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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


369: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:34:14 ID:m4Uz9RrgRI
副官「やっと分かってくれましたか…。時間は掛かったが共に戦う有志として団結を深められた事、まことに嬉しく思う!!」

副官「よって我々はここに…独立遊軍となる意思を宣誓しようじゃないか!!」

ザワッ

ドレッド「ど、独立遊軍…!?」

副官「今は矮小な一個大隊でしかないが…僅かながらの兵力で大国を揺るがした実績は証明済みだ?」

副官「強き者の下に人は集まり、弱き者のそばから足音は遠ざかる」

副官「それはなぜか…言うまでもないだろ?強者の懐に収まれば確実に守られるからだよ?
世の中の大多数は弱者であり、弱者は強者の影に隠れたいと願う。
ともすれば王の冠を戴く基準は血筋でも人格でもない!強者か否か!それだけさ!?」

副官「ならば答えは至極全うである!!弱者を蹴落とし、栄光を勝ち取るんだ!!」

副官「これまでを振り返れば危険な場面も多々あった!だがそこを乗り越えてきた諸君らであれば不可能な話ではない!」

副官「強者でありたければ力を示せ!?嘘に塗り固められた現実を憎むなら自分たちで真実を作り出すんだ!?」

王国兵's「……!」ゴォォォ

王国兵's「うっ……」グッ

王国兵's「おぉぉぉおおおおおおおお!!!!」バッ

オォォォオオオオオオオ………

副官「(はい、洗脳完了)」フイー
370: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:35:13 ID:m4Uz9RrgRI
フィクサー「適当な糾弾をまくし立てれば深く考えずに頷いてしまう…。
思い込みの強い国民性は、さすがに2年や3年では矯正されんな?」

ドレッド「お、おい…!あんたが言ってた俺達の時代がどうのってのはアレの事じゃないだろうな…!?」

フィクサー「呼応した者らの共鳴は我々を指導者と認め、新時代を切り開く剣となるよう切望している。応えねばなるまい?」

ドレッド「……!自分の国だぞ!?俺達が生まれ育った国だ!!分かってんのか!?」

フィクサー「……」

ドレッド「あんたにだって残してきた家族や仲間がいるだろうよ!?
大切な故郷を残虐な連中に侵させない為にも母国を守るのが俺達、兵士の役目じゃないのか!!」

フィクサー「……」

ドレッド「独立遊軍!?謳い文句だきゃご立派だが要は無作為に暴れまわる、ならず者の集団じゃねぇか!?
こんなくだらん話に全員を巻き込んで…あんた一体、何がしたいんだ!?」

フィクサー「そうか。分かってくれないか」

ドレッド「何を分かれと言うんだ!?この戦いで俺達は歴史に名を残す英雄になれるんだぞ!?
裏切り者の烙印を押されて悪名を語り継がれるなんざまっぴらだ!?」

フィクサー「…誰ぞの為と叫び、失ったところで、さして気にも病まない者らに尽くすのが、そんなに素晴らしい事なのか?」

ドレッド「はぁ…!?」

フィクサー「新時代の到来と共に歴史もまた生まれ変わる。その始まりにわたしの名をしたためよう」

フィクサー「誰もが戦いに身を費やし、争いが争いを呼び覚ます…。
純然と血を流し続けるツワモノ共の果てなき野心と憎悪の軌跡……。
そう。かつての終わらない争いを彷彿とさせる荒れ狂った時をわたしは感じたい」

ドレッド「(な…な……終わらない…争いだとぉ…!?)」

フィクサー「平和と安らぎに満ちた史書の何が面白い?
ありふれたページなど読み飛ばされ、忘却に沈みいくのを待つのみだ?
何かが巻き起こり、胸熱く疼かせる闘争本能に焦がれる至福は究極の娯楽と言って差し支えない?」

フィクサー「歴史とはこうあらねば…?それをなぜ拒み、つまらない日々に貴重な時を埋め込むのか?」

フィクサー「私利私欲で戦って何が悪い?俺を悪とするならば…己らの願望に平穏を組み込ませ、強制を促す貴様らの方がよほど罪深い…!」ギリッ

フィクサー「わたしは新時代の創造者たりえる傑物…この退屈に紛れ、忘れ去られる気など毛頭ない…」

ドレッド「(駄目だ…。こいつには何を言っても無駄だ…)」ボーゼン
371: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:39:21 ID:UdCBQzYwOk
カッカッ

