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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


149: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:47:41 ID:47qDB4JxU6
ラフテン「何をやってんだ!殺せというのが分からないのか!?命令だぞ!?」

親衛隊「……」

ラフテン「このっ愚図がぁ!?」ヒュンッ

南の衛兵10「うっ…!?」ザクッ

バタッ

ラフテン「こいつのようになりたいか!?えぇっ!?」バッ

親衛隊「」ワナワナ

団長「終わったな。貴様?」

ラフテン「はぁ…!?」

クルッ クルッ クルッ クルッ

ラフテン「!?」

ジリッジリッ ジリッジリッ

ラフテン「お、おい…!待てよ?お、俺を誰だか分かって……」アセアセ

親衛隊長「む……ぐく…!」ムクッ

ラフテン「し、親衛隊長!こいつらを止めろ!?」

親衛隊長「お、お前達…何をしてる…?」ヨロッ

南の衛兵11「邪魔するのなら隊長であっても容赦しませんよ」ジャキッ

親衛隊長「な、なにぃ〜…!?」

ラフテン「こいつら…敵の甘言に踊らされて寝返ろうとしているのだ!」

親衛隊長「な、なんですと…!?」

ゾロゾロ ゾロゾロ

団長「道を空けろ!!」

親衛隊「」ビクッ

ザザザッ

ローレン「……」スタスタ

親衛隊長「ローレン…王子」
150: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:50:40 ID:47qDB4JxU6
ローレン「無様だな。兄上…?」

ラフテン「〜〜〜!!こ、殺せ!!ローレンが無防備にも貴様らに背を向けているぞ!?今なら確実に殺れる!?」

シーン

ラフテン「おい、聞いてるのか!?殺れと言ってんだよ!?命令だ!?」

シーン

ラフテン「くっ…!王族に飼われる身でありながら…許さんぞ!!」

ローレン「俺も王族だ…」

ラフテン「貴様ごときが王族を名乗るな!?
上流階級の母と国王である父の血を継ぐ俺のみが純潔な王族ぞ!?」

ローレン「貴様が殺した兄弟の中には…そんな奴がわんさかいたんじゃないのか?」ギロッ

ラフテン「知るかぁ!?あいつらは俺に敗れ、王位を奪われた負け犬だぁ!!勝ち残った俺こそが真なる王……」

ローレン「変わらんよ」

ラフテン「アァ〜!?」ギョロッ

ローレン「お前もここで俺に敗れ、王位を奪われる哀れな王族の一人だ」

ラフテン「っ……おい、何ボサッとしとるんだ!?行け!?」バシッバシッ

親衛隊長「は!?」ビクッ

ラフテン「ローレンを討つんだ!!奴の首を切り落とした者には褒美を取らすぞ!?」ハァッハァッ

ローレン「…命令だ!!」カッ

親衛隊「……!?」

ローレン「ラフテンを拘束せよ!!」

親衛隊「ははぁっ!!」ザッ
151: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:55:12 ID:47qDB4JxU6
ジリッジリッ ジリッジリッ

