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真紅「いってらっしゃいジュン」

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Part2
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:07:28.02 ID:bQCONE5o0
「ジュン君が五、六時限目を無断で欠席!?」
 のりは大声を上げて驚く。
「ええ」
 のりとは対象に、巴は冷静に話を続ける。
「一週間ほど前にも同じようなことがありました。
 でもその時はまだ再登校を始めたばかりだからと不思議には思わなかったんです」
 ジュンが始めてあの男子たちに暴力をふるわれた日のことである。
 しかし、それを知るのは当事者だけだ。
「毎日休まず登校していたから、もう学校にも慣れただろう。そう思っていたんです。
 でも今日、彼は午後からの授業に出なかった」
「でも……」
 真紅が二人の間に入る。
「ジュンはいつも通りの時間に帰ってきたわ」
「じゃあジュン君は五、六時限目をやっている時に、別の場所で時間を潰してたのね」
「多分学校から近いところでその時間を過ごしていたと思います。
 六時限目終了時点で、彼の荷物は教室にありましたから。
 きっと放課後、教室に誰もいなくなってから荷物を持って帰ったのでしょう」
「なんでジュン君はさぼったりしたのかしら……」
「ねぇ、ジュン君が帰ってきたとき、どこかおかしなことに気付かなかった?」
 巴は、ジュンの帰宅を迎えたドールたちに問いかける。
「……あ!」
 三体が同時に声を上げた。
「あったのね?」
「ジュンのほっぺに痣ができてたのよー」
「殴られた痕みたいだったですぅ」
「クラスメイト同士の喧嘩の仲裁に入って巻き込まれた、とジュンは言っていたわ」
 三体の話を聞き、巴の顔色が変わる。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:11:43.65 ID:bQCONE5o0
「私は彼と同じクラスだけれど、今日一日、クラスで喧嘩なんて起きなかった」
「!?」
「じゃあ……」
「彼は、嘘をついている。彼は喧嘩に巻き込まれたりなんかしていない」
 巴は、そう言い切った。
「つまり、別の原因で頬の痣ができたってわけね」
「チビ人間ってば、翠星石たちに嘘ついてたわけですか」
「な、なんでジュンが嘘つかなきゃならなかったの?」
「きっと、今日授業をサボったことに関係しているはず。彼は、今部屋に?」
「うん。でも……」
 のりは言葉を濁す。
「でも?」
「ジュンはもう寝かしてくれと、部屋には入ってこないで欲しいと、そう言ったわ」
「そんな。それじゃ話を聞けないわ」
 巴は少し、うなだれる。
「こうなったら扉をぶち破ってですねぇ」
「翠星石ー駄目なのー!」
「…………」
 沈黙が、桜田家の居間を包み込む。
「今日はこれで帰ります」
 巴が沈黙を破って立ち上がった。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:14:02.49 ID:6ySq9gdBO
なんかこっちまで鬱になってきた・・・orz

