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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 かぐや姫とオズの魔法使い編

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Part2
16 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/17(土)23:54:41 ID:ukB
髭の男「ふむ、姿が見えぬが…どこかに隠れているな?少なくともこの部屋の中に居る事は間違い無いだろう、我が鍵が偽りを示す事は無い」
新妻「身を隠せそうな場所は限られています、少し探せば見つけられるでしょうが……妙ではありませんか?」
髭の男「妙とはどういう事か?」
新妻「先ほど私達の目の前に現れた娘…ドロシーと名乗る彼女は神をも恐れぬような尊大な態度で、私達に迫りました」
髭の男「うむ、私の持つ魔法の鍵を寄越せと言い放ち、その上我々を殺して世界を消滅させるなどのたまっていたな。我々に対する堂々たる宣戦布告……随分と好戦的な娘に見えた」
新妻「しかし、私達が今追っているドロシーはほんの数分前の彼女とはまるっきり別人のようです。私にはただの内気な女の子に見えました、慌てて逃げて怯えた子供のように隠れてしまって……」
髭の男「魔法を掛けられているのか、多重人格の類なのか…どちらにしろ、単なる心境の変化ではあるまい。だが些細な事だ、我々へ宣戦布告をした以上は敵として迎え討つ…尊大だろうが内気であろうがあの娘は殺しておく必要がある」
新妻「旦那様。私には何か事情がある様に思います、それに怯えている女の子を追いつめるなどできません。彼女の無礼には目を瞑り、見過ごすと言う訳にはいきませんか?」
ヒュッ ガッ
新妻「……うぐっ、ゲホゲホ……だ、旦那様……何をなさるのですか……」ボタボタ
髭の男「不抜けた事を言ってくれるな我が妻よ。どこで知ったのか魔法の鍵の存在まで知りそれを寄越せと口にした…あのような小娘に我が物顔でいられる事は私にとって酷い侮辱なのだ。お前は易々とその侮辱を許し、無礼を不問にしろと言うのか」
新妻「し、しかしあの性格の変わりようは普通ではありません…なにか気の毒な呪いか、魔法でもかけられているのなら……うぐっ」ガシッ
髭の男「少し黙っていろ、ドロシーとかいう小娘を許すか否かはお前が決める事では無い。これ以上の指図をするのならば……私はお前を良妻と認めるわけにはいかなくなる」
髭の男「そうなれば夫婦生活は終いだ。それだけは避けたいものだ、そうなれば私はお前を殺さなければならなくなるのだから」クイッ
髭の男「今も我が屋敷の小部屋で永久の眠りについている、前妻と同じようにな」グイッ

17 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/17(土)23:57:06 ID:ukB
ブンッ ガシャンッ
新妻「…っ!ゲホッゲホゲホ…」バタッ
髭の男「安心するがいい、例え夫婦でなくなってもお前が亡骸になったとしても私はお前を永久に愛してやろう」
髭の男「なんにせよ今は夫婦で諍いをしている場合ではあるまい。話は後だ、我が妻よ。そこでしばらく眠っていろ」
スッ
髭の男「聞こえるかドロシーよ。お前が欲している魔法の鍵はここにある、何故お前がこれを欲しているかは知らぬが…」スルッ
ジャキン
髭の男「手に入れたいのならば逃げず、私に立ち向かってくるがよい。私は愛した女しか殺さぬと決めていたが……どうやら始めて例外が生まれそうだ」
ドロシー(……)ガクガクブルブル
髭の男「安心するといい、私は剣さばきには自信がある。私は小娘に興味は無いが…お前はなかなか可愛らしい顔つきをしていた、顔を傷つけぬよう殺せばその死体を欲する物好きも現れるだろう。
その物好きに永遠に愛してもらえばいい、それならば辛さも薄れると言うもの」カツッカツッカツッ
髭の男「ああ、だがある程度血を流して貰わねば困るな。私の魔法の鍵は穢れを好む、定期的に人間の血液を浴びねば機嫌が悪いのだ。さぁ、小娘はこの部屋のどこに隠れている?教えよ、我が魔法の鍵よ」
…カチャカチャン
髭の男「なるほど、クローゼットの中か。良くやった我が魔法の鍵よ、後ほど存分に血を浴びせてやろう」
ドロシー(……っ!)ガクガクブルブル
カツッカツッカツッ
髭の男「私の声が聞こえているはずだが…逃げもせず立ち向かいもせず、諦めたか。まぁどちらでも同じ事、私に舐めた口を利いた事を悔やむと良い…!」スッ
ドロシー(お願い……かかし、ライオン……私を助けて……ブリキ……っ!)ガクガクブルブル