ラフテン「ま、待て!俺に従え!褒美を…褒美を取らす!!階級も上げてやる!?女だって思うがままだぞ!?」アワアワ

親衛隊長「ふむ…」

ラフテン「くそがぁ!!親衛隊長!!殺せ!?この反逆者共を八つ裂きに…!」

親衛隊長「」ヒュンッ

ラフテン「ッッ!?」ビクッ

親衛隊長「…剣を捨て、両腕を上げろ?」ピタピタ

ラフテン「お、おい…なんの真似だ…?」ブルブル

親衛隊長「」グッ

ラフテン「ひっ!分かった!言う通りにする!?」タラァァァ

親衛隊長「ローレン国王!!私めが見事、逆賊を捕らえてご覧に入れましたぞ!?」キリッ

ローレン「…大義である」

親衛隊長「覚悟しろ!逆賊め!我らが王、ローレン様に牙を剥くなど無礼千万!
民衆の面前で、これまでの罪を暴き、首を跳ねてくれるわー!?」ボーヨミ

親衛隊「」シラー

ローレン「どうだ。兄上?味方を奪われる気分は?」

ラフテン「み、認めん…ぞ」プルプル

ローレン「……」

ラフテン「き、貴様などが王になどなれるものかぁ!?」

ローレン「城外の広場に引きずり出せ。葬儀の前に王位継承の儀に移るぞ」

ラフテン「ば、バカな…継承権は長男である俺に……」

ローレン「決闘だ」

ラフテン「は…!?」

ローレン「俺と貴様、どちらが王に相応しいか…南の王族らしく互いの血で決めようじゃないか?」

ラフテン「……!?」ゾワッ
152: 名無しさん@読者の声:2015/8/30(日) 22:17:05 ID:Jyy7L0BC1s
ローレン頑張れ!
153: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:39:42 ID:n15p5hTuR6
―――南の城下町(広場)―――

ゾロゾロ ゾロゾロ

ヒソヒソ ヒソヒソ

親衛隊長「民衆に告ぐ!!偉大なる我らが先代国王の葬儀を一時中止し、王位継承の儀を執り行う!!だがその前にだな……」

ザワザワ ザワザワ

南の高官's「」ヒソヒソ

南の貴族's「」ガヤガヤ

親衛隊長「えぇい!騒ぐな!?」

ローレン「……」

南の高官1「ローレン王子!これはどういう事だ!?」

南の貴族1「他国から慰問に訪れた要人の方々も混乱しておりますぞ!しかと説明していただかねば!?」

ローレン「皆、疑問はあるだろうが詳しく説明している暇はない。
趣旨のみを端的に伝えるので耳を傾けてくれ」

南の貴族1「…な、何が起きてるんだ!ラフテン王子が即位されるんじゃなかったのか…?」ヒソヒソ

南の貴族2「し、しかし兵に拘束されているぞ…?」ヒソヒソ

南の貴族3「ま、まさかこの場で処刑し、ローレン様が王位に返り咲こうと…?」ヒソヒソ

南の貴族4「な、なんだとぉ…!?わ、我らがこの日の為にどれだけラフテンに貢いできたか…全て台無しではないか!」

親衛隊長「鎮まれぃ!!」

シーン

親衛隊長「これよりローレン王子とラフテン王子が互いの王位を賭けて決闘なさる!!」

ザワザワ ザワザワ

親衛隊長「この国の王座を勝ち取るのはどちらか…これよりそなたらには南の民として我が国の歴史の証人となってもらう!!」

ワァァァァアアアアアア!!!
154: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:41:08 ID:n15p5hTuR6
ヒメ「ことのほか盛り上がってしまいましたね。もう後には退けませんよ?」

ローレン「20万近い城下の民が見届ける舞台…悪い気はしないな」

ヒメ「ハハハ…すごい胆力ですね?敬服しますよ?」

ローレン「兄上の粋な計らいで死線をいくつも越えてきたから…かもな?」ニヤッ

ヒメ「貴方の即位を願う一人として御武運を祈っております?」

ローレン「ここに辿り着かせてくれた貴殿には恩返しせねばならん…?
その為にも必ず王となって舞台を降りよう…」

ヒメ「……」ニコッ

親衛隊「行ってらっしゃいませ!"陛下"!!」ピシッ

ローレン「……あぁ!!」ググッ

カツンカツン カツンカツン

政務官「ろ、ローレン様に勝っていただかねば…我々も生きて、ここを出られませんな?」ドキドキ

ヒメ「心配するな、リルラ。あの方は強いよ。
共闘して見させてもらったが少なくとも剣術では僕より何枚も上手だ?」

政務官「ほ、ほう…!それほどに!?」パァァ

ヒメ「…問題はラフテンの腕のほどだな?団長、どうだった?」

団長「直接、太刀合わせした訳ではござらんが…まぁ平凡でしょうな?
王族であるだけに一応、剣術も教養には含まれていたかもしれませんがヒメ様を凌ぐ剣技をお持ちであれば心配無用かと思われる?」

