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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


420: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:15:24 ID:lPDOndQsx.
〜〜〜〜〜〜

孤児1「びえーん!」ベーベー

母「あらあら、どうしたの?3人で遊んできたんでしょ?なんで泣いてるの?」アセアセ

孤児2「ひっ…ふぅ…」グシグシ

母「坊や。何があったの?」

カロル「…お砂場で遊んでたら知らない子たちが来て二人の作ってた山とお団子潰しちゃったの」

母「まぁ…!そんなことされたの!?」

カロル「うん…。二人に謝ってっておねがいしたんだけど…聞いてもらえなくて……」

母「何かされたの…!?」

カロル「…だいじょうぶだよ?二人は何もされてないから?」ニコッ

孤児1「カロルおにいちゃん…いっぱいぶたれてた…!」グスッ

孤児2「すなに…かおをバンってされて…みず、バシャッてかけられてた」グシッ

母「な、なんてひどい…!?だからこんなに汚れてたのね?」ハラハラ

カロル「へいき、へいき?ボク、すぐ治っちゃうからへっちゃらだもん?」ニコニコ

孤児1「…いたくない?」ウルウル

カロル「うん!だいじょうぶ!二人ともケガしなくてよかったね?」ニコニコ

母「な、なに言ってるの、もう…。はぁ…あとでミシングさんに相談しなくちゃ…」ガクッ

孤児1「ママー…」ダキッ

孤児2「うえーん…!」ダキッ

母「…大丈夫よー?あたしたちがいるわ?何も怖くないから?」ナデナデ

ラム「……」ペラッ

カロル「あ、ラムくん!なに読んでるの?」タッタッ

ラム「」パタンッ

カロル「?」キョトン

ラム「カロルくん…ちょっといい?」

カロル「うん…?いいよ?」
421: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:17:17 ID:lPDOndQsx.
ラム「…無理してない?」

カロル「? なんで?」

ラム「今日の事だけじゃなくて…いろいろ聞くから」

カロル「ぜんぜんへいきだよ!」ニコッ

ラム「…ならいいんだけどさ」

カロル「心配してくれてありがとう?」ニコニコ

ラム「…何かあったら頼りなよ?僕らじゃなくてもミシングさんとかなら解決してくれるだろうしさ?」

カロル「うん!わかった!」

ラム「とにかく…みんな力になるから?一人で抱え込んじゃダメだよ?」

カロル「はーい!」ピシッ

ラム「……」
422: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:18:58 ID:riAK.jgmGM
〜〜〜〜〜〜

ナラ「ねぇ、カロルしらない?」

ルーボイ「しらね!またマルク連れて散歩してんじゃねーの?」

ワンッワンッ!

ルーボイ「」ビクッ

ナラ「マルクは、にわにいるよ?」

ルーボイ「えー?チビたちはカロルの母ちゃんと買い物に行ったし…俺だって大聖堂で勉強しに行ってたから見てねーぞ?」

ナラ「ラムは?」

ラム「僕も図書館の手伝いしてたから知らないけど」ペラッ

ナラ「もうすぐ、よるになるよ?みんなもかえってくる、じかん…」

ラム「そうだね。カロルくんが門限破るなんて考えられないし、僕とマルクで探してくるよ」パタンッ

ルーボイ「じゃあ俺も!」

ラム「ルーボイは残りなよ。女の子一人で留守番させられないだろ?」

ルーボイ「」ドキッ

ナラ「え…?」

ルーボイ「そ、そっか!ナラ一人じゃカワイソーだもんな!あ、あはは!」ドキドキ

ナラ「わたしは…べつに…」

ラム「頑張りなよ?」ポンッ

ルーボイ「な、何がだし!?」アセアセ

ラム「じゃあ行ってくる」スタスタ

ナラ「きをつけてね?」

ラム「マルクの鼻なら、すぐ見つけられるだろうから心配要らないよ?」ガチャッ

バタンッ

ルーボイ「な、なぁ!ナラ!と、トランプしねぇ!?」ドキドキ

ナラ「おふろ、あらわなきゃ…カロル、だいじょうぶかなぁ」スタスタ

ルーボイ「」ガーン
423: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:22:10 ID:lPDOndQsx.
〜〜〜〜〜〜

