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百物語2016

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Part14
320 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:18:42.14 ID:vaYQJzIh0
【第九十三話】『傷だらけの伊勢参り』
霊感持ちのAとAの友人のB、そして僕の3人で、念願の伊勢参りへと遠出した時のこと。
その数ヶ月前から、Aは耳元で聞こえるザワザワ(街中の人の話し声のようなもの)に悩まされており、
一時は一緒にいた僕まで影響を受けたほどの酷さだった。
その時期には収まってはいたものの、一刻も早く神域に行きたい、という喫緊の思いから実現した旅。
伊勢に着いた僕らは、伊勢参拝のお約束としてまず外宮に向かった。
とりあえずここは普通だった。
そのあと内宮へ向かうにはバスまたは徒歩となる。僕らはせっかく来たのだからと内宮まで歩くことにした。
3人で談笑しながらの歩き道、半分ほど過ぎた時、急にAが消えた。
あまりにいきなりの出来事で僕とBが驚いて振り返ると、Aが何もない場所で思いっきり転んでいた。
大の大人が子どものように転んでいるので最初こそ僕ら2人は爆笑していたが、そこから内宮までの道中、
Aが何度も何度も転ぶ。まるで内宮へ行きたく無いとでも言うように。
やっと五十鈴川の桟橋前にたどり着いた頃には、冬で分厚いズボンを履いていたにも関わらずAの脚は
血まみれになっていた。Aの脚の惨事を見て、さすがに僕らも閉口した。
何とかたどり着いた内宮へ参拝後はAが転ぶことも無かったし、
とりあえずそれに関してはもう大丈夫なのかなと思っている。
【了】

322 :浪人 ◆0pencm0MhY :2016/08/28(日) 02:26:06.60 ID:MupsQmgy0
【第九十四話】 『赤 白 黄色』
ある日の下校時間、薄暗い教室にいると
どこからか、わらべうたを歌うような少女の声が聞こえてきた。
「あーかー、しーろー、きーいーろー」
僕は心臓がキュッとなってしゃがみこみ、耳をふさいだ。
「あーかー、しーろー、きーいーろー」
「…どの色がいい?」
僕は恐怖で声が出ない。
しばらくの沈黙が続き、ふと我に返った僕は
水の中を歩くように重い体を引きずりながら必死に逃げ帰った。
次の日、学校でこんな噂を聞いた。
「ねえ知ってる?赤、白、黄色って歌のあと
どの色がいい?って質問する幽霊がいるんだってさ」
「答えたらどうなるの?」
「赤は血を全部抜かれて死ぬ」
「白は骨を全部抜かれて死ぬ」
「黄色は肉を全部抜かれて死ぬんだよ」
あの時もし声が出て、いずれかの色を選んでいたら…。
【了】

324 :お蕎麦 ◆FuTq7EgZCQ :2016/08/28(日) 02:31:02.47 ID:dyWSMHBr0
【第九十五話】『消えた友人』
小学生の頃、夏休みに体験した話です。
夕方、友人と二人して、誰もいない学校のグラウンドで遊んでいると、さっきまで晴れていたのに、突然、雨が降ってきました。
慌てて校舎に入ったのですが、
ふと気がつくと、一緒に校舎まで走った友人がいなくなっていました。
校舎の軒下で、友人を呼びましたが、
返事がありません。
私は怖くなってその場でしゃがみ込んでしまいました。
しばらくすると、さっきまで激しく降っていた雨が止んだことに気がつきました。
雨が止んだことにも驚きましたが
消えた友人が私の横に立っていたことに
もっと驚きました。
(1/2)

325 :お蕎麦 ◆FuTq7EgZCQ :2016/08/28(日) 02:33:26.16 ID:dyWSMHBr0
友人にどこに行っていたのか、いつから横にいたのか問いただしたところ、
「ずっと横にいた」とのこと。
さらに友人が言うには、一緒に校舎に着いてから私が急にしゃがみ込み、何を言っても反応しなくなっていたそうです。
私が、友人が消えて、名前を呼んでいたことを話しても信じてくれません。
お互いに主張を譲らず、その日は喧嘩別れになってしまいました。
その後、不思議な体験はしませんでしたが、
オカルト分野に関心を持った今思うと
友人が消えたわけではなく、
私の意識だけが異世界に迷い込んでしまったのかも知れません。
あの世界は何だったのでしょう。
【了】