ヒメ「おまえがそう言うなら安心だな?」

団長「い、いや…それほどでもござらんが!?」デレデレ

政務官「頼むぞ、ローレン王子…!」

ヒューヒュー キャーキャー
155: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:43:23 ID:n15p5hTuR6
親衛隊長「おら!じたばたと足掻くな!壇上に登れ!ローレン様がお待ちであろうが!?」グッグッ

ラフテン「くっ…いいのか?貴様?」ボソッ

親衛隊長「あぁん…!?」

ラフテン「俺が王位を勝ち取った暁には…貴様を親族もろとも凌辱し尽くし、有らん限りの方法で苦痛を与え、俺を裏切った事をあの世まで後悔させてやるぞ…!?」ギョロッ

親衛隊長「っ…!?」ゾクッ

ラフテン「楽しみにしてるんだな…?」ボソッ

親衛隊長「い、イヤだなぁー?ほんの冗談ではございませぬか!
こ、心の底ではラフテン王子を応援しておりますとも!」アタフタ

ラフテン「……」カツンカツン

親衛隊長「き、聞いておられますか!ラフテン王子?ラフテン王子!」アワアワ

ラフテン「」タッ

ローレン「」タッ

ワイワイガヤガヤ

ラフテン「……」ギョロッ

ローレン「……」ギロッ

ラフテン「…思えば王族、いや兄弟として向かい合うのはこれが初めてか?」ニヤッ

ローレン「だからどうした…?」

ラフテン「…弟よ?」

ローレン「……」

ラフテン「考え直すんだ?貴様がしてきた無礼の数々…全て許してやろう?
だから…大人しく引き下がり、王位を私に譲るんだ?良いな…?」

ローレン「断る」キッパリ

ラフテン「……貴様は王になりたくないのだろう?軍師になりたいと申していたな?その願い、私が聞き届けて……」

ローレン「あまり長引かせるな。父上の葬儀が迫っている…」

ラフテン「……!どの口がほざく!?父上を殺したのは貴様だろうが!?」ブチィッ

ローレン「あぁ、そして貴様も殺す。王となるのは俺だ?」

ラフテン「もういい…!もういいさ…!後悔しても遅いぞ、ローレン!?」ギリッ
156: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:45:07 ID:ZOCTCuwxeE
ローレン「では…始めようか」

親衛隊長「そ、それではどちらも剣を……」

ラフテン「待てぃ!!」

親衛隊長「は…?」

ラフテン「口惜しいが剣では弟に劣る…。得物を変えたいのだが?」

親衛隊長「し、しかし決闘は剣で行うものと定まっております!」

南の貴族1「ラフテン王子のおっしゃる通りだ!!」

南の貴族2「貴様ら騎士族がローレン様を王に担ぎ上げたいのか知らんが得物を限定するなど不平等ではないか!?」

南の貴族3「互いの得意な得物で闘うのが最も公平だ!!」

ブーブー ギャーギャー!

ラフテン「ほれ?皆もこう言っておるぞ…?」

親衛隊長「(ラフテン派の貴族共か…!そ、そうだった…!人脈は明らかにラフテン様が勝るんだった!あぁ〜寝返るのは早計だったか!?)」グワングワン

ローレン「俺は構わん。好きにしろ…」

親衛隊長「そ、それではラフテン王子の希望される得物を私めが用意致しましょう!何になさいますか!?」ヘコヘコ

ラフテン「弓だ!私は弓を使う!!」

親衛隊長「ゆ、弓でございますね?かしこまりました!すぐに手配致します!」

ラフテン「私の部屋にある弓だぞ…?」ニヤァァァ

親衛隊長「ははぁっ!!」ダッ

ローレン「……」
157: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:46:16 ID:n15p5hTuR6
政務官「ラフテンが武器を急遽、変更しましたが…?」