18 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/18(日)00:12:53 ID:uTM
今日はここまでです
今日から新スレ、物語の謎あれこれが明らかになります。またしばしのお付き合いをお願いします
もうほぼ最終章だから登場したおとぎ話紹介してみる
【ピーターパン】
ティンクことティンカーベルが登場するおとぎ話
ネバーランドに住む永遠の少年ピーターパンやティンクの物語
魔法あり妖精あり冒険あり嫉妬あり
おとぎ話としてのピーターパンは少女ウェンディを巻き込んでのフック船長との戦いの場面が有名
ディズニー版ではティンカーベルのスピンオフ作品も出てるほどの人気だけどこのssの世界では消滅してるのでティンクはそんなこと知りません
かぐや姫とオズの魔法使い編 次回に続きます

20 :名無しさん@おーぷん :2015/10/18(日)00:55:53 ID:yvx
乙です!
続き待ってました!!
この続きも待ってます!!

21 :名無しさん@おーぷん :2015/10/18(日)00:59:42 ID:daB
乙!
ヘンゼルが心を少し開いてきたみたいでよかった。でも闇堕ちフラグが心配すぎる…
そしてドロシーはなんなんだろう、なんであんな人格になってるのか…
次回も楽しみにしてます。


28 :名無しさん@おーぷん :2015/10/18(日)15:16:40 ID:iaa
登場タイトルまとめ
ピーターパン(消滅)、シンデレラ(無事)、裸の王様(無事)、王様の耳はロバの耳(消滅)
こびとの靴屋(無事)、泣いた赤鬼(無事)、赤ずきん(消滅)、一寸法師(消滅)
かぐや姫(無事)、舌切り雀(不明)、蛙の王子(無事)、石のスープ(無事)
わらしべ長者(無事)、桃太郎(無事)、マッチ売りの少女(無事)、眠り姫(無事)
人魚姫(無事)、おやゆび姫(無事)、幸福な王子(無事)、青い鳥(不明)
オズの魔法使い(消滅)、不思議の国のアリス(無事)、ハーメルンの笛吹き男(消滅)、狼と七匹のこやぎ(消滅)
雪の女王(無事)、アラビアンナイト(無事)、ラプンツェル(無事)、三匹のくま(消滅)
三匹のこぶた(不明)、船乗りシンドバッドの冒険(無事)、アリババと40人の盗賊(無事)、ヌレンナハール姫と美しい魔女(無事)
アラジンと魔法のランプ(無事)、三枚のお札(不明)、ヘンゼルとグレーテル(消滅)、かもとりごんべえ(無事)
キジも鳴かずば(消滅)、金太郎(無事)、ジャックと豆の木(無事)、卑怯なコウモリ(無事)
みにくいアヒルの子(不明)、ブレーメンの音楽隊(無事)、力太郎(不明)、花咲か爺さん(消滅)
セロ弾きのゴーシュ(不明)、赤い靴(不明)、ピノキオ(消滅)、金のガチョウ(無事)
ねずみの嫁入り(不明)、ルンペンシュティルツヒェン(消滅)、大工と鬼六(不明)、西遊記(消滅)
ホレおばさん(不明)、トゥルーデおばさん(不明)、美女と野獣(無事)、分福茶釜(不明)
笠地蔵(不明)、長靴を履いた猫(不明)、しっぺい太郎(不明)、かぐや姫(無事)
浦島太郎(無事)