フィクサー「……」チラッ

副官「あ゙〜…あ゙〜…やぁ〜喉を痛めてしまいましたよ?」ンンゥッ

フィクサー「なかなかの弁舌だったな。オドアイルよ?」

副官「いやぁ〜我らが国王陛下はお坊ちゃんながらに人気ですよ?よもや反発されるとは?
しかたなく勢いとでっち上げで畳み掛けてやったら、あっさり縮み上がりましたがね?」

フィクサー「ふっ…短い間に王の尊厳を民に思し召すとは器にかなう名声の持ち主ではあっ……!?」バッ

ビュンッ

ガキィィンッ!

ドレッド「ざ…けんなよぉ…!?」ギギギッ

フィクサー「…なんのマネだ?」ギギギッ

ドレッド「あんたに仕切らせたら……ズルズルと破滅に向かわされるだけだ…!?」ギギギッ

フィクサー「?」ギギギッ

ドレッド「だいたいにして今までも…そうだっ…友軍や身内を騙し、容赦なく…切り捨ててきたよな!?
城と共に…焼かれた奴らも…道中、制圧した領民や敵の援軍も…無抵抗の人間を!あそこまで徹底的に……殺すだけの理由があったか…!?」

フィクサー「ふっ…ふっふっ…」プルプル

ドレッド「な…に笑っ…!?」

フィクサー「殺すだけの理由…?ならば殺してはならない理由がどこにあった?」

ドレッド「あぁ……!?」

フィクサー「生かしておく必要のない連中を殺して何か問題でもあるのか…!?」ニヤァァ

ドレッド「やっぱり…あんたは…っ!!」

ドスッ!

ドレッド「」ピクッ

副官「ご納得いただけましたかな?ドレッド軍長?」グリグリ

ドレッド「ぎはっ!あぁぁがぁぁああ!!!」ボバッボフッ
372: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:40:04 ID:UdCBQzYwOk
パラパラ パラパラ

副官「イヤぁ〜な空模様ですなぁ?ポツポツと雨が……」

フィクサー「ちょうどいい。豪雨が激しく打ち付ける頃合いを見計らって作戦を決行するぞ」

副官「ははっ!」

ドレッド「」ダラァン

フィクサー「(誰かの植え付けた倫理観に操られ、あたかも己が正義と信じ込む。愚かしさに気付けぬ者共よ…)」

フィクサー「(これからはわたしが造り上げる真理を唱え、さまよい続けるがいいさ…)」

フィクサー「(終わりなき争いの世界でな…)」ニヤリ


???「……」ソーッ
373: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:41:01 ID:UdCBQzYwOk
―――東の国(城)―――

ミリア「……」ゲッソリ

東の高官「ミリア王妃…休まれてはいかがですか」

ミリア「…私は疲れておりませんことよ?」ニコッ

東の高官「…戦争が始まってからというもの、ほとんど睡眠を取っておられませんよ。お顔も少しやつれてしまわれた…?」

ミリア「ふふ……なぜだか眠くなりませんの。歳を取ると横臥するのも億劫で?」ニコニコ

東の高官「ご自愛なさいませ…。宰相殿に関してはまこと残念と申し上げるほかございませんが…」

ミリア「何も心配はしてませんよ?まだ王国の方々が戦ってくださってますもの?」ニコニコ

東の高官「……」

ミリア「ですが…南の国の方々や宰相殿には本当に申し訳なく想いますわ。
陛下と私がもっと上手にやれていたら…こんな事にはならなかったのかもしれません」

ミリア「戦争なんて…するべきではなかったのね。分かっていたつもりでも…こうなると心底、自らの過ちを悔いるばかりですわ?」ボーッ

東の高官「……」

ミリア「ふふ…そんなお顔をなさらないで?安心してよいのですよ?」ニコニコ

東の高官「は、はい…」
374: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:42:19 ID:UdCBQzYwOk
ミリア「…もしも兵が攻めてきたら皆さんで降伏を申し出なさい?」