ヒメ「弓、か…」

政務官「どうなのだ?勝敗に響く程の武器か?」

団長「うむ。まずいな」

政務官「!?」

ヒメ「でも舞台はそんなに広くないぞ?飛び道具で挑むのは逆効果なんじゃないか?」

政務官「天下一武闘会の武舞台くらいの広さですな?」

ヒメ「ん?なんて?」キョトン

団長「そうとも限りませぬ。近距離から放たれた矢を避けるのはいかな達人と言えども至難の技…。
この局面で弓を選んだということはつまり…己の技術に絶対の自信があったからでしょう」

ヒメ「おまえだったら、どう対処する?」

団長「開始と同時に間合いを詰め、居合いにて両断します」

ヒメ「…そこを逃したら?」

団長「距離を取られるでしょうな。そうなれば勝ち目は非常に薄くなりましょう」

ヒメ「……!」

団長「弓は間合いが広い上、近付けば近付くほど命中率が高まる武器です。
連続して放てない欠点はあれど一撃必勝を狙うなら剣で挑むよりも勝率は数倍跳ね上がる…!」

ヒメ「開始の合図が決め手か…!」

政務官「頼む!頼むぅ…!」グッ
158: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:47:50 ID:n15p5hTuR6
親衛隊長「それでは両者、準備はよろしいか?」

ローレン「あぁ…」

ラフテン「待て」

ザワッ

親衛隊長「ま、まだ何か…?」

ラフテン「こうも距離が近いと私が不利だ。お互いの武器に適した間合い…中間距離を保ちたい」

ブーブー ブーブー

親衛隊長「(待ちくたびれた民衆がヤジを飛ばしているが……)」

南の貴族's「」ギロッ

親衛隊長「(貴族の顔を立てるのが得策…だな)」ニヤリ

親衛隊長「承知しました!公平を期す為、ラフテン王子の言い分を認めましょう!互いに5歩、下がってください!」

ラフテン「…」スッ

ローレン「」スッ

親衛隊長「今度こそ準備はよろしいか?」

ラフテン「いつでもいい?」ニヤニヤ

ローレン「……」

親衛隊長「…決闘、始め!!」バッ

ローレン「」スラッ

ラフテン「」チャッ
159: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:49:48 ID:ZOCTCuwxeE
政務官「お、おい!最初から距離を取られてしまったぞ!?」

ヒメ「…合わせて10歩か。おまえの考えてた戦法は封じられたな?」

団長「はっ…しかし最後まで権力を行使してみせる図太さはある意味、天晴れですな」

政務官「た、互いに武器を構えて見合ったまま動かないぞ?」

団長「うむ。それでいい。ここは敢えて距離を保ったまま相手の出方を窺うしかござらん」

ヒメ「そうだな。ローレン王子の立場だったら僕もそうする」

政務官「し、しかしそれでは矢の餌食に…?」オロオロ

ヒメ「放てる矢は一本だ。勝機はある」

団長「いかにも…初撃をかわせばローレン様の勝利は確実?」

政務官「う、射った後に隙が生じたとしても、ああも離れていたら立て直されるのではないか?」

団長「それは万に一つもない」

政務官「な、なぜだ!」

団長「弓使いにとって集中と的は死活問題だ。
これだけの民衆が見守り、期待と重圧を背負う場であれば気が張り詰めて緊張を抑えるのにも苦労を要する」

団長「そして奴が最も拘ってきた王位…それを得られるかが一矢に懸かっていると思えば…なおさらだろう」

ヒメ「あぁ、外せば終わりだ。ラフテンも気が気じゃないだろうな」

政務官「な、なるほど…」
160: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:52:53 ID:n15p5hTuR6
ラフテン「どうした、ローレンくん?攻めてこないのかい?
小蝿のように飛び回ってみたまえよ?私の集中が削がれるやもしれんぞ?」ニヤニヤ

ローレン「……」

ラフテン「そうか…。怯えているのだな?無理もない…なにせ私の弓術は南国屈指!
すばしこく森を走り回る野兎や大空を駆け巡る鷹を捉える正確無比な狙いはもちろんのこと、重厚な象の皮膚さえ射抜いてしまう威力はまさに驚異だ?」