46 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:32:12 ID:6Ma
ドロシー(どうして、どうしてこんなことに…!また、気がついたら知らない場所に居ただけなのに……ブリキもかかしもライオンも居ないし……恐いよ、助けて…!)ガクガクブルブル
ドロシー(死にたくない…襲われる理由なんて心当たりないし、私がこの屋敷に居た理由もわからないのに…お願い、開けないで……!)
ギィィィッ
ドロシー「ひっ…!」ビクッ
髭の男「おかしな小娘だ、この屋敷に乗り込んできたのはお前の方だというのに戦おうともせずただクローゼットの中で怯えているとは」
ドロシー「あっ、あのっ、私があなたになんだかとんでもなく無礼な事をしてしまったのなら……謝りますっ!ごめんなさいっ!」ペコペコ
髭の男「許すはずが無いだろう。謝罪をすればどんな行いでも不問になるとでも思っているのか?お前は私と我が妻を殺すとまで言い放ったのだぞ?」スッ
ドロシー「そ、そうなんですか…?そんなひどい事…あっ、えっ、そんなつもりじゃないんです、ただ私は…そのっ…知らなくて……」
髭の男「知らないなどとしらじらしい事を…なんにせよ殺すなどと言われて黙っていられるはずが無い、まさか覚悟なく殺すなどと口にしたわけではないだろう?それとも今更になって怖気づいたか?」
ドロシー「あっ……ち、違うんです!私は、その、おかしな病気にかかっていて…記憶が抜けている時が凄く多くあって…その間の事は覚えていなくて、私は…」
髭の男「やはり怖気づいたという訳か……一度は私を殺すとまで言ったのだ、せめて最期の時まで堂々としていろ」ギロッ
ビュオンッ ガキンッ
ドロシー「ひっ、ひえっ…!すいませんすいません、ごめんなさい!ごめんなさい!」ガクガクブルブル
髭の男「避けたか、運の良い奴め…口を噤め、情けない言い訳など聞きたくないのでな。どのような理由があろうとも、殺すなどと口にした以上は殺されても文句は言えまい…っ!」ビュオッ
ドロシー「ひえっ…!」ギュッ
ガッシャーンッ!!

47 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:34:18 ID:6Ma
ドロシー「……っ!」ビクッ
髭の男「何事だ…!?」バッ
スタッ
ライオン「い、居たよっ、ドロシーちゃんだ…!ブリキ!かかし!急いで取り返そう、ぼぼっ僕達の大切な友達を!」グルルッ
ブリキ「ああ、やはりここぞという時にはお前の嗅覚が頼りになる。さぁ返して貰おうか、その娘は俺達の大切な連れ合いなんでな」ズシッ
かかし「二人とも油断するナ!あいつはこの【青ひげ】の世界の主人公、妻を殺しては再婚を繰り返す悪魔のような男ダ!相当なてだれだゾ!」
ドロシー「あぁ…っ!よかった…みんな、助けて……!」
青ひげ「ほう、この小娘の仲間か。それに我が名を知っているとは感心だ…しかし随分と奇抜な集団だな?サーカス団かと思ったぞ」クックック
ブリキ「大人しくドロシーを解放してくれれば助かるんだが、そのつもりは…なさそうだな?」
青ひげ「無論。この小娘は私を侮辱した。当然の報いは受けて貰う、この刃によって私が受けた屈辱を晴らさせてもらおうか…!」スッ
ドロシー「…ブリキ!お願い、助けて…!」ギュッ
ガキィィンッ!
青ひげ「ほう、迷わずその身体で受け止めたか。しかしこの妙な手ごたえ…全身を鎧で覆っていると思っていたが、どうやら違うようだ。お前は一体どういう存在だ?」ギギッ
ブリキ「元人間だ。だがそれも随分昔の話だ、今はブリキの身体を持つしがないきこり。それ以外の何者でもない」ギギッ
青ひげ「ほう、呪いか魔法でもかけられたか。だが身を呈して仲間を庇う姿は称賛に値する、普通は殺意を持つ相手を前にすれば多少なりとも恐怖を感じるものだがな」ギギッ
ブリキ「俺は心を持たないブリキのきこり…あいにくだが恐怖などと言う感情は持ち合わせていない」ギギッ…

