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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


129: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:24:32 ID:tkZwUH.J0s
顧問官「いくつか確認がございます?」

ヒメ「はい?」

顧問官「我が南国の要求を西の鉱山地帯一画とするならば…当然、全て我が国に壌土されるのでありましょうな?」

ヒメ「もちろんです。権利的主張を掲げていただく南国には最も政略に尽くしてもらわねばなりませんから…。
3国共同で要求を勝ち取った場合においてもそれぞれの国に要求通りの分配をさせていただきます」

顧問官「承知しました。ではもう一つ…」

ヒメ「はい」

顧問官「東国は王を失い、指定された世継ぎもおられぬと聞き及んでおります。
一体どのようにして指揮を執っていかれるおつもりか?」

ヒメ「…向こうの宰相殿にお願いしようかと思っております」

顧問官「……」

ヒメ「ご安心ください。東国は信頼の置ける国ですので?」

顧問官「委細、承知しました。ではまた改めて場を設けましょう」

ヒメ「よろしくお願いいたします」ペコッ

ラフテン「ま、物騒な話はこれくらいにして明日に備えるとしようかね…」ニヤニヤ

ローレン「……」

顧問官「ヒメ国王、ならびに家臣の皆様には城内に客室を用意させていただいております。
案内人を付けますので、どうぞ遠慮なくおくつろぎください」
130: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:26:34 ID:tkZwUH.J0s
―――南の城(客室)―――

ヒメ「……」ポフッ

コンコン コンコン

ヒメ「…なんだ?」

「リルラです。入ってもよろしいでしょうか?」

ヒメ「あぁ」

ガチャッ

政務官「…失礼します」バタンッ

ヒメ「どうした?」

政務官「事前にお伺いさせていただきたい」

ヒメ「…?」

政務官「今回、取られた策は…貴方らしいと思えませんな」

ヒメ「多少、強引に押し進めたのは自覚してるけどしょうがないだろ…?
人格者に見えたあの南の国王の治める国の内情がこんな歪んだ物だったなんて思わなかったんだ?」

政務官「いえ、話の流れ自体は見事でした。
あのような相手に取り乱さず、淡々と冷静に対応なさっていたのですから」

ヒメ「…じゃあ何がいけなかったんだ?」

政務官「本気で戦争をなさる覚悟があるのか…?」

ヒメ「反対か?」

政務官「いえ、賛成です。こうなる日が来る事は分かっておりました」

ヒメ「…そうか」
131: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:26:57 ID:tkZwUH.J0s
政務官「私がお伺いしたいのは陛下の決意が本物であるかどうか…?」

ヒメ「分からない…」

政務官「は…?」

ヒメ「それが正しいとは思えないし、間違っているとも断言出来ない…」

政務官「…生半可な覚悟で乗り切れるほど易い決断ではございませんぞ」

ヒメ「そうなってみるまで分からないよ…」

政務官「うぅむ……」

ヒメ「僕は戦争なんてしたくない。多くの者が平穏を望んでる事も知ってる…。
だけど…そうしないとまた東の国のような犠牲が産まれる」

政務官「……」

ヒメ「だから…やるしかない。それだけは分かってる」シュン

政務官「…ならば私から申し上げる事はございません。今の言葉を忘れず、胸に刻んでおいてください」

ヒメ「…あぁ」
132: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:28:02 ID:yaXDMG2LZo
コンコン コンコン

政務官「…誰だ!?」バッ

「ローレン王子が陛下にお目通し願いたいと参られましたが…いかがなさいますか?」

政務官「ローレン王子が…?」

ヒメ「通せ!」

「許可が降りました!どうぞお入りください!」

ガチャッ

ローレン「失礼する…」スタスタ

政務官「(供を連れていないのか…?)」

ヒメ「…どうしました?」ジッ

ローレン「貴殿に頼みがある…」

ヒメ「は?」

ローレン「俺を匿ってくれないか?」

政務官「匿う…?」

ヒメ「ラフテン王子の刺客から…ですか?」

ローレン「そうだ…。さすがに地位ある客人を前に仕掛けてはこないだろう…?」

ヒメ「しかし、ここにいても明日になれば…」

ローレン「あぁ、俺は殺される」

政務官「!?」

ローレン「だが…易々と殺されてやる気はない」

ヒメ「何か手を打ってあるのですか?」

ローレン「いや、何も…?」

ヒメ「……?」
133: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:30:26 ID:yaXDMG2LZo
ローレン「ラフテンは今夜、確実に仕留めにくるだろう。
しかし俺は明日の王位継承の儀まで生き延びなければならない…」

