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のび太(30)「いらっしゃいませ。」

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Part3

47 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:08:54.66 ID:Rprb5oyAO
2012年 東京某所の靴屋 スタッフ控え室

のび太「ふぅ~。ちょっと食べ過ぎたかなぁ。」

のび太「でも、これでチャージ完了だ。さっ、午後からも売るぞぉ~。」ガチャッ

のび太「休憩あがりまs」

?「おかしいじゃございませんこと!?」

のび太「!?」

バイト「あっ、えっと・・・・・・」

?「お店の方が商品の説明もおできにならないなんて、どうなってるざます!?」

のび太(“ざます”?)


48 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:09:59.64 ID:Rprb5oyAO
バイト「あっ、あの......すいません僕、バイトでs」

?「じゃあお話のお分かりになる方を呼んで来て下さいまし!!」

サッ


のび太「バイト君、代わるよ。」

バイト「あっ、野比さん。すいません。」スゴスゴ

のび太「申し訳ございませんお客様。いかがなさいましたか?」

?「アタナは責任者ざますか!?」

のび太「はい。副店長の野比と申します。」

?「まったく! 一体こちらのお店は・・・・・・えっ? 野比さん?」

のび太「スネ夫君のお母様・・・・・・ですよね?」


49 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:11:58.99 ID:Rprb5oyAO
スネママ「!? のび太さんざますか!?」

のび太「はい。ご無沙汰しております。」

スネママ「あらぁ、こんなにご立派になられて! お母様はお元気ざますか?」

のび太「えぇ。お陰さまで。」

のび太「それより骨川さん、先ほどは当方のスタッフが不快な思いをさせてしまったようで。」

スネママ「もう良いざます。スネちゃまのご友人のお顔を見たら、少し落ち着いたざます。もう大きな声は出しませんので、聞いていただけますこと?」

のび太「はい。もちろんです。」


50 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:13:19.75 ID:Rprb5oyAO
スネママ「今日はスネちゃまの昇格祝いのプレゼントで、お仕事用のお靴を買いに来たざます。」

のび太「それはそれは。おめでとうございます。」

スネママ「スネちゃまはこういったデザインで、ダークブラウンのお靴がお好きざますの。」

のび太「ダークブラウンのストレートチップですか。カッコイイですよねぇ。当店でも大人気ですよ。」

スネママ「オホホホッ。スネちゃまのファッションセンスは一流ざますからね。」

のび太「はははははっ。」

のび太(まぁ、スネ夫の事だ。きっとスーツも良いの着てるんだろうなぁ。)


52 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:14:07.05 ID:Rprb5oyAO
スネママ「ところがね、のび太さん。こちらの棚の右のお靴と左のお靴。どちらも同じデザインで、お色も同じダークブラウンですのに、10000円もお値段が違うじゃございません事?」

のび太「えぇ。確かに。」

スネママ「そこでワタクシ、先ほどの方に、このお値段の違いは何なのかとお尋ねしたざます。そしたらあの方『こっちの方が履き心地が良いから高いんです』なんて、曖昧なお返事しかして下さらなかったざます。」



53 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:17:30.34 ID:Rprb5oyAO
のび太「あぁ、左様ですかぁ。それは大変失礼をいたしました。」

スネママ「いえ、もうよろしいざますがね。ただ、履き心地が良いから高いのは当たり前でございましょ? ワタクシとしては、具体的に何が違って、どんな風に履き心地が良いのか、そういったご説明をしていただきたかったんざます。」

のび太「おっしゃる通りです。失礼をいたしました。」

スネママ「ワタクシ、質の良い物を手に入れる為にはお金は惜しみません。ですが、その物の質を把握し、それ相応の対価が見出だせなければ決して買わない。それがワタクシのお買い物のポリシーざます。」

のび太「かしこまりました。では、僕からご説明をさせていただきます。」

スネママ「お願いするざます。」


54 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:18:15.00 ID:Rprb5oyAO
のび太「確かにこの両者は似ていますが、アッパーに使っている革の素材がまず違うんです。」

