レイ「碇くん、あれとって」シンジ「はい」ミサト「……」
Part5
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:06:15.12 ID:m26yZZhU0
《リビング》
ミサト「で、レイの好物ってなんなの?」グビグビ…
シンジ「えーっと……」 カサカサ…
ミサト「……」プハー
シンジ「……」
ミサト「……」パクッ ポリポリ…
シンジ「……」カアア…
ミサト「?……どしたの? シンちゃん」
シンジ「……」プルプル…
ミサト「シンちゃん?」
シンジ「えっ!? ……な、何ですか!?」
ミサト「だーかーらー。レイの好物ってなに? あたしにも見せてーー」
シンジ「いっいえ! あの……そっ、そうだ宿題やらなきゃ!ーー」ドタドタ……バタン
ミサト「???」
アスカ「はぁ、長湯しちゃったわ……アンタのせいよ!」
レイ「ごめんなさい。ーー葛城一佐、お風呂、空きました」
ミサト「そう、ありがと」
アスカ「あら? ナナヒカリは?」
ミサト「えー? 部屋に帰ったわよ。宿題やるって」
アスカ「ふーん?」
レイ「……」
ミサト「そういうアスカとレイはいいの?」
レイ「終わりました」
アスカ「えっ? あっ、やばっ」パタパタパタ…バタン
ペンペン「くぉ……」プルプルプル…
スタスタスタ…
シンジ「……」
レイ「碇くん?」
シンジ「! あっ綾波……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:06:45.01 ID:m26yZZhU0
ミサト「あら? シンちゃん、もう終わったの? 先におフロ入るー?」
シンジ「えっ? いえ、ミ、ミサトさん、お先どうぞ」
ミサト「そう? んじゃお先にー」スタスタ……
レイ「……」
シンジ「あの綾波……こ、これ……」スッ
レイ「……何?」スッ
シンジ「返事! その……返事、書かなきゃと……思って」
レイ「……」
シンジ「よっ……読んで……くれたらいいなって……」
レイ「そう……そうする」パタパタ……パタン
シンジ「……」ソワソワ……
ジャーー……キュッ
シンジ「……」ゴクゴクゴク……
アスカ「はぁー、休憩休憩っと」
シンジ「……」プハーッ
アスカ「アンタ、何やってんの?」
シンジ「べ……別に」
ミサト「あー、やっぱ風呂は心の洗濯ねー。 シンちゃん、空いたわよ」
シンジ「あ、はい」スタスタ……
アスカ「ふんふんふーん♪」
ミサト「なんか、嬉しそうね」
アスカ「べ、別に……」
ミサト「……ここに来てよかった?」
アスカ「うーん……そうね……」
ミサト「……」
アスカ「なんかね、イライラしてたのよ。……でも、ここに来てから、そんな気分になることが少なくなったかな」
ミサト「どうして?」
アスカ「ナナヒカリとエコヒイキばっかり、何か通じ合ってるみたいだったから」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:07:12.51 ID:m26yZZhU0
ミサト「……」
アスカ「何でそんな気持ちになるのかわからないけど……とにかく、何かこう、胸が締め付けられるような、そんな感じだったから」
ミサト「アスカ、あなた……」
アスカ「だけど、ここに来て、アイツらが何でそんなに親密なのか、ちょっとは分かった気がする」
アスカ「そしたら、前みたいに嫌な気分にならなくなったかなって」
ミサト「そう」
アスカ「まあ、嬉しいって言えば嬉しいかな」
ミサト「そっか」
アスカ「でも……まだ時々、イラっとするけどね」
ミサト「どんなとき?」
アスカ「……ナナヒカリが、アタシの考えてることに気が付かないとき……かな」
ミサト「そう」ニコ
シンジ「ミサトさん、洗濯機かけちゃっていいですか?」
ミサト「あー、お願いするわ」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「……お茶?」
アスカ「……そ」
シンジ「そっか。ちょっと待ってて。すぐに用意するから」
レイ「碇くん」スタスタ
