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のび太「ドラえもんが消えて、もう10年か……」

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Part7
348 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)17:07:14 ID:HP3JlSZpP
「ーーおい、野比」
「……え?あ、はい」
会社で、突然上司に呼び止められた。
何だろうかと思っていたら、上司はとある人物を指さす。
「……あいつ、どうしたんだ?」
「あいつって……」
上司の指の先にいた人物は……
「……咲子、さん?」
「そうそう。見ろあの様子をーー」
……確かに、彼女の様子は誰が見ても異常事態だった。
ソファーに座りぼんやりとしながらも、頬は常に緩んでいる。熱でもあるのかと思うくらい顔は桃色に染まっていた。
さらに一番奇妙なのは、突然真顔になったと思ったら、すぐにとろけるように顔が緩む。
(ちょっと咲子さん……)
いくらなんでも、緩み過ぎでは……
ーーと、その時。
「……なあ野比。ここだけの話だが……」
「は、はい……」
「……幸せに、してやれよ……」
「ーーーッ!?」
「ハハハ……!!部下のことなど、お見通しだよ!!ハハハ……!!」
そのまま上司は、笑いながら去って行った。
何だかんだで部下のこと、見てるんだな……
ーー誰かに漏らさないことを、切に願う。

349 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)17:25:54 ID:FLqI7U3HG
こ…これは事後か!?(;・`д・´)

350 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)17:26:04 ID:xX91kY6pF
映画では美化されてるけどしずかちゃんはのび太に酷いことしてきたよね(´・ω・`)

351 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)17:29:13 ID:HP3JlSZpP
「ーー咲子さん?咲子さん?」
「……ふえ?ーーえ!?え!?な、何ッ!?」
「いや……そんなに驚かなくても……」
「ご、ごめん!!ーーじゃなくて!!ごめんなさい!!」
「なんでわざわざ敬語に……」
「あ!う、うん……なんか、緊張しちゃって……」
仕事帰りにご飯を食べながら、そんな会話をしていた。
付き合い始めて1週間。なんか、前より会話が出来ていない……というより、なぜか咲子さんが毎回毎回一緒にいると極度の緊張状態に陥ってしまっている。
こんな彼女を見るのは、初めてだった。
「咲子さん、どうしたの?今までと大して変わらないでしょ?一緒にご飯食べてるだけだし……」
「だって……何だか凄く恥ずかしいし……それに、同じじゃないよ。だって私達……つ……つつ、つ……つ、付き合って…るん、だし……」
彼女の顔は茹でタコのように真っ赤に染まる。
……あ、頭から湯気が出てる。
「……重症だね」
「……うん。もしかして……今の私、嫌?」
「そんなことないよ。ほら、ご飯食べよ」
「う、うん……!!」
彼女は、すっかり変わった。
前まではどんどん僕を引っ張る感じだったが、今では凄まじく恥ずかしがり屋に……
トラン〇フォーマーもビックリなくらいの、メタモルフォーゼかもしれない。

352 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)17:32:48 ID:TDaksMXC4
これは事後ですわ


353 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)17:38:24 ID:pVjGq1XpE
手紙の謎が気になる

382 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)19:30:35 ID:HP3JlSZpP
「ふぅ〜……」
部屋に帰った後、一度大きく息を吐いた。
「まさか……こんなに変わるなんてなぁ……」
帰りに、咲子さんの手を握ってみた。
その瞬間、彼女は顔から火が出る勢いで真っ赤にさせ、下を向いたまま動かなくなってしまった。
……それでも、繋いだ手は決して離すことはなかった。
だから僕は、彼女を守りたいって思う。
こんな僕でも、彼女は幸せと言ってくれた。それが、とても嬉しかった。
ただ……
ーーカラン
「………」
郵便受けから音が鳴り響く。それはつまり、手紙が届いたということ。
このところ、手紙の頻度が少なくなった気がする。
定期的ではあるが、次の手紙までが間隔が空くようになった。
その理由については分からない。
とりあえず、僕は郵便受けの便箋を手に取り、中の手紙を取り出した。

