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百物語2016

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Part13
296 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 00:44:59.04 ID:vaYQJzIh0
【第八十六話】 もち ◆m2nIThBwKQ 様
『鎮守の森で』
(1/4)
日本の信仰は実にさまざまですが、そこそこ馴染みの深いものに
「お稲荷さま」があります。同じ狐を祀っているダキニ天と
勘違いされることもありますが、全国各地で見られる信仰の一つではないでしょうか。
これはそんな「お稲荷さま」にまつわる話です。
友人のYさんは福岡の出身で、海にとても近い都市部で育ちました。
彼女が小学生の時に社会科の授業の一環として「近所の史跡を調べる」
といった課題があったそうです。
Yさんと友達のグループが選んだのは、地元のそこそこ大きな神社。
ノートに筆記用具を用意して、神社に出向き、ご神職に案内してもらって
色々とお話を聞いたそうです。
ところがその神社は元は古城跡だったそうで、境内には城を建てたときに
犠牲になった人柱を祀った石碑があったりと、小学生にはショッキングな
話もあったそうです。

297 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 00:47:27.91 ID:vaYQJzIh0
(2/4)
色々説明を受けてから「あとは自由に見てまわって下さい」と言われたYさん達は
祭神について説明されている看板を調べたりしていたのですが
せっかく古い歴史のある神社にきたのだから広い境内に沢山ある木々も調べようと
本殿から離れて鎮守の森の方へと足を伸ばしました。
しばらく大きな木々を見たり落ち葉を集めてノートに挟んだりしていたのですが
分け入った先にさほど大きくない鳥居が続いている場所をみつけました。
「今思えばおかしいんだよね。あんなに立派な神社なのに」
「鳥居に向かう道も、そこから先も草ぼうぼうに荒れていて獣道みたいなんだもん」
これはこの話をしてくれた現在の彼女の弁ですが小学生だった当時は
特に不思議に思うことはなく友達と連れ立って鳥居をくぐって進んでいったそうです。
いくつかの鳥居をくぐり抜けた先にあったのは、小さなお社でした。
ですが、そこに辿り着く前に、Yさん達は悲鳴を上げそうになったそうです。

298 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 00:48:46.23 ID:vaYQJzIh0
(3/4)
「高さは3メートルもなかったと思う。そんな小さな鳥居をいくつか抜けたらね、
 石畳の参道にでて、道の左右に赤い前掛けをつけたお稲荷さんがあったのよ」
「でもさ、そのお稲荷さんね。首がないの。二つとも」
「わー! って思ったんだけど、そのまま進んでいったの。
 もう怖くてイヤだったんだけど、ここまできたらお参りしておかないと
 あとで逆に怖いめに遭うんじゃないかって思っちゃって」
「でもさ、参道進んでいったら、参道の左側に、なんだろう、絵馬の代わりなのかな
 白い陶器かなんかっぽい小さいお稲荷さんがずらーって並べられてたんだけどね」
「それも全部首がないの。全部だよ。全部。おかしくない?」

299 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 00:50:31.68 ID:vaYQJzIh0
(4/4)
それを見た一同は、悲鳴を上げて全速力で逃げ出したそうです。
そして「なんか見ちゃいかないものを見たんじゃない?」ということで意見が一致し
課題のノートでは一切そのことには触れずに提出したとのことでした。
この話をYさんから聞いた私は気になって「首なし稲荷」で検索をしてみました。
するといくつもヒットして、中には「神仏像に対する宗教的犯罪」として
全国の寺社に油性の液体が撒かれたりした最近の事件と併記される形で
稲荷像の首を折られたり倒されたりという事件があったことを知りました。
私は「なるほど、そういうものもあるのか」と納得しかけたのですが
彼女が小学生だった頃、となると、もう二十年以上前になります。
その当時にそんなことがあったのでしょうか?
しかもお稲荷さんの石像だけではなく、奉納された(?)人形まで執拗に?
この話を聞いてから、何年かして彼女と話す機会があったので、そういえばと思い
「あの首なし稲荷の神社って、その後行った?」と訊ねました。
「あ、うん。行ったよ。去年帰省したときに」
「でも、全部なくなってた。鳥居とお社は残っていたけど。狐は一切なかったよ」
Yさん達が見た大量の「首なし稲荷」。それは一体なんだったのでしょうかーー。
【了】