政務官「大変申し上げにくいのだが…」ザッ

ローレン「……」

政務官「我々は他国民です。そちらの御家騒動に巻き込まれる筋合いはございません」

ローレン「俺に恩を売って損はないぞ…」

政務官「ほう…?どのような見返りが望めると?」

ローレン「貴殿らは我が南国を取り込み、西の国を打倒したいのであろうが…?」

政務官「いかにもその通りです」

ローレン「では明日、王となる俺を邪険にするなど言語道断だ…。能無しが…」ボソッ

政務官「は!?」イラッ

ヒメ「…ローレン王子、貴方は王の座を降りたのでは?」

ローレン「表向きはな…?」

ヒメ「表向き…?真意は別にあると?」

ローレン「王位になど興味はないが…死ねない理由がある」

ヒメ「……?」

ローレン「城下に残した妹がいるんだ…」

ヒメ「妹…?」

ローレン「俺は元々、城下に住んでいた。身分の低い母は俺と妹を守る為に市民に紛れさせたのさ…?」

ヒメ「……嘘でしょう?」

ローレン「意外にも勘が鋭いんだな…。激情型だと聞いていたが先ほどのやり取りからしても…どうやらそうではないらしい?」

ヒメ「…それほどでも」

ローレン「あぁ嘘だよ。そんなのがいれば、とうに人質に取られるか、殺されるかしてるさ…?」

ヒメ「……」

ローレン「断るなら居座ってやるまでだ…」
134: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:32:15 ID:tkZwUH.J0s
ヒメ「急に申されましても…困ります」

ローレン「ならば追い出してみろよ…?」

政務官「なんですと…!?」

ローレン「腕付くでも構わないぞ…?」

ヒメ「…ご冗談を?」

ローレン「冗談に聞こえたか…?」ジッ

ヒメ「やめましょう?二回り以上、年下の僕に勝負を挑むなんて不毛ですよ…?」

ローレン「そうか…?貴殿からは年に見合わない武の才が窺えるがな…?」ジロジロ

ヒメ「滅相も…?」

ローレン「気に入らないな…」

ヒメ「何がです?」

ローレン「その余裕はなんだ…?俺を見下しているのか…?」

ヒメ「態度がお気に召さなければ謝罪を…ですが見下してなどいないとだけ先に申し上げておきます」

政務官「先ほどから聞いていれば…とても物を頼む言い方ではありませんな?」

ローレン「なんだ、能無し…?」

政務官「ぐっ…!」ムカァッ
135: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:33:38 ID:tkZwUH.J0s
ヒメ「分かりました…。一晩、ここにいてもらって構いませんよ。それでいいですね?」

ローレン「あぁ…それでいい」

政務官「お、お待ちください!部屋を提供していただいてる身で不躾とは存じますが…。
ほぼ初対面のローレン王子とヒメ様を二人きりになどさせられません!」

ローレン「そちらの都合は聞かん…。心配なら護衛でも付ければいい…」

ヒメ「その必要はありません。寝る為だけの部屋に大人数でいるのも落ち着きませんしね?」

政務官「はぁっ…!?」

ヒメ「リルラ、おまえは自分の客室に戻れ」

政務官「し、しかし…」

ヒメ「くどいぞ?」ジロッ

政務官「……かしこまりました」シブシブ

ヒメ「それではローレン王子…夜も長い事ですし明け方まで何か楽しい話でもしましょうか?」ニコッ

ローレン「あぁ…ゆるりと語らおう?」ニヤッ

政務官「(…付近の護衛を増強しておくか)」
136: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:35:29 ID:tkZwUH.J0s
〜〜〜朝〜〜〜