スネママ「えぇ、えぇ。」

のび太「右の安い方の靴はキップと言いまして、生後半年から2年以内の若い牛の革を使っています。」

スネママ「キップ。存じているざます。あっ、では、左の高い方のお靴は・・・・・・」

のび太「はい。カーフを使用しております。」

スネママ「生後半年以内の幼牛の革ざますね。」


55 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:19:33.75 ID:Rprb5oyAO
のび太「流石、よくご存知で。牛革は牛の年齢が若ければ若いほど、伸縮性、通気性、汗の吸収力が良くなります。しかし、若い牛ほど体の面積が小さいので、採れる革の量も少なくなります。それ故、カーフの方が高いんです。」

スネママ「なるほど。」

のび太「それともう一点。こちらのカーフの革は、一旦、ダークブラウンで均一に染めた後、わざと色を落として色ムラを付けているんです。」

スネママ「なぜそのような事を?」


56 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:20:33.42 ID:Rprb5oyAO
のび太「そうする事によって、渋~い濃淡が現れるんですよ。どうぞ、手に取ってご覧下さい。」サッ

スネママ「」マジマジ

スネママ「確かに。まるでマホガニーのテーブルのような、気品のある濃淡ざますね。」

のび太「そうなんです。本当に綺麗でしょ? ただ、その濃淡を出すための脱色の工程は、全て手作業で行われていますので、均一に染めているタイプと比べると生産量が下がります。そのため・・・・・・」

スネママ「お高い、と。」

のび太「はい。」


57 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:21:44.44 ID:Rprb5oyAO
スネママ「なるほど。実によく分かったざます。品質とデザイン、両方の面でこちらが上手なのでございますね。」

のび太「その通りです。」

スネママ「分かったざます。では、のび太さん。こちらのカーフのお靴をいただくざます。」

のび太「ありがとうございます。」

スネママ「スネちゃまのお足は25センチざます。25センチをご用意下さいまし。」

のび太「かしこましました。」

スネママ「10足。」

のび太「10足!?」


58 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 07:24:22.54 ID:Rprb5oyAO




のび太「はい。ではカードご一括にて、52万5千円ちょうど、頂戴いたしました。こちらにご署名をお願いいたします。」

スネママ「はいざます。」サラサラッ

のび太「お手数おかけいたしました。こちら、レシートとカードのお控えでございます。」スッ

スネママ「では、のび太さん。残りの8足は入荷次第、送って下さいまし。」

のび太「分かりました。どうもすいません、2足しか在庫がなくて。」

スネママ「いえいえ。それが普通ざます。こちらもそういう状況には慣れてるざますよ。」

のび太「恐れ入ります。」

のび太(骨川家パネェ!)


60 :black@hydroex :2012/05/01(火) 07:36:03.93 ID:2obupJUf0
靴屋をやったことがあるのかい?


61 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:28:40.56 ID:Rprb5oyAO
>>50
はい。ってゆうか、今も靴屋です。


62 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:35:19.57 ID:Rprb5oyAO
のび太「あと、もしスネ夫君が足を通されて、幅や甲の高さ等が合わないという事がありましたら、お手数なんですが、すぐご連絡の上、当店までご送付下さい。違うサイズの物と交換させていただきますので。ただ、手前勝手を申しますが、その際はできるだけ新品の状態で交換させていただきたく存じますので、できれば購入後すぐに一度、玄関で足を通していただいt」


63 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:36:57.17 ID:Rprb5oyAO
スネママ「オホホホホッ。ご心配無用ざますわよ、のび太さん。スネちゃまのお靴は、幼少の頃よりワタクシが選んでまいりましたざます。今では、お靴を見ただけで、それがスネちゃまのお足の幅や甲の高さに合うかどうか、すぐに分かってしまうざます。」

