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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


720: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/29(金) 22:49:16 ID:8PiAZwx7gI
団長「む……大事ないか…?」ザッ

宣教師「わ、私は…なんともありませんが…だ、団長さんは…」ズキズキ

団長「くっ…こんなもの…かすり傷だ…!」ボタボタ

宣教師「ひ、ひどい出血じゃないですか…!なんでわざと斬らせたり…!」アセアセ

団長「虚を突かねば…確実に助けてやれなかったのでな…つぅぅ!」ズキンッ

宣教師「す、すぐに止血を…!」ビリィッ

副官「い、いひぃぃたぁぁ…!わ、わた…しも…たすけ…!」ググッ

宣教師「……」シュルシュル

副官「お、おい…全身、しびれて…寒い…血が冷たい…!」ダラァァ

宣教師「……」キュッキュッ

副官「だす……げ、ぼはぁっ!!」ゴボォッ

宣教師「とりあえず応急処置だけ…」パッパッ

団長「うむ…」ヒョイッ

宣教師「予備の剣を持ってたのですか?」

団長「あぁ…息子の愛用していた剣を研ぎ直し、護身刀として懐に忍ばせておいたのだ」チャッ

宣教師「ラキアくんの…」

団長「……因果なものだな。親でありながら子を救えず、むしろ救われてしまっておるとは」

宣教師「ありふれた言い方ですけど…自分の分まで生きてほしい、という想いからくるのかもしれませんよ?」

団長「…それは本来ならば親が子に託す望みだ」

宣教師「……」

団長「…が、今はありがたく受け止めておこう。気落ちしている暇もないからな」グッ

宣教師「えぇ…ラキアくんの想いも乗せて頑張りましょう」ニコッ
721: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2016/4/29(金) 22:53:59 ID:8PiAZwx7gI
王国兵74「お、オドアイル様!?」

王国兵75「やってくれたなぁ!?」バッ

団長「」ギロッ

王国兵's「」ビクッ

団長「指揮官を討ち取ったぞ!!者共!この勢いを逃すなぁ!!」

ウオオオォァアアアアアアア!!!

王国兵's「なっ…にぃ…!?」ビリビリ

ドドドドドドッ

ワァーワァーギャーギャー!

団長「よし……通路を塞いでいる予備隊をどかしてやろう。君は先に陛下を探しに行け」

宣教師「え?」

団長「ここにいたところで危険が迫るだけだ」

宣教師「で、ですが…」

団長「陛下の安否を確かめるのも重要な役回りだぞ」

宣教師「わ、分かりました」

団長「(……)」ジワァァ

団長「」スーッ

団長「ふぅー……行くぞ!!」ダッ

宣教師「はい!」タタタッ
722: まいど更新遅くてごめんなさい ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:07:01 ID:CTUVzw6Lcc
ザッ ヒュオンッ ズシャッ

クンバヤ「がふぅ!?」ブシッ

フィクサー「よくも手を焼かせてくれたものだ。野鼠が…」ジリッジリッ

王国兵's「オォォォオオオ!!さすがは総指揮だぁぁ!!!」

クンバヤ「へっ……だ、めだ、こりゃ……は、歯がぁ立たねぇや」ボタボタ

フィクサー「」ジャキッ

クンバヤ「おいおい…容赦ねぇな?」ブルッ

フィクサー「言い残しがあるのなら好きにせよ。覚えてやる気もないが…」フンッ

クンバヤ「(あ〜…なんでいつもこうなっちまうんだか?あと一歩ってぇとこで上手くいかねぇや…)」

クンバヤ「(まったくツイてねぇよ…。そういやガキの時から、なんにも手に入らずじまいだったっけか)」
723: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:09:04 ID:CTUVzw6Lcc
〜〜〜回想(クンバヤ)〜〜〜

ワァーワァーギャーギャー

店主「待て!!クソガキめぇ!!」ダッ

『誰が待つかよ!オッサン!!』タタタッ

店主「くそぉ!!今度来やがったらぶっ殺してやる!!」


『はぁ!はぁ!よ、ようやく振り切ってやったぜ……。これで今日の飯にありつける!』

ドンッ

『わっと!?あぶねぇな!前見て歩けよ、オッサ……』

バキィッ!

