2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
【初心者】ヘタッピSS道場【歓迎】
[8] -25 -50 

1:🎏 名無しさん@読者の声:2013/7/1(月) 22:41:24 ID:i9LVyGoa8Y
・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。



392:🎏 1/2:2015/4/7(火) 04:20:50 ID:A07cR3.Hv2
空気は寒く吐く息は白い。
「寒いなあ」
一言つぶやくと手に持った缶ビールを飲みながら人の少ない公園を柵の木々を見ながら歩く。いつもと変わらない自宅への道。

今年もたくさん咲きそうだなあ…ん?

蕾のついている木が地面に横たわっている。
「切ったのか?もったいないなぁ」
「昨日の強風で倒れたからね」
独り言への返事。
そんな大声で話してたか?と驚いて振り返る。老人がにこにこしていた。
「片付けられる前に少し貰おうと思ってね。咲いたらきれいだろう?」
植木ばさみで枝を切ると「はい」と蕾の多い枝を手渡してきた。
「咲くと良いね」
自分用に切った枝と植木ばさみを袋に入れた老人は何事もなく去っていく。
枝を持っているのがなんだか気恥ずかしくて急いで家に帰る。

この枝どうすんだ?置いてくれば良かった

何の花が咲くのかもわからない枝をこたつの上に置くと冷蔵庫から酒を取り出す。酒に混じって花の香りがしたような気がした。
393:🎏 2/2:2015/4/7(火) 04:28:12 ID:IzN3s0I1iI
「起きろ、起きろよボケ」
頭に衝撃を感じて目を覚ます。小さな人が落ちてきた。

なんだこれ?ああ寝ぼけてんのかぁ

こたつに潜り直そうと布団を引くと小さな悲鳴が聞こえた気がして薄目を開ける。季節はずれな甚平姿のおかっぱ頭がこたつによじ登ろうと頑張っている。
「起きたか?起きたなボケ。よし水をよこせ」
どうにかこたつの上によじ登った小さな人が肩で息をしながら自分を見下ろしている。
「…お疲れさん、水だな」
なんで一人暮らしの部屋に人がいるのか、なんで小さいのに偉そうなのか、そもそもなんなのか。突っ込みどころ満載なのになんだか質問する気になれないのは自分より大きな枝を持ち上げようと頑張っているからだろうか。
「見てるのなら手伝えボケ。水がなければ枯れるじゃないか」
ここでやっとなにがしたいのかわったので台所の酒瓶に水を入れ枝を突っ込む。
「そっか、水がなければ枯れるんだな。一つ学んだよ甚平さん」
「誰が甚平さんだ、誰が。我は梅の精だボケ」
「梅?ああ、これ梅だったのか。よく見るけどなにかなぁって思ってたんだ」
自称梅の精こと甚平さんはなんだか不安そうな顔をした。
「…お前梅知らないって。なんか知ってる花とかないのか?」
「花見で見てる桜と小学生の時観察日記書いた朝顔はわかるぞ」
胸を張って答えると甚平さんは膝をついてうなだれている。
「…昔は花見と言えば梅だったのに…桜め」
「桜とばっちりだな。で、甚平さんはこの枝にくっついてきたんだろ。この枝がある間は家にいるのか?」
「不本意だが枝が生きている限りな」
「そうか。俺は公平だよ。しばらくよろしくな甚平さん」

こうして奇妙な同居人との生活はスタートした。

はじめまして。よろしくお願いします。
275.75 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字