48 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:36:18 ID:6Ma
青ひげ「ほう、実に興味深い。だが所詮はブリキ…鋼鉄の鎧の様にはいくまい、私の一撃もまるっきり無駄と言う訳でもなさそうだ」ギギッ
ブリキ「俺の身体はお前達生身の人間と違って換えが利くんでな、粉砕さえしなけりゃあ少々の無茶ならば問題無い」ギギッ
青ひげ「なるほど、換えの利く金属の身体というのは便利なものだな。殺す事が出来なくとも、動きを封じる事くらいはできるだろう」ビュッ
ブリキ「どうやらやはり話し合いでは解決しそうもない…ライオン、かかし!」
ライオン「うん、わかったよっ!」シュタタッ
かかし「ったク、俺の友人共はどいつもこいつも世話が焼ける奴ばっかりダ!」シュバッ
ライオン「一番素早い僕がドロシーちゃんを助ける!ブリキとかかしはあの人の相手お願い!」
青ひげ「そう易々と思い通りに事が運ぶと思うなよケダモノめ。小娘とまとめて切り裂いてやろう」ジャキンッ
ライオン「うぐ…っ!」ズバッ
ブリキ「怯むなライオン!その程度の傷、お前ならなんでもないだろう!そのままドロシーを奪い返せ、お前の機敏さなら翻弄できる。自信を持て!」
ライオン「そうだよ、そうだよね…僕は百獣の王ライオンなんだ。悪い人間なんかに負けないんだ!グオオォォ!!」グオオォォォ!!
青ひげ「ぐっ…鋭利な爪に鋭い牙…!その姿は見かけ倒しでは無いという事か…だが猛獣に立ち向かえないような腰抜けではない!」グググッ
ザシュッ
ライオン「うぐっ…!ぐっ……!猛獣を前にしても怯まないなんて凄い精神力だ。それとも僕が相手だからかな…?」フラッ
かかし「ライオン!マズイゾ、もろに喰らっちまっタ…!」

49 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:38:24 ID:6Ma
ドロシー「ライオン!一旦引いてっ!すごい血がでちゃってる……死んじゃうよ!」
青ひげ「猛獣など、所詮武器を手にした人間の相手になどならない。だがその傷で立っていられるのは称賛に値する…だが小娘の奪還など易々とさせるわけ無かろう!」スラッ
ライオン「簡単じゃなくたって、僕は絶対にドロシーちゃんを助けるんだ。だから恐くっても我慢して…戦うんだよっ!」ググッ
青ひげ「その意気は認めよう、だが私にはその爪も牙も届きはしない」
ババッ
かかし「オイオイッ!俺を忘れて貰っちゃア…困るんだヨ、青ひげえエェェェェ!この俺を倒しテから粋がってなヨォ!」ババッ
青ひげ「邪魔が入ったか…!しかしブリキ人形、ライオンと来て生きたかかしか…まさにサーカス団だな」ババッ
かかし「そりゃあ褒め言葉かイ?お前の相手はライオンでもブリキでもねぇゾ!この俺が相手ダ!」ガシッ
青ひげ「新手の邪魔が入ったか…止むなし、お前から片付けてやろう」スラッ
かかし「そりゃあ出来るかどうか怪しいもんだナ!お前の剣じゃただのかかしである俺を真っ二つにすることさえもできないだろうヨ!」
青ひげ「随分な自身だな。ならば望みどおり、その藁でできた胴体を真っ二つに切り裂いてやろう…!」ヒュッ
ズバッ
かかし「……かかったナ!青ひげッ!」グラッ
青ひげ「なんだと…?」
バッサーッ
青ひげ「何事だ…!切り裂いたかかしの腹部から粉のようなものが…これは、灰か…?」

