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レイ「碇くん、あれとって」シンジ「はい」ミサト「……」

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Part4
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 01:59:40.14 ID:m26yZZhU0
ミサト「シンジくーん!!」
シンジ「なんですか?」
ミサト「……ビール」
シンジ「もう……またですか」
ミサト「そろそろ声のトーンで覚えてくれてもいいんじゃない? とか思ってたりするのよね、私」
シンジ「そんなの、わかるわけありませんよ」
ミサト「傷つくわー」
シンジ「はい」
ミサト「ありがと」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「なに?」
アスカ「アタシも飲み物!」
シンジ「お風呂上りは牛乳でいい?」
アスカ「わ……わかってきたじゃないの」
シンジ「あ、あはは……式波、牛乳、好きだね」
《数日後 学校》
アスカ(あれからあまり進展がないわね……)
アスカ(アタシとエコヒイキにどんな差があるってのよ……?)
トウジ「おーい、いいんちょー!!」
ヒカリ「鈴原!!」
トウジ「ええやないか、別に」
ヒカリ「だめ!!」
トウジ「なんやねん!! まだなんも言うてへんやろ!!」
ヒカリ「鈴原は単純だから、顔を見れば何を考えてるか分かるから!」
トウジ「ほう? そこまでいうならーーーこの顔で何考えてるか当ててみー!!」バッ
ヒカリ「ぶっ……!! ちょっと!! 変な顔しないで!!!」
トウジ「わははは!! いいんちょの負けやな!! じゃ、あとはたのむわー」ダダダッ
ヒカリ「もう!! 鈴原ー!!」
アスカ「ヒカリ」
ヒカリ「え? なに?」

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:00:29.02 ID:m26yZZhU0
アスカ「顔を見ただけで、なんでバカジャージの考えていることがわかるのよ?」
ヒカリ「あー……えっと……。鈴原は単純だから」
アスカ「ナナヒカリでも分かる?」
ヒカリ「ええと……どうして?」
アスカ「ごっ……極秘事項よ」
ヒカリ「あ、ああ!! そういうこと!!」
アスカ「え?」
ヒカリ「そっか……アスカって碇くんのことが……」
アスカ「何よ?」
ヒカリ「大丈夫!! きっとその思いは通じてるはずだから!!」
アスカ「??……そう?」
ヒカリ「うん! でも、どうしても伝わらないことってあるから……そのときはちゃんと言葉にしたほうがいいと思うわ」
アスカ「……よくわかんないけど参考にするわ」
ヒカリ「いえいえ」
アスカ(考えてることが通じているなら……一体、何が原因なのよ? やっぱり口で言わないとアタシの考えてることは全部通じない……?)
《ネルフ本部 休憩所》
レイ「碇くん」
シンジ「うん」
レイ「ありがとう」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「はい」
アスカ「あんがと」
シンジ「今日は疲れたね」
レイ「大丈夫」
アスカ「ほんとねー。というか、ナナヒカリが変なミスするからでしょ!?」
シンジ「式波が突っ込みすぎなんだよ」
アスカ「なんですってえ!?」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:01:18.70 ID:m26yZZhU0
シンジ「ホントのことじゃないか。ミサトさんだって怒ってたし」
アスカ「アンタがモタモタしてるからーー」ハッ…
アスカ(あ、あれ?……アタシ、『ナナヒカリ』としか言ってないのに……牛乳を持ってきてくれた……)
シンジ「綾波は、あれで大丈夫だった?」
レイ「ええ。でも、それだとあれは説明がつかないわ」
シンジ「それは関係ないと思うよ」
レイ「ううん、あると思う。実戦では気を付けないとーー」
アスカ(でも……こいつらの会話にはまだ追いつけないわね……)
アスカ(今日の訓練でも、ナナヒカリはエコヒイキに対して名前しか呼んでないのに連携がとれてたし……)
アスカ「はぁ……」
シンジ「あ、ごめん! 式波!!」
アスカ「へっ?」
シンジ「ほら、綾波。式波と関係ない話してたら、式波が気を遣うから」
レイ「でも、今のはーー」
シンジ「綾波ーー」
レイ「そうね。ごめんなさい」
シンジ「ごめん、式波」
アスカ「違うわよ」
シンジ「え……?」
アスカ「アンタら二人に気なんて遣ってないわよ」
レイ「……どうしたの?」
アスカ「なんで……なんで分かんないのよ!」
シンジ「し、式波……?」
レイ「……このままでは変わらないと思う」
アスカ「……っ」キッ
シンジ「あ、綾波……」
レイ「あなたは自分から、何が好きで何が嫌いか、一切言わない」
アスカ「そ、それは……」