ズサッ

『てて…!な、なにしやが……』ヒリヒリ

浮浪者「」ブツブツ

『……!?』

浮浪者1「ヨコセ…」ブツブツ

『だ、誰が渡すかよ!?』バッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

『なっ…!?』

浮浪者2「オレのだ…」ボソッ

浮浪者3「飯……飯ぃ…」フラフラ

浮浪者4「あぶ…ぐふふ」ズリズリ

浮浪者1「おめぇらどっか行けぇ!!俺が最初に見つけたんだ!!」

ワァァァアアアアアア!!!

『や、やめろ!来るな!俺が取ってきたんだぞ!!』ヒシッ

バキッ ガスッ ボコッ ドカッ


(あん時も必死の思いで盗んだパンを泥まみれのオッサンたちに奪われた…)
724: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:10:38 ID:CTUVzw6Lcc
〜〜〜〜〜〜

店主「またてめぇらかぁ!!クソガキ共ぉ!!」

『へへっ!今日は大量だな!』タタタッ

仲間「おう!でも今日ばっかしは逃げ切れそうにねぇな!」

『ちっ!あの親父、ガキの俺ら相手にごろつきなんか雇いやがって!』

仲間「俺が引き付けとく!お前は先に行け!」

『いいのか?』

仲間「アジトで腹空かせて待ってる兄弟の為だ!」

『分かった!お前もほどほどにして逃げろよ!』タタタッ

仲間「……」


ごろつき1「ぐはは!少しは懲りたか?」

『うぐ…な、なんでここが…』

ごろつき1「てめぇの仲間がご丁寧に教えてくれたぜ?」

『あ、あいつになにしやがった!?』

ごろつき1「バーカ?あいつからお前を売ったんだよ?」

『は…?』

ごろつき1「パンの一切れで素直になったぜ?てめぇを売って腹の足しにしたらしいや?」

『でたらめ言うなぁ!!』

ごろつき1「でたらめなんか言うもんかい?そんなに信じられんなら直接、聞いてみたらどうだ?」

『……!』


(結局、それきりあいつは姿を消した)

(数年間、苦楽を共にした俺たちを捨てて売り物にもならねぇ出来損ないのパンを頬張ったんだ)

(…………)
725: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:15:42 ID:dDDS7ew8SI
〜〜〜〜〜〜

ドドドドドドッ

『ウオオオオ!!ファルージャを殺せぇ!!』

レジスタンス's「オォォオオオオ!!!」ダダダッ

レジスタンス1「ん!?あれは……」

ファルージャ「クスス……」フリフリ

レジスタンス1「はぅっ!!」ズキュンッ

レジスタンス2「び、美女だ?美女が手を振っている!」

レジスタンス3「あ、あの美女は誰だ!!」

レジスタンス4「女神様だ!きっとそうに違いない!!」

『な、なにしてんだ!ありゃどう見ても……』

ファルージャ「」チラッ

『うっ!』ドキンッ

オォォォォオオオオ!!!

『ま、まずい!一旦引き返すぞ!おい!おい!?』

ファルージャ「よきにはからえ?」ニコニコ

ワァァァアアアアアア!!!

『ちくしょう!なんだってんだよぉ!!』


(革命の一歩手前でファルージャ一人にしてやられた……)

(思えば何一つ上手くやれてねぇ……)

(けど……裏切られはしても裏切ることはしてこなかった)

(俺のくだらねぇ人生…後悔がねぇとしたら、そこだけか。ハハ……やっぱくだらねぇや)

…………………
726: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:20:40 ID:dDDS7ew8SI
―――宮殿(大階段)―――

クンバヤ「(あぁ…これが走馬灯ってやつか。イヤな事ばっか思い出させやがってよ…?)」

フィクサー「」ジャッ

クンバヤ「(こんなんでいいのかよ、俺は……最後の最期までパッとしねぇ)」

フィクサー「」ヒュオンッ

ザンッ!

