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リリネット「筋肉で十刃のトップに立つ」

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Part3
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 20:57:44.52 ID:4P33CUhP0
鬼ごっこ開始から十五分。
リリネットはここで筋肉のリミッターを一段階解放した。
彼女とアーロニーロを単純な速さで比べたのならば、恐らく軍配は大差でリリネットに挙がるだろう。しかしこれは鬼ごっこであり闘いではない。いくらリリネットが速かろうと逃げに徹する相手を捕まえるのはやはり骨が折れるのだ。
リリネット「ふぅぅぅぅぅ……」ムキッムキッ
下半身の筋肉が凄まじい速度で膨張する。
これがリリネットの奥の手の二つ目。脚部に筋肉と血液を集中させることにより一時的に己の脚力を急激に上昇させることができる。
ただしこの形態は下半身以外の防御能力を大きく低下させてしまうこともあり、通常の戦闘では非常に使いどころを選ぶ諸刃の剣なのである。
リリネット「ぬんっ!!」ダッ!
地を駆ける巨大な筋肉。その圧倒的質量がアーロニーロの身に襲い掛かろうとしていた。
リリネット「見つけたっ!!」ギュンッ!
アーロニーロ(くっ、なんだあの速さは!)(コレハ流石ニマズイネ、防御ニ回ラナキャ僕タチノ命ガ危ナイカモ)
アーロニーロ「虚弾!!」バシュッ!
地面に向けて虚弾を放つアーロニーロ。恐らく埃を巻き上げてリリネットを撹乱しようといった目的だろう。
リリネット「隠れようったってそうはいかないよっ! ペスキスっ!」ムキッ
ハリベルのアドバイスを生かして砂埃の舞う空間でアーロニーロの霊圧を探るリリネット。
どうやら筋骨隆々の見た目とは異なりただの脳筋ではないらしい。
リリネット「捕まえたああっ!!!」ガバッ!
アーロニーロの霊圧を発見し跳びかかるリリネット。神速の肉塊が今、砂埃に浮かぶ第9十刃の影を捕えようとしていた。
リリネットはアーロニーロを捕まえることが出来た? >>↓2
>>↓2(逃げられた)

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 20:58:29.92 ID:4P33CUhP0
リリネット「ふんぬっ!!」バッ
ズルッ!
リリネット「!?」
突如何かに足下をとられバランスを崩すリリネット。
本来ならば常に地面をがっしりと捉えている彼女の屈強な下半身が足下をとられるなどということはあり得ない。
リリネット(これは、水……!?)
リリネットが足下をとられた原因は紛れもない「水」であった。
ちなみに虚圏には天然の「水」というものが存在しない。そのため彼女がこの「水」というイレギュラーに対処できないのも当然といえば当然ではあった。
アーロニーロ「ったく危なかったぜ……」
そう呟くアーロニーロ。
彼の手には一本の槍。そしてどことなく声色と喋り方が変わったようにも見受けられた。
アーロニーロ「どうだ、なかなかの機転だったろ?」
リリネット「!」ムキッ
この瞬間リリネットはこの水がアーロニーロの能力によって生み出されたものであると推測した。
事実、この水の正体はアーロニーロが過去に「喰虚(グロトネリア)」で喰らったとある死神の能力によるもので間違いなかった。
アーロニーロ「それじゃ、オレは引き続き逃げさせてもらうぜ」ダッ
リリネット「ま、待てっ!!」ムキッ
おぼつかない足取りでアーロニーロを追うリリネット。