カロル「きゃっ!?」グンッ

町人?「つっかっまっえたぁ〜…」ガシッ

カロル「え…?」キョトン

町人?「ブォホホホホ!?」ベリベリ

カロル「わぁっ!?」ギョギョッ

女装家「オーホッホッホ!!おバカちゃんねぇ!?まぁだ分かんないのぉ!?」ガッ

カロル「キャー!?きゃああああ!?」ジタバタ

女装家「あ、ちょっ!?人の手の中で暴れんじやないわよ!?」ガッ

カロル「ま、待っててね!すぐ治すから?」ペタペタ

女装家「ちょっ…だから…人の顔をベタベタ触るんじゃ……?」ムギュッ

フワッ

女装家「!? な、なに今の感覚……も、もしかして」ピトッ スリスリ

女装家「(や、火傷痕が消えてる……スゴッ!?)」パァァ

カロル「あ、あれ…!どうしよう?おじさまのお顔が治らないよ!?」アワアワ

女装家「ハァ?治って……」

カロル「ここがまだデコボコしてる…腫れちゃって痛そう…?」サスサス

女装家「そ、そこはエラなんですけどぉ〜…!?」ビキビキ

カロル「だ、だいじょうぶだよ!心配しないで?ボク、がんばるから!」グッ

女装家「何をじゃいゴラァッ!?」ガァーッ
424: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:23:34 ID:riAK.jgmGM
カロル「痛い…よね?ケガしてる人っておじさまだったんでしょ?」ハラハラ

女装家「?」

カロル「お顔が剥がれちゃって大変だね…。もうちょっと我慢してて?」ピトッ

女装家「ケガしてる人……あぁ、あんな出任せ、まだ信じてたの?」

カロル「え?だっておじさまが…」

女装家「あんなんアンタを連れてくる口実に決まってんでしょう!?
あとアタシの事はおじさまじゃなくてオネェ様とお呼び!?」

カロル「た、倒れてる人間は…?森で苦しんでたって…?」ビクビク

女装家「嘘に決まってんじゃない!?そんなのどこにもいないわよ、おバカ!?」ゲラゲラ

カロル「…ホントに?」

女装家「ぶっふ!!あんなジョーダン真に受けてたのぅ?」

カロル「はぁ…よかった…。イタズラだったんだ?」ホッ
425: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:24:45 ID:lPDOndQsx.
女装家「こんな森にまでホイホイ付いてきちゃって…アンタ自分がどんだけぇ〜の価値あるか分かってないワケェ〜!?」

カロル「……?」

女装家「ま、いいわ!これでアタシは晴れてオネェ様とランデブー……ハッピーエンドも近いわよぉん!!」ウキウキ

カロル「? よくわかんないけど、おめでとう?」ニコッ

女装家「ブォホホホホ!!ど〜もありがと!!」ゲラゲラ

カロル「じゃあボクは帰るね」ヒョイッ ストッ

女装家「ォホホホ………ハァ?」

カロル「また遊ぼうね!」ニコニコ

女装家「あ、遊ぶ…?」パチクリ

カロル「あ、でも…ああいうイタズラはやめてね?ホントに心配しちゃうから?」アセアセ

女装家「な、なに言って…」アセアセ

カロル「誰もケガしてなくてよかった…。夜になっちゃったから、みんな心配してるかも?」スタスタ

女装家「ちょ、ちょい待たんかい!?」

カロル「? ……あ、そっか」

女装家「そ、そうよ〜?アンタを……」

カロル「またね?ばいばーい!」フリフリ

女装家「」ポカーン

スタスタ スタスタ………

女装家「だから待ちなさいってのよ!?」ダッ
426: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:26:24 ID:riAK.jgmGM
女装家「なに普通に帰ろうとしちゃってるワケぇ?アタシをナメてんの!?」ピキピキ