ボトッ

クンバヤ「ってぇぇぇ……いいわけ、ねぇよなぁぁ!!!」プシャアアアアア

フィクサー「片腕を身代わりに致命傷を避けたか」ピシャッ

クンバヤ「ドォォルァァアアアア!!!」グワッ

フィクサー「」シュバッ

クンバヤ「ブごッ…!」バシュッ

ズダァァン!

フィクサー「愚かな…死に逝く苦痛を増しただけだ」スッ

クンバヤ「っ…あぁぐ!」ジワァァァ

フィクサー「足掻きもせねば楽に死ねたものを?」

クンバヤ「やっ…ばり…だ、べが……」ブフッ

フィクサー「今度は外さん?」チャキッ

クンバヤ「す、ぎに…しやがれ」ペッ
727: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:23:20 ID:dDDS7ew8SI
「でぁぁああ!!」ドッ

ザッ ブォンッ

フィクサー「!?」バッ

ガインッ! ズザザッ

フィクサー「……貴様」ジッ

クンバヤ「オッサン……」

団長「ちぃっ!」ジャキッ

フィクサー「…オドアイルめ。しくじったか」

団長「通路側の予備隊を撃破し、背後は陣取らせてもらったぞ!もはや貴様に勝機はない!!」

クンバヤ「…へっ」ニヤッ

フィクサー「……」

クンバヤ「そ…ゆうことなら……も、一踏ん張りだな」ググッ
728: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:27:29 ID:dDDS7ew8SI
団長「貴様の首さえ落とせば最後だ…!」

フィクサー「見くびるのも大概にしておけ」

王国兵65「さ、させるかぁ!!総指揮を守れぃ!!」ダッ

王国兵66「えやぁっ!!」ブンッ

団長「邪魔をするなぁっ!!」ザッ

バシュッ ズガッ ドシャドシャ

王国兵's「ひっ…」ブルッ

団長「半端な覚悟で、この決戦に水を差すでないわぁ!!」ギロッ

王国兵's「ひぇぇ!?」ズサァッ

クンバヤ「お、いつめた…みたいだぜ」ヨロッ

フィクサー「ふん…」ジッ

団長「兵法さえ封じれば、こちらのものだ!」ジリッ

フィクサー「…その深傷では勝負にもなるまい」

団長「む!?」ピクッ

クンバヤ「あぁ…!?」ピキッ

フィクサー「しかしこのような泥臭い無頼に縋りついてまで醜く足掻くサマは何より見苦しい…。
貴様も国王も恥を忘れた愚か者……軽蔑すら失せ、なにより哀れみの念が増すというものだ?」

団長「ぐぬぬ…!」ギリィッ

クンバヤ「んだとぉ…!?」ワナワナ
729: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:30:48 ID:dDDS7ew8SI
フィクサー「だが…これしきの戦力で善戦してみせた強引とも取れる突破力は評価に値する」