386 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)19:44:02 ID:HP3JlSZpP
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
のび太くんへ
今キミは、心の中に、色んな想いがあるんだと思う。
どれが本物で、どれが偽物なのか。
キミは、それに悩んでいるんだと思う。
でものび太くん。人の気持ちは、いつも一つとは限らないんだよ。
その一つ一つが、きっとキミの本当の気持ちなんだと思う。
でも、それを全て出してしまうことは、難しいことなんだ。
人は、いつかは岐路に立つんだよ。
そこでどこに向かうのかは、その人にしか分からない。
キミもきっと、それで迷うことがあると思う。
そんな時は、キミの歩いてきた道を、一度振り返ってごらん。
そうすれば、きっと何かが見えるはずだよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(自分の道を、振り返るーーか……)
これまでの僕は、どんな道を歩いてきたのだろう。
小学生の時に彼が来て、夢のような毎日を過ごして、突然いなくなって、悲しみに打ちひしがれて……
自分の道を思い出した僕の脳裏には、彼の姿がいつもあった。
(……まるで、親離れ出来ない子供だな……)
そんな自分が何だかおかしく思えた。
今でも、無意識に彼の助けを望んでいるのかもしれない。
そんな、気がした……

388 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)19:59:17 ID:HP3JlSZpP
眠るために瞳を閉じる。
薄暗い室内の枕元には、咲子さんのくれた置物があった。
それを見ると、ふと笑みがこぼれた。
「……おやすみ」
ここにはいない彼女に向けて、そう呟いた。
ーーピンポーン
突然、部屋の呼び鈴がなった。
時刻は夜遅い。
いつもなら手紙かと思うが、手紙ならさっき来たばかりだ。
だとするなら、いったい……
「………」
少し、体が震える。
この世ならざるモノを信じるような歳ではない。
それでも、怖いものは怖い。
この恐怖から解放されるには、それが何なのか、確かめる必要があった。
おそるおそる、玄関に近付く。手にはハエ叩き。こんなものが武器になるとは思えないが、何か持っていないと不安だった。
そして、玄関を開けたーーー
「ーーって、ええええ!?」
そこにいた人物の姿に、思わず声を上げてしまった。
「……こんな時間に、ごめんなさい……」
「し、しずかちゃん!?」

389 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:01:57 ID:rDeswCQEP
しずかちゃんキター!

390 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:04:10 ID:g7gqMJDP1
キターー(゚∀゚)ーー!!

391 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:04:25 ID:gzXWUqxgo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

392 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:14:38 ID:Di39ZoAyd
ハエたたきw

393 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)20:17:56 ID:HP3JlSZpP
「ど、どうしてここに!?」
(あれ?デジャヴ?)
何だか前にも似たようなことが……
「……この前の、お礼を言いに来たの……」
「………へ?」
「ありがとう、のび太さん。私、嬉しかった。あなたが来てくれて……」
この前?この前とはいったい……
僕がどこに来たって?
言葉の真意は分からないが、しずかちゃんは目に涙を浮かべていた。
「私、とっても不安だったの。たった一人取り残されて、どうすればいいか分からなくて……」
「は、はあ……」
「でも、あなたが来てくれた。あれだけ酷いことをした私を、大切だって言ってくれた。……それが、本当に嬉しかったの……」
いやいやいや、本当になんのことでございましょうか。
「……まあ、のび太さんが持って来た缶詰は食べられなかったし、雪山にコートで来るのもどうかと思ったけど……それでも、私はあなたのおかげで助かったの……」
(缶詰?雪山?コート?ーーーーーーーーあ)
それらの単語を集計した後、僕は思い出した。
「ーーでも、どうして私が遭難したって分かったの?」
(……それ、子供の僕ぅううううううううう!!!!)

394 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)20:18:18 ID:HP3JlSZpP
思い出した!!
そう言えば子供の時、しずかちゃんが雪山で遭難して助けに行ったんだっけ!!
まさか、それがこの前!?
で、でも、まだ秋じゃないか!?
確かに秋でも既に積もってる山はあるけど……もしかして、あれって秋だったの!?
「……あなたが私に言ってくれたこと、本当に嬉しかったなぁ……。やっぱり、私、自分に嘘は付きたくない」
「え?え??」
「ーー私、あなたが好きよ、のび太さん」
(え、えええええええええええ!!??)
子供の僕!!いったい何言ったの!!??何事態をややこしくしてんの!!??
「話は、それだけ。ーー私、帰るわね。お休み、のび太さん」
「あ、あ!ちょっと……!」
しずかちゃんは、帰って行った。立ち去る彼女の背中を、僕は呆然と眺めていた。
……こうして、小学生の僕と未来から来た彼の手により、事態はより一層面倒なことになった。なっちゃった。
どうすりゃいいのおおおお……!!

