http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10
1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10
2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10
3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)
あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)
>>2から本編になります!
691: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:39:25 ID:KyQ3C7cIb6
―――帝都(駐屯所)―――
ドゴォッ
クンバヤ「いっでぇ!」ズサァァァ
大佐「雑魚が!口ほどにもないわ!?」ニヤリ
クンバヤ「オッサン強いねぇ〜。びっくらこいたよ」ムクリ
大佐「今さらだな…」ジリッ
クンバヤ「…こりゃ確かに素人の俺じゃ勝負にならないわ」パッパッ
大佐「悟ったところで命乞いは聞かんぞっ!!」バウンッ
クンバヤ「うおっ!!」ゴロンッ
大佐「ちぃっ!往生際が…わるっ……!?」ガクッ
クンバヤ「ククッ!」ニヤリ
大佐「な、なんだ…!目が…霞んで…身体が支え…きれん!?」ブルブル
クンバヤ「効いてきたみたいだな?」ニヤニヤ
大佐「貴様の…仕業かぁ!?」プルプル
クンバヤ「真っ向勝負じゃやられることは分かってた。だから…仲間を通じて軍の中枢が集う駐屯所の飲み水に毒を混ぜといたんだよ」
大佐「ひ、ひきょ…ものめぇぇぇ!!!」グワッ
クンバヤ「なけなしの材料で作ったお手製の毒なんで効くまで時間が掛かったが…新参に腕のいい薬師がいてね。威力は抜群だとよ?」ニヤニヤ
692: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:40:14 ID:ZIBx4oG0hk
大佐「あっぐ…つぅぅ!!」バタッ
クンバヤ「わりーな。俺らはお高く止まった軍人様じゃねぇんだ?」
クンバヤ「カビや泥のこびりついた生の芋をきたねぇ手でひっ掴んで必死に頬張って生き抜いてきたドブネズミにゃ……」グッ
大佐「……!?」ブルッ
クンバヤ「誇りなんて安い感情は持ち合わせちゃいねーんだよ…っと!!」ブンッ
ザクッ
大佐「がふぅっ…!!」ブバッ
クンバヤ「…西の野蛮人をナメんじゃねーや!ぺっ!」ズボッ
ドサァァッ
クンバヤ「いよいしょっと…いい装備してんじゃねぇか。やっば上級職は違うねぇ」ムンズッ
賊徒's「しゃあっ!!こっちもあらかた終わったぜぇ!?」
クンバヤ「おうテメェらぁ!!奪うモン奪ったら一気に城攻めだぁ!!気合い入れろよぉぉ!!?」
オォォォオオォォォオオオオオ!!!!!
693: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:42:09 ID:ZIBx4oG0hk
―――後宮(回廊)―――
ガンッ キンッ ギャリィィンッ
ヒメ「せやっ!!」ビュンッ
フィクサー「ぬっ!」ガィンッ
ヒメ「ハァァッ!!」ビュバッ
フィクサー「」サッ
ヒメ「なぜ仕掛けてこない!?」シュタッ
フィクサー「…その必要はない、とでも申しましょうか」
ヒメ「なんだと…!?」
フィクサー「付け加えるなら、その首にはまだ幾らかの価値がある?切り落としてしまうのは実に惜しい?」ニヤリ
ヒメ「ナメるなと…言うんだぁ!?」ブンッ
フィクサー「ふんっ……」ザウッ ビュバッ
ガッキィィィン
剣「」カランカラン
ヒメ「……!?」ビリビリ
フィクサー「」シャッ
ヒメ「わっ!?」ゴロッ
フィクサー「そちらこそ…見くびるなよ、小僧が?」ピタッ
ヒメ「うっ…!」ゾクッ
フィクサー「お遊戯に付き合ってやるのもここまでだ?」ツンッツンッ
ヒメ「こ、この…!」ギリッ
694: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:43:50 ID:KyQ3C7cIb6