シンジ「あっ……綾波」
レイ「……」ニコ
シンジ「そっか」ホッ
レイ「……」
アスカ「エコヒイキ?」
レイ「何」
アスカ「……お茶?」
レイ「ええ。でも、大丈夫ーー」
アスカ「何よ、アタシの淹れたお茶が飲めないってぇの?」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:07:43.99 ID:m26yZZhU0
レイ「……ありがとう」
アスカ「ふん!」
シンジ「♪~」
アスカ「はぁ……宿題めんどくさ……ナナヒカリ?」
シンジ「自分でやりなよ。この前、僕がノート貸して答え間違ってたら怒ったくせに」
アスカ「間違えるほうが悪いんでしょうが」
シンジ「……歯磨きして寝よっと」
レイ「……」
《洗面所》
シンジ「……」ジャー…キュッ
レイ「碇くん」
シンジ「え? あっ……」
レイ「……」チュッ
シンジ「あ、あやっ!……」
レイ「……」ニコ
シンジ「……」チュ…
レイ「!」ドキッ
シンジ「おやすみ」
レイ「おやすみなさい」ポカポカ
《リビング》
シンジ「……」スタスタ
アスカ「おやすみー」
シンジ「おやすみ。式波……」
アスカ「分かってるわよ……」
シンジ「そ、そう」
アスカ「徹夜はしないってば」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:08:28.48 ID:m26yZZhU0
シンジ「な……ならいいんだけど」
レイ「……」スタスタ
アスカ「さっさと寝なさいよ」
シンジ「うん……おやすみ」
アスカ「おやすみ。エコヒイキも」
レイ「……おやすみなさい」
《その夜 ミサトの部屋》
ミサト「え?」
アスカ「もう十分だと思うわ」
ミサト「でも……」
アスカ「ま、こんなもんじゃないかしらね、今のところは」
ミサト「そう……いいのね?」
アスカ「うん。ありがと、短い間だったけど」
ミサト「シンちゃんとレイには……言ってないわよね?」
アスカ「ええ」
ミサト「ずっと一緒にいても……」
アスカ「それだと、ナナヒカリに頼っちゃいそうな気がするから……それに……」
ミサト「それに?」
アスカ「今度は一緒に住んでいなくても、最小限の言葉で意思疎通が出来るのか調べてみたいのよ」
ミサト「まぁ……アスカがそういうなら……」
アスカ「決まりね」
《翌日》
アスカ「ナナヒカリ、世話になったわね」
シンジ「なんだか急な話でアレだけど……」
レイ「もう帰ってしまうの?」
ミサト「もう十分だろうってリツコが。それに碇司令も私にだけ負担をかけるわけにも……って」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:09:47.15 ID:m26yZZhU0
シンジ「そう……ですか……」
アスカ「何言ってんの、どうぜ本部で一緒になるでしょ」
シンジ「うん。それじゃあ」
レイ「……さよなら」
アスカ「じゃあね」
ミサト「じゃ、アスカを送っていくから」
バタン…
シンジ「はい」
レイ「せっかく、あの人のことが少し分かった気がしたのに……」
シンジ「綾波……」
レイ「わかってる」
《ネルフ本部 アスカの宿舎》
ミサト「それじゃあ、私の家に置いてあるアスカの荷物は明日中に届けさせるから」
アスカ「よろしくー」
ミサト「といっても、そんなにないけどね」
アスカ「まあね」
ミサト「それじゃーー」
アスカ「ミサト?」
ミサト「どうしたの?アスカ」
アスカ「何だか……ミサトと2人で話がしたくってさ」
ミサト「そう……」
アスカ「アタシは特別。アイツらとは違う。だから一人でやらなきゃならない。そう思ってた」
ミサト「……」
アスカ「元々みんなで食事ってのも苦手だし、他人とあわせて楽しいふりをするのも疲れるし、他人の幸せを見るのも嫌だったし」
アスカ「私はエヴァに乗れればよかったんだし、元々一人が好きなんだし、馴れ合いの友達はいらなかったし、私をちゃんと見てくれる人は初めからいないし」
アスカ「成績のトップスコアさえあれば、ネルフで1人でも食べていけるしね」
ミサト「……」