―――客室―――

ザザッ ジャキッ

親衛隊「」ギランッ

政務官「くっ…は、離せ!なぜ…!?」グッ

近衛兵's「も、申し訳ありません!陛下ぁ!?」ググッ

ヒメ「……」

ローレン「……」

ラフテン「ぃやあ!良い朝だね?目覚めに紅茶でもいかがかな?」ニヤニヤ

ヒメ「これはどういう事でしょうか?ラフテン王子?」

ラフテン「ラフテン"国王"だ?口の聞き方に気を付けたまえ?」ニヤニヤ

ヒメ「…まだ継承式も始まっていませんよ?」

ラフテン「すぐ始めるさ?君の隣の邪魔者を始末したらね?」

ローレン「……」

ラフテン「しっかしローレンくんと雛鳥クンが同じ部屋で夜を共にしているなんて…随分と仲が良いんだねぇ?愛でも芽生えてしまったのかい?」ニヤニヤ

ヒメ「説明してください。これはなんですか…?」

ラフテン「処刑さ?王位奪取を目論む不届き者は断罪せねばならない?」

ローレン「…兄上、いったいなんの話だ?」

ラフテン「貴様を取り巻く役人に追及してやったら…なんとも笑える計画を聞かされたよ?」

ローレン「……!」

ラフテン「なぁ、爺や?」

顧問官「…見損ないましたぞ。ローレン王子」ザッ

ヒメ「え…?」チラッ

ローレン「……」
137: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:37:03 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「父上を殺したのが君だったとはなぁ?」ニヤッ

ローレン「潜伏させていた家臣らを尋問したのか…?」

顧問官「全て聞き出しましたぞ!王位継承の儀に移る時を見計らい、民衆の面前でラフテン王子を殺害しようと計画していたそうですな!」

ラフテン「しかも我が国の兵力を手土産に西の国に寝返ろうとしたそうじゃないか?なかなか大胆な事をするねぇ…?」ニヤニヤ

政務官「わ、我々には関係ないだろう!ヒメ様を避難させろ!?」

ラフテン「関係ない?国王殺しの反逆者を匿っておいてかい?」

政務官「な、な、な……で、ですからお止めしたではありませぬか!?」ブルッ

ヒメ「…ローレン王子、今の話は本当ですか?」

ローレン「……」

ヒメ「もし本当であったなら…まさか東の国王の暗殺にも関わっていたんじゃ…?」

ローレン「俺には…夢があった」

ヒメ「?」

ローレン「だが王族などに生まれてしまったおかげで無意味な争奪に組み込まれ、俺の夢はあっさり絶たれた…」

ラフテン「カッ!バカだねぇ、君は?王になればいくらでも好きに振る舞えるじゃないか?」

ローレン「……」
138: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:37:43 ID:tkZwUH.J0s
ローレン「母は身分の低さ故に自らの無力さを悟っておられた。だから俺を親類に預けて城から離れさせた…」

ローレン「何も知らずに育った俺は叔父夫婦が付けた師範に無理やり剣を叩き込まれ、政治や軍事について学ばされた…」

ローレン「そうして稽古と勉学に明け暮れていると…いつしか俺は周囲との違いに気付いた」

ローレン「同年代で剣術を嗜む平民の子などいない…。政治経済、軍略に明るい大人もいない…」

ローレン「自分の存在に違和感を感じた時、叔父から真実を告げられた…」

ローレン「…そして城に行き、王位を取り戻すよう命じられた。
叔父夫婦は俺を王に就かせ、国王の親として城で贅沢に暮らしたかったのだろう」

ローレン「だがその頃にはもう…軍に所属し、軍師を目指したいという夢があった。
どうせ俺が血筋である証拠もない。叔父夫婦には悪いが…説得して軍に入ろうと考えた」

ローレン「だが時すでに遅く、叔父夫婦は城に赴き、俺の存在を打ち明けてしまった…。
王族を城下に匿った重罪人として叔父夫婦は処刑、俺は城に戻され、王子と呼ばれるようになった…」