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:15:16.57 ID:bQCONE5o0
「明日の朝でもいいので、ジュン君から色々と聞いてみてください」
「うん。わかったわ」
「それじゃあ」
 巴は玄関へと向かっていく。
 のりとドールたちはそれを見送った。
「さて、チビ人間からなんとか聞き出さなきゃならないですねぇ」
 午後八時。夕食を食べ終わり、のりは洗物をし、ドールたちは居間でくつろいでいた。
「だから駄目なのー! ジュンは寝てるんだから」
「で、でもですねぇ」
「だったら夢の世界から会いに行けばいいじゃない」
「! そ、それですぅ」
 翠星石は手をパチンと叩く。
「それなら眠りを妨げることにはならないでしょう。ね、雛苺」
「わかったのよ」
「さっそくいくですよ。スィドリーム」
「その前に少し聞いて」
 真紅は階段を駆け上がろうとする翠星石を制止する。
「無理にたくさん聞かないこと、これだけを肝に銘じておいて。
 逆にそれがジュンの負担になってしまうかもしれないから」
「わかったですぅ」
「なのー」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:18:57.07 ID:bQCONE5o0
 ドールたちはジュンの部屋に入る。
 ジュンはベッドの上ですやすやと寝ていた。
「スィドリーム」
 翠星石の指示で、スィドリームが夢の扉を開く。
「さあ行くですぅ」
 ドールたちはジュンの夢の中へと入っていった。
「凄いわね……」
「たけーですぅ……」
「うゅ……」
 ドールたちの目の前に、机の山がそびえ立つ。
「見たことあるわ。これは、学校に置いてある机ね」
「なんでそれがこんな山のようにあるですか?」
「ここはジュンの夢よ。学校が今のジュンの精神に大きな影響を及ぼしているに違いないわ」
 真紅は机の山を見上げる。
 てっぺんに、何か机とは別のものが見えた。
「上に何かあるわね。いってみましょ」
 そう言って、真紅は頂上に向かって飛び始める。
「あーまってぇ」「まつですぅー」
 雛苺と翠星石も、慌てて真紅の後を追った。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:22:14.27 ID:bQCONE5o0
 頂上に近づくにつれて、真紅の見た“それ”の容貌が明らかになっていく。
「あれは……ベッド?」
 頂上にあったもの。それはベッドだった。
「これは……」
 頂上に着いた真紅は、そのベッドを見て驚いていた。
「追いついたですぅ」
 翠星石と雛苺も頂上へとたどり着く。
「何があると思ったらベッドで……なんですかこれは」
 翠星石はベッドを凝視する。に
 ベッドの上には無数の茨がアーチ状生えており、周りを多い尽くしていたのだ。
「まるで寝てる人を守ってるみたいなの」
「寝てる人を……まさか」
 真紅は茨を掻き分けて中を見ようとする。
 必死に掻き分けても、小さな隙間しか開かない。
 しかし、それでも中にいる人物を確認するには充分な隙間だった。
「ジュン!」
 茨の中で寝ていたのは紛れもない桜田ジュン本人だ。
 ジュンの夢の中だから当たり前なわけなのだが。
 真紅は何度もジュンの名前を呼ぶ。
「う……ん……?」
 しばらくして、ジュンが目を覚ます。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:24:40.17 ID:JaBkgy0qO
巴はJUNなんかほっといて俺の嫁になるべき