50 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:40:09 ID:6Ma
かかし「灰ヨ!無数の蔓となって青ひげを縛り上げろっ!」
シュルルシュルルッ
青ひげ「灰が植物に!?まさか、あらかじめ斬られる事を覚悟で腹部にその魔法具を仕込んでいたというのか!」グルグルグルッ
ギュッ
かかし「よぉシ!ライオン!早くドロシーをかついで走レ!ブリキも急いで逃げるんだヨォー!」ババッ
ライオン「わかったよっ!ドロシーちゃん、早く僕に乗って!」
ドロシー「う、うんっ!」
ダッダッダッ
青ひげ「クッ…!我が妻よ、目を覚ませ!早急に私を縛る蔓を斬り裂け!…クッ、強く殴りすぎたか…!」
かかし「自業自得だナ!さて俺も逃げテ……お、おろッ…?胴体が斬られてるからバランスが…」グラッ
ブリキ「俺が担いでやろう、まったく一番無茶してるのは誰だ?」
かかし「助かったゼ、まぁ無茶してんのは四人全員だろうがナ!」
ブリキ「とにかく今は逃げるのを優先にするぞ」ダッ
かかし「おうヨ、アリスに命じられた魔法の鍵はとりそこなったけド…人命には変えられン」
ブリキ「ああ、ライオン達は逃げおおせた。俺達も急ごう」
ダッダッダッ
青ひげ「クッ…私があのような珍妙な集団に後れを取るだと…あり得ぬ、あり得ぬ…!」ギュウギュウ
・・・

51 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:43:58 ID:6Ma
ドロシー達が青ひげから逃げだしてしばらくの経過した後…
不思議の国のアリスの世界 三月ネズミの家に続く道
・・・
白ウサギ「ちょっとぉぉ!アリスさんマジで急いでくださいよぉ!悠長に歩いてちゃ約束に遅れちゃいますってー!」
アリス「キミは相変わらずせっかちだな、そんなに急がなくともお茶は逃げない」フフッ
白ウサギ「なーに言ってんですかっ!今日はただのお茶会じゃないんですよ!御自分がみなさんに集まるよう命じたのに忘れたんですか!?」
アリス「そう喚かなくてもボクは覚えてるよ。【不思議の国のアリス】の登場人物を集めた作戦会議をする為の招集だ。魔法具も戦力もそこそこ集まったからね」
白ウサギ「そうですっ!みなさんアリスさんの為に集まってくれてるんです!主役が遅れて行っては示しがつきませんってば!」
アリス「時間にルーズな奴らばかりだから、時間通りに行っても誰も居ないさ」
白ウサギ「だとしても!あなたがいなければ始まらないんですから、早めに行くくらいの事はしましょうよ!会議する時間が無くなっちゃいますよ!?」
白ウサギ「皆さんに伝えなければいけない事はたくさんあるじゃないですか!現実世界のキモオタとかいう男の事、アリスさんを邪魔しようとしている雪の女王の件とか盛りだくさんなんですから!」
アリス「そうだね、魔法具収集の状況や捕虜共の様子の報告も受けないといけない。そろそろ【アラジンと魔法のランプ】の世界への襲撃の件も話さなければね」
白ウサギ「でしょう?アリスさんが魔法のランプを狙っている事は向こうも知ってるんですから、相応の戦力で挑まないと!準備を怠っちゃ勝てるものだって勝てませんよっ!」
アリス「わかっているよ。でもね白ウサギ、ボクが焦ったり慌てたりしないのはキミ達を信頼しているからだ。キミ達と一緒なら、僕は願いをかなえられると確信してる」
白ウサギ「そ、そんな面と向かって言われるとなんだか照れちゃいますよー!まかせてくださいっ!僕達は全員アリスさんの願いをかなえる為に全力出してますからっ!」
アリス「それは頼もしいな。だけどキミは急ぎ過ぎだ、時間を気にし過ぎていたら疲れてしまうだろう。お茶会に行く前にひと休みしてもボクは構わないよ?」クスクス
白ウサギ「だーから時間ないっていってるじゃないですかぁぁー!僕の話全然聞いてないじゃないですか!ほら、もう急ぎましょ!」

