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姫「結婚相手が男の娘だなんて」
[8] -25 -50 

1:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/7(金) 21:06:35 ID:qdMevyRfro

姫「ありえないわ。しかも私より可愛いし」

王子「ありがとうございます」

姫「褒めてないから。……あんたちゃんとキンタマついてんの?」

王子「は?」

姫「見せてみなさい」ガバッ

王子「ちょっ、やめ…!うわあああああああぁ」 >>0


212:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 00:55:55 ID:TwhE4fWSAQ

────

───────

ロイ「あ―…くっそ、まさか王子があんなに強いなんて」

左腕にぐるぐると包帯を巻く。

ロイ(……)

ロイ(どーすっかな、これから)

ロイ(軽く王子にケガさせちまったからな… あいつが王にちくるとは思わねぇけど、禁固刑くらいは覚悟しといた方がいいかな)


ロイ(………ま、ぐちぐち考えても仕方ねぇか…)

ごろん、とベッドに横になる。


──すると次の瞬間、胸の奧から何かがこみあげてくるのを感じた。

ロイ「───っ!」

慌てて口元を覆う。

ロイ「ごほっ、ごほっ」

ロイ(…何だよ、風邪か…?)

無意識に手のひらを眺めた。



ロイ「───…血……?」
213:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 01:00:25 ID:4Nlnc0808U


──ダンス終了後

王子「……」パクパク

姫「……」

王子「……」パクパク

姫「……あんた、ホントにお腹すいてたんだ」

王子「あひゃりまえじゃらいれすか、ずっひょへらにとりこもってたん」

姫「あーもう、飲み込んでから喋りなさい、飲み込んでから」

王子「……」 モグモグ

姫「……ていうか、あんたダンス下手くそ」

王子「……」 ムッ モグモグ
214:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 01:02:45 ID:I94awiT9bk

王子「……」 ゴックン

王子「……まぁ僕は、ダンスとかそういう社交系よりも剣とか習う方が好きでしたから」

姫「……そうね。私、王子なんてきっと弱いんだろうなって思ってたんだけど、ロイとの勝負見てびっくりしちゃった」

王子「……」 パクパク

姫「まぁ、何だかんだいって、私も最後に王子と踊れて楽しかったわ」

王子「……」 モグモグ


姫(……なんか腹立ってきた…)
215:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 14:10:22 ID:zXkHFdJH0Q


っCCCCC
216:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 14:19:03 ID:IrfKoGehyE
ロイ(;Д;`)!?ロイ好きの私が今日もしえんしにきました
っCCC
217:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 15:07:56 ID:S8zkYjuuI.
雰囲気がすごい好きですたい!

つC

王子に
つスパイダーマンの衣装(サイズL)
218:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:10:47 ID:weA6l9wvtU
>>208
王子も一応男の子ですからね!^^
>>215
たくさん支援ありがとうございます…!力になります!
>>216
ふおぉ、いつも支援してくださるのですね!!これからもよろしくお願いします!!

>>217
王子「姫、この服どうですか?少しは男らしく見えますか?」

姫「……サイズが……」

王子「何かこれカッコいいかも…顔見えないから女だと間違われないし」 ピョンピョン 

姫「ちょ、蜘蛛っぽい動きやめて。それ王子的にアウト」
219:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:12:25 ID:weA6l9wvtU


───翌日

ロイ(あー、かったりぃ)テクテク

ロイ(…姫と王子に、なんて顔して会えばいいんだか)

ロイ「……あ」

城医「おや、ロイ殿。おはようございます」ペコリ

ロイ「おはようございます」ペコリ

城医「他国視察から帰ってらしたのですね。先ほど、曼陀羅葉をお土産に戴きましたよ」

ロイ「あー、俺が偶然拾ったやつね」

城医「おかげで良い薬の研究ができそうです。ありがとうございました」

ロイ「いいよそんなの。……そうだ先生、ちっと俺の身体診てくんねーか。なんか調子悪くってよ」
220:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:14:38 ID:A/m73bWzEU

──────

姫「……」ドキドキ

王子「……」

姫「……いくわよ」ドキドキ

王子「はい」

姫「えーいっ、これでどうだ!ストレート!!」 バッ

王子「残念、フルハウス」 バラッ

姫「!?」

姫「ま、また負けた…」 ガーン

王子「僕の8連勝です」

姫「もー!なんで王子に勝てないのよっ」
221:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:16:52 ID:aw.NT1r60Y

大臣「おやおや、何をしていらっしゃるんですか」

姫「ポーカーよ」

大臣「昼間からトランプですか。今日はこんなに天気がいいんですから、外にお出かけになっては」

姫「イヤよ、またコルネオみたいな奴に会いたくないもん」

王子「あんな奴はそうそういないと思いますが…」

姫「何よ。あんたは私が勝つまでトランプやってればいいの!」

王子「……」
222:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 16:19:54 ID:J1gnA8ZFUc

 - 城下町 -

ワイワイ ガヤガヤ

姫「……で、何で結局城下へ来てるのかしら、私たち」

王子「姫が全然勝てないからですね」

姫「ありえない!50連勝とか!あんた化け物!?」

王子「………まぁ、ネタばらししとくと」

王子は右腕の袖をまさぐると、逆さまに広げた。

バラバラバラ...

十数枚のカードが下に落ちる。

姫「……え?」

王子「イカサマです」

姫「え?」
223:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 16:39:06 ID:77CQh8L5sg
わかった!
ハヤテのごとく男の娘で
アレン・ウォーカーのように腹黒なんだなww

もはや超人じゃねーかwwwつ≡C
224:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 17:14:29 ID:YKW6x3TXVw
>>220
フルハウスとストレートじゃストレートの方が役は強かったんじゃ…
225:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 17:26:03 ID:weA6l9wvtU
>>223
た、確かにw 
でもダンスは下手ですから!(笑)
支援ありがとうございます!

>>224
フルハウスの方が強いです。
ちゃんと調べたので間違いありません!
226:🎏 224:2011/10/23(日) 17:28:51 ID:9OzucEzTfM
それは申し訳ありませんでした…
勝手な勘違いですみませんm(__)m

お詫びといってはなんですが…これを

つC

応援してます!!頑張って下さい!!
227:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 19:07:25 ID:amH5u9QIXM
CCCCC
228:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:11:30 ID:v9Rvk.Kov2
>>226
いえ、大丈夫です!
応援すごく嬉しいです!!

>>227
支援ありがとうございます!^^
229:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:12:26 ID:v9Rvk.Kov2

王子「姫ー」

姫「……」スタスタ

王子「姫ー」

姫「……」スタスタ

王子「姫、怒ってるんですか?」

姫「怒ってない!」

王子「怒ってる… 謝りますってばー」 パタパタ

姫「あ」 ピタッ

王子「? どうかしたんですか?」

姫「王子、ここ入ろ、ここ!」
230:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:14:28 ID:AhKggD5OzY

<マジックハウス>


王子「マジックハウス…?」

姫「手品を見せてくれるの。私、入ってみたかったんだ!」

王子「来たことなかったんですか?」

姫「うん。城下へ遊びに行くときはいつも普通のお店とか見てたから」

王子「へぇ…」

姫「さ、いこいこ!」

姫は王子の手を掴むと、マジックハウスの中へ入っていった。
231:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:16:43 ID:iTvQgHEoL2


男「──さぁ行きますよ、皆さん。ワン、ツー、スリー!」 バッ

ボォンッ!

