http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10
1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10
2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10
3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)
あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)
>>2から本編になります!
41: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:12:55 ID:ghswXoejkk
ルーボイ「あーうめぇ!」パクパク
ラム「買い食いしすぎ?まだ2時間もあるのにお小遣い足りるの?」
ルーボイ「ん?フランクフルトだろ?綿飴だろ?かき氷だろ?焼きそばだろ?焼き鳥だろ?ジャガバターも食ったな?まだまだ食えるぜ!」
ラム「食欲があったってお金が無かったら意味ないだろ?」
カロル「ふんふふーん!あ、ラムくん!ルーボイくーん!」ルンルン
ルーボイ「ん?あ、お前、同じの3つも買ったのかよ?」
ラム「き、君まで…」
カロル「買ったんじゃないよ?おまけしてもらったの!」
ルーボイ「はぁ!?なんでお前だけ!ずりーぞ!?」
カロル「はい?せんでん!」スッ
ルーボイ「お!くれんのか?てかせんでんってなんだし?」パシッ
ラム「あ、ありがとう?」パシッ
カロル「飴屋さんのおばあさまに教えてもらったんだ?せんでんすると嬉しいんだって?」ペロペロ
ルーボイ「だからせんでんってなんだよ!」
ラム「へー…鳥の形してる?」
カロル「すごいよね?食べるのがもったいなくなっちゃう?」ペロペロ
ラム「ふふ…たしかにね?」
ルーボイ「」ガリッ
ルーボイ「」ボリッボリッ
ルーボイ「」ゴックン
ルーボイ「まぁ普通の飴だな」
ラム「……」
カロル「……」
ルーボイ「なんだよ?」キョトン
カロル「な、なんでもないよ?あはは!」アセアセ
ラム「(花よりダンゴ…って感じ?)」シラー
42: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:15:08 ID:jOOK1VnbDQ
お面屋「どれにする?」
カロル「あれがいい!」キャッキャッ
ルーボイ「お面なんか食えねーじゃん!」
ラム「君はなんか一つくらい思い出を形にしようとしないの?」
ルーボイ「へっへーん!腹ん中に入ってるぜ?」ドヤァッ
ラム「あっそ…君の思い出は明日の朝にでも厠に流れてくだろうね?」シラー
ルーボイ「きたねーからやめろし!?」
カロル「わんっ!」バッ
ルーボイ「うおっ!?」ビクッ
カロル「えへへー!驚いた?」スルッ
ルーボイ「お、お前かよ!?お面被って飛び出すなっつの!?」ビクビク
ラム「犬のにしたのかい?」
カロル「うん!マルクとお揃い!」カポッ
ラム「僕も一つ買おうかな?どれがいいと思う?」キョロキョロ
ルーボイ「狐!ズルそうだしお前にそっくりだぜ!」
ラム「え?なに?ケンカ売ってるの?」イラッ
カロル「ボクも狐がいいと思うよ?頭がよさそうだからラムくんにピッタリ!」
ラム「そ、そう…?じゃあそうしよっかな」テレッ
ルーボイ「俺も…げっ!もう金ねぇ?」ジャラッ
ラム「だから言っただろ?おじさーん、狐のお面ください!」チャリッ
お面屋「はいはい。狐ね!どうぞ!」スッ
43: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:17:58 ID:jOOK1VnbDQ
ルーボイ「ちぇっ!」
カロル「いいよ。ルーボイくん?ボク、まだ残ってるから出してあげる!」
ルーボイ「え?い、いいのかよ?」
カロル「うん。大丈夫だよ!」
ルーボイ「へへ!じゃあ…」
ラム「甘やかしたらダメだよ?」カポッ
ルーボイ「なんだよ、狐!」
ラム「狐じゃ…いや、狐でいいのかな?狐のお面してるし…じゃなくてカロルくん!」
カロル「?」
ラム「ルーボイは自分の欲しい物を買って渡されたお金を無くしたんだから自業自得?君が出してあげることないよ?」
カロル「え…」
ルーボイ「カロルがいいっつーんだからいいじゃんか!」
ラム「友達同士でもお金の貸し借りはいけないって習っただろ?」
ルーボイ「借りてねーよ!奢りだよ!」
ラム「なおさら悪い!」
カロル「……」モジモジ
ルーボイ「カロル!どうなんだよ!」
カロル「…み、みんなで楽しく遊べたらボクはなにも買えなくていいよ?」チラッ
ラム「そんなのダメだよ!ミシング姉さんはお金の使い方を学びなさいって言ってたんだからさ!」
ルーボイ「うるせぇな!狐は黙ってろよ!」
ラム「今は狐だけど狐じゃない!……あれ、僕なに言ってるんだ?」メダパニ
カロル「う、うーん…」モジモジ
44: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:20:05 ID:jOOK1VnbDQ
ラム「だいたい今、二人はいくら持ってるの?