アスカ「でもミサトのとこで過ごしてみて、他人といるのもいいなって思うこともあったんだ。あたしには似合わないけど」
ミサト「そんなことないわよ。アスカは優しいから」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:10:46.87 ID:m26yZZhU0
アスカ「ん・・・こんな話ミサトが初めて。なんだか楽になったわ。誰かと話すって心地いいのね。知らなかった」
ミサト「この世界にはあなたの知らない面白いことで満ち満ちているのよ。楽しみなさい」
アスカ「うん。そうね。ありがと、ミサト」
ミサト「じゃあ、またあとで」
アスカ「バイバイ」
アスカ(……さてと。またここに一人、か)
アスカ(でも……今はアイツと少しは通じ合っているから……前とは違う……)
アスカ(一人って……こんなにも寂しかったかな……)
ピリリリ……
アスカ「はい。もしもし?」
シンジ『式波、もう落ち着いた?』
アスカ「なっ……ナナヒカリ!……なんで?」
シンジ『えっと……なんか寂しいって綾波が』
アスカ「え?……エコヒイキが?」
シンジ『うん……』
アスカ「あっそ。アタシもいま……さび……退屈してたとこ」
シンジ『あ、そ、そうなんだ……』
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ『なに?式波』
アスカ「……特別に『アスカ』でいいわよ。アタシもあんたのこと、『バカシンジ』って呼ぶから」
シンジ『あ、そ、そう……』
レイ『碇くんは、ばかじゃないわ』
アスカ「うっさいわね、バカレイ」
レイ『……』
アスカ「バカシンジ?」
シンジ『なに、式……アスカ』
アスカ「アタシ、アンタのこと……き、嫌いじゃないから」
シンジ『え……あ……そ、そうなの?』
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:12:01.71 ID:m26yZZhU0
アスカ「何よ、文句ある!?」
シンジ『べ……別にそう言うつもりじゃ……』
アスカ「アンタもよ、バカレイ」
レイ『……アスカ?』
シンジ『ま、まあ……僕も……嫌いじゃなくなった……かな……』
アスカ「ななな何よ!」
レイ『……私も、アスカのこと、好きだから』
アスカ「ばっ!バカレイ!……アタシは嫌いじゃないって言っただけで……」
シンジ『はは……じゃあアスカ、またあとで』
レイ『寂しかったら……また、遊びにきてね』
アスカ「しょ、しょうがないわね! 行ってやるわよっ」
ピッ…
アスカ(……アイツと繋がっていることが……今は一番嬉しい……のかな……)
アスカ(バカシンジ……)
《ネルフ本部 廊下》
シンジ「アスカー」
アスカ「バカシンジ」
シンジ「はい。牛乳」
アスカ「あんがと。でも、なんでよ?」
シンジ「アスカが泣いて水分無くなってるだろうからって、綾波が」
アスカ「な、なんですってえ!? ちょっと、バカレイ!」
レイ「……ちがうの?」
アスカ「ふ、ふん! しょうがないから、もらっとくわ!」
レイ「……」ニコ
シンジ「じゃあ、いこっか」
レイ「早く訓練を終わらせて、あれを買いに行きましょう」
アスカ「行く行く! アレを買いに!」
ーーもう言葉にしなくても大丈夫よね。分かり合えてるから
アスカ(そっか、私、笑えるんだーー)
FIN
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:13:18.13 ID:m26yZZhU0
■MEMO
・ヱヴァSS
既存SSの機体交換実験
アスカ←→レイ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 03:05:56.27 ID:lrMQ+fLd0
面白かった
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 03:24:49.19 ID:5xzfCpU60
懐かしかった
