姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」
王子「ありがとうございます」
姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」
王子「は?」
姫「見せてみなさい」ガバッ
王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0
110: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:40:43 ID:fKwTipKZmw
大臣「ふふ、もう随分仲良くなられたようで」
姫「な、なってないから!節穴な目してんじゃないわよ!」プンプン
姫「ていうか、あんたいつまでこの国にいるつもり!?いい加減帰りなさいよ!!」
王「こら、姫。あまり乱暴な言葉を使うでない」
王子「えーと、婚約パーティーはいつでしたっけ?」
姫「こっ…婚約パーティー!?」
大臣「来週でございます。その時には、隣国の王や王妃も来訪される予定です」
王「そうそう。王子は姫と親睦を深めるために、1週間早く来たというわけだ」
111: ◆qoozyz1NgY:2011/10/16(日) 22:45:03 ID:fKwTipKZmw
パシッ!}Cヽ(・∀・。)アリガトウ!
112: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 23:08:22 ID:R5HxqJsml6
頑張れー
っCCCCC
113: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 08:06:17 ID:CFD0b4ypFo
ささやかですが
っ四円
114: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:14:07 ID:cqzjf8u.V6
うおおお支援ありがとうございます!!( ^ω^)
コルネオ編が終わりましたので、次へ移っていきますノシ
115: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:16:11 ID:BBW4yqMudk
姫「こ、婚約パーティーとか冗談じゃないわ!結婚する気はないって、何回言ったらわかるの!」
王「そう言うでない。1週間王子と一緒にいれば、きっと気が変わる」
大臣「まだ結婚するわけじゃないですから。ゆっくり愛を育んでください」
姫「あぁもう〜!!」
大臣「…そうそう、ちなみに今夜は王子の歓迎会と銘打った舞踏会を開きますので、そちらのほうもご了承くださいね」
116: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:19:14 ID:O2iLUoTt4M
姫「舞踏会!?それも聞いてない!」
王「せっかく王子が来ているのに、婚約パーティーまで何もしないというのも暇だろう。とりあえず王朝関係者や貴族は一通り呼んである」
王子「すみません、色々やっていただいて」
王「当然のもてなしだ。是非、我が国の者たちと親交を深めてくれ」
王子「はい」
王「姫も舞踏会は好きだろう?」
姫「そりゃあ好きだけど…」
王子「姫、一緒に踊りましょうね」
姫「やだ」
117: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:24:47 ID:YKW6x3TXVw
────
───────
姫「……全く、みんな勝手だわ。私のいないところで話を進めて」 テクテク
姫「まぁ、舞踏会くらいならいいけどさ。王子が相手じゃ女の子同士で踊ってるように見えるじゃない」
侍女「──あ、姫さま」
姫「あら」
侍女「また王子様の愚痴ですか?」クスクス
姫「─ち、違うから!あんな奴どうでもいいし!」
侍女「はいはい、わかってますよ」
姫「むー」
侍女「あ。そういえば、ロイ様がお帰りになってましたよ」
姫「ロイが!?」パアァッ
侍女「はい。中庭の方におられるのではないかと」
姫「わかった、ありがと!」タタタッ
118: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:26:38 ID:O7FQb6/AP6
- 中庭 -
王子「──へぇ、花や植物がいっぱいあって綺麗な庭だなぁ」
キョロキョロ
「わんわん!」
王子「!?」
犬「わんっ、わんわん!」
王子「な、なんだ犬か… びっくりした。ていうか何でここに犬がいるんだ?放し飼い?」ナデナデ
犬「くぅ〜ん」 フリフリ
?????「──それは俺の犬だ」
119: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:28:27 ID:2GHD9vlNoI
王子「……?」
王子が振り向くと、そこには長身の若い男が立っていた。
腰に剣をおさめ、マントを身につけている。
?????「可愛いだろ。名前はジョンっていうんだ」
ジョン「わん!」
王子「……どなたですか?」
?????「あれ?俺のこと知らないの?てことはあんた部外者?」
王子「まぁ一応部外者ですけど」
ロイ「俺の名前はロイ。この城の近衛隊長だ。こう見えて姫と同い年なんだぜ、若いだろ!」
王子「はぁ…」
120: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 18:30:57 ID:YGPmka0QrY
ロイ「ていうか嬢ちゃんどっから来たの?つーかよく城に入ってこれたな」
王子「じょ、嬢ちゃん…」ガーン
ロイ「ん?どした?」
王子「……僕これでも男なんですけど」
ロイ「は?」
王子「僕は男です」
ロイ「え、ギャグ?」
王子「ギャグじゃないです」
ロイ「………マジで!?」
王子「マジです」
121: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 19:30:49 ID:Thy0bdY3Q.
