2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


751: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/8(水) 21:57:39 ID:P0KKVjOjRo
レジスタンス11「だ、誰だ!ケツひっぱたいたのは!?」ガァーッ

宣教師「なにやってんですか!?しっかりなさい!?」プンスカ

レジスタンス11「おうっ!?」タジッ

宣教師「まったく…こんな事で腰を抜かすなんて、だらしないにも程がありますよ?」

レジスタンス11「う、うるせぇ…!おもいっきりぶっ叩きやがって!」ヒリヒリ

宣教師「残念でしょうが…あなたの思い通りにはさせませんからね!」キッ

ファルージャ「そなたは…あぁ、あの時の?」ポンッ

宣教師「忘れたとは言わせませんよ…!」

ファルージャ「生きておったのじゃな…?」ニヤッ

宣教師「っ…今すぐ降伏し、人質を解放しなさい!でなければ……」

ファルージャ「でなければ?」

宣教師「…ここであなたを倒し、強引にでも決着させます!!」

ファルージャ「フゥン…」

宣教師「さぁ!?どうするのですか!?」

ファルージャ「妾に指図してみせるとは…なかなかふてぶてしい女子よのう?」

宣教師「あなたにだけは言われたくありませんね…」シラー

ファルージャ「妾はこの美に釣り合う姿勢をとっているのみよ?」フフンッ

宣教師「それがふてぶてしいと言うんですよ!」プンスカ
752: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/8(水) 22:00:23 ID:P0KKVjOjRo
レジスタンス11「おい!ノンキにじゃれてる場合か?」ズイッ

ファルージャ「……」チラッ

レジスタンス11「はっきり目が覚めた…もう躊躇はしないぞ!」ジャキッ

ファルージャ「ほう?」クスッ

レジスタンス11「目の前にある首を落とせば我々の勝利だ!?」ズイッ

ファルージャ「」スルッ ボインッ

レジスタンス11「!!?」ギョギョッ

賊徒's「お、オォッパッパッパッパイ!!!」ハナヂブーッ

ファルージャ「」ガッ クイッ

レジスタンス11「おぁぁっ!?」グンッ

ファルージャ「」チュッ

レジスタンス11「ンォォ!?」ビクンッ

クチャクチャレロレロニュチニュチピチャピチャ

レジスタンス11「おっおっおっオゥゥフ!!」ピクッピクッ

ファルージャ「はっ……」チュポンッ

レジスタンス11「んがっ…あぁぁ……」ベタァァァ

ファルージャ「たわけが?」ペロリ

宣教師「(男ってほんと……)」シラー
753: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/8(水) 22:06:06 ID:7jNp6A9lTg
ファルージャ「そなたもしてほしいのかえ?」ジッ

宣教師「!」ゾクッ

ファルージャ「ン?素直に申せば褒美をくれてやらぬでもないぞ?」ニィィッ

宣教師「だ…誰が、そんな卑猥なこと!それよりも先ほどの要求に答えなさい!」

ファルージャ「意地を張らずともよいというに?」ガッ

宣教師「なっ…」グイッ

ファルージャ「これが欲しいのであろう?」スッ

宣教師「やめな、さい!!」バッ

ファルージャ「ハ…?」ヨロッ

宣教師「気色の悪い…!」ジトッ

ファルージャ「……今、なんと?」

宣教師「気持ち悪いと言ったんですよ!同性な上に恋仲でもない相手に迫られて喜ぶ人がいますか!?」

ファルージャ「……それの何が問題じゃ?んっ」クイッ

宣教師「へ?……んぅぅっ!?」ブチュッ

ファルージャ「くちゃっ…れるぅぅ……ぴちゃ」ニュチニュチ

宣教師「ん…ん、んぅぅぅ……だからやめなさい!!」ドンッ

ファルージャ「ッ…!」ドタッ

西兵's「女王!?」アセアセ

宣教師「はぁはぁ…やめなさいと言うのが分からないんですか!?」ゼェゼェ

ファルージャ「……」ポカーン
754: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/8(水) 22:14:51 ID:7jNp6A9lTg
ファルージャ「妾が……気持ち悪いとな…?」ブツブツ

