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男「釣りロマンを求めて」幼馴染「離島編です」

前回の記事 男「釣りロマンを求めて」幼馴染「仕方ないから付き合います」閑話その1
Part2
914 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 10:05:24 dCKI8fns
……………
………


…少女の家


幼馴染「ん…?男からメッセージが来ました」

幼友「どこをほっつき歩いてるのかねー」

幼馴染「えっ……!? 男、今夜は別の家でお世話になる事になったそうです……」

幼友「まーた、すぐに釣り仲間作っちゃうんだからー」ヤレヤレ

少女母「あらー、せっかくお料理たくさんつくったのにねぇ」

幼馴染「大丈夫、責任をもって私が食べます」

幼友「そして私が飲みます」

少女母「ふふふ……幼友さんはイケるクチみたいじゃねぇ」

幼友「おや…その言いぶりは、少女母さんもだいぶ飲みますね?」キラーン

少女母「漁師の妻じゃからねぇ、負けりゃせんよ…?」キラキラーン

幼馴染「…幼友もすぐに飲み仲間作ります」ヤレヤレ


915 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 10:06:13 dCKI8fns
………


…夕食後


少女「幼友さんは?」

幼馴染「まだ少女母さんと飲んでいます。呆れたものです」

少女「母さん、いつもなかなか女同士の話とかできんから、嬉しそうじゃったもん」

幼馴染「そうですね、島には他に若い夫婦といえば少年君の家くらい……あっ…」

少女「………」

幼馴染「少女ちゃん……」

少女「大丈夫、平気。…私も二人が泊まってくれて嬉しいけん!」

幼馴染「……ちょっと待っていて下さい」ガサゴソ

少女「?」


916 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 10:06:48 dCKI8fns

幼馴染「はい!ポテトチップスにチョコ、プチシリーズ各種と夕方に買った駄菓子色々です!」

少女「わぁ、ぼっけぇある!」

幼馴染「冷蔵庫には何かジュースがありますか?」

少女「うん、たぶんあったよ!」

幼馴染「少女母さんが飲み続けているのですから、怒られはしないでしょう。今夜は私達も女同士のパジャマパーティーです」ニコッ

少女「やった!ジュース、とってくるね!」

…パタパタパタ

「コラー!ウチノ ナカデ ハシッタラ イケンヨー!」

「アッカンベーダ!ヨッパライノ クセニー!」

幼馴染(……少しは寂しさが紛れるといいのですが)

幼馴染(でも、本当は少年君と仲直りするのが一番です)

幼馴染(あの娘達二人も幼馴染み……悲しい結末には、したくありません──)