男の持っていたシルクハットから小さな爆発が起こり、中からパタパタと鳩が飛び出した。

おおぉっ、と観衆が驚きの声を上げる。

\パチパチパチパチ/

姫「きゃーっ、すごいすごい!」


男「…では、次はこのスティックを花束に変えてご覧に入れましょう!」

姫「わー!」 キラキラ

王子(………ありきたりすぎ…)
232:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:20:28 ID:ScZrKHOJSw

──────城にて

ガチャ

ロイ「失礼します。──王、少しお話があるのですが」

王「ん?ロイか。なんだね、改まって」

ロイ「実は、お願いがありまして」

王「?」

ロイ「俺に隣国への視察の許可を頂きたいのです」

王「!」

大臣「な、なんですと!?」

ロイ「…俺自身、姫の結婚には納得できません。もちろん、隣国との外交上必要な結婚であることはわかっています」

ロイ「だけど、このままじゃ俺、どうしたらいいかわからないんです。姫と王子の結婚を祝福することなんてできないんです」
233:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:23:05 ID:LL3bQjTjnI

王「…ふふ、だから王子に喧嘩をふっかけたというわけか」

ロイ「!」

ロイ「…知ってたんですか」

王「いや、何も報告は受けとらん。ただ、お前の左腕の傷と、お前の姫を想う気持ちを考えれば察しはつく」

ロイ「……」

王「安心せい。何も罰は与えん。お前には散々姫の面倒を見てもらって世話になっとるし、王子も気にしてないようじゃからのう」

ロイ「…ありがとうございます」
ペコリ

大臣「……ですが、婚約パーティーまであと4日ですよ。王子が来国している最中に、隣国の視察へ行くとはなんとも…」

ロイ「隣国へは馬を飛ばして半日です。婚約パーティーまでには必ず帰ってくるつもりです」
234:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:26:40 ID:ZcWpf5xQ5g

王「隣国へ行って何がしたいんじゃ?」

ロイ「……姫と王子の政略結婚が本当に必要なのか、見てきます」

大臣「なっ…」

王「ほう」

ロイ「俺は、小さい頃からずっと姫をお守りしてきました。だから、姫のことは誰よりも大切に思っています」

ロイ「……けど、このまま王子と結婚させて、姫が幸せになれるのか俺にはわからない。そんな状態で、姫を送り出すことなんてできません」

王「……つまり、隣国へ行けば納得できる理由が見つかるかもしれないと」

ロイ「…はい」
235:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 20:30:25 ID:UrTy.eU.y.

王「ふむ… まぁ、お前が納得できるようにすれば良いと思うが…」

ロイ「勝手だとはわかっています。俺は…俺は、絶対に後悔したくないんです」

王「……」

ロイ「……」

王「……供はいるか?」

大臣「! 王!」

ロイ「いりません。俺一人で行きます」

王「…わかった。気をつけて行くんじゃぞ」

ロイ「はい」

王「姫と王子には内密にしておいた方がいいかのう?」

ロイ「そうしてください。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
ペコリ
236:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 21:53:42 ID:u.qZdwGW4Q
ここ数週間で一番好きなSS
支援!!
237:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 22:55:06 ID:D40Af.WWi2
コルネオ大好きな俺が支援!
小者がっ小者が足りない…もっと小者をっ…
238:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 23:34:16 ID:fpQqmiv8kI

──────

ロイ「ごほっ、ごほっ」

ロイ「……さて、行くか」

馬「ヒヒーン」

ロイ「わりぃな、相棒。他国視察から帰ってきたばっかりだってのに、また走らせることになっちまって」

馬「ヒヒーン」 ブルルッ

ロイ「はは、さんきゅー」

ロイ「…っ、ごほっ、ごほっ」

ロイ(あー… 咳うぜぇ)

─ダダダッ

ジョン「わん!わん!」

ロイ「!」
239:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/23(日) 23:36:37 ID:R93H4N5un6

ジョン「わんわん!わんわん!」

ロイ「おー、ジョン。見送りに来てくれたのか」 ナデナデ

ジョン「くぅ〜ん」 フリフリ

ロイ「全然構ってやれなくてごめんな。帰ってきたらいっぱい遊んでやるからよ」

ジョン「わぅ…」

ロイ「しけたツラすんなって。…ジョン、お前しっかり王子見張っとけよ。姫に手を出したら噛みつくんだぞ、いいか」

ジョン「わんっ!」 フリフリ

ロイ「よし、それでこそ俺の相棒だ」 ナデナデ

馬「ヒヒーン」 ブルルッ

ロイ「あ、わり。お前ら両方俺の相棒だよ」

馬とジョンの両方を撫でる。


ロイ「─……じゃあな、ジョン」

ロイは馬にまたがると、勢いよく駆け出した。
240:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/23(日) 23:47:07 ID:coZ3jnnCPA
これって死亡フラg……
241:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:18:54 ID:sBrVYo19lY
>>240のせいでそうとしか見えなくなった
1に見習ってsage支援
242:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:21:22 ID:R93H4N5un6
>>236
ま、マジですかあぁぁ!!!
もったいなきお言葉(´;ω;`)
むっちゃ嬉しいです!!

>>237
コルネオを好きなどという方がいたのか!!(笑)
小物はまだ出てきますのでご安心を(・∀・)

>>238>>239
大丈夫、ロイはまだまだ元気です
243:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:30:39 ID:UDHBDcGQ6A

───────

姫「あー!面白かった!」テクテク

王子(いや、全然…)テクテク

姫「何であの帽子からは動物が出てくるのかしら」

王子「さぁ…」

姫「魔法!?魔法なのかな!?」

王子「いや、手品ですから」

姫「じゃあ王子もやってみなさいよー」

王子「それなんて無茶振り…──って、うわっ!」 ドカッ

姫「!?」

突如、背後から走ってきた子供が王子の背中に激突した。

子供「あっ、ごめんなさい!」

王子「え、え?」

タタタッ…

子供はそのまま王子の脇を走りぬけ、颯爽と消えていった。
244:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:02 ID:tT5O.oaoYw
1、1
安価安価…!(ボソボソ

こっそり壁の中から支援

壁壁壁壁]っC
245:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:19 ID:TSKjRXSWvs
ロイ好きだよロイ
っC
246:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 00:31:44 ID:sBrVYo19lY
こっそり壁が支援

壁]つC
247:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:33:56 ID:qdMevyRfro
>>244
安価しくじってたwww
壁の中から支援ありがとう!!