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 09:27:56.81 ID:aueaKXJ80
俺もレイと「あれ、それ」で分かりあえる関係になりたい
《リビング》
ミサト「で、レイの好物ってなんなの?」グビグビ…
シンジ「えーっと……」 カサカサ…
ミサト「……」プハー
シンジ「……」
ミサト「……」パクッ ポリポリ…
シンジ「……」カアア…
ミサト「?……どしたの? シンちゃん」
シンジ「……」プルプル…
ミサト「シンちゃん?」
シンジ「えっ!? ……な、何ですか!?」
ミサト「だーかーらー。レイの好物ってなに? あたしにも見せてーー」
シンジ「いっいえ! あの……そっ、そうだ宿題やらなきゃ!ーー」ドタドタ……バタン
ミサト「???」
アスカ「はぁ、長湯しちゃったわ……アンタのせいよ!」
レイ「ごめんなさい。ーー葛城一佐、お風呂、空きました」
ミサト「そう、ありがと」
アスカ「あら? ナナヒカリは?」
ミサト「えー? 部屋に帰ったわよ。宿題やるって」
アスカ「ふーん?」
レイ「……」
ミサト「そういうアスカとレイはいいの?」
レイ「終わりました」
アスカ「えっ? あっ、やばっ」パタパタパタ…バタン
ペンペン「くぉ……」プルプルプル…
スタスタスタ…
シンジ「……」
レイ「碇くん?」
シンジ「! あっ綾波……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:06:45.01 ID:m26yZZhU0
ミサト「あら? シンちゃん、もう終わったの? 先におフロ入るー?」
シンジ「えっ? いえ、ミ、ミサトさん、お先どうぞ」
ミサト「そう? んじゃお先にー」スタスタ……
レイ「……」
シンジ「あの綾波……こ、これ……」スッ
レイ「……何?」スッ
シンジ「返事! その……返事、書かなきゃと……思って」
レイ「……」
シンジ「よっ……読んで……くれたらいいなって……」
レイ「そう……そうする」パタパタ……パタン
シンジ「……」ソワソワ……
ジャーー……キュッ
シンジ「……」ゴクゴクゴク……
アスカ「はぁー、休憩休憩っと」
シンジ「……」プハーッ
アスカ「アンタ、何やってんの?」
シンジ「べ……別に」
ミサト「あー、やっぱ風呂は心の洗濯ねー。 シンちゃん、空いたわよ」
シンジ「あ、はい」スタスタ……
アスカ「ふんふんふーん♪」
ミサト「なんか、嬉しそうね」
アスカ「べ、別に……」
ミサト「……ここに来てよかった?」
アスカ「うーん……そうね……」
ミサト「……」
アスカ「なんかね、イライラしてたのよ。……でも、ここに来てから、そんな気分になることが少なくなったかな」
ミサト「どうして?」
アスカ「ナナヒカリとエコヒイキばっかり、何か通じ合ってるみたいだったから」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:07:12.51 ID:m26yZZhU0
ミサト「……」
アスカ「何でそんな気持ちになるのかわからないけど……とにかく、何かこう、胸が締め付けられるような、そんな感じだったから」
ミサト「アスカ、あなた……」
アスカ「だけど、ここに来て、アイツらが何でそんなに親密なのか、ちょっとは分かった気がする」
アスカ「そしたら、前みたいに嫌な気分にならなくなったかなって」
ミサト「そう」
アスカ「まあ、嬉しいって言えば嬉しいかな」
ミサト「そっか」
アスカ「でも……まだ時々、イラっとするけどね」
ミサト「どんなとき?」
アスカ「……ナナヒカリが、アタシの考えてることに気が付かないとき……かな」
ミサト「そう」ニコ
シンジ「ミサトさん、洗濯機かけちゃっていいですか?」
ミサト「あー、お願いするわ」
アスカ「……」ジーッ
シンジ「……お茶?」
アスカ「……そ」
シンジ「そっか。ちょっと待ってて。すぐに用意するから」
レイ「碇くん」スタスタ
シンジ「あっ……綾波」
レイ「……」ニコ
シンジ「そっか」ホッ
レイ「……」
アスカ「エコヒイキ?」
レイ「何」
アスカ「……お茶?」
