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カロル「ボクが世界を変えてみせる」
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


613: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:12:01 ID:Qm.q8qFlDs
ゾロゾロ ゾロゾロ

黒装束1「この人数じゃ壇上に上がれないな」

黒装束2「作戦通りに舞台上は任せて、こっちはやってくる兵隊を食い止めよう!」

オォォォオオォォォオ

ギャリィンッ ズバッ ザシュッ

兵士長「な、なんだ…!こいつら…!」ギギッ

ガキンッ ドスッ

兵士3「へ、兵士長!まずいです!まだ隊列が整っておりません!」ギンッ

兵士長「分かってる!ほとんどが役人を避難させる為に出払ってるんだ!」ビュッ

兵士4「うわっ!う、腕が…!」タラー

兵士3「つ、強くないか!?非力なホビットだろう!?」

兵士5「こ、こいつら実戦慣れしてるんだ…!」アワアワ

兵士長「黙れ!弱音を吐くな!我々とて訓練に訓練を重ね、国に選ばれた精鋭だ!」

兵士4「ぐはっ!」ブシュッ

兵士2「ぎゃんっ!?」ズバッ

兵士長「助勢はまだか!我々だけでは…」

兵士3「はっ!」ザシュッ

兵士5「くっ!」キンッ

兵士長「(く、くそ…くそ…!なぜホビットごときに押されるんだ…!)」
614: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:25:42 ID:/alaW15cT.
――――――

団長「実戦経験の差だな…」シゲシゲ

近衛兵1「は?」

団長「我々より先に制圧に向かった別の隊が明らかに押し任されておる」

近衛兵1「はっ!我々も直ちに助勢せねば!」

団長「いや、まだだ」

近衛兵1「え?」

団長「ワシら近衛は全員が揃うまで、この客席周囲に留まり、牽制する!」

近衛兵1「な、なぜ!そうしてる内に兵が倒されてしまいますぞ!?」

団長「見ろ?ホビット共の動きを?」

近衛兵1「は、はぁ」

団長「舞台上を中心として周辺を均等に囲み、主軸となる陣地を形成している?
奴らの背後には大樹が控えており、回り込みも不可能だ。
あれでは兵士たちも攻め場がなかろう?」

団長「…我々が見せた隙はでかい。既に奴らの術中に嵌まってしまった」

近衛兵1「し、しかし時間の問題です!日頃より戦闘訓練を受けている兵士たちがホビットに遅れを取るなどありえません!」

団長「いや、少なくとも向こうの隊では手に負えんだろう?」

近衛兵1「そ、そんな!?」

団長「細かい動きを見ていれば分かる…。ホビット勢は連携がしっかりしている上に余計な武具を身に付けていない分、特有の素早さが存分に活かされている。
そして何よりためらいがない…。死を恐れるどころか傷付いても進んで攻撃を仕掛けてくる…」

団長「対してこちら側は敵に先手を取られ、訳も分からずデタラメに突っ込む兵ばかりだ。
慣れない負傷に戸惑い、焦燥感と恐怖に支配されたまま…哀れにも突進を繰り返し返り討ちに遭っている」

団長「なんせ平和な時代だ…。実戦経験も無く、ただなんとなく剣を振ってきた兵では奴らの陣形は崩せんよ」
615: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:28:14 ID:/alaW15cT.
近衛兵1「じゃあどうするんです!?」