フィクサー「ふっ…カカドゥーラを討ち取った事で慢心なされたか?」ニヤリ
ヒメ「殺すなら殺せっ!?」ブルブル
フィクサー「上擦った震え声で言われても説得力に欠けるがな…?」ニヤニヤ
ヒメ「だま…れ!」キッ
フィクサー「素直にわたしの傀儡となれ。さすれば栄えある未来を約束しよう」
ヒメ「おまえになんか従うものか…!」
フィクサー「強情な…?これだから王族というのは…?」
ヒメ「……!」
フィクサー「自尊心ばかり拗らせた救いようのない阿呆だ…」フンッ
ヒメ「悪かったな…!不器用な生き方しか出来なくて…!?」
フィクサー「なればこそ治世も立ち行きならず、政も遅らせ、ひいては国家形成に支障をきたす…。百害あって一理なしとはまさにこの事?」
ヒメ「逆賊に蔑まれる謂れはない…!」
フィクサー「…逆賊、か?大いに結構?」
ヒメ「はぁ…!?」
フィクサー「歴史は常に勝者の栄華に彩られるものだ。アーディス・フィクサーの名は逆賊に始まり、果ては英雄へと昇華する?」
ヒメ「まだおまえが勝つと決まった訳じゃないぞ!」
フィクサー「生まれてこの方、勝負事に負けた経験はない」
ヒメ「大した自信だな…」
フィクサー「わたしの二つ名は預言者……すべてのあらましはこの目に見据えている」
ヒメ「……」
フィクサー「ふっ…殺しはしない。ただ…ほんの少し痛いだけだ?」グッ
ヒメ「っ…!」キュッ
「なにをしておる?」
フィクサー「」ピタッ
ヒメ「……!?」
695: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:46:56 ID:ZIBx4oG0hk
フィクサー「…寝室で休まれていたのでは?」
ヒメ「え?」チラッ
ファルージャ「妾の宮にてかような振る舞い……無礼と心得よ?」ヒタヒタ
フィクサー「…申し訳ございません」ペコッ
ヒメ「」ボーッ
ファルージャ「それなる童は?」
フィクサー「我らが国王陛下にござる」
ファルージャ「ほう?そなたが王国の…」ジッ
ヒメ「」ハッ
ファルージャ「クスス…なかなか良い面構えではないか」クスッ
ヒメ「(な、なんだ…この感覚は?まるで時間が止まってたような……)」ボーッ
ファルージャ「妾こそ西の国を統べる唯一無二の帝なり?」スッ
ヒメ「え…?」キョトン
ファルージャ「そうら…妾の手を握ってごらんな?」クスクス
ヒメ「っ……」ゴクリ
ファルージャ「ン?」
ヒメ「し、つれい……」パシッ
ファルージャ「よきにはからえ?」ギュッ
ヒメ「!!!」ドキンッ
ファルージャ「フフ…指を絡めてみせただけでその有り様……耳まで真っ赤じゃぞ?」ツンッ
ヒメ「ひっ!?」バッ
ファルージャ「ン…もうよいのかえ?妾の手に触れられる機会などそうそう無いと言うに?」パッ
ヒメ「(な、んなんだ…知らない…こんなの……)」ゾクゾク
ファルージャ「」ニヤニヤ
696: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:50:21 ID:ZIBx4oG0hk
ヒメ「(無理やり体ごと吸い込まれるような危うさ…本能から支配されていく凄まじい欲求の波……)」ドキドキ
ヒメ「(魔性の通り名なんて、どうせ大袈裟に誇張されただけで先入観を持って見るから目を奪われるんだと…そう思ってた)」
ヒメ「(けどこいつから漂う何かは…そんな単純なものじゃない!)」
ヒメ「(今、まさに生死を分かつ戦いの最中で…不覚にも見惚れてしまった…!)」プルプル
ヒメ「(…くそっ!惑わされるな……)」ワナワナ
西兵's「女王!!」ザザザッ
ヒメ「」ハッ
フィクサー「ふん…」
西兵108「でめぇら女王に何しやがる!?」ズイッ
ファルージャ「よいよい。コレらは客人よ」
西兵108「さ、さいでっか!」デレー
ファルージャ「付いて参れ、国王よ。ささやかながら妾が自らもてなしてやろう」
フィクサー「女王殿…」
ファルージャ「ン?」
フィクサー「ご冗談もほどほどに…?」
ファルージャ「妬いておるのかえ?」クスッ
フィクサー「何をおっしゃいますやら…わたしはただ国家間で不義があってはならぬと配慮し……」
ファルージャ「ふあぁ…しかし先ほどから城内が慌ただしゅうて眠れぬわ。はよう静まらぬものか?」チラッ
フィクサー「は…?」