301 :わいと ◆JAcqDEcOkfoM :2016/08/28(日) 00:57:06.60 ID:/70W9qeK0
【第八十七話】『紫陽花の祠』
 この話、うちの母親から聞いたものだから『〜だそうだ』『〜との事』ってな伝聞系の言い回しが多少目障りに思われるかも知れないけれど、
そう長くもない話なので何とか御容赦頂ければ…。
 彼女がまだ幼かった高度成長期、実家では犬を飼っていたそうだ。
 その犬ってのが、当時の品評会で数多の賞を獲得した精悍ながらも人懐っこい秋田犬だったとの事。
 しかしある日の真夜中、近所でも有名なちょっとおかしい若者に撲殺されてしまったそうだ。
 悲痛な鳴き声を聞いて家人が慌てて表に出て見るも時すでに遅し、屋外の犬舎前には何度も頭部を打ち砕かれて息も絶え絶えの秋田犬が
血まみれで横たわっているだけだったとか。
 幸い翌朝、血に濡れた木刀を手にして多少噛まれた腕もそのままに辺りをフラフラしてたそいつを見た新聞配達員が警察に通報してその線から簡
単にお縄になったものの、そいつの家が日銭を稼ぐのもままならない経済状態だったそうで、警察曰く
「これじゃあ賠償も期待できないですねえ。もうしょうがないですよお」
という事で結局こちらは泣き寝入り。
 数日間目を真っ赤に腫らしていた当時の母だったそうだが、ある日を境に主無き犬舎から夜な夜な「キューン、キューン…」と、かの犬そっくりの
甘えた鳴き声が聞こえてきたそう。
 それが何日も続き、いたたまれなくなった母がその犬舎の前に餌とお水をやったら鳴き声は聞こえなくなったという事だ。


302 :わいと ◆JAcqDEcOkfoM :2016/08/28(日) 00:59:18.27 ID:/70W9qeK0
『襲撃の際、大人しい犬とは言えさすがにに吠えるだろ』
『そんな大事な犬なら、せめて犬舎周りをケージで囲っておけよな』
『キューンキューンって、お前の彼はパイロットかよ』
 …いろいろ突っ込みどころはあれど、今では気の強い婆さんと化した母が、その時ばかりは目にうっすら涙を浮かべて語っていた辺り、
あながち嘘ではあるまいと思う。
 思えば、母の実家の庭に咲く紫陽花(あじさい)の脇には俺が生まれるはるか前からのものと思しき、何を祀っているのか考えた事も無い
古ぼけた小さな祠があったっけなあ…。
【了】

304 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 01:05:24.91 ID:vaYQJzIh0
【第八十八話】もち ◆m2nIThBwKQ 様
『雑踏の気配』
(1/4)
私は学生時代に、とある古流武術を習っていました。
これはその道場の師匠の話です。
格闘技をある程度身につけてくると「視線」や「気配」を
空気で感じることができるようになります。
スポーツでも同じかも知れませんが「相手の動きを予測する」
そして「それをいなす」という練習を繰り返す内に身につくものです。
当時師匠は六十台でしたが、実に快活で若々しく、いつでも陽気な人でした。
あるとき、師匠とお酒を飲んでいたときに、ふとこんなことを話だしました。
「S君(私です)は、都内に飲みに行ったりもしますか?」
「はい、時々。新宿が多いですね」
「歌舞伎町界隈ですか?」
「そうですね。あとは区役所通りの方のカラオケとか……」
「そうですか。人が多いときのああいう繁華街は実に面白いです」