それ次第でこれから先の行動も変わってくるよ?」
ルーボイ「お前はどうなんだよ!」
ラム「銅貨283枚だけど」
ルーボイ「覚えてんのかよっ!?」
カロル「ん…と、ボクは172枚!」ジャラッ
ルーボイ「お、俺は…26枚」ジャラッ
ラム「……」
カロル「あはは…?」ヒクヒク
ルーボイ「どうすんだよ!?なんもできねーぞ!?」
ラム「知らないよ!?」
カロル「あ、そっちの金魚すくいは?銅貨25枚で2回だって?」ビッ
ルーボイ「お!やろうぜ!」
ラム「はぁ…結局、なんにも学習してない」ヤレヤレ
45: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:21:46 ID:ghswXoejkk
パシャパシャ ピシャッ
金魚屋「お、お見事!10匹取ったから3匹まで持って帰っていいよ!」ガサゴソ
カロル「ラムくん、すごーい?ボクなんてすぐ破れちゃったのに?」
ラム「3人で1匹ずつ分けようか」
ルーボイ「デメキンくれよ!」
町の女の子「あっ…」パサッ
金魚屋「あー残念、お嬢ちゃん!2回、破れちゃったからおしまいだ?」
町の女の子「うっ…ふえっ…うえぇぇぇぇん!!!」ビエー
金魚屋「」ビクッ
ルーボイ「うわ!びっくりした!?」
ラム「あーあ?」
カロル「……おじさま!ボクたちの金魚、その子に1匹あげて?」
金魚屋「え?い、いいのか?君たちのだよ?」
カロル「うん!いいよね?」
ラム「いいんじゃない?」ニコッ
ルーボイ「ずっと泣かれてもうるせーしな」
金魚屋「お嬢ちゃん!よかったね!優しいホビットのお兄ちゃん達が1匹くれるとさ?」スッ
町の女の子「いらなぁい!!」バシンッ
バチャッ
金魚屋「お、お嬢ちゃん!?」オロオロ
46: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:23:35 ID:ghswXoejkk
町人2「かき氷買ってきたぞ……ん?」
町の女の子「」ビエーン!
町人2「だ、誰だ!うちの娘を泣かしたのは!?」
金魚屋「あ、あっしは何も!?」ブンブンッ
町の女の子「あのホビット…ふえっ…邪魔したから、金魚取れなかったぁ…」グズグズ
町人2「なにぃ…!?」ギロッ
カロル「ぼ、ボクたち?」キョトン
ラム「みたいだね?」
ルーボイ「はぁ!?勝手に泣いたんだろ!?」
町人2「この腐れホビット共がぁ!?町の伝統的な祭りに紛れやがって図々しい!
