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【初心者】ヘタッピSS道場【歓迎】
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1:🎏 名無しさん@読者の声:2013/7/1(月) 22:41:24 ID:i9LVyGoa8Y
・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。



338:🎏 旅立ち前夜:2014/6/18(水) 20:47:50 ID:XW7gUZhy8.
「それじゃ、おやすみなさい師匠」
「ああ、おやすみ」

ぺこりとお辞儀をして弟子が退室すると、本まみれの埃っぽい私室には僕一人が残された。
読書を再開しようと膝の上に開いた本に目を落とすも、気が散ってしまって文字は思うように頭に入ってきてくれない。
ううん、と背伸びをすると腰掛けている揺り椅子が揺れて、夜空に薄くかかった雲とその向こうでもどかしそうに光る月が窓の外に見えた。

「はぁ……」

僕は苛立ちを誤魔化すように深く息を吐くと、ついに読書を諦めることにする。
本を古びた書架に収め、短くなった蝋燭の頼りない灯りを吹き消すと、冷たく仄白い光が部屋に満ちた。

「いよいよ、明日か……」

そう独りごちて、羽織っていた上着を無造作に揺り椅子の背に放ったときだった。
ふいにじんわりと室内を満たす白い光が強くなり、誘われるように顔を上げると蝋燭から立ち昇る細く白い煙の先、中天に鎮座する丸い月がこちらを見ていた。
今や遮る雲もなく眩しい程に輝く月。
その月が真っ直ぐにこちらを見つめて言っている。
――さあ予言を果たせ、と。

どくん、と心臓が大きく脈打ち、俄かに肌が粟立つ。
けれど、もう覚悟は出来ている。
お前の思い通りになどさせるものか。
その月を睨みつけてから、精一杯不敵に笑い、言ってやる。
「僕が出来るのはここまでだ。後はあいつ次第さ」

そして、夜は更けていき、旅立ちの朝を迎える。

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初めて利用させて頂きます。
感想、アドバイス等よろしくお願いします。
何卒、お手柔らかに……
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