ファルージャ「国王の安全は妾が責任を持って保証しよう。そなたはやかましい騒音を早急に鎮めてまいれ?」
フィクサー「」ジロッ
ヒメ「」プイッ
フィクサー「…なるほど、では致し方ありますまい…?」
ファルージャ「さ、おいでなさいな」ヒタヒタ
ヒメ「(気を引き締めないと…この女に取り込まれかねない。集中を保て…!)」グッ
スタスタ スタスタ………
697: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:52:36 ID:KyQ3C7cIb6
―――後宮(地下の隠し部屋)―――
ファルージャ「ここであれば見つかる心配はない。暫し寛がれよ?」ポスッ
ヒメ「…どういうつもりだ」
ファルージャ「?」
ヒメ「なぜ敵である僕を助けた?」
ファルージャ「はて…敵とな?」
ヒメ「ぼ、僕は敵対国の王でおまえらを打倒するべく……」
ファルージャ「」ドロォォン チュピッ
ヒメ「」ドキッ
ファルージャ「ンゥ〜…甘美なる舌触り?そなたも舐めてみるか?」ペロッ
ヒメ「く、クリーム…?」ドキドキ
ファルージャ「ローヤルゼリーよ。濃厚な甘味と微かな酸味がクセになる珍味さな」チャプッ
ヒメ「…蜂蜜か」
ファルージャ「ほれ?」スッ
ヒメ「!?」ビクッ
ファルージャ「遠慮はいらぬのだぞ?」ニッ
ヒメ「た、他人の指に着いた蜜なんか舐められるか!?」プイッ
ファルージャ「ほう?口移しがよいか?」レロォォ
ヒメ「っ……ふ、ふしだらな発言は慎め!淑やかさの欠片もないな!?」
ファルージャ「クスス…」
ヒメ「も、目的を言え!僕をどうする気だ!?」
ファルージャ「さぁ…?」
ヒメ「なに…!?」
ファルージャ「面白そうなので連れてきたまでよ。暇潰しくらいにはなりそうじゃしな?」
ヒメ「な、なに言ってるんだ、おまえ…?」
698: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 21:55:42 ID:KyQ3C7cIb6
ヒメ「事の重大さを分かってるのか…?僕とおまえは戦ってるんだぞ!?」
ファルージャ「そうなのかえ?」
ヒメ「城内の騒動に気付いてたんだろ!分からないとは言わせないぞ!?」
ファルージャ「ハァン…?あれはそなたが?」
ヒメ「そうだよ…!おまえたちを止める最後の手段だ!」
ファルージャ「もうそなたの国に興味はないぞ?欲しい物は手に入れたでな」
ヒメ「だ、騙されるか!フィクサーと組んで軍拡を……」
ファルージャ「アレが勝手にやっていることよ。妾は関わっておらぬ?」
ヒメ「だ、だとしても奴に協力してるなら同じ事だ!」
ファルージャ「協力…?」ジッ
ヒメ「な、なんだよ…?」タジッ
ファルージャ「よしておくれな?なぜ妾から手を差し伸べてやらねばならぬのか?」
ヒメ「は…?」
ファルージャ「フゥ〜…」スラリ
ヒメ「(し、仕草がいちいち目に付くな)」ドキッ
ファルージャ「あやつが妾を欲し、妾はそれに応えてやった…。それだけよ」シラー
ヒメ「どういう意味だ?」
ファルージャ「世界制服でも大陸総支配でもどうでもよいが妾に尽くそうというのなら殊勝なこと。拒む理由はあるまい?」
ヒメ「…その為に他の国々がどうなるのか考えないのか」
ファルージャ「なぜそのような考えに至る?」
ヒメ「……」
ファルージャ「己に利あらば、それでよかろうな。見知らぬ誰ぞの為に頭を悩ませるような無駄はせぬ?」
ヒメ「……今、はっきり分かった」ボソッ
ファルージャ「……?」
ヒメ「やはりおまえは僕たちの敵だ!」キッ
ファルージャ「フフッ…さようか」サラッ
699: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:00:42 ID:KyQ3C7cIb6
ヒメ「カロルとラムはどこにやった?」ジロッ
ファルージャ「はて…聞かぬ名じゃな」
ヒメ「シラを切っても無駄だ!おまえが拐ったことは分かってる!」
ファルージャ「あ〜…アレらか」
ヒメ「二人をどうする気だ!?」
ファルージャ「それを聞いてなんとする?」
ヒメ「あいつらを取り戻して王国に帰る!」
ファルージャ「」ニタァァァ
ヒメ「」ビクッ
ファルージャ「そうまで望むのなら会わせてやってもよいぞ?」
ヒメ「ホントか…!?」