52 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:45:26 ID:6Ma
不思議の国のアリスの世界 三月ウサギの庭
ハートの女王「……三月ウサギよ。アリスはまだ来ぬのか?」イライラ
三月ウサギ「まだじゃね?まぁ、俺達に約束の時間なんかあって無いようなもんなんだし、イライラしてもしかたねーッスわ」ヘラヘラ
ハートの女王「約束の時間からもう二時間も経過しているのだぞ!誰を待たせていると思っているのだ!処刑人を呼べ!このおとぎ話の主人公とてこのような狼藉許せぬ!」
三月ウサギ「だからそうイライラしなさんなって、いつもの事でしょー?死ぬまでには来るって。心配いらねーいらねー」
ハートの女王「数々の魔法具を手に入れて邪魔なおとぎ話を消してこれからが大事だという時に…!奴は主人公だというのに約束の時間も守れんのか!」バンッ
帽子屋「あーらぁ?でも女王様がいらしたのだってつい五分前じゃな〜いのっ!アリスちゃんだけ責めるなんて、アタシは感心しないわねぇ〜!」ブホホ
ハートの女王「我は女王、他人に指図をするが他人が我に指図をする事は認めぬ。逆らうならば首を刎ねるだけよ」
三月ウサギ「で、でたぁー!女王の『首を刎ねる』頂きましたぁー!」ヘラヘラ
帽子屋「あらやだぁ!女王様が首を刎ねるって言うのこの五分間でもう九回目よぉ?もう口癖ってレベルじゃないわよそれぇ!」ブホホ
ハートの女王「ヘラヘラとしおって…我を愚弄するのならば貴様らの
三月ウサギ・帽子屋「「首を刎ねるぞ!!」」ヘラヘラ ブホホ
ハートの女王「キチガイ共が…!貴様等がアリスに協力的でなければとおの昔に首を刎ねているというのに!」フンッ
三月ウサギ「まぁまぁ、仲良くしようぜ女王ー!俺も帽子屋もふざけてばっかりに見えるかもしれねぇけどさぁ、アリスに協力するって気持ちに嘘偽りは無いぜ?なぁ?」
帽子屋「もちろんよぉ〜?なんだかんだアリスちゃんの事、みんな大好きですものね!それにここはずぅーっとお茶の時間で時が止まってるんですもの、時間を気にする方が野暮ってものよぉ?」クネクネ
ハートの女王「まぁ、良い。アリスの願いが叶い、全ての件が落ち着いたときは改めて貴様等の無礼を追及してその時こそ首を刎ねてやろう」フンッ

53 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:46:43 ID:6Ma
白ウサギ「みなさん申し訳ありませんー!私がついて居ながら大遅刻をしてしまうなんて…なんてお詫びをしていいやら!」トコトコトコ
三月ウサギ「おっ、来た来た!アリスー、俺の隣開いてるぜー!」
帽子屋「お久しぶりねぇ、アリスちゃん!アタシが溢れる女子力で焼いたマカロンあるわよぉ〜」ブホホ
アリス「やぁ、みんなお待たせ。さぁお茶会を始めようか」
ハートの女王「アリス!貴様、我をこれほど待たせておいて謝罪の一つもないとは…それほどまでに首を刎ねられたいか!」バンッ
アリス「女王、そんなに怒鳴ってはせっかくの美しくて若々しい姿が台無しだ。でも海底の魔女に作らせた薬が利いているようで良かったよ」フフッ
ハートの女王「我の話をはぐらかすとは……まぁ、良い。あの魔女に作らせた薬は素晴らしい物だ、おかげで我も若き日の美しき姿を取り戻す事ができたからな」
三月ウサギ「魔法ってのはすげぇけど完全に詐欺だよなぁー?すげぇ美人で乳もデケェし腹もへこんでるし見た目は言う事ねぇのに中身はヒステリックなババァだからなー」
帽子屋「いえてるぅー!どれだけ美しいワイングラスでも、注がれているのが汚水じゃあどうしようもないものね!ぶほほっ!」
ハートの女王「もう我慢できぬ!アリス!二人ほど協力者が減ってしまうが問題無かろう?こいつ等の首はここで刎ねておかねばますます付け上がる!」
アリス「落ち着きなよ女王、彼等はボクの大切な仲間なんだから。もちろん女王もね」
帽子屋「あらぁ?アリスちゃん間違ってるわよ?『彼等』じゃなくて『彼と彼女は』っていうのが正解じゃない?心は乙女なのよ?アタシ」ブホホ
三月ウサギ「なぁーにが乙女だよ!身体はおっさんじゃねぇか!」ヘラヘラ
帽子屋「やぁーだぁー!身体がおっさんでも乙女の心を持っていればそれはもう女の子なのよっ!ねぇ、アリスちゃんもそう思うでしょぉ?」
アリス「フフッ、そうかもしれないな。次から気を付けるよ帽子屋」クスクス
ハートの女王「…まったく、貴様等にはついていけぬ。アリス、本題に入れ!早々に茶会を始めるとしよう、怒鳴りすぎて喉が乾いてしまったのだ」

