クズの俺が父親になった話
Part4
174 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:42:18.46 ID:cLHnL3TiO.net
すいまん。
今から少し投下する。
見てくれてる人結構いてくれてるんだな。
頑張って書きます。
続き
外で朝をむかえたその日、俺はハルを連れて隣町まで2時間かけて歩いていた。
保育園には前もって連絡を入れ休ませた。
唯一の頼りがそこにあったからだ。
死んだ親父の姉貴に会いにいったんだ。俺の叔母にあたる人。
小さい頃の記憶だけが頼りだった。
親父に2、3回連れてこられたことがある。
175 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:44:58.27 ID:cLHnL3TiO.net
町の雰囲気はガラッと変わっていたけど、どうにかたどりついた。
リフォームして新しく建て替えられていたけど、表札を見てここで間違いないと思った。
チャイムを鳴らすと、四十歳過ぎのおばさんが出てきた。
おばさん「はい、どちらさまですか?」
俺「あの…、
カズエおばさん(親父の姉貴)はいてますか?
俺っていいます。」
おばさん「えー、あっ、母さーん」
どうやらカズエおばさんの娘のようだ。
おばさんは俺とハルの全身を舐めるように見、家の中に向かって叫んだ。
おばさん「ごめんなさいね。
俺さんってどちらの俺さん。母とはどういった関係?」
無理もない不審者に見られてるんだろう。
176 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:47:23.98 ID:cLHnL3TiO.net
答えようとすると、
「はいはい。
どうしたの?お客さん?」
ガリガリのおばあちゃんが中から出てきた。この人がカズエおばさんなのか?
正直顔まで覚えていないから分からない。でもきっとこの人で間違いないだろう。
177 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:48:41.34 ID:cLHnL3TiO.net
おばさん「俺さんって方よ。
お母さん知り合い?」
カズエ「俺さん?」
カズエおばさんは俺をジッと見つめた。
カズエ「もしかして、俺父の息子の俺ちゃん?」
長い月日が経っていたが、どうやら俺のことを覚えてくれていたらしい。
俺「はい。。」
目を潤ませながら俺に近づいてきた。
大きくなったねと言われ再会を喜んでくれた。
178 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:55:05.51 ID:cLHnL3TiO.net
俺とハルは家の中に通されお茶を出してもらった。
ハルは広い家が初めてだったので、すごく挙動不審だったのを覚えている。
179 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:02:02.52 ID:cLHnL3TiO.net
カズエ「わざわざここまで会いにきてくれたの?
ありがとうね。
よくこの家が分かったねw」
カズエおばさんは俺が赤ちゃんの頃、よくオムツを変えてあげたと言っていた。子供の頃の俺や親父の話しを嬉しそうに語ってくれた。
180 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:03:40.44 ID:cLHnL3TiO.net
カズエ「ところでいったいまた、どうしたの急に?」
本題はここからだ、今どうしても寝泊まりするところが欲しかった。
ハルをずっと外で寝かすなんて出来ない。
迷惑は重々承知だけど、仕事と住む場所が決まるまでどうにか居候さしてもらえないかと頼んだ。
勿論今日までの経緯を話してだ。
181 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:09.42 ID:sSsJrPnM0.net
待ってた
見てるぞ
182 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:43.78 ID:cLHnL3TiO.net
カズエ「そうか、うんうんそれは大変だったね。
いいのよ。おばちゃんに甘えなさい。」
目を真っ赤にし、俺の話しを納得した上で優しく応えてくれた。
少しホッとした。
膝の上に座らせていたハルは、どうやらオネムのようだ。
コクリとコクリと眠りに入ろうとしている。
183 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:44.91 ID:tMBUXb970.net
俺も見てる、頑張ってくれ
184 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:06:37.61 ID:cLHnL3TiO.net
見てくれてる人ありがとう。
続き
おばさん「ちょっとお母さんいい?」
リビングの扉を少し開けて手招きする娘。
それに気づいてカズエおばさんがリビングから出ていった。
俺は出されたお茶を一気に飲み干した。
185 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:07:52.37 ID:L/5Bs3zQ0.net
気になる
186 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:20.67 ID:BIW9hj96i.net
ドキドキ…
187 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:26.29 ID:cLHnL3TiO.net
おばさん「お母さんどう言うことですか?
