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カロル「ボクが世界を変えてみせる」
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


593: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:53:59 ID:2Zx7AsMyp6
ティラーナ「時間がないんだ…!早くしないとタワンテさんが殺されてしまう!」

カロル「え!?じゃあ助けなきゃ!?」

ラム「ほら、はじまった…」

バンパ「いやいやカロル?実はな、そいつは裏切り者なんだ?同族を騙して……」

カロル「昔のことはいいじゃない!助けてあげようよ?」

バンパ「いやいやいやいや」

ラム「だから言ったじゃないか!?」

シープ「うーん…まぁいいんじゃない?どうせ行くんだし?」

ラム「そ、そうだけど…こんな奴の頼みを引き受けた形で行きたくない!」

カロル「意地悪しちゃダメだよ!」

ラム「うるさいな!君は黙ってろよ!」

カロル「ラムくんが言ったんじゃない!同族を助けるって!」

ラム「同族は同族でも…こいつは裏切り者だ!」

カロル「分からず屋!」

ラム「君にだけは言われたくないね!」

バンパ「や、やめとけって…」

シープ「ラムがムキになるなんて珍しいね?」

バンパ「言ってる場合かよ…。まず舞台に着かなきゃ始まらねぇのに…」
594: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:56:53 ID:HYX0Ob9k1M
―――舞台―――

ウォルター「おーおー!そんなもんか?あぁ!?」バババッ

タワンテ「うぐっ!」ドフッ

ウォルター「はっ!張り合いのねぇ?」スタスタ

タワンテ「ドゴへ…行グノデス…?」ヨロヨロ

ウォルター「」ヒョイッ

タワンテ「(…さっき投ゲタ…ナイフを!?)」クラッ

ウォルター「遊びは終いだ?」ギラッ

タワンテ「う…はぁ…!」ググッ

ウォルター「安心しな?楽には逝かせねぇよ?」ビュンビュン

ウォルター「惨たらしく殺してやる?」ニタァァ

タワンテ「(ティラーナ…!)」ギュッ

ウォルター「」ダッ

タワンテ「…ハァッ!」ヒュンッ

ウォルター「おそおそおっそーい!?」キンッ

カンッカンッ ポトッ

タワンテ「マズッ…!?」ハッ
595: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:58:09 ID:L/A4t.oOjM
ウォルター「んじゃ解体ショーいってみよー!?」シュバッシュバッ

タワンテ「あっく…!」ブシャッ

ウォルター「脛!腿!股!脇!右腕!指!左腕!手の甲!胸!首!頬!唇!鼻!右目!左目!」シュババババッ

ビュバッ ザシュッ ブスッ ビシャッ

タワンテ「ぎやああああああ!!」スバババババッ

ウォルター「はい、寝転んだー」ドカッ

タワンテ「」ダァンッ

ウォルター「」ペロォ

ウォルター「いぃ〜いねぇ?血も滴るいい男だろぉ?」ジュルリ

タワンテ「」ビクンッビクンッ

ウォルター「ふんっ!」ビュッ

ドスッ!

タワンテ「」ゴフッ

ウォルター「もっとくれよ?」グリグリ

タワンテ「」ブバァッ

ウォルター「ハァァ…!血飛沫ちゃ〜ん…!」ピチャッ

ウォルター「ハッハー!」ガバッ

手下2「……!」

ウォルター「ずず…んまっ!」ジュルジュル

手下2「な、なにやってんだ…!?」ゾゾォ

ヒィィィィィィィ!

手下2「血を啜るなんてやり過ぎだ…!客もドン引きじゃねーか!?」
596: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:59:34 ID:L/A4t.oOjM
ウォルター「ぷはぁっ!この一杯の為に生きてるって感じだなぁ〜!?」ゲプッ