>>245
私もロイ好きですイケメンなので(笑)支援ありがとうございます!!
248:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:34:56 ID:qdMevyRfro

姫「……なに、今の子供」

王子「さぁ…」

姫「迷子かしらね。6歳くらいだったけど」

王子「……あ」

姫「ん?どうしたの?」

王子「あーあー」 ガサゴソ

姫「?」


王子「……スられました」

249:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 00:36:56 ID:trx0HkZN.I

姫「……は?」

王子「スられましたー」 シクシク

姫「……何を」

王子「財布」

姫「えええええぇ!!!!!」

姫「あ、あんたいくら持ってたの!」

王子「5万ゼニーくらい…」

姫「はああぁ!?あんたバカ!?何でそんな大金持ち歩いてんのよ!!」

王子「だって王子ですから」

姫「あんのクソガキ…!!追いかけるわよ、王子!!」ダッ

王子「姫、もう少し言葉遣いを」

姫「うるさい!!」
250:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 02:28:36 ID:RAxY55LQB2


子供「──はぁっ、はぁっ」タタタッ

子供(……追いかけてこない、よな?) クルッ


…ズドドドドド

子供「!?」

姫「待ちなさあぁいっっ!!スリなんてして恥ずかしくないのこのチビ助があぁぁっ!!」ズドドドッ

子供「ひいいいぃっ!?」ダッ

王子「姫っ 顔、顔!」
251:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:03:40 ID:5uoDVsXYRE


姫www


っCCCCC
252:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 21:31:11 ID:o5tB/L3U8o

( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …?!  

253:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:16:24 ID:5V2pnSlcCU

子供「うわーんうわーん、誰か助けてー」 ダダダッ

姫「助けてじゃないわよこのバカ!待ちなさいって言ってるでしょ!!」 ダダダッ

子供「わーわー誘拐されるーっ!」ダダダッ

王子「姫、町の人がむちゃくちゃこっち見てますっ」 ダダダッ

町人A「やだ、あれひょっとして人さらい?」

町人B「ちょっと誰か警官呼んできてよ」 ザワザワ

姫「あーもうっっ!!被害者はこっちだっての!」
254:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:17:39 ID:BzrtlN2WkQ

子供はわめきちらしながら、ある建物の中に逃げ込んだ。

姫「!」

王子「マジックハウス…」

姫「さっきまで私たちが手品見てたところじゃない」

王子「マジシャンの子供なんですかね?」

姫「知らないわよ。とにかく、さっさと財布返してもらわないと」
スタスタ

二人は再び、マジックハウスの中へ入っていった。
255:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:19:00 ID:ZoYc6yK4vU

観客席を抜け、舞台裏の方へ歩いていく。

姫「…今は開演時間じゃないのね」

王子「3時間に一度の公演って書いてありましたから。僕たちが見終わったのが30分くらい前ですから… まだ時間がありますね」


?????「──おやおや、困りますなぁ、勝手にこんな裏の方へ入って来られては」

「!」

フッ、とカーテンの袖から一人の男が姿を現わした。
シルクハットをかぶり、洒落れた燕尾服を着ている。

王子「……さきほど、手品を披露していた方ですね」
256:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:20:20 ID:ozxwJgEqGM

男「おや… お客様でしたか。これは失礼。しかし、一体何の御用ですかな?次の開演はまだですよ」

姫「ここに子供が来たでしょ。私たち、そいつに財布を盗まれて追いかけてきたの」

男「子供…?それは、この子のことですかな」

姫「?」

すると、ヒョイッと男の後ろからさきほどの子供が顔を覗かせた。

姫「あーっ!あんた!!」

子供「ひぃっ」 ビクッ
257:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:21:51 ID:8PDjJTANHw

姫「さっさと財布を返しなさい!!」

子供「し、知らないよぉ〜」

姫「はぁ!?あんたシラ切るつもり
!?ぶん殴るわよ!」

王子「姫、落ち着いてください」

姫「王子もなんか言いなさいよ!」

男「まぁまぁ… この子は私の息子なのです。手荒な真似はおやめください」

男「…それに、うちの子が盗みなどするはずがありません」
258:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:24:27 ID:XJFj.rwXLw

姫「いや、現にしてるから!ポケットとかひっくり返してみなさいよ」

男「はいはい、お待ちくださいね」

男は気のない返事をしつつ、子供のポケットをまさぐった。

男「───お、」 スッ

王子の白い財布を取り出す。

姫「ほら、それよそれ!」

男「……」

王子「返してもらえませんかね?」

男「……いえ、これは私の財布です」

「!?」
259:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:26:02 ID:cZcmqXbLIE

姫「……今、なんて?」

男「この財布は私のものです。さきほど、おつかいのために子供に持たせたのです」

王子「いや、それ僕の名前が彫ってあるんですけど」

男「いいえ、これは私の財布です」

そう言うと、男は財布を懐に入れた。

姫「ちょっ…」

男「お引き取りください」
260:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 23:28:38 ID:GLlX6Te9R6
王子が5万って少なめ…?

1ゼニーはだいたい何円くらいの価値なの?
261:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:28:57 ID:R93H4N5un6

姫「え、冗談でしょ?あんた自分が何言ってるかわかってる?」

男「帰ってください。これ以上は業務妨害です」

姫「はぁ!?バカじゃないの、返してくれるまで絶対帰らないからね!」

男「……どうしても帰りませんか」

姫「帰らないわよ!!」

男「やれやれ… しょうがない方ですね」 チッ

王子「─!」

男はそばの壁にあった青いボタンをポチッと押した。

───次の瞬間、

ガチャンッ!

姫「きゃっ…!?」

姫の真上から大きな檻が勢いよく落下し、姫を中に閉じ込めた。

王子「姫…!?」
262:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/24(月) 23:31:35 ID:XJFj.rwXLw
>>260
あ、すみません説明不足でしたw
ここの設定では
1ゼニー=10円くらいだと思ってください。とすると、王子は50万円相当持ち歩いていたということですw
263:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:54:33 ID:ScZrKHOJSw

男「安心してください、少し落ち着いてもらおうと思っただけです」

男「一見普通の檻ですが、アレは少々特殊な作りになっていましてね。透明なバリケードがあり、かつ防音効果が施されているのです」

姫「─!─!」

男「ほら、彼女の声は何も聞こえないでしょう?あちらもこちらの会話を聞くことはできません」

王子「……何がしたいんですか、あなたは」
264:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:56:53 ID:Nr3eU51cGc

男「なぁに、どうしても帰らないとおっしゃるので、こちらが一つ提案をして差し上げようというわけですよ」

王子「提案…?」

男「そちらが『なくされた』財布のお金… もし、今日1日このマジックハウスで働いて頂ければ給料としてお支払いしてあげましょう」

王子「……なくした財布のお金を給料として払ってくれるんですか。ずいぶん奇妙な話ですね」

男「善意…、人助けのつもりで申し上げているのです。一文無しでは色々とお困りでしょう。もちろん、全額は無理ですが」
265:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 00:59:37 ID:6b29G1x/UY