ローレン「腕には覚えがある。度重なる暗殺や謀略の手は剣一つで振り払った…」

ローレン「父上に説明し、王子の位を解いてもらおうともしたが親父殿は聞き入れてくださらず…醜い争いの渦中で身を守り、堪え忍ぶしかなかった」

ローレン「…だがそれだけでは終わらなかった。
平民時代の友人達が次々に殺され、懐かしい顔ぶれが首一本になって俺に宛がわれた宮殿に飾られた」

ローレン「…貴様の仕業だろう。兄上?」

ラフテン「ふぁぁ〜…話が長いなぁ?」アクビ

ヒメ「……!」

ローレン「なぁ、ヒメ国王…。昨夜、妹がいると言ったよな?」

ヒメ「はい…」

ローレン「実は半分、本当だ。血の繋がりはないが叔父夫婦の間に出来た小さな、小さな妹…。
彼女は叔父夫婦が処刑された後、商館に拾われてな。幼くして身寄りなき孤児に堕ち、辛い環境下で働いていた…」

ヒメ「……」

ローレン「いずれ地位を手に入れ、迎えに行こう…。そう考えていた矢先に妹は…城に招かれ、父上の夜伽役に選ばれた」

ローレン「12才だった穢れない妹は…無理な性交渉を受け入れられず、ほどなくして自殺した」

ヒメ「(せ、性交渉って…い、いや意識するのはそこじゃない!)」ブンブン

政務官「(じゅ、13歳のヒメ様になんという話を…!?)」
139: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:38:32 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「ぃやあ、可哀想になぁ〜?ほとんど聞いてなかったが同情するよ?」

顧問官「ラフテン王子!早くこの逆賊を始末なされ!」

ラフテン「親衛隊長?」クイッ

親衛隊長「」ビュバッ

バシュッ

ヒメ「……!?」

政務官「あぁ…!?」

顧問官「ぐ…ぶふっ」ドサッ

ラフテン「偉そうに命令するなよ?クソジジイ?」ギョロッ

顧問官「ぉ…のれ…ラ…フテ……ン」フッ

ヒメ「いい加減に…!!」カッ

ローレン「これが南の国だ。ヒメ国王」

ヒメ「は…!?」

ローレン「表向きは誠実な王が仕切る穏やかな国…だが現実はこうだ?」

ラフテン「さて、そろそろ終わりにしないかい?ローレンくん?」ニヤッ

ローレン「西の悪魔に魂を売ってでも…歪んだ王族を滅ぼさなければならなかった」

ヒメ「ローレン王子は最初から…お父君とラフテン王子を始末する為に動いていたのですか?」

ローレン「内部で絶大な権力を誇る父上とラフテンに抗う術はない…。強大な外部の力が必要だったんだ」

ヒメ「……」

ローレン「俺は孤独だ。親類縁者、誰一人として残っていない…。
西の国に亡命し、魔性のファルージャの手先になってでも…こいつらを殺したかった」

ラフテン「惜しかったねぇ?しっかり家臣達を管理していれば上手くいったかもしれないのに?」ニヤニヤ

ローレン「……」
140: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:39:31 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「さぁ?死んでもらおうか?」

親衛隊「」ザザザッ

政務官「ひ、ヒメ様に刃を向けるとは何事かぁっ!?」ジタバタ

ヒメ「(くそっ…団長がいれば…!やっぱり長期休暇なんて取らせるんじゃなかった!)」ギリッ

ローレン「」ガシッ チャキッ

ヒメ「へ!?」グンッ

政務官「ヒメ様ぁっ!?」

ラフテン「ほぉ〜う?まだ悪あがきするのかい?ローレンくん?」ニヤニヤ

ローレン「寄るな…!ヒメ国王が命を落とせば国際問題に発展するぞ…」ギランッ

ヒメ「」ゴクリ

ラフテン「ならばヒメ国王の首を手土産に西の国と盟でも結ぶかな?」

ローレン「なに…!?」

ラフテン「私は最初からどっちでもよかったんだよ?王国でも…西の国でも?」

ヒメ「そんな…!?」

ラフテン「ここで雛鳥クンが死ねば東国も王国も国王不在で統制が効かなくなる?
西の国と対等な条件で組み、王国、東国、共に侵略してしまった方が楽な上に得なのは明らか?」