団長「慌てるな!」

近衛兵1「……!」

団長「…近衛は隊列を組み、奴らを覆うようにして突進する」

近衛兵1「それじゃ向こうの隊と同じ…」

団長「わかっとらんな?ホビットの作戦は大樹を背にして陣地を作り、ひたすら防衛することだ!」

近衛兵1「?」

団長「混乱した兵士たちは奴らの陣形に気付かず、てんでバラバラに攻めて無駄に兵力を消耗してるのだ!」

近衛兵1「は、はぁ」

団長「奴らは所詮がむしゃらに血を流すケダモノの群れ!数も戦闘力も我々に及ばぬ!」

近衛兵1「で、ですが…事実、劣勢に追い込まれて…」

団長「指揮官の未熟な判断に焦らされ、兵士たちの覚悟が定まっていないからだ!」

団長「冷静に対処し、人海戦術で削っていけば奴らに成す術はない!」

団長「防戦一方、背水の陣で挑むホビットに体力勝負を仕掛ければ…いずれ膝から崩れ落ちる!」

近衛兵1「な、なるほど!」

団長「その為にも部隊を一度集め、指揮する環境下に置かねばならん!
こちらに全近衛兵が集まった時、奴らの息の根を止める!」

近衛兵1「はっ!」
616: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:32:22 ID:/alaW15cT.
―――平原―――

ドドドドドッ

ウワアアアアアア

ルーボイ「なんだ、あれ?」

ミシング「さぁ?すごい数の馬車が引き返してる?」

ナラ「」クタァ

ルーボイ「ナラー!もう休憩やめよー!俺、あっち気になる!」

ミシング「一緒に走ってた人はとっくに着いてるかもねー?」

ナラ「つ、つかれ…た…ヘトヘト…」クタァ

ルーボイ「ナーラー!?」ユサユサ

ナラ「うぅ…」

ミシング「ルーボイくん、先に行っちゃえば?あたしたちは待ってるから?」

ルーボイ「ちぇ!そうする!」タタタッ

ミシング「元気だなぁ。子供は風の子!」

ナラ「」スヤスヤ

ミシング「あらら?」

ナラ「」スヤスヤ

ミシング「…たまには日向ぼっこもありかなー?」ゴロンッ

ナラ「」クゥクゥ

ミシング「宣教師ったら…こんなかわいい子たちが寂しがってるのにどこで何してんのかしら?」
617: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:08:12 ID:AWtnRkelTY
―――舞台―――

ウォルター「」ゼェッゼェッ

ラム「舞台の広さが仇になったね?疲れてきたんじゃない?」トットッ

ウォルター「(ど、どうなってやがる。一点の群れを集中して切り破ったが…包囲網から全然抜けれねぇ)」チラチラ

ラム「みんな!絶対に円から出さないで!」バッバッ

ウォルター「(…それにあいつは間違いなく胸を刺された筈だ。血痕も生々しく残ってる…なのになぜ動ける?)」ハァッハァッ

バンパ「肩で息し始めたぞ!イケる!」

シープ「ふっふーん!」ランランラン

ウォルター「(お前もだ!顔面に蹴り入れてやったよな!なんで無傷でスキップしてる!?)」ギリィッ

「くらえっ!」ビュッ

「うわああ!」ブンッ

ウォルター「っ…!?」サッ スタッ

ウォルター「(…てか、なんで誰も倒れてねぇんだ?もう10匹は切り殺しただろ?)」

ウォルター「(訳わかんねぇ訳わかんねぇ訳わかんねぇ訳わかんねぇ訳わかんねぇ)」グワングワン

ラム「」クスッ

ウォルター「は?な…に笑ってんだ…?」ゼェッゼェッ

ラム「ふふ。される側になった気分はどう?」クスクス

ウォルター「され…る?」ゼェッゼェッ

ラム「そうさ?今まで何千のホビットを虐殺してきたお前が…ホビットに虐殺されるんだ?」クスクス

ウォルター「この俺が…?ホビットに…?」

ウォルター「……この俺が!ホビットにぃ!?」ブチィッ
618: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:10:48 ID:uhCX0v8puE
ウォルター「遊びは終わりだああああああああ!!?」ダッ

ザシュッ ブスッ グチュッ ズシャァッ

ギャアアアアアア

バンパ「…まだ動けんのかよ!?」アタフタ

シープ「は、はやくカロルお兄ちゃんに看せなきゃ!」ワタワタ

ラム「僕らが相手してる間に傷付いた仲間を運ぶんだ!」

セッセッ セッセッ

ウゥ〜 ウゥ〜

ウォルター「ハッハー!?そこかー!?」ダダダッ

ウワアアアア ザザッ

ラム「あ!道を空けるな!?」ダッ

バンパ「円から出られたら終わりだぞ!シープ!」

ウォルター「ギャハハハハハハ」ダダダッ

シープ「こ、こわ〜い!?」ピュー

バンパ「あーーー!?」

ラム「追え!もう一度囲むんだ!」タタタッ
619: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:11:54 ID:uhCX0v8puE
―――舞台裏のテント―――