王子「勝手ですね。金がほしけりゃ財布ごとあげますよ。それより、姫を返してくれませんか」

男「おや、意外ですな… しかし、こちらとしては是非あなたに働いて頂きたいのです」

王子「?」

男「実は、ここのところ観客が減っていましてねぇ… 何とか人気とりができないかと、可愛い女の子のアシスタントを探していたんですよ」


男「…そして、あなたは小柄でとても可愛いらしい。我々が求めていた看板娘にピッタリなのです。どうです、今日1日だけでもこのマジックハウスで働くというのは。給料も出しますし、悪い話じゃないでしょう」
266:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:07:03 ID:qtzPYBHBoM

王子「…興味ありません。さっさと姫を返してください」

男「……働かなければ、そちらのお嬢さんを解放しないといったら?」

王子「は?」

男「鍵は私が持っています。彼女をずっと閉じ込めたままにすることだってできるんですよ」

王子「……馬鹿だな。あんたの言ってることは犯罪だ」

男「事を荒立てるのはやめましょう。私はただ、あなたにマジックのお手伝いをして頂きたいだけなのですから」

王子「……」

男「ここは穏便に、お互いの利益に繋がるようにするのが得策だと思いますよ」
267:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:40:16 ID:j3r3Hvi5Xw

─────

────────楽屋

男「……フフ、ご理解感謝しますよ」

王子「…今日1日だけですからね」

男「えぇ、それだけで十分客寄せ効果があります。ところで、あなたのお名前は?」

王子「おうじです」

男「オージさんですね。遅くなりましたが、私の名前はパンドラ。ここの団長で、マジシャンです」

王子「……他に人はいるんですか」

パンドラ「いますよ。あと5人ほど。みんな今は休憩中です」
268:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 01:42:36 ID:dCcobmLbww

王子「ちゃんと後で姫を返してくださいね」

パンドラ「わかってますよ。約束は守ります」

パンドラ「……あ、これ、オージさんの衣装です。着てみてください」 スッ


王子「……は?」

パンドラ「きっと似合いますよ」

王子「……え、これって」


パンドラ「バニースーツですが。何かご不満でも?」
269:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 01:46:43 ID:UrTy.eU.y.
うはっwwwwキタキタwwwwww
270:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 01:53:16 ID:ltP/Ll0.T2
小物キタwww
271:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 04:16:58 ID:Qkeb3Kk31s
バニー王子キター
272:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:10:24 ID:6l3aJR6yFE
>>251
支援ありがとですっ(*・∀・)ノ

>>252
( ゜Д゜)

>>269-271
やっときましたw
あともう一人だけ新キャラ出すのでよろしくです
273:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:11:35 ID:YFbsvLyf9k

〜〜〜10分後

王子「……」ちーん

パンドラ「ブラボー!ブラボー!なんて可愛いんでしょう!」パチパチ

王子「……姫に見られたら死ぬ…」

パンドラ「足も細いし線がきれいだ!ウサミミも似合ってる!やはり君を選んで良かった!」

王子「………胸がすっかすかなんですけど」

パンドラ「大丈夫、これはつるぺたにも対応できる最新のバニースーツです。ここをこうすると…」 スッ

ボンッ! 「!」

パンドラ「ほら、胸部が膨らんでカモフラージュできたでしょう」

王子「ええぇ〜…」
274:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:15:53 ID:O7FQb6/AP6

──そのとき、ガチャリと楽屋のドアが開いた。

?????「団長ぉ〜、あと15分で開演だよぉ?」ヒョイ

パンドラ「おぉ、ランちゃんじゃないですか。丁度いいところに」

入ってきたのは、髪が腰までの長さもある、中華服を着た少女だった。

パンドラ「紹介するよ。この子はマジックハウスのメンバーの一人のランちゃん。雑技担当」

王子「はぁ…」

パンドラ「ランちゃんは可愛いんだけどなかなか凶暴でねぇ。看板娘には不向きなんだよ」

ラン「ぶー」
275:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 16:18:54 ID:BzrtlN2WkQ

ラン「で、誰こいつ?新入り?」

パンドラ「今日1日アシスタントをやってくれることになった、オージさんだよ。バニーが似合ってるだろう?」

ラン「知らなーい。ラン、女には興味なーい」

王子「いや、僕はおと…」

パンドラ「おっ、いかんいかん!そろそろ舞台に行かなければ!」

王子「え、」

ラン「結構お客さん入ってるよー」

パンドラ「オージさん、君は私の指示に従ってやってくれれば大丈夫だからね」

王子「は、はぁ…」
276:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:29:27 ID:YGPmka0QrY

───────

ワイワイ ガヤガヤ

会場には、多くの観衆が集まっていた。

パッ、とステージにライトが照らされる。

パンドラ「─レディース・アン・ジェントルメ―ン!皆様、マジックハウスへようこそ!!」

パンドラ「これより、午後・サーカスの部の幕開けとなります!」

\パチパチパチパチ/
派手な音楽流れ、と拍手が起こった。


王子「さ、サーカスの部…?マジックショーじゃないんですか」

ラン「マジックショーは午前!午後はサーカス!そんなことも知らなかったの?おっくれってるう!」

王子「いや知らないから…」
277:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:32:09 ID:.btD106ojs

パンドラ「本日は皆様に我々の新しいメンバーを紹介します。
バニーちゃんです!」

王子「え」

前触れなく、パンドラが王子に向かってスポットを当てた。

王子「ちょ、ちょ、いきなり?」

パンドラ「さぁ、バニーちゃん出ておいで!」

王子「バニーちゃんって…」


なかなか出ていく勇気が出ずに戸惑っていると、

ラン「んもー、さっさと出ていきなさいよぉ!」 ドカッ

王子「うわっ」

ランに尻を蹴られ、王子はカーテン裏からステージへ飛び出した。
278:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:38:33 ID:YGMLEynOII

ザワザワ

バニー姿の王子を見て、観客がざわつき始める

「なにあれ、かわいー!」

「お尻にちょこんとしっぽがついてる!」

「すごぉい、ホントのウサギちゃんみたい」

「ヤバイヤバイあれヤバイよ、俺あの子で10回は抜ける」

「萌ええええええぇ!!!!!!」

「うっ…………ふぅ」

「あっ顔赤くなってる!かわゆっ」


王子「……」 カアァァ


パンドラ(むっふっふ… 予想通りの好感触だ。素晴らしい)
279:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/25(火) 21:44:50 ID:.btD106ojs