305 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 01:09:22.80 ID:vaYQJzIh0
(2/4)
歌舞伎町といえば怪しげなぼったくり店から、有名なチェーン系列の飲み屋まで
あらゆるものがありますし、色々な人が様々な目的で雑踏を作る場所です。
確かに面白いといえば面白いのですが。師匠は「そうではなく」と続きを語りました。
「ああいう場所は、実に色々なものが見えるんです」
「酔客、客引き、私服警官、ヤクザ、風俗に行く人、色々な目的をもった女性」
「ああいうところに行くと、その人の纏う気配で、どういう人なのかがわかるんです」
そう言ってから師匠は梅割り焼酎を飲み干して
「大体の方は『なにかしらの目的』を持って行動しています」
「でも、『そうではない人』が何種類かいるんですよ」
「繁華街ですし、なんの目的もなくブラブラしている人もいるんじゃないですか?」
「ああ、そういう人は『ブラブラしている』という気配があります」
「そうではない人達というの多くは、自分がどこにいるかわかっていない人ですね」
「ひどく曖昧な気配を出しています。意識がないとでもいえばいいのか……」
「大体はクスリとかで譫妄になっている人ですね。そういうのは表情でわかります」
師匠は笑いながら続けました。

306 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 01:11:39.00 ID:vaYQJzIh0
(3/4)
「先生は何種類かと仰いましたが、他にもいるんですか?」
「うん、いますね。なにかというと、まぁこれは『生きてはいない人』なんですよ」
師匠はとんでもないことを平然と言いました。
「例えばこんなことがありました」
歌舞伎町に向かうアーケード前の大きな横断歩道。
信号待ちしている人達は「行く」か「帰る」かなので気配もわかりやすい。
ところが、信号が変わっても横断歩道を渡ろうとしない女性がいる。
なんとなく奇妙に感じて意識を向けてみると、ふっと横断歩道を渡り始めた。
ところが信号が変わると、またこちらに渡ってくる。
「ああ、これは……」と思ったものの、関わるのも面倒なので
そのまま待ち合わせの店に向かった。
明け方まで痛飲して店を出て歌舞伎町を歩く。
当然ながら人の気配は少なく、そもそも人通りすらまばら。
ところが件の横断歩道に行くと、昨夜と同じ女性が横断歩道で信号待ちをしていた。
「こちらを気取られるのも面倒だ」と思った師匠はそこを離れて
別のルートから新宿駅へと向かったそうです。

307 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 01:13:46.42 ID:vaYQJzIh0
(4/4)
「私はもう行かなくなりましたがーー」
「N君も気づかない内に出遭っているかもしれませんよ?」
そんな風にからかってくる師匠に「勘弁してください」と苦笑しか返せませんでした。
「寂しい人は賑やかな場所に引き寄せられるというじゃないですか」
「視界に入っている人達全てが生きている人とは限らないですからね」
「しかし肝の座った先生がそういうものを怖がるなんて、ちょっと面白いですね」
師匠にからかわれた意趣返しに少しだけ皮肉をこめて私はそう言いました。
「ーーそりゃあねえ。生きている人は素手でも殺すことはできますけれど
「もう生きてはいない人は、私が知っている術では殺せませんから」
ちょっとした間をおいて、そう応えた師匠の表情は、何かの真に迫ったもので
私は虎の尾を軽く踏んだような気持ちになって炭酸の抜けたビールを飲み干しました。
ひょっとしたらこれを読んでいる皆さんも、繁華街の雑踏で『生きてはいない人』と
擦れ違っているのかも知れません。
【了】

309 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 01:21:22.45 ID:vaYQJzIh0
【第八十九話】 紬 ◆FQIVcLi0Jc 様
『友人の話』
友人家が家を建て直すとき、一時的にアパートタイプのレ○パレスに住んでいた。
大黒柱たる友人父のお眼鏡にかなったのがそこだったらしい。
「なんか気味悪いんだよね」
仮住まい中にお茶をしたとき、友人が暗い顔で言った。
「建て方のせいか日が入らなくて昼間も薄暗いし、あとやたらと猫がいる。母さんが嫌がってお経ばっか仏壇にあげてる」
そんなこともあるさ、すぐに綺麗な新しい家が建つよ!と励まし別れた。
その後友人一家は建て直した家に戻ったが、友人父も仕事をやめ、友人母はメンタルの病を発症し入院してしまった。
友人自身は何とかやっているようだが、引きずり込まれるような未来への絶望を頻繁に口にするようになった。
最近なんとなく見た大島てるに、友人一家が仮住まいしたアパートが載っていた。『心理的瑕疵物件』の文字が友人の住んでいた部屋と他2部屋についていた。
【了】

