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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編その2】
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/1(土) 00:00:58 ID:/WYEXwH6vk
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-10

1スレ(少年「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1385288769/1-10

2スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」)

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1416136192/1-10

3スレ(カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】)

あらすじはそれぞれの1参照(考えるのがめんどくかったんです。ごめんなさい)

>>2から本編になります!


137: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:37:03 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「父上を殺したのが君だったとはなぁ?」ニヤッ

ローレン「潜伏させていた家臣らを尋問したのか…?」

顧問官「全て聞き出しましたぞ!王位継承の儀に移る時を見計らい、民衆の面前でラフテン王子を殺害しようと計画していたそうですな!」

ラフテン「しかも我が国の兵力を手土産に西の国に寝返ろうとしたそうじゃないか?なかなか大胆な事をするねぇ…?」ニヤニヤ

政務官「わ、我々には関係ないだろう!ヒメ様を避難させろ!?」

ラフテン「関係ない?国王殺しの反逆者を匿っておいてかい?」

政務官「な、な、な……で、ですからお止めしたではありませぬか!?」ブルッ

ヒメ「…ローレン王子、今の話は本当ですか?」

ローレン「……」

ヒメ「もし本当であったなら…まさか東の国王の暗殺にも関わっていたんじゃ…?」

ローレン「俺には…夢があった」

ヒメ「?」

ローレン「だが王族などに生まれてしまったおかげで無意味な争奪に組み込まれ、俺の夢はあっさり絶たれた…」

ラフテン「カッ!バカだねぇ、君は?王になればいくらでも好きに振る舞えるじゃないか?」

ローレン「……」
138: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:37:43 ID:tkZwUH.J0s
ローレン「母は身分の低さ故に自らの無力さを悟っておられた。だから俺を親類に預けて城から離れさせた…」

ローレン「何も知らずに育った俺は叔父夫婦が付けた師範に無理やり剣を叩き込まれ、政治や軍事について学ばされた…」

ローレン「そうして稽古と勉学に明け暮れていると…いつしか俺は周囲との違いに気付いた」

ローレン「同年代で剣術を嗜む平民の子などいない…。政治経済、軍略に明るい大人もいない…」

ローレン「自分の存在に違和感を感じた時、叔父から真実を告げられた…」

ローレン「…そして城に行き、王位を取り戻すよう命じられた。
叔父夫婦は俺を王に就かせ、国王の親として城で贅沢に暮らしたかったのだろう」

ローレン「だがその頃にはもう…軍に所属し、軍師を目指したいという夢があった。
どうせ俺が血筋である証拠もない。叔父夫婦には悪いが…説得して軍に入ろうと考えた」

ローレン「だが時すでに遅く、叔父夫婦は城に赴き、俺の存在を打ち明けてしまった…。
王族を城下に匿った重罪人として叔父夫婦は処刑、俺は城に戻され、王子と呼ばれるようになった…」

ローレン「腕には覚えがある。度重なる暗殺や謀略の手は剣一つで振り払った…」

ローレン「父上に説明し、王子の位を解いてもらおうともしたが親父殿は聞き入れてくださらず…醜い争いの渦中で身を守り、堪え忍ぶしかなかった」

ローレン「…だがそれだけでは終わらなかった。
平民時代の友人達が次々に殺され、懐かしい顔ぶれが首一本になって俺に宛がわれた宮殿に飾られた」

ローレン「…貴様の仕業だろう。兄上?」

ラフテン「ふぁぁ〜…話が長いなぁ?」アクビ

ヒメ「……!」

ローレン「なぁ、ヒメ国王…。昨夜、妹がいると言ったよな?」

ヒメ「はい…」

ローレン「実は半分、本当だ。血の繋がりはないが叔父夫婦の間に出来た小さな、小さな妹…。
彼女は叔父夫婦が処刑された後、商館に拾われてな。幼くして身寄りなき孤児に堕ち、辛い環境下で働いていた…」