政務官「き、貴様ぁ…!!」ワナワナ

ラフテン「無闇に他国の事情に首を突っ込むのが悪いんだよ?クハハハハハ!!!」ゲラゲラ

ヒメ「……!」

ラフテン「王国を侵略した暁には救い主を我がコレクションに加えさせてもらうかなぁ?」ニヤァァァ

ヒメ「なっ…!?」キッ
141: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:40:19 ID:yaXDMG2LZo
ローレン「ま、待ってくれ!兄上!!」アセアセ

ラフテン「」クイッ

親衛隊長「ローレンは生け捕りにしろ。民衆の面前でラフテン陛下自ら首を切り落とされる?ヒメ国王とその家臣共は皆殺しだ!!」バッ

親衛隊「ははっ!!」ジャキッ

政務官「や、やめろ…よせ!?」ジタバタ

ローレン「多勢に無勢か…!せめてヒメ国王の兵が自由であれば…?」タジッ

ヒメ「た、助けてくれ…!」

ラフテン「クハハハハハ!いいねぇ!もっと必死に命乞いしたまえよ!?」ゲラゲラ

ヒメ「っ……団長!!!」

近衛兵?「御意!!」ヒュッ

南の衛兵1「ばぎふっ!?」ゴカッ

ラフテン「ハハハハ……は…?」ピタッ

近衛兵?「おぉぉりゃあああ!!」シュバッ

バキッ ガゴッ ビシッ ドフッ

親衛隊「ぐわあああ!!」バタバタ

ヒメ「え…?」ジッ

親衛隊長「ちぃっ!!取り囲んで殺せ!!」

南の衛兵's「はっ!!」バッ

近衛兵?「ワシに続けぇっ!!」ブンッ

スパパパパバパッ

近衛兵's「は、ははぁっ!!」シュルリ

親衛隊長「ば、馬鹿者!!拘束を解かせるな!?」アセアセ

近衛兵?「遅いわぁっ!?」ダッ ブォンッ

親衛隊長「うごっ!!」ズサァァ
142: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:44:43 ID:tkZwUH.J0s
ギャーギャー ギャーギャー

ローレン「」ポカーン

近衛兵?「お待たせしましたな!ヒメ様!!」バッ カランカラン

ヒメ「だ、団長!?来てたのか!?」

団長「ワシなくして誰があなたをお守りすると?」ニヤリ

ヒメ「ど、どうして鎧兜なんか着込んで下級兵士に紛れてたんだよ!?いつも憲兵が着用する革の制服で行動してたじゃないか!?」

団長「……」

ヒメ「?」キョトン

団長「あまり役に立たないワシが出しゃばっても邪魔かと思い、配慮させていただいた?」ジトッ

ヒメ「あっ…」ハッ

『西の国との問題は頭を使う事になるし…そうなるとあんまり役に立たないじゃん?』

団長「思い出していただけましたかな?」

ヒメ「ご、ごめん…」シュン

団長「ふっ…主君が配下に易々と頭を下げるものではありませんぞ?」

ヒメ「…も、もっと早く助けてくれたってよかったんじゃないか?」モジモジ

団長「それではワシが頼れる忠臣であると証明出来ますまい?気長に機を探り、絶好の時を選んだ次第!」

ヒメ「おまえって意外と根に持つんだな…?」ムスッ

団長「陛下の役に立つは我が生き甲斐にござる。そこを否定されてはワシとて落胆致しますとも?」

ヒメ「ふん…だったら喋ってないで働け!役に立つところを見せてみろ!?」

団長「無論!!」ダッ

ローレン「ヒメ国王!あの方は…!?」

ヒメ「…僕の自慢の家臣です。もう心配要りません」

ラフテン「おのれぇ!!皆殺しだ!!王国の連中もローレンも八つ裂きにしろぉっ!!」

団長「数の利は敵にあるが躊躇するな!!司令塔は先に始末した!!
指揮官不在の隊の殲滅などワシら近衛に掛かれば赤子の手を捻るようなものだ!?」バッ

ウオオオオオオ!! ガキンッ ギャリンッ キンッ キキンッ
143: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:47:29 ID:tkZwUH.J0s
>>116
ブルードル陛下は自分でも書いてて楽しいキャラだったのでちょっと名残惜しいですw
ここから更に盛り上げていくつもりなので、ほどほどに期待しててくれると嬉しいですw
支援ありがとうございました!
144: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:33:13 ID:Buemia0KPk
ワァーワァー ワァーワァー!