ロイ「ひぇ〜、そりゃ悪かったな。しかし、えらく可愛い顔してんだなぁ」
王子(嬉しくない…)
ロイ「ん、待てよ…。つーことはお前もしかして…」
姫「───ロイ!!」
王子「!」
ロイ「あっ!!」
姫「ロイ、帰ってきてたのね!おかえり!」ダッ
ロイ「ひっ…、姫えぇえっ!ただ今帰りましたあぁっ」ダッ
122: ◆qoozyz1NgY:2011/10/17(月) 19:32:47 ID:ScZrKHOJSw
二人は走り寄ると、ぎゅっと抱擁を交わした。
王子(ええええええぇ)
ロイ「…姫、長らく留守にしていて申し訳ありませんでした」
姫「ううん、大丈夫。無事に帰ってきてくれて嬉しい」
ロイ「ちょっと見ない間にまた綺麗になりましたね」
姫「バカ、お世辞言っても何も出ないんだから!」
王子(……なるほど)
ロイの容姿をまじまじと見つめる。
王子(背が高くて、イケメンで、男らしい…)
ジー
王子(……全部当てはまってる)
123: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:16:00 ID:KkTCZVzyVw
姫「──あ、王子」
王子「……」
姫「あんたも中庭にいたの。紹介するわね、この人は近衛隊長のロイ」
ロイ「どーも、ハジメマシテ」ニッコリ
姫「私と同い年で、小さい頃から仲がいいの。ロイはすっごく剣が強いのよ!城の中でも1、2を争ってるわね」
ロイ「姫にそう言って頂けるとは光栄です」
姫「確か、ここ2ヶ月くらい他国視察に行ってたのよね」
ロイ「はい」
124: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:18:28 ID:/4TxF8mZnI
王子「…えーと、僕は、」
ロイ「隣国の王子?」
王子「はい」
ロイ「あー、やっぱり。じゃあ君が姫の結婚相手なんだ」
王子「……一応」 チラ
姫「なによー、私は認めてないからねっ」
ロイ「ふーん」 ジロジロ
王子「…なにか」
ロイ「……お前、すっげぇ弱そうだな」プッ
125: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 05:30:39 ID:O7FQb6/AP6
王子「な…」
ロイ「女顔だし、小柄だし、腕も腰も足も細いし。そんなんで姫を守れんの?」
王子「……」 ムカッ
姫「ちょっと、ロイ」
ロイ「それにさぁ、政略結婚なんでしょ?お互い好き合って結婚するわけじゃないよね」
王子「──余計なお世話だ。大体、姫を守るとか結婚するとかに女顔は関係ないだろ」
ロイ「え、まさか姫の好み知らない?君みたいなタイプ嫌だって言われなかった?」
王子「腐るほど言われたけど」
王子(……ていうか、何でこいつ姫には敬語で僕にはタメ口なんだ)
126: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 12:39:45 ID:hnAX7VEYf2
ロイと決闘だな(▼皿▼)Ψ
男の娘を馬鹿にした罪万死に値する!
ゆけ(`・ω・)つC
127: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 16:34:08 ID:sBrVYo19lY
燃料投下
(´・ω・)つCCCC
スパイダーマンいけー
128: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 18:26:11 ID:bqDeqinkt.
王子頑張って
っC
129: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 19:16:22 ID:k1SERnf23Q
っCCCCC
130: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:17:14 ID:OWEszdaDTk
ロイ「にしても、この国も舐められたもんだよなぁ。こっちはただ一人の大切な王女を差し出すってのに、隣国は三男の女男」
王子「……!」
ロイ「他国視察に行ったとき、あんたの国もちょっと調べたんだ。隣国はこの国とは違って王子が三人もいる。そしてあんたは、地位が低めの第三王子。政略結婚にはもってこいってわけだ」
姫「ちょ…」
王子「…おしゃべりな奴だな。三男だろうと僕が王子であることに変わりはないし、これは僕が選んだ道だ」
ロイ「姫は嫌がってるでしょ?その気持ちは汲んであげようとは思わないわけ?」
王子「お前はただ姫をとられたくないだけだろ」
131: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:21:46 ID:/X0pWY6/w.
バチバチと火花をとばしはじめる二人に、慌てて姫が割って入る。
姫「も…、もうなに言い合いはじめてんのよ二人とも!仲良くしなさい!!」
ロイ「ですが姫、」
姫「結婚のことは私と王子とお父様でまた話すから!とりあえず、王子につっかかかるのはやめなさい!」
ロイ「………はい。すみませんでした」 ショボン
王子(素直だな…)
姫「─王子」
王子「あ、はい」
姫「あんたはちゃんと今夜の舞踏会の用意しとくのよ。私に恥かかせたら承知しないからね!」
王子「あれ、一緒に踊ってくれるんですか?」
姫「お、踊らないわよバカ!」
ロイ(………あれ?)
