ーむか〜しむかし、とある場所で
363: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:34:28 ID:BDOoSr5JZ.
神娘「わはは、手も足も出まい!」
男「ぐぬぬ」
神娘「さあて、これでしまいだ」ババッ!
男「うわわ〜」
ベシャアッ!
神娘「うっ!?」
百姓二「今日は無礼講だなぁ?神娘様!」
百姓一「よ〜し、俺たちも混ざるとするか!」
村人たち「「「おおお〜!」」」
男「皆…」
神娘「なんと」
百姓一「さて…我らが村の団結力、お見せしやすぜ神娘様!」
神娘「わはは、ならば私も更なる神の力を見せてやろう!」ゴゴゴ…
男「よし…行こう、皆!」
村人たち「「「うおおお〜!」」」
神娘「来い!」
364: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:34:47 ID:BDOoSr5JZ.
・・・・・・・・・・
365: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:35:18 ID:BDOoSr5JZ.
シンシンシンシン…
男「はぁ、はぁ…」ノビー
村人たち「「「ぜぇ…ぜぇ…」」」ノビー
ザッザッ
神娘「ふぅ…さすがに村人全員相手は骨が折れるぞ…」
男「いや〜、流石神様。なかなか当たりませんね」
神娘「そりゃあ神だしな」
男「結局しっかり遊んでいきました」
神娘「おかげ様でな。上手く乗せられてしまった」
神娘「そして何故途中から私がすごい悪役みたくなっていたのだ?」
男「場の雰囲気というものですかね」
神娘「納得いかん」
男「ははは」
神娘「ほら皆!本当に風邪をひくぞ。起きろ」
百姓一「神娘様は元気ですなあ」
百姓二「おら…一歩も動けねぇ〜」
366: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:36:28 ID:BDOoSr5JZ.
「昼飯だよー!」
神娘「ん、あれは農婦たちの声か」
男「もうそんな時間ですか」
百姓二「うひょ〜!昼飯かぁ!」ガバッ
ヒュンッ!
男「うわ、速っ…」
神娘「あやつ、動けないと言ったばかりなのに…」
百姓一「はっはっは、食い意地の張った奴だぜ」
村人たち「「「わっはっは!」」」
神娘「ふふふっ」
男「ははは」
百姓一「いよ〜し、俺たちも飯食いに行くぞ!」
村人「お〜っ!」
村人「あ〜、腹減った腹減った…」
ゾロゾロ…
男「さて、乗り遅れてしまいますよ。我々も…」
神娘「…」
男「神様?」
367: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:37:29 ID:BDOoSr5JZ.
神娘(…共に遊び)
神娘(共に畑を耕し)
神娘(共に収穫し)
神娘(共に飯を食い)
神娘(共に笑い、泣くこと)
神娘(素晴らしいな)
神娘(ありふれた日常が、これほど素晴らしい)
神娘(私はこれからも生きる)
神娘(この地で、この村と)
神娘(…そして、こやつとも)
神娘「…ふっ」
男「どうかなさいましたか?」
神娘「あ、いや、なんでもない」
男「そうですか。では神様、我々も行きましょう」
神娘「ああ」
368: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:38:01 ID:BDOoSr5JZ.
ーこうして元・人間嫌いの神様は
ー本神になる修行に励みながら
ー村で、人間たちと仲良く暮らしましたとさ
369: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:38:37 ID:BDOoSr5JZ.
ーめでたし、めでたしー
370: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:39:48 ID:BDOoSr5JZ.
一年近くかかりましたが、これにて完結です。
読んでくださった方々、支援くださった方々、本当にありがとうございました。
願わくば、再びSS板がもっと賑わいますように!
371: ◆WjgYlacz.c:2016/12/4(日) 21:47:26 ID:BDOoSr5JZ.
主要キャラ4人の紹介をSS板キャラ名鑑に載せました。
併せて読んでいただけると嬉しいです。
372: 名無しさん@読者の声:2016/12/5(月) 11:53:40 ID:hBWtCCsS/Q
神娘様可愛い…。面白くて時々切ない物語をありがとうございました!
村娘ちゃんと山神様の冒険譚とか、書くご予定はございませんでしょうか…?(チラッ
373: ◆WjgYlacz.c:2016/12/5(月) 23:47:39 ID:PCMkvc5MOA
>>372
お読みいただきありがとうございました。
その「別のお話」については…検討します(汗)
374: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:37:21 ID:/cvA3b7ixo
・・・・・・・・・・
375: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:38:14 ID:/cvA3b7ixo
ザッザッ…
「…」
(けっこう山の上まで来ちゃったなぁ)
(お散歩しに来たのはいいけど…)
(何もないし、そろそろ引き返そうかな)
(…ん?)