ヒメ「……」

ローレン「いずれ地位を手に入れ、迎えに行こう…。そう考えていた矢先に妹は…城に招かれ、父上の夜伽役に選ばれた」

ローレン「12才だった穢れない妹は…無理な性交渉を受け入れられず、ほどなくして自殺した」

ヒメ「(せ、性交渉って…い、いや意識するのはそこじゃない!)」ブンブン

政務官「(じゅ、13歳のヒメ様になんという話を…!?)」
139: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:38:32 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「ぃやあ、可哀想になぁ〜?ほとんど聞いてなかったが同情するよ?」

顧問官「ラフテン王子!早くこの逆賊を始末なされ!」

ラフテン「親衛隊長?」クイッ

親衛隊長「」ビュバッ

バシュッ

ヒメ「……!?」

政務官「あぁ…!?」

顧問官「ぐ…ぶふっ」ドサッ

ラフテン「偉そうに命令するなよ?クソジジイ?」ギョロッ

顧問官「ぉ…のれ…ラ…フテ……ン」フッ

ヒメ「いい加減に…!!」カッ

ローレン「これが南の国だ。ヒメ国王」

ヒメ「は…!?」

ローレン「表向きは誠実な王が仕切る穏やかな国…だが現実はこうだ?」

ラフテン「さて、そろそろ終わりにしないかい?ローレンくん?」ニヤッ

ローレン「西の悪魔に魂を売ってでも…歪んだ王族を滅ぼさなければならなかった」

ヒメ「ローレン王子は最初から…お父君とラフテン王子を始末する為に動いていたのですか?」

ローレン「内部で絶大な権力を誇る父上とラフテンに抗う術はない…。強大な外部の力が必要だったんだ」

ヒメ「……」

ローレン「俺は孤独だ。親類縁者、誰一人として残っていない…。
西の国に亡命し、魔性のファルージャの手先になってでも…こいつらを殺したかった」

ラフテン「惜しかったねぇ?しっかり家臣達を管理していれば上手くいったかもしれないのに?」ニヤニヤ

ローレン「……」
140: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:39:31 ID:tkZwUH.J0s
ラフテン「さぁ?死んでもらおうか?」

親衛隊「」ザザザッ

政務官「ひ、ヒメ様に刃を向けるとは何事かぁっ!?」ジタバタ

ヒメ「(くそっ…団長がいれば…!やっぱり長期休暇なんて取らせるんじゃなかった!)」ギリッ

ローレン「」ガシッ チャキッ

ヒメ「へ!?」グンッ

政務官「ヒメ様ぁっ!?」

ラフテン「ほぉ〜う?まだ悪あがきするのかい?ローレンくん?」ニヤニヤ

ローレン「寄るな…!ヒメ国王が命を落とせば国際問題に発展するぞ…」ギランッ

ヒメ「」ゴクリ

ラフテン「ならばヒメ国王の首を手土産に西の国と盟でも結ぶかな?」

ローレン「なに…!?」

ラフテン「私は最初からどっちでもよかったんだよ?王国でも…西の国でも?」

ヒメ「そんな…!?」

ラフテン「ここで雛鳥クンが死ねば東国も王国も国王不在で統制が効かなくなる?
西の国と対等な条件で組み、王国、東国、共に侵略してしまった方が楽な上に得なのは明らか?」

政務官「き、貴様ぁ…!!」ワナワナ

ラフテン「無闇に他国の事情に首を突っ込むのが悪いんだよ?クハハハハハ!!!」ゲラゲラ

ヒメ「……!」

ラフテン「王国を侵略した暁には救い主を我がコレクションに加えさせてもらうかなぁ?」ニヤァァァ

ヒメ「なっ…!?」キッ
141: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:40:19 ID:yaXDMG2LZo
ローレン「ま、待ってくれ!兄上!!」アセアセ