132: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 20:29:25 ID:OoRBbSIjuQ
>>126
ふおぉ…!二人の決闘はもうしばしお待ちを( ^ω^)
>>127
王子の体術はスパイダーマンみたいな感じですよねとか今更言ってみるw
>>128>>129
支援超絶ありがとうございます!!王子にはこれからも頑張ってもらいます←
133: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:01:20 ID:fXuzWbCQg6
───夕方、試着室にて
王子「だあああぁっ!着替えくらい一人でできますって!!」
侍女1「ダメですー!舞踏会のお洋服はビシッときめていただかないと!お手伝いしますっ」
侍女2「シワとかほつれとか無いかチェックしないといけないし!」
王子「だからどさくさに紛れて身体を触るのはやめてくださいっ!」
〜〜〜数分後
侍女2「……うーん、ブカブカですねぇ」
侍女3「王が若いときに来てた服なんだけどー」
王子「……」
侍女1「この服もこの服もこの服も……全部王子様より一回り大きいわ」
134: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:04:45 ID:YepzLr4ZbA
王子「サイズがないなら自分の正装用の服を持ってきたのに……。貸してくれるって言うから」
侍女1「まさか王子がここまで小柄だとは思わなかったんですっ」
王子「そんなに僕小さいかなー」
侍女3「どうするー?超緊急事態じゃん。これから発注しても間に合わないし」
王子「僕が着ていた普段着でなんとかカモフラージュするとか…」
侍女2「さっき全部洗っちゃいました」 テヘッ
王子「」
135: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:31:48 ID:KkTCZVzyVw
王子「──というわけなんですが」
王「ふむ。それはこちらの不手際だったのう、すまん」
王子「いえ… しかし、どうすれば良いでしょうか。着る服がないなんて」
大臣「舞踏会まであと1時間…。時間がないですね」
王「むう…」
王子「……」
大臣「……」
王「─…仕方ない、王子の歓迎会というのは取り止めよう」
大臣「!?」
王「当初は王子と貴族たちの面識をつくる程度の目的だったからな。ただの舞踏会としてもさほど問題なかろう」
王「何より、王子にブカブカの服を着せて恥をかかせるわけにはいかん」
王子「王…」ジーン
136: ◆qoozyz1NgY:2011/10/18(火) 21:33:34 ID:ScZrKHOJSw
王子「では、僕は出席しなくても良いということでしょうか」
王「いやいや、出席はしてもらうぞ」
王子「え?でも…」
王「今宵は『ただの』舞踏会じゃ。王子として名乗らなければ、恥はかかん」
王子「貴族として出席しても、服がないですよ」
王「ドレスなら着れるんじゃろう?」
王子「───え?」
137: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 21:49:07 ID:J1gnA8ZFUc
王GJwwww
138: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:27:04 ID:ocxqtmFaOg
姫「──王子の具合が悪い?」
大臣「はい。ですから、今夜の舞踏会には出れないと…」
姫「な、なによそれ!王子の歓迎会なんじゃないの?王子が出ないんじゃ話にならないじゃない!」
大臣「ただの舞踏会に変更すると、王がおっしゃっていました」
姫「……ありえない。昼間はピンピンしてたくせに」
姫「王子は今どこ?」
大臣「2階の寝室で休まれています」
139: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:29:17 ID:3bES8Jxo8w
姫「もう、情けない奴!」ダッ
大臣「お待ちください姫さま、まもなく舞踏会が始まります」
姫「でも、」
大臣「王子殿は姫に迷惑をかけて申し訳ないが、自分のことは放っておいてほしいとおっしゃっていました」
姫「……」
大臣「とりあえず、王子殿がいないかわりに、姫さまのエスコートはロイ殿にお願いしてありますので、姫さまも早くお着替えを」
姫「ロイが?……わ、わかったわ」
140: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:31:26 ID:dCcobmLbww
- 寝室 -
王子(……) ゴロン
王子(…女装してまた姫に馬鹿にされるくらいなら、出ないほうがマシだよな…)
王子(……)
王子(……結局姫と踊れないってことか…)
王子(……) ゴロン
141: ◆qoozyz1NgY:2011/10/19(水) 16:34:53 ID:z/P1S2BebI
コンコン
姫「──はい」
ロイ「俺です。舞踏会のお迎えに上がりました」
姫「……」
ガチャ
ロイ「…!」
姫「わざわざありがと。よろしくね」
ロイ「は、はい」
姫「…なに?私の顔になんかついてるかしら」
ロイ「い、いや、その…。綺麗だなと思って」
姫「!」
ロイ「そのドレスすごく似合ってます」
姫「そ、そうかな… でも、ロイにそう言ってもらえると嬉しいわ」
142: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 17:33:18 ID:vIWFqtbwWQ
っCCCCC
143: 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 23:28:49 ID:G5WKvPJIR6
っCCCCCC
頑張れー
144: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 01:44:02 ID:w30xTApJT.
続きを…早く続きを!!
つC
145: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:40:16 ID:gctR7TVIS.
>>137
王は色々融通がきくので助かってますww
>>142>>143>>144
支援ありがとうございます!!!
こんなにたくさん…あわわわわ
自分も他の作者さんみたいに面白いレス返がしたいなー、と思ってるんですが、なかなかできませんねー(;^_^A でも、支援頂けるだけで幸せです!!
146: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:53:04 ID:UDHBDcGQ6A
- 大広間 -
ワイワイ ガヤガヤ
大臣「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。これより舞踏会の幕開けとなります。………では、王よりお言葉を」
王「──オホン。皆の衆、忙しい中我が城の舞踏会へ足を運んでくれたことに礼を言う」
王「しかし、一つ詫びねばならんことがある。今宵は我が国の姫の結婚相手である隣国の王子を皆にお披露目する予定だったのじゃが、諸事情により王子は出席を見合わせることになった」
ザワザワ
姫「……」
王「まぁそうは言っても近々婚約パーティーもあるし、そう問題はなかろう。というわけで、今宵は王子欠席で少々残念じゃが、皆大いに楽しんでくれたらと思う。以上だ」
パチパチパチパチ....