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 20:59:24.62 ID:4P33CUhP0
アーロニーロ「3…」
アーロニーロ「2…」
アーロニーロ「1…」
鬼ごっこ終了のカウントダウンを始めるアーロニーロ。
リリネット「うおおおっ!!!」ガバッ
間に合わないと理解しつつもアーロニーロを捕まえようと跳びかかる彼女。
だがやはりと言うべきか、必死で伸ばしたその剛腕は無情にもアーロニーロに届くことはなかった。
アーロニーロ「終わりだな、これでちょうど20分だ」
この瞬間、リリネットの筋肉に四度目の敗北という文字が刻まれた。
リリネット「くっ、くっそおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」
虚夜宮の空、偽りの太陽に向かって悔しさをぶちまけるリリネット。
しかし彼女は悔しさを感じると同時に、己が確実に強くなっているという確かな充足感を得ていた。この感情はノイトラに敗けた時に心に浮かんだものとはまた違うものであった。
アーロニーロ「とりあえず、動き回って疲れたし早いとこオレの宮に戻ろうぜ?」クイッ
そう言ってリリネットを促すアーロニーロ。
被り物をしているとはいえ、陽の光が苦手な彼は疲れもあってか早く自宮に戻りたかったのだ。

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:00:02.80 ID:4P33CUhP0
リリネット「今回は敗けちゃったけど次は絶対勝つからねっ!」ムキッ
アーロニーロ「まったく生意気な奴だな」「次ニ来タ時ハモットコテンパンニシテアゲルヨ」
リリネット「なにおう!」ムキッ
宮に戻って談笑するリリネットとアーロニーロ。彼女たちの間には鬼ごっこを通じて微かな友情が芽生えていた。
リリネット「そんじゃ! そろそろ行くよ!」
アーロニーロ「ああ、またな」「スタークニモ宜シク言ッテオイテヨ」
リリネット「うん! じゃあね!」ブンブン!
大きく手を振って宮を後にするリリネット。その風圧で宮の壁が軋む。
リリネット「よっしゃ! じゃあ次は>>↓2をしよう!」
>>↓2(ハリベルの従属官と徒競走)

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:00:39.03 ID:4P33CUhP0
第3十刃の宮・周辺
アパッチ「はっ! はっ!」ブンッ ブンッ
己の斬魄刀を一心不乱に振り続けるアパッチ。
彼女は今以上に主君であるハリベルの役に立てるようミラ・ローズ、スンスンと共に修行に励んでいるのだ。
ミラ・ローズ「かーっ疲れたっ! おいアパッチ、スンスン、今日はこのくらいにしとこうぜ」
スンスン「そうですわね。あまり根を詰め過ぎるのも逆効果というもの……」
程よい疲労感をその身に感じたあたりで修行を切り上げることにした三人。
急いでハリベルの下へ戻ろうと思っていた三人だが、そこへ思ってもみなかった来客が現れた。
リリネット「あ!」
そう、先程自分たちの前で大粒の涙を流していた筋肉ことリリネットである。
アパッチ「お! リリネットじゃねえか!」
ミラ・ローズ「どうした、また何かハリベル様に用か?」


43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:01:18.42 ID:4P33CUhP0
リリネット「そういうワケじゃないんだけど……」
ワンテンポの間を置いて一つの提案を言葉にしたリリネット。
リリネット「えーっと、みんなでかけっこしない?」
アパッチ「か、かけっこ?」
聞きなれない言葉にやや驚くアパッチ。
ミラ・ローズ「徒競走ってヤツか、しっかしどうしてまたそんなことやろうと思ったんだ?」
リリネット「うーん……ちょっと気晴らしに、ね!」ムキッ
スンスン「いいですわよ。走ることで私たちの修行にもなりますし、是非やりましょう」
そこそこ乗り気なスンスン。それは彼女のみならず他の二人も同じであった。
この三人は基本的に勝負事が大好きなのである。
アパッチ「やるのはいいけどよー、敗けてもさっきみたいに泣くなよ? リリネット」ニヤッ
リリネット「むっ! もう泣かないってばっ!」ムキッ
戦う前から勝ちを確信しているアパッチ。
アパッチの挑発にやや不満顔のリリネットだが、心の内ではこの勝負を承諾してくれた三人に対して感謝していた。