ザワッ

ミリア「私の身柄を差し出せば…引き換えに救済措置も望めるでしょうから」

東の高官「そ、そんな事…出来る訳が…!」

ミリア「……」

東の高官「わ、私供は王妃様と共に死ぬ覚悟です!最後まで戦い抜きましょう!」

東の騎士「某もでござる!」ザッ

東の召し使い「わ、わ、私だって!」ブルッ

ミリア「あらら……」
375: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:43:34 ID:UdCBQzYwOk
ミリア「あなた…家族は?」

東の高官「わ、私でございますか…?私は妻と二人の子がおります…。
王妃様にも何度かお目通しいただいたかと存じますが…」

ミリア「えぇ、若く美しい奥様で…二人の娘さんもとても可愛らしく仲睦まじい姉妹でしたわね?」ニコッ

東の高官「ま、まぁ…はは。照れますな…」

ミリア「あなたは?」

東の騎士「某は未婚だが…故郷には年老いた両親と四人の兄弟がおります」

ミリア「そう…。きっとご両親にとって城で働くあなたは誇らしいことでしょう?」ニコッ

東の騎士「い、いえ…!」

ミリア「あなたは?」

東の召し使い「わ、わわ、私は城下に石膏技師見習いの夫が…こ、子供はまだ…です」モジモジ

ミリア「…それなら、まだまだこれからですわね?」ニコッ

東の召し使い「は、はは、はいぃ!!」オドオド
376: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:44:42 ID:UdCBQzYwOk
ミリア「……今、申し上げた方々の他にも大切な存在はおられますか?」

東の召し使い「はい…?」

東の騎士「はぁ…?おりますが…?」

東の高官「し、質問の意図が分かりかねます…」

ミリア「その方々と、この先もずっと寄り添って生きていきたいとは思えませんか?」

東の召し使い「……!」

ミリア「この国には前途ある人々が多く残っているのですよ?
どなたも大切な人との出会いを授かり、守るべき物があって…今という人生の中で必死に戦っておられます?」

東の騎士「……」

ミリア「愛しい者と過ごして…夢や希望に打ち込んで…厳しく辛い現実に向き合いながらも…見守り、見守られて生きていく…。
誰しもそうした…歩みたい未来というものがあるのではないかしら?」ニコニコ

東の高官「お、王妃…さ、ま」

ミリア「私の命には…そんな方々の尊い時間を潰えさせるだけの価値がありまして?」フッ
377: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:46:11 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「どうか私に最後の役目をくださらない?」ニコニコ

東の召し使い「」ブワァッ

ミリア「この命で贖えるなら、それ以上に喜ばしいことはございませんもの?」ニコニコ

東の騎士「……」

東の高官「……!」プルプル

東の召し使い「う……ひぐっ…」ポロポロ

「それには及びません!」

東の高官「!?」ビクッ

東の騎士「何奴!?」バッ

東の召し使い「へ!?」クルッ

ミリア「……!ひ、ヒメ…くん?」パチクリ

ヒメ「諦めてはなりません!僕らと共に…この戦況を打開しましょう!!」

ミリア「なぜ…あなたが…ここに?」

ヒメ「急を要する事態でしたので…勝手ながら無理を言って通していただきました!
詳しい事情はこちらの外交官から説明させています!」
378: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:48:15 ID:UdCBQzYwOk
東の高官「こ、国王殿…なぜ今、我が国を訪れられた?」

ヒメ「連合軍を勝利へ導く為にも東の国の力が必要なのです!」

東の騎士「…し、しかし我が国にはもはや僅かばかりの兵と民しか残されておりませぬぞ」

ヒメ「……」

東の召し使い「お…王妃様を助けられるのですか?」ポロポロ

ヒメ「」ピクッ

東の召し使い「お、おぉお願いします…!もう…もう嫌なんです!
国王陛下や宰相閣下のような悲劇を…産み出したくない…!」ポロポロ

東の召し使い「子供たちも…もう……戻ってこないじゃないですか…!
こんな争い…続けたって、人が死んでいくばかりです!?」ポロポロ

東の召し使い「お願いします!どうか…どうか助けてください!?」ポロポロ

ヒメ「」コクッ

東の召し使い「……!」ウルウル
379: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:51:25 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「…最後まで戦い抜く決意ですのね」

