・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。
395:🎏 名無しさん@読者の声:2015/4/14(火) 13:28:01 ID:oEAptRy9qI
ふわり。
長い黒髪を楽しそうに揺らす彼女からは花の香りがした。
彼女のことは小さい時からよく知っている。幼稚園で喧嘩して泣いていた事も、小学校の帰りに友達と寄り道して迷子になっていた日も、中学に上がった日の事も、すべて俺の大事な記憶だ。
『それで、偶然その時幼稚園の先生が通りがかって送ってもらってさー。言われるまで覚えてなくてびっくりしちゃって』
この春高校生になった彼女はよりいっそう綺麗だ。中学では結っていた髪もほどいて、セーラーはブレザーになった。
彼女のことならなんでも知っている。好きな色、服の好み、昨日食べたもの。
だてにそう何年も彼女と付き合ってはいない
『それも結構前の事だから今は顔も覚えてないんだけどねー』
きっと彼女は他の生徒の誰よりも美しいだろう。それを確信に変えるためにも勉強して彼女と同じ高校に入ったのだ。
パタ、彼女が愛用しているブルーのハンカチだ。誕生日に貰ったものだと自慢していた、よほど大事に使っているのかかなり前から持っているはずなのに綺麗だ。
「落としたよ」
『?、あ、ありがとうございます!すみません」
ぺこりとお辞儀をする背中も美しい。さて、そろそろ俺は行かなければ
『親切な男の人だったね〜』
『ずっと女子校だから先生ぐらいしか男の人と喋ったことなくてちょっと緊張したよ』
『そういえば今日って担任発表だねぇ』
『うん、いい先生があたるといいよね』
ふわり、ふわり。
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