147: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:54:40 ID:aLZyixOqHw
王「……おい大臣」
大臣「はい?」
王「王子はホントに来ないのか?」
大臣「はい…。ドレスを着て正体を隠して出席するくらいなら欠席した方が良いと」
王「うむ… しかし、ワシは出席してほしかったのう」
大臣「王は王子殿のドレス姿が見たいだけでしょう」クスッ
王「む、そんなことはないぞ!……見てみたくないといえば嘘になるが」
大臣「まぁ、気長に待ちましょう。そのうちひょっこり顔を出すかもしれませんから」
148: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 08:57:32 ID:KYtqs3eTIA
姫(やっぱ変よ… あいつさっきまで元気だったじゃない。仮病に決まってる)
姫(何で出ないんだろ…。私が一緒に踊りたくないって言ったから?)
姫(……せっかく可愛いドレス着たのにな…)
姫(ばっ、バカバカなに考えてんのよ私!王子なんてどうでもいいじゃない!)
ロイ「──姫、」
姫「え?」
次の瞬間、手を引かれて腰が抱かれた。ふわりとロイの近くへ引き込まれる。
ロイ「踊りましょう、姫」
149: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 09:02:58 ID:F4BvMARXc6
大広間には軽やかな音楽が流れていた。
導かれるままに中央へ行くと、ロイにリードされてステップを踏みはじめる。
姫(……大きい)
背の高いロイの肩に手をおく。
姫(……あと、やっぱりイケメン)
改めて至近距離から顔を見た。
鼻筋が通っていて、前髪の間から見える目が凛々しくて、唇も薄い。本当に顔全体が整っている。
これで体格も良くて剣も強いのだから、文句なしの外見だろう。
ロイ「……姫、そんなに俺の顔を見ないでくださいよ」
姫「えっ!?」
ロイ「ひょっとして俺の顔に見惚れていてくれたんですか?」
150: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 09:05:42 ID:nSwSSJ4ZyY
姫「ば…ばかっ!そんなんじゃない──ひゃっ」
ロイ「はは、ボーッとしてると転びますよ」
足をもつらせかけた姫をサッと支える。
姫「あ…ありがと…」ドキドキ
ロイ「……本当に可愛いなぁ、」
チュッ
姫「──!?」
額にキスをされた。
姫の顔がみるみるうちに赤くなる。
姫「い、いきなりなにをっ…」
ロイ「……もうすぐダンスが終わりますね。姫、このあとちょっと付き合って頂いてもいいですか?」
151: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 12:54:08 ID:qviQorEFqA
今までゼルダで再生されてたがロイが出てきた瞬間ハガレンでry
152: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 14:03:29 ID:weA6l9wvtU
実際にやったら不敬罪ってレベルじゃないんよなぁ、だいたいが。
153: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:15:15 ID:1aUoG5Q0f2
>>151
やっぱりwwいや、私はハガレンはよく知らないんですけど、ロイっていったら彼だろうなとは思いました。
ただ、SSを書く上で二文字くらいの名前で且つ厨二ぽくない名前にしようと思ったらロイが真っ先に浮かんできてww正直名前は適当に決めてるので、全然深い意味はないです
>>152
ロイの姫に対する馴々しさ、王子に対する無礼さは、姫と王子が許容していると思ってくださいw
姫とロイはもともと仲がいいし、王子はタメ口とか不敬とかあんま気にしないタイプです、とか言って言い訳orz
154: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:18:09 ID:6md7A0MgcE
─────
王子「あ―… 暇だなぁ」
広間の方から賑やかな人の声と音楽が聞こえてくる。
王子(………寝よ)
─ボスッ、と枕に顔を埋めたときだった。
バタンッ! 「!?」
ジョン「わんわん!わんわん!!」
いきなり一匹の犬が扉を体当たりでこじあけて突っ込んできた。
そのままベッドへジャンプし、しっぽをブンブン振りながら王子に猛烈にじゃれついてくる。
王子「なっ、なっ、なっ」
ジョン「がるるるるる」 バフバフ
王子「ちょっ、やめてくすぐったい!あ、あはははは」
ジョンは王子の身体の上で跳ねたり転がったり噛み付いたりして遊びはじめた。
小さな柴犬なので全然痛くはなく、肉球攻撃もくすぐったいだけである。
155: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:20:28 ID:weA6l9wvtU
王子「……って、いきなりなんなんだ!」
ガシッ、とジョンを両手で捕まえて拘束する。
ジョン「がうー」 ガブカブ
相変わらず王子のシャツに噛み付いて離そうとしない。
王子「お前は確か、ロイとかいう奴の犬だよな… 何でいきなりこんな」
ジョン「……」 ガブカブ
王子「……そっか、ひょっとしてお前もハブられ組?犬は舞踏会出れないもんなぁ」
ジョン「わぅ」 パッ
やっと解放されたシャツは、ヨダレでべとべとになっていた。
王子「う… これ、借りてるシャツなのに…」
ジョン「わぅ」 フリフリ
王子「…じゃあ一緒に寝る?おもらしとかしないよね?」
ジョン「わん!」
156: ◆qoozyz1NgY:2011/10/20(木) 18:22:47 ID:.btD106ojs
王子「全く… 飼い犬の面倒くらいちゃんと見ろよな」
ジョン「わん」
王子「………あれ、そういえば」
王子(ロイは舞踏会に出てるんだよな…。で、僕は出てなくて)
王子(姫は出てる…) ハッ!