パンドラ「せっかくですから、早速バニーちゃんにお手伝いしてもらいましょう!」

パンドラがパチッ、と指をならすと、大きな板が運ばれてきた。

パンドラ「さ、バニーちゃん」

王子「え?」

抵抗する間もなく、数人の男たちによってその板に括り付けられ、手足も板に取り付けられた枷によって拘束される。

つまり、垂直に立った板の上に大の字でくくりつけられているという状態になった。

ザワザワ


王子「な…何するんですか、これ」

ラン「うふふ、決まってるじゃーん」
ニヤニヤ笑いながら、ランが舞台袖から現れた。

その手には数十本のナイフが入った箱が。

王子「……あー、あー」

ラン「わかった?」

王子「まさかそれを投げるなんてベタな芸じゃないよね」

ラン「ベタじゃないよぉ、ランは
ナイフ50本投げるからね!」

王子「50本!?」
280:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 19:00:56 ID:rRV/Hw7/1Y
CCCCC
281:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:03:53 ID:KYtqs3eTIA

パンドラ「さぁ、可愛いバニーちゃんは今はりつけ状態!これからここにバニーちゃんに当てることなく50本のナイフを投げます!」

ワーワー

王子「ぜ、絶対当てるなよ!……ら、ランちゃんだっけ?」

ラン「女の子にランちゃんなんて呼ばれても嬉しくなーい。ま、すれすれで板に当てるから安心して」

ランが両手に溢れんばかりのナイフをもち、構える。

王子「そ、そうだよね、所詮芸だし──」

ヒュンッ ドスッ

王子「!」

1本のナイフが板に突き刺さった。王子の顔から数ミリの位置である。

王子「げ…」

ラン「どんどんいくよー」

ニヤリと笑って大きく振りかぶった。
282:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:06:38 ID:aqlShdSPd2

ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!

ドスドスドスドスッ!

目にもとまらぬ速さでナイフが投げられ、板に突き刺さる。

それは全て王子の身体と紙一重の位置で、頭の上、首の横、手・腰・足の回りをもらすことなく射止めていく。

ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!

王子(ひいいいいぃ)

ドスドスドスドスッ!
283:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 21:10:28 ID:ltP/Ll0.T2
王子泣いちゃうwwww
284:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:13:53 ID:YKW6x3TXVw

ラン「………ふぅ」

ランが投げ終えたとき、板はナイフでびっしりになり、見事に人型を描いていた。
もちろん王子には当たっていない。

\パチパチパチパチ!!/

大きな拍手が起こる。


王子「す…すごいな」

ラン「当たり前っしょお?私を誰だと思ってるのー」


ラン「…………あ」

王子「?」

ラン「1本残ってた」
285:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:16:17 ID:mP9KidIxe.

王子「………え」

もう板に刺さるところは残っていない。残っているのは──


ラン「えーい、投げちゃえ」

王子「!」

ヒュンッ

ランは振りかぶり、最後のナイフを投げた。

……だがそれは、王子の顔に向かって直線上を走っていた。


王子「────っ…」

反射的に顔を右に引く。

ドスッ!


──ナイフは王子の左頬があった位置に刺さっていた。
286:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:18:20 ID:8CvlVX4ZxU

ラン「……!」

王子「あ、危ないなぁ… 当てるつもりだっただろ、今の」

ラン「……へぇ、意外。よく避けられたね」

王子「避けなきゃ困る」

ラン「そりゃそーだけど…… ねぇ、あんたひょっとしてデキる?」

王子「は?」

ラン「強いのかって聞いてんの」

王子(……何か嫌な予感)

王子「……強くないけど」

ラン「……ふーん」

287:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:27:12 ID:ScZrKHOJSw
>>280
あばば支援ありがとうございます(´///`)

>>283

姫「王子の泣き顔、ちょっと見てみたいかも」

王子「え」

姫「ほらほら」

王子「姫がそう言うなら…」

王子「……ひっぐ、ぇ、…ぅっ-…」 シクシク

1「うっ………ふぅ」
288:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/26(水) 21:47:26 ID:Nr3eU51cGc

──舞台裏、檻のなか

姫「……」 ゲシッゲシッ

姫「……」 ガションガション

姫「……」



姫「あーもうっっ!!!何で出られないのよ馬鹿!!!!」

姫「私を誰だと思ってるの!?この国の王女よ!? 無礼にもほどがあるわ!!」

防音のせいで、外の音は全く聞こえない。

姫「……私だって… 一人でこんなところにいたら…」 グスッ


姫(何やってんのよアイツ…)



姫「早く助けにきなさいよ、王子いいいぃぃっ!!!」
289:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/26(水) 23:12:23 ID:ZoYc6yK4vU
姫可愛い
しえん(*゚∀゚*)
290:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:34:47 ID:aw.NT1r60Y
>>289
支援ありがとうございます!
(*´∀`)
最近、みんな見てくれてるのかちょっぴり不安だったので嬉しいです。少し投下しますねー

291:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:38:38 ID:aw.NT1r60Y

──舞台では、ピエロが玉乗りをしたり、動物が火の輪くぐりをするなどの芸が披露されていた。


王子(僕の出番はもうないかな…芸なんて何もできないし)

ラン「ねぇ」

王子「え?」

ラン「私このあと剣技披露なんだけど、あんたって剣使える?」

王子「け、剣…?いや、ムリムリ」

ラン「うっそだぁ。さっきあんたの荷物の中に剣があるの見たもん」

王子「あれは護身用で… ていうか、知ってるなら聞くなよ」
292:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:41:22 ID:BzrtlN2WkQ

ラン「私、いっつも一人で剣振り回してるんだけどぉ、さすがに飽きてきちゃってさー」

王子「剣を振り回すと芸になるの?」

ラン「やだ、馬鹿にしてんのぉ?よくあるじゃん、カッコよく剣を回したり投げたりしてポーズ決めるやつ!あんな感じ」

王子「僕はそんな芸したことないんだけど…」

ラン「違う違う!今日の場合はあんたと私の試合を披露しようって言ってんの!」

王子「…………え」

ラン「団長にはもう許可とってあるから―」 ムフフ

王子「はやっ!」
293:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 18:44:26 ID:0k2PYN1fOY

パンドラ「───さぁ、空中ブランコが終わったところで、再びバニーちゃんに登場してもらいましょう!」

王子「…!」

ワーワー ワーワー

パンドラ「今度は我がメンバーの一人、ランちゃんと剣技勝負をしてくれるとのこと!楽しみですねぇ」


ラン「ね」

王子「む…無茶振りすぎるだろ。僕が剣使えなかったらどうするつもりだったんだ」

ラン「実際使えるんだからいいじゃーん。あ、言っとくけどラン強いよ?特に女相手には容赦しないから」

王子「待って、本物の剣は危ないよ。当たったらケガする」

ラン「あんたは絶対私に当てられないから大丈夫」

王子「すごい自信だな…」
294:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/27(木) 19:06:13 ID:4i0OkmvnaE
とあるコラボスレから
原作のこっちも面白くてわらたwww
295:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/27(木) 22:49:14 ID:yCl96nADP2
みんな可愛すぎてやばいw
イラスト描いてもいいですか…!
296:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:14:55 ID:8PDjJTANHw
>>294
ま、マジですかあぁあ!!///
ホントにもうキノとコラボとか夢みたいでした!しかもそのおかげで読者さまが増えるなんて幸せすぎてぐはあぁ(´///`)
ありがとうございます!!!