ラフテン「」クイッ

親衛隊長「ローレンは生け捕りにしろ。民衆の面前でラフテン陛下自ら首を切り落とされる?ヒメ国王とその家臣共は皆殺しだ!!」バッ

親衛隊「ははっ!!」ジャキッ

政務官「や、やめろ…よせ!?」ジタバタ

ローレン「多勢に無勢か…!せめてヒメ国王の兵が自由であれば…?」タジッ

ヒメ「た、助けてくれ…!」

ラフテン「クハハハハハ!いいねぇ!もっと必死に命乞いしたまえよ!?」ゲラゲラ

ヒメ「っ……団長!!!」

近衛兵?「御意!!」ヒュッ

南の衛兵1「ばぎふっ!?」ゴカッ

ラフテン「ハハハハ……は…?」ピタッ

近衛兵?「おぉぉりゃあああ!!」シュバッ

バキッ ガゴッ ビシッ ドフッ

親衛隊「ぐわあああ!!」バタバタ

ヒメ「え…?」ジッ

親衛隊長「ちぃっ!!取り囲んで殺せ!!」

南の衛兵's「はっ!!」バッ

近衛兵?「ワシに続けぇっ!!」ブンッ

スパパパパバパッ

近衛兵's「は、ははぁっ!!」シュルリ

親衛隊長「ば、馬鹿者!!拘束を解かせるな!?」アセアセ

近衛兵?「遅いわぁっ!?」ダッ ブォンッ

親衛隊長「うごっ!!」ズサァァ
142: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:44:43 ID:tkZwUH.J0s
ギャーギャー ギャーギャー

ローレン「」ポカーン

近衛兵?「お待たせしましたな!ヒメ様!!」バッ カランカラン

ヒメ「だ、団長!?来てたのか!?」

団長「ワシなくして誰があなたをお守りすると?」ニヤリ

ヒメ「ど、どうして鎧兜なんか着込んで下級兵士に紛れてたんだよ!?いつも憲兵が着用する革の制服で行動してたじゃないか!?」

団長「……」

ヒメ「?」キョトン

団長「あまり役に立たないワシが出しゃばっても邪魔かと思い、配慮させていただいた?」ジトッ

ヒメ「あっ…」ハッ

『西の国との問題は頭を使う事になるし…そうなるとあんまり役に立たないじゃん?』

団長「思い出していただけましたかな?」

ヒメ「ご、ごめん…」シュン

団長「ふっ…主君が配下に易々と頭を下げるものではありませんぞ?」

ヒメ「…も、もっと早く助けてくれたってよかったんじゃないか?」モジモジ

団長「それではワシが頼れる忠臣であると証明出来ますまい?気長に機を探り、絶好の時を選んだ次第!」

ヒメ「おまえって意外と根に持つんだな…?」ムスッ

団長「陛下の役に立つは我が生き甲斐にござる。そこを否定されてはワシとて落胆致しますとも?」

ヒメ「ふん…だったら喋ってないで働け!役に立つところを見せてみろ!?」

団長「無論!!」ダッ

ローレン「ヒメ国王!あの方は…!?」

ヒメ「…僕の自慢の家臣です。もう心配要りません」

ラフテン「おのれぇ!!皆殺しだ!!王国の連中もローレンも八つ裂きにしろぉっ!!」

団長「数の利は敵にあるが躊躇するな!!司令塔は先に始末した!!
指揮官不在の隊の殲滅などワシら近衛に掛かれば赤子の手を捻るようなものだ!?」バッ

ウオオオオオオ!! ガキンッ ギャリンッ キンッ キキンッ
143: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/26(水) 22:47:29 ID:tkZwUH.J0s
>>116
ブルードル陛下は自分でも書いてて楽しいキャラだったのでちょっと名残惜しいですw
ここから更に盛り上げていくつもりなので、ほどほどに期待しててくれると嬉しいですw
支援ありがとうございました!
144: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:33:13 ID:Buemia0KPk
ワァーワァー ワァーワァー!