ヒメ「始めた以上、途中で投げ出す気はさらさらありません!」

東の騎士「…なおも多くの命を散らして勝利に食らい付こうと申されるか?」

ヒメ「そうです…!」

東の騎士「王妃様のように潔く救える命を残そうとは考えぬのか…!?」

ヒメ「…ミリア王妃のお考えは英断であると思います。
ですが、ただ闇雲に生き永らえさせても残された者らの絶望は拭えません!」

東の騎士「……!」

ヒメ「私達は国を預かる王として…幸福ある未来を民に約束出来なければならないんです!!」

ザワザワ ザワザワ

ヒメ「略奪を強いられ、虐待に見舞われ、奴隷となって家畜同然の身に堕とされるかもしれない…!
残された命の行き着く先をよくよくお考えください!?」

ヒメ「自分たちの居場所を奪い、支配し、せせら笑う侵略者に屈しなければならない…。
周囲どころか己さえも守れない…!敗北の歴史に怯え、震えて眠るしかない…!」

ヒメ「支配する者たちを呪い、戦いに負けた我々を恨み、無力な両手で涙をこらえ、悔しさをどこに向けていいかも分からない…!
ここで諦めてしまえば…誰も幸せになんかなれない!誰も幸せに出来ないんだ!!」

東の騎士「……」

ヒメ「はぁっ…はぁっ…」ゼェゼェ

ミリア「……」ジッ
380: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:52:31 ID:m4Uz9RrgRI
ヒメ「…どうか僕を信じて力を貸してください…!」ペコッ

東の高官「……」

東の召し使い「ふぐぅ……えう……」シクシク

ヒメ「お願いします!時間が無いんです!」

ミリア「断ったりしませんよ…。私供に出来る事なら、なんでもさせてください?」ニコリ

ミリア「皆さんもそうですわね?」

東の高官「…ははっ!!」

東の騎士「なんなりとお申し付けあれ!!」スラッ

東の召し使い「……!」グシグシ

ヒメ「ありがとうございます…!」パァァ
381: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:53:30 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「ホビット族の領地に…?」

ヒメ「はい!そこへ踏み入る許可を頂きたいのです!」

東の高官「し、しかし彼らは…」

東の騎士「んぅぅ……」

ヒメ「なにか不安が…?」

ミリア「実は…亡くなった陛下は一度、共存を求めて彼らに掛け合いましたのよ?」

ヒメ「は、はい…。以前に話されてましたね?」

ミリア「けれどホビット族は陛下に会ってもくださらなかったわ?
それだけでなく、彼らの住まう地に入る事さえ許されなかったの…」

ヒメ「……」

ミリア「…こう申し上げてはなんですがホビット族は東の国から独立した種族。互いに干渉しない掟は50年に渡って守られています。きっと…力にはなってもらえないわ?」

ヒメ「そうですか…」

ミリア「ここまで訪ねてくださって申し訳ございませんけれど…」

ヒメ「…構いません。やるだけやらせてもらいます」

ミリア「?」パチクリ

ヒメ「僕の友は…ホビットでありながら人や歴史が不変の物であると証明してきた現実を変えてみせました」

ミリア「……」

ヒメ「僕達も…いや、人も変えようとし、また変わろうとするべきです。諦めた先に変化はないのですから!」

ミリア「……」チラッ

東の高官「…これをお使いください」スッ

ヒメ「……!」パシッ

東の高官「こちらの通告許可証を提示すれば、いかなる場においても検閲を受けず、速やかに国内を行き来可能になります」

ヒメ「…恩に着る!」ゴソッ

ミリア「…頑張って?」ニコニコ

ヒメ「はい!」ペコッ
382: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:58:05 ID:m4Uz9RrgRI
ミリア「……」