ギンッ ガガッ カィンッ ギャリンッ

団長「ぬぁあっ!!」ブォンッ

南の衛兵3「うぐっ!」ドカッ

近衛兵's「うおおおおお!!!」バッ

南の衛兵4「くっ…て、手に負えないぞ!」ギンッ

南の衛兵5「あの騎士…強すぎる!」タジッ

ラフテン「増援を呼べ!城中の兵を掻き集めて、この不届き者共を殺すのだ!?」

団長「…ヒメ様!!道を作りますので先に避難を!?」

ヒメ「その必要はない!」スラッ

団長「なっ…!?」ギョギョッ

政務官「ま、まさか参戦する気ではございますまいな!?」

ヒメ「城の人間は城下で行われる南の国王の葬儀に取り掛かって、ほとんど出払ってる!!
そうでもなかったら、こんな大胆な手段に出なかった筈だ!!」

ラフテン「そ、それがどうした!?ここから城門まで10分も掛からん!!兵を呼び寄せるのは容易いぞ!?」

ヒメ「往復20分程度か。だったら15分……いや、10分でケリを着けるぞ!!」

政務官「へ、陛下!?これ以上、他国で騒ぎを大きくしてはまずいですぞ!?」

ヒメ「増援が来る前にラフテンを捕らえろ!」

団長「…はっ!!」ダッ

南の衛兵6「させるかっ!?」ブンッ

団長「邪魔だ!?」ヒュッ

南の衛兵6「うぎゃはっ!?」ドカッ
145: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:38:28 ID:Buemia0KPk
ローレン「…な、なぜだ。貴殿にしてみれば俺を引き渡せば済む話だろう?」

ヒメ「そうしてほしいのなら、そうしましょうか?」クスッ

ローレン「っ……い、いや」タジッ

ヒメ「悪魔に魂を売ったのは貴方だけではありませんよ」

ローレン「は…?」

ヒメ「僕も西の国を倒す為に…あんな悪魔のような男に頼ろうとしてしまいました。
でも…やっぱり一緒に戦うからには信頼の置ける味方が欲しいんです?」ニコッ

ローレン「お、俺で…いいのか?仮にも父と兄を殺し、ファルージャに国を売ろうとしたんだぞ!?」

ヒメ「自分のした事を気にかけてるんですね?」

ローレン「は…?」

ヒメ「なら大丈夫ですよ。貴方はまだラフテンほど腐ってない?」

ローレン「……」

ヒメ「してきた事は認められないけど…境遇には同情出来ます。
僕も昔は王子なんて重荷、背負いたくないとごねてましたしね」

ローレン「ヒメ国王も…?」

ヒメ「はい。ローレン王子と事情は異なりますが…自分の国に絶望していたという意味では似てるかもしれません」

ローレン「……」

ヒメ「貴方の考えは間違っていなかった。亡くなった先代やラフテンのやり方では…いずれ必ず綻びが出たでしょう。ですが手段を間違えたんです。貴方の決断は…もしかすれば国を滅ぼしかねない」

ローレン「……分かってたさ。だが俺には貴殿の臣下達のような頼もしい味方がいなかったんだ」

ヒメ「では作りましょう。今、ここで!」

ローレン「信用していいのか…?」

ヒメ「…僕の親友は信じる力を持ってました。絆で道を切り開いたんです」

ローレン「…親友?」

ヒメ「それが王国の救い主です」

ローレン「す、救い主…ホビットの…か?」

ヒメ「種族とか教えなんて馬鹿馬鹿しく思えるくらい、いいヤツですよ?」ニコッ

ローレン「……!」
146: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:41:41 ID:Buemia0KPk
ギャーギャー ギャーギャー!