ギンッ ガガッ カィンッ ギャリンッ

団長「ぬぁあっ!!」ブォンッ

南の衛兵3「うぐっ!」ドカッ

近衛兵's「うおおおおお!!!」バッ

南の衛兵4「くっ…て、手に負えないぞ!」ギンッ

南の衛兵5「あの騎士…強すぎる!」タジッ

ラフテン「増援を呼べ!城中の兵を掻き集めて、この不届き者共を殺すのだ!?」

団長「…ヒメ様!!道を作りますので先に避難を!?」

ヒメ「その必要はない!」スラッ

団長「なっ…!?」ギョギョッ

政務官「ま、まさか参戦する気ではございますまいな!?」

ヒメ「城の人間は城下で行われる南の国王の葬儀に取り掛かって、ほとんど出払ってる!!
そうでもなかったら、こんな大胆な手段に出なかった筈だ!!」

ラフテン「そ、それがどうした!?ここから城門まで10分も掛からん!!兵を呼び寄せるのは容易いぞ!?」

ヒメ「往復20分程度か。だったら15分……いや、10分でケリを着けるぞ!!」

政務官「へ、陛下!?これ以上、他国で騒ぎを大きくしてはまずいですぞ!?」

ヒメ「増援が来る前にラフテンを捕らえろ!」

団長「…はっ!!」ダッ

南の衛兵6「させるかっ!?」ブンッ

団長「邪魔だ!?」ヒュッ

南の衛兵6「うぎゃはっ!?」ドカッ
145: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:38:28 ID:Buemia0KPk
ローレン「…な、なぜだ。貴殿にしてみれば俺を引き渡せば済む話だろう?」

ヒメ「そうしてほしいのなら、そうしましょうか?」クスッ

ローレン「っ……い、いや」タジッ

ヒメ「悪魔に魂を売ったのは貴方だけではありませんよ」

ローレン「は…?」

ヒメ「僕も西の国を倒す為に…あんな悪魔のような男に頼ろうとしてしまいました。
でも…やっぱり一緒に戦うからには信頼の置ける味方が欲しいんです?」ニコッ

ローレン「お、俺で…いいのか?仮にも父と兄を殺し、ファルージャに国を売ろうとしたんだぞ!?」

ヒメ「自分のした事を気にかけてるんですね?」

ローレン「は…?」

ヒメ「なら大丈夫ですよ。貴方はまだラフテンほど腐ってない?」

ローレン「……」

ヒメ「してきた事は認められないけど…境遇には同情出来ます。
僕も昔は王子なんて重荷、背負いたくないとごねてましたしね」

ローレン「ヒメ国王も…?」

ヒメ「はい。ローレン王子と事情は異なりますが…自分の国に絶望していたという意味では似てるかもしれません」

ローレン「……」

ヒメ「貴方の考えは間違っていなかった。亡くなった先代やラフテンのやり方では…いずれ必ず綻びが出たでしょう。ですが手段を間違えたんです。貴方の決断は…もしかすれば国を滅ぼしかねない」

ローレン「……分かってたさ。だが俺には貴殿の臣下達のような頼もしい味方がいなかったんだ」

ヒメ「では作りましょう。今、ここで!」

ローレン「信用していいのか…?」

ヒメ「…僕の親友は信じる力を持ってました。絆で道を切り開いたんです」

ローレン「…親友?」

ヒメ「それが王国の救い主です」

ローレン「す、救い主…ホビットの…か?」

ヒメ「種族とか教えなんて馬鹿馬鹿しく思えるくらい、いいヤツですよ?」ニコッ

ローレン「……!」
146: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:41:41 ID:Buemia0KPk
ギャーギャー ギャーギャー!

