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男「釣りロマンを求めて」幼馴染「離島編です」

前回の記事 男「釣りロマンを求めて」幼馴染「仕方ないから付き合います」閑話その1
Part1
男「釣りロマンを求めて」幼馴染「仕方ないから付き合います」
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1378509317/
854 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:20:13 8xB.iR/.



男「釣りロマンを求めて」幼馴染「離島編です」


年始早々だけど、二月末を舞台とするよ


855 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:20:53 8xB.iR/.

幼友「春の海ですなぁ…」

幼馴染「まだ寒いです」

男「2月のボート釣りですので、そりゃ寒いです」

幼友「お、アタリ…とーう!」

男「いい引きです、型が期待できるかもしれません」

幼馴染「あ…私もです、てーいっ!」

男「カワハギのアワセは難しいのに、エサをアサリの剥き身に替えてからは、いい調子で掛けています。二人とも随分、上手になりました」

幼友「おっけー、これはウマヅラハギですねー?」

幼馴染「やりました、マルハギです。肝も詰まってそうです」

男「これは今夜は鍋物と刺身で決定です。肝醤油に浸けて……うへへへっ」ジュルッ

幼友「堪りませんなぁ、きしししっ」ジュルルッ

幼馴染「二人とも、笑い方がエロ親父っぽくて嫌です」


856 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:21:23 8xB.iR/.

男「では、もう充分釣れました。そろそろ帰港して、晩の支度をしましょう」キュルルルッ…ズドンッ…ドンッドンッドンッ…

幼友「いやっほーぅ、期待に胸躍るぜぃ」ポヨンポヨン

幼馴染「わざと揺らすな、目障りです」チッ

男「走ります。いつも通り、港が見えてきたら舳先が上がっている内に、生簀の水を抜いて下さい」ブロロロォォォッ

幼馴染「らじゃ!」ピシィッ

幼友「ぶらじゃ!」ピシィッ

男(今日は久しぶりに波が穏やかで良かったで……す……?)ブロロロ…ガスッ…ガスンッ!

幼友「何か、変な音しません?」

幼馴染(……はっ…!)


857 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:22:01 8xB.iR/.

男「幼馴染、さっき燃料は携行缶から入れてくれていたと思うのですが……?」ガスンッ…ガスッ…

幼馴染「……重くて動かなくて、後で男に頼もうと思いました」

男「ほほう、それで」…プスンッ

幼友「あ、止まった」

幼馴染「…そのまま忘れちゃった!てへぺろ!」キャッ

男「キャラを変えてもどうにもなりません」

幼友「あーあ…早く入れちゃいましょ」

幼馴染「そ、そうです!入れれば済む話です!」

男「…それが済まないのです。古いディーゼル船は、ガス欠させるとエア抜き作業が必要です」ヤレヤレ…

幼馴染「じゃあ、手伝うので早くしましょう。寒いです」

男「工具も設備も無い状態では、無理です」


858 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:22:39 8xB.iR/.

幼友「え、それって?」

男「お手上げです」

幼馴染「まさか、この海の上で…私達は遭難したのでしょうか」

幼友「そうなんですか…!?なんつって」

男「何で幼友ちゃん、余裕しゃくしゃくなんでしょう……一応、予備の2psエンジンを積んであります。けど、トランザム高さが合うかな…」ゴソゴソ

幼馴染「漂流してるー!」

幼友「ウィールソーン!」

男「使えなくは無いか……でもこの小さなエンジンで、元の港まで帰るのは無理です」キュルルッ…キュルルッ…バイイィィィンッ!

幼馴染「どうなってしまうのでしょう」

男「潮流に逆らう事さえ難しいので、どこか島に寄ってエア抜きしてもらいましょう」バババババ…

幼友「あ、あの島…ちっちゃいけど港がありますよ」

男「かなり小さいです、整備できるかな…まあ、次の島となると遠いので、行ってみます」バババババ…


859 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:23:43 8xB.iR/.
……………
………


…島の港内


男「この辺に係留させてもらいましょう……よっと」クルクルッ…キュッ

幼馴染「いったん、船を降りていいでしょうか」

幼友「疲れたー」

男「まずは整備できるところを探さなければいけません、少しかかるでしょうから上がってきて下さい。ほら、手を…」スッ

幼馴染「はい」ギュッ

男「よいしょ…大丈夫ですか?」

幼馴染「平気です」ストンッ

男「じゃあ、幼友ちゃんも…はい、手を掴んで」スッ

幼友「う、だ…大丈夫ですよ?」ドキッ

男「落ちたら寒いです。いいから、掴んで下さい」ギュッ

幼友「あぅ…」ドキドキ

幼馴染「………」


860 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:24:26 8xB.iR/.