まだ小さな娘に嫌がらせすんのがそんなに楽しいか!あぁ!?」ガッ
カロル「きゃっ…」グイッ
町人2「おら、来い!この人混みじゃ迷惑が掛かるからな?向こうでとっちめてやる!」グッ
カロル「いっ…!」ズザァッ
ラム「カロルくん!」
ルーボイ「てめぇ!なにすんだよ!?」
ザワザワ ザワザワ
町人2「うるせぇ!てめぇらもだ!ホビットなんかとじゃれやがってクソガキが!」
町の女の子「あっかんべー!」ベロベロバー
ラム「…分かった。行ってやるよ」ギロッ
ルーボイ「このおっさん、俺たちでぶっ飛ばしてやろうぜ!」スクッ
町人2「な、なんだ、大人に向かって…」タジッ
「やめなっ!!!」
ザワッ
47: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:25:47 ID:ghswXoejkk
町人2「……!?」オロオロ
飴細工屋「そこまでにしときな」ザッ
町人2「なんだ、この婆さん…?」
飴細工屋「あたし達は祭りを主宰させてもらってる町会の役員さ」
お面屋「」ザッ
輪投げ屋「」ザッ
町人2「そ、それがなんだってんだ!」
飴細工屋「その子たちを離しな!祭り囃子が聴こえる内は揉め事なんかさせないよ!」キッ
町人2「こいつらが俺の娘を泣かしたんだ!叱って当然だろ!?」
飴細工屋「叱る?笑わせんじゃないよ!大の男が子供相手に髪の毛、引っ付かんで地面に擦り付けるのが躾ってかい!?」
町人2「くっ…!」
お面屋「この子らはうちの店にも来たが悪さなんかしねぇで行儀よく遊んでたぜ!」
輪投げ屋「おう、どうなんだ?金魚屋!」
金魚屋「あ、あぁ。気持ちよく遊んでくれたよ。それに泣いたお嬢ちゃんを見かねて自分たちが取った金魚を分けてやろうとしてた?」
町人2「!?」
町の女の子「」ギクッ
飴細工屋「それ見たことか!躾がなってないのはあんたの娘の方じゃないかさ!?」
町の女の子「ちがうもん!ホントだもぉん…!」グズグズ
町人2「……!」
48: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:27:32 ID:ghswXoejkk
飴細工屋「祭りはそこにいる全員のもんだ!ロクに遊び方も知らないなら失せな!?」
ソーダソーダ! カエレカエレ!
町人2「くっ…くぅぅ!」プルプル
町の女の子「うえぇぇぇぇん!!!」
ラム「自業自得だね」
ルーボイ「知ーらね」プイッ
カーエーレ! カーエーレ!
町人2「…くそぉ!」パッ
カロル「……」ジッ
町人2「なんだよ、その目はぁ!?俺たち親子が罵倒されんのがそんなに嬉しいか!?」
カロル「」スクッ パッパッ
町人2「」ビクッ
カロル「ごめんなさい!!」ペコッ
シーン
飴細工屋「え…?」
ラム「な、なんで君が謝るの…?」
ルーボイ「そうだよ!お前は悪くねーだろ!」
カロル「ううん、ホントはボクが悪いの。さっき間違って女の子に肘をぶつけちゃったんだ?」
ザワザワ ザワザワ
49: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:29:39 ID:ghswXoejkk
カロル「そうだよね?」
町の女の子「そう!肘でぶってきた!」コクコク
町人2「ほ、本当か?」
カロル「怒られるのが怖くて隠してました。ホントにごめんなさい」ペコッ
金魚屋「い、いや…正面から見てたけど、そんな場面は一度も?」
カロル「ぶつけました!」
金魚屋「え、えぇ…?」オロオロ
町の女の子「ね!パパ!本当でしょ!」ユサユサ
町人2「お、おう…」
カロル「隠したりしてごめんなさい。次から気をつけて遊びます」
町人2「わ、分かればいいんだよ!行くぞ?」ケッ
町の女の子「べーっだ?」ベロベロバー
スタスタ スタスタ……
お面屋「ま、まさか…」
飴細工屋「バカだね、そんな訳ないだろ?」コショコショ
お面屋「え?」
飴細工屋「怒られるのが怖かったんなら隠し通せばよかった話じゃないか?あの子は庇ってあげてんだよ?」コショコショ
お面屋「あ、そうか…!」
輪投げ屋「そ、それにしたって…どうして?」
飴細工屋「そこは私にも分かんないね…」
50: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:32:48 ID:jOOK1VnbDQ
