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クズの俺が父親になった話

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Part7
399 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:24:51.83 ID:7uhA5R94O.net
ヨシノおばさんがリビングにいるのが見えたので、勢い良く扉を開いた。
おばさんはびっくりした顔でこちらを見ている。
俺「お世話になりました。
もう出て行くので。
ヒロシおじさんにもお伝え下さい」
強い口調で言って深々と頭を下げた。

400 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:25:12.38 ID:oQovU/sa0.net
あれ?うちのPCディスプレイが滲んでるけど壊れたかな?・・・

401 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:26:39.38 ID:7uhA5R94O.net
ヨシノおばさん「えっ?あ?
そうなの。
愛想なくてごめんなさいね。
何もしてあげられなかったけど元気でね。」
白々しいやつだ。
俺「もし…
もしこれから外であんたと出会って、もしハルが悲しむようなことがあったら。
何が何でも絶対に許さないっすから。」
と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。
その時の俺どんな顔してたんだろうな。
相当怒ってたし恐かったと思う。

404 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:31:23.08 ID:ebHINzt60.net
>>401
気持ちは凄い分かるがヨシノおばはんには娘と家庭が一番大切であって、
まわりに押されて嫌々だが住ませてくれた相手に言うべき捨て台詞ではないわな
相手の気持ちを考えて会話出来れば1ランク成長するんだろーな

402 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:27:29.95 ID:90od9UcB0.net
これは高性能クズだわ


403 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:28:49.83 ID:7uhA5R94O.net
いつの間にかあの時の公園に来ていた。
辺りは暗がり始めてる。
ハルは公園に入るなりハシャいで滑り台を滑り始めた。
その姿を目で追いながら茫然として立ち尽くしていた。
針でチクチク刺さるように胸が痛くて苦しくなった。
病気とかじゃなくてな。
何でかって?
それはハルを少しでも疑ったからだ。
すぐに信じてやらなかった。
本当はヨシノおばさんが悪いとかじゃないんだ。文句垂れられながらも住まわせてくれていたんだし。
ただの八つ当たりじゃないか。

405 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:35:31.64 ID:7uhA5R94O.net
何よりも悪いのは、父親である俺がハルを信じなかったことだ。
俺はハルを怒りのまま怒鳴ってしまった。ハルは怒ってたけど、あの時ハルは本当に俺に怒っていたのかもしれない。
何で信じてくれないのって。
俺は本当にグズだよな。ハルごめん。本当にごめん。
自分の不甲斐なさに嫌気がさす。
砂場で遊ぶハルに詰め寄り強く抱きしめた。
今にも涙がこぼれ落ちそうだったけど、グッと我慢してこらえた。
ハル「パッパーもうイタいー?」
俺「痛くないよ。
悲しいだけ」
ハル「いたくないにょー?」
俺「うんうん」
ハルはまた嬉しそうに滑り台によじ登った。

406 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:36:57.36 ID:J3diCumJ0.net
ハルくん‥
かわええなぁ

407 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:37:21.02 ID:P9Ssm1lg0.net
サキちゃんを幸せにしたい

408 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:37:53.74 ID:7uhA5R94O.net
すまん。
レス少ないけど今日はこれぐらいで寝ます

409 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:39:56.94 ID:+DyiRd5j0.net
お休み、気長に読むわ!

410 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:42:04.17 ID:pWEiI2tb0.net
毎日ありがとー、お疲れ!

411 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:43:17.35 ID:oQovU/sa0.net
おやすみ
ハルちゃんかわええ・・・
立派に育ててやってくれよ!!

412 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:43:50.75 ID:nQoOW5Ot0.net
>>408
おつ
さっさと終わらせてほしい
社長には少しの時間って言ってるのにばっくれてんじゃん

415 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/16(水) 00:53:30.73 ID:7uhA5R94O.net
みんなありがとう。
色々な意見、指摘もな。
>>412
続きに経緯を書くからスルーしてくれ。
ハルのこの時の年も気になってると思うが、追々書くんで見ててくれると助かる。
すまん。
ではおやすみ

430 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 11:48:01.69 ID:J3diCumJ0.net
毎晩楽しみにしてる
頑張ってて偉いよ
じっっっくり最後まで書いてくれ
暑い日が続いてるから体調崩さないよーにね(・ω・)ノ

431 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 13:14:41.36 ID:y/H5JxQX0.net
読ませるねー 面白い
じっくり最後まで書いてくれ
突然終了だけはダメだからね!