西兵108「おぃゴラァ!!くそアマがぁ!?でめぇ女王になにじやがる!?」ズシッズシッ

宣教師「こっちのセリフですよ!あなた方の主は、なに考えてるんですか!?」

ファルージャ「はて…以前のそなたは甘んじて受け入れたように感じたが?」

宣教師「あ、あの時は驚いてしまっただけですよ!受け入れたつもりはありません!」カァァ

ファルージャ「(一度、妾の口付けに溺れておきながら……二度目を拒むじゃと…?)」アゼン

宣教師「…な、なんです?そのいかにも信じられないといった表情は?」オロオロ

ファルージャ「(あのホビットだけでは飽きたらず……かような小娘にまで……)」

宣教師「? あの…聞いてますか?」アセアセ
755: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2016/6/8(水) 22:16:59 ID:7jNp6A9lTg
ファルージャ「殺せ……」ボソッ

宣教師「はい!?」ギョギョッ

ファルージャ「もうよい。十分に戯れたわ」ヒタヒタ

ザザザッ

宣教師「」ビクッ

西兵108「ギヒヒ…女王の許しが出たぞ?」ニヤァァァ

宣教師「くっ…どきなさい!」

西兵108「皆殺しだぁーーー!!!」ダッ

西兵's「ぬおぉりゃぁあああ!!」ドドドドドッ

賊徒's「来るぞぉ!!やっちまえぇぇ!!」ダダダッ

ガンッ ガキンッ ドシュッ ズバッ ゴスッ

宣教師「……!」ギリッ

ヒタヒタ ヒタヒタ………

宣教師「(あっ…ファルージャが行ってしまう!)」ハッ

賊徒14「ゴハァッ!!」ドシャッ

宣教師「(ここにいても力になれそうもありませんし、私だけでも見失う前に追わなくては…!)」ダッ

タタタッ………
756: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 21:55:44 ID:I9OmQWwMWw
宣教師「ハァッハァッ…!」タタタッ

宣教師「……み、見失ってしまいましたね」ゼェゼェ

宣教師「それにしても迷宮のように入り組んでいて何がなんだか……」キョロキョロ

宣教師「微かに戦っている皆さんの怒声が響きますが、これではまるで居場所が掴めません…」

宣教師「どうしましょう…。間違いなく迷ってしまいました…」ズーン

ンンーッ…… ンンーッ……

宣教師「……!」ピクッ

宣教師「…どこからかくぐもったような声が?」スタスタ

宣教師「…この奥、ですかね」ジッ

ズォォォオオン

宣教師「暗闇に覆われていて不気味ですが…誰かがいるかもしれませんし」ゴクリ

宣教師「……」ブルッ

宣教師「い、今さら怖じ気付いてもしかたありません!行ってみましょう!」グッ

宣教師「…れ、霊の類いでありませんように」オソルオソル
757: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 21:57:04 ID:LP9zIHGTpU
―――地下牢―――

