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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


638:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 21:01:43 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「備え付けのベッドで寝てくれ。もう遅いからなるべく静かにな?」バサッ

カロル「はい」

ジョー「柵越しで悪いが受け取ってくれないか?」つ【毛布】

カロル「ん…ありがとうございます」パシッ

母「何から何まですみません」ペコリ

ジョー「いやいや」

カロル「ジョーさんはどこで寝るの?」

ジョー「あぁ、俺のことは気にすんな。まだ寝ないから」

カロル「うん…」

ジョー「(こいつ、ホントに分かってないんだな…)」

ジョー「(そういや宣教師さんをほったらかしにしたままだったか)」
639:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 21:02:56 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「」ソーッ

宣教師「」スヤスヤ

ジョー「…そりゃそうか」

宣教師「」スヤスヤ

ジョー「あんなに会いたがってた相手が隣の牢屋に入ってるって知ったら、どんな顔すんだろな…」

ジョー「(更に二人も牢屋に抱えちまって、間違いなく休暇は増やせないな…)」

ジョー「……ん?」チラッ

母&カロル「くぅ…くぅ…」スヤスヤ

ジョー「もう寝てるよ…」

ジョー「……よっぽど疲れてるんだな」

ジョー「俺も少ししたら寝るか…」
640:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:27:56 ID:ZFsnQBBly6
――――――

宣教師「……」パチッ

???「どうしたの?」

宣教師「えっ」

???「お姉ちゃん、お話してたのに寝ちゃうんだもん。びっくりしちゃった」

宣教師「キミは…?」

???「へ?」

宣教師「キミは…誰ですか?」

???「ボク?ボクは???だよ!」

宣教師「え…?すみません、聞き取れな……」

???「さっき教えたじゃない。ボクもお姉ちゃんも」

宣教師「そう、でしたか?」キョトン

???「お姉ちゃん、どうしたの?」

宣教師「あ、いえ…なんでもありません」

宣教師「(なにがなんだか分かりませんが…夢、という解釈でいいのでしょうか?)」

宣教師「(夢は記憶を整理する為の作業。逆らったところで意味もない…)」

宣教師「(それなら懐かしい思い出に身を委ねるのも、いい気分転換になるかもしれません)」

宣教師「(さて、これは一体どの場面なのでしょうか…?)」
641:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:31:10 ID:YsB2Ns3Klg
???「」サクッサクッ

宣教師「それは…?」

???「お姉ちゃんがくれたんでしょ?」

宣教師「あ、あぁ…そうでしたね」

???「ねぇ、コレってなんて言うの?」

宣教師「それはビスケットですよ」

???「へー。初めて食べた!」

宣教師「おいしいですか?」

???「うん!」ニコッ

宣教師「そうですか」ニコニコ

宣教師「(これは…あの日の記憶?)」

宣教師「…となると、いい思い出ではなさそうですね」ボソッ
642:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:49:54 ID:OplxH4gICE
???「お姉ちゃんはどうしてボクに話しかけてくれたの?」

宣教師「…そういえば思い出せませんね」

???「えー!分からないの?」ビックリ

宣教師「…ところでキミは顔を見せてくれないのですか?」

???「ずっと見てるじゃない?」

宣教師「…霧掛かっていて見えませんね」

???「そう…じゃあまだ思い出せないんだね」

宣教師「……?」

「おい!」

宣教師「」ビクッ

「何してんだよ。裏通りには行っちゃダメだって、母さんに言われたろ?」

宣教師「お兄…ちゃん?」
643:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:54:18 ID:OplxH4gICE
兄「なんだ、兄ちゃんの顔も忘れたのか?」

宣教師「なぜ…だって…お兄ちゃんは…」

兄「どうした?様子が変だぞ?」

宣教師「あ、ううん…なんでも、ないよ」

兄「一人で何してたんだ?」

宣教師「一人?」

兄「一人でぶつぶつ喋ってたじゃないか?」

宣教師「いない…!」

兄「はぁ?」

宣教師「そこにいた男の子は?」

兄「そこには最初からお前しかいなかったぞ?」

宣教師「そんな…そんな筈は…」

兄「大丈夫か、何かあったのか?」

宣教師「お兄ちゃんも見たでしょう!私と話してた子を!」

兄「見てないよ」

宣教師「どうして…」

兄「…いいんだよ。そんな奴はいなくて…」

宣教師「…お兄ちゃん…?」

兄「あいつはいなくていいんだ」

宣教師「なに…?」

カァァァ!