カロル「ごめんね!二人とも?」
ラム「な、なんであんなこと言ったの…?」
ルーボイ「そうだよ!お前が謝るのおかしいだろ!」
カロル「だってボクがいけないんだもの?」ニコッ
ラム「……!?」
ルーボイ「ど、どうかしてんじゃねーの?」
ジロジロ ヒソヒソ
カロル「…見られちゃってるからボク、先に帰るよ?お小遣いは二人で使って?」ジャラッ
ラム「か、カロルくん…」
ルーボイ「……」
飴細工屋「いいんだよ。気にしなくて?」スタスタ
カロル「飴屋さん…」
飴細工屋「ほらほら、立ち止まってないで散った散った!」バッ
バラバラ バラバラ
飴細工屋「たく!困ったね、ここの連中ときたら?未だにホビットがああだこうだ言って…そんなだから田舎者呼ばわりされんだよ!」
カロル「ありがとうございました」ペコッ
飴細工屋「…なんであのロクデナシ親子を庇ったりしたんだい?」
ラム「そうだよ…。君が悪者になることないだろ?」
ルーボイ「しかもお前、俺とラムの真ん中にいたクセに端っこにいたあいつにどうやって肘ぶつけんだよ?」
カロル「…」
51: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/10(月) 02:34:50 ID:ghswXoejkk
飴細工屋「言ってごらんよ?お友達も心配してるよ?」
カロル「お祭りはみんなで楽しむもの…だよね」
飴細工屋「? あぁ、もちろんさ?」
カロル「あそこでボクが謝らなかったら、あの女の子とお父さんがお祭り楽しめなくなっちゃうかなって…」
飴細工屋「それ…本気で言ってんのかい?」
カロル「……?」
飴細工屋「(あ、呆れたお人好しだねぇ…)」ヒクヒク
ルーボイ「バカなヤツ!」ニカッ
ラム「…君って学習しないよね、ホント?」クスッ
カロル「ごめん…」ショボン
飴細工屋「…ま、いいさ。最後まで楽しんでおいきよ?」ニコッ
カロル「でも…」
飴細工屋「町の連中には後でうまく言っとくよ?祭り囃子が聴こえる内は帰るなんてもってのほかだ?」
カロル「……!」パァァ
ラム「次はどれ行こうか?」ニコッ
ルーボイ「どうせ俺、金ねーし暇潰しに付き合ってやるよ!」
カロル「うん!いっぱい遊ぼ?」ニコニコ
52: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:46:45 ID:rjm0FZnxdY
ポポンポポン! ポポンポポン!
ワァーワァーキャーキャー!
チャンチャカチャンチャン
ミシング「こうやって全員で踊ってると余所者なのに町の一員になれた気がしますよねー!」ランラン
母「そうですわね?皆さんも普段と打って変わってご機嫌?ホビットが交じっても気にしてないようですし?」ランラン
ミシング「ここも布教の訂正はしてあるんですけど、あんまりうまくいかないんですよねー」ランラン
母「そうなんですか…。あまりホビットは歓迎されてませんものね?」ランラン
ミシング「でもあの子たちを遊ばせておくと流れが変わるんじゃないかにゃー?」ランラン
母「? どういうことです?」
ミシング「意外とね。こういう催し事って貴重なんですよー?
普段は顔も合わせない区画の人達とか町の有力者が一同に期すから、ここで交流を深めておくと先々の暮らしにも大きく影響しちゃうんです?」
母「まぁ…?そんな大事な意味があってみんなを?」
ミシング「…みんななら町の人達の誤解を解くにはうってつけかと思って?」ニヤッ
母「お、おほほ…?い、いろいろと考えてらっしゃるんですのね?」
ミシング「そりゃそうですよ。孤児院なんて少ない人数でも維持費がバカにならないですし町の財政に大きく関わりますから領主や町人から疎まれるんですもん?」
母「……」
ミシング「自分たちの居場所を住み良くするには積極的に交流してってくのが一番!塞ぎ込んでると変な噂しか立たないですしね?」
母「あなたも宣教師様もお若いのにとても立派ですわねぇ…」
ミシング「そうですか?」
母「あたしはなるべく人目を避けよう、避けようとして他との関わりを絶ってきてましたから…それが良くなかったのかも」
ミシング「なーに言ってんですか!」ポンッ
母「は、はい?」
ミシング「誰にも頼らず頑張ってきたお母さんの方が立派ですよ!