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:25:37.29 ID:bQCONE5o0
「ジュン、これはいったい――」
「なんでここにいるんだよ」
 真紅の言葉を遮り、ジュンは厳しい口調で言う。
「あなたが心配だから来たに決まってるでしょう」
「お前たちに心配されるような覚えはないぞ」
「あるわよ。巴から聞いたわ。今日、クラスで喧嘩なんか起こらなかったって」
 沈黙。ジュンは口を閉ざす。
「それに、午後の授業にも出なかったんでしょう?」
「……だからなんだ。ちょっとした反抗期だよ」
「じゃあ頬の痣の説明をしてちょうだい」
「不良に絡まれたんだよ。これで満足か? もう出てけ!」
 そう言ってジュンは布団を頭まで被り、何も言わなくなった。
「ジュン……」
 真紅の後ろで翠星石と雛苺が心配そうに見ている。
「ここまでね」
 真紅は茨の隙間から顔を離して言った。
「そっとしておいてあげましょう。さ、戻るわよ」
「あ、ちょーっと待つですぅ」
「何なの翠星石」
「ちょっと寄って欲しいところがあるですぅ」
 そう言って彼女は出口とは別の方向へと飛んでいく。
 その手には庭師の如雨露が握られていた。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:29:19.45 ID:bQCONE5o0
 翌朝。
 朝食の間、ジュンとドールたちに会話がなかった。
 夢での出来事で気まずい部分があったのだろう。
「それじゃ言ってくる」
 ジュンは鞄を持って玄関に向かう。
 そして、いつもよりも学校に行く前の不安がないことに気付く。
 まるで、自分の心が少し、強くなったような。そんな感覚。
「いってらっしゃいなのー」
 雛苺が慌てて玄関まで駆けてきた。
 見送りだけはしたかったのだろう。
 続いて真紅と雛苺も玄関に駆けつける。
「いってらっしゃいですぅ。無理すんなですよ」
「昨夜はごめんなさいね。いってらっしゃい」
 ――ああ、そういうことか。
 夢。ドール。心。ジュンはいつもより不安がない理由に気付く。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:34:18.72 ID:bQCONE5o0
「翠星石」
 ジュンは翠星石の前までいくと、「ありがとな」そう言って頭を撫でた。
「な、なにしやがるですかいきなり!」
「あー翠星石ばっかりずるいのー!」
「ああ、お前もありがとな」
 そう言って今度は雛苺の頭も撫でる。
「えへへー」
「お前も」
 最後に、真紅の頭を撫でる。
「わ、私は別にしてほしいだなんて――」
「心配かけてごめんな。もう大丈夫だから」
「…………ええ」
 真紅は顔を真っ赤にして俯く。照れているのだろう。
「す、翠星石だけじゃねーのですか……このチビッ」
「なんか言ったか?」
「な、なーんにも。なーんにも言ってねーですぅ!」
「そうか。それじゃあ」
 ジュンは玄関の扉を開ける。
「いってきます」
 ジュンは学校に向かって歩き出した。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:38:21.70 ID:bQCONE5o0
 学校に着き、ジュンはまず巴のもとに向かった。
「おはよう柏葉」
「おはよう」
「昨日、家にきたんだって?」
「ええ。桜田君、午後の授業いなかったから」
「心配かけてごめん。皆が思ってるほど、大変なわけじゃないから」
「ううん。いらないおせっかいだったかもね」
「そんなことないさ」
 