>>295
可愛いですか!!ひゃー、嬉しいです!王子でも姫でもロイでも誰でも描いてくださってかまいませんので!全裸待機しとります!!
297:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:15:43 ID:OErSI1ldIc

観客の歓声の中、剣を持った二人がステージへあがる。

王子(……まさかこんなところで剣を振るはめになるとは)

与えられた剣は王子の自前のものではなく、装飾が派手な安っぽい剣だった。

ラン「ふふふー♪」

ランは得意気に剣を弄んでいる。

王子(……かなり使い慣れてるみたいだけど…)

ラン「なぁに、深刻な顔して。ビビってんの?」 クスクス

王子「……わざと負ける理由もないか」
298:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:17:45 ID:1h9cqhfM4c

パンドラ「ランちゃん、いつでも始めてもらっていいよ」

ラン「はーい」

くるりとこちらを向き、ニコッと笑う。
ラン「……覚悟はいい?」

王子「いいよ」

ラン「それじゃ」 スッ

ランは懐から十数本のナイフを取り出した。

王子「え…ナイフ?」

ラン「てりゃっ」

ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ!

王子「ちょ…!」 バッ

カンカンカンカンッ!

前触れなく投げられたナイフをバク転で避ける。

王子「け、剣勝負って言ってたのに…!」
299:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:20:31 ID:O2iLUoTt4M

ラン「──剣だけが芸だと思って?」

王子「!」

ナイフに気をとられているうちに、ランが至近距離まで間合いを詰めていた。

ガキィンッ! 王子「ぐっ…」

一気に振り下ろされた剣を受けとめる。

王子「いつのまに…」

ラン「足の速さには自信があるの」

そのままクルッ、と1回転して王子の真横に着地すると、

ラン「えーい」 ガシッ

王子「な…」

態勢を低くしたかと思うと、なんと王子の足首を掴み、思い切り引き寄せた。

王子「うわああああぁっ」

びたーん!!!

仰向けの状態で叩きつけられた。
300:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:27:35 ID:ocxqtmFaOg

ラン「………あれ?」

王子「いつつ…」

ラン「なんかショボくない、あんた?」

ラン「ごめんごめん、これくらい避けられると思ってたからさー」

王子「……」 ムッ

ラン「次からはもうちょっと手加減したげるね!」

王子「……女だと思って引け目に捉えてたのが間違いだったな…」

ラン「は?」

王子「やっぱほら、女の子相手だとやりづらいわけで」

ラン「何言ってんの、あんたも女でしょー」

王子「でももういいや。結構痛い一撃くらっちゃったし」

ラン「…人の話聞いてる?マジいみふなんだけど」

王子「…つまり…」

スッと立ち上がり、剣を持ち直す。身体のホコリを払う。


王子「──手加減してやるのは僕の方だってこと。遊んでやるから全力でかかってきなよ」
301:🎏 295:2011/10/27(木) 23:27:41 ID:EgJaIXV9H6
快諾してくれてありがとう!
早速上げてきましたっw
少しでも支援の気持ちが伝わるといいな><
302:🎏 ◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:37:11 ID:kkv4gh8dE.
>>301
ありがとうございました!!
お返事はあちらでさせていただきました(*・∀・)
支援のお気持ちありがたく受け取りましたっっ!!
これからもよろしくお願いしますm(*__)m
303:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:38:47 ID:ZcWpf5xQ5g

──────

姫「……はぁ…」

姫「王子のばか… 何で来ないのよ…」

姫「……絶対ほっぺたビンタしてやる…っ!」 グスッ


──そのとき、

ガチャリ 姫「!」

突然檻の鍵があけられ、ぬっと男が顔を覗かせた。

姫「あーっ!!あんた!!」

パンドラ「ご気分はいかがですか?」
304:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/27(木) 23:41:17 ID:HquBRzpqmg

姫「ふざけんじゃないわよ!こんなところに閉じ込めて、訴えてやるんだから!!」

パンドラ「まぁまぁ。それに関しては申し訳ありませんでした」

パンドラ「これから出して差し上げますので、どうぞ機嫌を直してください」

姫「はぁ!?ごめんなさいで済むと思ってんの!?早く財布返しなさいよ!あと、王子!王子はどこよ!!」

パンドラ(なんと凶暴な……まだ落ち着いてないのか…)

パンドラ「…オージさんなら丁度今、舞台にいます。案内して差し上げましょう」

姫「は?」
305:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:06:55 ID:ZoYc6yK4vU

──────


ラン「……へぇ、驚いた。あんたそんな余裕ぶっこけるんだ」

王子「まぁね」

ラン「いいよ。ちょっとくらいケガしても文句いわないで──」

ラン「ねっ!!」

ダンッ、と地を蹴りランが王子に向かって駆け出す。

ガキィンッ!

先ほどと同様に、振り下ろされた剣を王子の剣が受けとめる。
───が、王子は剣を受けとめたまま微動だにしない。

ラン「……っ」

ググッ、と剣を押し込むが、全く王子の剣は揺らがない。

ラン「……これならどうだっ」

一旦身体を退き剣を構え直すと、今度は四方八方から剣撃を放った。

キンッ、キンッ、キンッ!

一辺倒な剣筋ではないはずなのに、王子は全て見切ったように受けとめる。
306:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:09:36 ID:WPw5dFjMQg

ラン(こいつ… 一歩も動いてない……っ!?)

素早く王子の背後に回るが──

ガキィンッ!

王子は前を向いたまま、腕と剣だけを後ろに回してあっさりと止める。

ラン「な…!?」

王子「……」

ラン「な…何なのよあんた…!!」

王子「…君は女だから、やっぱり腕力がないよ。ロイの剣だったらこんなふうにはいかないけど」

ラン「何ですって…!?」

王子「もういいかな、」

ガキッッ!! 「!」

均衡していたランの剣を振りさばく。

王子「──これがオモチャみたいな剣で良かった」

ニッコリと笑って、勢いよく刀身に向かって自分の剣刃を叩きつけた。
307:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:14:09 ID:1aUoG5Q0f2


───鈍い音がして、剣が空を舞った。

ラン「……!?」

カランッ、と剣が床に落ちる。
……だがその剣は、真っ二つに折れていた。

ラン「う、うそ…」

王子「まぁ、所詮サーカス用の剣だし」

そう言って、王子は自分の剣を示した。

ラン「……!」

ランの剣ほどひどくはないが、王子の剣も二つに割れている。

王子「こういうわけだから。引き分けってことにしない?」

会場に大きな歓声が上がった。
308:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:16:33 ID:.an2ZGn4Bc

ワーワー ワーワー

ラン「……冗談じゃないわ。見ず知らずの女に、私が引き分けなんてありえない」

王子「でも…」

ラン「女に負けるのだけは絶対にイヤ。許せない」

ラン「……剣なんていらない」

王子「──!」

フッ、とランの姿が消えた。


王子(左っ…)