ファルージャ「そろそろ…あやつも限界であろうさ」ニヤニヤ
ヒメ「……?」
ファルージャ「クスス!さ、参ろうぞ?」スクッ
ヒメ「あ、あぁ……」スクッ
700: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:02:09 ID:KyQ3C7cIb6
―――宮殿2階(大階段)―――
バシュッ ドバッ ズギャンッ ゴカァッ
クンバヤ「ウラァァアア!!!包囲してやがる連中をぶっ叩くぞぉ!?」ブンッ
王国兵54「ぐおぉ!?こ、こいつらどこから……」バタッ
王国兵55「新手か!くそっ!せっかく包囲したのに逆に挟まれてしまった!」ギリッ
団長「よし…!これならば階下に気を取られずに済む!蹴散らして階段を駆け上がるぞぉ!!」ダッ
護衛's「今度はこっちが反撃する番だぁぁ!!!」ドドドドッ
宣教師「はぁっ…くっ!ぜぇっぜぇっ!」タタタッ
王国兵56「ぬあああああ!!」ダッ
宣教師「っ…!?」ハッ
王国兵56「死ねぇぇぇえ!!!」ブンッ
賊徒3「ヒャッハー!!」ゴシャッ
王国兵56「ぐぇっ!?」ドサァッ
宣教師「……!」バックンバックン
賊徒3「無理して走らんでも階下に守備陣張って拠点確保しといたから、そっちでおとなしく守られてなよ〜?」ニヤニヤ
宣教師「よ、余計なお世話ですよ!」ダッ
賊徒3「お!じゃじゃ馬だね〜!まぁそこが可愛いんだがよ!」ダッ
701: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:04:29 ID:ZIBx4oG0hk
護衛8「きぇい!!」ブンッ ザシュッ
宣教師「(…皆、がむしゃらになっていて何も目に入らなくなってますね。目の前に立った相手をひたすら斬っているような…)」タタタッ
プシャアアアアアア
宣教師「きゃっ…」ピシャッピシャッ
賊徒3「ぎゃはは!血飛沫浴びちまったか?」ヘラヘラ
宣教師「……」ヌルッ
賊徒3「おいおいおお!?立ち止まったら死ぬよ!?」ガキンッ
宣教師「分かってます…」ダッ
宣教師「(…こんな惨劇の末に私達はまともな日々を受け入れられるのでしょうか)」タタタッ
宣教師「(たとえ平和な未来が訪れて次の世代が生まれこようとも…同じ歩幅で進める気がしない)」
宣教師「(私達は平和を取り戻そうともがきながら…恐ろしく底深い闇へ沈んでいるだけなのかもしれない)」
宣教師「(それでも……希望があると信じて戦い続ける他にない…)」
宣教師「(なんと無力で…なんと救えないのだろう)」シュン
702: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:06:00 ID:ZIBx4oG0hk
副官「や…や…ややや!?」ヒクッヒクッ
王国兵57「オドアイル様ぁ!!包囲陣を敷いていた増援部隊が外から入ってきた新手に背を討たれましたぁ!!」
副官「さ、さ、さらに増援を!」アセアセ
王国兵57「城内の兵は皆、召集してしまいました!残りの兵は帝都で交戦中です!」
副官「(な、なんでだぁ〜!!あれが帝都を抜けてきた隊であれば外の兵は突破された事になる…!)」
副官「(なぜあんな虫けら共に…!駐屯所に待機していた部隊は何をやってるんだ!?)」
副官「(そ、そもそもこいつらはどうやって帝都に侵入したのか…!あの数の大群が移動すれば確実に見張りが気付いていた筈だ!)」
副官「(ま、まさか以前から既に内通者を潜ませていたのか!?)」
副官「(や、しかし総指揮もそこは危惧し、検閲を徹底させてきた!集めた民衆の管理も怠ってはいない!)」
副官「(ともなれば誤算はどこ……に…)」ハッ
副官「こ、くお…う」ボソッ
王国兵57「オドアイル様!!」オロオロ
副官「うるさぁい!?」シュバッ
王国兵57「どはぁ!?」ズバッ バタッ
副官「ヒメか…!そうだ…あのガキがこの国に入った時から…予定とはだいぶ食い違った事態が発生した…!?」ブルッ
副官「我々はあのガキの使い道ばかりに集中し、城内も奴の噂で持ちきりに……」ブルブル
副官「あいつは敢えて自分の身を差し出すことで…我々に大きな隙を作らせたんだ!」ギリッ
副官「だとしたら…ドレッド軍長の死も…我々を信じ込ませる為の策!?」ドクンッ