少女「お兄ちゃんら、どうしたん…?」

幼馴染「ん…?女の子…」

幼友「この島の娘かな?私達、船が壊れちゃって困ってるんだ」

男「どこかエンジンを整備できるところ、知っているでしょうか」

少女「アタシん家、できるで?父さんが漁師しとるけん」

男「本当ですか、もちろん費用は払うので、お願いできるでしょうか」

少女「うん…でも、今は自分の船を塗り直しに本土の港に行っとるけん、おらん」

幼友「いつ戻ってくるの?」

少女「ついでに本土の市場の人達とかに挨拶して回る言うとったけん、明後日くらいじゃと思う…」

男「うーん…」


861 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/01(水) 02:25:05 8xB.iR/.
よし、寝よう


862 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/01(水) 02:37:22 q5mqCS8o
よし!おやすみ!


863 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/01(水) 02:49:20 OehJWmPk
>>861
え?新登場の少女と?

おまわりさーん


864 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/01(水) 18:59:36 pR7.EGn6
あけおめー

きたいてーい


867 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 20:48:26 ewG/ZkY6

男(明後日までに何とかなるとしたら、一応困りはしない…か)

幼馴染「少女ちゃん、歳は何歳なのでしょう」

少女「私、五年生なんよ」

幼友「そっか、可愛いねー。私、幼友っていうの」

男(ただ、待つ間の宿泊先とか…この島にあるでしょうか)

幼馴染「私は幼馴染、こっちの冴えない野郎は男といいます」

少女「私は少女、ウチに来てみる?お母さんおるよ」

幼友「じゃあ、お邪魔しよっかな」


868 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 20:49:11 ewG/ZkY6

男(でも、船を牽引してもらうのも高くつくしな…)

幼馴染「男、行きましょう」

幼友「置いてくよー」

男「え?どこへ?」

幼馴染「少女ちゃんの家です。どっちにしても待って、エンジンを直してもらわないといけないのでしょう?」

少女「冴えない野郎さん、はよおいでぇ」

男「ちょ、何その呼ばれ方」


869 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 20:49:43 ewG/ZkY6

……………
………


…少女の家


少女「母さーん、お客さん連れてきたでー」ガラガラッ

少女母「おかえりー?お客さんって、どうしたん?」

幼馴染「えと…お邪魔します」

幼友「いやー、船のエンジン壊れちゃって。この家で直せるって聞いたんですよねー」

少女母「ああ…それは困ったんねぇ、寒かったじゃろ?どうぞ上がってん」

幼馴染(若くて綺麗なお母さんです…)

幼友「お言葉に甘えてー」

少女「冴えない野郎も、早くー」

男「その呼び方やめてもらえないでしょうか」


870 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 20:50:18 ewG/ZkY6

………


少女母「そう……悪いけど、やっぱりウチの人が帰ってこんと修理はできんのよ」

男「そうですか…うーん、待つ間の宿をどうしましょうか…」

少女「ウチに泊まるとええよ!」

幼馴染「いいのでしょうか」

少女母「ウチは昔、民宿もやっとったから部屋は余っとるんよ。よかったらほんまにそうして?」

幼友「そんな……急にお邪魔して、そこまで甘えられないよー」ミカン ムキムキ…

幼馴染「そうです、厚かまし過ぎます」ヤレヤレ クツロギ クツロギ…

男「言葉と態度が一致していません」

少女母「あはは、本当に遠慮せんでええんよ。この娘も喜んどるし…ちょうど明後日なら気も紛れるかもしれんしね…」

少女「母さん!いらん事言わんで!」

幼馴染「……?」


871 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 20:50:54 ewG/ZkY6

幼友「じゃあ、お言葉に甘えきっちゃおうか?」

男「すみません、ご厄介になります」

少女母「うん、気にせんで?晩には海の幸振る舞うけんね!お酒は飲むん?」

幼友「いやー、ちょびっとしか飲めないですけどねー」ワクワク

男「ほんとほんと、可愛いもんです」ウキウキ

幼馴染「貴様らザルのくせに」

少女母「あはは…漁師の家には、お金は無くてもお酒はたっぷりあるもんよ?遠慮せずに飲んだらええからね!」

少女「あとで島、案内したげるけんね!」

幼馴染「お願いします」ニコッ

少女母「あんた、いいん?…もうちょっとしか時間無いんよ…?」

少女「母さんっ!ほんまに変な事言わんでよ!」

男「……?」


872 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 21:34:41 ewG/ZkY6
………


幼友「ああ…コタツでだいぶ暖まったわー」ヌクヌク

幼馴染「眠たくなってきました」ウトウト…

少女「じゃあ、島を案内したげるっ!」

幼友「え?…えっと、もうちょいゆっくり…」

少女「……そうなん?」シュン…

幼馴染「何か、今がいい理由があるのでしょうか」

少女「え、えっと…そうじゃない…けど」チラッ

幼友(…そうみたいだね、時計をチラ見したもの)

