!!
番外編あるんですか?
楽しみにします(^O^)
お二人の子どもの話
や
イチャラブな話
や
イケメンとクレアのその後の話
などなどあれば楽しみにしてます
799: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 04:28:18 ID:BD5gqboGtA
全て読み、感動しました!!
>>1乙!!
番外編が有るなら期待!!
800: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 07:24:07 ID:RS4QTzybjU
お疲れ様でした!
番外編まってますw
801: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 07:57:00 ID:jokRDjDzWI
ついに終わってしまったか…ここ数日の一番の楽しみだったのに…
おつかれ>>1!
802: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 08:18:56 ID:pfIgd/X5YY
ありがとう!楽しかった!!
王子!プロポーズの言葉は?ニヤニヤ
803: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 08:47:48 ID:MD.Og/oBiw
>>797 >>799 >>800
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!(´///`)
番外編は前向きに検討しますが、暫くSSを書くのはお休みしようかなって思ってますw
書きたい話はいっぱいあるんですけども!!
>>798さんのを読んで、ちょっと語りたくなったww
王子の裏切りは大きな山場で、一番最初から書こうと決めていました。
というのも、私はある1つのセリフとその状況をイメージして突き進む、という書き方をしているんですね。
そういう意味で、このSSを書きはじめた当初から私がイメージし続けていたのは、>>553のシーンで、特に王子の最後のセリフです。こういうセリフ大好きなんですよね、私www
だから>>798さんのお言葉は、私の気持ちが伝わった気がして、すごく嬉しいです。ありがとうございました!
804: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 08:52:10 ID:KQCSYmWF3Q
>>1お疲れ様!!感動した!!
805: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 09:03:27 ID:qf2Xyjydl2
>>801
ついに終わってしまいました…!ここ数日はかなり大量投下でしたが、ついてきて頂けたでしょうかwこちらこそお疲れさまでした!
>>802
王子「そ…それは秘密です!」
番外編を書く機会があったら、二人のラブラブも書けたらなぁと思っております(笑)
>>804
ありがとうございました!
感動したと言って頂けてなによりです!!
何だかんだで800レス越えしてしまいましたw
まさか皆さんにこんなに支援やコメントを頂けるとは、全く思っていなくて、本当にレスがある度にテンション上がってました!
皆さんかなりフリーダムでしたね!( ^ω^)大好きだ!
それでは、保管庫申請してきますノシ
806: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 09:58:24 ID:lPJlqA.t5k
もうね、好きすぎてね、
大好きじゃあぁあぁああああぁああああぁあぁああああぁああああぁあぁああああぁあああ
807: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 10:52:44 ID:mYM8Ym1HnU
正直隣国の王様はもっと外道で降伏してもなにかやらかすかと思ってました。
それはともかく完結おめでとうございます。
808: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 11:27:16 ID:UOzzvGRKcw
完結おめでとうございます!お疲れ様でした!
今まで書き込ませてもらったことはないんですが、ずっと読んでました。
本当に作り込まれた作品で、話の繋がりも表現もキャラも、もう本当に全部魅力的で大好きでした。
綺麗にハッピーエンドで終わって……読んでてよかったと心から思える作品でした。
貴重な作品、有意義な時間をくださったことに深く感謝したい気分です。
とにかく、素晴らしい作品をありがとうございました!
王子と姫お幸せに!
809: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 15:53:30 ID:oLaq8djkcQ
/\___ヘ
/( ̄ ̄`<___ )
∠ | \ 丶 > //
/ /| | /丶|Y / /
Y-丶| \ N|| L_∧
|N= =V)| \__ノ
V( 〃_〃/ノ
>ー- /丶-、
/ ||_V_/|| \
こ、これは乙じゃなくて
ポニーテールなんだからっ
変な勘違いしないでよね!
810: ◆qoozyz1NgY:2011/11/20(日) 19:20:59 ID:T77F4lTOsc
>>806
私もあなたが大好きだあああああああああああああああぁぁっ!!!
>>807
そこは私も悩みましたが、第2王子が理性的な人間なので、ストップをかけてくれるだろうなと思いましたw
>>808
あばばば、もったないほど嬉しい言葉を頂いてしまいました!!
ずっと読んでいてくださったんですね…!読んでて良かったと思って頂けたことが何より幸せです。
こちらこそ、ありがとうございました…!(´///`)感無量です!
>>809
あっ… ありがとうなんて言ってあげないんだからね///
さて、それではそろそろお別れです。今後の予定は全くわかりませんが、どこかに出没したら仲良くしてやってください(笑)
本当にありがとうございました!!!!( ^ω^)ノシノシ
811: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 21:50:49 ID:Sl1w3Jp5.o
あいさつ間に合わなかったか…1乙!!
けっこう序盤から読んでたけど、面白かった!!
1の作品また読みたいからまた来て欲しいな!!
812: 798:2011/11/20(日) 23:21:22 ID:b1/V3PVRds
>>1さん
ただの私の感想でそう言って頂けると幸いです
むしろ良い話をして下さってありがとうございます。
いっぱい書かはったんでゆっくり休んで下さい。
それで気が向いたらで書いて下さいな(・∀・)ノ
813: 名無しさん@読者の声:2011/11/21(月) 12:20:12 ID:AAS5HN/OAk
いつの間にか完結しておった!!!
しかもSSランキング一位!!!!!
おめでとうございます!!!!!
814: 名無しさん@読者の声:2011/11/22(火) 21:31:39 ID:819SGyCaMw
今、全部読みました。
こんなに泣いたSSは初めてです・゚・(ノдヽ)・゚・
萌えと感動と幸せを凝縮して詰め込んだような素晴らしい作品でした!!
こんな作品に出会えたこと、1さんに出会えたことに感謝しています!゚(゚´///`゚)゚。
お疲れさまでした、ありがとうございました!
815: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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