 二時限目の授業が終了する。
 休み時間、珍しくジュンは寝たふりをせずに過ごしていた。
「よう、桜田」
 後ろから後頭部を指で弾かれる。
 ジュンをいじめる男子二人だった。
「今日の昼休みもよ、いつものところこいよ」
「……ああ」
 ――今日こそ。変えないと。
 いつもより、少し強くなった自分の心に誓う。
 ――今の状況を。そして今の自分を。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:42:25.61 ID:bQCONE5o0
 昼休み。
 ジュンは給食の片付けを終えると、校舎裏へと向かう。
 巴はその様子をプリントをまとめながら見ていた。
 ――いつも昼休みいなくなるけど、何をしているんだろう。
「ねぇ巴ー」
 クラスメイトの女子が巴に声をかける。
「ちょっと手伝ってほしいんだけどさぁ」
「なにを?」
「園芸委員の仕事なんだけどさ。もう一人休んでてさ」
「うん、いいよ。でも先生にちょっと仕事頼まれてるからそれ終わったらでいい?」
「全然いいよ。教室にいるから終わったら声かけて」
「わかった」
 そう言って、巴はまとめたプリントを持って職員室へと向かった。
 昼休みになる少し前の桜田家。
 ドールたちは今で話し合いをしていた。
「ジュンが大丈夫だといっていたけれど、やっぱり気になるわね」
「真紅は朝からずっとそわそわしてたですもんね」
「やっぱり頬の痣になにかあるはずよ。昨日の不良に絡まれたも多分嘘ね」
「どうしてわかるのー?」
「ジュンは私の媒体よ。指輪で繋がっているから思考も多少はわかってしまうのよ」
「そ、そうだったんですか?」
「あら、あなた気付いてなかったの?」
「い、いや気付いてたですよ? ジュンはいっつも心の中で翠星石のことを可愛い可愛いと……」
「…………」
「…………」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:47:04.69 ID:bQCONE5o0
「おふざけはここまでにしておいて」
「な、なにがおふざけですか!」
「翠星石ったら顔真っ赤なのよー」
「うるせーですぅおばか苺」
「いいから聞きなさい!」
 真紅が珍しく声を荒げて、翠星石と雛苺は黙りこむ。
「きっとあの痣は学校でできたものよ。そして授業をサボったことと関係している」
「ここまでの予想は昨日と変わらないですね」
「巴は、一週間前にもジュンが午後の授業をでなかった時があったと言ったわよね?」
「確かに言ってたのよー」
「前回も今回も午後の授業という共通点があるわ。つまり」
「つまり?」
「午後の授業の前、いわゆるお昼休みに何かがあると私はみたわ」
「な、なるほどですぅ」
「すごーい。くんくんみたいなのー」
「だから今日のお昼休みの時間、学校に偵察に行こうと思うのよ」
「翠星石もいくです!」「ヒナもー!」
「そう言うと思ったわ。あと数十分でお昼休みのはず」
 真紅は玄関へと向かう。
「行くわよ。ジュンを助けに」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:52:21.00 ID:bQCONE5o0
 ジュンが校舎裏の花壇に着くと、いつも通り、男子五人が待ち構えていた。
「今日は何? お金はもうないぞ」
「いや、お金はいいんだ。それよりも大事な話があるんだよ」
 そう言って同じクラスの髪を逆立てた男子がジュンの肩に手を回す。
「俺の姉ちゃんがお前の姉ちゃんと友達なのは知ってるだろ?」
「ああ」
 ジュンは自分が引きこもる前の記憶を引っ張り出し、返事をする。
「それでよ。昨日お前の姉ちゃんの写真を見せてもらったんだよ」
 そう言って、ポケットから一枚の写真を取り出す。
 その写真には、ラクロスのラケットを持ったのりの姿が映っていた。
「お前の姉ちゃんさ、すっげぇスタイルいいよなぁ」
 男子は写真を見ながら下品な笑みを浮かべて言った。
「俺なんてけっこう好みだぜ」
 前方の四人のうちの誰かが言った。
 短髪の男子は巴に好意を持っているので、他のクラスの男子だろう。
「そこでお前にお願いがあるんだけどよ」
 ジュンに顔を近づけて、言う。
「お前の姉ちゃんと一発ヤらせてくれよ。な?」
 ――こいつは何を言っているんだ。
「相当なブラコンなんだろ? お前から頼んでくれよ。俺らもそろそろ童貞卒業したいしよ」
 ――姉ちゃんを侮辱するな。
「いいだろ? この身体つき、抱いてくださいって言ってるようなもんじゃねーか」
 ゴッ。
 鈍い音と共に、ジュンに肩をまわしていた男子は地面に倒れた。
 その様子を、ジュンは拳を握り締めながら見ていた。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:56:51.31 ID:bQCONE5o0
「桜田てめぇっ」
 他の四人がこちらに向かってくる。
 ――許さないぞ。
 ジュンはのりを侮辱されたことにより、今までにないくらいに憤怒していた。
「うおおおおおおおおおお」
 自ら四人に突進し、内一人を吹き飛ばす。
 そして拳を握り締めて、両腕をむやみにふりまわす。
 何回か他の男子に当たっていたが、効果的なダメージは与えられない。
 ジュンのわき腹に蹴りが入る。
 地面に向かって横っ飛びに倒れる。
 その様子を、ジュンが最初に殴った男子が見下ろしていた。
「上等じゃねえか」
 その口からは血が流れている。
「歯ぁ一本抜けちまったよ。どうしてくれんだ。あ?」
 ジュンの頭を思い切り踏む。
「ぐうぅぅ」
 ジュンは起き上がろうとするが、他の男子二人がジュンを組み伏せてそれを阻止する。
「やめなさい!」
 場違いな女性の声が花壇に響く。
 ――なんで、なんでここでこの声が聞こえるんだ。
「ジュンをいじめちゃ駄目ぇぇぇ!」
「おめーらしばき倒してやるですぅ」
 ――なんで、なんでここでお前たちの姿を見なければいけないんだ。
 花壇のそばにあるフェンス。赤、緑、ピンクの影。
 その上には見慣れた三体の人形が立っていた。
「私の下僕を、ジュンを離しなさい!」
 ローゼンメイデン第五ドール真紅。第三ドール翠星石。第六ドール雛苺。
 彼女たちが校舎裏に現われた。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:59:07.39 ID:+f/CLh410
これは・・・逆効果じゃ・・・・