少女「じゃあ…私、ちょっと遊んでくるけん…」

幼友「幼馴染ちゃん、まあいいんじゃない?今より後にしたら夕方が近くなっちゃうし…案内、してもらおうよ」

幼馴染「…そうですね、幼友がそう言うなら」

少女「!!」パアッ


873 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 21:55:09 ewG/ZkY6

幼馴染「男、島を案内してもらいましょう」

男「あー、ええと…ちょっと俺はやる事があります」

幼友「美人の若奥さんとあんな事やこんな事をするんですか!?」

幼馴染「私という女がいるのに…不潔です!」

少女「冴えない野郎、フケツー!」

男「言うまでもなく違います。船に釣具などを出しっ放しなので、こちらの倉庫にしまわせてもらうだけです。二人が使った道具もあるので、なんなら手伝いますか」

幼友「残念だなー、少女ちゃんとの約束が無ければねー」ヒューゥ アブネェ アブネェ

幼馴染「手伝いたいのは山々ですが、幼い少女ちゃんを裏切るわけにはいかないので、やむを得ません…」ヨロシク ドーゾー

少女「じゃあ、行ってくるけん!」

男「はい、行ってらっしゃい」

幼友「片付けは頼むけん!」

男「はいはい…」チッ

幼馴染「実は船の足元、スノコの下にエサ零したけん!」

男「はいはい……えっ!?」


874 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/03(金) 22:03:07 ewG/ZkY6
ここまでっす、てーい


875 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/03(金) 22:11:01 oPm6oNfQ


どうなる…


877 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/03(金) 22:55:18 ENHCanEA
幼馴染、地味に酷いww


894 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 11:27:01 vGv2NgH.

……………
………



少女「ここがこの島でひとつだけの商店!」

幼馴染「おお、小さい」

幼友「タイムスリップ感ぱねぇ」

少女「よくお遣いに来るんよ!ちょびっとお菓子も置いとるけんね!」

幼馴染「もしかしてそのお菓子というのは、懐かし系駄菓子でしょうか」ドキドキ

少女「うーん……よく解らんけど、黒棒とか象さんマークのヨーグルトとか」

幼馴染「モロッコヨーグル!あああ……入りましょう!是非!今!」キラキラ

幼友「出たな、駄菓子マニア」

少女「でも二時で閉まってまた夕方に開くけん、今はお婆ちゃん昼寝しとると思うんよ」

幼馴染「くっ……焦らしプレイ……!」


895 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 11:41:39 EhTsnUGY

少女「それからここが、ひとつだけのレストラン!」

幼友「レストランというより、漁師さん向けの飲み屋だね」

少女「でもハンバーグとかオムライスとかスパゲッティとか食べさせてくれるんよ」

幼馴染「魚料理はみんな自分の家で食べるでしょうから、そういう需要があるのでしょうね」

幼友「なるほどねー」

少女「入る?」

幼馴染「もう時間が半端です。今日はお母さんが海の幸を振舞ってくれると言っていたので、お腹を空かせておきましょう」ニコッ

幼友「さっき駄菓子に目の眩んだ女が言う台詞じゃねえ……」


896 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 11:47:28 eoakVDhA

幼馴染「あそこは何でしょう……交番?」

少女「……うん」

幼友「男さんが見慣れない不審者扱いされたらいけないから、挨拶しとく?」

少女「だ、大丈夫!男さんは見た目もいい人っぽいけん!」

幼友「少女ちゃん、なんか慌ててない?」

少女「そんな事ないよ!は、早く次、行こう……」

幼馴染「ふっふっふ、お嬢ちゃん……オトコは見た目で判断しちゃいけねえぜ……?」

幼友「男さん、あれで結構おっぱい星人だもんねー」

少女「じゃあ…おっぱいの大きい幼友ちゃんが男さんの彼女さんなん?」

幼友「か…っ!ち、違うよ!彼女はこっちの幼馴染ちゃんだから!」アセアセッ

少女「なんか今度は幼友ちゃん、慌てとらん…?」キョトン

幼馴染「………」


897 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/07(火) 12:07:20 vtz6ehUg
少女ちゃんにも困ったものだ、幼友は俺の彼女だというのに