あの子達を泊めるなんて勝手に決めないで下さい。
うちには受験を控えた娘がいるんですよ。」
隣の部屋から会話がまる聞こえだ。
カズエおばさん「せっかく頼って来てくれたんだよ。」
おばさん「駄目に決まってるでしょ。
どこの誰かも分からないのに。」
カズエおばさん「他人じゃないの。
ヒロシ(息子さん)には私からちゃんと話しておくから。」
おばさん「私には他人です。
私は反対ですから。」
188 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:45.88 ID:yMU065QB0.net
俺も気になって眠れない
189 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:09:22.44 ID:YZGDy86Mi.net
?
190 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:09:39.38 ID:q9IWr0+70.net
待ってたぞクズ
191 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:15:59.32 ID:cLHnL3TiO.net
激しく言い合いをしているようだ。
俺は眠っているハルを抱きかかえ、黙っておばさんの家を後にした。
そりゃそうだよな。
無理もない。
いきなり見ず知らずの人間がきて泊めてくれなんて。
他人にそんな優しくする義理なんてないよ。
それに俺のせいで、カズエおばさんに迷惑をかけるわけにはいかないしな。
何故か悲しい気持ちや辛い気持ちにならなかった。
だってさ、久しぶりに会ってハルを見て、あんなにも喜んでくれたんだ。
それだけで十分じゃないか?
夕焼け空が真っ赤に染まる。
ハルをおぶった自分の影お見ながら、二時間かけてきた元の道をゆっくり帰った。
192 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:32:06.27 ID:cLHnL3TiO.net
また結局この公園に戻っててしまった。
途中コンビニでおにぎりを一個買って、それをハルに食べさせた。
ハルも大分疲れていたみたいだ。
すぐに眠ってしまった。
財布の中身を見て憂鬱になる。
本当の無一文だ。
下を向き目を閉じて、明日からどうするかを考えた。
193 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:33:35.70 ID:cLHnL3TiO.net
ハルは保育園に連れていけばいいだろう。給食とおやつが出るからな。
とりあえず日雇いで働ければ、温かいお風呂にも入れてやれる。お腹一杯ご飯だって食べさせてやれるんだ。
そんなことを考えながらウトウトしていた。
「俺くん?
俺くんだね?」
急に目の前が眩しくなる。
懐中電灯で照らされているんだ。
そこには眼鏡をかけた、中年のおじさんが立っていた。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:41:04.61 ID:iepNz9ck0.net
読んでるぞ
俺もクソだから気になって仕方ない
195 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:07:57.43 ID:cLHnL3TiO.net
おじさん「母さんからこの辺りの公園だって聞いたんだ。
だいぶ探したよ。
こんな所で寝たら駄目だ。
小さい子供がいるんだから。
とりあえずうちにおいで」
すぐにカズエおばさんの息子のヒロシおじさんだと分かった。
196 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:08:58.70 ID:cLHnL3TiO.net
俺「いや、でも…」
おじさん「いいからおいで。
母さんも心配して待ってるんだよ」
俺「すんません。
迷惑かけます…」
俺とハルを車に乗せてくれ、家まで連れて行ってくれた。
途中車の中で、
妻のことは気にするな。娘が受験前で気がったっているんだ。とわざわざ気を使ってくれた。
198 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:09:57.34 ID:cLHnL3TiO.net
おばさんの家につくともう深夜1時前だった。
カズエおばさん「追い返したりしてごめんね。
本当にごめんね。」
と泣きながら謝るおばさんに、申し訳ないことをしたと思った。
ヨシノおばさん(カズエおばさんの娘)
に「お世話になります」とだけ言ったけどシカトされた。
心良く思っていないのは分かっていたことだ。
199 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:11:35.15 ID:cLHnL3TiO.net
久しぶりの温かい風呂に、ハルは大はしゃぎだった。
新しい布団が気持ち良かったんだろう。すぐにハルは眠ってしまった。
ヒロシおじさんが、また明日ゆっくり話そうと言って二階の寝室に上がっていった。
俺が眠りにつこうとすると、カズエおばさんにリビングに来るように言われた。
200 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:12:48.90 ID:cLHnL3TiO.net