カロル「……?」キョトン

女装家「なんにも分かってないのネェ〜?平和なおミソだこと?まぁそれならそれでいいわ…?」ゴキッゴキィッ

カロル「分かってないって…なに?」チンプンカンプン

女装家「アンタは黙ってアタシに付いてきてりゃいいのよぅ?そしたら痛い目に遭わなくて済むから……」ニヤリ

ガササッ バサッ

女装家「!?」

マルク「ウォンっ!!」バッ

女装家「犬……なによ、びっくりした」

カロル「マルク!」

マルク「クゥン!」スリスリ

カロル「探しに来てくれたの?」ナデナデ

マルク「あぅ〜ん」シッポフリフリ

ラム「カロルくん、こんなとこにいたの!?」タタタッ

カロル「あ、ラムくんも来てたんだ?」

ラム「森になんか入って何してたのさ?帰りが遅いから、みんな心配してるよ?」

カロル「ごめんなさい…。おじさまと遊んでたら、こんな時間になっちゃって?」シュン

女装家「(だから遊びじゃないってのよ)」
427: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:27:57 ID:lPDOndQsx.
ラム「」ジッ

女装家「(あぁん?…このガキ、なんか見覚えが……)」

ラム「…どちら様ですか?」ジトッ

女装家「(アッー!!こいつ……)」ハッ

ラム「こんな時間まで僕の友達を連れ出さないでもらえま……」

女装家「ドラッシャアァァイ!!!」ブンッ

ゴシャッ!

カロル「え!?」ビクッ

マルク「わんっ!わんっ!」フシューフシュー

ラム「」ピクッピクッ

女装家「アー…思い出したわぁん?スッキリした?」ガッ

カロル「きゅ、急にどうしたの?ラムくんはなにもしてないじゃない!?」バッ

女装家「邪魔」ペシッ

カロル「いっ…」ダァンッ

マルク「グルルルル……!」

カロル「ま、マルク!お母さまたちに教えてきて!?」アセアセ

マルク「……わんっ!」ダッ
428: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:29:25 ID:lPDOndQsx.
女装家「フンッ!フンッ!」ブンッブンッ

ラム「あっぐあっ!」バキッ メキィッ

カロル「や、やめてよ!もうぶたないで!ラムくん、死んじゃう!?」ガシッ

女装家「ハァ?こいつが悪いのよ?可愛いアタシにあんな事してくれちゃったんだから?」

カロル「ラムくんがおじさまにケガさせたの…?」オロオロ

女装家「そぉうよ?あの苦しみ…絶対に許せない!」ギロッ

カロル「っ…ご、ごめんなさい!ラムくんにも、ちゃんと謝ってもらうから許して!」ペコッ

女装家「ゆ・る・さ・な・い……許さない!」オモテナシ

カロル「……!じゃ、じゃあ…」

女装家「じゃあ?」

カロル「ボクが…代わりになる。おじさまの気持ちが落ち着くまで…好きにしていいよ?」ジッ

女装家「……」

カロル「だから、もうラムくんを傷付けるのはやめてよ…?おねがい…?」ウルウル

女装家「(な、なんて凶悪な上目遣い…潤んだ眼がいっそう加虐心を駆り立てるわネェん…。オネェ様とは違った魅力があるかも)」ムラムラ

カロル「」ブルブル

女装家「(アァン…!小刻みに震えちゃって…小動物みたいで超可愛い!
こういう子をメチャクチャになるまで痛め付けたら……新しい快感に目覚めちゃいそ!)」ゾクゾク
429: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:34:41 ID:riAK.jgmGM
女装家「でぇもぉ…お・あ・ず・け?」

