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【初心者】ヘタッピSS道場【歓迎】
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1: 名無しさん@読者の声:2013/7/1(月) 22:41:24 ID:i9LVyGoa8Y
・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。



80: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:15:26 ID:vNPFHEjByQ
タイトル:森の月明かり

ーー
ある夜の事である。
双子が森の道を歩いていた。
その双子はよく似ており、同じデザインの帽子と服を身につけていた。
一目で見分けるのは難しい、そんな橙色の髪と目を持った双子。
どちらも十代と思われる少年で、双子の片方は右手にカンテラを、
双子のもう片方は左手に鞘の抜かれていないナイフを持って獣道を進んでいる。
二人は手と手を硬く繋ぎ、先を急ぐ。

その光景を木の上で黒猫のような少女が眺めていた。
十代半ばに見える少女だった。漆黒の髪と、夜空に浮かぶ月の様な金色の瞳。
その彼女の月が彼らを映している。
カンテラを持つ少年はナイフを持つ少年の手をぐいぐい引きながら進んでいく。
ナイフを持つ少年はそれに抗わず、従っていた。
81: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:25:04 ID:vNPFHEjByQ
ーー
暫く歩いたところでナイフを持った少年が口を開いた。
「兄さん、待って」
どうやらカンテラを持った少年の方が兄だったらしい。
兄と呼ばれた少年が振り向く。
「…どうした?」
「…疲れた」
「……そうか」
二人とも口数は少ない方らしい。また静寂の溢れた森を二人が進んでいく。
木の上にいる猫のような少女は何かを考えているようだった。
そして、何を思いついたのか音を立てないように風で揺らぐ葉の音に紛れて隣の木に飛び移る。
少女は手頃な果実を三つ取り、片腕に抱えてマントで隠し、ひらりと地面に飛び降りた。
双子が音をした方を見る。
そこに立っていたのは一人の少女。
「…お腹。減ってないの」
金色の目は彼らだけを映していた。
82: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:31:31 ID:vNPFHEjByQ
ーー
双子の目も少女だけを映していた。
少女はマントの中を漁る様にして、二つの果実を差し出した。
「…お腹、空いてるなら。食べて」
双子の目が輝いた。口数が少ないとはいえ、まだ幼いのである。
少女は果実を手渡した。
しかし、双子は食べ方が分からないらしく、じっとその果実を見つめている。
少女は何の躊躇いもなくその果実を齧った。
瑞々しい音と共に果実の皮が割れる。
双子もそれを真似して果実を頬張り、満足げな表情を浮かべた。
少女は彼らが食べ終わるまでその光景を見つめていた。
83: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:38:21 ID:vNPFHEjByQ
ふと、少女は双子の片方が持っているナイフに目を移した。
新品のようだ。まだ一度も鞘から抜かれていないのだろう。
少女はそれを見て言った。
「…食べたら、家に帰って。あんたらはこの森にいちゃいけない」
双子は首を傾げた。
少女は黙って二人を見ていた。

風が吹き、少女のマントを微かに揺らす。
「…早く帰って。罪を犯す前に」
双子はそれを聞いて、互いに見つめ合いクスクスと笑い声を零した。
「…何がおかしいの」
84: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:43:23 ID:vNPFHEjByQ
弟がナイフを鞘から抜き、無邪気な笑みを浮かべながら言った。
「じゃあ罪を犯せばこの森にいられるんだね?」
少女が固まり、また強い風が吹いた。

ーー

「行こう。兄さん」
「そうだね」
双子はまた歩き出した。
双子の片方は夜道を明るく照らすカンテラを持って、
そしてもう片方は…
鞘から抜かれた血の滴るナイフを持って。

ーfinー
85: 名無しさん@読者の声:2013/7/16(火) 19:52:53 ID:vNPFHEjByQ
…スレ多すぎたでしょうか…(・・;)
とりあえず少ない文章力で頑張ってみました。
…お目汚し失礼しました…。
275.75 KBytes

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sage:


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