ラフテン「雑兵など相手にするな!雛鳥だ!!雛鳥を狙え!?奴を人質に取ればこいつらは固まる!?」

親衛隊「ははっ!!」ダッ

団長「ぬぅ!?ひ、ヒメ様を守れ!?何人たりとも近付けるな!?」

近衛兵1「も、申し訳ございません!敵の数が多すぎて…目の前の相手に集中するのが精一杯です!」ギギギッ

政務官「こ、こうなれば私が…!」ズイッ

南の衛兵7「どけぃ!?」ブンッ

政務官「ぐわっ!?」ズサァァッ

ヒメ「リルラ!?」

政務官「お、おぐっ…ういぃっく…!」ゴロゴロ

ヒメ「…なんだ。柄で殴られただけか。心配して損した」シラー

南の衛兵7「他人の心配などしてる場合ではなかろうが?」ズイッ

ザザザッ

ヒメ「(なんとか団長達が食い止めてくれてるが…6人か。僕一人じゃ無理だな)」

ローレン「控えろ。無礼者?」ズイッ

ヒメ「ローレン王子…?」ピクッ

南の衛兵7「…なんの真似ですか?」ギロッ

ローレン「それはこちらの台詞だ。王子である俺に刃を向けるとは何事か?」

南の衛兵7「あんたはもう王子じゃない。国王殺しの逆賊だ?」

ローレン「…王位争奪に関すれば、いかなる非道も許される。それが貴様らの主のやり方だろう?」

南の衛兵7「殺るぞ!!」ダッ

ダダダッ

ローレン「来るぞ!ヒメ国王!」ジャキッ

ヒメ「…はい!」ジャキッ
147: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:44:27 ID:47qDB4JxU6
団長「…陛下の方はなんとかなりそうだな」ホッ

南の衛兵8「よそ見してる場合か!?」ヒュンッ

団長「」ブォンッ

ズバァァァッ

南の衛兵8「がぶ……」プシャアアアアア

ザワッ

南の衛兵8「」バタッ

ラフテン「……!?」ゾワッ

団長「貴様らがどこまでもやり合うと言うのなら受けて立とう」ピシュッ

親衛隊「」ブルッ

団長「だが…峰打ちで済むのはここまでだ?」ギロッ

近衛兵1「(…そうか!他国での騒動と考えて配慮してたのではなく、剣身を使わずに戦う事で格の違いを見せつけていたんだな?)」

親衛隊「……!」ガクガク

近衛兵1「(団長の圧力に敵は縮み上がってる…!これなら…!)」

ラフテン「こけおどしに怯むなぁ!!バカ共がぁ!?」

南の衛兵9「し、しかしラフテン様…!あの騎士、ただ者ではございません!
ここは一度、城門に避難し、立て直しを図るのが最善かと…」

ラフテン「」ヒュンッ

南の衛兵9「ひっ…!?な、何をなされるので!?」ピタッ

ラフテン「ガキの率いる少数部隊、下級官族出身の弟…こんなカス共を相手に一国の王が退けるかぁ!?」ズブッ

南の衛兵9「んっ…ぐえっ」ゴフッ

ラフテン「貴様らは黙って俺様の命令に従ってりゃいいんだよ!?
有象無象のお前らが何人死のうが俺様の代わりはいねぇんだ!?」クワッ

ザワザワ ザワザワ
148: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:45:57 ID:47qDB4JxU6
団長「…見ちゃおれんな」

ラフテン「なんだと…下朗が!?」ギョロッ

団長「こんなくだらん男を生涯の主と崇め奉る為に貴様らは血を流すのか?」

親衛隊「」ピクッ

ラフテン「アァ〜…!?」ピキッピキッ

団長「見てみろ?もう一人の王子を?」

親衛隊「」ジーッ

ガィンッ キキンッ ガガッ ドシュッ

団長「ワシはただなんとなく王族に仕えているのではない。
己の持てる全てを捧げるに値すると認めた主に心から忠誠を誓っておるのだ」

親衛隊「……」

団長「自ら剣を握り、逆境に立ち向かう王と…味方の背後に隠れ、あまつさえ臣下に刃を突き立てる王…貴様らはどちらを選びたい?」

ラフテン「なにを黙って聞いてるんだ!耳を貸すなぁ!?」

団長「まだ間に合うぞ。王位継承権を持つ者は二人いるのだ」

ラフテン「さっさとそいつを殺せぇ!?」

団長「南の国に忠を捧ぐ勇敢な兵士達よ!!」

親衛隊「」ビクビクゥッ

団長「二つに一つだ…!」

親衛隊「〜〜〜!!」プルプル
149: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:47:41 ID:47qDB4JxU6
ラフテン「何をやってんだ!殺せというのが分からないのか!?命令だぞ!?」