カズエおばさん「残り物しかないけどお食べ」
テーブルに、大きなおにぎり2つとお味噌汁が置いてあった。
俺は黙って座りそれを口にした。
急に胸が締め付けられる。
俺「うまい…」
カズエおばさん「良かったw」
201 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:15:18.96 ID:cLHnL3TiO.net
俺はおにぎりにガッツいた。
また泣いてしまったんだよ。
泣きながらおにぎりを頬張った。
口いっぱいに詰め込んで。
俺「おばふぁん…エグッ
あじがと(ありがとう)エグッ…」
カズエおばさんの優しさがすごく辛かった。
こんな俺なんかにここまでしてくれて、すごく感謝したんだ。
人の優しさに感謝したのは初めてかもしれない。
202 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:16:50.24 ID:cLHnL3TiO.net
そう言えばこの何日間、殆ど何も口にしていなかったな。
だからかもしれないけど、今まで食べたおにぎりで一番うまかったと思う。
今でも、忘れることはない。
俺って結構泣き虫なんだなw
そう思った。
カズエおばさんは、黙ったまま笑顔で俺が食べているのを見てた。
203 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:18:13.13 ID:cLHnL3TiO.net
すまん。
明日は仕事早いのでもう寝ます。
見てくれてる人申し訳ない。
204 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:16.17 ID:757Rok/c0.net
読んでたよーありがと、おやすみ
205 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:38.61 ID:tMBUXb970.net
大好きだわ、おやすみ
206 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:33:24.85 ID:Pxe4EwVLO.net
ありがとう
続き待ってます
207 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:34:19.06 ID:aFX+WwkV0.net
ゆっくり寝てくれ。
おやすみ
248 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:31:26.94 ID:cLHnL3TiO.net
すまん。
仕事でようやく帰宅できた。
今から休憩中に書いた分は投下します。
後、いろんな意見や指摘ありがとう。
他にも細かい疑問とかあるだろうけど、結構端折るし忘れてることもあります。これから書いて行くこともあるからスルーしててくれると助かる。
ちなみにこの時はオムツはまだ取れてないんだ。
保育園では貸し出しの紙オムツ使ってたし、常備布オムツだったからループ使用してた。
生まれてすぐはしょっちゅう変えてたからうまいもんだったよ。
249 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:32:33.37 ID:QzJ2ECkV0.net
仕事お疲れ
250 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:33:05.90 ID:cLHnL3TiO.net
続き
次の日朝早く起きて、ヨシノさんに何か手伝いすることがあれば何でもすると言った。
が、空気のように無視された。
俺は玄関前やら家の中を勝手に掃除した。
居候の身だし、
何もしないわけにもいかないしな。
251 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:43.03 ID:cLHnL3TiO.net
目を覚ましたのか、ハルの泣き声が聞こえる。
保育園に連絡して、
理由は言わずに当分休むとだけ伝えた。
ハルはカズエおばさんが見てくれると言うので、頼んで家を出た。
現場作業の面接があったからだ。
おばさんは落ち着くまでは家にいていいと言ったけど、そう言うわけにもいかない。
252 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:55.77 ID:ftKyW2eN0.net
おかえり
待ってたよ
253 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:36:56.87 ID:cLHnL3TiO.net
これ以上迷惑をかけれなかったし、何よりハルを育てる環境を少しでも良くしたかった。
早く住む家を探す必要があったけど、まずは仕事が優先だと考えたんだ。
254 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:39:36.88 ID:cLHnL3TiO.net
社長「現場仕事は初めてか?
かなりきつい仕事だけど大丈夫か?」
建設会社の社長が、履歴書をサッと目だけ通して机に置いた。
俺「あ…はい」
社長「いいよ。うちで働いてみな」
俺「えっ、大丈夫なんすか?