宣教師「きゃっ」

宣教師「視界が…まぶしい…!」

………………
644:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:58:23 ID:QE/RDjeSTw
―――大聖堂(地下牢)―――

宣教師「」パチッ

宣教師「ふむ。やはり夢でしたか」ムクリ

宣教師「(ずいぶんと不思議な夢でしたね…。一体なんだったのでしょう?)」

ジョー「おっ!起きたか?」

宣教師「あ、ジョーさん。おはようございます」ペコリ

ジョー「おはよう。朝飯ならそこに置いてあるぜ」

宣教師「あの…お母様の件はどうなったのですか?」

ジョー「ん?あぁ、いいんだよ。行かないって決めたからさ」

宣教師「え?行かないのですか?」

ジョー「まぁ頼んではみたけど休暇が貰えなくてさ」

宣教師「そんな…!ちゃんと事情を話せば分かってもらえる筈です!」

ジョー「いいって、いいって!別に今すぐじゃなくても人間、そうそう死にはしないよ」

宣教師「それでいいのですか?」

ジョー「…そんな事よりさ、あんたに朗報だぜ」

宣教師「朗報?」キョトン
645:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:00:31 ID:QE/RDjeSTw
ジョー「隣の牢にホビットの親子が入ってる。あんたの知り合いじゃないか?」

宣教師「」ゾワッ

宣教師「ま、まさか」

ジョー「昨日の夜、神父が連れてきて俺に押し付けたんだよ」

宣教師「……!」

ジョー「二人ともぐっすり寝てるよ。よっぽど疲れてたんだろうな」

宣教師「…捕まってしまったのですか」

ジョー「そう落ち込むなよ。さんざん会いたがってたじゃないか」

宣教師「こんな形での再会は望んでません…」

ジョー「……」

宣教師「司祭様はどういうつもりでいるのでしょう…」

ジョー「さぁな。俺には司祭様の深い胸の内を知る事はできないよ」

宣教師「私の力が足らないばかりに…二人をこんな目に合わせてしまうなんて」

ジョー「……」
646:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:03:15 ID:OplxH4gICE
カロル「ん…」モゾモゾ

母「」スヤスヤ

宣教師「なんとかならないのですか?」

カロル「……(宣教師さまの声…?)」

ジョー「なんとかって言われてもな」ポリポリ

カロル「(昨日のお兄さんもいる)」

宣教師「彼らに罪などありません。出してあげてください」

ジョー「おいおい、無茶言うなよ」

宣教師「では司祭様に会わせてください。私が話をつけます!」

ジョー「なに言ってんだ。そんな事出来る訳ないだろ?」

宣教師「決めつけていては何もなりません!」

ジョー「あんまり声を出すと二人が起きちまうぞ?」

宣教師「……!」

ジョー「あんたには酷だが、この二人はどのみちロクな事にならないよ」

宣教師「…カロルくんとお母様が不幸になっていくのを、ただ黙って見ていろと?」

ジョー「あぁ、そうさ。それにこいつはあんたにとってもチャンスなんだぜ?」

宣教師「……?」

ジョー「司祭様は一度だけ、こいつらを見に来る。ホビットを捕らえた時はいつもそうだからな」

宣教師「つまり…」

ジョー「そうだよ。そこであんたがこいつらに騙されてたと言えば、司祭様は信じるかもしれない」

宣教師「……」

ジョー「もちろん、そうなればこいつらの罪は確定して罰が下されるだろうが…」

ジョー「しょせんこいつらはホビットだ。どうあったって裁かれる存在なんだ」

ジョー「だったら下手に庇って一緒に罪を被るより、あんただけでも助かった方がいい」

宣教師「……」

カロル「……」
647:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:05:59 ID:QE/RDjeSTw
宣教師「冗談はよしてください」

ジョー「なに言ってるんだ。俺は本気だぜ」

宣教師「なぜ私の為に二人が罰せられなければならないのです?」

ジョー「別にあんたの為にじゃない。どっちみち裁かれる運命なんだよ」

宣教師「絶対に嫌です。私は…そのような醜い手段を使ってまで生き延びたいとは思いません」

カロル「……!」

ジョー「じゃあどうするんだ。このまま共倒れすんのか?」

宣教師「カロルくん達だけでも助けられるよう、司祭様に懇願します」

ジョー「バカ!それが無理だって言ってるんだ!」

宣教師「なんと言われても結構です。神に仕える者として、私の前で罪無き者を裁かせはしません!」

ジョー「…あきれた奴だな」

カロル「(宣教師さま…)」ウルッ
648:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:09:59 ID:OplxH4gICE
カロル「(そっか。ここ、牢屋だったんだ…)」