898 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 12:39:58 BbcBhF7Y

少女「こっちこっちー!秘密のとこ、教えたげるけん!」

幼馴染「教えたら秘密じゃないような」

幼友「いいんだよ、仲間だもんね!」

少女「ねー!」

幼馴染「ちょ……これ、道じゃない……」ゴソゴソ

幼友「なんか獣道って感じだね……」ガサガサ

少女「この島にはイノシシも鹿もいないから大丈夫……えへへ、この道は私達が作ったんよ!」

幼馴染(私……たち?)

少女「ほら、もうすぐ……着いたよー!」

幼友「うわぁ……なんか不思議なところ、すごいねー」

幼馴染「周りが崖に囲まれた砂浜、一箇所だけ海に繋がって入り江になっています」

少女「いいじゃろ!海がちょっとくらい荒れても波が来んから、夏はここで泳ぐんよ!」


899 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 12:41:10 BbcBhF7Y

幼馴染「これはいいところ……夏にまた来たいくらいです」

幼友「プライベートビーチだねー、道程は険しいけど」

少女「来て来て!絶対、夏休みに来てーね!約束じゃけん!」

幼馴染「じゃあここの事、男にも教えていいでしょうか」

幼友「それは夏に来た時にしよーよ、びっくりさせよう?」

少女「うん!そうしよう!それまでは4人だけの秘密じゃけんね!」

幼馴染「4人……?」

幼友「誰かもう一人、知ってる人がいるの?」

少女「…あっ……」

幼馴染「少女ちゃん、この島には他に子供は……?」

少女「一人……おるよ、まだ……」

幼友「……まだ?」


900 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/07(火) 17:02:36 T6B2Dp42
>>897 かわいそうに・・・てーいしてもらえなかったな


901 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:13:07 YLdn5vOE
……………
………


…港、係留桟橋


男(だいたい荷物は運び終えたから……)フゥ

男(あのはスノコの下のアミエビを流しとかなきゃ、臭くなるでしょうね……)シクシク

男(幼馴染め……!)ゴシゴシゴシゴシ

男(あのちっぱい娘め…!)バシャーッ

男(……そこも含めて、可愛いのですが!)マイッタネ チキショー!

男(やれやれ、こんなもんでしょう)

男(あとはスノコをたてかけて干して…)コトンッ パタンッ

男(水汲みバケツと借りたブラシを倉庫にしまえば、またコタツにありつけます)テクテク

男(ああ…手が冷たい)

男「……ん?」


902 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:14:00 YLdn5vOE

少女母「ごめんねー、今は出かけとるんよ」

少年「そうですか……お邪魔しました」ガラガラ……ピシャン

男(……少女ちゃんと同い年くらいでしょうか)

少年「……?」

男「こんにちは」

少年「……こ、こんにちは。……誰…ですか?」

男「船が壊れてちょっとこの家にお邪魔させてもらっている、男といいます。……君は?」

少年「少年…です。その、少女の……」

男「ああ、少女ちゃんの友達ですか」

少年「……友達じゃない…かも」

男(どういう意味でしょう……)

少年「…すみません、さよなら」ダッ


903 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:19:25 Cw/p6vyk

男「少年君」

少年「……?」ピタッ

男「釣りはしますか?」

少年「え…いや、あんまりした事は無いです」

男「そうですか。でも、どこか岸からでよく釣れるところを知りませんか?」

少年「島の大人達は、向こうの防波堤の先でよく釣ってます。渡船で来る釣り客も……」

男「一人で釣るのも寂しいものです。ちょっと付き合いませんか」

少年「でも……」

男「あの防波堤からなら、この家の玄関もよく見えます。少女ちゃんが帰れば判るでしょう」

少年「……ちょっと、家の親に言ってきます」

男「わかりました。少年君の分まで道具を用意しておくので、防波堤に来て下さい」

少年「はい」

…タッタッタッ

男(……家は…あの交番か。警察官の息子なんですね)


904 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:20:29 Cw/p6vyk
………


男「簡単な浮き仕掛けなので、投げて待つだけです。撒き餌は俺がしますから、潮に流され過ぎたらまた投げ直して下さい」

少年「はい」

男「ラインを人差し指に掛けて、ベイルを起こして……どうぞ」

少年「え、えいっ」シュッ……ポチャッ

男「まずまずです、あとは浮きをよく見て下さい」

少年「………」ジーッ

男(……素直な良い子です)