あたしは人に頼って楽したいだけのちゃらんぽらん女ですもん?」
母「…あなたも十分、一人で頑張ってらっしゃるじゃない?」
ミシング「そうかにゃ?まぁ独り身彼氏募集中ではあるんだけども!」
母「」クスッ
53: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:48:50 ID:Sx9bep0/Fk
カロル「みんなで踊るのって楽しいね?」ランラン
ルーボイ「そうかぁ?なんか恥ずいけどな?」ランラン
ラム「恥ずかしがる方が浮くよ?」ランラン
ナラ「たのしまなきゃ?」ランラン
孤児1「あはははは!」ランラン
孤児2「わーい!」ランラン
カロル「ねぇ、それなぁに?」ランラン
孤児1「えへへー!勇者クライスの缶バッチ!かっこいいでしょ!」
カロル「うん!かっこいい!」
孤児2「カロル兄ちゃん!きな粉餅食べる?」
カロル「いいの?」
孤児2「いいよー!」
カロル「じゃあお返しにチョコバナナ買ってくるよ!」
孤児2「ホントに?ありがとー!」パァァ
カロル「待っててね!」タタタッ
母「すっかり仲直りしてますわね?」ランラン
ミシング「子供ってすぐ忘れちゃいますからねー。叱り付けるより時間を置いた方がいい時もあるんですよ?」
母「ふふふ…よかった?」
ランラン ランラン
54: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:49:50 ID:rjm0FZnxdY
―――西の国(宮殿)―――
ペロペロ ビチャビチャ
ファルージャ「クスス…皿に注がれた湯がそんなに美味かえ?」ニヤニヤ
下僕1「はっ…はっ…じょ、女王陛下の味が…します…」ズズッ
ガチャッ
将軍「こちらにおいででありましたか!」
ファルージャ「はんっ…そなたか?」ジッ
将軍「(目が合ったぁァァアアア!!!)」ドキドキドキンッ
ファルージャ「なんぞあったか?」
将軍「む?あ、足元にうつ伏せているボロキレは?」
ファルージャ「妾の愛犬じゃ」サラッ
下僕1「ふ…ぐへへ…陛下のお味……極上のスープ…!」ペロペロ
将軍「愛犬…!?」ギヌロォォォ
ファルージャ「……?あぁ、両腕が無いのが気になるかえ?」
側近2「私から説明しましょう。実はこの男、奴隷の身でありながら女王陛下の入浴時を狙って衣類を盗み…それだけに留まらず、入浴後の残り湯を密かに啜っていたのです」
ファルージャ「そうさせてしまった妾にも非はある。美を持ちすぎるのも考え物さな?」
下僕1「ふ、ふへへ…」ビチャビチャ
ファルージャ「別れた腕が恋しいか?」
下僕1「ちっとも…女王様に飼ってもらえるなんて…夢心地です…ふへへ」ニタニタ
側近2「という訳です」
将軍「……」スタスタ
ファルージャ「……?」
55: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:52:51 ID:Sx9bep0/Fk
将軍「ヅアアァ!!!」ヒュッ
下僕1「ぼぎゅっ!!!」ゴキィッ
将軍「フンッ!!奴隷の分際でっ!!女王の浸かった残り湯をいただくだとぉ!?」ズシッズシッ
グシャッグシャッ
将軍「ハァッ…ハァッ…陛下の残り湯は我輩が飲み干す!!」ドドンッ!
ファルージャ「…何をしておる?妾がいつ踏み潰せと命じた?」ジッ
将軍「」ハッ
ファルージャ「返り血がかかったでないか?」
将軍「あ、あ、いや…」アタフタ
ファルージャ「汚れた脚を綺麗にせよ」スラリ
将軍「た、只今拭き物を……」アセアセ
ファルージャ「馬鹿を申せ?早うせねば血が落ちなくなるであろうが?」
将軍「(うっ…ふぁ、ふぁふぁファルージャ様のおみ足が間近に……ヌホオオオオオオ)」ハァハァ
ファルージャ「舌を出せ。一滴も残さぬよう、そなたが血を舐め取るのじゃ?」
将軍「なっ……」
側近2「(ま、まずい!いくら陛下と言えど数々の武勇を誇り、列国に"西の殺戮魔"とまで言わしめたカカドゥーラ将軍に脚を舐めろなど…!?)」
将軍「な、な、な…なんという…!」ワナワナ
側近2「いけません!将軍!抑えて……」アセアセ
将軍「なんというご褒美だ!!」ヌオオオオオ!
