友「ちょっと戦争行ってくる。」
Part340:緑メ:10/11/1 21:24 ID:cSpAHp.McE
男
「(二日間…この二日間が、最後の大休止になるかもしれない。
残りの三日間は、嵐のようだろうから。
…友、俺は、この二日間の行軍で、お前の死した場所へ戻り切る。
だけど、死体は探さない。
お前が死んでから…どうも以前より一緒にいる気がしてならないから。で、また、ついに俺もおかしくなったかと、笑うんだろ?
女。元気だろうか。
写真の一枚も持ってくるんだった…出兵前は、その一枚が心の支えになりうる事がわからなかったからなあ…。
この5日を生き抜けば、君を抱きしめる事が出来ると思うと、俺は死に物狂いになれます。恋は狂気とはよく言ったもので。
ああ、夜の静寂がうるさい。)」
友が男に憑いてるわけじゃなくて
魂レベルの話し。友が死んでから男の性格を友と足して二で割ったような性格にしてあるのはそのためです。え?解りづらい?
41:緑メ:10/11/1 21:25 ID:cSpAHp.McE
男「それでは、任されます。」
上官「任せます。」
下官「御武運を。」
同期「二日後にまた。」
そうして、第三大隊は、
二つに分かれていったのです。
42:緑メ:10/11/1 21:32 ID:AZN8vEPq8w
補足:猛獣隊
弓と狼を使った隊。狩人出の者を生かした隊。
43:緑メ:10/11/1 21:33 ID:AZN8vEPq8w
上官「男」
男「?」
上官「臆するな。そして、諦めるな。そして、戦友を信じろ。この三つを破ったら、殴ってやる。」
男「は。」
上官「時間だな…なあ、私は思うのだよ、第三大隊は、最高の隊であったとね。……二日後に。」
A隊の隊長を任せるにあたって。
44:緑メ:10/11/1 21:34 ID:AZN8vEPq8w
下官「隊長殿、」
男「ん、何だ?」
下官「これを、お願いしたいのです。」
男「…。」
手紙。
下官「私は家族の物へ。」
男「…ああ。」
手紙。
男「…手、紙…。」
下官「?」
男「ああ、何でも、ない。」
自分が戦死した時の為に遺書を書きます。
男は手紙という言葉に何かひっかかりを感じました。
45:緑メ:10/11/1 21:45 ID:aFLpXIlUeE
▼友と男1・前▼
そういえば、こんな事があった。
幼年学校の教官に連れられ、飲みに行った時の話しだ。
教官は、幼年学校の教官にしては大層変わった人だった。
この年齢にして、女っ気のない俺と友をからかいたかったのか、教えてくれるつもりだったのか、それとも単に教官の馴染みだったのか…少々いかがわしい香りのする店。
堅物だった友の緊張振りは、面白いものだった。
そこで、ほろ酔いの教官は自分の過去を振り返りながら楽しそうに、俺達を威しつけていたっけ。
教官「遺書を書くんだ。自分の死んだ時の事なぞ想像したくもないだろ、ん?だが戦場では毎日毎刻、死が脳に住み着いてやまない。そんな極限の時に書いた手紙さ、もう自分が以前書いた遺書なぞ怖くて見られないね。生きて帰れば、こう、だがね。」
大層楽しそうだったのは、覚えている。
46:緑メ:10/11/1 21:46 ID:SFi0c66N7.
▼友と男1・後▼
友が綺麗だが愛嬌のある芸妓に酌をされながら、ふむ、と一度頷いた。
「僕は、君に預けるのかな。」
俺は貫禄のある美しい芸妓に少しばかり恐縮しながら、友を見遣る。
「それは光栄。」
心なしか気恥ずかしく、少しおどけたように肩を竦めて見せると、友は大まじめに言ったのだ。
「いや、君は死にやしないだろう。そして、君は誰より僕という人間を知っている…だから、僕の最期言葉は君に預けたい。そう思う。駄目か。」
「駄目なわけが、あるまい。」
友は天然なのだろうか!