327 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:39:32.19 ID:l/IPK0LS0
【第九十六話】もち ◆m2nIThBwKQ 様
『黒電話』
(1/3)
学生時代のことです。
大学近くのアパートで一人暮らしをしている友人から突然電話がありました。
同じ大学に通う友人からの電話に「突然」とつけるのには理由がありまして
時間が深夜3時を過ぎた頃だったんです。
私はオンラインゲームに夢中になっていて、その時間もまだ起きていたのですが
いくら個人の携帯電話に、とはいえこんな時間にかかってくることはありません。
充電ケーブルに繋がれたケータイが突然バイブと共に着信音を鳴らしたもんですから
私は飛び上がるくらいびっくりしました。
折り畳まれたガラケーの外側液晶に表示された「着信 O(友人の名前です)」に
「え、なんかあったんか」と、Oが事故かなにかに巻き込まれたのかもしれない
という不安を感じつつガラケーを開いて通話を始めました。
「もしもし、どした?」
「すまん、俺。寝てたよな?」
「いや、起きてたよ。どうした? なんかトラブル?」
「いや、その、そういうわけじゃないんだが」


328 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:41:18.84 ID:l/IPK0LS0
(2/3)
どうにも歯切れがよくありません。私はOが寝ぼけているんじゃないかと思いました。
「なんだ。寝ぼけてんの?」
「いや、違う。違うんだが。あー……。すまん変なこと聞くが、昔の黒電話あるじゃん
 あのリリリーンっていう着信音って、赤ん坊の泣き声と似ているよな?」
意味がわかりません。ダイヤル式の黒電話なんて小学生の時に実家にあったのを
覚えている程度です。かといって着信音の記憶も定かではありません。
「んーよくわからんが、似ているっちゃ似ているかもしれない……かな」
「だよな。そうだよな。似てるよな?」
Oは何故か同意を急かして求めるようにそう言いました。
「なに、そんなことで電話してきたんか」
「あー。うん。まーーぁそうだな。すまーーん」
「起きていたからいいけど、寝ていたら明日学食おごらせてたわ」
「すまんすまん。ほんーーとごめんな。んじーーゃ明日」
「おー。俺ももう寝るわ。おやすみ」
そう言うと私達は通話を終えました。

329 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:43:05.13 ID:l/IPK0LS0
(3/3)
パソコンの電源を落として部屋の灯りを消してベッドに潜り込んだところで
私はふとOの声に混ざって『なにか甲高い音』が聞こえたような気がしました。
Oのアパートには何度も遊びに行ったことがあります。
ケータイがあるので、彼の部屋には据え置き電話はありません。
もちろん黒電話なんて古いものがあるわけもありません。当然赤ん坊もいません。
そしてOの住むアパートは築二十年以上の2階建て。
彼の部屋は2階の角部屋。
玄関から向かって右は在来線の線路。
左は空き部屋です。
Oが深夜3時過ぎに聞き、そして私がケータイ越しに聞いたような気がした
あの『甲高い音』は、一体どこから聞こえた、なんの音だったのでしょうかーー。
【了】

331 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:46:57.32 ID:l/IPK0LS0
【第九十七話】『峠のトンネル』
(1/2)
先日後輩と旅行に出かけた。
旅行といっても、峠を越えた隣の県だ。
昼過ぎに峠のトンネルを越え、近くの神社や城周辺を巡る旅。
僕が夜仕事だったこともあって、その日は夕方には帰ることにした。
峠道を地元に向かってひたすら走っていると、人里離れた場所にポツンと
小さな神社があった。
若干怖いような気もしたが、道から見える限り境内が荒れている様子もなく、
西日も美しかったので後輩に断ってその神社に寄ることにした。
神社はその近くを流れる川を守る神様の社で、そのいわれも何とも郷土史好きの心をくすぐる内容だった。
充分に滞在した後、帰路に改めて着く。
すると、トンネル前最後の道路情報板に 峠の入り口では無かった通行止の文字が表示されている。
国道のくせに超が付くローカル道路のせいで情報も何もない。
とりあえずトンネル前まで行けば何かわかるだろうとそのまま進んだ。