395 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:19:09 ID:XbxFVOLTx
>>394
ほほうww

396 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:19:26 ID:b90VcnVE3
原作と繋いだかWW

397 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)20:21:27 ID:Y0XyZcKcb
ドラえもんのキャラ設定が無かったら、ただ面倒臭いだけの女の話だな

399 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)20:42:44 ID:HP3JlSZpP
「ーーつまり、子どもの時ののび太のせいで、色んな誤解が生まれてしまった、と……」
「うん……そうなんだ……」
ジャイアンのオフィスで、僕は彼にありのままの出来事を告げた。
ジャイアンは腕を組みながら、それを聞く。
「それにしても、のび太に彼女が出来てたなんて知らなかったぜ……そっちの方が驚きだ」
「秘密にするつもりじゃなかったんだけど……言ってなくてごめん……」
「いやいいんだよ。むしろ、祝福したいくらいだ。……それにしても、しずかちゃんの方だな……」
「うん……」
「……やっぱ、ありのまま言うしかないだろ。助けに来たのは、子供の時の自分ですって」
「そうだよね……それしかないよね……」
「そうだ。それしかない。じゃないと、このままじゃみんなが不幸になるぞ?」
「うん……そうだね。ありがと、ジャイアン」
「いいってことよ。また、いつでも相談に来いよ」
ジャイアンに見送られながら、僕は会社を後にする。
確かに、正直に言わなきゃいけない。
でも、とても言い辛いのは事実………
(でも、しょうがないよね……)
重い足を引きずるようにしながら、僕は道を歩き出した。

404 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)21:02:11 ID:FLqI7U3HG
しずかちゃんが雪山遭難って、原作に描かれているの?


405 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)21:02:58 ID:fIgM1MXCN
>>404
原作

406 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)21:06:20 ID:HP3JlSZpP
「………」
重々しい空気を肌で感じながら、僕はその建物の前に立った。
そこは、しずかちゃんの会社。あと、ついでに出木杉の会社。
電話したが繋がらず、こういうことは早い方がいいというジャイアンの助言を元に、僕は単身彼女の仕事場を訪れた。
しかしながら、こういう私的な用件のために職場を訪れるのは気が引くなぁ。
だが、僕の本能が言っている。
ーーこの件は、早急に片付けるべし、と……。
(……了解)
自分の本能に返事をしつつ、僕はその建物に脚を踏み出した。低姿勢で。

407 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)21:27:46 ID:HP3JlSZpP
一階正面には受付の女性が座っていた。
とりあえず、しずかちゃんとの謁見を申し入れてみることにした。
「あ、あの……」
「はい。いかがいたしました?」
「ここで働いている、源しずかさんとお会いしたいのですが……」
「失礼ですが、ご用件をお伺いしてよろしいですか?」
「ご、ご用件……」
……言えない。
とても、『先日遭難を助けたのは実は子供のころの自分だったからそれを伝えに来た』なんて言えない。
言えるはずもないだろう……
「……あの、ご用件は?」
さすがの受付の人も、不信感に満ちた視線を送り始めていた。もう少ししたら、おそらく警備員が直行してくるだろう。
それはマズイ。さすがにマズイ。
かと言って、なんて説明すればいいかも分からない。
それでも、このまま通報されるくらいなら……僕は、腹をくくった。
「……あの、実は先日ーーー」
「ーーーおやぁ?キミは、いつぞやのーーー」
意を決し、途轍もなく嘘くさい純然たる本当の用件を口にしようとした直後、背後から声がかかる。
ゆるりと後ろを振り返れば、どこかで見た人が……
「ーーーええと、舞……さん?」
「よっ、のび太!久しぶりだねえ!」
舞さんは、相変わらずの笑みを見せながら、僕に挨拶をした。

411 :◆9XBVsEfN6xFl :2014/08/12(火)21:42:23 ID:HP3JlSZpP
「ーー残念だったな。急な用件か?」
「そ、そうではないですが……」
会社の屋上で、僕と舞さんは柵に寄りかかりながら話をしていた。
そこで舞さんは、しずかちゃんが出張中でいないことを告げてきた。
完全に予定が外れた僕は、残念な気持ち半分、ホッとした気持ち半分の、複雑な心境で缶コーヒーを一口飲み込んだ。
「事前に連絡してれば、ちゃんとした日付を指定してやれたんだがな」
「……いや、舞さんがいたことをすっかり忘れてまして……」
「……ケンカ売ってるのか?」
「滅相もありません。すみませんでした」
「まったく……あれだけ心躍る出会いをしたというのに、忘れるとは……」
(衝撃的な出会いだったのは間違いないけど……)
すると舞さんは体を反転させ、外の方を見ながらタバコを吸い始めた。
「タバコ、吸うんですね……」
「まあな。まあ、印象はよくないから、人前だとあまり吸わないがな」
「確かに、見る人が見れば批判しそうですね。……でも、似合ってますよ」
「フォローしてるつもりか?」
「滅相もありません」
「……少しはフォローしろ」
それから僕らは、屋上から街を見渡した。

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