ジョン「?」 フリフリ
王子「馬鹿か僕は!あいつ絶対姫に近づいて何かするに決まってるじゃん!」
ジョン「わん!」
王子「やば、早く着替えて──」
ピタッ
王子「─服ないんだった…」 ガーン
157: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 19:35:12 ID:bHDcPRiTV6
|Å
| \
|ω・`) ダレモイナイ・・・
|⊂ シエンスルナラ
| イマノウチ
C Å
C / \ C シエン
ヽ(´・ω・)ノ シエン
( へ) シエ-ン
く
C Å
C / \ C シエシエン
ヽ(´・ω・)ノ シエエ-ン
C (へ ) Cシエシエン
C > シエエーン
158: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 19:38:39 ID:NYMUUcmH8.
面白いな。紫煙
159: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 21:53:19 ID:OKTsxd6gOQ
やめろっ…
私の可愛い王子の姫だぞっ
触るなマスタング!
160: 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 22:44:45 ID:diohQUs896
っCCCCC
面白いよー
161: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:10:56 ID:rHFRB5t09Y
支援ありがとうございます!!
>>157
可愛い―!!(´///`)
AA弱いです、はい
>>158>>160
うぎゃあぁ面白いとか最高の褒め言葉です…!!嬉しいです!
>>159
くそ…!マスタングって呼ぶなよ…!(笑)ハガレンファンに怒られちゃうじゃないか…!←
皆さん大好きですちゅっちゅ()
162: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:12:26 ID:rHFRB5t09Y
姫「──ちょっと、ロイ!どこに行くのよ!」
ロイ「……」スタスタ
ロイに手を引かれるままに舞踏会を抜け出し、誰もいない廊下を歩いていた。
やがて中庭にやってくると、ロイはぴたりと足を止めた。
そこは薄暗く、月の光だけが二人を照らしている。
姫「……ロイ?」
ロイ「─姫… 答えてください」
163: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:14:16 ID:LJ9EDVfDOc
ロイ「姫は、あの王子と結婚するつもりなんですか?」
姫「えっ?」
ロイ「あんな女みたいで弱そうな男と結婚するんですか?」
姫「な…何言ってるの、私は王子と結婚する気なんてないわよ!」
ロイ「本当ですか!」 パアァッ
姫「う…うん」
ロイ「良かった…。俺、あんな奴に姫をとられたらどうしようかと思っていたんです」
164: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:17:28 ID:A/m73bWzEU
姫「……」
ロイ「俺、もしどこかの国と戦争とかになった場合、絶対に姫を守れる男じゃないと姫の結婚相手にはふさわしくないと思うんです」
姫「……そうね。確かに王子は弱そう。ロイの方がずっと強いでしょうね」
ロイ「はい」
姫「でも、王子はそこまで情けない奴じゃないわよ?見た目こそあれだけど、中身はちょっと見込みあるかなーって…」
姫「……やだ、なに驚いた顔してんのよ」
ロイ「い、いや。姫が他人の内面を褒めるのは珍しいなと思って…ほら、姫は面食いだから」
姫「ま、まぁね…」
165: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:23:13 ID:rHFRB5t09Y
ロイ「……」
姫「……」
ロイ「……姫」
姫「ん、」
ガバッ! 姫「きゃっ」
突如、姫はロイに抱き締められた。髪の毛がふわりと鼻に当たる。
姫「な、な──」
ロイ「……」 ギュー
姫「……」 アワアワ
ロイ「……すみません。離したくないです」
姫「ロ、ロイ…」
166: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:31:58 ID:o5tB/L3U8o
ロイ「……俺、小さい頃からずっと姫のそばで姫をお守りしてきました。…ずっと、姫だけを見て」
ロイ「姫は強くてかっこいい男が好きだって言うから、俺は一生懸命剣の修行して、姫にかっこいいところを見せよう、見てほしいって、無我夢中で、」
姫「ロイ…」
ロイ「それで、頑張って近衛隊長にまでなれた。……全部、姫のためだったんですよ」
ロイ「……だから、他国視察から帰ってきて、姫の結婚の話を聞いたときは信じられなかった。……無性に腹が立って、悔しくて、歯痒くて… 何で俺じゃないのか、俺じゃダメなのかって」
167: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:37:02 ID:Hfe7ffEMW.
ロイ「しかも、理由を聞けば政略結婚… 俺は、死んでも認めることなんてできないですよ…」
姫「……」
ぎゅっと、姫を抱きしめる腕に力が入る。
ロイ「俺なら、姫を守れる!あんな女みたいな朴念仁より、俺の方が姫を大切にするし、愛するし、絶対に悲しませたりしない!姫を守れるのは俺だけだ…俺にしか、俺にしかできないんです!」
姫「……ロイ……」
ロイ「姫…好きです…」
ロイは優しく姫の頬に触れると、ゆっくりと顔を近づけた。
168: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 00:45:20 ID:UrTy.eU.y.
──チャキッ
「──!」
……ロイの喉元に、剣が突き付けられていた。
月光に照らされ、反射するかのように刃が光る。その奧で、黒いシルエットが揺れた。
「──今すぐ、姫から離れろ」
立っていたのは、ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレスを着た王子だった。
169: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:52:17 ID:F63PeM9b6A
Σ(・Д・`;)
170: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:54:41 ID:YGPmka0QrY
俺の中でロイはクズ男に認定された(#`皿´)プンプン
王子いったれ!