タワンテ「ティ…ラーナ」グッタリ

ウォルター「お!しぶといな?」ジロジロ

タワンテ「いき…て…ティラ……ナ」ボソボソ

ウォルター「……ティラーナ?」

ウォルター「」ハッ

ウォルター「おい!今すぐ舞台降りてテントを確認しろ!?」

手下2「え!?」

ウォルター「早くしろぉ!!」

手下2「うっす!」ダッ

ウォルター「タワンテぇ…!」ギリッ

タワンテ「」ニンマリ

ウォルター「これが狙いか!ハナッから時間稼ぎが目的だったんだな!?」ガシッ グイッ

タワンテ「ど…族に……悪イ事を…シテキ…マシタ」ゼェゼェ

ウォルター「んなこたぁ知らねぇんだよ!?」ユサユサ

タワンテ「スミマセン…愛すべき…同胞たち…」ブラブラ

ウォルター「言え!?どこだ!?ティラーナはどこだ!?」

タワンテ「……」フッ

ウォルター「ちぃっ!?くたばりやがった!?」ダンッ

タワンテ「」ゴロン
597: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:00:57 ID:HYX0Ob9k1M
〜〜〜走馬灯(タワンテ)〜〜〜

ウォルター「おう、タワンテ?お仲間を連れてきてやったぜ?」

タワンテ「仲間?」

ウォルター「やっぱ一匹じゃ限界があるからな?そいつも手伝わせろ?」

ティラーナ「…ティラーナと言います…」ボソボソ

タワンテ「ドーモ?」ペコリ

ウォルター「後はこいつから教われ?」

ティラーナ「分かりました…」ボソッ

タワンテ「ヨロシクお願いシマス。助け合ッテいきましょう?」

ウォルター「難しいこたぁねぇさ?仲間を売るだけの単純な作業だ?」

ティラーナ「……」
598: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:04:18 ID:w4WKmrgy6I
イヤダァァァ

ティラーナ「ごめ…なさい…」ボソッ

タワンテ「生キル為デスよ?」ポンッ

ティラーナ「タワンテさんは…非情なんですね…」プイッ

タワンテ「光栄デス?」

ティラーナ「褒めてません…」

タワンテ「」クスッ
599: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:05:23 ID:w4WKmrgy6I
タワンテ「暴れナイ暴れナイ」ググッ

ホビットの女の子「イヤだ!帰してよ!ママのところに帰りたい!」ジタバタ

ティラーナ「た、タワンテさん…離してあげて…可哀想…」

タワンテ「そうデスね?ママがいるなら離シマショウ?」パッ

ホビットの女の子「あーん!!」ダッ

ティラーナ「無事に逃げてくれるといいですね…」

タワンテ「何言ッテルンデスか、追イマスよ?」ダッ

ティラーナ「えっ」

タワンテ「」タタタッ

ティラーナ「ま、待って…!」ダッ
600: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:06:16 ID:RvsogzPv8w
メスのホビット「むがむぐ」モゴモゴ

タワンテ「案内シテクレテありがとうございマス?」ニンマリ

ホビットの女の子「ま、ママー!?あーん!!」ビエーン

ティラーナ「タワンテさん…!いけません…!」

タワンテ「家族が居ルのを打ち明けたコノ子が悪いノデス?」

ティラーナ「同族ですよ…!」

タワンテ「ヘタに逃ガシテお仕置きサレルよりマシです?」

ホビットの女の子「あーん!!パパー助けて!?」

タワンテ「パパも居マシタか?」ニンマリ

ティラーナ「タワンテさん!!」

601: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:07:25 ID:RvsogzPv8w
ジュージュー

ギャアアアアアア

手下「お前らもこうなりたくなかったら裏切ろうとか考えるなよ?」

ティラーナ「」ウプッ

タワンテ「ヨクご覧なさい?アレが逃ゲタ仲間の末路デス?」

ティラーナ「もう…イヤだ…」

タワンテ「ワタシとの仕事をヤメマスか?アナタもああなりマスよ?」

ティラーナ「」ブンブンッ

タワンテ「デハ頑張らナイと?」

ティラーナ「……」シュン

タワンテ「…ソンナに悲しい顔をシナイデクダサイ?」

ティラーナ「悲しいんです…!」

タワンテ「……」

ティラーナ「残酷なこの世界に…悲しみ以外の感情が生まれないんです…!」ブワッ

タワンテ「オヤオヤ…」
602: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:10:18 ID:RvsogzPv8w
タワンテ「入りますよ?」ガチャッ