332 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:48:15.27 ID:l/IPK0LS0
(2/2)
トンネル前まで行くと、既に数台の車が立ち往生していた。
列にとりあえず並んでギアをパーキングにしてすぐくらいに、後方からサイレンが聞こえた。
どうやら事故が発生してそんなに経っていないらしい。
緊急車両を見送った後、外に出て他のドライバーと話していると、10分ほどして消防士が状況説明にやってきた。
中央分離のある片側一車線のトンネル両側にまたがる大事故だった。
結局すぐの復旧は無理ということで、その日は一旦峠を下まで降り、別の峠に迂回して帰宅した。
後日、新聞に載った事故の発生時間を見て絶句した。
その時間は本来、僕らがトンネルを通過する時間だった。
巻き込まれていたかはわからないが、少なくともきっと、トンネル内で事故に遭遇していただろう。
今度、その日に寄った神社へは改めて行ってこようと思っている。
【了】

334 :hiromin ◆W85zSxaa1glz :2016/08/28(日) 02:52:44.92 ID:HXesn6+00
第九十八話『命』
畑と田んぼに囲まれて住宅が点々と建っているような田舎での話です。
そこに、とある企業の出張所みたいな事務所兼作業所の建物がありました。
知人の知人がそこに勤務していました。その人をAさんとします。
Aさんは元々地元の人ではなく、その出張所に住み込みで赴任してきた人です。
そこは、普段はAさんが一人だけで勤務していて、
極たまに他の職員が短時間仕事をしに来るだけで、のんびりした職場のようでした。
田舎で、人と交流する時間もほとんどないAさんは、
その出張所で近所をうろついていた野良犬を飼い始めました。
田舎で十分な広さもある環境ですが、動物飼育は禁止でした。
何カ月かの間は、他の職員は見て見ぬふりをしてくれて過ごせました。
しかし、そうはいかない職員が仕事に来てしまい、厳しく注意を受けた結果、
Aさんは新しい飼い主を見つけられず、保健所で犬を処分することになりました。
犬は妊娠していたそうです。
母犬とお腹の子犬の命は守れませんでした。
それからAさんは、また一人になった出張所の中で仕事と生活を続けました。
しばらくすると、
Aさんの様子が徐々におかしくなり、仕事が出来なくなりました。
精神が飛んでしまい、身体的にも社会生活が難しいような状況になり、
退職するしかなくなりました。
知人によると、Aさんは視線が泳ぎっぱなしの表情で、
椅子に背筋を伸ばして座っていられないような全くの別人になってしまったそうです。
[了]

336 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:55:39.04 ID:l/IPK0LS0
【第九十九話】マモノ ◆100mD2jqic 様
『自己主張』
(1/2)
夕方職場で1人、作業室内にある別の作業室でガチャガチャと掃除をしていた時の事。
シンクで洗浄をしていると、視界の端で台車が前後にフラフラ何度も動いているのが見えた。
さっきまでここで作業していた人が戻って来て、台車が邪魔だから動かそうと
苦労してるのかな?と思い、振り返ったものの誰もいない。
めまいでも起こしてたんだろうか、ヤダね〜。と気にせずそのまま作業続行。
作業室内作業室から出て作業室の(ややこしいな…)他の作業に従事していた時
別の作業をしていた人から「チーフいる?」と訊ねられた。
「ずっと見てないから事務所にいるんじゃないかな」
「さっきまで表にいたんだけど、もういない?」
「ホント?じゃあ…」
窓の外に視線をやって探していると…
6〜7mほど離れた、入り口近くの作業台からガサガサガサガサッという音が聞こえてきた。
2人で顔を見合わせ「チーフ、作業台の所にいたんだねw」「さっき横通った時
誰もいなかったから、てっきりいないと思ってたw」などと笑い合い、しかし
聞こえてたら(別に悪い事は言ってないけど)微妙に気まずいかなと思い、チーフの
作業を手伝ってごまかそうとwそちらへ向かった。