カロル「(この中でもずっと、ボクらを心配してくれてたんだ…)」グスッ

ジョー「はぁ…勝手にしろよ!」

宣教師「言われなくてもそうします」

ジョー「ちっ…!最後まで分からず屋だったな!」

宣教師「どこへ行くのですか?」

ジョー「広間で一服してくんだよ!」

宣教師「待ってください。二人の分の朝食は用意してあるのですか?」

ジョー「ホビットの為に飯を作る人間が、ここにいると思うか?」

宣教師「……」

ジョー「そんなに心配なら自分の飯を分けてやれよ。柵の隙間から渡せるもんならな!」

宣教師「なっ…」

ジョー「くれぐれもスープはこぼさないでくれよ?
パンなら食えなくなるだけだが、汁物は後片付けが面倒だからな」

宣教師「…!」キッ

ジョー「ふん!」スタスタ

カツンカツン カツンカツン
649:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:13:26 ID:QE/RDjeSTw
宣教師「ジョーさんがあんな人だとは思いませんでした!」プンスカ

カロル「宣教師さま?」

宣教師「」ビクッ

カロル「おはようございます」

宣教師「か、カロルくん…。起きていたのですか?」

カロル「はい」

宣教師「…聞いてました?」

カロル「……」

宣教師「あ、あの…先ほどの話は言うなれば…その…う、嘘のようなものでして」アセアセ

カロル「平気、何も聞いてないよ?」ニコッ

宣教師「ホッ…それは良かったです」

カロル「…宣教師さまの声、久しぶりな気がするね」

宣教師「そ、そうですか?」

カロル「うん…。懐かしくて、なんだかすごく嬉しいや」

宣教師「カロルくん…」

カロル「でも顔が見れなくて、ちょっぴり残念かも」

宣教師「…そうですね」
650:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:15:25 ID:OplxH4gICE
宣教師「ふふ。私もキミの声が聞けて嬉しいです」ニコニコ

カロル「ホント?」

宣教師「もちろん。片時もあなた達を忘れた事はありませんよ?」

カロル「ボクも忘れなかったよ!宣教師さまのこと!」

宣教師「おや、本当ですか?」

カロル「うん!ホント!」

宣教師「てっきりルーボイくんやパッチくんと遊ぶのに夢中で忘れてるかと思いました?」ニコッ

カロル「う…そんなことないです!」

宣教師「一瞬言葉に詰まりましたね?」ニコニコ

カロル「…いじわるですよ?」ムスッ

宣教師「ふふ…」ニコニコ
651:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:18:27 ID:QE/RDjeSTw
宣教師「みんなの様子は変わりありませんか?」

カロル「……」

宣教師「カロルくん?」

カロル「…うん。みんな元気だよ!」

宣教師「そうですか。それは何よりです」ニコニコ

カロル「……」

宣教師「キミはここへ連れてこられたのですか?」

カロル「ううん…」

宣教師「へ?」

カツンカツン カツンカツン

宣教師「……?」

カロル「ジョーさんかな?」

宣教師「さぁ…誰でしょうね?」

カツンカツン カツンカツン
652:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:29:47 ID:eXZVFIc0MI
カツンカツン

宣教師「あなたは…!」

ダガ「なんだ、ジョーはいねぇのか…」

宣教師「…ジョーさんでしたら広間に行きましたが?」

ダガ「…都合がいいじゃねぇか」

宣教師「はい?」

ダガ「ん?こいつは…」ジロッ

カロル「」ビクッ

宣教師「……!」

ダガ「…ホビットか」

カロル「はじめ……」

ドッ! ガシャァッ!