親衛隊「……」

ラフテン「このっ愚図がぁ!?」ヒュンッ

南の衛兵10「うっ…!?」ザクッ

バタッ

ラフテン「こいつのようになりたいか!?えぇっ!?」バッ

親衛隊「」ワナワナ

団長「終わったな。貴様?」

ラフテン「はぁ…!?」

クルッ クルッ クルッ クルッ

ラフテン「!?」

ジリッジリッ ジリッジリッ

ラフテン「お、おい…!待てよ?お、俺を誰だか分かって……」アセアセ

親衛隊長「む……ぐく…!」ムクッ

ラフテン「し、親衛隊長!こいつらを止めろ!?」

親衛隊長「お、お前達…何をしてる…?」ヨロッ

南の衛兵11「邪魔するのなら隊長であっても容赦しませんよ」ジャキッ

親衛隊長「な、なにぃ〜…!?」

ラフテン「こいつら…敵の甘言に踊らされて寝返ろうとしているのだ!」

親衛隊長「な、なんですと…!?」

ゾロゾロ ゾロゾロ

団長「道を空けろ!!」

親衛隊「」ビクッ

ザザザッ

ローレン「……」スタスタ

親衛隊長「ローレン…王子」
150: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:50:40 ID:47qDB4JxU6
ローレン「無様だな。兄上…?」

ラフテン「〜〜〜!!こ、殺せ!!ローレンが無防備にも貴様らに背を向けているぞ!?今なら確実に殺れる!?」

シーン

ラフテン「おい、聞いてるのか!?殺れと言ってんだよ!?命令だ!?」

シーン

ラフテン「くっ…!王族に飼われる身でありながら…許さんぞ!!」

ローレン「俺も王族だ…」

ラフテン「貴様ごときが王族を名乗るな!?
上流階級の母と国王である父の血を継ぐ俺のみが純潔な王族ぞ!?」

ローレン「貴様が殺した兄弟の中には…そんな奴がわんさかいたんじゃないのか?」ギロッ

ラフテン「知るかぁ!?あいつらは俺に敗れ、王位を奪われた負け犬だぁ!!勝ち残った俺こそが真なる王……」

ローレン「変わらんよ」

ラフテン「アァ〜!?」ギョロッ

ローレン「お前もここで俺に敗れ、王位を奪われる哀れな王族の一人だ」

ラフテン「っ……おい、何ボサッとしとるんだ!?行け!?」バシッバシッ

親衛隊長「は!?」ビクッ

ラフテン「ローレンを討つんだ!!奴の首を切り落とした者には褒美を取らすぞ!?」ハァッハァッ

ローレン「…命令だ!!」カッ

親衛隊「……!?」

ローレン「ラフテンを拘束せよ!!」

親衛隊「ははぁっ!!」ザッ
151: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/30(日) 21:55:12 ID:47qDB4JxU6
ジリッジリッ ジリッジリッ