宣教師「…灯りもなければ人の気配もしない」スタスタ

宣教師「(埃や砂利がひどいですね…。あまり手入れされていないのでしょうか?)」ザリッ

宣教師「(それになにより……)」

ムワァァァァア………

宣教師「(異様に立ち込める生臭い臭気……悪寒を刺激する湿った息苦しさ……)」ギュッ

宣教師「(これは死臭ですね…。それも一人や二人じゃなさそうです……)」

宣教師「(乾いた血の匂いが全面にへばりついて……なんだか背筋が痺れる感じが…)」ゾクッ

宣教師「鼻を押さえても口や目、耳からも香ってくる……五感すべてに訴えかけるような、おぞましい怨念の籠った空間……)」スタスタ

宣教師「(…何度も嗅いだ事のある匂いですが、やはりこれだけは身体が受け付けません)」プルプル

宣教師「う……眼が痛くなってきました」ウルッ

宣教師「(ここがなんらかの意図で作られたとするなら…)」スッスッ

宣教師「!」ピトッ

宣教師「やはりそうでしたか…」ニギッ

宣教師「ふむふむ…目を凝らすとうっすら見えますね…。感触からしても間違いなさそうです」サスサス

宣教師「柵があるということは…おそらく囚人を閉じ込めておく為の牢獄でしょうか」パッ

宣教師「だとすれば人質にされた二人が閉じ込められている可能性も高いですね…!」ダッ

タタタッ………
758: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 21:58:34 ID:LP9zIHGTpU
ンンーッ! ンンーッ!

宣教師「声が近付いてきました!やはりここに……」タタタッ

宣教師「!」ピタッ

宣教師「…階段?」ジッ

宣教師「さらに地下があるとは驚きましたね…」

宣教師「踏み外さないように気を付けて降りなければ…」カツンカツン

宣教師「……」カツンカツン
759: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 21:59:39 ID:LP9zIHGTpU
―――地下牢(最奥の独房)―――

宣教師「またも通路に出てしまいました…」スタスタ

宣教師「この地下迷宮はいったいどこまで続いているのでしょうか…?」スタスタ

宣教師「!!!」ハッ

「んんーっ!!んんーっ!!」

宣教師「……!」スッ ピトッ

宣教師「(ひんやりしていて滑らかな固い感触……この扉の奥に!?)」サスサス

宣教師「(しかしおかしいですね…。見張りはいないのでしょうか?)」スリスリ

宣教師「(もしかすると戦いに駆り出されて……ん?)」ピクッ

宣教師「(指先に鉄製の輪っかのようなものが?取っ手…でいいんでしょうか?)」ガシャッ

宣教師「」ググッ

ギィィィィイイ………

宣教師「(開きました…!)」ビクッ

宣教師「(あ、でも中に誰かいたらどうしましょう…!私一人ではどうにも…!)」

宣教師「」ヒクッ

宣教師「(…血の匂い)」スンスン

宣教師「(上の階ほどではないにしろ……ま、まさか!)」ゾゾゾッ
760: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:19:29 ID:I9OmQWwMWw
ガラララッ!

宣教師「二人とも大丈夫です……か」ハッ

カロル「」ダラァァァン

宣教師「え…?」

宣教師「あ…い、やぁぁぁぁあああ!!!」ガクッ

「んんーっ!!」

宣教師「!?」ピクッ

ラム「んっんんーっ!!んんーっ!!」ギチギチ

宣教師「ら、む…くん」ガタガタ

ラム「ん!!んんん!!」モガモガ

宣教師「す、すぐにほどきますから!」ガッ

ラム「……!」ギチッ

宣教師「くっ…!うぅ〜!」ググッ

ラム「んっ!」クイッ

宣教師「え!?」ググッ

ラム「んーん?」ズイッ

宣教師「あっ…すみません!先に口の枷を外してからですね?」ガッ バッ

ラム「ぷふぅっ!!はぁ……えぇふっ!あ゙〜…ゔ!ぅふんっ!!」ゲホゲホ

宣教師「ず、ずっと叫んでいたんですか?」オロオロ

ラム「喉が潰れるかと思ったよ…」ゴホッ

宣教師「大丈夫ですか?」サスサス
761: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:21:50 ID:I9OmQWwMWw
宣教師「すみません。遅くなってしまって…」