少年「………」ジーッ

男(さて、俺は餌撒きついでにサビキでも……)

少年「………」チラッ

男(…やっぱり、少女ちゃんの家が気になるみたいです)


905 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:21:15 Cw/p6vyk

男「少年君、少女ちゃんとは何かあったのでしょうか」

少年「………」

男「ケンカでも?」

少年「ケンカはしてません」

男「…でも、少年君は少女ちゃんに会いたそうです」

少年「………」

男「少女ちゃんは、たぶん少年君に会わないために俺の友達と一緒に出掛けたんだと思います」

少年「…そうですか」

男「何か、思い当たる理由が?」

少年「……僕が約束を破ったから」

男「約束…?」

少年「ずっと一緒に…友達でいるって──」


906 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:21:51 Cw/p6vyk
……………
………


…入り江の砂浜


幼友「…そっか。その少年君、島から引越しちゃうんだね」

少女「……それを聞いた時、私…びっくりしすぎて、ついカッとなってしもうたん」

幼馴染「それでケンカを?」

少女「ケンカとは違う……怒ったのは私だけじゃもん。少年は黙って聞いとったから」

幼友「だったら、少女ちゃんがごめんなさいするだけで、仲直りできるんじゃないの?」

少女「仲直りしても、もう向こうは明後日には引越してしまうけん。それに──」


『──独りぼっちじゃった私にやっとできた友達じゃと思うたのに!』

『ずっと一緒じゃ言うたのにっ!』

『少年は裏切り者じゃ!』

『もう、この砂浜に来んでよっ──』


少女「──私…酷い事いっぱい言うたもん、きっと許してくれんよ」


907 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/07(火) 19:23:41 Cw/p6vyk
いったんここまでっす
今回、このスレ当初の雰囲気はどこへやらって感じですが許してーい


908 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/07(火) 21:35:21 m.IrlOG.
>>907
問題なし!引き続きお願いします。

おつ!とーう!


909 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/07(火) 21:36:17 vtz6ehUg
てーいをしてもらう価値もないということか…ウツダシノウ


911 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/08(水) 10:03:17 dCKI8fns

幼馴染「……でも少女ちゃんがこの時間に島の案内をしようとしたのは、家にいたくなかったからでしょう?」

幼友「つまり、少年君が家に来るのが解ってたんじゃないかな?」

少女「………」コクン

幼馴染「少年君は少女ちゃんと仲直りしたいんじゃないでしょうか」

幼友「そうじゃなかったら、訪ねて来ないんじゃない?」

少女「……仲直りした方が、明後日…辛くなりそうじゃから」

幼馴染「少女ちゃん…」

少女「もう、ええんよ。引越しの話を聞いてからずっと考えて、また独りになる覚悟はできたけん」

幼友「本当にそれでいいの?」

少女「うん、夏にはまた幼馴染ちゃん達も来てくれるんでしょ?」

幼馴染「それは約束します」

少女「だったら、平気!…あの岩のとこ、行こう?お魚いっぱい見えるんよ!」

幼友「………」


912 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/01/08(水) 10:04:17 dCKI8fns
……………
………


…交番の前


男「結局、少女ちゃんは帰ってきませんでしたね」

少年「すみません、五時には帰れって言われてたから……」

男「女の子を遅くまで連れ回すなんて、あとで俺の友達を叱っておきます」

少年「明日、また学校の後で家に行ってみます」

男「…学校は別々なのでしょうか」

少年「僕は私立の小学校へ通ってるから、渡る船の時間も違うんです」

男「そうですか……何か俺ができる事はありませんか?」

少年「…もし明日もなかなか会えなかったら、また防波堤で釣りをさせてくれますか?」

男「お安い御用です」


913 : ◆M7hSLIKnTI :2014/01/08(水) 10:04:48 dCKI8fns

少年父「……おや?」

少年「あ、父さん」

男「ああ、少年君のお父さんですか。初めまして、男といいます。少年君を釣りのお供にお借りしました」

少年父「初めまして、息子がお世話になりました」

男「……明後日、引越されるそうですね」

少年父「ええ、異動でね…息子には辛い想いをさせてしまいます」

男「お父さん、ちょっとお話できるでしょうか」

少年父「…よかったら上がって下さい。引越しは進めているので、何もありませんが──」



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