団長「随分と上から物を言ってくれるな…!?」

フィクサー「国軍の力無く西の主力軍を倒してみせたのも貴殿の功績による物と伺っている」

団長「馬鹿を申せ!陛下が迅速な判断をなさり、全員の意思を結託させてくださったからこそ得られた勝利だ!?」

フィクサー「建前は不要。本音で語ってみせろ?」

団長「なにぃ!?」

フィクサー「その剣の技巧たるや燻らせておくにはあまりに惜しい」

団長「べらべらと二枚舌を並べおって…言いたい事があるなら、はっきりさせんか!?」

フィクサー「闘争とは本能。生存とは競争。不平等は現し世の習いだ」チャッ

フィクサー「真に平穏を願うのであれば強者となり、弱者を屈服させるしかない」

団長「ねじ曲がった矜持だな…!理解に苦しむわ!」

フィクサー「どうだ、ルフィアス殿?力を持つ貴殿ならば分かり合えるとわたしは信じているのだが?」

団長「この期に及んで血迷ったか…?」

フィクサー「大陸総支配こそが平穏に通ずる唯一の道だ。我が片腕となり、共に目指さないか?平穏な世界を……」

団長「断る!!」キッパリ

フィクサー「惜しいな…。貴殿ほどの腕利きが弱き王の下で埋もれようとは?」

団長「抜かせぃ!貴様ごときが大それた口を聞くなぁ!?」ズイッ

フィクサー「…が、まぁ是が非でも欲しいという訳ではない」

団長「……?」

フィクサー「ここに積み上がる死体が一つ増えるだけのこと。後始末が面倒ではあるが」

団長「ぬぅぅっ…もはや聞き捨てならん!!」バッ

クンバヤ「俺も忘れんじゃねぇぜッ!!」ブンッ

フィクサー「」ヒュオンッ

ガインッ ギャリンッ キィィンッ!
730: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:34:06 ID:CTUVzw6Lcc
―――後宮(地下牢)―――

西兵's「」ザッザッ

ファルージャ「」ヒタヒタ

ヒメ「よく裸足で歩けるな?足を痛めないのか?」カツンカツン

ファルージャ「生まれが貧しいゆえ慣れぬのよ」ヒタヒタ

ヒメ「…貧民の出なのか?」

ファルージャ「うむ。長く宮廷暮らしに甘んじておるが未だにどうも履き物は落ち着かぬわ?」ヒタヒタ

ヒメ「(だから蜂蜜を指で掬って舐めたりしてたのか…。意識的にやってるのかと思ったけど)」

ファルージャ「教養も持たぬでな。字の読み書きはおろか己の年齢さえ知らぬ」

ヒメ「…それはさすがに冗談だろ?」

ファルージャ「嘘ではない。宮廷に呼ばれるまでの生活で妾が教わった事と言えば、せいぜい男の悦ばせ方と…何かしら腹に入れておけば死期が延びることくらいさな」サラッ

ヒメ「……」

ファルージャ「しかし不思議なものよなぁ…」

ヒメ「なにがだ?」

ファルージャ「あの頃と比ぶれば気まぐれに欲する物のほとんどが、この手の届く内にあると言えよう」

ヒメ「まぁ…そうだろうな」

ファルージャ「されど何かを掴めば掴むほど手放していいと思える物ばかりが増えるように思えてな」

ヒメ「?」

ファルージャ「…今となっては何を欲するべきかに迷うわ」

ヒメ「ふーん…話を戻すが人質は返してくれるんだろうな?」

ファルージャ「……ここよ?」ピタッ

ヒメ「……!」ピタッ
731: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:39:08 ID:dDDS7ew8SI
ファルージャ「」クイッ

西兵109「はっ…」ガッ

ガラガラ ゴゴォォン………

ヒメ「」ドキドキ

ファルージャ「クスス……」ニヤッ

ヒメ「は……?」ドクンッ

ヒメ「」ドクンドクンドクンッ

ヒメ「」ガタガタブルブル

ヒメ「わ、わ……わあああああああ゙あ゙あ゙あ゙!!」ダッ

ガシッ

ヒメ「は、はなっ……」グッ

ガツンッ!