カロル「お、おじさま…?」ビクビク

女装家「オネェ様の物に手ぇ出すなんてありえないし?」

カロル「ゆ、ゆるして…くれるの?」ビクビク

女装家「NO!COME ON!シャルウィンBOYS!?」パチンッ

ガサッ ガササッ ゾロゾロ ゾロゾロ

カロル「へ…?」

官吏3「シャルウィン様、このホビットが…?」ジロッ

女装家「そ!救い主よ?」

カロル「な、なに…なんなの…?」ブルブル

官吏3「よし、荷馬車に積み込め?」

西兵's「ははぁっ!!」ジリジリ

カロル「や、やだ…!」アトズサリ

西兵's「ヒヒヒ!」ズイッ

カロル「(やだよ…!もう…なくしたくない!)」ウルッ

カロル「(幸せなのに…すごく…スゴく幸せなのに…!お母さまも…喜んでたのに…!)」ウルウル

女装家「あっらぁ〜!逃げようっての?薄情なコだわぁ?」チョンッ

ラム「」ピクッピクッ

カロル「あっ…」ハッ

女装家「」ニヤニヤ

西兵's「」ニヤニヤ

カロル「……」ピタッ

女装家「どうしたの〜?逃げなくていいのぉ〜?」ニヤニヤ

カロル「(どうしよう…。ボクが逃げたらラムくんがひどいことされる…。それに…院のみんなにも……)」

カロル「(お母さま……)」ウルッ
430: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:40:23 ID:lPDOndQsx.
女装家「お望み通り遊んであげるわよぉ〜?ためしに町まで追いかけっこしてみるぅ?」ニヤニヤ

カロル「わかりました…。逃げないから…ラムくんには……」

「逃げて!!」

カロル「」ビクッ

女装家「ハァ…?」チラッ

ラム「僕は…へい…き、だから…君だけで逃げて!」ググッ

カロル「ラムくん…!」

ラム「はやく!町に…行って…憲兵に報せるんだ…!」ヨロッ

カロル「……」

ラム「なにやってるのさ!?早くしなよ…!?」

カロル「できないよ…」

ラム「はぁ…!?」イラッ

カロル「…ごめん」シュン

ラム「君はまたそうやって…!!」イライラ
431: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:44:52 ID:riAK.jgmGM
ラム「逃げろって!?」

カロル「と、ともだちが危ないのにボクだけ逃げるなんてやだもん…」

ラム「僕は大丈夫だって言ってるだろ?いいから……」

ドシャッ!

ラム「わぷっ!」ズリッ

カロル「っ…!」ビクッ

女装家「はい、そこまで〜」ズシッ

カロル「……!」

女装家「クーイズ!アタシの目的はなーんだ?」

カロル「い…癒しの力が欲しいんだよね?」

女装家「せいかぁ〜い!豪華景品は西の国にご招待よぉ〜?」パチパチ

カロル「ボク、おじさまに付いていくよ…?だからラムくんは帰してあげて?」

女装家「アンタ、おバカ?」

カロル「え?」

女装家「条件なんか出せる立場?ていうか嫌がっても無理やり連れてくわよ!ブォホホホホ!!」ゲラゲラ

官吏3「やれ?」

西兵's「」バババッ

カロル「やっ…やだっ!ラムくん…!ラムくん!!」ジタバタ

ラム「か、カロ…ル…くんを…はなせぇ!!」ズリッズリッ

ガッ グイッ ジタバタ アバレンナ! バキッ ドカッ

女装家「ついでにあのムカつく孤児院の連中にも置き手紙してあげましょっか…。ウフフ!悔しがるでしょうネェ〜…!」ムフフ


…………………
432: 投下終了 ◆WEmWDvOgzo:2015/12/14(月) 22:47:22 ID:lPDOndQsx.
ラム「ごぉえっ…!えっふぅ!!」ゴボゴボ

ビチャビチャ

ラム「(また…だ)」

ラム「(また…守れなかった…!)」ジワァァ

ラム「(父さんと母さんがヘマトバザールの奴らに殺された時も…シープとバンパが人間を許そうとした時も……)」

ラム「(いつも僕が……みんなの足を引っ張ってた…!)」ポロッ ツツー

ラム「(やっと見つけたのに…僕たちが生きられる場所と…信じられる家族を……)」ポロポロ

ラム「ひっ…ひぐ…」ポロポロ

ズンッ!

