家出したらお姉さんに拾われた
Part8


556 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:22:16.12 ID:x60gR+VC0
家に帰ると鬼の形相をした両親に迎えられた
がーがー怒っていたけど、なぜだろう
俺はそれがとても嫌だったのに、ふと思った
二人も子供なんだろうな、って
お姉さんがお姉さんだったように
お姉さんだけどお姉さんじゃなかったように
大人だって子供なんだな、って
「俺さ、二人が喧嘩するのが嫌で家出したんだよ」
そういうと二人は黙ってしまった
喧嘩の原因ってなんだろう
考えてみれもどうでもいい
頭の中でお姉さんが離れない
お姉さんがいつまでもそこにいる
お姉さんは、そこにいるけど
俺の携帯はいつまでも鳴らなかった

557 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:25:22.77 ID:b8BatodPi
悲しいね、いろいろと悲しいね

558 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:25:32.17 ID:x60gR+VC0
高校に無事入学して、夏
バイトをしてお金を貯めて、お姉さんに会いに行く夏
だけど、相変わらずお姉さんから着信は来なかった
学校の友達もできた
好きな人はできなかったけど
というか
お姉さんを知って他に好きになれるとか、無理だろう
結局、俺はお姉さんに会いに行かなかった
臆病だったから?
不安だったから?
答えはまあ、三年後

559 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:26:40.60 ID:x60gR+VC0
ってなわけで書き終えたぞ
釣りかどうかとかよく話題に上がってたけど
それってそんなに大事なのかな
釣り成分は30%だ
で、続きあるけど知りたい?

560 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:27:22.52 ID:azj5PAlM0
知りたい

561 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:27:38.84 ID:fbKMRe4L0
いい話だ、マジで感動する。
続きも聞かせてくれ

571 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:28:57.69 ID:x60gR+VC0
こっからはあんまり長くならないように書きたいが
難しいな
今までの見てわかるとおり無駄に長くなるから
まあ、じゃあ、書いてく
因みに30%の成分は主に会話な
出来事は事実なんだが、そこまで会話を詳細に覚えてたら俺は化け物だろう

572 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:29:07.33 ID:W+UG6x1g0
おながいします

573 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:29:08.86 ID:w5ywYP/I0
気になる。
聞かせてくれ。

574 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:29:20.75 ID:x60gR+VC0
ってかこんなにいたのかよ、びびった
ちょっとコーヒー入れてくるから待っててな

576 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:29:52.18 ID:jj29KRDR0
うぉぉぉぉ
コーヒー飲めるのかよ!!!!

591 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:39:00.41 ID:x60gR+VC0
三年後
高校を卒業してそのまま働くと伝えたら両親は落胆していた
因みに俺の家出が切欠か、あれ以来二人は不仲が解消したようだ
少なくとも家で喧嘩はしていない
しかも勤め先を遠くに選んだから余計だ
理由を問われたけどその街が好きだからとしか言えなかった
就職はまあ、なんとかなった
高卒なためいいところとは言えんが選ばなけりゃなんとでもなる
家も決めて、一人暮らしの段取りをしつつ
三月に入って俺は学校に行くのをやめた
あとは卒業式以外どうでもいいわけだし
それよりもなによりも俺にはやることがある
家を探す時や就活の時に訪れているわけだが
改めて来てみると不思議な感覚に襲われた
あの都会の駅の前にある広場はどうにも健在らしい
そこのベンチでぼうっと座っていると、お姉さんが
なんてことは流石にない
暫く佇んで、お姉さんを探すべく歩き出す
といっても行く先なんて決まっている
あのBARとマンションしか知らないんだから

597 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:44:16.72 ID:x60gR+VC0
夜の八時過ぎ
あのBARが開いている時間帯だ
こうして見ると怪しい雰囲気だな、と思った
お姉さんに連れられた三年前は気づかなかったが、これは一人で入れんと思った
ドアを開けるとベルが鳴る
店の看板とかなにもないから不安だったけど、BARはまだやっているらしい
中に入るとお客さんは一人もいなかった
でも、一人だけ、その人はいた
赤く長い髪の
綺麗なお姉さん
「こんにちわ」
「らっしゃーい」
どうやらお姉さんは俺の存在に気がついていないようで
これはこれで面白いと俺は自分を明かさなかった
まあ、なんだかんだで
今ではお姉さんより身長も高いしなあ

599 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:45:44.14 ID:oFFTPX1l0
ドッキリ大作戦か

600 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:46:52.01 ID:EOdtlqcO0
俺がドキドキしてるよ

601 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:46:55.82 ID:8qC2Sngz0
気になって眠れない!