432 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/16(水) 15:40:07.07 ID:aMgm9IEX0.net
毎日見てます。
この先も楽しみにしてます!!

470 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:43:06.24 ID:x6B3BH20O.net
今日は少しで申し訳ないが書きます
続き
携帯のバイブで仕事を途中で抜け出していたのを思い出した。
しまった。
やはり社長からだ。
俺「すいません。
連絡せずサボっちゃいました。」
クビになることは間違いない。社会人失格だよな。

471 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:44:07.02 ID:Dluf1QTG0.net
おつかれ、待ってたよ!


472 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:46:58.44 ID:x6B3BH20O.net
社長「おい俺!
心配したぞ。
何やってたんだ?」
俺は社長に今日の出来事を全て話した。
社長に今すぐ会社に来るよう言われた。
会社にはもう社長以外誰もいない。
当然なんだが。
ソファーに恐い顔で座る社長。

473 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:48:59.80 ID:x6B3BH20O.net
俺「本当にすいません。
申し訳ありませんでした」
怒られても仕方ない状況。
謝るしかない。
せっかく雇ってもらったのに、いい加減な自分を呪った。
社長「おい俺?
飯食ったか?」
俺「いやまだ。」
社長「よし。
なら飯行くぞ」
何も言ってこなかったが、この状況と社長の太い声がマッチして妙に凄みを感じた。
そして俺とハルは社長に連れられ定食屋に入った。

474 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:49:33.13 ID:K2eHANVB0.net
まってたよー、あんま無理せずゆっくりでいいぞー

475 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:50:36.76 ID:x6B3BH20O.net
最近は不景気だとか、奥さんがうるさくてかなわないって話を社長は淡々としてきた。
まるで何もなかったように、
仕事をサボった事には何もふれてこなかった。
その時は変に緊張したよ。
俺「すいません。
やっぱり俺クビですよね?」
社長「ん?
バカか。
クビにはしねーよ。
さっさと食って行くぞ。」
俺「はい…」
クビにならないと聞いて少し安心した。
ハルにご飯を食べさせて店を出た。

476 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:52:47.40 ID:x6B3BH20O.net
みんなありがとうな。感謝。
続き
社長に車に乗るよう言われたので車に乗った。
社長は何も話さない。
車内は無音で、シーシーと社長が口に入れた爪楊枝の音だけが聞こえた。
ハルはウトウトしている。
俺「あの…どこ行くんすか?」
口を開かない社長に、黙ってついていくことにした。

477 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:53:56.42 ID:x6B3BH20O.net
車が来たことないアパートの前に停まると、付いて来るように言われた。
そのアパートの一室を開けると、
社長「ここ使え」
と社長が言ったんだ。
俺「どう言うことっすか?」
社長「ここわ俺が嫁と喧嘩した時に使う別宅だ。
お前に貸してやる。」

478 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:55:22.52 ID:x6B3BH20O.net
最初は社長の言葉を理解出来ず、いまいち状況が掴めなかった。
でもそう言うことなんだ。
俺は社長の親切に思わず泣いてしまった。
俺「クッ…
本当にいいんすか…?」
社長「あーいいよ。
家具も使っていい。
その代わり家賃はもらうぞ。」

481 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 00:56:23.73 ID:x6B3BH20O.net
俺「すいません…エグッ
本当に…ありがとうございます…エグッ」
本当に嬉しかったんだ。
やっと住む家が出来たってこともなんだけど、何より社長の優しさが痛い程伝わった。
社長「バカ野郎。
大の男が泣くな。
そんな泣き虫で子供なんて育てられねーぞ」
俺「はい…エグッ」

484 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:01:59.43 ID:x6B3BH20O.net
俺「何で他人の俺なんかに…ここまでしてくれるんすか…?」
だってそうだろ?
まだ一月も働いてないバイトなんだぞ俺は。
信じられなかった。