337 :50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:57:02.74 ID:l/IPK0LS0
(2/2)
入り口近くの作業台は奥まった場所にあり真横に行かないと見えないので近付いて
声を掛けようと覗き込むが…誰もいない。
いかにも作業してる音が聞こえたから2人で納得したはず。
先程の場所に戻って「今、ガサガサ聞こえたからチーフいると思いましたよね?」
と確認、やはり「うん」との返事。
「誰もいなかったです…」
「えっ、だってハッキリ聞こえたじゃん!」
「私もハッキリ聞こえました…」
「…やめてー!」
そこでさっきの作業室内作業室での出来事を思い出した。
「じつはさっき…」
「ええええええ!」
聞く所によると以前、山伏の修行をした事があるとかいう人が(マジかよ)うちで
働いていた時、作業室内作業室の横の通路に霊がいる!とよく言っていたらしい。
その霊がその日は絶好調だったとか、何か突然思い立ったとかで色々アピール
してみたって事だったのかな…と思ってみたりしているが…
そんな自己主張はおやめ下さい。
山伏さんみたいな人がいなくて寂しいのかもしれないけど、こっちは仕事中なんで。
霊感ある人が働きに来るまでおとなしく待っててね。
【了】

339 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/28(日) 03:01:06.41 ID:WswBOqP00
【第 百 話】るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj
『おかえり』
(1/4)
私は今、親父とその親兄弟がかつて生まれ育った土地で暮らしている。
そして今年の七月下旬に叔父(親父の兄)が他界した。6人兄弟だった親父の最後の兄弟だった。
親世代は短命で20代から50代で亡くなっているが、叔父だけは79歳まで生きた。ほぼ平均寿命だ。
ちなみに祖父母世代、特に母方の親世代は長寿で、90代から100歳越えである。
この人は本当に頑固で気難しく、私もこの血を引いたのか常々衝突していた。
ただ、私は子供の頃に両親と死別し、叔父が後見人になって学費を出してくれていたので、
感謝の気持ちは持っていた。
葬儀は近年にしては珍しい大きなもので、3人の和尚さんを呼び派手にやっていた。
木魚に銅鑼とポクポク・ドンドン・シャンシャンと2時間近い読経、派手好きな叔父は喜んだだろう。
先週、継母との確執については書いたが、やっぱり通夜に何食わぬ顔をして来ていて、久々にご対面!
事情を知っている親族はハラハラ…。私の親族は今まで継母とその男、娘を大切にしてきていた。
本家の血を一番濃く受け継ぐ私は悔しいやら惨めやら、複雑な気持ちでいつも二歩も三歩も退いていた。
だから、直面した継母に一言放った、「まだ生きとったん?あんたも一緒に焼いてもろたら?」と…。
不謹慎だとは解っていたが、ついつい口が滑ってしまった。

340 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/28(日) 03:02:27.95 ID:WswBOqP00
(2/4)
従妹は「あんたは本家やから堂々としとったらええねん!なんで他人にデカイ顔されなアカンの?」
…とズバッ!継母はおずおずと引き下がった。翌日の葬儀は「身体の具合が悪くなって…」とドタキャン。
親族は驚きあたふたしていたが、従妹は平然と「これで元のさやに収まったな。おっちゃんのギフトや!」
と言った。満面の笑みを浮かべて…。
それから火葬、初七日法要、三十五日法要、四十九日法要、精進落としと順調に進み、葬儀は終了。
私はこの叔父の家に泊まり、叔母と語り合うことにした。継母はこの叔母にいつも接近し私の悪口を言っていた。
理由は判っている。叔父は不動産業を営んでいて、けっこうな財産があったから"おこぼれ"を狙っていたのだ。
「お葬式に出たら"お年玉"がもらえる!」と、通夜の日に継母が口にしたらしい。
従妹が近くにいて聞いたと言っていた、。叔父の子は自分の家に帰って独りになりたいとのこと。なんだかなぁ…。
「ゆっくり話せるのは、○○(私)君の高校以来やねぇ…」と叔母。