606 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:49:47.32 ID:x60gR+VC0
三年経ってもお姉さんはお姉さんだった
綺麗ですっとしていてモデルみたいで
大人の色気が増したと言えばいいのか
しかし十八の俺に大人の色気はよくわからん
「お客さん、初めてだよね?」
「ですね」
「なんでこんな見つけづらいとこに」
「友達に聞いたんですよ。真っ赤な髪のマスターがいるBARがあるって」
「ああ、これ。ははっ、もういい年なんやけどねー」
「でもとってもお似合いですよ」
「あざーす。いや、なんか照れるわー」
「どうして赤髪なんですか?」
「これ? これな、むっかあああああしの知り合いに褒められてなー」
死んでしまった人のことだろうか
「大切な想い出なんですね」
「いやそんなんどうでもええねんけどな、今となっては」
「?」
「ぷっ」
「どうしました?」
「いや、そんでなー」
「この赤い髪を綺麗ですね、って褒めてくれたガキンチョがおんねん」
「ガキンチョ」
「そうそう。そいつな、うちに惚れとるとかいいよったくせにな、くせにやで? 携帯番号ちゃうの教えて帰ってん」
……うそん

609 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:14.46 ID:aqUOsiXv0
>>606
変な声出たw

610 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:23.82 ID:h/t4SHwn0
まじかww
予想外の展開w

611 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:30.07 ID:ifugVv+40
うそん

613 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:51.30 ID:wxjxn0Yu0
うそんワロタ

614 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:52.43 ID:ffjyGLF50
うそん

615 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:51:59.19 ID:b8BatodPi
バカヤローwwwww
なにしてんだよ

629 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:56:36.46 ID:x60gR+VC0
「連絡ください言うた割に連絡通じへんやん? どないせーってのな」
「そ、それはそれは」
冷や汗が沸き立つ
まじで? それで連絡こなかったの?
「会ったらほんまどつきまわしたらなあかんなあ」
迂闊に名乗れなくなった
「そ、それと赤髪がどういう?」
「ん? やからさ、あのアホンダラが戻ってきた時、うちのトレードマークがなかったら気づかんかもしれんやん?」
「そんなこと……」
ありえて嫌だ
お姉さんの赤髪とピアスは凄い印象強いから
「ところでお客さん、なに飲む?」
「おすすめのカクテルを」
「いや無理やわー」
とお姉さんはドン、っと机が揺れるぐらいの勢いでコップを置いた
「自分みたいなガキンチョにはこれで充分やろ?」
それはいつか出されたジュースだった
「……はは」
「ははっとちゃうわドアホ! いつまで待たせんねんおばはんにする気かおどれぁ!」
「あ……バレてました?」
「バレバレや言うねん! 君身長高くなっただけで顔つきほとんど変わってないやんけ可愛いわボケぇ!」
「可愛いなんて、もうそんな年じゃないですよ」
「そこだけに反応すんなアホ! 首傾げる仕草もなんも変わってないいうねん……」
唐突にお姉さんは体を背けて顔を隠す
ああ、お姉さんも変わってないな

630 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:57:57.45 ID:zqfFwEiz0
なごんだ

631 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:58:16.39 ID:ny0+/Gqv0
お姉さんやっぱ気付いてたかwww

632 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:58:36.41 ID:pxBUV6qaO
なんていう凄い展開

633 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:58:49.08 ID:F6/ORiHhO
あえて芝居に乗ってたのかw

634 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 03:59:10.48 ID:ffjyGLF50
あかん ないてまう

637 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:00:37.85 ID:TwZMP/XE0
やだ枕濡れちゃう