硬派な友がいつも女達に追い掛けられるという謎は、その時に解けたのだった。
ケロリとしている友に、俺は余計照れながら猪口の酒をぐっと飲み干した。
47:緑メ:10/11/1 21:53 ID:EKSJzxcqmM
男「(寒い、暗い、眠い、疲れた。)」
男「(死にたくない、死にたくない、)
男「(地獄、ともすれば死んだ方が)」
男「(さて、これくらいにしておこう。)」
男「時間だ、ゆくぞ。」
地獄の門は、どうやら静かに開かれるらしい。
48:緑メ:10/11/1 22:06 ID:SFi0c66N7.
血路を行くには、どうやら私の脚に凝り固まった鉛が重過ぎて。
しかし進まぬわけにはいかないのでありまして私は、化け物のようになりながらも
ずるずるとそこを歩んでゆくのです。
下官「後続のB隊が、敵軍斥候に感知されたらしく…将候以下の者は全滅せられ…将候は全員、恐らくは尋問、最悪は…拷問にあっていると思われます」
男「…畜生…が…!!!」
49:緑メ:10/11/1 22:15 ID:XUvetU6So.
男「これより港へ後退する。B隊の殲滅が確認された今、作戦は決行不可能だ。
三日で戻り切る、これは任務遂行を約束した時間だ。
我らだけでも、それを生き延びるだけでいい。
頼む、死した第三大隊の戦友の念いを、無駄にしないで欲しいのだ…!」
我等特別遅滞第三大隊は、
軍人でありながらも、
互いが生き延びる事をなによりの上策としてきたのだから…!
50:緑メ:10/11/2 15:52 ID:EKSJzxcqmM
男「彼等の物語は、ここで跡絶えた。」
男「生き延びたのは自分を含め、下官と数名。」
男「俺があの逃走の二日間を語る事は、生涯無いだろう。」
男「何故ならば、戦友がそれを、望んでいないからだ。」
男「そもそも、何故人数がここまで減ったのかを考えていただければ…直ぐにわかるだろう。」
男「友を逃がす為に自らが犠牲となった者は、手放しの名誉なぞ、望んでいないのだから。」
男「そう、これは戦争なのだ。」
男「この戦争は、まだ少し続いてゆく。」
51:緑メ:10/11/2 16:28 ID:g/4JcTXXFc
友からの手紙
包みには、戦争から帰ったら友の生死に関わらず読んで欲しいとの旨が記されていた。
拝啓、出兵前に--
戦争ですね。
幼年学校上がりの僕達にとっては、然るべき路なのかもしれません。
けれども、永の平和の中に生きてきた僕達が軍の営庭で学んだ事を、どれ程とも想像つかない緊迫しているであろう戦場で生かし切れる事かと、不安を覚えます。
勿論、流れ弾に当たって偶然死ぬ事もありましょう。
だから、僕は君に宛て最初で最後の手紙を書きました。
筆をとると、君とのくだらなく楽しかった思い出を取り留めもなく書き連ねて了いたくなるのですが、止めておきましょう。
無論その思い出が、君の中にも少し色濃く残っている事と願って。そしてこれからも続くと信じて。
僕が死した後は、僕が暮らした小さな家を、
片付けておいていただきたいのです。
僕に家族はありません。そして幸福をと願った相手もありません。
気にかけてくれていた近所には、聞かれれば戦死したと伝えてください。
それだけでいいのです。
そのために、僕は一人でおりました。
家族のいなく寂しかった思い出があるために、僕は誰かを残して逝くかもしれないというところに立たされると一人でいる、という矮小者であることにしていたのです。
そう、であるから君という友人は、計算違いだったのだけど。
だからこそ、僕の人生は楽しかったと言えるのかもしれません。
君は僕と真逆でした。