東の高官「…ホビット族はどう出ると思われますか?」

ミリア「ヒメくんに一任しましたので後の事は考えておりませんわ?」

東の召し使い「な、なな、何か心配事が…?」

東の騎士「…ヒメ国王殿はお若く、感情に流されやすい。窮地に追い詰められて周りが見えておられぬやもしれん」

東の高官「…我々の窮地を知ったホビット族が果たして…味方に着くか、それとも不干渉を貫くか、はたまた…」

東の騎士「この期に乗じて東の国土を吸収しに掛かるか…でござろう?」

東の高官「最も可能性が高いのは後者だな…」

東の召し使い「え…え、えぇ…!?」

東の高官「王妃様が少々渋っておられたのは…国内の混沌を危惧された為でございましょう?」

ミリア「さぁ…どうしてでしょうね?」ニコニコ

東の高官「……しかしながら、よもや打つ手もない状況ですからな」

ミリア「なんであれ、あんな純粋な瞳で見つめられたら断れません?」

東の高官「……」

ミリア「はぁ…子供、欲しかった」

東の召し使い「お、王妃様…」

ミリア「(途中で投げ出す気はない、なんて…ふふ。本当に責任感が強くて、優しくて勇敢な子?
自暴自棄になって勝手に自己完結しようとした私とは大違いですわね?)」

ミリア「ちゃんとあの子たちを産んであげられてたら…私達も……」ボソッ

東の召し使い「……?」

ミリア「(私達は人の命を…どこか軽く考えてしまっていたのでしょうね。本当に大切と思える相手がいなかったから……もう遅いですけれど)」フッ
383: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 21:58:53 ID:UdCBQzYwOk
―――王国(国境防衛城塞)―――

ドッドッドッドッ ドッドッドッドッ

ガションガション ズシッズシッ ガションガション ズシッズシッ

ジルレイ「ハッハァ〜?なんだぁ、ありゃ〜!?バカ面、引っ提げて降参するかと思いきや…門を固く閉じて徹底抗戦の構えかぁ!?」

ガランガランガランガラン!

将軍「ヌハハハハハ!!虫けら共が慌てておるわ!?」

ジルレイ「鐘なんざ鳴らさんでも、この大軍の足音が響いてるだろうによぅ?」ニタニタ

将軍「ジルレイよ?」

ジルレイ「ハハッ!」

将軍「突撃だ?」ニタァァァ

ジルレイ「いよっ!待ってましたぁ!!」パシンッ

ジルレイ「てめぇらぁ!?ドカンとぶちかませぇ!!」ガガガッ

ドガガガガガガガガァァァッ
384: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:00:25 ID:UdCBQzYwOk
―――壁上―――

レーグ「き、来た…!?」ビクビク

ガンッガンッ ズダダダダダダッ

レーグ「そ、そ、そそそ総員、は…はい!はいはいはいはち…はち…あぁい!は、配置に着けぇ〜!?」ガタガタ

警備兵's「」オロオロ

レーグ「な、な、ななな…にして…だ?は、ひゃやく!」ガタガタ

団長「狼狽えるな?何を言ってるのかさっぱり分からんぞ?」ポンッ

レーグ「」ビクッ

団長「指示は正確にはっきりと伝えろ?でなければ兵も動きようがあるまい?」

レーグ「ず、すすずびばぜん…」ガタガタ

団長「(ちっ…これでは使い物にならんな)」

ヒュンッヒュンッ ドスッドスッ

ヒィィィイイイ!! ギャアアアアアア!!

団長「何をしている!?さっさと矢をつがえろ!?当てようと思わんでいい!!ただただ無心で射ち放て!?」

キリリッ ピーン

ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ

ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ

ドスッドスッ バタッバタッ

警備兵1「ひぁぁあああ!?いでぇぇぇええ!?」ブスッ

団長「痛みを感じる暇があるなら一本でも多く射ち返せ!?」

ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ
385: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:03:19 ID:UdCBQzYwOk
副長「梯子を掛けさせるなぁ!?登ってこられたらひと溜まりもないぞぉ!?」

ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ

ドスッドスッ ドスッドスッ

近衛兵1「副長!なにやら櫓のような台車がいくつも接近しておりますが…!?」ガスッガスッ

近衛兵2「な、なんだ、あれは…どでかい矢を装填してまっすぐこちらを見据えている…!?」ガスッガスッ

副長「…そ、そのまま大楯を構えて防げ!?王国の誇る鉄鋼製の分厚い楯ならばあれしき…!」

ビュンッビュンッビュンッ

ドガァァッ ゴシャアアッ バキィィンッ

副長「ば、バカな…!?あの楯は大の男が3人がかりでようやく持ち上がる重量だぞ…!?」

近衛兵's「ぐああああっ!!?」ズダダァンッ

副長「あぁ…な、成す術もなく…吹き飛ばされてしまった…!?」

ガゥンッ ガゥンッ

副長「」ハッ

近衛兵1「は、梯子が掛けられたぞぉ!?」

副長「振り落とせ!?登らせるな!?」

ダダダッ ゾロゾロ

ワァーワァーギャーギャー!
386: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:06:17 ID:m4Uz9RrgRI
ビュンッビュンッビュンッ ドガガァンッ