ラフテン「ま、待て!俺に従え!褒美を…褒美を取らす!!階級も上げてやる!?女だって思うがままだぞ!?」アワアワ

親衛隊長「ふむ…」

ラフテン「くそがぁ!!親衛隊長!!殺せ!?この反逆者共を八つ裂きに…!」

親衛隊長「」ヒュンッ

ラフテン「ッッ!?」ビクッ

親衛隊長「…剣を捨て、両腕を上げろ?」ピタピタ

ラフテン「お、おい…なんの真似だ…?」ブルブル

親衛隊長「」グッ

ラフテン「ひっ!分かった!言う通りにする!?」タラァァァ

親衛隊長「ローレン国王!!私めが見事、逆賊を捕らえてご覧に入れましたぞ!?」キリッ

ローレン「…大義である」

親衛隊長「覚悟しろ!逆賊め!我らが王、ローレン様に牙を剥くなど無礼千万!
民衆の面前で、これまでの罪を暴き、首を跳ねてくれるわー!?」ボーヨミ

親衛隊「」シラー

ローレン「どうだ。兄上?味方を奪われる気分は?」

ラフテン「み、認めん…ぞ」プルプル

ローレン「……」

ラフテン「き、貴様などが王になどなれるものかぁ!?」

ローレン「城外の広場に引きずり出せ。葬儀の前に王位継承の儀に移るぞ」

ラフテン「ば、バカな…継承権は長男である俺に……」

ローレン「決闘だ」

ラフテン「は…!?」

ローレン「俺と貴様、どちらが王に相応しいか…南の王族らしく互いの血で決めようじゃないか?」

ラフテン「……!?」ゾワッ
152: 名無しさん@読者の声:2015/8/30(日) 22:17:05 ID:Jyy7L0BC1s
ローレン頑張れ!
153: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:39:42 ID:n15p5hTuR6
―――南の城下町(広場)―――

ゾロゾロ ゾロゾロ

ヒソヒソ ヒソヒソ

親衛隊長「民衆に告ぐ!!偉大なる我らが先代国王の葬儀を一時中止し、王位継承の儀を執り行う!!だがその前にだな……」

ザワザワ ザワザワ

南の高官's「」ヒソヒソ

南の貴族's「」ガヤガヤ

親衛隊長「えぇい!騒ぐな!?」

ローレン「……」

南の高官1「ローレン王子!これはどういう事だ!?」

南の貴族1「他国から慰問に訪れた要人の方々も混乱しておりますぞ!しかと説明していただかねば!?」

ローレン「皆、疑問はあるだろうが詳しく説明している暇はない。
趣旨のみを端的に伝えるので耳を傾けてくれ」

南の貴族1「…な、何が起きてるんだ!ラフテン王子が即位されるんじゃなかったのか…?」ヒソヒソ

南の貴族2「し、しかし兵に拘束されているぞ…?」ヒソヒソ

南の貴族3「ま、まさかこの場で処刑し、ローレン様が王位に返り咲こうと…?」ヒソヒソ

南の貴族4「な、なんだとぉ…!?わ、我らがこの日の為にどれだけラフテンに貢いできたか…全て台無しではないか!」

親衛隊長「鎮まれぃ!!」

シーン

親衛隊長「これよりローレン王子とラフテン王子が互いの王位を賭けて決闘なさる!!」

ザワザワ ザワザワ

親衛隊長「この国の王座を勝ち取るのはどちらか…これよりそなたらには南の民として我が国の歴史の証人となってもらう!!」

ワァァァァアアアアアア!!!
154: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:41:08 ID:n15p5hTuR6
ヒメ「ことのほか盛り上がってしまいましたね。もう後には退けませんよ?」

ローレン「20万近い城下の民が見届ける舞台…悪い気はしないな」

ヒメ「ハハハ…すごい胆力ですね?敬服しますよ?」

ローレン「兄上の粋な計らいで死線をいくつも越えてきたから…かもな?」ニヤッ

ヒメ「貴方の即位を願う一人として御武運を祈っております?」

ローレン「ここに辿り着かせてくれた貴殿には恩返しせねばならん…?
その為にも必ず王となって舞台を降りよう…」

ヒメ「……」ニコッ

親衛隊「行ってらっしゃいませ!"陛下"!!」ピシッ

ローレン「……あぁ!!」ググッ

カツンカツン カツンカツン

政務官「ろ、ローレン様に勝っていただかねば…我々も生きて、ここを出られませんな?」ドキドキ

ヒメ「心配するな、リルラ。あの方は強いよ。
共闘して見させてもらったが少なくとも剣術では僕より何枚も上手だ?」

政務官「ほ、ほう…!それほどに!?」パァァ

ヒメ「…問題はラフテンの腕のほどだな?団長、どうだった?」

団長「直接、太刀合わせした訳ではござらんが…まぁ平凡でしょうな?
王族であるだけに一応、剣術も教養には含まれていたかもしれませんがヒメ様を凌ぐ剣技をお持ちであれば心配無用かと思われる?」