カロル「はい!はい!はい!はい!」パシッ パシッ パシッ パシッ

フワッ フワッ フワッ フワッ

カロル「け、ケガしたらボクを触ってください!傷を癒しますから!」

ペタペタペタペタ

カロル「あ、ちょっ!まっ!く、くすぐったい!」ワチャワチャ

ズシャッ バシュッ ギャアアアアア

カロル「」ビクッ

バサッ カランカラン

ウォルター「そういうことか」

カロル「あ…!?」ギクッ

ウォルター「久しぶりだな?元気してたか?」ニタァァ

カロル「あ…は…はは?」ヘラッ

「やめろ!彼に触れるな!」ダッ

「ま、守るんだ!」ダッ

ウォルター「」ニヤリ

ザシュッ ザシュッ

ズシャァッ ズシャァッ

ウォルター「ナイフを使わせりゃ天下無敵だ?よく知ってるよなぁ?」クルクルッ パシッ

カロル「」タタタッ

ウォルター「お?倒れた仲間をどうすんだ?」
620: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:13:03 ID:uhCX0v8puE
フワッ フワッ

ムクリ ムクリ

ウォルター「おーおー?なんだ、そりゃ?とんだ裏技じゃねぇか?何したんだ?」ニヤニヤ

カロル「い、癒しの力…」ジト

ウォルター「はっ!本当にあったとはなぁ?道理で切っても切っても死なねぇ訳だ?」

カロル「…ボクがいる限り、誰も死なせないよ!」キッ

ウォルター「じゃあ俺もちょちょいと癒してもらおうか?マジで限界近いんだ?」ジリジリ

カロル「こ、来ないで…!」スッ

ラム「ダメだ!!」タタタッ

バンパ「よせ!せっかくの苦労が水の泡だ!?」

ウォルター「おっと?近寄んな!こいつを殺すぞ?」チャキッ

カロル「……!」ゴクッ

ラム「くっ!」グッ

シープ「ご、ごめん!ぼくが逃げたから…」

バンパ「まったくだ!なにやってんだよ!?」

ウォルター「早くしろ!俺を回復させんだ!?」ギラッ

カロル「…もうボクらにひどいことしない?」

ウォルター「うるせぇ!いいから回復させろ!」

カロル「約束してくれないならダメ?」

ウォルター「…分かった。二度としねぇ?誓ってもいい?」

カロル「いいよ。信じるから?」

ウォルター「ありがとよ?助けてやった仲だもんな?」

カロル「手、出して?」スッ

ウォルター「ほらよ」スッ

カロル「」パシッ

アァァァァァ
621: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:15:46 ID:AWtnRkelTY
ウォルター「」フワッ

カロル「はい、癒したよ」パッ

ウォルター「…おーおー!おーおー!おーおー!?」マジマジ

ウォルター「なんだ、なんだ、なんだ、なんだぁ!?」グッパッグッパッ

シープ「あぁ〜〜!?」ヒョエー

バンパ「やっちまった…!」

ラム「カロルくん!そいつから離れて!」

ウォルター「ギャラリーが落ち着かねぇなぁ?」ニヤニヤ

カロル「…ウォルターさん、これからどうするの?」

ウォルター「そうさなぁ?きっちり回復した事だし……ショーを再開すっか?」ギロッ

カロル「」ビクッ

ウォルター「っしゃああああ!!」ズバッ

カロル「ぅ…ぁあああ゙あ゙!!」ズルッ

ウォルター「ハッハー!恩人を切るなんざ…まるで悪い夢だなぁ?」ゲラゲラ

ラム「…最悪だ!」ギリッ
622: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:17:41 ID:uhCX0v8puE
ウォルター「てめぇらが復活できねぇなら打つ手はあるぜ?皆殺し作戦で一件落着だ?」シャッシャッ