485 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:05:12.28 ID:x6B3BH20O.net
社長「アホ。
他人じゃねーだろ?
お前はうちの従業員だ。
お前は若いのに根性もあるしよ。俺は買ってるんだよ。
それに、一緒に汗かいて一緒に飯食ってんだろ?
もう俺の家族みたいなもんなんだから面倒みてやるのは当たり前じゃねーか。
それと礼なら山下に言え。
あいつお前のことも、お前のガキのことも心配してたからな。
クビにしないでくれーって頼んできやがってよw
最初からクビにするつもりもなかったけどなw」

486 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:06:11.63 ID:x6B3BH20O.net
何から何までお世話してもらった。
せっかくもう泣かないって決めてたのにな。
社長に礼はいらないから仕事で返せと言われ、明日はゆっくりしろと言われ1日休みをもらった。

487 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:07:45.96 ID:bAJfMx+A0.net
「礼なら○○に言え」とか人生で一度は言ってみてえww

488 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:08:19.47 ID:x6B3BH20O.net
俺は今まで大人が嫌いだった。まあ俺も大人なんだけどな。
信用できるやつもいなかったし、他人からこんなに優しくされたことなんてなかった。
佐々木先生やカズエおばさん。社長や山下さん、みんなが俺なんかに優しくしてくれる。
今まで人生を損して生きてきたんだなって思った。
この人達は見返りも求めずに俺に優しくしてくれた。
本当に信用できる人達だ。出会えたことに感謝したい。
グズな俺は、こう言う人達との出会いのおかげで、少しずつ成長できたんだと今は思う。

489 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:09:45.26 ID:x6B3BH20O.net
俺は一人で生きていけるなんてずっと強がってたんだよ。
でもそうじゃないって分かった。
まわりに助けられ、支えられ、こうやって生きていけてるんだと気付かされた。
それとハル。
ハルが何よりも俺を強く支えてくれてるんだって思うんだ。
もう一人じゃない。
ハルの存在は大きい。
こいつがいるんだから生きていける。
そう思った。
少しボロでワンルームの小さな部屋だったけど、俺とハルには十分すぎる部屋だった。

490 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:13:23.72 ID:x6B3BH20O.net
翌日、俺とハルは電車に乗って買い物に行った。
天気も良く朝からハルは上機嫌だ。
ハル「でんさー?」
俺「うん電車。
次のに乗ろうな」
ハル「でんさーのるーwキャッキャッ」
楽しそうにするハルを見て少し幸せな気分になった。

491 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:18:07.40 ID:x6B3BH20O.net
生活用品を買おうと色々見ていると、いつの間にかハルが何かを抱きかかえて歩いていた。
俺「どうしたそれ??」
ハル「でんさー?」
どこで見つけたのか、ハルはおもちゃを持っているようだ。でも、電車のおもちゃと思ってバスのおもちゃを間違って持っているようだ。
俺「それバスだw」
ハル「ばすー?」
俺「うん。電車はこっちな?」
と言っておもちゃ売り場にある電車のおもちゃを見せた。

492 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:20:10.17 ID:x6B3BH20O.net
ハル「いやーー」
大きな声。
どうやら電車より大きなバスのおもちゃを気に入ったみたいだ。
そう言えばハルにおもちゃなんて買ってやったことないな。
普通の父親らしいこともしてあげたことない。
そのバスのおもちゃを買ってあげることにした。

493 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:21:33.33 ID:x6B3BH20O.net
帰りの電車、ずっとバスのおもちゃを大事そうに抱えるハル。
ハル「でんさーw
でんさーwフンフンフンフン♪」
家に帰る前公園の砂場で一緒に遊んだ。
山作ったり、穴掘ったり。ハルはバス走らせたりして。
ハル「でんさーw
でんさーのるーwキャハ」
まだバスを電車だと思ってるんだ。
その笑顔がたまらなく愛おしかった。

494 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/17(木) 01:22:24.93 ID:IE8XdJrb0.net
楽しいひとときにホッとするぜ

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