ティラーナ「」ダラー

タワンテ「ティラーナ!?」ガバッ

タワンテ「い、今…血止めを…!」ビリィッ

ティラーナ「やめ…て」ボソッ

タワンテ「エ?」

ティラーナ「…死にたい…」ダラー

タワンテ「バカを言うんじゃアリマセン!死んだッテ何も解決シマセンヨ!」グルグル

ティラーナ「」ボーッ

タワンテ「」ギュッ

タワンテ「コレでヨシ!もう二度と手首ナンカ切ッテはナリマセンヨ?」ペシッ

ティラーナ「っ…なんで?」

タワンテ「ナンデも何も当然の事デショウ?」

ティラーナ「…同族は見捨てるのに…」ボソッ

タワンテ「……ソウデスね?ワタシはヒドイ男デスよ?」

ティラーナ「……」

タワンテ「でも…アナタは唯一、共に生きられる仲間ナノデス」

タワンテ「同胞を見捨て…人間に利用サレテ終える筈だった命を…アナタが照らしてくれた」

ティラーナ「……!」

タワンテ「ワタシにはアナタしかいないンデス…」

タワンテ「お願いデスから…これ以上、ワタシを孤独にシナイデクダサイ」

ティラーナ「…タワンテさん」

タワンテ「生きマショウよ?たとえ幸せにはなれなくても…支えがあれば生きてイケマス?」

ティラーナ「…分かりました。生きましょう…?二人で…?」

タワンテ「ハイ!」ニンマリ

………………
603: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:16:30 ID:RvsogzPv8w
―――荷車―――

バンパ「結局付いてきやがった…」

ティラーナ「すまない…。恩に着る…」

カロル「大丈夫だよ?ボクたちも最初から舞台に行くつもりだったから?」

ラム「あっさり許して…君って一つも学習しないよね、ホント?」

バンパ「おい、向こうの状況はどうなってんだ?」

ティラーナ「た、たぶん…タワンテさんが拷問を受けてる…殺されてはいないはずだ…」ボソボソ

バンパ「ちっ!ボソボソ喋りやがって…タワンテなんかどうでもいいんだよ!向こうの戦力は?」

ティラーナ「や、約500の人間が…ショーを見てる…。ヘマトバザールは首領のウォルターと二人の手下だけだ」

バンパ「…500か。勝ち目ねぇな」

ラム「観客は相手しなくていい。ヘマトを潰すだけなら十分さ」

シープ「でも観客が襲ってきたらどーするの?」

ラム「…普通の人間なら、まず襲ってはこないよ。むしろ混乱してまともな判断が出来なくなるんじゃないかな?」

バンパ「観客って王国だろ?兵隊わんさかいるんじゃねぇか?」

カロル「そ、それに何万人も教団の人間が来てたよ?」

シープ「えー?やっぱりムリだよー?逃げようよ?」

ラム「ダメだよ!今、逃げても同じ事の繰り返しだ!せめてヘマトだけでも潰さなきゃ!」

カロル「で、でも…もし大人数で乱戦になったら癒しの力だけじゃ間に合わないよ?」

ザワザワ ザワザワ

ラム「作戦通りにやればなんとかなるよ」

コンコン コンコン

バンパ「…合図だ!?」

シープ「あ〜…着いちゃった…!」

ラム「みんな…!息を潜めて…!」

カロル「……!」パッ

ティラーナ「」ゴクッ
604: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 20:43:43 ID:/alaW15cT.
―――舞台―――

ザワザワ ザワザワ

手下2「大変だ!ウォルターさん!」ダダダッ

手下2「ティラーナがどこにもいねぇ!?」

ウォルター「クソがっ!?」

ワイワイガヤガヤ

手下2「あんまり客も待たせらんねぇし…いっそ中止にしませんか?」

ウォルター「……それしかねーやな。一応さっきのでオチは付いたしよ」

手下2「いや、オチってかアレは……ん?」

ウォルター「あぁ?どうした?」

手下2「…おぉ!間に合った!?」

ウォルター「なに…!」


ガタンゴトン ズルズル
605: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 20:45:40 ID:Qm.q8qFlDs
ウォルター「…おっせーじゃねぇか!」イライラ

黒装束1「すみません」

手下2「いいからさっさと開けろ!待たせてんだぞ!?」

黒装束1「はい」ガチャッ

黒装束2「」ガララッ

ウォルター「……!?」バッ ガシッ

手下2「えっ」グイッ

ビュンッ ビュンッ ビュンッ ビュンッ

ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ

手下2「ばっ!?ばばばっ!?」ズンッズンッズンッズンッ

ウォルター「……」ポイッ

手下2「ひゅっ!ひゅっ!」ドサッ

ラム「奇襲に気付くなんて、さすがに勘がいいね?」クスッ

バンパ「仲間を盾にするなよ…。相変わらず最低のクソヤローだ!」スタッ

シープ「あれー?おじさん一人だけ?もう仲間はいないの?」キョロキョロ

ウォルター「やってくれたなぁ…!?」ブチブチッ
606: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 20:46:34 ID:/alaW15cT.
ゾロゾロ ゾロゾロ