920 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 19:28:32 n38blphA
………


少女「そんでね、運動会の時は私、リレーのアンカーじゃったんよ!」

幼馴染「それはすごいです、私は走るのは極めて苦手です」

少女「島の人達もたくさん観に来てくれて、楽しかったんじゃけん!」

幼馴染「……学校には友達、たくさんいるのですね」

少女「うん!……でも、放課後とか休みの日とか、ほとんど遊べんもん」

幼馴染「………」

少女「……その運動会の時、少年も来てくれたんよ。いっぱい応援してくれた…私、クラスの娘に冷やかされて恥ずかしかったけど、すごく嬉しかったん」

幼馴染「少女ちゃんは、少年君の事…好きなのでしょうか」

少女「……好き、じゃったよ」

幼馴染「本当に過去形なわけでは無いでしょう?」

少女「………」


921 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 19:35:04 n38blphA

幼馴染「私と男も、小さな頃からの幼馴染みです。…離れる事なんか、考えた事もありませんでした」

少女「幼馴染ちゃんも…」

幼馴染「やっぱり、特別な存在です。もし離ればなれになるとしても、そんなに簡単に割り切れる想いではないと思います」

少女「でも…!遠距離レンアイなんて、大人でも続かないって……」

幼馴染「学校の友達が、そう言ったのですか?」

少女「………」コクン

幼馴染「少女ちゃんと少年君は、いつからの友達なのでしょうか」

少女「えと、一年生…じゃったと思う」

幼馴染「じゃあちょうど学校の友達と同じくらいのお付き合い。…明日、そのお友達に訊いてみるといいです」


922 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 19:35:50 n38blphA

少女「何を…?」

幼馴染「『もしどっちかが転校したら友達じゃなくなるの?』って、そのお友達が何て答えるか……本当の友達なら、きっとこう言います」

少女「………」

幼馴染「『離れても、ずっと友達だよ』って」

少女「……っ…!」ジワッ

幼馴染「少年君とも、ずっと友達のはずです。ましてや少女ちゃんがきちんと自分の想いを伝えれば、もっと二人の繋がりは強くなるでしょう…?」

少女「幼馴染…ちゃん…」グスッ

幼馴染「まだ、少年君に『好き』とは伝えていないのでしょう?」

少女「うん……」グスンッ

幼馴染「だったら、言うべきです」

少女「………」ポロポロ


923 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 19:36:28 n38blphA

少女「私、言う……明後日、最後の日に…告白する」グスッ

幼馴染「…明日じゃないのですか?」

少女「うん、明日は私…また今日の入り江に行く」

幼馴染「……?」

少女「二人であの砂浜に埋めたん…」

幼馴染「埋めた…?」

少女「タイムカプセル…小さいけど、三年生の時に埋めた」

幼馴染「いつ開ける予定のカプセルだったのでしょう?」

少女「いつ…とは決めてないし、中身を少年は知らんの。私がいつか告白する決心がついた時に一緒に掘り出すつもりじゃったん」

幼馴染「それなら二人で…」

少女「ううん、すぐには見つからんと思うけん。明日見つけといて、明後日に二人で開けられたら…」

幼馴染「………」

少女「幼馴染ちゃん、手伝ってくれる…?」

幼馴染「…もちろんです」


926 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/11(土) 18:23:21 GdoJOUtk
淡々と投下を待っている


927 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/12(日) 11:34:23 nYAe54ag
……………
………


…翌日、昼前


男(さて…午後にはまた少年君と会う事になるでしょうが、お昼はどう過ごしましょう)

男(ここで食事だけ頂きに少女ちゃんの家に行くのも気がひけます)

男(勝手な事をしたので、なんとなく二人に怒られそうでもあるし…)

男(でも、お腹空いたなぁ)

男(ん…?何か食べるものがありそうな店…)

男(漁師さん向けの居酒屋でしょうか……でも昼もやってるみたいだな)

男(何か、食べるか……)


928 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/12(日) 11:35:00 nYAe54ag

男「こんにちは…」ガラガラッ

幼馴染「はい、こんにちは」モグモグ

幼友「いらっしゃいませ」ズズズーッ

男「………」ガラガラ…ピシャッ

幼友「ちょ、なぜ帰る」

男「いや、なんとなく」

幼馴染「さては昨夜、女性の家に厄介になったとか……」フルフルフル

男「待てまて」

幼友「幼馴染ちゃん、私は味方だからっ!こんな浮気男、早く忘れようっ!?」

男「浮気、してないです」

幼馴染「いやっ!他の女を悦ばせた手で私に触れないでっ!」

男「悦ばせてないです」

幼友「はっ…!まさか、オトコを悦ばせた…!?」

男「キレるぞ」


929 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/12(日) 11:35:35 nYAe54ag
………


幼馴染「そうですか、少年君に会ったのですね…」

幼友「なんとかしてあげたいよねー」

男「しかしそちらの話を聞くに、少女ちゃんは今日も会う気は無さそうです」

幼友「告白の決心がついた時に掘り出すつもりだった…かぁ」

男「あの様子なら、少年君も少女ちゃんを想っているのは間違いないと思うのですが」

幼馴染「その点を聞き出してはいないのでしょうか」

男「フッ…オトコってのはテメエの色恋沙汰を気安く口に出し」
幼友「だめだよ。このヒトが幼馴染ちゃんに告白するのに何年かけたと思ってんの」

幼馴染「というより、告白すら釣りのついで…という感じでした」

幼友「オトコなんて恋に関しては鈍感で奥手で、女より女々しいもんよ?」

幼馴染「同感です」

男「はぅあ」


943 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:49:55 0orFeGTs

男「いっそ、今日その入り江に少女ちゃんが行っているところへ、俺が少年君を連れていったらどうでしょうか」

幼馴染「少女ちゃんはカプセルを見つけてから会いたいようです」

幼友「いきなり少年君が目の前に現れたら、素直になれるわけないよ」

男「そんなものでしょうか……」

幼馴染「まったく、本当に女心の解らないヤローです」

男「男心的には面倒臭い限りです、会えば一発解決な気がするのですが」

幼友「やれやれ」フゥ

幼馴染「これだからオトコは」ハァ

男(船、直ったら置いて帰ろうかな……)