つCC
171: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 00:59:43 ID:f79T6dgeUQ
いろんな意味でさすが王子www
つCCCCC
172: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 06:59:28 ID:ko6MdTU4hc
わりとロイも嫌いじゃない
C
173: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 07:25:14 ID:xNrqaOIV7Q
王子wwww
っC
174: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 07:46:54 ID:ko6MdTU4hc
これはおもしろいSSを見つけた(*´∀`*)
支援
175: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 13:18:18 ID:um8Iuczxw.
しえんしえん(*゚∀゚*)
176: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 20:33:56 ID:SwAvmhCx7U
姫の前だとロイめっちゃいいやつだなwww
っCCCCC
177: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:30:14 ID:vDehRJtTs6
れ、レスがこんなにっ…!
ありがとうございます!!
本当はお一人お一人にレスをしたいのですが、自分が蛇足なこと言いそうなので、また改めてさせていただきますね!( ^ω^)
皆さんは流れとか気にせずにコメントして頂いて全然かまいませんのであわわわわ
178: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:31:54 ID:3PUtevh2O6
姫「──お、…王子!?」カアアァ
王子「……」
ロイ「…なんだ、あんたか。今いいところなんだけど、邪魔しないでくれる?」
王子「お前は自分のやってることがわかってるのか?」
ロイ「姫はあんたのもんじゃねぇ。俺は自分のやりたいようにする」
ロイ「…つーか、なにその恰好。女装趣味でもあんの?それとも、俺を馬鹿にしてんの?」
王子「どちらでもない。さっさと姫を離さないと、お前の首を飛ばすぞ」
ロイ「……その顔と恰好で、よくそんなセリフが吐けるもんだ」
179: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:32:54 ID:sBrVYo19lY
>立っていたのは、ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレスを着た王子だった。
やっぱ王子好きだw
つC
180: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:35:25 ID:fRKEPCfywI
姫「お、王子、違うの!ていうか、物騒なことはやめて!」
ロイ「違くないですよ。まったく…人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ねってね」
ロイは姫から手を離すと、スッと立ち上がった。
ロイ「丁度いい、どーせあんたは俺の剣で叩き潰すつもりだったんだ。あんたもちょっとくらいは剣使えるんだろ?」
王子「あぁ」
姫「こ…こら!待ちなさいって、剣なんかで喧嘩してケガしたらどうするの!!」
ロイ「姫、これは姫のためです。こいつさえいなくなれば、姫も望まない結婚をしないですむ」
181: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:38:39 ID:O7FQb6/AP6
王子「…馬鹿だな、お前は。目先のことしか考えてないのか?僕をやっつけたら、自分が姫と結婚できるとでも思ってるのか」
ロイ「あんたに渡すよりマシだ」
王子「監獄行きになって、姫を守れなくなっても?」
ロイ「うるせぇ、あんたに俺の気持ちがわかるのか!姫を…姫を救うためには、これしかねぇだろ!」
姫「…ロイ……」
王子「やれやれ… すっかり僕は悪役だな」
ふわりと後退し、ロイと数メートルの間をあけると、王子は改めて剣をかまえた。
王子「来い。相手してやる」
182: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:41:49 ID:9UPngmLhlU
姫「ばっ…、馬鹿やめなさい!!王子がロイに勝てるわけないじゃない!」
王子「あれ、心配してくれてるんですか?」
姫「無意味な喧嘩はやめなさいって言ってるの!」
王子「……姫、姫がもしこいつのことを好きだったら、逢引を邪魔したことを謝ります。だけど、こいつと同じで、僕もやりたいようにやらせてもらう」
姫「…!」
ロイ「……いい度胸だ」
ダンッ!
ロイが地を蹴り、剣を抜いて王子に突撃した。
183: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:42:29 ID:6ATZQoPsn.
王子カッケーwww
これが漫画じゃなくて良かった
つC
184: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 21:45:09 ID:53ZNTmD6fY
王子かっこいいよ!!けど格好は"ピンクのラメが散りばめられたフリフリのスパンコールドレス"の美少女www
つCCCCC
185: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:45:46 ID:O2iLUoTt4M
カキィンッ!
勢いよく振り下ろされた剣を受けとめた。
グググッ、とお互いに剣で押し合い、均衡する。
ロイ「……そんな細い腕でどこまで耐えられるのか」
腕力はもちろんロイが上だ。
徐々に王子の剣が後退させられていく。
王子「……っ」
ガキィッ!
力をこめて剣を振り払う。
ロイ「───お、」
次の瞬間、ロイの目の前でピンクのドレスが舞った。
ロイ「──!?」
肩に重みがくる。
なんと、王子はロイの肩に手を置き土台にして宙返りしていた。
ロイ(背後…!!)
186: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 21:50:41 ID:x7UqZMWZxI
タン、と王子が着地する音がする。
ロイが振り向くと同時に、背後から剣撃がやってきた。
ロイ「ぐっ…!」
ガキィンッ!