ヒメ「おぐっ!!」ドサッ

西兵108「じゃかあしいんだよぉ!だぁっとけや!?」ギロッ

ヒメ「ぅ…ぐ……」ピクッピクッ

ファルージャ「なぜ取り乱す?せっかく無事を拝ませてやったと言うに…?」ニヤニヤ

ヒメ「おまえ…ふざけるなよ?」キッ

西兵108「あぁん!?なんつったぁ!?」ズイッ

ファルージャ「その辺でよい」サッ

西兵108「へい!」スッ

ファルージャ「なんぞ気に食わぬことでも?」

ヒメ「ぅっ…う、くく…!」フーッフーッ

ファルージャ「およそ絶世の美女に向ける眼差しとは思えぬな?」ニヤニヤ

ヒメ「醜悪だよ…!おまえを取り巻く何もかもが…!?」ギリィッ

ファルージャ「フゥン……ま、入ろうぞ?」ヒタヒタ

ヒメ「……!」ムクッ
732: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:42:05 ID:CTUVzw6Lcc
―――地下牢(最奥の独房)―――

ファルージャ「ふむ…よい具合ではないか?」

魔導師「あ、女王…」スクッ

ヒメ「……!」プルプル

魔導師「ん…なにそのガキ」ジロッ

ファルージャ「生きておるかえ?」ツンツン

カロル「」ボタボタ

魔導師「そっちは寝てるよ。こっちは元気だけど」チラッ

ラム「むぐ…ンンーッ!!」ギチギチ

ヒメ「ラム!?」

ファルージャ「ン…こやつはなんじゃ?」

魔導師「なにって……女王が連れてきたんじゃん」シラー

ファルージャ「はて?そうだったかの?」

魔導師「え〜……」

ヒメ「カロル……カロル…!なぁラム…カロルは…!?」ブルブル

ラム「む…うぅぅ……」プイッ

魔導師「ふーん……」ジッ

ヒメ「おい…おまえ、なにしたんだよ?なんで……なんでカロルが…こんなことになってるんだよ!?」ガッ

魔導師「おっとと…初めまして?第一印象サイアクだけど?」グンッ

ヒメ「なにしたかって聞いてんだよ!?」ユサユサ

魔導師「あぐ…ちょ……く、くるし…から」ブランブラン

ファルージャ「パカラゥロ。教えておやりな?」

魔導師「や、やぶさかじゃないんだけど……は、離してくれるかい?」ブランブラン

ヒメ「っ…」パッ

魔導師「ふぅ……」ゴホッ
733: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:47:40 ID:dDDS7ew8SI
魔導師「…1日1痛がこの坊っちゃんに与えられた義務なんだとさ」

ヒメ「は…!?」

魔導師「お仲間を目の前に繋いで気まぐれに一ヶ所、まぁなんかやって痛め付けるんだけど」

ヒメ「なんだよ、それ!?」

魔導師「もし力を使って傷を癒したりしたら仲間にそっくりそのまま同じ痛みを与える…。
耐えかねて命乞いとかしたら仲間と役割交代。その繰り返しさね」

ヒメ「……!?」チラッ

カロル「……」ダラァァン

ヒメ「(全身におびただしい痣と裂傷…右手首から先が千切られて雑に血止めしてある…釘……蝋……ピアス……焼かれたのか…腹から胸にかけてめくれて…!?)」ウプッ

魔導師「ま、今んとこ交代してないけど…ガッツあるよねぇ」

ヒメ「いったい…いつから……」

魔導師「ここに来てから。自分も最近、知らされた」

ヒメ「それって…!?」

魔導師「打っても切っても刺しても焼いても抜いても剥がしても我慢できるんだから偉いよねぇ?自分だったらゾッとするよ?」

ヒメ「ゔっ!ぐぇぇぇぇ!!」ゲロゲロ

ビタビタッ ビチャッビチャッ

ファルージャ「ほんに痛ましい…そなたもむごい事をするものよ?」

魔導師「や、だから女王がやらせたんじゃないの?」

ヒメ「ら、ラム…おぇ…ホン、トか?」ハァッハァッ

ラム「……!」ウルッ

ヒメ「!!!」ゾワッ
734: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:54:57 ID:CTUVzw6Lcc
魔導師「なんにしたってよかったじゃないの?お友達に守られたんだから?友情、友情?」ポンポン

