・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。
117: ◆WvT6/DavYk:2013/7/28(日) 11:20:05 ID:lXOjmQQ3KM
「きみはね、必要悪なんだよ。」
「俺様が、ひつようあく?」
濃紺の触覚を二本垂らし、彼はこちらを一瞥した。
その瞳には迷いと、悲哀が混同している。
「きみがいなければ、この世界は成り立たないんだ。わかるかな・・・?あるいみ、きみはストッパーなのかもしれないね。もしきみがいなくなれば、さらに凶悪な悪者が出現するかもしれない。この世界はきみがいることで、へいわなんだ。」
「だけど俺様はアイツをたおさなきゃだめなんだぞ・・・?」
「そんなに悩まなくて良いんだよ。」
「俺様だって・・・痛いのはイヤなんだ。」
「分かってるよ。」
自身の破壊行為がその世界の住人に何をもたらすか、彼は知っている。その上でそれが平和と繋がると言われているのだから、困惑を隠しきれないのも仕方がないだろう。
「きみだって、ヒーローなんだ。」
彼は夢を見る。誰からも必要とされ、沢山の支持を受け、誰でも必ず笑顔にする存在に一度はなりたいと。
しかし無理なのだ、濃紺の体に紫色の手足
ギザギザの歯で笑っても、子供たちは泣いてしまう。
存在が、悪。媒体は、黴菌。
嫌われる為に、産まれてきたのか?
「なぁにバイキンマン、ひっどい顔してるわねぇ〜。」
橙色の体に一本の触覚。彼女も自分と同じ必要悪。
はっと我に帰り、先程までのやり取りを心にしまう。
「なんでもないのだ!今日こそアンパンマンを倒すのだ!」
「私、お腹すいたぁ〜。」
必要ならばと、スパナを握る。
今日も忙しい一日になりそうだ。
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