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 22:59:42.48 ID:385RTw6m0
下僕とか言っちゃもうおしまいだろ

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:00:21.44 ID:bQCONE5o0
「なんだ、アレ? 人形か?」
「人形が喋るかよ」
「どう見ても人間じゃねーだろ。かなり精巧にできてるけどよ」
 男子たちがドールをみて次々と声を上げる。
「なんでここに来たんだよ!」
 ジュンは真紅に向かって、ありったけの声で叫ぶ。
「あなたが心配だからに決まってるでしょ!」
 負けじと真紅も大声で返す。
「おい、あの人形桜田のか?」
「……しらない。あいつらは僕と関係ない」
「嘘付け」
 ジュンを組み伏せる男子は、関節を決めてジュンに痛みを与える。
「やめなさい!」
 ドールたちはそれを見てジュンを助けようとする。
「ちょーっと待った待った」
 しかし、三人の男子がそれを拒み、それぞれがドールたちを捕まえてしまう。
「離しなさいこの下衆!」
 真紅は巻き毛を鞭のようにしならせ、相手にぶつけた。
 しかし、真紅を離そうとはしない。
「いってぇな。人形ごときがたてついてんじゃねーよ」
 男子は、真紅の頭を掴むと、地面へと叩きつけた。
「真紅!!!」
 ジュンと翠星石、雛苺が同時に声をあげる。
 しかし、そんなものお構いなしといった様子で、男子は真紅の頭を踏んだ。
「やったわね……」
 怒りに震える真紅。
 その手から薔薇の花びらを何枚も出す。
「おっと、変なことしようもんなら」
 男子は真紅の頭を掴み、ジュンの方を向かせた。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:00:30.80 ID:cc771BVX0
面白い展開になってきた

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:01:33.73 ID:+JCKE3uk0
鬱endは苦手なんだぜ?


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:03:40.33 ID:385RTw6m0
そのまま真紅殺していいよ

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:04:12.71 ID:xs7TIlcz0
>>71
お前って奴は

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:04:21.59 ID:bQCONE5o0
「ああああああああああああああ」
 ボキッという鈍い音。
 ジュンの左腕の骨が折れた音だった。
「ジュン!」
「変なことしたらよ。あんなもんじゃ済まないぜ」
 組み伏せている男子は、次にジュンの右腕を固める。
「場合によっちゃあ両手足全部ボッキボキにしちゃうぜ?」
「くっ……」
 薔薇の花びらが、地面に落ちる。
 攻撃をしたら、ジュンが怪我をしてしまう。
「あ、いいこと考えたー」
 そう言って、男子は真紅の身体を持ち上げた。
「別に身体的苦痛じゃなくてもいいよなぁ」
 嫌な笑みを浮かべて、真紅の右腕を撫でる。
「桜田はこの人形がすげえ大事みたいだからさぁ」
 撫でるのをやめ、二の腕をぎゅっと掴む。
「この人形をめちゃくちゃにすることにするわ」
「おい……やめろ……」
 ジュンの顔が青ざめていく。
 真紅が何をされるか気付いたのだろう。
「やめろおおおおおおおおおお」
 バタバタともがくが、二人に押さえられている状態では、何の意味もない。
「まず一本目~」
 ぶちっ。
 あまりにもあっけない音。
 真紅の身体から右腕がちぎれた。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:05:20.71 ID:jhRwBBE80
うわああああああああああああああああああああああ

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[sage] 投稿日2008/09/23(火) 23:05:28.32 ID:MaRzJBwx0
ぎゃ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:[] 投稿日2008/09/23(火) 23:06:50.51 ID:+f/CLh410
もうジュとかどうでもいいから殺せよこいつら

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