ラム「…ありがとう」

宣教師「え?」

ラム「来てくれて…」

宣教師「…当然のことですよ。お礼なんて要りません」ニコッ

ラム「正直、怖かった」プイッ

宣教師「……」

ラム「誰も…来てくれないんじゃないかって……」ブルッ

宣教師「」ヒシッ

ラム「」ビクッ

宣教師「どこへでも駆けつけますよ。大切なキミたちの為であれば?」ナデナデ

ラム「人間を…ううん…みんなを信じてよかった…!」ウルッ

宣教師「ふふ…そうですか」ナデナデ
762: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:23:30 ID:I9OmQWwMWw
ラム「あ…僕の口枷掴ませたから手、ベトベトに汚しちゃったね」

宣教師「あ、いえいえ、お気になさらず?しかし頑丈に縛られていてほどけそうにありませんね…」ギッギッ

ラム「床にナイフが落ちてない?」ギチッ

宣教師「ナイフですか…?」キョロキョロ

ラム「カロルくんの足元にあるやつ…」ジッ

宣教師「カロルくんの…ひっ!?」ビクッ

ラム「……」キュッ

宣教師「こ、これ…ですかね」ヒョイッ

ラム「…ごめん」シュン

宣教師「な、なぜキミが謝るんですか!」

ラム「あの時、僕も一緒にいたのに……守れなかったから」

宣教師「…子供を守ってあげるのは大人の役目です。悪いのは頼りにならない私達の方ですよ」スイスイ

ラム「でも……」

宣教師「はい!切れましたよ?」スパッ

ラム「…ありがと」シュルッ
763: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:25:24 ID:I9OmQWwMWw
ヒメ「」ジャラッ

ラム「…ヒメも、さっき連れてこられたんだ」

宣教師「ヒメくんまで……ん?」ピクッ

魔導師「」バタンキュー

宣教師「あっ…」

ラム「知ってるのかい?」

宣教師「え、えぇ、まぁ…」

ラム「とりあえず二人を繋いでる鎖は鍵がないと開かなそうだし、そいつが持ってないか探ってみるよ」スッ

宣教師「め、目を覚ましたら危ないのでは…?」

ラム「平気、平気、僕に任して?こういうの慣れてるから?」

宣教師「(なぜ慣れてるのかは聞かない方がいいのでしょうか…)」

ラム「ん……うーん。このチャラチャラした飾り邪魔。あ、この辺かなぁ?」ゴソゴソ

宣教師「(本当に物怖じしないですね…。すごいです…)」ドキドキ

ラム「うわ……なんかあやしい小瓶がいっぱい入ってるや。これじゃなくて……」モゾモゾ

ラム「ぶぐっ…!」グワシッ

宣教師「え?」

ラム「ゔ……ゔえ゙……ゔぅぅ…」サァァ

宣教師「ら、ラムくん!どうしたんですか?」アセアセ

ラム「はっぎ……ぃぎゃああっぐぁぁああ!!!」ゴフッ

宣教師「ラムくん!?」ガシッ

ラム「」バタッ

宣教師「え…え…!?」ギョギョッ
764: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:28:32 ID:I9OmQWwMWw
宣教師「いったい何が……」ハッ

魔導師「やあ?」ギランッ

宣教師「ひあっ!?」ビクッ

魔導師「こっちが気持ちよく気を失ってるのをいいことに……あ、いたた」ムクリ

魔導師「殴られたとこがまだ痛むよ…」サスサス

ラム「」ブクブク

魔導師「んふふ……それにしても寝込みを襲うなんて王国人もなかなか大胆じゃないの?」チラッ

宣教師「こ、この子に何をしたんですか!」キッ

魔導師「いやぁ…別にたいしたことはしてないけど」パッパッ

魔導師「ほんのちょっと殺傷力の高い魔術に掛けただけさ」スクッ

宣教師「なっ…すぐに治しなさい!」

魔導師「さてさて、さてさて、さてさてと……」ニギニギ

宣教師「!?」

魔導師「あのまま火に呑まれて焼け死んでれば、まだ……いや、無意味な話はよそうかね」フッ

魔導師「なんにしたって、それまでの運。幸が無いのもそれまでのことさ」ジリッ

宣教師「っ…!」

魔導師「大丈夫。死は怖いだろうけど、そんなの忘れてしまうくらい苦しめばいいよ?」ニヤァァァ

宣教師「(こ、ここまで来てっ……)」ギリッ
765: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:40:05 ID:LP9zIHGTpU
宣教師「な、納得いきません…」ブルッ