54 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:48:40 ID:6Ma
アリス「お茶を飲みながら出構わないから現状の報告をしてもらおうか。三月ウサギ、キミの担当から頼む」
三月ウサギ「うーっす。俺の担当は知っての通り、アリスが不在の【不思議の国のアリス】の物語が問題なく進んでるか監視する事だ」
三月ウサギ「結論から言っちまうと、特に問題は無いぜ。今頃、代用ウミガメやらグリフォンと話でもしてるだろうから…この様子ならもう少しで結末を迎えそうだ」
帽子屋「じゃああの代役のコはうまくやってるのねぇ…アタシ少し心配だったのよ?アリスちゃんったら大切な主人公の役を、あーんな田舎の娘に任せちゃうんだからっ!」
ハートの女王「確か……結末を迎えていないおとぎ話は現実世界の人間に忘れ去られるか、本来の物語から大きく筋がずれてしまうと消えてしまうのだったな?」
三月ウサギ「そうそう!主人公が不在じゃあおとぎ話は成立しないから、主人公がいなければおとぎ話は消滅する。つまりアリスが自由にあちこち行くには代役を置く必要があんだよ。俺が監視してんのがアリスの代役の…」
アリス「ミチルだ、おとぎ話【青い鳥】の主人公兄妹の一人。彼女もまた私と同じでおとぎ話の主人公なんだから、そうそうトラブルを引き起こしたりしないさ」
帽子屋「逆らったり失敗でもしちゃったら大切なお兄ちゃんが殺されちゃうものねぇ!お兄ちゃんの為に必死に頑張ってる女の子って可愛いわよねぇっ!」ブホホ
ハートの女王「ミチルを従わせる為に兄のチルチルを我が城の牢に閉じ込めているのだったな、相変わらず手段を選ばぬ奴だ、アリス」
アリス「願いをかなえる為にはボクは自由に動けなければいけない。代役を立てるとなった時、一番手ごろだったのが彼女だっただけさ」
三月ウサギ「まぁ、ミチルは従順にアリスを演じてるから安心してくれ。なにかありゃあすぐにでも報告を寄越すからよ」
アリス「頼むよ、現時点ではこの世界の消滅の心配は無いという事だな」
帽子屋「あらぁ、素敵じゃなーい?計画は順調って事だものねっ!それじゃあ今度はアタシが報告しちゃおうかしらっ!」ブホホ