944 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:50:49 0orFeGTs

……………
………


…午後、三時頃


男(結局、二人は少女ちゃんと一緒に入り江へ行ってしまいました)

男(たぶん次の船で少年君が帰ってくるはず)

男(釣りの準備でもするか……)

男(いつ少女ちゃんが家に帰ってくるか判らないんだし)

男(いつでもやめられる、ルアー釣りでいいかな)


945 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:51:25 0orFeGTs
………


少年「男さん、こんにちは」

男「お帰りなさい。今日も少女ちゃんは出かけています」

少年「……そうですか」

男「まあまあ…気を落とさずに、また釣りでもしながら待ちましょう」

少年「はい」


946 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:51:59 0orFeGTs

男「底を探るように、トントン…と手前に引いてきて下さい」

少年「こうかな……えいっ」ピシュッ

男「着底を待って、糸フケをとって……どうぞ」

少年「………」チョンチョン

男(砂底だけど、結構沈み岩や藻場が見えたから多分……)

少年「…わっ!?…な、なんか引いてる!」アタフタ

男「一気に引き上げて下さい」

少年「…釣れたー!」ピチピチ

男「それはアイナメ。30cmはありませんが、岸から釣る分には充分な型です」

少年「すごい、楽しい」

男(………)

少年「えいっ!」ビシッ


947 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:52:47 0orFeGTs

男「少年君は島に住んでいるのに、あまり釣りなどはしなかったのですね」

少年「うん……勉強とか頑張らないと、学校でついていけなくなるから」

男「やはり小学校でも私立校、結構な競争があるのでしょう」

少年「……うん」

男「俺には自慢の弟がいます。同じように私立小学校に通い、今は県外の中高一貫校で高校生です」

少年「そうなんですか」

男「勉強に励む弟を尻目に、俺は遊んでばかりいました。…悪い事をしたと思っています」

少年「………」

男「弟も……そして少年君も、本当はもっと遊びたかったんじゃないですか?」

少年「それは…そうだけど、でもいつかこうして引っ越す事になるのも、解ってたから」

男「あんまり島の人達と仲良くなったら、別れる時が辛くなる……と?」

少年「……はい」


948 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:53:38 0orFeGTs

男「でも少女ちゃんと離れる事だけは、やっぱり辛そうです」

少年「そんな事ないです!…そんな事」アセッ

男「少年君、友達同士で好きな娘の事を話すのは恥ずかしいでしょうが、俺は大人です」

少年「………」

男「その位の歳の子に好きな異性がいるのは、ごく自然な事だと思います」

少年「…はい」

男「俺も少年君よりもっと小さな頃から、ずっと好きな娘がいます」

少年「今も?」

男「……幸いにも、想い通ずる事ができました」

少年「………」

男「その関係になるためには、やはり気持ちを伝える必要があります」


『──告白すら釣りのついで…という感じでした』


男「…ちなみにそれは、ちゃんと改まった形でしておかないと後々悪く言われます」ボリボリ…


949 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:54:08 0orFeGTs

男「と、とにかく…離ればなれになる前に気持ちを伝えておかないと、きっと後悔すると思います」

少年「後悔…ですか」

男「気持ちが通じ合ってさえいれば、きっと距離には勝てるはずです」

少年「……だけど、会えないんじゃ…」

男「本当は、俺の友達から口止めされていましたが……『秘密の入り江』…で、解りますか?」

少年「!!」

男「今、少女ちゃんは俺の友達と一緒に、そこにいるはずです」

少年「…そこは……」


『少年は裏切り者じゃ!』

『もう、この砂浜に来んでよっ──』


少年「……もう、行けないんだ」ギュッ


950 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/14(火) 12:54:40 0orFeGTs

男「面倒な事だと思いませんか」フゥ…

少年「何がですか」

男「オトコには、やっぱり女心は解りません。『当って砕けろ』が、一番明快で良いと思います」

少年「………」

男「ましてもう時間が無いなら、なおさら。手段も結果も明快が一番じゃないでしょうか」

少年「…はい」

男「小学生に言う事じゃないかもしれません…が、オトコなら」

少年「オトコ…なら?」

男「『そのうち迎えに来るから、信じて待ってろ』くらい言えばいいと思います」

少年「俺が…少女を迎えに…」

男「そうです、他の誰にもさせたくはないでしょう?」ニヤッ

少年(他の…誰かが、少女を迎えに……それは)ドキッ

男「だったら」

少年「そんな事…させない。僕……入り江に行きます!」



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