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:02:02.51 ID:m26yZZhU0
レイ「それでは自分の気持ちは伝わらないわ」
シンジ「ね、ねえ綾波……」
レイ「……」
アスカ「わ、悪かったわね! ……先に帰る!」
シンジ「式波!」
《ミサトのマンション アスカの部屋》
アスカ「……」
アスカ(そりゃ確かに、ナナヒカリにアタシ自身のこと何も言ってないけど)
アスカ(何よ! エコヒイキの言うとおりだってこと?)
アスカ(まずは言葉にしないと伝わらない……か……)
アスカ(アイツらも最初は言葉に出してたってこと?)
アスカ(出すだけ出したから、今は言葉が要らなくなってるってこと?)
アスカ「……」ゴソゴソ
アスカ「何でアタシがこんなこと……」
アスカ「……」
アスカ(ドイツ語で書くわけにも行かないわよね……)
アスカ「めんどくさい……」イライラ
《リビング》
シンジ「綾波」
レイ「わかってるわ」
シンジ「そう」
レイ「少し、言い過ぎたと思うから」
シンジ「僕も一緒に行こうか?」
レイ「大丈夫」
スタスタ……
アスカ「ねえ」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:02:47.85 ID:m26yZZhU0
シンジ「し、式波!?」
レイ「2号機パイロット……」
アスカ「ナナヒカリ……これ」
シンジ「え?」
アスカ「よ、読みなさいよ」スッ
レイ「……」
アスカ「いいわね!?」ダダダッ……バタン
シンジ「なんだろ……これ……手紙?」
レイ「それは……」
シンジ「え? それって?」
レイ「……」
シンジ「え? なに?」
レイ「……何でもない」スタスタスタ…
シンジ「綾波!? どうしたの!?」

  :

  :
シンジ「……どうしちゃたんだろ、綾波」
ペンペン「くぁー!!」バサバサ
ミサト「たっだいまー!! シンちゃーん!!」
シンジ「ビールなら冷蔵庫ですけど」
ミサト「いや!! 違うけど!?」
シンジ「え? じゃあ、なんで名前を呼んだんですか?」
ミサト「……いや、そこにいるから」
シンジ「……なんか、すいません」
シンジ「そうだ、さっきの式波の……」
シンジ「なんて書いてあるんだろう……?」ペラッ

『好きな食べ物:ハンバーグ… 好きな飲み物:牛乳… 嫌いな食べ物:アスパラガス… 』
ペンペン「くぁー?」


38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:03:53.52 ID:m26yZZhU0
シンジ「すごい……漢字、使ってるじゃないか」
ミサト「何それ?」
シンジ「えっ? あっ……」
ミサト「なになに……ははぁ、作戦を変えてきたのね」
シンジ「作戦って……」
ミサト「いいじゃない。アスカなりに一生懸命やってるのよ」
シンジ「でも……なんて返事しよう。難しいな」
《アスカの部屋》
アスカ「あんなんでよかったのかしらね……」ソワソワ
アスカ「ああもう! ……変な奴だと思われたら逆効果じゃないの!!」イライラ
シンジ『式波ー』
アスカ「な、なによ?」ドキン
シンジ『さっきの返事なんだけど』
アスカ「え……」
シンジ『式波、字がきれいなんだね。漢字も間違ってないし、ちょっとびっくりした』
アスカ「……」
シンジ『そ、それだけ……なんだけど……ごめん……』
アスカ「フ、フン! 当り前じゃないの!」
シンジ『そう? ごめん、そうだよね』
アスカ「で、でも、アンタにしては気の利いたコメントだったわねっ」
シンジ『……ありがとう。……ご飯ができたら呼びにくるよ』
アスカ「わかったわよ」