レイ「ええ。でも、大丈夫ーー」
アスカ「何よ、アタシの淹れたお茶が飲めないってぇの?」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:07:43.99 ID:m26yZZhU0
レイ「……ありがとう」
アスカ「ふん!」
シンジ「♪~」
アスカ「はぁ……宿題めんどくさ……ナナヒカリ?」
シンジ「自分でやりなよ。この前、僕がノート貸して答え間違ってたら怒ったくせに」
アスカ「間違えるほうが悪いんでしょうが」
シンジ「……歯磨きして寝よっと」
レイ「……」
《洗面所》
シンジ「……」ジャー…キュッ
レイ「碇くん」
シンジ「え? あっ……」
レイ「……」チュッ
シンジ「あ、あやっ!……」
レイ「……」ニコ
シンジ「……」チュ…
レイ「!」ドキッ
シンジ「おやすみ」
レイ「おやすみなさい」ポカポカ
《リビング》
シンジ「……」スタスタ
アスカ「おやすみー」
シンジ「おやすみ。式波……」
アスカ「分かってるわよ……」
シンジ「そ、そう」
アスカ「徹夜はしないってば」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:08:28.48 ID:m26yZZhU0
シンジ「な……ならいいんだけど」
レイ「……」スタスタ
アスカ「さっさと寝なさいよ」
シンジ「うん……おやすみ」
アスカ「おやすみ。エコヒイキも」
レイ「……おやすみなさい」
《その夜 ミサトの部屋》
ミサト「え?」
アスカ「もう十分だと思うわ」
ミサト「でも……」
アスカ「ま、こんなもんじゃないかしらね、今のところは」
ミサト「そう……いいのね?」
アスカ「うん。ありがと、短い間だったけど」
ミサト「シンちゃんとレイには……言ってないわよね?」
アスカ「ええ」
ミサト「ずっと一緒にいても……」
アスカ「それだと、ナナヒカリに頼っちゃいそうな気がするから……それに……」
ミサト「それに?」
アスカ「今度は一緒に住んでいなくても、最小限の言葉で意思疎通が出来るのか調べてみたいのよ」
ミサト「まぁ……アスカがそういうなら……」
アスカ「決まりね」
《翌日》
アスカ「ナナヒカリ、世話になったわね」
シンジ「なんだか急な話でアレだけど……」
レイ「もう帰ってしまうの?」
ミサト「もう十分だろうってリツコが。それに碇司令も私にだけ負担をかけるわけにも……って」
シンジ「そう……ですか……」
アスカ「何言ってんの、どうぜ本部で一緒になるでしょ」
シンジ「うん。それじゃあ」
レイ「……さよなら」
アスカ「じゃあね」
ミサト「じゃ、アスカを送っていくから」
バタン…
シンジ「はい」
レイ「せっかく、あの人のことが少し分かった気がしたのに……」
シンジ「綾波……」
レイ「わかってる」
《ネルフ本部 アスカの宿舎》
ミサト「それじゃあ、私の家に置いてあるアスカの荷物は明日中に届けさせるから」
アスカ「よろしくー」
ミサト「といっても、そんなにないけどね」
アスカ「まあね」
ミサト「それじゃーー」
アスカ「ミサト?」
ミサト「どうしたの?アスカ」
アスカ「何だか……ミサトと2人で話がしたくってさ」
ミサト「そう……」
アスカ「アタシは特別。アイツらとは違う。だから一人でやらなきゃならない。そう思ってた」
ミサト「……」
アスカ「元々みんなで食事ってのも苦手だし、他人とあわせて楽しいふりをするのも疲れるし、他人の幸せを見るのも嫌だったし」
アスカ「私はエヴァに乗れればよかったんだし、元々一人が好きなんだし、馴れ合いの友達はいらなかったし、私をちゃんと見てくれる人は初めからいないし」
アスカ「成績のトップスコアさえあれば、ネルフで1人でも食べていけるしね」
ミサト「……」
アスカ「でもミサトのとこで過ごしてみて、他人といるのもいいなって思うこともあったんだ。あたしには似合わないけど」
ミサト「そんなことないわよ。アスカは優しいから」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:10:46.87 ID:m26yZZhU0