魔導師「?」ユラリ

宣教師「…あ、あなたはなぜ平然と、こんな事ができるんですか?
なぜ…ファルージャなんかに仕えているんですか!?」アトズサリ

魔導師「んー……」ポリポリ

宣教師「私には…とても信じられません!」キッ

魔導師「つまり恋バナってこと?」

宣教師「はい?」キョトン

魔導師「あ、違うのね…。ま、いいや。なんだって」

宣教師「た、たぶん違います…」

魔導師「なんにしたって…愛してるんだ。尽くしたくもなるよ?」

宣教師「あなたがファルージャを…ということですか?」

魔導師「まぁね」

宣教師「…分かりません。体目当てでもなければ好意を寄せる理由なんてなさそうなものですが」

魔導師「大概はそうかもね」

宣教師「あ、あっさり認めるんですね?」

魔導師「んふふ…別に取り繕うようなことじゃないから」

宣教師「……」
766: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:44:01 ID:LP9zIHGTpU
魔導師「自分にとって女王は友であり、仲間であり、恋人であり、母でもある。すべての愛しさが詰まった…大事な大事な人だ」

魔導師「だから何があっても女王の喜びを優先する。今にも溢れる想いを奥底に押し留めてでもねぇ」

宣教師「…どれだけ奉仕してみせても、あの女があなた方の愛情に報いるとは思えませんよ」

魔導師「それでいいよ」

宣教師「そ、それでいいって……」

魔導師「健やかでいてくれればいいんだ」

宣教師「……」

魔導師「星の瞬く夜の空も…日の出に目映く輝ける海も……女王の笑顔に比べたら、なんてことない景色の一つ」

魔導師「女王に喜びを与えてあげられる人生に恵まれたのは何より甘美な幸運だ…」

宣教師「…不思議な気分です」

魔導師「ん?何がだい?」

宣教師「私はあなたを理解できない…。これまでの行いも今、目に映る惨状も決して許す事はできません」

魔導師「だろうねぇ」

宣教師「けど、あなたもまた大切な物を守りたい一心だというのは伝わりました」

魔導師「んふふ…」クスッ

宣教師「それでも私はあなたを肯定したくありません。
通ずる想いはある筈なのに……なぜこうも相容れないのか」シュン

魔導師「そうかい…。難しいよねぇ…」フムフム

宣教師「……」

魔導師「答えは出ない…じゃあせめて悩みだけでも忘れさせてあげようかね」スッ

宣教師「」ピクッ

魔導師「…これからその身に起こる不幸。受け入れる覚悟はできたかい?」ギランッ

宣教師「っ…」ゴクッ
767: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:50:46 ID:LP9zIHGTpU
宣教師「」ブルブル

魔導師「おやおや、震えてかわいそうに?」ジリッジリッ

宣教師「わぁぁああっ…!!」ドッ

魔導師「えっ…」ズシッ

ドフッ!

魔導師「ぐげっ…!?」ズサァァァ

宣教師「私だって…守りたい物があるんです!!」ガッ

魔導師「ぉごほ!!あぐぅ…やめ、ろ……」ギュウウウ

宣教師「鍵を渡しなさい!!でないと、このまま絞め続けますよ!?」ググッ

魔導師「(っ……ま、ずい。意識……トぶ…!?)」パチンッ

シュコォォオオオ………

宣教師「(なっ…急に異臭が…?)」ピクッ

魔導師「うぅ…」ギュウウウ

宣教師「(め、目眩が……頭、くらくら……)」フッ

バタッ

魔導師「ふぅ…ふぅ…危ないとこだった。虫も殺せないような顔して図太い女だよ」ゼェゼェ
768: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:55:56 ID:LP9zIHGTpU
魔導師「まさか不意討ちしてくるとは考えもしなかった。自分もまだまだかねぇ…」カパッ