なにもかもが真逆で、だからこそ友人となれたのかもしれません。(なりたかったのかもしれません。)
だから、僕がもし死んでも、君は生き残るのだと思います。
そんな予感がしているのです。
さて、僕の長々しい話しは疲れると以前君にも言われたので、この手紙を締めくくろうと思う。
どうか乱筆を許して欲しい。
読書は確かに趣味だったが、手紙は範疇でないのでね。
また君と酒を飲めたらと思う。
あの時のようにね。
結婚式には是非呼んでください。
それではまた。
敬具
52:緑メ:10/11/2 16:34 ID:aFLpXIlUeE
男「やあ、久しいね。元気そうで何より。」
下官「少佐殿こそ、お元気そうで。」
男「やめてくれよ、その少佐殿っていうの、耳慣れない。」
下官「しかし」
男「今はただの男でいいさ。君と歳もそう違わない。そして今は、戦争中じゃない。」
下官「わかりました。男殿。」
男「それでいい。さて、店まで暫し歩こう。もう皆待っているだろうから。」
53:緑メ:10/11/2 16:44 ID:Ams6nMNmjg
下官「あれから一年ですか」
男「時とは目まぐるしいね。」
下官「未だ…夢に出る事があります。あの日の光景が。あの時の声が。」
男「俺もだ。」
下官「でもそれは陰惨な光景でなくて、」
男「大三大隊で笑い合っていた頃の。…」
下官「…男殿、坊ちゃんはお元気ですか?」
男「ああ、元気だよ。」
下官「確か名前は友人から貰われたとか。」
男「そうだね、親友から。君は知らないかもしれないが、第三大隊の少尉だった男さ。」
下官「では、坊ちゃんは私の上官ですね。」
男「はは、今度是非面倒を見に来てやってくれ。…さて、着いたな。」
下官「ええ。」
店の暖簾をくぐると、懐かしい顔ぶれの中に、同期や上官…友の顔が、いるような気がした。
54:緑メ:10/11/2 16:50 ID:EKSJzxcqmM
そして彼等の北の物語は此処で終わりを迎えた。
しかし戦争はそれだけで終わる事もなく…
二度、三度と繰り返していく。
そう、これは戦争なのだ。
55:緑メ:10/11/2 16:54 ID:vs1J6Bpbok
雑な構成、雑な文章、味のないキャラクターたちでお送りしました。
暇がありましたら締め切りまでに番外等書きに来るかもしれませんが一先ずこれで終結です。
お付き合いいただきありがとうございました。^^
56:緑メ:10/11/2 17:09 ID:SFi0c66N7.
すみませんwww>>41から第二大隊が第三になってるwww
第二で統一ですすんませんwww
57:緑メ:10/11/3 04:21 ID:1Z/UsIW8Is
夏の匂いだった。
酷く水気を含んだこの国の、暑い夏。
彼は僕の横で青草に身を投げ出していた。
読書を楽しむ空間としては些か寝息が耳に付きすぎるが、どうも身動きが取れぬままに僕はまたページをめくる。
彼のさも気持ちよさ気な眠り込みぶりは呆れると同時に、諧謔味を込めての尊敬に値するものであった。
所謂「嫌われもの」の傍で、友人のように気を許す彼。
自分で言うのもどうかと思うが、付き合いの悪い僕に友人はいない。
そしつ独りでいる事を決め込んで勉学に励んだ結果が、成績優秀者という評価。
その二つの事象が重なると、どうやらねたみを生むらしい。
彼の成績もまた、僕と肩を並べる程であったが、友人が多いという事実が僕との大きな違いであった。
彼には愛嬌と優しさがあった。それは軍においての「甘さ」というそれであった。だから彼は、優秀な将侯にはなれど、実質的に戦争が起きない限りは出世などしないのだろう。
(戦場ではこういう奴が、真っ先に死ぬのだが。)