左横からやってきたアッパーを間一髪で避ける。

王子「やめろ、これはサーカスのパフォーマンスだろ。こんなの芸じゃない」

ラン「うっさいなぁ、新入りに決定権はないよ!」

そのまま、がむしゃらにパンチや蹴りを繰り出してくる。

王子(…相当イライラしてるな…。看板娘に不向きなわけだ)
309:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 00:17:22 ID:4N/yaiYbEA
王子かっこいいよぉぉお!
王子ください!(∵*)


しかしバニーちゃん姿でやってるのか…www
萌えるな!(・∀・)


310:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 00:21:31 ID:zb75NEKtkk
CCCCC
311:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:39:40 ID:r7uU1uvmEE

王子「落ち着きなよ」

パンチを放ったランの腕をガシッ、とつかむ。

ラン「!」

次の瞬間、一気に体勢を低くしてランの足をなぎ払った。

ラン「くぅっ…」

ランは小さく声をあげたが、転ぶ瞬間に手を床について前転し、王子に向かって勢いよく跳ね、ひざ蹴りを繰り出した。

王子「っ…」 バッ

王子はそれをバク宙で避けると、そのままバク転を続けて距離をあける。


王子「しょうがないなぁ、」

ラン「!」

息をつく間もなく、今度は王子から間合いを詰めにいった。
312:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 00:44:51 ID:QIyxlkKpbI

ラン(速いっ…)

あっという間に王子が自分の眼前に入る。

ラン「てりゃっ」 ビュッ

正面から来た王子に拳をうつが───

ラン「!?」

王子が視界から消えていた。

「……ちょっと痛いけど我慢してね」

ドカッ!!

王子はランの上空に飛翔。右足を引き寄せ加速をつけると、ランの背中を蹴り飛ばした。

ラン「きゃぁっ」

どてっ、とランが前のめりになり、転ぶ。

王子「ちょっと君調子にのりすぎだよね」

そのまま着地すると、倒れているランに近づいた。


ラン「!? いっ、いたたたたた」

ラン「きゃーっ、痛い痛いやめてっ!」

王子「ギブ?ギブ?」


……そこにはバニー少女が中華服少女に卍固めをかますという、異様な光景が広がっていた。
313:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 01:01:55 ID:.yw9LayCwY
シュールwww

C
314:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 01:07:40 ID:3Nsg4FPNeQ
wwwwwwwww
つCCCCC
315:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:29:11 ID:jR1JaAuaqs

ワーワー ワーワー

姫「……なにこれ」

パンドラ「サーカスです」

姫「あれ誰?」

パンドラ「ランちゃんとオージさんですね」

姫「何で王子がバニーになってるの?何で王子が女の子に卍固めキめてるの?」

パンドラ「オージさんにはサーカスのお手伝いをしてもらっていたのです」

姫「……」 ダッ

パンドラ「あぁ!?お嬢さん困ります、勝手に舞台に上がられてはっ」
316:🎏 295:2011/10/28(金) 01:38:21 ID:jo4dSKI5kg
姫頑張れ!
つCCC
コソ(性懲りもなくまた描きました…!)コソッ
317:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:40:46 ID:6l3aJR6yFE

ラン「きゃーっ、ムリムリもうムリっ」

王子「……」 ギシギシ

ラン「ぎ…ギブ!ギブアップ!わ、私の負けだよぉ!!」

王子「……ふー」 スッ

解放すると、ランはヒーヒー喘ぎながらその場に倒れこんだ。

王子「…ごめん。そんなにキツかったかな」

ラン「ち、違うもん… 悔しいだけだもん…」

ラン「女に負けるなんて、一生の恥…」 グスッ

王子「……勘違いしてるみたいだけど、僕は男だからね」

ラン「は?」

王子「僕は男」

ラン「……は?」

王子「どいつもこいつも…」 ハァ
318:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:46:09 ID:j3r3Hvi5Xw

ラン「し、信じらんない… こんな女みたいな男が存在するんだ」

王子「……」

ラン「じゃ、じゃあ私、女に負けてない…?」

王子「……何でそんなに女に負けるのを嫌がるのか知らないけど」

王子「君は十分強いよ。男の僕が言うんだから間違いない」

ラン「…よ…」

王子「よ?」

ラン「良かったああぁぁっ!!」ガシッ

王子「わっ」

いきなりランが王子に抱きついた。

ラン「私ね、小さい頃からずっと武芸を習ってたから、それに関しては人一倍自信もってたの!だから、絶対同じ女だけには負けたくなくて、」 ギュー

王子「わ、わかった、わかったから離して!」

ラン「やだ!!!」 ギュー



姫「………お〜う〜じ〜〜」

王子「!?」
319:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 01:50:03 ID:jxhZHLJ7ek

王子「ひ、姫…!?」

姫「……」 ゴゴゴゴゴ

王子「あの、これは違うんです、そ、その、事故で」

ラン「♪♪」 ゴロゴロ

姫「…私はずっと一人で檻の中にいたのに……」

王子「ひっ…」

姫「助けにきてくれるのずっと待ってたのに…!」

王子「ぼ、僕は姫を助けるために、」



姫「うるさーいっ!そうやって女の子と楽しく遊んでればいいのよ!!!」

バチーーンッ!!!!

会場に子気味良い音が響いた。
320:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 02:00:18 ID:QIyxlkKpbI
>>309
王子カッコいいと言ってもらえて嬉しいです!( ^ω^)
はい、王子あげます!もらっていってください!←

>>310>>313>>314
たくさんの支援ありがとうございます―!!

>>316
またまたありがとうございます!!すごく良かったです、大切にします!!良ければまた描いてくださいね(*・∀・)


このSSも半分は終わりました!
皆さんこれからもよろしくお願いしますm(*__)m
今日は強引にたくさん書いたので疲れますた…(笑)
321:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:01:18 ID:3Nsg4FPNeQ
乙!!
王子は私の嫁にほしいwww
322:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:05:57 ID:ge9IR0wMlk
乙支援
王子は叩かれてばかりですね
323:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 02:23:06 ID:rlDvAj2o/A
おつ
つ リポD
324:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 07:27:38 ID:2GHD9vlNoI
おつ

つバイアグラ
325:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:28:35 ID:ZUPIg.siV.
>>321
王子「ダメですよ、僕は姫と結婚するんですから」

姫「別にかまわないけど」

王子「え?」

姫「え?」

>>322
姫「私そんなに叩いてるかしら」

王子「えーと、コルネオの時に1回ビンタされてますから、全部で2回ですね」

姫「なによ、そんなに叩いてないじゃない、嘘つき!」

王子「姫、読者さんになんてことを!」
326:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:34:40 ID:aLZyixOqHw
>>323
ありがとうございます、このリポDは1がもらっていきますね!
( ^ω^)ゴクゴク

>>324
姫「なにこれ… バイアグラ?」

王子「うわああああぁっ!姫っ、それを見てはいけません!」 バッ 

姫「何よ、なんかの薬?」

王子「違いますから、僕はちゃんとたちますから、使わなくても大丈夫ですからっ」 アワアワ 

姫「は?」
327:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:39:22 ID:ScZrKHOJSw


