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ミサト「発想を逆転させるのよ!」シンジ「!」

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Part2
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 00:02:03.20 ID:3LvjdXQR0
裁判長「べ、弁護人、固まらないで下さい!」
シンジ「え?あれ、どうかしました?」
裁判長「どうかしましたじゃありませんぞ!」
ミサト「シンジ君、あなたは今、証人の発言に異議を申し立てたのよ」
シンジ「え?い、異議?」
シンジ(そういえばなんだろうこの感じ。この頭の中に閃くような違和感)
シンジ(これが……ムジュン?)
裁判長「弁護人、これ以上黙っているようならば……」
シンジ「ま、待ってください!弁護側は異議を続けます」
シンジ「ただいまの証人の発言はこの証拠品と明らかにムジュンしています!」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 00:05:31.23 ID:3LvjdXQR0
事件ファイル
『事件概要』
シンジ「事件捜査を担当されたという絵馬刑事にお聞きしますが、この報告書、間違いないんですよね?」
エバ「は、そのはずですから」
シンジ「だとすると明らかにおかしい部分かあるんです」
エバ「おかしい部分?」
シンジ「そう。ここにはこう書かれている。『被害者は一刺しで絶命』」
シンジ「しかしあなたはたった今こう証言しました。『二度刺されたようなものでした』と」
シンジ「明らかにムジュンしてるじゃないですか!」
エバ「ぬぁっ!?」
裁判長「ほ、本当ですぞ!」
ザワザワザワザワ
ミサト「よくやったわ、シンジ君。ムジュンを見つけることが出来たわね」
シンジ「ふう、き、キンチョーしたぁ」
ミサト「これで更に情報が引き出せるわ。きっとまた新しい手がかりが見つかるはずよ」

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 00:06:50.86 ID:3LvjdXQR0
お休みなさい

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 00:17:40.45 ID:m6b53gR6O


26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 06:26:36.54 ID:kbE/Oc1zO
人類補完計画の世界改編でこうなったのか……


29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 22:28:54.70 ID:3LvjdXQR0
裁判長「これはどういうことですか!絵馬刑事!」
エバ「あ、いや、こ、これはですからね、そのつまり凶器が」
サキエル「お待ちください」
サキエル「この件については私から説明します」
サキエル「確かに洞木さんには同じ傷口を二度刺されたような痕がありました。しかしその包丁で2回刺された訳ではないのです」
シンジ「どういうことですか!」
サキエル「被害者の傷口を調べたところ、別の刃物による刺しキズがありました」
サキエル「しかしこちらはあまり深く刺さっておらず大した外傷にもなっていませんでした」
サキエル「つまりそのキズは被害者は致命傷や死因とは関係ないのです」
シンジ「そ、そんな!」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 22:34:06.20 ID:3LvjdXQR0
裁判長「それで、その刃物はどこに?」
サキエル「そ、それは現在捜索中ですが、被害者の傷の具合からしてそれほど大きなものではないようですのでこちらも既に処分されている可能性が高いです」
ミサト「……シンジ君、いくら大きなキズではなかったとしても、検察側の対応は不自然よ」
ミサト「きっとその謎の凶器の存在を後ろめたかった理由があるわ」
シンジ「……!」
シンジ(そんな、ジジツを隠そうしたのか…?)
ミサト「そこが検察側の大きな弱点なのかもしれないわね」
サキエル「しかし、他に被告人が犯人であるという決定的な証拠があるのです」
裁判長「ケッテイテキな証拠?」
サキエル「はい。そこで次は被告人、鈴原トウジが犯人であるという根拠について説明したいと思います」
サキエル「被告人に証言を求めます」
裁判長「なるほど、分かりました。では被告人を証言台に」
シンジ(今のトウジに証言させて大丈夫かな……)

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 22:38:12.45 ID:3LvjdXQR0
トウジ「…………」
サキエル「証人、名前と職業を」
トウジ「あ、えーと。ワシ、鈴原トウジ言います。その、バスケットボールチームのコーチやっとります」
裁判長「いわゆる体育会系というやつですね」
サキエル「被告人は被害者である洞木ヒカリさんとはどういう関係だったのですか?」
トウジ「ど、どういう関係いわれても……。その、一応……」
サキエル「交際をしていた、と伺いましたが?」
トウジ「…………」
シンジ(トウジの奴、やっぱりショックが大きいんだな)