ローレン「……」

ラフテン「ぃやあ、君は王となるには底が浅いというか…臆病風に吹かれて縮こまるような情けない男に民は付いていきたいと願うかなぁ?」

ブーブー ブーブー

ラフテン「次第に歓声もヤジに変わってきた?怖がりな君への失望だろうか…?なぁ、ローレンくん?」

ローレン「……」

ラフテン「澄ましてみせているが…本当は決闘なんてやらなきゃよかったと後悔してるんだろう?
いいんだよ?無しにしてあげても…ただし、王位を譲ってくれたらねぇ?」

ローレン「…貴様こそ口ばかり動かしていないで射ってきたらどうだ?」

ラフテン「無理するなよ…?怖いなら怖いと正直に言え?君の周囲にいた者達はとても素直だったぞ?」

ローレン「なに…?」

ラフテン「」ニヤッ
161: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:54:00 ID:n15p5hTuR6
ラフテン「君を隠そうとしたメス豚(※母親)も…野心を抱きながら匿ってくれた卑しい叔父夫婦も…。
平民になりすましてた君と心を通わせた下賤な庶民の友人達も…幼くして身売りした汚ない汚ない妹も…みぃぃぃんな素直だったよぉ?」

ローレン「……!?」

ラフテン「死ぬ間際の反応ほど面白いものはないよねぇ?
どれも醜く無様な成れの果て…見れば見るほど笑いと殺意が込み上げる?」ニヤァァァ

ローレン「……!」ビキビキィッ

ラフテン「クハハハハハ!!なんなら一つ一つ細かく教えてあげようかぁ?
君に関わったばかりに死んだ哀れな下等民の最期をさぁ!?」ゲラゲラ

ローレン「……!」ザッ

ヒメ「挑発に乗るな!!」

ローレン「」ピクッ

ラフテン「ちぃっ…これは決闘だぞ!!部外者が横槍を入れるなぁ!?」

ヒメ「……」ジーッ

ローレン「分かっている…!心配するな!」

ラフテン「おいおい…私を無視して檄の応酬か?」イラッ

ローレン「決闘を見守る全ての者共よ!!この俺が王となる瞬間を見逃すな!!」

ワァァァァアアアア!!!

ヒメ「……」ニコッ

ラフテン「アァ〜…!?」ビキビキィッ
162: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:55:45 ID:ZOCTCuwxeE
ローレン「ラフテンよ!!射ってこい!?」

ラフテン「はぁ…?」イライラ

ローレン「貴様の野望は王の剣によって断たれる!
醜く無様な成れの果てとやらを民衆の目に焼き付けてやろう!!」

ラフテン「くっ…クハハハハハ!挑発のつもりかな?浅はかだねぇ?」イライラ

ローレン「ふっ!自信がないか?」ニヤリ

ラフテン「あ…?」ピキッ

ローレン「それもそうだな?貴様ごときの矢が俺に届くとは思えん…?武器を捨て、命乞いしてみせろ!」

ラフテン「なんだと…?」ピキッピキッ

ローレン「構えてはみせても不安でたまらないか?
卑怯者の貴様が真正面から決闘など出来る訳がないものなぁ!?」

ラフテン「…下級官族の小倅がぁ!?」キリリッ

ローレン「(よし、これでいい…!後は奴の矢をかわし、一気に勝負を決める…!)」ギュッ

ラフテン「死ねぇい!!」ピッ

ボシュッ

ローレン「(はやっ……)」ザッ
163: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:02:21 ID:n15p5hTuR6
ピィィィィィン

