このスレは、投稿しようと思ったけどなんらかの理由で断念したSSや、設定は考えたけど続きが思い浮かばないSSなどを投下するスレです。
・投下されたSSや設定を見て、書いてみたいと思ったら投下した人に許可をもらえば続きやその設定でSS書いてもOKです
(※投下した人に必ず許可を貰いましょう)
・投下した本人が続きを書きたくなった場合は自分が投下したレスにアンカを向けて本人が続きを書きますとの宣言をお願いします。
(例:>>5を投下した者ですが諦めていたこの話を再利用して続きを書こうと思います)
・投下された人が続きを書くと宣言したSSや設定、許可のないものは、いくら気に入ったとしても書けません。諦めましょう。
114: 名無しなのよ:2022/7/18(月) 21:53:08 ID:FRTgn6O4ug
今は昔、某所で連載しようとしていた極東のケモ耳青年主人公の日常もの。その一幕を供養に。
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【場所:帝国大通りのカフェテラス 時刻:昼 天気:快晴】
『君、女装に興味は?』
「ありませんがあります!」
『よし、採用』
……確か、始まりはそんなやり取りだったはず。
なんでも同僚の実家であるカフェテラスで人手が足りなくなったため、
一週間の間助っ人として女中の真似事をしてほしいとのこと。
どうも方々へ声をかけてはみたものの、
すべて空振りに終わったらしく苦肉の策として自分へ白羽の矢が立ったようだ。
その話を聞いたとき、自分の中で沸き立った思いは一つ。
曰く、『なぜ自分を一番に指名しないのか?』
その同僚には自分が帝国にきてからこちら、何かと良くしてもらっている。
義を見てせざるは勇無きなり。
いわんや、恩人の頼みを断る自分ではないというのに……。
それから約束の日まで、徹底的に設定を練り上げる作業が始まった。
自分は何事も形から入る性質なのだ。自分を頼ってくれた同僚に恥をかかせるわけにはいかない。
1週間と言う短期の助っ人でも、被る仮面は硝子製より金属製がいいに決まっているのだから。
まずは生い立ち。
自分の黒髪を隠す気はないので自然極東との混血で父方の母国である帝国に住んでいるという設定で。
次に名前。
色々考えているうちに、悪戯心がもたげ『アリス・マイン』と名付けてみた。
響きが不自然ではないように、そして名前に込めた意味が周囲に分からないように。
胸につける『A・M』と書いた名札も忘れずに作成。
そして服装。
同僚に無理を言って極東の女中風の衣装に差し替えさせてもらった。
特にスカートが短い訳ではないが、脚を見て性別がバレるのは面白くない。
その点、女中風の衣装であれば足元まで覆い隠すことができる。ビバ和服、脚運びも隠せるし。
そんな風に着々と準備を進め、ついに決戦の日と相成った。
いざカフェテリア、敵は大通りにあり!
…………
……
115: 名無しなのよ:2022/7/18(月) 21:53:50 ID:FRTgn6O4ug
「いらっしゃいませ旦那様、ただいまお席までご案内いたしますっ♪」
身体の前で両手を組んで、身体を腰から折って頭を下げて。
新たにご入店された旦那様をお出迎え。
腰まで伸びた烏の濡れ羽色の髪を棚引かせ、旦那様とは付かず離れず傍に侍りお席へご案内。
「こちら、当店のメニューとなっております。
はい?そうなんです、本日からご厄介になっておりますアリス…アリス・マインと申します♪」
旦那様に寄り添う女中の仕草の上に、あざとさ抜群の笑顔をトッピング。
元から嘘で塗り固めた経歴だもの、さらに上から殿方たちの望むフレーバーで味付けしても構いやしない。
ただし、本気になられては困りもの。
私は一週間だけの助っ人ですもの、来週の今頃このお店にはおりません。
私の名前はアリス・マイン。
本気で摘み取ろうとすれば痛い目を見ること必至な地雷少女[Alice・Mine]ちゃん。
お触り禁止の高嶺の花なのですわ。
「はい、アイスコーヒーですね?かしこまりました。
念のため、オーダーを復唱させていただいてもよろしいでしょうか?」
オーダーをマスターへ届ける際にも一工夫。小さな歩幅で小走りに。
旦那様に万が一にも着物の裾から脚が見えないよう、心がけて。
殿方と言うものは単純で、今回少し脚が見えたから次はもう少し。
次は、次は、その次は…際限のない欲望にお付き合いする気は毛頭ございません。
地雷少女アリスちゃんは自分を安売りする気はないのです。
「お待たせいたしました、旦那様。
ご注文頂きました、アイスコーヒーでございます♪」
お席を離れる際にも再度一礼、お会計はマスターのお仕事なので私のタスクはここまでです。
あとはこのルーティーン。
些細な違いやアクシデントもありますが、それはその場その場で対応すれば良いことで。
大事なことは「いらっしゃいませ」から「ありがとうございました」まで旦那様に楽しんでいただくこと。
楽しみ方は人それぞれですが、総じて「また来よう」と思っていただくことこそ我ら女中の本懐です。
それでは、「ありがとうございました、またお越しくださいませ旦那様っ♪」
…………
……
一週間後、助っ人の任務を終えた自分は同僚に食事に誘われご相伴に預かることとなった。
「君、女中リフレに興味は?」
流石に断った。
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以上、お目汚し失礼しました。
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