副官「総指揮に真っ向から反論し、言い合ってみせたのも自らが一方的に追い込まれていると錯覚させる為の演技ということになる!」
副官「は、は、ハハハ…は……なんて恐ろしい試みを実践するんだ。まったく笑えない話だよ…」ガクッ
副官「一連の騒動があんなガキによって仕組まれ、我々はその通りに踊らされたと…!?」ワシャワシャ
ザッ
副官「だがいくらなんでも無謀すぎる賭けだ!!こんな運頼みの強行が罷り通る訳がない!?なのになぜ我々が追い詰められているぅぅ!!?」アワアワ
「オドアイル」
副官「」ビクッ
703: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:08:18 ID:ZIBx4oG0hk
副官「」オソルオソル
フィクサー「速やかに報告せよ。なぜこうなった」ジッ
副官「!!!」ゾクッ
フィクサー「わたしの許しなく兵を動員させるに至った経緯は?」
副官「〜〜〜!!」ガクガク
フィクサー「被害総数、敵の規模、先導者の名、味方の配置、補給線の確保状況、これら全ての質問に答えろ」
副官「や、や……」アワアワ
フィクサー「貴様…!?」ビキィッ
副官「あ、あぁぁ!あぁぁ!!申し訳ありませぇぇん!!!」ガバッ
フィクサー「よくも兵を無駄に散らしてくれたものだな…!わたしが指揮していれば、このような連中は一瞬で消し去れたものを…!」ギリッ
副官「……!」ブルブル
フィクサー「すでに城内まで侵食されていたか…。これでは帝都に配置しておいた主力との連絡手段も絶たれたと見てよさそうだな」
副官「て、帝都の方は熟練のゲリュラ大佐がご承知おきくださってまして…」
フィクサー「ならばなぜこれだけの敵兵が城内に集まっている?」
副官「そ、そそ…それ、は」
フィクサー「下がれ…役立たずが」ギロッ
副官「」ガーン
704: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:11:41 ID:ZIBx4oG0hk
フィクサー「全兵に告ぐ!!」
ザワッ
王国兵58「お、おぉ!フィクサー総指揮だ!」パァァ
王国兵59「フィクサー総指揮が来てくれたぞぉ!!」バッ
フィクサー「ここからはわたしが一切の指揮を執る!!死に急いだ愚かな蛮人共に引導を渡してやろうぞ!?」
王国兵60「よぉし!!あのお方に従ってさえいれば勝利は決まったようなものだぁ!!」
王国兵61「うおおおおおお!!!」バッ
オォォォォオオオオオ!!!
フィクサー「(見る限り難しい盤面でもない、が)」ジーッ
フィクサー「(ちっ…この失態で野望への道は何歩も遠ざかった…。計画を練り直さなければな)」イライラ
705: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:13:49 ID:ZIBx4oG0hk
団長「フィクサー…!奴の存在が敵の士気を大いに奮い起たせたか!」ブォンッ
ズバッ ドサァッ
団長「(……それにしてもおかしい。こちらは順調に駆け上がっている筈だが、むしろ勢いが弱まっている?)」バッ
護衛's「」ゼェゼェ
団長「(たかが階段とはいえ、迎え撃つ敵を蹴散らしながら上がる以上、体力の消耗は平地戦の何十倍も激しい)」ブォンッ ザシュッ
団長「(しかし、そこを考慮しても異常だ…。ワシが先頭で積極的に切り伏せ、鼓舞し続ける事で勢いは衰えさせないように戦況を組み立ててきた!)」ガキンッ ガンッ
団長「(フィクサーめ…いったい何をしたのだ!?)」ギロッ
706: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:15:38 ID:KyQ3C7cIb6
フィクサー「(ふん…こんな単純な兵法も読めんとは?所詮は軍略と無縁な国王の犬に過ぎんか)」
フィクサー「(はたまた先頭に固執したのが仇となったか…)」
フィクサー「(少数突破で士気高揚を重視するのは正攻法と言えるが…自らも目前の敵に集中せねばならぬ以上、隊を見渡す視野は狭まろう)」
フィクサー「(その見落としが隊の綻びを加速させ、戦況把握を遅らせる。気付いた時には……)」
ドドドドッ ズブッ ガスッ ビシャッビシャッ
ギャアアアアアアアアアアア!!!