ザワザワ ザワザワ

ラフテン「……!」

ローレン「っ…はぁっ!掠りはしたが…勝負はもらったぞ!」ダラダラ

親衛隊長「(お、おぉ…この距離から放たれた矢を間一髪かわしたか…!?)」ドキドキ

政務官「よっ…ヨォォォシィィィ!!」グッ

団長「いや、まだだ…!」

ヒメ「立て直される前に走れ!!」

ローレン「」ダッ

ラフテン「かわした…か。それはどうかなぁ?」ニヤァァァ

ローレン「!?」ガクッ

政務官「ローレン様が躓いたぞ…!?」

ヒメ「あ、焦るな!冷静に……」アセアセ

団長「躓いたのではない…!」

ヒメ「え…?」

団長「も、もしや…先ほどの一撃か…!?」ハッ

政務官「どういう意味だ!?」

ヒメ「暗殺を潜って場馴れしているローレン様はその辺の兵士より強靭な精神を持っている筈だ!掠り傷くらいで……」

団長「いや…ラフテンはわざわざ自分の所持する弓を指定して用意させました。なんらかの仕掛けを施しておるやもしれませぬぞ…!」

ヒメ「毒矢か…!」ギリッ

政務官「ひ、卑劣な…!?」

団長「当然の準備だ!」

政務官「なに!?」キッ

団長「一矢をかわすのが至難なら…一矢で仕留めるのもまた至難!正々堂々と勝負するような相手ではないと分かっていた!
警戒を怠った我々の責任だ!あの場でしかと抗議しておくべきであったわ…!」ギリッ

ヒメ「ローレン…!」ジッ
164: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:04:12 ID:ZOCTCuwxeE
ラフテン「お〜こわい?危うく斬られてしまうところだった?
あと二歩、前に出ていれば君の勝利だったろうにねぇ?」ニヤニヤ

ローレン「くそっ…掠めた左足が動かん…!」ズキズキ

ラフテン「さぁて…2本目の矢をつがえさせていただくかな?」キリリッ

ローレン「ふぅっ…ふぅっ…!」ギロッ

ラフテン「どうしたのだね?ローレンくん?命のやり取りだよぉ?
ひざまづいてる余裕はないんじゃないだろうか?」ニヤニヤ

ローレン「ラフテン…!貴様…!?」

ラフテン「それとも私を王と認め、忠誠を誓いたいと?となれば無様な格好も多少はマシに見えるがね?」

ローレン「(何か塗ってあるな…!掠った左足が異様に腫れ上がり、痺れている…!)」プルプル

ラフテン「大変ありがたい申し出なんだが…慈悲深い私は弟を臣下として扱うなど心苦しい?」

ラフテン「よって……君には今、ここで死んでもらう?私からのせめてもの餞だ?」

ローレン「(まだだ…!まだ…立ち上がらねば…!)」ワナワナ

ラフテン「言い残すことはあるかね?」ググッ

ローレン「……!」バッ

ラフテン「ないようだね?」シュピッ

ドスッ!

キャアアアアアアア!!!
165: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:06:24 ID:n15p5hTuR6
ラフテン「……!?」

ローレン「ぐっ…これが象の皮膚をも撃ち抜く矢か!?笑わせるな!?」ブシュッ

親衛隊長「(肩を差し出して矢を防いだ…だと…!?)」

ワァァァァアアアア!!!

ローレン「心臓ではなく頭を狙うべきだったなぁ…!ラフテン!?」フシューフシュー

ラフテン「バカな…!?」ブルッ

ローレン「気弱な貴様のことだ。なるべく広い的を狙おうとしたんだろうが…その臆病な気質が俺に猶予を与えてしまった…!」ギロッ

ラフテン「お、同じ事だ!!もろに肩を射ぬかれた…今度は毒が全身に廻るぞ!?」ニヤリ

ローレン「なら、その前に殺す!!」スチャッ

ラフテン「ま、まま待てぃ!?なぜ立ち上がる!?」アタフタ

ローレン「なぜだと…?」ギュッ

ラフテン「ひ、左足は…!?それに…今も肩から全身に毒が…!?」アワアワ

ローレン「毒がどうした…!貴様ら王族に運命を曲げられた俺の孤独は…こんな物ではなかったぞ!!」グオッ

ラフテン「ま、待て!待て!待て!待て!」アセアセ

ローレン「言い残す…事は!?」フシューフシュー

ラフテン「あ、ある!ある!無限にある!だから待て!とりあえずおちつ……」

ローレン「おぉおおおおお!!!」ブンッ

ドバッ!