311 :モヒート ◆KicDEug6lI :2016/08/28(日) 01:29:14.77 ID:nEYsEHHZO
【第90話】
『そこのピンク』
(1/2)
小学校中学年の頃は探検ごっこに夢中で、
怪しげな噂の真相を探るべく、友人達と現場に突撃を繰り返していた。
大抵は徒労に終わるのだが、ごく稀に不思議な体験をする事もあった。
早春のある日、「隣に石の十字架が立っているサイロがあり、その中に吸血鬼が封じ込められている」
との情報を入手した我々探検隊は、早速調査に乗り出した。
現地に着くと噂通り、2階建て程の高さの小型サイロと、同じぐらいの大きさで石作りの、少し歪な十字架があった。
まさに血沸き肉躍る光景だった…が、どう見てもそこは私有地で、勝手に入り込める感じではない。
泣く泣くサイロの調査を諦めた我々は、吸血鬼の痕跡があるかも知れないと周辺探索に切り替えた。
幸いこの敷地の周りは自然が豊富で、実に探検しがいがある。
少し歩くと、白樺林と小川、そして切り出し途中のような岩がゴロゴロ転がる場所に出た。
(今にして思えば、ここもサイロ所有者の私有地だったのかも知れない。不法侵入してごめんなさい)不気味な噂の現場近くのため、恐らくは誰も知らないであろう手付かずの遊び場。
我々は宝物を発見したような興奮で、本来の目的を忘れ遊び始めてしまった。
この時期は白樺の断面から流れ出る樹液が飲めた。もう少し暖かくなれば野の草で遊び花の蜜も楽しめる。
夏は白樺の木陰で涼みながら川遊びだ。木々の間を駆け巡る鬼ごっこはスリル満点だろう。
妄想は膨らむ一方で、ここを秘密基地にしよう!などとはしゃいでいた所、急に岩陰から人が現れ声を掛けて来た。

312 :モヒート ◆KicDEug6lI :2016/08/28(日) 01:32:05.54 ID:nEYsEHHZO
(2/2)
「あのー、俺達R中生なんだけど」
男子中学生2人は近所の中学校の名前を口にした。
「俺達がタバコ吸ってた事、学校には言わないでくれるかな」
え?タバコ? 秘密基地に夢中で人がいる事すら気付かなかった皆は、何の話か分からずキョトンとするばかり。
そんな鈍い反応に、余計な事を喋ったらしいと気付いた中学生は切れ気味になって続けた。
「そこのピンク、お前が悪いんだぞ!」
は?ピンク?
「あ!?何処行った!ピンクの奴!」
「そこの木の上からこっち見て、ニヤニヤしてた奴いたろ!上下ピンクの奴!!」
そう言われても、自分達の中にピンクを着てる奴はいなかったし、誰も木に登っていない。
そいつが見てたんだ!何処に行ったんだ!と騒ぐ中学生にこちらは戸惑うばかり。
「ピンクの奴!隠れないで出て来い!!」
そう中学生が叫んだ途端、白樺の一枝だけが、激しく揺れ出した。
風もないし、まだ葉のない季節だから、枝に人や動物が乗っていない事は目に見えて明らかなのに。
ザザザザザザ…と音を立てる枝は凄い勢いで上下し、もう折れるんじゃないかという程。
「うわあああああああ!!!!!??」
情けない叫び声を上げながら、全員がその場から逃げ出した。
走って走って、動けなくなるまで走った自分達は、残雪の上にへたり込みようやく人心地ついた。
「何もいないのに枝動いてたな」「大体上下ピンクの奴って何だよ」「それはきっとあれだ……吸血鬼なんだよ」
「「「スゲー!!!」」」
あの中学生の事はめんどいので放っておいたが、何で自ら中学校名までバラしたのか、未だ理解に苦しむ。
秘密基地の方は、ビビりの自分達が躊躇している間に周辺に有刺鉄線が張られてしまい、結局遊ぶ事は出来ずじまい。
本題の吸血鬼の件は、クラスメートに自信満々で報告するも、
「吸血鬼が昼間出るわけないじゃん」という至極真っ当な一言で終了してしまったのだった。
【了】