ラム「あっ…ぐ…!?」ズブッ

ラム「うっあ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」ブシュッ

女装家「メソメソしてたらハンサムが台無しよぉん?」ニヤニヤ

魔導師「まさか本気で腹に杭を刺し込むとは思わなかったよ…」

女装家「そんぐらいしないと再生して逃げ出すでしょ?帰ったら思いっきり遊んであげちゃうんだから〜?」ニヤニヤ

魔導師「…じゃ、行こうかね」ヒタヒタ

女装家「せいぜいそこで泣きわめいてたら〜?だぁれも助けに来ないから!?ブォホホホホ!!」ゲラゲラ

ラム「くっ…そぉぉぉおおお!!」ゴパァッ

オーホホホホホホ〜………
433: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:17:12 ID:M3wYd3wb5.
―――東の国(ホビッツ岬)―――

ザブンザブン ザブンザブン

船長「…到着しやしたぜ。この運河を越えちまったからにゃ、もう奴らの領域ですわ」

ザッザッザッ

ヒメ「ここがホビット族の領地なのか?」キョロキョロ

外交官「そ、そのようで…」ブルブル

宣教師「へー…涼やかで居心地の良さそうな浜辺ですね?
澄みきった川のせせらぎと陽気にそよぐ風がとても癒されます…」

船長「そんな甘いものではござんせんよ。ここはもはや奴らの国でやすからね」

ヒメ「国…?」

東の騎士「ご安心を…皆様の身は某ら精鋭守護隊でお守り致します」

東兵's「」ザザッ

宣教師「あのー…私達はホビット族に協力を願う為に来たんですよ?」

東の騎士「…穏便に済むのなら、それで良し。ですが念のため…」

宣教師「……」ムスッ

ヒメ「護衛だけじゃなくて案内の意味もあるんだ。そう邪険にするなよ?」

宣教師「……」

ヒメ「早速、入ってみるか。早くしないと団長達がやられてしまうからな」

東の騎士「では某が先頭を……お三方は兵らの中心に?」

船長「あっしはここで待機してやすんで、お気をつけて…」

東の騎士「うむ。皆様、こちらは徒歩での移動になり申すが…不調を感じられたら、その都度、お声かけくだされ」

ヒメ「分かった。よろしく頼む」

東の騎士「では参りましょう」

ザッザッザッ ザッザッザッ
434: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:18:16 ID:M3wYd3wb5.
―――湿地帯―――