俺職歴も学歴もないっすよ」
255 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:41:48.56 ID:cLHnL3TiO.net
社長「ハハw
うちはそんなの関係ねーよw
やる気があればそれで十分だw」
どうせ無理だと思っていたのに、あっさり雇ってくれた。
住所不定で職歴のない俺をだ。
ちょっと拍子抜けする俺。
俺「あ、あ、ありがとうございます。
頑張ります」
社長「おう。
いつから働ける?
なんなら今から働くか?」
俺「是非。
お願いします。」
この社長、本当に優しかった。人当たりもいいし。
めちゃくちゃ嬉しかった。久しぶりの労働で少し不安もあったけど。
でも頑張ろうって思ったんだ。
256 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:44:51.50 ID:mFaRvKVp0.net
みてるぞ
257 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:46:59.73 ID:cLHnL3TiO.net
社長の古い作業服を借り、トラックで作業現場まで連れて行ってもらった。
作業員みんなが集められ、簡単な紹介で作業が始まる。
重機で解体した廃材を指定の位置に置き仕分ける。それを運んでトラックに積むと言う作業だ。
肉体労働は始めてで、つってもまともに働くのも久しぶりなんだけどとにかくきつかった。
体中汗でびっしょり、廃材を持つ腕が痺れる。
それでも一生懸命作業した。
261 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:10.22 ID:cLHnL3TiO.net
みんな強面だったけど、優しく仕事を教えてくれた。
今まで働いていた職場とは全然雰囲気が違い驚いた。
みんな楽しそうに仕事してんだよな。
現場監督「おい新人!休憩するぞー。」
そう言ってミネラルウォーターを渡された。
キンキンに冷えてる。
喉を潤わす為一気にそれを飲み干した。
めちゃくちゃうまかった。
体中に染み渡るのが分かる。
ちょっと前まで汗を流して働くことなんて考えられなかった俺。
こんなに水がうまいと感じたことなんてあっただろうか?
262 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:20.61 ID:tMBUXb970.net
楽しみにしてたやつがきた!
すいまん。
今から少し投下する。
見てくれてる人結構いてくれてるんだな。
頑張って書きます。
続き
外で朝をむかえたその日、俺はハルを連れて隣町まで2時間かけて歩いていた。
保育園には前もって連絡を入れ休ませた。
唯一の頼りがそこにあったからだ。
死んだ親父の姉貴に会いにいったんだ。俺の叔母にあたる人。
小さい頃の記憶だけが頼りだった。
親父に2、3回連れてこられたことがある。
175 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:44:58.27 ID:cLHnL3TiO.net
町の雰囲気はガラッと変わっていたけど、どうにかたどりついた。
リフォームして新しく建て替えられていたけど、表札を見てここで間違いないと思った。
チャイムを鳴らすと、四十歳過ぎのおばさんが出てきた。
おばさん「はい、どちらさまですか?」
俺「あの…、
カズエおばさん(親父の姉貴)はいてますか?
俺っていいます。」
おばさん「えー、あっ、母さーん」
どうやらカズエおばさんの娘のようだ。
おばさんは俺とハルの全身を舐めるように見、家の中に向かって叫んだ。
おばさん「ごめんなさいね。
俺さんってどちらの俺さん。母とはどういった関係?」
無理もない不審者に見られてるんだろう。
176 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:47:23.98 ID:cLHnL3TiO.net
答えようとすると、
「はいはい。
どうしたの?お客さん?」
ガリガリのおばあちゃんが中から出てきた。この人がカズエおばさんなのか?
正直顔まで覚えていないから分からない。でもきっとこの人で間違いないだろう。
177 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:48:41.34 ID:cLHnL3TiO.net
おばさん「俺さんって方よ。
お母さん知り合い?」
カズエ「俺さん?」
カズエおばさんは俺をジッと見つめた。
カズエ「もしかして、俺父の息子の俺ちゃん?」
長い月日が経っていたが、どうやら俺のことを覚えてくれていたらしい。
俺「はい。。」
目を潤ませながら俺に近づいてきた。
大きくなったねと言われ再会を喜んでくれた。
178 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 00:55:05.51 ID:cLHnL3TiO.net
俺とハルは家の中に通されお茶を出してもらった。
ハルは広い家が初めてだったので、すごく挙動不審だったのを覚えている。
カズエ「わざわざここまで会いにきてくれたの?