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:01:49.03 ID:4P33CUhP0
話し合いの結果、ルールは3km先にある柱に最初に到着した者の勝ちということになった。
アパッチ「よっしゃ! 全員位置についたか?」ザッ
ミラ・ローズ「おうよ、こっちはもう準備万端だぜ」ザッ
スンスン「ではスタートの合図はリリネットにお任せしますわ」ザッ
リリネットにせめてものハンデを与えようと開始の合図を彼女に任せた三人。
リリネット「それじゃ遠慮なくやらせてもらうよ!」ムキッ
全員がクラウチングスタートのポーズをとる。非常にスポーティーで微笑ましい光景であった。
リリネット「位置についてっ! よーい……」
リリネット「どんッッッ!!!!」ムキッ

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:02:58.18 ID:4P33CUhP0
その時、一陣の風が吹き大地が爆発した。
それは自然現象によるものではなく、一人の少女の鍛え上げられた筋肉により引き起こされたものだった。
リリネット「ふんっっ!!!」ムキムキッ
強靭な脚力で大地を踏みしめるリリネット。
大地とは生きとし生けるものその全てを優しく包み込み支える母なるもの。
しかし、その母なる大地ですらリリネットの莫大なる筋肉量を支えきるには至らなかった。
リリネット「はあっ!!!」ギュン!!
筋肉が動く。
その衝撃で大地は陥没し、砂塵が舞い、また筋肉の超速駆動による影響で生暖かい暴風が周囲に吹き荒れた。
そのまま目に追えぬほどの速度で前方へと進撃する筋肉の塊。その姿を形容するならばまさにそれは無道なる神速の風。
アパッチ「」
ミラ・ローズ「」
スンスン「」
目の前で起きた事態を把握できない三人。どうすればよいのかも分からず言葉を失い立ち尽くしていた。
その数瞬の間に目の前の筋肉は彼女らの前から忽然と姿を消した。

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:03:30.36 ID:4P33CUhP0
リリネット「ゴール!!」バッ!
孤独なかけっこを終えたリリネット。
リリネット「あれっ? 誰もいない……」キョロキョロ
ようやく異変に気づいた彼女だが時すでに遅し。
リリネット「うーん、みんな先にゴールして帰っちゃったのかな? ちょっと忙しそうだったし……」
的外れの見解を述べるリリネット。しかしこの考えは彼女の他者を気遣う心から来るものであった。
リリネット「ま、仕方ないよね! 今度会った時にお礼言っとこ!」ムキッ
リリネット「それじゃ身体も温まってきたし次は>>↓2をしよう!!」
>>↓2(ウルキオラとガチバトル)

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:15:54.41 ID:4P33CUhP0
第4十刃の宮
リリネット「ふうっ……」
リリネットは柄にもなく緊張していた。
それもその筈、これから彼女が挑むのは十刃の中でも高位の破面である第4十刃のウルキオラ・シファーなのだ。
さらにもう一つ、彼女はウルキオラとはあまり話をしたことがないので手合わせの相手をしてもらえるのかどうかとても不安に思っていた。
リリネット「よっし! 悩んでてもしょうがないし行こう!」ムキムキッ
ウルキオラ「そこで何をしている」
リリネット「うひゃあっ!?」ムキッ
不意に現れたウルキオラに驚くリリネット。
リリネット「びっくりさせんなよっ!」
ウルキオラ「俺の宮に無断で侵入したのはお前だ。苦言を呈したいのは寧ろ俺の方だ」
リリネット「うっ」ムキッ
彼の発した言葉がぐうの音も出ない正論であったため言葉に詰まるリリネット。

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:16:31.14 ID:4P33CUhP0
ウルキオラ「その霊圧、第1十刃の従属官のものか」
霊圧から目の前の筋肉をリリネットであると見抜くウルキオラ。
ウルキオラ「俺に何の用だ」
リリネット「え、えっと……」
そしてリリネットはハリベルやアーロニーロに話した時と同じく事情を逐一説明した。
ウルキオラ「つまりお前は四度の敗北を重ねてなお闘いを求め続け、遂には俺の下へと訪れたというわけか」
リリネット「ま、まあ……そう言われればそうかな?」ムキッ
しばらくの沈黙。
眉一つ動かさないウルキオラの返答を彼女はただじっと待っていた。
ウルキオラ「お前の下らん遊びに付き合うほど俺は暇を持て余してはいない、他をあたれ」クルッ
あっさりと断られるリリネット。