バンパ「ふ、服ん中にもナイフを仕込んでたのか!」

ラム「こうなったら生きるのは諦めよう!死ぬまで戦うんだ!」

シープ「や、やだ…」

ラム「シープ?」

シープ「ぼく…まだ死にたくない…」ブルブル

「お、俺もだ!」

「あたしだって!?」

「生きて帰れると思ったから戦ってきたんだ!」

「い、痛いし怖いし…もう戦いたくない」

ラム「みんな…どうしたんだよ?」

バンパ「無駄だ。完全に戦意を失ってる…!」

ウォルター「ククク!」

ラム「」ビクッ

ウォルター「形勢逆転ってか?」ジリジリ

???「ううん?ウォルターさんの負けだよ?」

ウォルター「あ?」クルッ

ズンッ!
623: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:28:25 ID:AWtnRkelTY
ウォルター「……!?」グチュッ

カロル「約束、したのにね?」ジッ

ウォルター「て、てめぇ…なんで…!?」パチクリ

ラム「か、カロル…くん?」

ヒィィィィィィ

カロル「ボク言ったよね?ひどいことしないでって?」ズブゥゥ

ウォルター「ち、ちょうし…のんなぁ!?」ブンッ

カロル「っ…!」ザクッ

ラム「だ、大丈夫かい!?」ダッ

カロル「来ないで!」ドクドク

ラム「……!?」ピタッ

バンパ「来るなってお前…!」

カロル「自分で…なんとかするから!ボクだって戦う覚悟はあるんだ!」ズキズキ

ラム「…分かった!君に任せるよ!」

バンパ「お、おい」

ラム「僕に言われたのを気にしてるんだ…。だから行動で見せようとしてくれてる…」

バンパ「でもよ…」

ラム「本気で戦う決意をしてるんだ…!邪魔できる訳ないだろ!?」

バンパ「……!」
624: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:31:05 ID:uhCX0v8puE
ウォルター「い、いてぇ…か?いてぇよなぁ?」グリグリ

カロル「う…ん!いた…い」ググッ

ウォルター「なおせぇ…!俺を…なおしやがれぇ…!そうすりゃ…ゆるして…やる!」グリィッ

カロル「あぁっ!」グチュッ

ウォルター「いってぇ〜…!い、いひいてぇ!」ガクガク

カロル「……!」ギュッ

ウォルター「は、はやくしろぉ〜…!いてぇよぉ〜…!」ビキビキ

カロル「ああああ!!」ズブズブ

ウォルター「がはっ!?」ブバァッ

カロル「」ドンッ

ウォルター「ぎゃあああああ!?」ドサッ

バンパ「おぉ!馬乗りだ!」

カロル「はぁっ!はぁっ!」キッ

ウォルター「がふっ…ぐえっ…」ゴフッ

カロル「……!」ブルブル

ウォルター「わ…わる…かった」ピクピク

カロル「」ピクッ

ウォルター「ゆる…して…もう…しない…」

ラム「嘘だ!」

バンパ「騙されんな!?」

シープ「そうだよ!はやく殺さなきゃ!」

カロル「……」

ウォルター「ほん…と…ぅだ。たの…む」プルプル
625: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:34:28 ID:AWtnRkelTY
ウォルター「う………しんじて…くれぇ!」

カロル「ダメ…もう信じられない」スッ

ウォルター「…はぁ…あぐっ!?」ズキズキ

カロル「この力はボクが本気で癒したいと思わないと使えないんだ」

ウォルター「な…にぃ…!?」

カロル「信じて裏切られてもボクはいいと思う」

カロル「何も信じられなくなるよりずっと?」

ウォルター「だ、だったら…だったらなんで…!?」

カロル「裏切られ続けてまで信じることはできないよ。だから約束させたのに…」

ウォルター「こ、ころ…すのか?」ガフッ

カロル「……」

ウォルター「はっは……でき…ない…だろう?」

カロル「うん。しないよ?」

バンパ「お、おい?トドメ刺さないのかよ?」

カロル「だって信じられない人間の命なんて背負いたくないもの」

ウォルター「なら…どうする…!?」ギリッ

カロル「どうもしない」

ウォルター「は…!?」

カロル「ボクたちにはまだやることが残ってるから、もうウォルターさんは相手にしない」

ウォルター「」ピキィッ
626: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:40:06 ID:AWtnRkelTY
カロル「行ってくるね?みんなのそばにいた方が早く癒せるから?」