ありがとうね。
よくこの家が分かったねw」
カズエおばさんは俺が赤ちゃんの頃、よくオムツを変えてあげたと言っていた。子供の頃の俺や親父の話しを嬉しそうに語ってくれた。
180 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:03:40.44 ID:cLHnL3TiO.net
カズエ「ところでいったいまた、どうしたの急に?」
本題はここからだ、今どうしても寝泊まりするところが欲しかった。
ハルをずっと外で寝かすなんて出来ない。
迷惑は重々承知だけど、仕事と住む場所が決まるまでどうにか居候さしてもらえないかと頼んだ。
勿論今日までの経緯を話してだ。
181 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:09.42 ID:sSsJrPnM0.net
待ってた
見てるぞ
182 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:43.78 ID:cLHnL3TiO.net
カズエ「そうか、うんうんそれは大変だったね。
いいのよ。おばちゃんに甘えなさい。」
目を真っ赤にし、俺の話しを納得した上で優しく応えてくれた。
少しホッとした。
膝の上に座らせていたハルは、どうやらオネムのようだ。
コクリとコクリと眠りに入ろうとしている。
183 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:04:44.91 ID:tMBUXb970.net
俺も見てる、頑張ってくれ
184 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:06:37.61 ID:cLHnL3TiO.net
見てくれてる人ありがとう。
続き
おばさん「ちょっとお母さんいい?」
リビングの扉を少し開けて手招きする娘。
それに気づいてカズエおばさんがリビングから出ていった。
俺は出されたお茶を一気に飲み干した。
185 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:07:52.37 ID:L/5Bs3zQ0.net
気になる
186 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:20.67 ID:BIW9hj96i.net
ドキドキ…
187 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:26.29 ID:cLHnL3TiO.net
おばさん「お母さんどう言うことですか?
あの子達を泊めるなんて勝手に決めないで下さい。
うちには受験を控えた娘がいるんですよ。」
隣の部屋から会話がまる聞こえだ。
カズエおばさん「せっかく頼って来てくれたんだよ。」
おばさん「駄目に決まってるでしょ。
どこの誰かも分からないのに。」
カズエおばさん「他人じゃないの。
ヒロシ(息子さん)には私からちゃんと話しておくから。」
おばさん「私には他人です。
私は反対ですから。」
188 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:08:45.88 ID:yMU065QB0.net
俺も気になって眠れない
189 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:09:22.44 ID:YZGDy86Mi.net
?
190 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:09:39.38 ID:q9IWr0+70.net
待ってたぞクズ
191 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:15:59.32 ID:cLHnL3TiO.net
激しく言い合いをしているようだ。
俺は眠っているハルを抱きかかえ、黙っておばさんの家を後にした。
そりゃそうだよな。
無理もない。
いきなり見ず知らずの人間がきて泊めてくれなんて。
他人にそんな優しくする義理なんてないよ。
それに俺のせいで、カズエおばさんに迷惑をかけるわけにはいかないしな。
何故か悲しい気持ちや辛い気持ちにならなかった。
だってさ、久しぶりに会ってハルを見て、あんなにも喜んでくれたんだ。
それだけで十分じゃないか?
夕焼け空が真っ赤に染まる。
ハルをおぶった自分の影お見ながら、二時間かけてきた元の道をゆっくり帰った。
192 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:32:06.27 ID:cLHnL3TiO.net
また結局この公園に戻っててしまった。
途中コンビニでおにぎりを一個買って、それをハルに食べさせた。
ハルも大分疲れていたみたいだ。
すぐに眠ってしまった。
財布の中身を見て憂鬱になる。
本当の無一文だ。
下を向き目を閉じて、明日からどうするかを考えた。
193 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 01:33:35.70 ID:cLHnL3TiO.net
ハルは保育園に連れていけばいいだろう。給食とおやつが出るからな。
とりあえず日雇いで働ければ、温かいお風呂にも入れてやれる。お腹一杯ご飯だって食べさせてやれるんだ。
そんなことを考えながらウトウトしていた。
「俺くん?