  :

  :
シンジ「よっと……できた」
アスカ「……」スタスタ…
シンジ「あ、式波。よくわかったね。今、呼びに行こうと思ったのに」
アスカ「えっ……な、何となくよ、何となく!」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:04:27.44 ID:m26yZZhU0
シンジ「そう……あ、そうだ」
アスカ「アタシが呼んでくるわよ」
シンジ「え? いいの?……ありがとう」
アスカ「……フン!」スタスタ
シンジ「さてと盛り付けないと」

  :

  :
トントン…
アスカ「エコヒイキ」
レイ『なに?』
アスカ「ご飯だって」
レイ『……先に食べていて』
アスカ「はぁ? 冷めちゃうわよ?」
レイ『……自分で温め直すから』
アスカ「レンジであっため直したんじゃ美味しくないって」
レイ『問題ないわ』
アスカ「意味わかんないわ。ちゃんと出来たてのを……」
レイ『……すぐ、行くから』
アスカ「アンタ、何かしてんの?」
レイ『すぐ、終わるから』
アスカ「しょうがないわね……早く来なさいよ!?」
レイ『……ありがとう』
アスカ「あっアンタバカァ!? お礼なんか言われたって、何も出ませんからね!!」
《リビング》
ミサト「あっれー? レイはー?」
アスカ「先に食べててってさ」
シンジ「どうしたんだろ、綾波……。じゃあ、式波、ミサトさん。先に食べましょうか」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:04:53.19 ID:m26yZZhU0
ミサト・アスカ「いっただきまぁーす!!」
シンジ「式波?」
アスカ「うん、悪くないわね」
シンジ「そう。よかった」
ミサト「……」
アスカ「ナナヒカリ」スッ
シンジ「あ、ありがとう」
アスカ「アンタ、いつもそれには醤油でしょ」
シンジ「な、なんか恥ずかしいな……」
ミサト(あれ……なんで私、泣きそうになってるのかしら……?)グスッ
《数十分後》
シンジ「ふんふふーん」
アスカ「ナナヒカリ」
シンジ「うん。お風呂、お先にどうぞ。綾波はまだ部屋みたいだし」
アスカ「あんがと」
シンジ「お礼なんていいよ」
アスカ「そ、そう?」
ミサト「……シンちゃーん」
シンジ「なんですか?」
ミサト「……なんでわかってくれないの?」
シンジ「はい?」
レイ「……碇くん」
シンジ「綾波? ご飯なら、そこにーーー」
レイ「これ、読んで」スッ
シンジ「え? なにこれ?」
レイ「きちんと伝えないといけないことも、あると思うから」
シンジ「伝える?」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/24(土) 02:05:34.00 ID:m26yZZhU0
ミサト「あら、レイも?」
レイ「はい」
ミサト「レイ、それはアレでしょ?」
レイ「あれ?」
ミサト「そう、アレ」
シンジ「ーーで、この手紙……」
レイ「読んで欲しい。私はお風呂に入ってくるから」スタスタ……
シンジ「あ、綾波。今はーーー」
アスカ『きゃぁぁ!!!!なんでアンタが入ってくるのよ!!!」
レイ『なぜ、あなたが入っているの?』
ミサト「ヌホホホ……えーのー、若いもんはぁ」
《浴室》
アスカ「もういいわ。脱いじゃったんなら……入んなさいよ」
レイ「そう……」ブクブク
ペンペン「くぁー……」プカー
レイ「あなたは、あの手紙に何を書いたの?」
アスカ「へ?」
レイ「私は、ああいうの書いたことが無いから……よくわからなくて……」
アスカ「あ、アタシだってわかんないわよ! 好きな物も嫌いな物もいっぱいあるし」
レイ「好きな物?」
アスカ「アンタの言うとおり、何が好きで何が嫌いなのか、一度はナナヒカリに教えとかなきゃ、だめだって思ったからよ」
レイ「……さっき碇くんに渡した手紙の内容は、それだったの?」
アスカ「そ、そうよ」
レイ「そう……」
アスカ「な、何よ……」
ペンペン「くぁー♪」スイスイ

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