ラム「うぅ〜!!むぐぅぅ!!」ジタバタ

魔導師「シャルウィンに磔にされてた時は痛そうで見ちゃらんなかったけど……君の痛みはぜーんぶ彼が肩代わりしてくれるとさ?」ツンツン

カロル「」ジャララッ

ラム「がぁぁぁ!!!ばあぁあああ!!!」ガシャッガシャッ

魔導師「んふ…んふふ」ニタニタ

ファルージャ「今宵の趣向は?」

魔導師「うーん…そうだねぇ。歯は抜いたし爪や生皮もだいぶ剥がしたし…ベタなとこはあらかたやり尽くしちゃったんだよねぇ」ムムムッ

ラム「〜〜〜!!」ガシャッガシャッ

魔導師「ありきたりだけど目でもくりぬいてみようかね?」

ヒメ「……!」ブチィッ

魔導師「今夜はゲストもいるんだし盛り上げ……」チラッ

ザウッ シュッ

魔導師「なきゃ……え?」ハッ

バキィィィッ!!

魔導師「むげぇええ!!」ズダァァン

ファルージャ「あら……」

ヒメ「ゆるさない…!」ゼッゼッ

ラム「!?」ビックリ

ヒメ「殺してやる…!おまえら全員…皆殺しにしてやるぅっ!!」カッ

ファルージャ「武具を取り上げられたそなたがこの手勢を相手にどう立ち回るのじゃ?」

ヒメ「わぁぁあああ!!!」ザッ

ファルージャ「フフ…やっておしまいな?」クイッ

西兵's「らぁぁぁっ!!!」ザザザッ
735: ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 22:59:25 ID:CTUVzw6Lcc
バキッ ガンッ ゴッ ビタァァン

ヒメ「」ドサッ

ファルージャ「ほれ、たわいない?」ニヤニヤ

ラム「あ…う、うぅぅ〜〜やぇおぉぉ!!」モガモガ

西兵's「ゲヒャヒャヒャヒャ!!」ゲシッゲシッ

ファルージャ「殺すでないぞ?」

西兵's「へいっ!」スススッ

ヒメ「」ベシャッ

ラム「むぅぅううう!!!むぅぅううう!!?」ガシャッガシャッ

ファルージャ「パカラゥロ?」

魔導師「」ハラホロヒレハレ

ファルージャ「フゥ〜……そなたも魔術を差し引けば、ただのか弱き娘よな?そのまま寝ておれ?」シラー

736: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2016/5/19(木) 23:05:36 ID:dDDS7ew8SI
西兵111「女王!お楽しみのところ申し訳ありません!!」タタタッ

ファルージャ「ン…?」

西兵108「あぁ!?どしたぁ!?」

西兵111「敵兵が渡り廊下を通過し、後宮内に侵入してきました!!」

西兵108「んだどぉ!?」ビキッ

西兵111「取り急ぎ始末に向かいますが女王はどうか安全な場所へ避難を!?」

ファルージャ「この地下通路に入ってきてから対応すればよかろう」

西兵111「は!?それでは避難経路が使えませんぞ!?」

ファルージャ「構わぬ。値打ちのある人質も捕らえたでな。いざとなれば、これらを利用するまでよ」

西兵111「か、かしこまりました!」

ファルージャ「さて…ついでに国王も繋いでおやり?」

西兵108「へっ!お安いご用で?」ジャラッ

ヒメ「」クタァァァ

ラム「!」オロオロ

ファルージャ「フゥ…寝むとうてならぬわ。誰ぞ部屋で身体を揉みほぐしておくれな?」ヒタヒタ

西兵108「お、おでが!!」ハイハイ

西兵109「い、いやぁ俺が!!」ハイハイ

西兵110「わ、私こう見えて按摩には自信が!?」ハイハイ

ファルージャ「別に誰でもよいわ…」ヒタヒタ

西兵's「お、お待ちください!女王!!」カツンカツン

ラム「ぅ…むぅ……!」プルプル

ヒメ「」ピクッピクッ

カロル「……」ダラァァン

ラム「〜〜〜!」キュゥゥッ
737: 支援ありがとうございました!遅くなってすみません! ◆WEmWDvOgzo:2016/6/2(木) 22:07:36 ID:0/OGOTd61c
―――後宮(通路)―――