55 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:52:03 ID:6Ma
帽子屋「アタシの担当はモチロン、魔法具の管理よ〜ん♪」ブホホ
アリス「頼んでいた魔法具のリストは完成したかい?それぞれの魔法具がどれほどの魔力を帯びているか…それをまとめてくれと頼んでいたはずだけど」
帽子屋「モチのロンよアリスちゃんっ!アタシ頑張っちゃったんだからっ、はいこれ資料ねっ!」スッ
アリス「ああ、ありがとう」スッ
三月ウサギ「おいおい、どんなゴミ渡したのかと思ったらキッチリまとめてるじゃねぇか!バターのシミ一つねぇし!キチガイの名を冠する帽子屋がなに真面目にやってんだよ!」
帽子屋「あらヤダ、仕事はきっちりこなすわよ。三月ウサギはアタシをなんだと思ってるのかしらねぇ?狂っていてもアタシは商売人なのっ、数字の扱いは慣れたものよっ!」
アリス「キミに任せて正解だったよ、随分と見易い」
ハートの女王「だが…以前アリスが算出した【アラジンと魔法のランプ】の結界を破るのに必要な魔力には届いていないな」
帽子屋「そうなのよぉ!でもアタシ気がついたのっ!例えば世界移動が可能なチルチルの帽子とか幻覚を見せるマッチとかはねぇ、便利なのはいいけれど魔力の量は比較的そこそこなのね?」
帽子屋「でもぉ、ほらっ!ここ見て頂戴、以前アリスちゃんが探し出してきてくれた魔法具、蓬莱の珠の枝の魔力値っ!すっごくおっきぃでしょぉ?」
アリス「本当だ、他の魔法具の数倍はある。蓬莱の枝自体は見た目の美しさ意外に特別な力は無いというのに」
ハートの女王「不思議な能力が無い分、純粋な魔力値が高いのではないのか?」
アリス「どうせなら不思議な力を持つ魔法具の方が戦いにも使えるからと思って優先していたけれど、それが裏目に出てしまったんだね」
帽子屋「そうなのよぉ〜!だからさ、悪いんだけど魔力を帯びてるだけの魔法具を見繕ってほしいわけ、そうすればより速く結界を壊せると思うのよねぇっ!」
三月ウサギ「でもそんなもん一口に言ってもよぉ、どの魔法具がそうなのかわかりゃしねぇぜ?」
ハートの女王「確か蓬莱の珠の枝というと、あるおとぎ話の登場する世にも珍しい五つの宝の一つではなかったか?ならば残りの四つの宝も魔力が高い物だと考えていいだろう、確かそのおとぎ話の名は……」
アリス「【かぐや姫】だね、主人公のかぐや姫が求婚者に持ってくるよう命じた世にも珍しい五つの宝…その一つが蓬莱の珠の枝だ」

56 :名無しさん@おーぷん :2015/10/21(水)23:52:49 ID:GdH
ティンカーベル殿wwwwwwwwwwww

57 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/10/21(水)23:55:56 ID:6Ma
帽子屋「確か、どれも存在するかどうか怪しい程の宝だったのよねぇ?そんなものを要求するなんて相当な悪女よねぇかぐや姫っ!アタシとおーんなじ」ブホホ
三月ウサギ「五つの宝があるって言ってたけどよ、ひとつは蓬莱の珠の枝として…あと四つはなんて魔法具なんだ?」
アリス「根は銀、枝は黄金、身は真珠で出来ている蓬莱の珠の枝。天竺にあるとされている仏の御石の鉢。炎にくべても決して燃える事の無い火鼠の皮衣。龍が所有しているという美しい龍玉。それと…燕の生んだ子安貝だ。それに火鼠の皮衣は手に入れている」
ハートの女王「聞けば聞くほど無茶な要求をしたものだな、かぐやという娘は」
帽子屋「そうよねぇ?燕が生んだ子安貝なんて、現実的に無理なのにそれでも愛した女の為に危険を冒して探しちゃう…男ってホント単純でそれでいて純粋よねぇ〜」ブホホ
アリス「燕の生んだ子安貝を持ってくるように命じられた男は、結局その時の怪我が原因で死んでしまうけれどね」
ハートの女王「愛した女の願いの為に死ねたのならば、それもまた本望だろう」
三月ウサギ「ちょーっと待て待て!なに恋バナみたいな雰囲気になってんだよ!そういうのは女子会でも開いてそこでやれよ」
帽子屋「あらっ、良いわねぇ!女子会、今度やりましょうよぉ〜」ブホホ
ハートの女王「貴様は帽子屋だというのに鏡のひとつも持たぬのか?一度その姿を鏡に映してみると良いだろう」フンッ
帽子屋「やぁだぁ女王様ったら!鏡くらいもってるわよぉ!でもいつ見ても絶世の美女がそこに立っているだけなのよぉ〜!」ブホホ
ハートの女王「……三月ウサギ、紅茶のおかわりを注げ」コポポ
帽子屋「あらぁ〜?女王様ほどの女性に嫉妬されちゃうなんて女冥利に尽きちゃうわねっ!ぶほほほっ」
アリス「…とにかく、時間を見つけて【かぐや姫】の世界に向かう事にするよ。元々、その宝物には目を付けていたから消滅させずに放置しているしね」

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彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」