ギリギリで剣撃を受けとめる。
だが、焦って振り向いたためか下半身の体勢が悪い。
王子は即座にロイの足の間に自分の足を滑り込ませ、なぎ払った。
ロイ(やべぇっ…)
尻もちをつけば斬られる。
ロイは剣をおさめていた鞘を腰から抜くと、転ぶ瞬間に王子のみぞおちを突いて跳ねとばした。
187: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 22:01:32 ID:Z/5gMg0gNA
自国との関係が険悪な隣国の
王子を私的な感情で殺そうとするとは…
殺したその後に隣国の報復が
待っていることもわからんのか?
自分が死ぬだけでなく、
国が滅ぶかも知れんのだぞ?
下手したら姫も死ぬ。
しかもロイは自国が隣国と比べて
弱小だということを理解している。
その上でのこの行動…
どうやらこのロイという男は
近衛隊長でありながら
自分のことしか考えられないようだ。
『姫と一緒になりたい』という欲望で
頭がいっぱいなんだろうな。
目先のことしか考えられない愚か者めが
もうロイは絶対許さん
イケメンでも許さん
むしろイケメンだから許さん
イケメンで背高いとかマジ許せんわ
イケメンはこの世から消滅しろ
ちくしょう…
188: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 22:04:55 ID:58wuFueqRM
>>187
涙拭けよ
そして1には支援を
189: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 22:22:08 ID:aqlShdSPd2
王子「がっ…」
思わぬ衝撃に軽量の王子は跳ねとばされ、中庭の噴水に激突した。
同時にロイも尻もちをつく。
姫「お、王子…!」
ロイ(信じらんねー… なんつー身のこなししやがる)
ただでさえドレスを着ていて動きが制限されているはずなのに、動きが常人とは思えない。
ロイ「……!?」
噴水のそばから王子の姿が消えていた。
王子「──こっちだ」
中庭の芝生を駆け抜ける音がして、左に人影が現れる。
ザシュッッ!
ロイ「っ…!!」
瞬間的に身を引いたが、左腕に刃が擦った。鮮血が流れる。
姫「ちょっ…!」
190: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 22:28:26 ID:lKxfnCS9Cc
よろめきはしたが、ロイは足を踏みしめて平衡を保つ。
ロイ「この野郎っ…!」
負けじと剣を振るが、王子には当たらない──が、
王子「……!?」
剣で応戦している間に、いつのまにかロイが王子のドレスの裾を踏みつけていた。
王子「やばっ……」
ロイ「!」
言うまでもなく王子はバランスを崩し、足をもつらせた。
ドサッと尻もちをつく。
ロイ「──へっ、女装趣味が裏目に出たな」
ロイは王子に向かって剣を振り下ろした。
191: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:05:29 ID:fpQqmiv8kI
姫「───やめてっ!!」
ロイ「!?」
剣を振り下ろす瞬間、姫が二人の間に割って入り、王子の前で両手を広げた。
ロイ「姫…!?」
姫「ロイ、これ以上はダメ!王子が死んだらどうするの?監獄行きどころじゃないわよ!!」
ロイ「……んなこと、わかってます。わかって、自分で決意した上で行動してるんです」
姫「だからって…!」
王子「……姫、どいてください」
姫「王子!?」
王子「こいつは、目先のことしか見えてない。自分が国を守る近衛隊長だってことも忘れて… 本当に、馬鹿だ」
192: 名無しさん@読者の声:2011/10/21(金) 23:07:20 ID:IA53ORRaRc
それでも私はロイが好きだ
っC
193: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:08:17 ID:j3r3Hvi5Xw
ロイ「うるせぇ… 俺は、姫が悲しい思いをするのが嫌なだけだ。自分の身なんて知らねぇ、死刑にされたってかまわねぇ」
王子「……僕が、姫を幸せにするって誓っても?」
ロイ「あ?」
王子「お前は僕が女みたいで弱そうで、姫を守れないと思ったから僕と姫の結婚を認めないんだろ」
王子「…生憎、僕はお前が思っているほど弱くはない」
姫「王子…」
194: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:20:15 ID:h1FU9y4QR2
ロイ「はっ…はははは」
王子「?」
ロイ「まぁ確かに、あんたは弱くねぇわ…現に今の勝負、どう見ても俺が劣勢だったからな」
王子「……腕、大丈夫か」
ロイ「こんなかすり傷平気だよ。……つーか、俺もちょっと頭に血がのぼりすぎてたわ。……姫、心配かけてすんませんでした」
姫「え、」
ロイ「でも、さっき俺が姫に言ったこと、姫を好きだってことは本当ですから」
姫「…う、うん…」カアアァ
ロイ「……返事って、いつ聞かせてもらえるんでしょうか」
姫「へっ、返事!?」
王子「……」
195: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:25:56 ID:XUCcTNMehw
ロイ「……まぁ、焦んなくてもいいや。何か怖い気もするし」
姫「ロイ…」
ロイ「一晩寝て、頭冷やしてきます。それでまた、王子と喧嘩したくなったらしてもいいですか?」
姫「な…」
王子「…僕は嫌だな。さっき噴水に頭ぶつけてフラフラ」
姫「ちょっ…!あんたよく見たら額から血が出てるじゃない!」
ロイ「……」
ロイ(…バレる、よな……)
姫「ロイ、あんたも腕ケガしてるんだから早く手当てして──って、ちょっと、ロイ!?」
ロイは剣を収めると、腕をおさえながら廊下の方へ歩き出していた。──そのまま振り返ることなく、中庭から消えていった。
196: ◆qoozyz1NgY:2011/10/21(金) 23:47:05 ID:dz7ykgEFtY
今回はここまでです。
読んでくださっている方々、支援くださっている方々、本当にありがとうございます!(*´ω`)
今回は戦闘描写のため少し地の文が多くなってしまったのですが、我慢して読んで頂けると嬉しいです!