ズカズカズカ ズカズカズカ

ワァーワァーキャーキャー!

賊徒10「うらぁ!?女王はどこだ、吐きやがれぇ!?」ガッ

宮仕え1「ひ、ひぃぃ!?わたくしどもはなにも!?」ガクガクブルブル

宣教師「やめなさい!戦えない方々に乱暴してはなりません!」

賊徒10「うるせぇ!女はすっこんでろ!?」

宣教師「私の性別とあなたの行いは関係ないでしょう!無闇に狼藉を働くのはやめなさいと言ってるんです!」

賊徒10「んだと〜!?」ギロッ

宣教師「あなたもですよ!」

宮仕え1「え…?」ビクビク

宣教師「あのように身勝手な女を庇ってどうなるんですか!自分を苦しめているだけだと、なぜ気付かないのです!」

宮仕え1「……!」

宣教師「居場所を教えてください!あなた達の安全は私が保証しますから!」

賊徒10「おうおう、姉ちゃん!なに勝手に決めてんだ!?」

宣教師「何か異論でも?」ジッ

賊徒10「あぁ!?」ズイッ

宣教師「なんですか!?」ズイッ

賊徒10「うぅ…くっ……こ、この尼!?」タジッ

宮仕え1「」ブツブツ

宣教師「?」チラッ
738: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/2(木) 22:10:33 ID:EpaEGFgW5M
宮仕え1「じょ……るな」ブツブツ

宣教師「はい…?」

賊徒10「お?なんだぁ!?」ギロッ

宮仕え1「俺の女王を……侮辱するなぁぁあああ!!!」スチャッ

宣教師「!?」ビクッ

賊徒10「うおぉ!?てめぇどこにナイフなんか忍ばせてやがった!?」オロオロ

宮仕え1「アァァァアアアアアアア!!!」ダッ

宣教師「や、やめなさ……」アセアセ

ズンッ!

宮仕え1「ご……ぶ」ブシャッ

ズボッ

宮仕え1「」バタァァ

レジスタンス11「ちっ!なにをやってんだ?」ジロッ

賊徒10「た、助かりやした」ペコッ

レジスタンス11「おら、引き締めろ!」バンッ

賊徒10「へい!すいやせん!」ペコッ
739: ◆WEmWDvOgzo:2016/6/2(木) 22:11:33 ID:EpaEGFgW5M
レジスタンス11「おい、王国人!てめぇもだ!」

宣教師「……」

レジスタンス11「敵とじゃれ合ってんじゃねぇぞ!ふざけてんのか?」

宣教師「助けてくださったのは感謝します。ですが私が間違っていたとは思えません」

レジスタンス11「なぁにぃ〜…?」ビキッ

宣教師「戦わなくていい相手まで痛めつけることはないでしょう」

レジスタンス11「で、この有り様か?」

宣教師「…軽率ではありました。反省しています」

レジスタンス11「反省だぁ?ちっとも分かっちゃねぇ!」チッ

宣教師「?」

レジスタンス11「こいつらはなぁ……骨の髄まで絞られて、あの女無しにゃ生きてけねぇようにされちまった腑抜け共だ!?」

宣教師「……」

レジスタンス11「甘い考えを捨てきれねぇなら今すぐ抜けろ。足手まといもいいとこだ」

宣教師「………」
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名前:
sage:


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うpろだ
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