俺くんだね?」
急に目の前が眩しくなる。
懐中電灯で照らされているんだ。
そこには眼鏡をかけた、中年のおじさんが立っていた。
読んでるぞ
俺もクソだから気になって仕方ない
195 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:07:57.43 ID:cLHnL3TiO.net
おじさん「母さんからこの辺りの公園だって聞いたんだ。
だいぶ探したよ。
こんな所で寝たら駄目だ。
小さい子供がいるんだから。
とりあえずうちにおいで」
すぐにカズエおばさんの息子のヒロシおじさんだと分かった。
196 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:08:58.70 ID:cLHnL3TiO.net
俺「いや、でも…」
おじさん「いいからおいで。
母さんも心配して待ってるんだよ」
俺「すんません。
迷惑かけます…」
俺とハルを車に乗せてくれ、家まで連れて行ってくれた。
途中車の中で、
妻のことは気にするな。娘が受験前で気がったっているんだ。とわざわざ気を使ってくれた。
198 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:09:57.34 ID:cLHnL3TiO.net
おばさんの家につくともう深夜1時前だった。
カズエおばさん「追い返したりしてごめんね。
本当にごめんね。」
と泣きながら謝るおばさんに、申し訳ないことをしたと思った。
ヨシノおばさん(カズエおばさんの娘)
に「お世話になります」とだけ言ったけどシカトされた。
心良く思っていないのは分かっていたことだ。
199 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:11:35.15 ID:cLHnL3TiO.net
久しぶりの温かい風呂に、ハルは大はしゃぎだった。
新しい布団が気持ち良かったんだろう。すぐにハルは眠ってしまった。
ヒロシおじさんが、また明日ゆっくり話そうと言って二階の寝室に上がっていった。
俺が眠りにつこうとすると、カズエおばさんにリビングに来るように言われた。
200 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:12:48.90 ID:cLHnL3TiO.net
カズエおばさん「残り物しかないけどお食べ」
テーブルに、大きなおにぎり2つとお味噌汁が置いてあった。
俺は黙って座りそれを口にした。
急に胸が締め付けられる。
俺「うまい…」
カズエおばさん「良かったw」
201 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:15:18.96 ID:cLHnL3TiO.net
俺はおにぎりにガッツいた。
また泣いてしまったんだよ。
泣きながらおにぎりを頬張った。
口いっぱいに詰め込んで。
俺「おばふぁん…エグッ
あじがと(ありがとう)エグッ…」
カズエおばさんの優しさがすごく辛かった。
こんな俺なんかにここまでしてくれて、すごく感謝したんだ。
人の優しさに感謝したのは初めてかもしれない。
202 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:16:50.24 ID:cLHnL3TiO.net
そう言えばこの何日間、殆ど何も口にしていなかったな。
だからかもしれないけど、今まで食べたおにぎりで一番うまかったと思う。
今でも、忘れることはない。
俺って結構泣き虫なんだなw
そう思った。
カズエおばさんは、黙ったまま笑顔で俺が食べているのを見てた。
203 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:18:13.13 ID:cLHnL3TiO.net
すまん。
明日は仕事早いのでもう寝ます。
見てくれてる人申し訳ない。
204 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:16.17 ID:757Rok/c0.net
読んでたよーありがと、おやすみ
205 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:23:38.61 ID:tMBUXb970.net
大好きだわ、おやすみ
206 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:33:24.85 ID:Pxe4EwVLO.net
ありがとう
続き待ってます
207 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 02:34:19.06 ID:aFX+WwkV0.net
ゆっくり寝てくれ。
おやすみ
248 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:31:26.94 ID:cLHnL3TiO.net
すまん。
仕事でようやく帰宅できた。
今から休憩中に書いた分は投下します。
後、いろんな意見や指摘ありがとう。