ガサガサ バササッ

外交官「ぜぇ…はぁ…空気が湿って蒸し暑いですな」ヨボヨボ

ヒメ「悪いけど休んでられないぞ。僕達には時間が無いんだ」スタスタ

外交官「も、もちろんでございます…。しかし虫や鳥、小動物を多く見かける上、道幅も整地されてませんな…。本当にホビット族が住んでいるのやら?」キョロキョロ

東の騎士「もうとっくに気付いてるだろうさ。なんせ奴らは用心深く周到だ。常にどこかで我々を見張っている…」

宣教師「この森林の出口も近そうですね」

ヒメ「分かるのか?」

宣教師「…木を見れば分かりますよ。一本、一本、鋭利な物で幹を削った痕があります」

外交官「そ、それがなんだと言うんだ?獣の仕業じゃないのか?」

宣教師「あれは目印です。その証拠に…特定の木々にしか痕が付いてません」

東の騎士「やけにお詳しいのだな?」

宣教師「独自にホビット族と交流を深めてましてね。彼らに伝わる風習や生態について教えてもらいました」

ヒメ「…にしても見てるなら出てきてほしいよな。その方が手っ取り早く進むのに」

外交官「はたして、そう上手くいくでしょうか…?」ビクビク

ヒメ「上手くいくでしょうか、じゃなくて上手くいくよう持ってくんだよ。
外交に携わってるんなら、それくらい弁えて準備しろ」

外交官「は、はっ…!」

宣教師「厳しいですね?」

ヒメ「どこが?うちの役人は甘ったれが多いから僕が引っ張ってやんないと何もしないんだよ!」

宣教師「(立派になりましたね…。つい数年前までは重すぎる立場を嫌がって城下に逃げ出しては駄々を捏ねるワンパクぶりでしたが…成長って早いです)」クスッ
435: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:19:09 ID:M3wYd3wb5.
東の騎士「しかし…そろそろ着いてもよさそうな…」スタスタ

東の騎士「!?」ズブブ

ヒメ「……!?ど、どうした!?」

東兵's「隊長!?」ダッ

東の騎士「く、来るな!?」

ベチョッ ヌチャッ ズチュチュ

東兵's「うおおお!?あ、足が……」ズブブ

ヒメ「お、おい!?何が……」

宣教師「泥濘です!それもかなり深い!」

外交官「は!?え!?」アワアワ

宣教師「何か長い棒や蔓草を使って引き上げましょう!」ダッ

ヒメ「わ、分かった!?」ダッ

シュルッ バシュッ バササッ

外交官「あぁ…陛下、陛下ー!?」ギョギョッ

ヒメ「な、なんだ…これ?」ズルルッ

宣教師「く、草網…!?」ギチギチ

???「アッハッハッハッハッハ!」パチパチ

全員「」ビクッ
436: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:21:25 ID:PFgfnAqhNQ
???「ウケる!人間ってマヌケ!?」ケラケラ

ヒメ「だ、誰だ!?」ブラーン

???「誰?そんなの決まってるじゃんか?」ガサッ

ヒメ「あっ…!」

外交官「ほ、ホビット…!?」ゾワァッ

ホビット娘「そっ?お前らの大嫌いなホビットでーす!」ニィィッ

ヒメ「な、なんの真似だ、これは!?今すぐ外せ!?」ジタバタ

ホビット娘「なんの真似?こっちのセリフだよ!あんたら人間がウチらの領域に入ってどういうつもり!?」

宣教師「ご、誤解です!何も疚しいことなどありません!ただあなた方の力をお借りしたくて……」

ホビット娘「はぁ…?ウチらの力…?まぁた癒しの力がどうとか言い出すわけ?」

宣教師「違います!私達は決して危害を加えたりしません!どうか話だけでもさせてください!?」ブランブラン

ホビット娘「イーヤーでーすー」

宣教師「」カチンッ

ヒメ「(な、なんか腹立つ)」ムカッ
437: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:22:44 ID:PFgfnAqhNQ
ホビット娘「ん?でもよく見たらお姉さん、べっぴんさんだね?」マジマジ