バンパ「お、おう。いってらっしゃい?」オロオロ

バサッ カランカラン

「負傷者が出た!すぐに来てくれ!」ザザッ

カロル「任せて!」タタタッ

バンパ「あ、あいつってあんなキャラだっけ?」オロオロ

シープ「わ、わかんない」オロオロ

ラム「…あれ?」

バンパ「ん?どした?」

ラム「カロルくん、ウォルターに刺された肩の傷が治ってた?」

シープ「ホントだー?自分で治したのかな?」

バンパ「マジかよ…。なんでもありだな…」

ウォルター「ざっけんじゃ…ねぇぞ…!」ググッ

バンパ「うおっ!」

ラム「まだ悪あがきする気?おとなしく寝てなよ?」

ウォルター「こ、このまま…ほったらかされて…死ぬのを待てってのかぁ…!?」ワナワナ

ウォルター「俺を誰だと思ってやがる!?」ダッ

バンパ「く、来るぞ!?」バッ

シープ「ひぃっ!」ビクビク

ラム「くっ!」ザッ
627: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:43:14 ID:AWtnRkelTY
ズルンッ ドサッ

ウォルター「ごはぁっ…!?」ビチャビチャ

バンパ「え?」キョトン

シープ「血、吐いてる?」ビクビク

ウォルター「あ…!え……?」グラッ

ラム「……」ジッ

ウォルター「から…だが…うごかねぇ…!」ギリッ

バンパ「ば、ばっかやろー!脅かしやがって?」アセアセ

シープ「ばーか!ばーか!おまえのかあちゃんデーベソ!」ベロベロバー

ウォルター「げはっ…!うっ…あつぅ…!?」ゲホゲホ

ラム「諦めなよ?その傷じゃもう戦えない?」

ウォルター「なっ…ナメんな…!」プルプル

ラム「お前の負けだよ、ウォルター」

ウォルター「ぢぐ…っしょ!」グググッ
628: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/17(火) 21:46:51 ID:AWtnRkelTY
ラム「最後に聞かせてくれない?なんでこんなことを始めたの?」

ウォルター「…こんな…こと?」

ラム「今までしてきた虐殺のことだよ」

ウォルター「はっ…」ニヤリ

ラム「お前に死なれたら、それが聞けない。だから最後に聞かせて?」

ウォルター「…なん、で…も」プルプル

ウォルター「なんでもよかったんだ…。獣でも…人でも…!」

バンパ「それがたまたま俺達だったって言うのか?どうしようもねぇな?」

ウォルター「は…はは…!殺意だけが…俺の快楽だ!」

シープ「き、きもちわる」ドンビキ

ウォルター「殺れば殺るだけ気持ちいいんだよぉ!?射精が止まらねぇんだぁ!?ゲハハハハハハ!!!」ゲラゲラ

ウォルター「ハハハ……ごぼっ!ぶふ…っばぁ」ゴパァッ

ウォルター「うっふ!?えふ!?」ビチャビチャ

ウォルター「ぼぼ…!……ぐふっ」ガクッ

ラム「…聞かなきゃよかった」シラー

バンパ「…死に際のセリフがそれかよ。とんだ変態野郎だな」

シープ「ねぇ?しゃせーってなぁに?」

バンパ「え?あ、いや…それは…」マゴマゴ

ラム「行くよ、二人とも?舞台を守ってる仲間を加勢しにね?」チラッ

バンパ「(た、助かった)」ホッ

シープ「れっつらごー!」
629: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/20(金) 21:47:28 ID:w4WKmrgy6I
―――客席最前列―――