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:17:19.87 ID:4P33CUhP0
リリネット「待って待って!」ムキッ
当然ここで簡単に引き下がる彼女ではない。どうにか相手をしてもらえるようウルキオラに懇願する。
しかしそんな彼女の願いも無情な一言で一蹴されてしまう。
ウルキオラ「お前と俺では戦いにすらならん。仮に戦ってもただ無駄に霊圧を消費することになるだけだ」
リリネット「なっ! そんなのやってみなきゃ分かんないでしょうが!」
珍しく声を荒げるリリネット。
ウルキオラの真意は汲めないが、リリネットにとって彼の言葉は自身と自身の筋肉を馬鹿にされているように聴こえたのだ。
ただし、それと同時に己の言い分は自己中心的な我儘であること、そして今の状況は面倒事をウルキオラにただ無理やり押し付けているだけであるということも十分に理解していた。
ウルキオラ「そんなところに立っていても何も変わらん。さっさと失せろ」
リリネット「う……」
そのためリリネットはこれ以上ウルキオラに迷惑をかけるのも悪いと思い、諦めて宮を出ようとしていた。
しかしここで彼女はあくる日のスタークとの会話を思い出す。
スタークによればウルキオラは普段は仏頂面だが案外おしゃべりなところもあり、表情には出さないがごく稀に感情的な部分を垣間見せることもあるらしい。
ここからリリネットが見出だした答えは、挑発でウルキオラを煽りそのまま闘う気にさせてしまおうという何とも幼い発想であった。

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:18:06.50 ID:4P33CUhP0
リリネット「ふっふっふ、あんたもしかしてあたしと闘うのが怖いんじゃないの?」ムキッ
ウルキオラ「…………」
リリネット「敗けたらどうしよう! とか思ってるんでしょ、にひひっ」ムキッ
実に幼稚な挑発である。
もちろんこんな挑発に乗るウルキオラではない。
ウルキオラ「どうやらお前は互いの力の差も押し測れん馬鹿らしいな」
やや呆れたように答えるウルキオラ。
しかし何を言っても退きそうにないこの筋肉に対して先に折れたのは彼のほうだった。
ウルキオラ「少し相手をしてやる。着いて来い」ザッ
リリネット「さすがっ! そう来なくっちゃ!」ムキッ
大喜びのリリネット。
彼女はウルキオラと共に虚夜宮の天蓋の上へと向かった。

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/18(火) 21:18:46.00 ID:4P33CUhP0
リリネット「うわぁ、虚夜宮の中から出るのって結構久しぶりかも……」
彼女の眼前に広がるのは果てなき闇、そして青白い輝きを放ち虚圏全域を照らし続ける大きな月であった。
虚圏の夜は決して明けることはない。そのため彼女が天蓋の上から視ているこの終わりの無い闇こそが本来の虚圏のあるべき姿なのだ。
ウルキオラ「始めるぞ、準備が出来たら俺に声をかけろ」
リリネット「おうっ! もういつでも大丈夫だよ!」ムキッ
リリネットは薄々と理解していた。
何故ウルキオラがわざわざ天蓋を破ってまで虚夜宮の外へと移動したのか。
それは彼が虚夜宮の天蓋の下で禁じられている事項の一つである「第4以上の十刃の刀剣解放」を行うためであると。
それは即ち彼が全力を持ってリリネットの相手をするということに他ならなかった。
リリネット(ふうっ……)ムキッ
全身に力がみなぎるリリネット。
恐らく彼女にとって初めてであろう本当の闘い。彼女はこれから自身が踏み込むことになるであろう未知なる領域に対して筋肉を震わせていた。
リリネット「っしゃあ! どっからでもかかって来いっ!!」ムキムキッ
ウルキオラ「…………」
斬魄刀を抜き胸の前に構えるウルキオラ。刀剣解放の構えである。

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