ヒュンッヒュンッ ヒュンッヒュンッ ドスッドスッ ドスッドスッ

近衛兵1「くそ…!破壊力のあるでかい矢と無数に飛び交う小さい矢に妨害されて…!?」

近衛兵2「このままじゃ続々と登ってくるぞ!死守……」

ヒューン ゴッシャアアアアア

グワァァァアアアアアア!!!

ガラガラッ ボロボロ

副長「く、加えて投石だとぉ…!?一体どれだけの兵器を抱えているのだ…!?」

ゴゥンッゴゥンッ! ゴゥンッゴゥンッ!

副長「な、なんの音だ!?」

近衛兵3「まずい!!こうしてる間に正門を破ろうとしています!?」

副長「なっ…む、向こうには団長が控えているんじゃ…!?」

近衛兵4「ど、どこも似たような戦況らしく…!」

副長「(は、速すぎる…!?何もかもが…!?)」ゾワッ

副長「(開戦からどれほど経った…!時間にしておよそ10分にも満たない筈…!?)」

副長「(それなのに…もう我々は壁上の陣形を砕かれ、翻弄され、梯子を掛けられ、正門の突破を許そうとしている…!?)」

副長「(……強すぎる…ただただ奴らが強すぎるんだ…!?)」ガクガク
387: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:07:17 ID:UdCBQzYwOk
ヨジヨジ ザッザッ

民間兵's「の、登ってきたぞ…!」

ラキア「臆するな!?」ジャキッ

民間兵's「」ビクッ

ギャリンッ ガキンッ ザシュッ

西兵45「グワハハハハ!!くそ雑魚共がぁ!?」ブンッ ザシュッ

西兵46「ヒャァハハハ!」ブンッ ドバッ

民間兵1「あ、ひぃぃ…!」ズルッ

ラキア「」ダンッ ヒュォンッ

ズガガガガガァァッ

西兵45「ごへっ…」プシャアアアアアア

西兵46「がっ!ぎぇっ!」ドッ ゴンッ ズザァッ

ラキア「恐れずに立ち向かえ!?正義は必ず勝つ!!」ダッ

民間兵1「」ビクッ

民間兵2「あ、あの人は…!?」

民間兵3「と、とにかく強そうな、あの人に続こう!?」ダッ

ワァァァアアアアアア!!!
388: ◆WEmWDvOgzo:2015/11/29(日) 22:15:50 ID:UdCBQzYwOk
ラキア「えやぁぁぁあああ!!!」ヒュッ ズバッ

ドサッ バタッ

西兵47「な、なんだぁ!?」タジッ

ザンッザンッ ドサドサドサ

西兵47「」ハッ

ジルレイ「ゲハハハハ!おっもしろそ〜なガキがいるじゃねぇの!?」ニタニタ

西兵47「じ、ジルレイ様!!」

ジルレイ「俺を登らせちまった時点で勝負は決まったようなもんだが…ま、それなりに楽しませてくれよ?」ヒュヒュヒュヒュッ

ザンッザンッ ザンッザンッ

ギャアアアアアア!!!

ラキア「(……あいつ)」ジロッ

民間兵1「うわああああ!!こ、こここっちに来るぅぅ!?」ビクビク

ラキア「…俺が相手しておくから、みんなは登ってくる敵を食い止めるんだ!出来る事なら梯子ごと叩き落とせ!?」

民間兵1「わ、分かった!」グッ

ラキア「いくぞ…!」ダッ

ジルレイ「おっ…自分から死にに来たか。可愛い奴め…?よしよし、ズバズバっと細切れにしてやろうなぁ?」ジャキッ

ラキア「ナメるな!?」ブンッ

ガキンッ!

ラキア「っ…!?」ギギッ

ジルレイ「ゲハハハ…!俺様の見込みに狂いはねぇ!こりゃ楽しめそうだなぁ?」ギギッ

ラキア「(くそっ…早く倒さないと…登ってくる敵を食い止めなきゃ一気にやられる!)」イラッ
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