カインッ ガキンッ ザシュッ ズンッ ギャアアアアアア

バタッ バタッ

兵士長「ま、まだか!助勢はまだなのかぁ!?」アセアセ

兵士6「やぁぁぁっ!!」ズバッ

ドサッ

兵士7「ぎゃっ!?」ズドッ

バタッ

兵士長「…くそっ!」ギリッ

キンッ シュバッ ヒュッ サッ

兵士長「(数が一向に減らない…。舞台で交戦していたホビットが合流したのか…?)」

ビュッ

兵士長「くっ!」キンッ

兵士長「えやあっ!」ブンッ

ザシュッ ドバッ

兵士長「や、やったか…!」ハァッハァッ

ダダダッ

兵士長「くそ…!次から次へと!」ジャキッ
630: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/20(金) 21:48:42 ID:w4WKmrgy6I
兵士8「うおおお!」ダッ

ビュッ サササッ

兵士8「ちっ!また散ったか!」

兵士長「追うなよ…!追えば別の奴が奇襲を仕掛けてくる…!」

兵士8「はっ!」

兵士長「現在でこちらの兵力はどうなってる?」

兵士8「だいぶやられております…。すでに20名以上の被害が…」

兵士長「そうか…!だがこちらもかなり切った筈だ!」

兵士8「そ、それが…おかしいんです!」

兵士長「なにがだ?」

兵士8「奴らの亡骸が見当たらんのですよ!切り伏せたホビットの亡骸も気付いたら、そこにないのです!」

兵士長「…どうなってるんだ!」

兵士8「それから一つ厄介なことが…」

兵士長「まだあるのか!?」
631: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/20(金) 21:50:11 ID:RvsogzPv8w
ズブッ ズシャッ

ダダダッ

兵士8「あぁ!あれです!?」オロオロ

兵士長「な、なに…!」


兵士9「死ねぇ!」ブンッ

ティラーナ「」サッ

兵士9「おおっとと!」スカッ フラフラ

兵士10「だぁっ!?」シュバッ

ティラーナ「」ヒョイッ

兵士9「こざかしい!」イライラ

兵士10「おとなしく死ねぇ!?」ドドッ

ティラーナ「」ビュッ

兵士9「うわっ!」ビクッ

ドスッ

兵士10「な、な…!」ズシャッ

兵士9「ば、バカめ!武器を投げるとはな!たとえ片方は仕止めても…」

ティラーナ「」ジャッ ヒュンッ

兵士9「」ピクッ

ズバァッ

兵士9「は…やい」プシャァァ

ティラーナ「武器ならお前達から借りればいい…。死骸は頼まなくても貸してくれる…」ブツブツ

ティラーナ「人間は皆殺しだ…!」ダッ
632: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/20(金) 21:51:21 ID:RvsogzPv8w
兵士長「あのホビットは異彩を放っているな…。武器の扱いに長けているし身のこなしがずば抜けて器用だ」

兵士8「ただでさえ体が小さくて的も狭いのにあの動きをされてはかすらせるのも至難の技です…!」

ビュッビュッ ドスッ

兵士長「な、なるほどな…。あれの孤軍奮闘が我々の兵力を分散しているのか…」

兵士8「他のホビットも侮れません!素早い動きと巧みな連携で執拗に兵を削っています!」

兵士長「か、数は勝っているんだ。一匹ずつ確実に……」

???「いい考えだね?」ザッ

兵士長「だ、だれだ!?」クルッ

ドスッ

兵士8「っ…!っ…!」パクパク

ラム「一匹ずつ確実に仕止めればいいんだ…」グチュグチュ

兵士長「きっ…さまぁぁぁあ!!」ブンッ

ガキィッ!

兵士長「!?」ギギッ

バンパ「させるか…よ!」ギャリィンッ

兵士長「ぬぐっ!」ズサッ

バンパ「生まれてこの方、剣なんか持った事ねぇけど…おっさんぐらいなら倒せそうだな?」ニシシ

兵士長「き、き、きさまぁ…!」ムクッ
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sage:


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