ウォルター「…あ?」

ラム「お前らに捕まった120の同族、みんな解き放ってあげたんだ?」ニコッ

ウォルター「……」ギロッ

ラム「今までの恨みを全部ぶつけてやる…!」キッ

ウォルター「おーおー?怖い怖い?ヘマトバザールは壊滅、俺も殺されるかもなぁ?」

ウォルター「だが?」チラッ

ズラァァァァ

ウォルター「各国の軍隊が集まるこの日に…お前ら運が無さすぎるぜ?」ニヤリ

ラム「運なんて…最初から信じてない」

ウォルター「ほう?」

ラム「お前たち人間がいる時代に産まれた…それが僕らの不運だ!」

ウォルター「ハッハッハ…そりゃ気の毒になぁ?」ヘラヘラ
607: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:01:17 ID:Qm.q8qFlDs
―――客席最前列―――

大臣「んぅ〜?あれもショーの一環ですかなぁ?」

国王「そ、そうは思えん…」

政務官「…イカれた連中のすることだ。計算付くかもしれない。神官はどう思われる?」

アントリア「どう見てもホビットの反逆でしょう?」

政務官「……え?」

アントリア「過激なショーに慣れすぎて感覚が麻痺しているのは致し方ないが…さすがにこの状況は見極めた方がいい?」

大臣「な、なんですとぉ〜!?」ガタッ

国王「何ゆえホビットが!?」

アントリア「なんらかの手違いで大勢のホビットを逃がしてしまったのでは?」

政務官「れ、冷静に構えてる場合か!?」

アントリア「冷静さを欠いている場合でもないと思うがね?」

国王「くっ…そういえば…先ほどからおかしいとは思っていた…!なぜ気付けなんだ!?」ギリッ

大臣「わ、わたくしも頭がボーッとして…」クラッ

政務官「くそ!どうなってる!?」イライラ

アントリア「(…タイマの効能か。この面々を相手に仕込んでいたとは…彼も恐れ知らずだな)」
608: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:02:51 ID:Qm.q8qFlDs
アントリア「まだ他国の方々はピンときていない筈だ。事態が悪化する前に避難させたまえ?」

政務官「う、承った!」ダッ

アントリア「大臣は各部隊に知らせ、ホビットを制圧させなさい?」

大臣「お、お任せくだされ!」タップンタップン

国王「贅肉の遅足には任せておけん!余が直接指揮を執ってくれる!」ガタッ

アントリア「陛下は避難なさってください」ガッ

国王「なっ…!」

アントリア「失礼ながら…貴方には荷が重い?」

国王「〜〜〜!」ワナワナ

アントリア「さぁ行きましょう?最前列にいては間違いなく攻撃を受けてしまいます」

国王「余は…!余は…!」

アントリア「恥じる事はありません?貴方が役立たずなのは民も承知しております」スタスタ

国王「…ぶ、無礼者!」カッ

アントリア「死にたければ、そこに残っていたまえ?」ジロッ

国王「う…!」

アントリア「覚悟がないのなら、さっさと逃げてしまえ?」

国王「うぅ…!」スタスタ

アントリア「懸命だ?」スタスタ
609: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:04:07 ID:/alaW15cT.
妃「此度の劇は趣向を凝らしておいでですのね?見ていて飽きませんわ?血を吸うのはやりすぎでしたけど?」バッサバッサ

ヒメ「」ゲッソリ

団長「おいたわしや…!」ホロリ

政務官「申し上げます!皆様、即座に護衛を連れて避難していただきたい!」タタタッ

政務官「あれはショーの一環ではございません!ヘマトバザールの不手際により、脱走したホビットの暴走なのです!」

政務官「この場は王国軍、近衛兵団が対処に当たり、責任を持って決着を付けます!」

妃「え!?」

ヒメ「?」

団長「…なんだと!」ガタッ

政務官「この度は誠に申し訳ございません!後程、改めてお詫びさせていただきます!速やかに避難なさってください!」

ウワァァァァッ

ダダダダダダダダッ

妃「イヤァァァァ!?」ダッ

団長「き、妃様!」

団長「(我が子を置き去りに逃げるとは…非常識にも程がある!)」
610: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:06:12 ID:/alaW15cT.
団長「王子も安全な場所へ避難してください!」