 - 城 -

王「うーむ…」

王「うむむむむ」

大臣「どうなされたんですか、王」

王「いや、姫と王子の結婚式をいつにしようかと思っての。婚約パーティーからどのくらい日付をあけるのが妥当かのう」

大臣「なんだ、そのようなことですか。早いなら早いほうがいいんじゃないですか?そうすれば隣国との和解も早まりますし」

王「うむ、そうだな…」

コンコン、

王「ん?」

大臣「おや」

コンコン

『城医です。実は、少々お話がありまして……』
328:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:41:02 ID:kQZsiAi4Og

王「──どうした。珍しいな、お前がわざわざ来るなんて」

城医「はい」

王「で、話というのは?」

城医「……ロイ殿のことでございます」

王「ロイ?ロイなら今隣国へ視察に行っているが…」

城医「いえ…、彼の身体のことで」

王「?」


城医「──ロイ殿は結核にかかっている恐れがあります」
329:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:43:12 ID:Tc7eTW812Y

王「け、結核じゃと…!?」

大臣「いつだか他国で流行っているというのを聞いたことがありますね」

城医「はい。私も実際の患者に出会うのは初めてでして… ロイ殿の他国視察の報告書の中に結核のことが書いてありましたので、申し上げます」

バサッ、と冊子を開く。

城医「──初期は何ともないことが多いが、症状としては数週内以上続く咳、血痰、微熱。……咳が出始めたのは最近らしいですが、血痰や微熱の症状がロイ殿にみられました」

王「なんと…」

城医「病状が進行すると、疲労感、食欲不振、体重減少などの症状が起こるそうです」

大臣「それは死に至る病なのですか?」

城医「ひどくなれば、おそらく…」
330:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:46:31 ID:pZldxr8Itg

王「ロイが… なんということだ。あいつは自覚しとるのか?」

城医「今朝、身体の調子がおかしいから診てくれと言われまして…診断結果はまだ教えていません」

城医「しかし、結核の報告書を書いたのは紛れもなく彼。感づいてはいるかもしれません…」

王「……」

大臣「……その病は、感染すると聞いたことがありますが」

城医「はい、空気感染します」

「!!」

城医「ですが、仮に感染したとしてもその中で発症するのは10人に1人以下らしいので… ロイ殿が隣国から帰ってきてから予防策をはっても間に合うかと思います」
331:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/28(金) 15:50:12 ID:jxhZHLJ7ek

王「……治るんだろうな、その病は」

城医「……我が国にとって結核はまだ研究途中です。はっきり治せると断言はできません」

城医「しかし、以前結核が流行った他国では今は落ち着いている模様ですから、他国の友人に連絡をとり、治療および予防法を検討する予定です」

王「……うむ、わかった。よろしく頼むぞ。こんなところで大事な近衛隊長を失うわけにはいかん」

城医「はい」

王「……何より、あやつはまだ19じゃ。これからの幸多き未来が、失われてなるものか」
332:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 16:21:12 ID:diohQUs896
っCCCCC
333:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 18:09:27 ID:wlvWOmzt5w
ロイが…っ!
CCCCCC
334:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/28(金) 22:43:02 ID:9UPngmLhlU
うわああああああああああああマスタングうううううううううう!!!!


しえん
335:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 02:10:38 ID:iYfAOJbG8g
つCCCCCCCCCCCCC
336:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/29(土) 02:12:40 ID:8CvlVX4ZxU
ロイ嫌いなんだが…


ロイ…
337:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:27:29 ID:uLRV0pSTHM


─────隣国へ向かう途中


ロイ「へっくし!!」

ロイ「あ〜、誰か噂してやがんな」

馬「ヒヒーン」 パカッパカッ

ロイ「隣国まであと4時間くれぇかな…日が暮れるまでにつきますように」


ロイ「………ん?」

商人「──おや」
338:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:29:24 ID:x7UqZMWZxI

前方から、同じく馬に乗った商人がやって来た。
後ろに多くの荷物を抱えている。

商人「兄ちゃん、珍しいね。一人でどこへ行くんだい」

ロイ「ちょっと、この向こうの国に用があってさ」

商人「ほほう。剣まで携えて、立派なこった」

商人「どうだい、何か買わないか?」

ロイ「ん―…特に欲しいものはねぇけど」

商人「そう言うなって。色々そろってるよ」 バラッ

ロイ「………あ」

商人「ん?」

ロイ「その白いやつ、」

商人「あぁ、マスクだよ。丁度いま風邪ひいててねぇ、くしゃみがとまらないんだ」

ロイ「奇遇だな、俺もだ。良かったら何枚か売ってくんねぇか」

商人「そりゃあかまわないが…、兄ちゃんのイケメンを半分隠すのはもったいないなぁ」

ロイ「はは、ちげーねぇ」
339:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:32:02 ID:ZcWpf5xQ5g

────

─────────

姫「あーっ、やっと解放された!!」テクテク

王子「厄介な目にあいましたね」
テクテク

姫「ホントよ。しばらくあのマジックハウスなんてところには近づきたくないわ」

姫「……まぁ、なんだかんだ言って結局財布返してくれたから許すけど」

王子「僕のおかげですよ。僕がサーカスに貢献して大好評だったから、パンドラさんも大喜びで…」

姫「働き損じゃない。得したのはあの男だけ」

王子「なかなか苦労しますね、僕たち」 ハハ
340:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:34:18 ID:5V2pnSlcCU

王子「……もう夕方ですね。そろそろ城に帰りましょうか」

姫「そうね、お腹すいちゃった」


姫「……」 ピタ

王子「……姫?どうかしましたか」

姫「あー…うん」

王子「まさか空腹で動けなくなったとか」

姫「バカ、違うわよ!」

王子「じゃあどうしたんですか」

姫「…その…、せっかく城下に来たのにあんまり遊べなかったなって」

王子「……」

姫「そりゃマジックショーとかは面白かったけど…」
341:🎏
◆qoozyz1NgY:2011/10/29(土) 17:37:05 ID:tEnRpUWvuA

王子「……なんだ、そんなことですか。だったらまた明日遊びにこればいいじゃないですか」

姫「え…」

王子「僕も姫と城下に来ると楽しいですし。明日はもっと、色んなところを見て回りましょう」

姫「う、うん…」

王子「お城にこもって姫とポーカーやってもいいですけど、姫は弱すぎて相手になりませんから」

姫「む…!ひ、一言余計なのよあんたはっ」 ブンッ

王子「おぉっと、平手打ちはもうくらいませんよ」 ヒョイッ

姫「バカ!せっかく明日も付き合ってやろうと思ったのに!」

王子「はいはい、明日もよろしくお願いしますね」 タタタッ

姫「あっ、逃げるな!」

王子「やだなぁ、帰るんですよ」

姫「っ…こら、待ちなさいって!私より先に城門に入ったら晩ご飯ぬいてやるんだからっ!」 タタタッ..
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うpろだ
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