315 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs :2016/08/28(日) 01:59:47.61 ID:vBXlS9a+0
ー神社の前の長い坂ー
《1/2》
自分の家の近くには神社がある。
この神社は昔からこの地方の崇敬を集める大きな神社で、昼は参拝客で
賑わっているが、夜は雰囲気が一転、周囲は不気味な闇に包まれる。
神社の鳥居の前にはまっすぐな坂道があって、下りていくと200mほどで
海岸に行きつくが、この坂は江戸時代の頃から幽霊が出ることで有名で、
近所の年寄りには「むかし坂で火の玉を見た」と言う人もいた。
高校の夏休みのある日、俺はあまりにもヒマだったので肝試しと称して
友達と二人で夜にこの坂へ行ってみることにした。
21時すぎに坂の下の海岸で待ち合わせし、波打ち際で石を投げたりして
しばらく遊んだ後、懐中電灯だけ持って神社まで坂を上っていった。
怖さを紛らわそうとはじめは二人ともよくしゃべっていたが、途中から
疲れで二人とも黙ってしまってふらふらに疲れ果てた有様で神社まで
到着した。
しかし幽霊にも火の玉にも幸か不幸か出会うことは無かった。

316 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs :2016/08/28(日) 02:01:55.48 ID:vBXlS9a+0
《2/2》
俺たちは神社に着くなり急に強気になり、門が閉まってたにも関わらず
門の横から侵入し、神社の奥の森まで突撃した。
俺たちはハイになって森の中で木を揺すったり枝を突いたりしてふざけ
ていたら、急に体が楽になって元気を取り戻し、そのあとは友人の家で
テレビ見てワイワイやって帰った。
後日、本でその神社のことを偶然読んだ。
そして坂道の幽霊についても七不思議のひとつとして書いてあったが
その幽霊は海岸から坂を上がってくる落ち武者の霊で
神社に入り込んで森の木を揺らしたり枝を突いたりするらしかった。
思い出してみるとあの日の俺たちは、
坂を上る途中からの無言の疲れ果てた姿といい、神社での行動といい、
幽霊と本当によく似てた行動をとっていたいたのだった。
坂道とはいえあの程度の距離で疲れるのも変だと思っていたが、実は
疲れたのではなく憑かれていたのかもしれない。
そうだとすると神社の森を揺らし、木の上に集まる「気」を浴びると
幽霊はパワーを補充して喜ぶのかも、と、そのとき思った。
ー終ー

318 :ななほし@代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/28(日) 02:09:55.30 ID:vaYQJzIh0
【第九十二話】グース ◆Og5mxsGgtM 様
『誰かいる』
5年ほど前の話です。
6月の雨上がりでした。
朝起きると、家内はすでに仕事に出かけていました。
2階の寝室から1階に下り、なんとなくインターホンのカメラをチェックしました。
すると、カメラの前に誰かが立っています。 6月だというのに、長袖シャツにダウンのベスト、
ハットを被った男に見えましたが、 レンズに水滴がついており、顔だけがはっきり見えません。
不審者だと思い、二階に上がり窓からそっと覗いてみると、男はいなくなっていました。
一安心して、もう一度インターホンのカメラを見ると、また同じ場所に立っているんです。
少し怖くなり、タバコを一服し、もう一度カメラを見ると、男はいなくなっていました。
外に出て、家の周りを調べてみましたが、特に異常はありませんでした。
あの男は、いったいなんだったんでしょう。
【了】

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