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 22:44:25.20 ID:3LvjdXQR0
サキエル「聞いた話によると事件の前日、あなたは被害者の洞木ヒカリさんと喧嘩をしたとか」
トウジ「な、なんでそれを!?」
サキエル「彼女がお友達に話していたのですよ。随分こっぴどく言われたようですね」
トウジ「そ、それは……」
裁判長「ふむう、それがつまり殺害の動機と考えられると?」
サキエル「はい、その通りです」
トウジ「そんな!ワシがそんな理由でヒカリに手を上げるわけないやろ!!アホとちゃうんか!?」
トウジ「ワシとヒカリはアツアツや!ネバーラブカップルや!」
シンジ(それじゃあただの冷めきった男女だけど……ここは同意しておくか)
シンジ「僕も被告人の意見に同感です。少し酷いことを言われたくらいで人を殺す動機にはなりません!!」
サキエル「シンミツなカンケイだからこそ、ということもあります。若い男女などいつ熱くなるか分かったんものではありませんからな」
サキエル「とにかく、被告人には動機となり得る理由もあったのです。そしてもちろん、決定的な証拠も」
シンジ「……証拠、だって?」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 22:50:13.33 ID:3LvjdXQR0
サキエル「検察側の手元には被告人が今回の犯人であることを証明する動かぬ証拠が二つあるのです」
サキエル「一つは、被害者に致命傷を与えた凶器である包丁に、被告人鈴原トウジの指紋がベッタリついていたこと」
サキエル「そしてもう一つは……」
サキエル「事件当日、被告人が被害者の家にやってきていたのを目撃した人物がいることです!」
裁判長「!!」
ミサト「!!」
シンジ「…………」
シンジ「……え?」
シンジ「な、なんだってええええええええええええ!?」
事件ファイル
『包丁:現場のゴミ箱に落ちていた包丁。被害者の血の痕がベットリと残っている。トウジの指紋が検出された』

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:00:10.62 ID:3LvjdXQR0
同日11:18分 地方裁判所 被告人控え室
シンジ「うぅ……なんだかお腹が痛くなってきた」
ミサト「随分大きな爆弾を落としてくれたわね、あの検事さん」
シンジ「ど、どうなってしまうんでしょうか……」
ミサト「彼の言う証拠と証人、その両方が確かだとしたら……まずいわね」
シンジ「そ、そんな……」
ミサト「でも逆に言えば、彼が無罪なのだとしたらどちらかが間違っているということよ」
ミサト「証拠品についてはなんとも言えないけど……可能性があるとしたら検察官が呼んでくる証人でしょうね」

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:08:00.88 ID:3LvjdXQR0
シンジ「証人……どんな人なんでしょう」
ミサト「……とにかく、今あなたに出来るのは彼の無実を信じてあげることだけよ」
トウジ「…………」
シンジ「トウジ……」
トウジ「センセ、ワシは……」
シンジ「どうして言ってくれなかったんだよ。あの日、洞木さんの家に行ったの?」
トウジ「じ、実は」

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:12:37.97 ID:3LvjdXQR0
トウジ「……前の日、ヒカリと喧嘩して。それで、謝りに行こ思って」
トウジ「けど留守だったんや。せやから、美味いもん作って機嫌直してもらお思て……」
シンジ「そこで家に上がって包丁に触ったってわけ?」
トウジ「すき焼き、作ろう思たんやけど肉がなかったみたいやからそのまま包丁ほったらかしにしてな」
シンジ「買いに行ったのか」
トウジ「ああ。それで戻ってきたら警察が……」
シンジ(なるほど。つまり現場では包丁は犯人のすぐ目のつく位置にあったわけか)

37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:19:43.19 ID:3LvjdXQR0
トウジ「シンジ……ワシ、有罪になってもお前を恨んだりせんからな!」ビシッ
シンジ「え?」
トウジ「ヒカリのいない人生なら死んだ方がマシやし!」ビシッ
トウジ「どうせなら一層のこと、スッパリ有罪にしてくれや!」ビシッ
トウジ「大人しく死刑かっくらってくるから!」ビシッ
シンジ「い、いやいや!そうはいかないよ!」
トウジ「うぅ、死んでやる、死んでやるんやぁ……」

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:23:01.72 ID:3LvjdXQR0
ミサト「……鈴原君」
トウジ「!」
ミサト「シンジ君は必ずあなたを無罪にするわ。だから、ね?その後で彼女のことはゆっくり考えましょう」
トウジ「……」
トウジ「なら、その、一つ頼みがあるんやけど」
シンジ「頼み?」
トウジ「ヒカリのバッグが欲しいんや」
シンジ「バッグって?」
トウジ「ワシがあいつの誕生日にプレゼントした、赤地に白で羽のマークがある……」
シンジ「ああ、それなら証拠品として保管されてるよ。確か現場で洞木さんの近くに落ちていたんだ」

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/01(日) 23:29:35.99 ID:3LvjdXQR0
トウジ「そ、そうなんか……じゃあ?」
シンジ「少なくとも事件が終わるまでは持ち出せないね。……それにしてもあれ、トウジがプレゼントしたものだったんだ」
トウジ「ああ。ヒカリのために特注で作ったんや。世界に1個しかない奴やで」
シンジ「へえ、素敵なプレゼントじゃない」
シンジ(……そうだ。これも一応証拠品じゃないか。どうせならファイルしておこうかな)
事件ファイル
『特注バッグ:トウジが被害者にプレゼントした世界に一つしかない買い物用バッグ。かなり血に濡れていたため、白のマークが赤に染まってしまっている』
シンジ(それにしてもこれ、模様があったのか。地の色がカゲキすぎて見分けがつかないぞ……)
ミサト「シンジ君、そろそろ休憩が終わるわ。大勝負の時間よ」
シンジ「はい。行きましょう、ミサトさん」