ロイを好きだと言ってくれる方がいた…!彼の内面は>>187さんにいいところを持ってかれましたが(笑)、彼は彼なりに葛藤してるんですよね。ただ、彼は私情だけで動いているわけではなくうぼあぁああ
王子がかっこいいとのレスを見るたびにニヤニヤしてます←
つい、戦闘描写とか書いてると男の娘ってことを忘れそうになるんですよね…(笑)
197: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 00:39:54 ID:f79T6dgeUQ
戦闘時はスパイダーマンだもんなwww
198: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 02:33:59 ID:4D3STncBRg
面白かった!!
続きwktkしながら待ってる!!
つCCCCC
199: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 17:57:09 ID:d9pJJGWPZM
>>197
スパイダーマンから蜘蛛っぽさを除いた感じですねw
>>198
おおお良かったです!!
書いてからいつも不安になるんですよねw支援ありがとうございます!!
200: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 17:58:18 ID:d9pJJGWPZM
姫「ロイ… 大丈夫かしら」
王子「心配ですか?」
姫「当たり前じゃない」
王子「……さっき、二人で何してたんですか」
姫「え!?」
王子「いや、何してたのかは大体想像つきますが… 僕、邪魔しない方が良かったですかね」
姫「そっ、それは…。正直、いきなりだったから私も…なんか、軽く混乱してて」
王子「ロイって、背が高くてイケメンで、男らしいの三拍子そろってるじゃないですか。文句なしで姫のタイプだろうなって…」
姫「う、うん…」
姫「…でも正直、好きなのかわかんない。私、恋したことないから」
王子「え」
201: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:01:13 ID:KkTCZVzyVw
王子「…マジですか」
姫「ばっ、馬鹿にしないでよ!私はそう簡単に落ちる女じゃないってことなんだからね!」
王子「さっきロイに赤面しまくってたのは誰でしたっけ」
姫「し、してないわよバカ!!」
姫「…ていうか、何であんたここに来たのよ。具合が悪かったんじゃないの?あと、その恰好!それ私のスパンコールドレス!」
王子「う… これには深い訳がありまして… かくかくしかじか」
姫「……」
王子「──というわけです」
姫「あんたが小柄すぎるのがいけないんじゃない。もっと大きくなりなさい」
王子「…頑張ります」
202: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:02:22 ID:ln.l.Bu3Ho
>>199
それただのマンやww
そして200はいただいた
203: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:03:02 ID:UrTy.eU.y.
姫「……じゃ、あんたは頭の手当てをしに──」
王子「姫、」
姫「ん?」
王子「まだ舞踏会終わってないですよね。良かったら僕と踊ってくれませんか」
姫「はぁ!?」
王子「ロイとは踊ったんでしょう?」
姫「そ、そりゃあ… じゃなくて、だからまず手当てを」
王子「こんなの平気です」ゴシゴシ
姫「ゴシゴシって…」
204: 202:2011/10/22(土) 18:04:32 ID:ln.l.Bu3Ho
がーん(´;ω;`)
もう…1なんて…1なんて…!
…大好きなんだから←
205: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 18:04:41 ID:mLQbycA2bc
ドレスで踊るのかよw
206: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:06:13 ID:8CvlVX4ZxU
>>202
m9(^Д^)プギャー
207: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 18:07:08 ID:8CvlVX4ZxU
王子「舞踏会のご馳走も一口も食べてないですし。お腹ペコペコなんですよ」
姫「…じゃあ、ごはんだけ食べてこればいいじゃない」
王子「冷たいなぁ。ちゃんとエスコートしてあげますって」 スッ
王子はドレス姿のまま芝生の上にひざまずくと、姫の手をとった。
姫「…!」
王子「──姫は、僕の結婚相手なんですから」
そして、静かに手の甲に口づけた。
208: 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 19:20:49 ID:zLEOvVapk6
きゃあああああ、王子大胆ww
209: ◆qoozyz1NgY:2011/10/22(土) 19:39:31 ID:77CQh8L5sg
──舞踏会も終わりにさしかかった、大広間。
ワイワイ ガヤガヤ
大臣「皆さん、今宵は楽しんで頂けたでしょうか。では、次が最後の曲になります。曲は──」
王「! お、おい、大臣」
大臣「え?──ややっ!」
大広間の入り口から、華やかなドレスを着た二人の少女が入ってきた。
姫「……やだ、みんなこっち見てる」
ザワザワ
王子「きっと姫に見惚れてるんですよ」ニコニコ
大臣「……ふふ、やけに可愛い姫が二人もそろいましたね」
王「むうぅ、萌え…」
大臣「──では、最後の曲でございます。曲は、皇帝円舞曲!」
チャッ、と奏者たちが楽器を構えた。
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