宣教師「はい…?」ギチギチ

ホビット娘「わっ!おっぱいデカっ!?なに食ったら、そんなことになっちゃうの!?」ワシッ

宣教師「あっ…ちょ、ちょっ…なに…するんですか!」クネクネ

ホビット娘「す、すごい…人間って体だけじゃなくておっぱいも育つんだ…?」モミモミ

宣教師「…あ、あの!そんなことより…話を…んっ」ピクンッ

ホビット娘「ウチなんてペタンコなのに…むぅ!いーな!いーな!人間っていーなー!」モミモミ

宣教師「く、くすぐった…いですから…や、やめ…」ピクンッピクンッ

ヒメ「(ど、どうしよう……。見ちゃいけない筈なのに目が離せない…!)」ジーッ

東の騎士「くっ…くそ!抜けん!?このままでは沈んでしまうぞ…!?」グッグッ

外交官「(い、今のうちに陛下を…!)」ソローリ

ヒュンッ ドスッ

外交官「はっ!?」ビクッ

ホビット娘「あ、言っとくけどこそこそやっても無駄だから?
とっくに取り囲んでるし…風通しのいい身体になりたくなかったらおとなしくした方がいーよ?」

外交官「ぐぅ…!」ブルブル
438: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:24:39 ID:M3wYd3wb5.
ホビット娘「で、どーする?死ぬ?それともおとなしく帰る?」

ヒメ「だ、だから待てよ!僕たちは別に揉め事を起こしたい訳じゃないんだ!」アセアセ

ホビット娘「まぁだ言ってんの?めんどいなー!」ジトッ

宣教師「お、お願いですから…話を聞いてください…」ゼェゼェ

ホビット娘「やーだね!兵隊なんか連れちゃってさ?ウチらと戦う気マンマンじゃん?」

ヒメ「何度も言ってるだろ?誤解だって!?」

東の騎士「某らは他国の客人を案内してやっただけだ!そこもとらと戦う意思はない!?」ズズズッ

宣教師「私達を解放してください!絶対に暴れたりしませんから!?」

ホビット娘「ふーんだ?」プイッ

宣教師&ヒメ「……!」イラァッ

ホビット娘「え?なに、その目?射ってって?合図出せばいーの?」

宣教師&ヒメ「」ビクッ

ホビット娘「今晩のおかずは人間の串焼きかなぁ〜?お腹空いてきちゃった?」

宣教師「ち、違いますよ!敵意ではなく友好の眼差しを、ね!」ニッコリ

ヒメ「そ、そうそう!お近づきになれたらいいなと思ってさ!?」アセアセ

ホビット娘「……おっぱい」ボソッ

宣教師「はい?」キョトン

ホビット娘「おっぱい揺らしながら『私は牛小屋で小汚ないオヤジにお乳搾られながら育ったスケベなメス牛です』って自己紹介して?」

宣教師「……はぁ?」ピキッ

ホビット娘「やらないの?」

宣教師「あなたねぇ…いい加減にしないと怒りますよ…?」ゴゴゴゴゴ

ヒメ「宣教師!?落ち着け!?それくらい言ってやればいいだろ!?」アセアセ

宣教師「」ギロッ

ヒメ「」ビクッ

宣教師「キミまで私にあんな辱しめを強要するんですか?」ピキッピキッ

ヒメ「……し、しないです」ズーン
439: ◆WEmWDvOgzo:2015/12/19(土) 20:26:06 ID:M3wYd3wb5.
ホビット娘「言うの?言わないの?」

宣教師「言いませんよ!」

ホビット娘「なによ、ケチ!」プクー

宣教師「とりあえず網から下ろしなさい。その曲がった性根を叩き直したいので」ギロッ

ホビット娘「は?つ、強がっちゃってバカみたい?下ろす訳ないじゃん!」ビクッ

宣教師「今ならありがたいお説教12時間と左右の頬を35発ひっぱたくだけで許してあげましょう」

ホビット娘「そ、そんなのさせないから!」タジッ

「何をしておるかぁ!?」カッ

ザワッ

宣教師「こ、今度はなんですか?」チラッ

ヒメ「?」チラッ

ホビット娘「やばっ…!」クルッ

酋長「ルイ…!その人間共はなんだ…!?」ビキビキィィィ

ザワザワ ザワザワ

ホビット娘(ルイ)「あ、アハハ…ゴメン、お爺ちゃん…?」ダラダラ

酋長「…皆もだ!遊んでないで仕事せんか!?」

ヒィィィィイイイ!!!

ヒメ「(…あのコワモテの老ホビットが長か?)」
973.18 KBytes

名前:
sage:


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うpろだ
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