従妹:「おっちゃんからの最後のギフトやで!ゆっくり話しや…。あんたの親もここに来てるで。」

私:「うん。なんか全員来てる感じ。お経の時にフワフワして靄がかかってたもん…。」
こうして叔母と私はタクシーで家へと向った。
家ではお骨を前にして懐かしい話しをし、これまでの私の人生の真実を語った。まさか、こんな日が来るとは!

341 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/28(日) 03:03:44.55 ID:WswBOqP00
(3/4)
叔母は涙を浮かべて「苦労ばかりかけて…」と言った。祖母が亡くなる前の言葉と全く同じだった。
私は、目の前にいるのが叔母というより、祖母が還ってきてるように感じていた。
いや、この温もりは祖母以外の何者でもない。
その後シャワーを浴びたのだが、ずっと背後に何かの気配を感じていた。時折ゾクッとする感じのアレだ。
身体を拭きながら無意識に「ばあちゃん…」と呟いた。
葬儀というものは本当に疲れる。深夜になったので布団に入った。特に何を起こらなかった。
次の日も、そしてまたその後も不思議な現象は起こらず、珍しいな…とさえ感じていた。
数日後、私は自宅へ帰り我が家の仏壇に御供えをして、この数日の出来事に感謝して手を合わせた。
帰宅した日の夜中、突然金縛りに遭い誰かの気配を感じた。いつもなら「ばあちゃん!」となる瞬間。
この日は違う。「誰?」といった感じ。いつも私は南枕で寝ている。目を開けたら北枕になっていた。
同時に祖母ではなく母親でもなく、親父でもないことも感じた。目を閉じるととても明るく感じた。
そして視界の外から誰かがやってきて姿を現した。叔父だ。「何故ここに?」…慣れているはずの金縛り、
今回はちょっとパニックになりかけていた。叔母に自分のことを話したことに怒っているのかと思った。
でも、いつもと様子というか表情が違う。しかめっ面じゃなくて穏やかな顔。決して笑顔じゃないが…。

342 :るしふぁー ◆CS/orwC/9AZj :2016/08/28(日) 03:05:07.68 ID:WswBOqP00
(4/4)
「よう家を守ってくれとる。大丈夫や。」と言い残して何処かへ行った。やっぱり笑顔は見せずに…。
次の日の夜、南枕にすると目が冴えて眠れず、故意に北枕に変えてみたらすぐにウトウトし始めた。
すると金縛りこそないが半分夢の中で叔父が現れ、また安堵した顔でしばらく見つめ、何も言わずに消えた。
そして、その次の日も…。この状況で祖母が来ないなんて未だかつてないことだ。
私は昨年から年明けにかけて、再発予防のための抗がん剤治療を受け、その副作用と後遺症に悩まされていた。
この冬は低温状態における手足の痺れと突発的に起こる麻痺、味覚の完全喪失等、とても不便な生活をしていたが、
暖かくなりだんだん症状が和らいできて、何とか事務的な仕事から再開していた。しかしまだ完全ではなかった。
夏になっても冷房の風に当たると足が痺れ、歩きにくさを感じていた。だが叔父が現れるようになってから、
この症状がほとんど消えた。そしてある朝、味噌汁を飲んだら「しょっぱ〜い!」…鈍くなっていた味覚が復活!
病院側に話すと「あり得ない。前に説明した通り、完全に戻るのは奇跡でも起きない限り無理だと…。」と…。
今、まさにこういう現象が現在進行形で起きている。素人のくせに百物語の語り部や運営をしたいと思ったのは、
不自由になった身体でも何か楽しい思い出づくりに…という気持ちからだった。〜もしかして来年は…?〜
でもね、今は違うんだ。もっともっと話が上手くなって、来年も語り部やりたいと思ってる。ではまた来年…。
【おしまい】

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