カロル「わっ」ビクッ

ダガ「人間様に口を利くんじゃねぇよ。このドブネズミが…」

宣教師「なにをしてるんですか!?」

ダガ「柵に蹴りを入れただけだろうが?」

宣教師「相手は子供ですよ…!」

ダガ「子供?アッハッハッハ!!」ゲラゲラ

宣教師「何がおかしいのです…?」

ダガ「ドブネズミに子供もクソもあるか!おかしな事を言いやがる!」ゲラゲラ

カロル「」ブルブル

ダガ「ふふ…ふふ…。こんなに笑ったのは久しぶりだぜ」ニヤニヤ
653:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:38:41 ID:eXZVFIc0MI
ダガ「ふ…どうした?眉間にシワなんぞ寄せて?」ニヤリ

宣教師「…それ以上、無闇に彼を傷付けるのはおやめなさい。私に用があるのでしょう?」

ダガ「分かってんじゃねぇか?」

宣教師「……」

ダガ「そう睨むなよ?別に取って食おうって訳じゃないんだぜ?」

宣教師「どうでしょうね…」

ダガ「今日はジョーの事で話があって来たんだ…」

宣教師「ジョーさんの?」

ダガ「あぁ。あいつの母親が病を患ってな。奴はその見舞いに行きたいらしい」

宣教師「その話ならすでに聞きましたが…」

ダガ「やっぱりな…」

宣教師「どういう事ですか?」

ダガ「休暇が取れなかったのも聞いたか…?」

宣教師「はい」

ダガ「そうか。なにせ休暇が取れないのはてめぇのせいだもんな…?」

宣教師「私の?」
654:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:39:55 ID:eXZVFIc0MI
ダガ「知ってたんじゃないのか…?」

宣教師「それは聞いていませんでしたが…」

ダガ「お前の見張りで奴は管轄を離れられねぇのよ…」

宣教師「トトさんに頼めば代わってくれるのでは?」

ダガ「そうはいかねぇ。トトには俺からキツイ仕事をプレゼントしてやったからなぁ…」ニヤリ

宣教師「…」

ダガ「かわいそうになぁ…?奴は母親の見舞いに行けないそうだ?」

宣教師「まさか…」

ダガ「ぐふふ…どうした?」

宣教師「ジョーさんの事情に付け込んだのですね?」

ダガ「人聞きの悪いことを言うなよ?
トトの奴が暇そうにしてたから善意で仕事をくれてやっただけさ…」

宣教師「私にどうしろと言うのです?」

ダガ「理解が早いな…。さすが優秀な宣教師さんだ?」ニヤニヤ
655:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:42:35 ID:GFjLj5QVz.
ダガ「そうさなぁ…。何をしてもらおうか?」ガシッ

宣教師「」ビクッ

ダガ「ふ…怯えなくていい。柵に隔てられる限りは安全だ…」ニヤァ

宣教師「怯えてなどいません…」キッ

カロル「」ドキドキ

ダガ「クックック…」ギュッ

宣教師「……?」

ダガ「ふん…!」グニィ ビキッ

宣教師「っ…!?」

ダガ「おっと、曲げるつもりが勢い余ってもげちまった?」ニヤニヤ

宣教師「お、脅しているのですか?」ビクビク

ダガ「ふ…そういう訳じゃねぇさ」ブンッ ポイッ

カシャンッ!

カロル「っ!」ビクッ

宣教師「」ビクッ

ダガ「さて、なんでも言う事を聞いてくれんだったな?」

宣教師「そ、そこまでは言ってません!」

ダガ「ほう…。ジョーが見舞いに行けなくなってもいいのか?」

宣教師「っ…!」ギリッ
656:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:45:58 ID:GFjLj5QVz.
ダガ「ん?どうする?」ニヤニヤ

宣教師「わ…かり、ました」

ダガ「あぁ?なんだって?」

宣教師「…好きにしてください」

ダガ「はっ…?まぁよしとしようか?」

宣教師「……」

カロル「ダメ!!」

ダガ「あぁ?」

宣教師「カロルくん…?」

カロル「その人はひどい事をするに決まってる!」

宣教師「……」

カロル「言う通りにしちゃダメだよ!」

宣教師「…キミも先ほど聞いたでしょう?」

カロル「……」

宣教師「私が言う通りにしなければジョーさんはお母様のお見舞いに行けないのです」

カロル「だからって…こんなの違うよ!」
657:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/8(水) 23:46:52 ID:GFjLj5QVz.
ダガ「おい、ドブネズミ?」

カロル「……?」

ダガ「……!」ググッ

ビキィッ!

カロル「」ビクッ

ダガ「てめぇもこの柵みてぇになりてぇか?」

カロル「あ…ぅ……」ブルブル

ダガ「ドブネズミごときが人間様の話に口出ししてんじゃねぇよ…」

カロル「」ブルブル

ダガ「あぁ?なんとか言ってみろ、おら?」

カロル「……」ブルブル

ダガ「はっ?縮こまるぐらいならハナから喋るんじゃねぇよ」
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