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:09:30.21 ID:ZUl0lSUS0
同日 11:40 地方裁判所 法廷
裁判長「それでは鈴原トウジの法廷を再開します」
裁判長「検察側、証人の準備は?」
サキエル「無論、完了しております」
裁判長「よろしい。では早速呼んでいただきましょう」
サキエル「では、事件現場で被告人を目撃したという張手 イエルさんをこちらに!」
ミサト「いよいよね」
シンジ「うう……大丈夫かなぁ」
ミサト「証拠品に間違いがない以上、鈴原君が無実ならば出てくる証人の証言にはかならずムジュンが含まれるはず」
ミサト「そこを叩くのよ」
シンジ「ムジュン、ですね。分かりました」

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:13:16.10 ID:ZUl0lSUS0
サキエル「証人、名前と職業を」
バルディ「わたくし、張手 イエルと申します。その、不動産のお仕事を少々」
人物ファイル
『張手 イエル(ハルテ イエル)(36):不動産を少々やっているらしい胡散臭い男。手に包帯を巻いている』
裁判長「少々、というとどのくらい?」
バルディ「いえ、ほんのささいな程度でございます」
裁判長「ははぁ、なるほど」
シンジ(納得のいく答えだったか……?)

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:16:22.35 ID:fuipU8BRo
キャラなんていくらでもいるのにあえて人外ばかりチョイスするセンスが好き

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:20:45.46 ID:ZUl0lSUS0
サキエル「証人は他に手工芸も嗜んでいますが」
バルディ「この通り、先日少々手を怪我してしまいまして、今は休業中でございます」
サキエル「では証人、早速事件のことについて証言してもらえますかな?」
バルディ「かしこまりました」
ー証言開始ー
バルディ『わたくし、不動産関係の仕事で偶然、被害者様のアパートを訪れていたのでございます』
バルディ『するとちょうど、被害者様のお部屋を誰かが慌てた様子で足早に出ていくじゃございませんか』
バルディ『なんとなく怪しく思い、部屋の中を覗いてみたのです』
バルディ『すると、女の人が包丁を刺されて倒れていたのでございます!』
バルディ『わたくし一目散にその場から逃げ出してしまい。その後、警察に電話をしたのです』
裁判長「なるほど、これが間違いないとすれば……」
サキエル「包丁についていた被告人の指紋と合わせて決定的な証拠になります」
ミサト「シンジ君、分かってるわね?」
シンジ「はい、ムジュンですよね?頑張って見つけてみます」
裁判長「では弁護人、尋問をお願いします」


44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:26:07.17 ID:ZUl0lSUS0
ー尋問開始ー
バルディ『わたくし、不動産関係の仕事で偶然、被害者様のアパートを訪れていたのでございます』
バルディ『するとちょうど、被害者様のお部屋を誰かが足早に出ていくじゃございませんか』
バルディ『なんとなく怪しく思い、部屋の中を覗いてみたのです』
バルディ『すると、女の人が包丁を刺されて倒れていたのでございます!』
シンジ「異議あり!」
事件ファイル
『包丁』
シンジ「女の人が包丁を刺されて倒れていた……ですか?」
バルディ「はあ、そうでございますが」
シンジ「それはおかしいですね」
サキエル「何がおかしいというのかね。被害者の死因は確かに包丁に刺されたことによる失血死ですぞ!」
シンジ「そう。だからこそおかしいんですよ」

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/02(月) 21:32:55.32 ID:ZUl0lSUS0
シンジ「包丁は被害者の部屋のゴミ箱に捨てられていたはずだ!部屋を覗いただけのあなたがそのことを知っているはずがない!」
バルディ「ぎぇえっ!?」
シンジ「どうして被害者が包丁で刺されていると分かったんですか?」
バルディ「あ、いや、その、それは……」
サキエル「異議あり!」
サキエル「弁護人の言っていることは単なる言いがかりでありまして……」
裁判長「……」
裁判長「私にはそうは思えませんな。弁護人、続けなさい」
シンジ「はい。ここで張手さんが包丁の存在を知るには実際に部屋の中に入り込む必要があります」
シンジ「しかし血を流している死体が置かれてる部屋にわざわざ入り込むなんて有り得ません」
シンジ「張手さんの証言が本当ならば、凶器を目にする機会はなかったはずです!」
裁判長「なるほど、確かにそのとおりですね。張手さん、あなたはどうして凶器のことを?」
バルディ「ぐぬぬ……」

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