ヒメ「おまえがそう言うなら安心だな?」

団長「い、いや…それほどでもござらんが!?」デレデレ

政務官「頼むぞ、ローレン王子…!」

ヒューヒュー キャーキャー
155: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:43:23 ID:n15p5hTuR6
親衛隊長「おら!じたばたと足掻くな!壇上に登れ!ローレン様がお待ちであろうが!?」グッグッ

ラフテン「くっ…いいのか?貴様?」ボソッ

親衛隊長「あぁん…!?」

ラフテン「俺が王位を勝ち取った暁には…貴様を親族もろとも凌辱し尽くし、有らん限りの方法で苦痛を与え、俺を裏切った事をあの世まで後悔させてやるぞ…!?」ギョロッ

親衛隊長「っ…!?」ゾクッ

ラフテン「楽しみにしてるんだな…?」ボソッ

親衛隊長「い、イヤだなぁー?ほんの冗談ではございませぬか!
こ、心の底ではラフテン王子を応援しておりますとも!」アタフタ

ラフテン「……」カツンカツン

親衛隊長「き、聞いておられますか!ラフテン王子?ラフテン王子!」アワアワ

ラフテン「」タッ

ローレン「」タッ

ワイワイガヤガヤ

ラフテン「……」ギョロッ

ローレン「……」ギロッ

ラフテン「…思えば王族、いや兄弟として向かい合うのはこれが初めてか?」ニヤッ

ローレン「だからどうした…?」

ラフテン「…弟よ?」

ローレン「……」

ラフテン「考え直すんだ?貴様がしてきた無礼の数々…全て許してやろう?
だから…大人しく引き下がり、王位を私に譲るんだ?良いな…?」

ローレン「断る」キッパリ

ラフテン「……貴様は王になりたくないのだろう?軍師になりたいと申していたな?その願い、私が聞き届けて……」

ローレン「あまり長引かせるな。父上の葬儀が迫っている…」

ラフテン「……!どの口がほざく!?父上を殺したのは貴様だろうが!?」ブチィッ

ローレン「あぁ、そして貴様も殺す。王となるのは俺だ?」

ラフテン「もういい…!もういいさ…!後悔しても遅いぞ、ローレン!?」ギリッ
156: ◆WEmWDvOgzo:2015/8/31(月) 21:45:07 ID:ZOCTCuwxeE
ローレン「では…始めようか」

親衛隊長「そ、それではどちらも剣を……」

ラフテン「待てぃ!!」

親衛隊長「は…?」

ラフテン「口惜しいが剣では弟に劣る…。得物を変えたいのだが?」

親衛隊長「し、しかし決闘は剣で行うものと定まっております!」

南の貴族1「ラフテン王子のおっしゃる通りだ!!」

南の貴族2「貴様ら騎士族がローレン様を王に担ぎ上げたいのか知らんが得物を限定するなど不平等ではないか!?」

南の貴族3「互いの得意な得物で闘うのが最も公平だ!!」

ブーブー ギャーギャー!

ラフテン「ほれ?皆もこう言っておるぞ…?」

親衛隊長「(ラフテン派の貴族共か…!そ、そうだった…!人脈は明らかにラフテン様が勝るんだった!あぁ〜寝返るのは早計だったか!?)」グワングワン

ローレン「俺は構わん。好きにしろ…」

親衛隊長「そ、それではラフテン王子の希望される得物を私めが用意致しましょう!何になさいますか!?」ヘコヘコ

ラフテン「弓だ!私は弓を使う!!」

親衛隊長「ゆ、弓でございますね?かしこまりました!すぐに手配致します!」

ラフテン「私の部屋にある弓だぞ…?」ニヤァァァ

親衛隊長「ははぁっ!!」ダッ

ローレン「……」
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