側近2「えっ」ピタッ
ファルージャ「早うせい。いつまで妾を待たせる気じゃ?」シラー
将軍「ンッホオオオオアアアアありがたき幸せェェエエエエ!!!!」ムチュッ
ペロペロ ジュルジュル ヌチャヌチャ
ファルージャ「あんっ!これ、そうがっつくでない?」クスッ
将軍「あぁも!あぁ!ももももも!!!」ペチャペチャ
側近2「お、おぉぉ……」マジマジ
56: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:54:25 ID:rjm0FZnxdY
ファルージャ「…もうよい。口を離せ」
将軍「ムホ…」プハッ
ファルージャ「…」ヌラァァァ
将軍「い、いかがか?」ドキドキ
ファルージャ「痴れ者」ゲシッ
将軍「ぐはっ!…おぉぉぉイイィィィィ!!!」クンカクンカ
ファルージャ「お前の唾液がへばりついて肌が乾燥しておるわ?側近、拭く物を?」ゲシッゲシッ
側近2「こちらに」スッ
ファルージャ「…」パシッ フキフキ
将軍「よ、よろしければ、その手拭い、我輩に…!」ハァハァ
ファルージャ「己の唾液が染み付いた手拭いが欲しいとな?」パチクリ
将軍「じ、じじ女王のおみ足に触れた手拭いを使わせていただきたいと存じておりまする!!」ハァハァ
ファルージャ「…好きにせい」ポイッ
将軍「うひょおおおお!!!」パサッ
側近2「………」
ファルージャ「側近、死骸を処分なさいな」
側近2「……は、はい。おい!女王陛下のお足元を清めろ!」
西の衛兵's「ははっ!!」
57: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:56:09 ID:Sx9bep0/Fk
将軍「女王ん……女王のナマ足付き手拭いぃぃ…」クンカクンカ
ファルージャ「して、そなた何用で参った?」
将軍「はっ…いかぬな!忘れてはならぬ!実は……」ブルンブルン
ファルージャ「実は?」
将軍「お喜びください!!癒しの力の在処が遂に判明しましたぞ!?」
ファルージャ「ほう?それで?」シラー
将軍「そ、それで…とは?」キョトン
ファルージャ「ここに持ってきたのかえ?」
将軍「……!い、いえ!」ハッ
ファルージャ「…あれからもう1年が経ったというに」ボソッ
将軍「で、ですが…その…しかし、それは……」アワアワ
ファルージャ「そなたら三銃士はさも事無げに勇んでみせたが…一向に良い報告を持って参らぬな?」
将軍「」ガーン
ファルージャ「この忌まわしき老いを…一刻も早く捨ててしまいたい。それには永遠の命が必要じゃ?」
将軍「か、返す言葉もございませぬ…!」ブルッ
ファルージャ「…妾を愛しく想うそなたらのこと。何も心配はしておらぬが…妾とて限度という物がある?」
将軍「す、すぐに…すぐに女王陛下の御前に癒しの力を御覧に入れてみせまする!!」ブルブル
ファルージャ「そうさな。期待に応えておくれ?」
将軍「ハハァっ!!」ザッ
58: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:57:38 ID:rjm0FZnxdY
―――西の国(将軍の砦)―――
ドッゴォォォン!!!
パラパラ パラパラ
将校1「(いつにも増して荒れておられる…)」
将校2「(せ、石柱を薙刀の一振りで粉々に…!?)」ガクガクブルブル
将軍「貴様らぁァァ…!ノロノロとだらしのない働きをしおってぇ…!?」ビキビキィィィ
参謀「……」
将軍「たるんどるぞ!!あぁん!?」ダァァンッ!