アスカ「ん・・・こんな話ミサトが初めて。なんだか楽になったわ。誰かと話すって心地いいのね。知らなかった」
ミサト「この世界にはあなたの知らない面白いことで満ち満ちているのよ。楽しみなさい」
アスカ「うん。そうね。ありがと、ミサト」
ミサト「じゃあ、またあとで」
アスカ「バイバイ」
アスカ(……さてと。またここに一人、か)
アスカ(でも……今はアイツと少しは通じ合っているから……前とは違う……)
アスカ(一人って……こんなにも寂しかったかな……)
ピリリリ……
アスカ「はい。もしもし?」
シンジ『式波、もう落ち着いた?』
アスカ「なっ……ナナヒカリ!……なんで?」
シンジ『えっと……なんか寂しいって綾波が』
アスカ「え?……エコヒイキが?」
シンジ『うん……』
アスカ「あっそ。アタシもいま……さび……退屈してたとこ」
シンジ『あ、そ、そうなんだ……』
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ『なに?式波』
アスカ「……特別に『アスカ』でいいわよ。アタシもあんたのこと、『バカシンジ』って呼ぶから」
シンジ『あ、そ、そう……』
レイ『碇くんは、ばかじゃないわ』
アスカ「うっさいわね、バカレイ」
レイ『……』
アスカ「バカシンジ?」
シンジ『なに、式……アスカ』
アスカ「アタシ、アンタのこと……き、嫌いじゃないから」
シンジ『え……あ……そ、そうなの?』
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:12:01.71 ID:m26yZZhU0
アスカ「何よ、文句ある!?」
シンジ『べ……別にそう言うつもりじゃ……』
アスカ「アンタもよ、バカレイ」
レイ『……アスカ?』
シンジ『ま、まあ……僕も……嫌いじゃなくなった……かな……』
アスカ「ななな何よ!」
レイ『……私も、アスカのこと、好きだから』
アスカ「ばっ!バカレイ!……アタシは嫌いじゃないって言っただけで……」
シンジ『はは……じゃあアスカ、またあとで』
レイ『寂しかったら……また、遊びにきてね』
アスカ「しょ、しょうがないわね! 行ってやるわよっ」
ピッ…
アスカ(……アイツと繋がっていることが……今は一番嬉しい……のかな……)
アスカ(バカシンジ……)
《ネルフ本部 廊下》
シンジ「アスカー」
アスカ「バカシンジ」
シンジ「はい。牛乳」
アスカ「あんがと。でも、なんでよ?」
シンジ「アスカが泣いて水分無くなってるだろうからって、綾波が」
アスカ「な、なんですってえ!? ちょっと、バカレイ!」
レイ「……ちがうの?」
アスカ「ふ、ふん! しょうがないから、もらっとくわ!」
レイ「……」ニコ
シンジ「じゃあ、いこっか」
レイ「早く訓練を終わらせて、あれを買いに行きましょう」
アスカ「行く行く! アレを買いに!」
ーーもう言葉にしなくても大丈夫よね。分かり合えてるから
アスカ(そっか、私、笑えるんだーー)
FIN
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:13:18.13 ID:m26yZZhU0
■MEMO
・ヱヴァSS
既存SSの機体交換実験
アスカ←→レイ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 03:05:56.27 ID:lrMQ+fLd0
面白かった
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 03:24:49.19 ID:5xzfCpU60
懐かしかった
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/24(土) 09:27:56.81 ID:aueaKXJ80
俺もレイと「あれ、それ」で分かりあえる関係になりたい
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