ラフテン「っ……!!!」ブシャアアアアア

ローレン「聞く気はないがな……」ピシュッピシュッ

オォォォオオオオオ!!!
166: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:10:52 ID:n15p5hTuR6
ラフテン「うっ…ぎぁああああああああ!!!!」ゴロゴロ

ローレン「ちっ…外したか…!」ゼェゼェ

ラフテン「うえぁああああ!!う、う、ウデェェエエエ!!!」バタバタ

ローレン「次は…外さん」グッ

ラフテン「ば、ばばばばでぇ!!まっでぐれぇぇぅ…!!」バッ

ローレン「……?」

ラフテン「わだしの…まげだぁ…!もう…おうになんか…ならない…!だがら…だが…ら……ゆるしてくれぇ!!」ブワァッ

ローレン「……」

ラフテン「たのむ…!たのむよ…ローレン…」ポロポロ

ローレン「……」

政務官「耳を貸してはなりませんぞ!!
ここで切らねば奴はまた同じように貴方を付け狙う!!」

団長「容赦は要らぬ!!外道を叩き切ってしまえ!!」

ローレン「」チャキッ

ラフテン「ひやあっ!!」ビクビクゥッ

ローレン「……」ググッ

ラフテン「ロー…レン……ちがうんだ…ちがうんだよ…ぜんぶ、うそだ?」ブルブル

ローレン「……」

ラフテン「おれは…きみの知人を…ころしてない…!ほかのきょうだいだ!!」ポロポロ

ローレン「今さらそんな言い訳が通るとでも…!」ギリッ

ラフテン「ほんとなんだよ!ぜんぶ、でたらめだ!!おまえをまどわすためのうそだ!!しんじてくれぇ!!」ガバッ

ローレン「しがみつくな!!」ゲシッ

ラフテン「ぐげっ!?」ドサッ
167: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:12:45 ID:ZOCTCuwxeE
ローレン「潔く散れ…!貴様に殺された多くの犠牲者の為にもな…!?」

ラフテン「〜〜〜!」ポロポロ

ローレン「っ……」タジッ

ラフテン「…わかった」

ローレン「は…?」

ラフテン「殺せ……私の負けだ」

ローレン「兄上……」

ラフテン「これで罪滅ぼしとなるのなら…それでいいさ」

ローレン「……」

ラフテン「さぁ殺れ!!私の首を跳ねるがいい!!」カッ

ローレン「…いい覚悟だ」チャキッ

ラフテン「……!」キュッ

ローレン「ふんっ!!」ブンッ

ラフテン「……!」ブルブル

ラフテン「…」ブルブル

ラフテン「え…?」パチッ

ローレン「……」

親衛隊長「(ローレン様の降り下ろした剣がラフテン様の眼前で止まっている…?)」

政務官「な、何をしてるんだ…!」ギリッ

団長「……!?」

ヒメ「……」
168: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 22:17:58 ID:n15p5hTuR6
ラフテン「ローレン…!私を…許してくれるのか…?」ウルウル

ローレン「……」クルッ

ラフテン「ありがとう…!ありがとう…!」グシッ

ローレン「」スタスタ

ラフテン「本当にありがとう…!片腕にはなってしまったが……」ガッ

団長「いかん!!」ハッ

ラフテン「これで王位は…私の物ダァァァアアアア!!!」ダッ

政務官「直接、毒矢を突き刺す気だ!!」

ラフテン「もう遅いわぁぁあああ!!」ブンッ

ヒメ「ローレン!!」

ジャッ ヒュオンッ

バシュッ!!

ラフテン「え?」プシャアアアアア

ローレン「全部、読めていたさ…。俺はただ公言を果たしたまでだ?」ピシャッ

ラフテン「(あれ…?視界が…急降下して…?)」ヒューン

ボトッ

ローレン「醜く無様な成れの果て…確かに見させてもらったぞ。ラフテン?」チャキンッ

ヒメ「…!!」

団長「(振り向き様、一刀で正確に首を切り落とした…!よほどの達人でもほぼ不可能な芸当だ…!?)」
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うpろだ
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