ラフテン「雑兵など相手にするな!雛鳥だ!!雛鳥を狙え!?奴を人質に取ればこいつらは固まる!?」

親衛隊「ははっ!!」ダッ

団長「ぬぅ!?ひ、ヒメ様を守れ!?何人たりとも近付けるな!?」

近衛兵1「も、申し訳ございません!敵の数が多すぎて…目の前の相手に集中するのが精一杯です!」ギギギッ

政務官「こ、こうなれば私が…!」ズイッ

南の衛兵7「どけぃ!?」ブンッ

政務官「ぐわっ!?」ズサァァッ

ヒメ「リルラ!?」

政務官「お、おぐっ…ういぃっく…!」ゴロゴロ

ヒメ「…なんだ。柄で殴られただけか。心配して損した」シラー

南の衛兵7「他人の心配などしてる場合ではなかろうが?」ズイッ

ザザザッ

ヒメ「(なんとか団長達が食い止めてくれてるが…6人か。僕一人じゃ無理だな)」

ローレン「控えろ。無礼者?」ズイッ

ヒメ「ローレン王子…?」ピクッ

南の衛兵7「…なんの真似ですか?」ギロッ

ローレン「それはこちらの台詞だ。王子である俺に刃を向けるとは何事か?」

南の衛兵7「あんたはもう王子じゃない。国王殺しの逆賊だ?」

ローレン「…王位争奪に関すれば、いかなる非道も許される。それが貴様らの主のやり方だろう?」

南の衛兵7「殺るぞ!!」ダッ

ダダダッ

ローレン「来るぞ!ヒメ国王!」ジャキッ

ヒメ「…はい!」ジャキッ
147: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:44:27 ID:47qDB4JxU6
団長「…陛下の方はなんとかなりそうだな」ホッ

南の衛兵8「よそ見してる場合か!?」ヒュンッ

団長「」ブォンッ

ズバァァァッ

南の衛兵8「がぶ……」プシャアアアアア

ザワッ

南の衛兵8「」バタッ

ラフテン「……!?」ゾワッ

団長「貴様らがどこまでもやり合うと言うのなら受けて立とう」ピシュッ

親衛隊「」ブルッ

団長「だが…峰打ちで済むのはここまでだ?」ギロッ

近衛兵1「(…そうか!他国での騒動と考えて配慮してたのではなく、剣身を使わずに戦う事で格の違いを見せつけていたんだな?)」

親衛隊「……!」ガクガク

近衛兵1「(団長の圧力に敵は縮み上がってる…!これなら…!)」

ラフテン「こけおどしに怯むなぁ!!バカ共がぁ!?」

南の衛兵9「し、しかしラフテン様…!あの騎士、ただ者ではございません!
ここは一度、城門に避難し、立て直しを図るのが最善かと…」

ラフテン「」ヒュンッ

南の衛兵9「ひっ…!?な、何をなされるので!?」ピタッ

ラフテン「ガキの率いる少数部隊、下級官族出身の弟…こんなカス共を相手に一国の王が退けるかぁ!?」ズブッ

南の衛兵9「んっ…ぐえっ」ゴフッ

ラフテン「貴様らは黙って俺様の命令に従ってりゃいいんだよ!?
有象無象のお前らが何人死のうが俺様の代わりはいねぇんだ!?」クワッ

ザワザワ ザワザワ
148: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:45:57 ID:47qDB4JxU6
団長「…見ちゃおれんな」

ラフテン「なんだと…下朗が!?」ギョロッ

団長「こんなくだらん男を生涯の主と崇め奉る為に貴様らは血を流すのか?」

親衛隊「」ピクッ

ラフテン「アァ〜…!?」ピキッピキッ

団長「見てみろ?もう一人の王子を?」

親衛隊「」ジーッ

ガィンッ キキンッ ガガッ ドシュッ

団長「ワシはただなんとなく王族に仕えているのではない。
己の持てる全てを捧げるに値すると認めた主に心から忠誠を誓っておるのだ」

親衛隊「……」

団長「自ら剣を握り、逆境に立ち向かう王と…味方の背後に隠れ、あまつさえ臣下に刃を突き立てる王…貴様らはどちらを選びたい?」

ラフテン「なにを黙って聞いてるんだ!耳を貸すなぁ!?」

団長「まだ間に合うぞ。王位継承権を持つ者は二人いるのだ」

ラフテン「さっさとそいつを殺せぇ!?」

団長「南の国に忠を捧ぐ勇敢な兵士達よ!!」

親衛隊「」ビクビクゥッ

団長「二つに一つだ…!」

親衛隊「〜〜〜!!」プルプル
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うpろだ
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