フィクサー「(完全に隊形が崩壊している…という訳だ)」ニヤリ
707: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:16:46 ID:ZIBx4oG0hk
ワァーワァーギャーギャー!
団長「(しまった…!ワシとしたことがぁ…!?)」ギリッ
王国兵's「先頭と後方の隊を引き離したぞぉぉ!!このまま呑み込めぇ!!」
団長「(奴の狙いはこれだったか…!)」アセアセ
ガキンッ ドガッ ズシャンッ ブシュッ
団長「(ワシを先頭に突っ込んでいく部隊に対し、敢えて守備を固めず覆うようにして広げ、両側から圧迫するようにして挟み込んだ…!)」
団長「(見抜けずに攻撃を続けてしまったが為にこちらは隊を分断され、同時に兵を大幅に削られた…!)」
団長「(順調に駆け上がっているだと…?バカめ!それは敵が陣形を変え、中央の守備を減らしたからだとなぜ気付けなかった!)」イラッ
団長「(違和感はあったのだ…!だがワシが切り開いているものだとばかり考えてしまった!!)」イライラ
団長「(情けない…!よもや己の腕を過信し、敵の策に溺れるとは…!?)」ググッ
708: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2016/4/20(水) 22:18:26 ID:KyQ3C7cIb6
王国兵62「隙だらけだぁ!?」ヒュンッ
王国兵63「殺せぇ!!」ブンッ
王国兵64「はぁぁ!!」バッ
団長「」ヒュンヒュン ブォンッ
王国兵62「げっふ!?」ザンッ
王国兵63「ぐきゃあ!!」バシュッ
王国兵64「ぶぐっ!!」ドバッ
バタバタバタッ
団長「もはやこれまで…ぬぁぁぁああ!!!」ダッ
ザンッ ドガッ ズシャンッ
団長「お前たち!!両側から迫る敵は無視していいぞ!!」ブォンッブォンッ
護衛's「団長……!」ハァッハァッ
団長「こうなれば策などいらん!!ワシが力づくで切り開く道に全力で続けぇ!!」ダッ
護衛's「おおおおおう!!!」ダダダッ
709: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/29(金) 22:03:17 ID:IpAX9y2WJM
団長「ぬぉぉおおお!!」ブォンッ
ドガガガガガガガッ
フィクサー「……」ジッ
副官「た、単独で兵を切り破るとは…なんという豪腕だ!?」アセアセ
フィクサー「後方小隊…迎撃体制を整えよ」バッ
副官「そ、総指揮…?」ハッ
フィクサー「中央守備隊、両翼に散れ」バッ
王国兵's「ははぁっ!!」ザザザッ
フィクサー「標的は駆け上る小隊だ…。迎撃陣形"つるぎの舞い"を展開せよ!!」ババッ
副官「(そういうことか…!)」ニヤリ
団長「ぬぅらぁぁあ!!」ガスッドガッ
護衛's「おぅぅ!!」ダダダッ
副官「抜けてきたぞ!一斉に飛ばせぇい!!」
王国兵's「てぁぁああああ!!!」ブンッブンッブンッ
団長「(守備陣を抜けたぞ…!よし……なっ!?)」ハッ
副官「掛かったな!飛び交う刃の餌食となるがいい!?」ヘラヘラ
団長「ふ、防げぇぇ!!」バッ
護衛's「わぁぁああああ!!!?」オロオロ
ザクザクザクザクザクッ
710: ◆WEmWDvOgzo:2016/4/29(金) 22:05:06 ID:IpAX9y2WJM
バタバタバタッ
護衛's「ごっ……うぇぇ…あ………」ピクッピクッ
副官「…ハーハッハッハ!やあ、さすがだねぇ?これだけの剣を瞬時に防いでみせるとは!!」ヘラヘラ
団長「うぐっ…よく、も…!」ギリッ
副官「だが一緒に登ってきた手勢までは守りきれなかったか!孤立してしまったねぇ!んぅ!?」
団長「なんのこれしき…!」グッ
副官「さぁ!!やってしまいなさい!?」
王国兵's「」ジャキッ
団長「ぬぅん…!」ググッ
フィクサー「…観念しろ」
団長「…観念するのは貴様だぁぁ!!」ザウッ
ドバッ ザシュッ
副官「し、しぶとい…!」
フィクサー「近接戦ではラチがあかん。槍で仕留めろ」
槍兵's「はっ!」ザザザッ
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