ヒメ「…あ、あぁ」スクッ

大臣「コヒュー!コヒュー!こ、ここに…いましたか…!」ゼェゼェ

団長「だ、大臣!」

大臣「け、警備体制を解き…すぐさま…ホビットの制圧に向かいなさい!?」ゼェゼェ

団長「し、しかし王子がまだ…!」

大臣「王族なんていくらでも替えが利くんですよ!?それよりも国の名誉を優先なさい!?」プンスカ

ヒメ「……」

団長「き、聞き捨てならん!」イラッ

大臣「あのねぇ〜!?どういう事になってるか分かってます!?」

団長「は!?」

大臣「他国の信頼を今まさに失ってる真っ最中なんですよぉ!一刻も早く解決しなきゃどんどん問題が大きくなるんですよぉ!?」

団長「くっ…!?」

大臣「国家と王子、どちらを優先するべきか考えなさい!」

ヒメ「行け?逃げるだけなら一人で十分だ」

団長「…!」

ヒメ「大臣の言う通りだ。僕なんかより国を優先しろ!」

団長「か、かしこまり…ました!」ダッ

大臣「…わたくしも避難しなければ!さ、王子も?」

ヒメ「」ダッ

大臣「あ、ちょっどこへ…」

タタタッ……

大臣「あ〜あ…ま、いいでしょ。死んでも代わりはいますしね」タッタッ
611: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:09:25 ID:/alaW15cT.
―――舞台―――

バキッ ドカッ ガッ ビシッ

ドサッ バタッ ダァンッ!

バンパ「怯むな!怯んだらやられるぞ!」ヒュンッ

ウォルター「ちっ!」ガチィン

シープ「やあっ!」ビュッ

ウォルター「足でも舐めてろ!」ゲシッ

シープ「ぎゅっ!?」ゴスッ

ウォルター「(き、キリがねぇ…!いつまでももたねぇぞ…!)」タッ

ゾロゾロ ゾロゾロ

ウォルター「う…!囲まれてやがる!?」ピタッ

ラム「逃がさないよ?」バッ

ウォルター「しゃらくせぇ!」ビュッ

ラム「ぐあ…!今だっ…!」ズンッ

バンパ「おう!」ヒュッ

ウォルター「おっと!」サッ

バンパ「かわされたか…!」キッ

ラム「ぶふ…!」ゴフッ

「俺たちだっているぞ!」ビュッ

「死ね!」ヒュンッ

ウォルター「らぁ!?」シュバッ

ザシュッ スバッ

ドサッ ドサッ

バンパ「大丈夫か!?」

ウォルター「(全員を相手してたら無理だ…!一か八か…文字通り突破口を切り開くしかねぇわな?)」

ウォルター「(にしても王国の兵隊はなにしてんだ!?なんでさっさと動かねぇ!?)」
612: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 21:10:54 ID:/alaW15cT.
ギャーギャー ギャーギャー

死体「」

ティラーナ「た、タワンテ…さん?」フラッフラッ

ティラーナ「ど…して…」ガバッ

ティラーナ「こんな…こんな…おぞましい姿…!」ブワァッ

ティラーナ「…あなたの面影さえ…ない!」ボロボロ

ティラーナ「ごめんなさい…!」ギュッ

死体「」

兵士1「そこのホビット!速やかに舞台上から降りろ!」

兵士2「言う通りにしなければ攻撃を開始するぞ!」

ガヤガヤ

ティラーナ「うるさい…!」スクッ

兵士1「なんだと?状況を分かっていないのか?こちらは500の兵が…」

ティラーナ「うるさい!」バッ

兵士1「だ、壇上から降りたぞ!構えろ!」スラッ

兵士2「や、やる気か!」スラッ

ザシュッ ザシュッ

兵士1「あ…は……」バタッ

兵士2「は…早い…!」ガクッ

ティラーナ「私だって…ウォルターにナイフ術を叩き込まれた…!実戦だって重ねてる…!」

兵士2「ぐ…!くそっ…!」ググッ

ティラーナ「ナメるな…!」ダッ

ビシャアッ ギャアアアアアア
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sage:


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