「あれっ?」
「わぁ〜、すごい…!」
「こんなところにお社なんてあったんだ…」
「せっかくだしちょっとお参りでもしていこうかな」
「それに一度こういう所、見てみたかったんだよね」
「おじゃましま〜す」
376: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:38:38 ID:/cvA3b7ixo
「…」スタスタ
(けっこう立派だなぁ)
(誰もいないのかな?)
(でもこんな場所があったなんて)
(もしかして、私が初めて見つけたのかも!)
(…あ、でもここを造った人がいるんだ)
(何言ってるんだろう、私)
(わっ!お堂もおっきい…)
(さすがに入ったら駄目かな)
(…)
(ま、まあ、誰かいたら謝ればいいよね…?)
(少し見るだけ!少し!)
ギシッ
377: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:39:02 ID:/cvA3b7ixo
「ごめんくださ〜い」
シーン…
(やっぱり誰もいない…かな?)
(なんだか静か過ぎて不気味。外に出よう)
(うん、それじゃあ失礼して…)
(…ん?)
(あそこに掛かってるのって…)
ギッギッ
(やっぱり)
(巫女様の服だ…)
378: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:39:26 ID:/cvA3b7ixo
(綺麗…)
(まるで、最近まで誰かが着てたみたいに)
(なんだか不思議)
(やっぱり誰かいるんじゃ…)
「…」
「…」キョロキョロ
(着てみちゃったりなんかしたら…罰当たりかな?)
「…」
(ちょっとだけ…ちょっとだけ、なら良いよね?)
「…」ゴクッ
(えいっ、ままよ!)
シュルルッ、シュルッ
379: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:40:00 ID:/cvA3b7ixo
「…」
「えへへ〜」ニヤニヤ
(すごい、大きさもぴったり…)
(いいなぁ、巫女様のお仕事って憧れちゃう)
(お社を綺麗にして…)
(お参りに来る人たちのお話を聞いて…)
(神娘様みたいな神様のお手伝いをして…)
(…)
(うぅ、神娘様…)
(今、どこで何をしてるんだろう…)
(…そういえば)
(このお社にも、神様っているのかな?)
(どうしよう、こんなところ見られてたら…)
「…」キョロキョロ
(いるわけ…ないか。いたらとっくに怒られてる…)
380: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:40:50 ID:/cvA3b7ixo
巫女…
「!?」ビクッ
巫女…!
(だっ、誰!?誰の声!?)
巫女、起きなさい…!
(うぅ…)
着いたわよ…!
(誰なの!?)
「巫女!」
「ふぇっ!?」パチッ
381: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:42:10 ID:/cvA3b7ixo
巫女「…」ボーッ
山神「ほら、着いたわよ。しゃんとしなさい」
巫女「や、山神様…」
山神「どうしたの?」
巫女「あれ、私、ええっと…」
山神「何を寝ぼけているのよ。よく馬の背中に乗ったまま寝られるわね」
山神「落とさないようにするのも大変なのよ?」
巫女「ああ…なんだかいつの間に…」
巫女「そう、私、山神様のお社に初めて行った時の夢を見たんですよ!」
山神「へえ〜、あの巫女服を着てはしゃいでた時のこと?」
巫女「うぅ…やっぱり見られてた」
山神「微笑ましかったわねぇ、とっても」
巫女「もうそれ以上言わないでください…」
山神「うふふ。さて巫女、崖の下を見てご覧なさい」
巫女「崖の下…?」ヒョコッ
巫女「わぁぁっ…!」
382: ◆WjgYlacz.c:2016/12/19(月) 23:42:48 ID:/cvA3b7ixo
山神「どう?すごいでしょう」
巫女「何ですかこれ!?おっきな川ですか!?」
山神「違うわよ。これは海」
巫女「うみ…?」
山神「大きな、それはもう大きな水たまりみたいなものね」
巫女「へええ〜…」ポカーン
山神「口が開きっぱなしよ」
巫女「えへへ、あんまり驚き過ぎちゃって…」
山神「さて。じゃあ巫女、この崖下を降りるわよ」
巫女「はい!じゃあ降りる道を…」
山神「そんなの探すの面倒よ。さあ行くわよ〜!」パカラッパカラッ
巫女「ちょっ、こんな斜面を…!?山神様〜!?」
ドザザザザアッ…!!
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