あらぬ事を考えたと目を彼に向けると、がちりと目があった。
「何を考えていたの?」
声は彼の起き上がるに任せ少し潰れていたが、確かに「面白い」といった含みが聞いて取れた。
「僕は本を読んでいただけだが。」
なんだ、いつ起きたんだ。
「俺、最初から起きてたよ。考え事してたんでしょう?ほら、本に葉っぱが落ちてるのにも気付かない程。」
見透かすような言葉に心臓が跳ねる。
焦りなどは見せぬよう本に視線を戻すと、成る程、風で落ちたらしい葉が文章を隠していた。
僕は諦めて息をつくとその葉を栞代わりに本を片手で押さえ閉じる。
ああ、嫌だ。
僕は己の小胆さに気付いてしまう。
「随分と深刻そうだったね。」
彼は自分の眉間を指でとんとん、と指し僕の眉間にシワがよっていたらしい事を知らせた。
58:緑メ:10/11/3 04:22 ID:1Z/UsIW8Is
僕はついとそっぽ向いて空を仰いだ。
「大した事じゃあない。」
立てた膝に組んだ腕を乗せそこに顎を置く、というのが僕が人前でする最も寛いだ姿勢なのだが、
脚を放り出して体をやや反らし後方に手をつくという対極とも言える姿勢で寛ぐ彼を見ると己の卑屈ささえ見えてしまうようで腹が重い。
「ねえ俺、君はいいやつだと思うよ。」
心臓が跳ねた。
「いつも真面目だし、余計な事は言わないし、何より、賢い。」
明るい顔で突然何を言い出すのかと思えば!
僕は卑屈な笑い声を漏らして云う。
「それは上官に逆らえないだけだ、楽しい話題など提供できないから話しに行っても仕方がないし、例え人殺しの手筈に長けていたとしても、それはただの殺人犯たる伏線でしかない。」
失言。賢いというのは、僕と彼との唯一の共通点であったのに。
59:緑メ:10/11/3 04:22 ID:1Z/UsIW8Is
彼は小さく笑い声を漏らしながらにやりとした口元で驚くべき事を告げた。
「君、そういった所が女学生の間で人気であると知っているのかね?」
上官の諭し言葉のようなそれは、上官の諭し言葉とは正反対の戯れを持って僕に投げ掛けられた。
「はぁ」
赤面しているのが嫌でも解る。
熱い顔は動揺の証かと思えば、平静を取り戻そうと必死になる。
「えぇと、俺の幼なじみに聞いた話しね。」
彼も赤くなるところを見ると、どうやら彼は彼の幼なじみと恋仲か、恋慕の真っ最中であると知った。
男二人が草原で、何を赤くなっているのか。
酷く蒸す。
「…君、幼なじみとは恋仲なのか?」
僕は調子を整え、形勢逆転とばかりに問い掛ける。やられっぱなしは気に食わない。
「っ、え」
妙な驚嘆で慌てる彼を見るや、どうやらまだ恋仲では無いらしい。僕はしてやったりと笑んで、純だなあ。と自分を棚に上げて、一言。
「いや、うん…うん。」
曖昧な言葉を吐けきながら仰向けに倒れ込む彼が、妙に近く感じられた。
(そうかこれが)
「君もね。」
(親しみを込めて吐かれる言葉の心地よさなのだ。)
僕も彼に倣って青草に倒れ込む。
視界を埋め尽くした暖かい空の青さが
平和な春だと伝えていた。
(友達、というものも悪くない。)
まだ1●歳の二人。
60:緑メ:10/11/3 04:26 ID:EKSJzxcqmM
(※>>55迄がSSです。それ以下は緑メ趣味で続いてしまっていますwwwすみませんwww)
戦争というより
その時代を生きている人々の
懸命な生涯が大好きだが大丈夫か?
61:名無しさん:10/11/3 21:04 ID:bq2VMJZUxk
素晴らしい
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