他にも細かい疑問とかあるだろうけど、結構端折るし忘れてることもあります。これから書いて行くこともあるからスルーしててくれると助かる。
ちなみにこの時はオムツはまだ取れてないんだ。
保育園では貸し出しの紙オムツ使ってたし、常備布オムツだったからループ使用してた。
生まれてすぐはしょっちゅう変えてたからうまいもんだったよ。
249 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:32:33.37 ID:QzJ2ECkV0.net
仕事お疲れ
250 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:33:05.90 ID:cLHnL3TiO.net
続き
次の日朝早く起きて、ヨシノさんに何か手伝いすることがあれば何でもすると言った。
が、空気のように無視された。
俺は玄関前やら家の中を勝手に掃除した。
居候の身だし、
何もしないわけにもいかないしな。
251 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:43.03 ID:cLHnL3TiO.net
目を覚ましたのか、ハルの泣き声が聞こえる。
保育園に連絡して、
理由は言わずに当分休むとだけ伝えた。
ハルはカズエおばさんが見てくれると言うので、頼んで家を出た。
現場作業の面接があったからだ。
おばさんは落ち着くまでは家にいていいと言ったけど、そう言うわけにもいかない。
252 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:35:55.77 ID:ftKyW2eN0.net
おかえり
待ってたよ
253 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:36:56.87 ID:cLHnL3TiO.net
これ以上迷惑をかけれなかったし、何よりハルを育てる環境を少しでも良くしたかった。
早く住む家を探す必要があったけど、まずは仕事が優先だと考えたんだ。
254 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:39:36.88 ID:cLHnL3TiO.net
社長「現場仕事は初めてか?
かなりきつい仕事だけど大丈夫か?」
建設会社の社長が、履歴書をサッと目だけ通して机に置いた。
俺「あ…はい」
社長「いいよ。うちで働いてみな」
俺「えっ、大丈夫なんすか?
俺職歴も学歴もないっすよ」
255 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:41:48.56 ID:cLHnL3TiO.net
社長「ハハw
うちはそんなの関係ねーよw
やる気があればそれで十分だw」
どうせ無理だと思っていたのに、あっさり雇ってくれた。
住所不定で職歴のない俺をだ。
ちょっと拍子抜けする俺。
俺「あ、あ、ありがとうございます。
頑張ります」
社長「おう。
いつから働ける?
なんなら今から働くか?」
俺「是非。
お願いします。」
この社長、本当に優しかった。人当たりもいいし。
めちゃくちゃ嬉しかった。久しぶりの労働で少し不安もあったけど。
でも頑張ろうって思ったんだ。
256 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:44:51.50 ID:mFaRvKVp0.net
みてるぞ
257 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:46:59.73 ID:cLHnL3TiO.net
社長の古い作業服を借り、トラックで作業現場まで連れて行ってもらった。
作業員みんなが集められ、簡単な紹介で作業が始まる。
重機で解体した廃材を指定の位置に置き仕分ける。それを運んでトラックに積むと言う作業だ。
肉体労働は始めてで、つってもまともに働くのも久しぶりなんだけどとにかくきつかった。
体中汗でびっしょり、廃材を持つ腕が痺れる。
それでも一生懸命作業した。
261 :クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:10.22 ID:cLHnL3TiO.net
みんな強面だったけど、優しく仕事を教えてくれた。
今まで働いていた職場とは全然雰囲気が違い驚いた。
みんな楽しそうに仕事してんだよな。
現場監督「おい新人!休憩するぞー。」
そう言ってミネラルウォーターを渡された。
キンキンに冷えてる。
喉を潤わす為一気にそれを飲み干した。
めちゃくちゃうまかった。
体中に染み渡るのが分かる。
ちょっと前まで汗を流して働くことなんて考えられなかった俺。
こんなに水がうまいと感じたことなんてあっただろうか?
262 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2014/07/14(月) 23:49:20.61 ID:tMBUXb970.net
楽しみにしてたやつがきた!
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