・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。
323: 名無しさん@読者の声:2014/5/23(金) 21:22:28 ID:I8ZKgzzbfQ
スーツに眼鏡の中年男と、真っ黒なコートをきた背の高い男が薄暗い道を歩いています。
コートの男が言いました。
「冥府まで遠い上に乗り物がないから歩いて行かなきゃいけないんだ。面倒だねぇ。」
スーツの男はうつむいて答えません。
「人間ってのは分からないもんだ。つい昨日まで大企業の重役だったのにあっけなく事故死とは。まだ若いのに女房子供残して、ねぇ?」
スーツの男は不機嫌に相槌だけ打ちました。
「しかし死神ってのもなんだ、毎日毎日死人と二人で歩いてばっかりの難儀な商売だねえ。あんたはそう思わないかい?」
再びの無視。
だんだんと光が近くなっていきます。
「なあ、死神さん。俺は天国に行くのか?それとも地獄?」
「それを決めるのは私の仕事ではないんでね。」
「……残念だなあ。いっぱい話して仲良くなって、あわよくば生き返らせてもらおうかと思ってたのに。」
コートの男は諦めたようにため息をつきました。
「残念ながら、貴方のような事を考える人間は掃いて捨てるほどいます。いちいち情を移すことなどしませんよ。」
スーツ姿の死神は事務的にそう言って、また来た道を一人引き返して行きました。
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