参謀「閣下個人とされましてはどういった戦局をお望みでございましょうか?」
将軍「貴様は我輩の参謀でありながら、そんな事も分からぬのか?」ギロッ
参謀「まさか?僕は貴方様の忠実なしもべにございます。
全身に流れる血の一滴に至るまで捧げる覚悟……閣下のお心は口になさらずとも把握させていただいておりますよ?」ニコッ
将軍「ほう!?では我輩の心を読み当ててみせるがいい!?」
参謀「ご安心あれ、我らが偉大なる英傑、カカドゥーラ将軍閣下?」
将軍「んぬぅ…!?」
参謀「既に幾重にも及ぶ計を案じておりまする?」
将軍「しからば何故もたついておるか!?」ダンッ
参謀「そう焦らずとも?」
将軍「これが焦らずにいられるかぁ!?女王陛下たっての願いを聞き入れて1年以上の時が経っているのだぞ!?」ガァーッ
参謀「(またあの"妾"か…)」
59: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 08:59:43 ID:Sx9bep0/Fk
将軍「よもや我慢ならぬ!!我輩が全軍を率い、王国を叩き潰してくれるわぁ!?」
参謀「つまり敵の狙いに沿って動くと?」
将軍「!?」
参謀「これまで打ってきた布石が台無しになってしまいますが…それでもよろしいと?」
将軍「……!?」
参謀「もちろん知謀に優れた将軍閣下のことです。ただただ焦ってがむしゃらに軍を動かそうという訳ではないのでしょうが…」
将軍「と、とと、当然である!!」アセアセ
参謀「…引き続き僕にお任せいただけるのであれば必ずや手柄をお約束しましょう」
将軍「なに!?」
参謀「まず今、攻め入るのは得策とは言えません。敵もそれは感じておりましょう」
将軍「壁となる同盟は切り崩したのであろうが!?」
参謀「不信を煽り、少々の信頼を寄せただけです。段階的にはまだ初めの……」
将軍「初めだとぉ!?まだ進んでおらんのかぁ!?」
参謀「シャルウィン様がなかなか採掘場を明け渡してくださらないもので些か交渉に手間取っておりまする」
将軍「あんのオカマァァ…!?何を考えておるかぁ…!?」ギリッ
参謀「明け渡す前に採り尽くして鉱山を空にしたいのだとか?そんな時間はないとお伝えしたのですがね?」
将軍「…挙兵せよ!ぶっ殺す!!」ダンッ
参謀「まぁ捨て置きましょう。あの方には別の所で役立ってもらいますから?」
将軍「あんなオカマ商人ごときに三銃士の称号を授けること自体が間違いだったのだぁああ!!」
参謀「(あ、もう聞いてないな…)」
60: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/13(木) 09:03:41 ID:Sx9bep0/Fk
将軍「パカラゥロにしてもそうだ!?なぜ奴のような醜い化け物が我輩に並んで三銃士と称されるか!?そうであろうが!?」
参謀「えぇ、まったくおっしゃる通り」
将軍「そもそも奴らが王国潜入時に功を奏しておれば速やかに事が運んだのだ…!恥さらし共めが…!?」ギリッ
参謀「それについてはまた追々ゆっくりと?とりあえず説明させていただいてよろしいですか?」
将軍「あぁ!?なんの説明だ!?」
参謀「ですから今は攻め時ではないと…」イラッ
将軍「貴様ァァアアア!!今、眉をしかめたなぁ!?我輩にイラついておるのか!?おぉう!?」
参謀「いえいえ、滅相も…」
将軍「言いたい事があるなら言え!?」
参謀「いい加減になさいませ」
将軍「今…なんつったぁあぁああ…!?」ビキッビキッ
参謀「女王陛下に喜んでいただきたくはないのですか!?」
将軍「」ハッ
参謀「一刻も早く閣下の手で功を成し、女王のお望みを叶えて差し上げなければ!違いますか!?」
将軍「く、口答えしおったなぁ…!?」
参謀「なぜ分かってくださらないのですか!僕は…僕は閣下に……」
将軍「?」
参謀「女王陛下と添い遂げていただきたい一心で申しているのです!」ドンッ
将軍「そ、添い遂げ…る?陛下が…我輩のよ、よよ、よ、嫁にか!?」ブルブル
参謀「はい!陛下は永遠の命を捧げた配下に一つだけ望みを叶えると明言されました!
ということは今回の作戦で閣下が手柄を挙げ、女王に求婚されますれば必ずや陛下は閣下を夫とし、毎晩毎晩飽きるまで夜を共にさせてくださるはず!!」
将軍「言葉を慎まんか、貴様ァァアアア!!」
参謀「……!も、申し訳ございません!出過ぎたマネを……」
将軍「我輩が陛下に飽きるなどありえるかぁああ!!その気になれば100年でも1000年でも抱き続けられるわぁ!!?」ゴゴゴゴゴ
参謀「(そっちですか…?)」
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