宣教師「(身体に…力が入らない…)」ベタァァァ

魔導師「んふふ…これは祟り気。簡単に言えば霧状の毒さ」キュッキュッ

魔導師「軽くホール一室は蔓延させられる強力な災いの素」

魔導師「これを近くで目一杯吸ったら助からないだろうねぇ」

魔導師「君も…この子たちも」ニヤァァァ

宣教師「ぶぇっ…ぐ!あぁ!がはっ!」ビチャビチャ

ヒメ「おぅえっ……えふっうえぇぇ!!」ビチャビチャ

魔導師「人質はいなくなってしまうけど…ま、いいか」

魔導師「こんなのに頼らなくても自分がいれば女王は守ってあげられる」

魔導師「…最初からそうさ。女王のそばにいるのは自分だけでいい」

「さっきから、なに一人でぶつぶつ言ってるの?」

魔導師「」ビクッ

ヒュンッ

魔導師「だれっ…」バッ

ズンッ!

魔導師「き、みは…そ、か」ズシャッ

ラム「君が拷問に使ってたナイフ貸してもらったよ?」ハナツマミ

魔導師「んふ…ふ。また、油断しちゃったよ…」ゴフッ
769: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 22:58:29 ID:LP9zIHGTpU
魔導師「ん、ふふ…毒、効かないんだっけ…?」ダラァァ

ラム「鍵、もらうよ」モゾモゾ

魔導師「永遠の命か…羨ましいなぁ……」

ラム「あった…ブフッ!」ゴパァッ

魔導師「……?」ビシャッビシャッ

ラム「はぁ…はぁ…永遠に生きれたって苦しいだけだよ」ジャラッ

魔導師「効いてたんだ…よく動けるねぇ…?」ピクッピクッ

ラム「やせ我慢してないと、こんな体質、耐えらんないよ」カチャカチャ

魔導師「あ、そう……」

パキンッ

ラム「…外れた」

フッ

ラム「ととっ!」ポスッ

ラム「…起きて、カロルくん。君の力が必要なんだ」ナデナデ

カロル「」ダラァァン

ラム「っ…ごめんね」ヒュッ

パシンッ! パシンッ!

カロル「うっ…あぅ……」ヒリヒリ

ラム「……!」ヒュッヒュッ

パシンッ! パシンッ!
770: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2016/6/11(土) 23:09:55 ID:d5hJ0M3DQ.
ラム「起きた?」ジッ

カロル「」ボーッ

ラム「聞こえるかい?まずは自分の傷を癒すんだ?」

カロル「……」

ラム「時間がないんだ!お願いだから早く……」

カロル「ぼ、く…いやし、たら…ラムくん……が」

ラム「……!」

ラム「(ほとんど意識もないのに…まだあんな約束を信じて……)」ググッ

カロル「」ボタボタ

ラム「(こんなになってまで僕を庇おうとしてるんだ…)」ウルッ

ラム「(それなのに僕は…なんにも……)」ポロッ

ラム「ひっ…う……」ポロポロ

カロル「ないて…るの?」プルプル

ラム「え…?」ポロポロ

カロル「ボクの…せいだよね…ごめ、なさい」ナデリ

ラム「…平気。平気だよ?」ギュッ

カロル「ふあ…?」ポフッ

ラム「僕はもう平気だから…自分を大事にしてよ」ナデナデ

カロル「うん…」ボーッ

ラム「もっと僕たちを頼ってよ…!」ポロポロ

カロル「なか…ないで…」

ラム「なら…早く元気になってよ!じゃないと泣き止まないからね!」ジッ

カロル「…わかっ…た……」コクッ

ラム「……」ホッ
973.18 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字