のび太「そうなんですかw」

スネママ「このお靴は間違いなくスネちゃまのお足に合うざます。そうでなくては、ワタクシも購入などいたしませんことよ。」

のび太「なるほどw さすがですねw」

のび太(まぁ、僕が靴のプロなら、この人はスネ夫のプロだからなぁ。ここはプロの言う事を信じよう。)



64 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:38:26.92 ID:Rprb5oyAO


のび太「スネ夫君は骨川グループに就職されたんですか?」

スネママ「はいざます。今は大阪支社で課長をしているざます。」

のび太「大阪ですか。」

スネママ「大阪支社長さんは夫の同期のお方でございましてね、それはそれは厳しい事で有名でございますの。スネちゃまは将来の社長さんざますからね。その方の下で、同い年の社員さん共々、ビシバシ鍛えていただいてるざます。」

のび太「そうなんですか。スネ夫君、頑張ってるんですねぇ。」

のび太(意外だなぁ。てっきり、親の七光りで幹部にでもなってるのかと思ったのに。骨川家も仕事にはシビアなんだなぁ。)



65 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:40:20.33 ID:Rprb5oyAO




スネママ「・・・・・・ところで、のび太さん。」

のび太「はい?」

スネママ「気を悪くなさらないで下さいましね。確かのび太さんは、大学をおやめになって、その・・・・・・おニートをなさっていたとか?」

のび太「うっ!」ギクッ

のび太(恨めしや狭いご町内)

のび太「えっと、お恥ずかしながら、その通りですw」


66 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:40:58.16 ID:Rprb5oyAO


スネママ「色々あったんざますね。でも、そこから立ち上がって、こんな立派な販売をなさっているんですから、その経験も決して無駄ではなかったんざますね。」

のび太「いやいや。あれは黒歴史ですよ。ホントに、人生を無駄使いしてしまいました。」

スネママ「いえ、のび太さん。人生に無駄なんてございませんことよ。」

のび太「えっ?」


67 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:42:00.74 ID:Rprb5oyAO
スネママ「過ちを受け入れ、自分を許す。そうやって人は一回り大きくなるざます。だから、人生には過ちも必要ざます。その過ちとて、決して無駄ではないのざます。」

のび太「骨川さん・・・・・・」

スネママ「オホホホッ。年寄りのお節介ざます。どうぞお聞き流し下さいまし。まったく、年は取りたくないものざますね。」

スネママ「では、のび太さん。ごきげんよう。」

のび太「あっ、はい! ありがとうございました!」

スネママ「~♪」スタスタ



のび太「・・・・・・“過ちとて、決して無駄ではない”、か。」


68 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 08:43:00.81 ID:Rprb5oyAO
また一旦、ここでストップさせていただきます。



69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/01(火) 09:03:54.17 ID:YIB+7uL5o
なんか>>1が引きこもりを更正させようとしているように見える

あと会話途中に芝いれるのはやめとけ
ギャグssの永遠に笑い続けるやつなら許されるがそれ以外では叩かれる原因になる


70 : ◆51UnYd7yHM [saga]:2012/05/01(火) 09:33:08.43 ID:Rprb5oyAO
>>69
いえいえ、そんな高尚な考えは持ってませんよ。
自分もニートやってた事あるんで、
当時の経験と、その経験を今の立場から客観的に見た感想とを織り混ぜて書いてるだけです。

芝の件は了解しました。
ご指摘ありがとうございます。


76 : ◆51UnYd7yHM [saga sage]:2012/05/01(火) 12:11:25.40 ID:Rprb5oyAO
先ほど、自分のこの作風が、
引きこもりの方々を更生させようとしてるように見えるとのご意見をいただきました。
今から続きを投下しますが、
もしも自分のこの作風から、
そういった上から目線の啓蒙思想を感じて気分を害した方がいらっしゃったら、
今から投下する内容はより一層不愉快な物かも知れません。
自分は決してそういうつもりで書いたんじゃないんですが、
捉え方は人それぞれなので何とも言えません。
なので、先にことわりを入れさせていただきました。
ご了承下さい。

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