642 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:02:58.75 ID:x60gR+VC0
「どんだけうちが待っとったおもてんねん……」
ふるふると震える肩
いつもそうだった
お姉さんは弱味を俺に見せたがらない
恥ずかしい時も
哀しい時も
苦しい時も
顔を背けてそれを隠す
椅子を降りてカウンターの中に入っていく
土台が同じ高さになったため、俺はお姉さんよりも大きくなった
「ほんま、背高くなったなあ」
「牛乳飲んでますから」
「……君ええボケ言うようになったやん」
「そりゃお姉さんと一緒になるの、夢見てたんで」
「タバコは?」
「身長伸びませんから」
「迷信やろ」
「プライバシー効果ですよ」
「プラシーボ効果やろ」

645 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:03:37.47 ID:ny0+/Gqv0
( ;∀;) イイハナシダナー

651 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:07:04.09 ID:x60gR+VC0
自分より小さくなったお姉さんをそっと抱きしめる
自分の腕の中に収まるお姉さんは、とても可愛らしくて愛くるしい人だった
「大好きですよ」
「あっそ」
「つれないですね」
「知るか、三年もほっとったアホ」
「どうしたら許してくれます?」
「そやな」
「とりあえず、うちより身長低くなりや」
「はい」
「うん、ええ位置やな」
引き寄せて、お姉さんはキスをする
三年ぶりのキスは相も変わらず、優しくて、この上ない喜びが詰まっていた
「なあ」
「はい?」
「うち、ええ歳やねんけど」
「結婚とか興味あるんですか?」
「君とする結婚だけ興味あるな」
「そうですか。じゃあ、暫くしたらしますか」
「なんでしばらくやねん」
「まだ新入社員ですよ、俺。いやまだなってもないのか」
「就職したん? ここがあんのに」
「それも悪くないんですけど、やりたいこともありまして」
「へえ、なんなん?」
「秘密です」

662 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:13:28.84 ID:x60gR+VC0
改めて席についてジュースを飲んだ
「一つ気になってたんやけど」
「はい」
「なんで夏にこんかったん?」
「……そうですね」
「連絡が来なくてムカついてたんで」
「君のせいやろそれは!」
「ですね。でもあの時の俺は本当にそうだったんですよ。恋人ができたのかな、って。だから三年溜めて、まずは社会人になって、もしダメだったら」
「ダメだったら?」
「ストーカーにでもなろうと思ってましたよ」
「どこまで本気やねん」
「半分。ストーカーは冗談ですけど、仮に彼氏さんがいるなら奪おうとは思ってましたよ」
「本気やな」
「そりゃまあ、お姉さんは僕の人生を変えた人ですから」
「言いすぎ……でもないんかな」
「うちの人生を変えたんは、君やしな」
「それは意外ですね」
「君はあの一週間をどう覚えとる?」
「妄想のような一週間ですかね」
「妄想て。雰囲気でんわ。でもうちにしたって、ありえん一週間やった。だってそやろ、家出少年かくまって、いろいろあって、恋して」
「でもそういうの慣れてると思ってました」
「よく言われるけどなあ、そういうの。うちかてただの女やしな」
「……そうですね」
「そこは同意なんやな」
「もう十八ですからね。お姉さんが普通にお姉さんに見えますよ」
「なんやそれ。ってか君、いつまでお姉さん呼ぶん?」

670 :名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 04:19:07.62 ID:x60gR+VC0
「お姉さんって呼ばれるの、好きなんだと思ってましたよ」
「嫌いちゃうけど、今の君に呼ばれるんは違和感しかないわ」
「でも」
「なんやねん」
「名前で呼ぼうにも名前知りませんし」
「……ほんまやな、うちも君の名前知らんわ」
「名前も知らない人を泊めてたんですか、いけませんよ」
「名前も知らんお姉さんに付いてったらあかんやろ、殺されんで」
「ほな」
「はい」
「○○ ○○です、よろしゅー」
「○○ ○○○です、よろしくお願いします」
「ははっ、なんやねんこの茶番」
「っていうかお姉さん、意外に普通の名前なんですね」
「君は古風な名前やな。しっくりくるわ」
そのあともお姉さん、基、○○との会話は続いた
お客さんが何組か来て、ついいらっしゃいませと言ってしまったりもしたけど
俺はお姉さんの家に泊まることになった

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