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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


618:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 21:52:57 ID:y3moFeW55g
ジョー「本なんか読んでないで聞けよ!!」

アリアス「なぜ?話は終わったはずよ?」

ジョー「バカ言うな!いつ話が終わったんだよ!?」

アリアス「何が不満なの?
私はあなたの希望通り、休暇を与えたし、助言もしてあげたでしょ?」

ジョー「き、休暇はたったの二日!助言は何も役立ってないだろ!」

アリアス「…さっきから鼻息荒く喋ってるけど、あなたは誰に口を利いてるの?」

ジョー「へ…?」

アリアス「あなたは雇われの牢屋番、私は本部の重役よ?」

ジョー「う……」

アリアス「…こんな事は言いたくないけれど、あなたの態度は少し度が過ぎてる」

ジョー「す、すみません…」

アリアス「自分でも思い当たらない?」

ジョー「は、はい。あまりに失礼な振る舞いでした…」

アリアス「…まぁいいわ。この際だから色々と教えてあげる」

ジョー「は…?」
619:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 21:54:42 ID:hEL1ryUmTQ
アリアス「まずあなたは組織に属してる事を知りなさい」

ジョー「……」

アリアス「組織とは大小や様々な系統はあれど、人と人が集まる場所」

アリアス「その中でそれぞれが自身の能力に合った働きをしている」

アリアス「そして足りない物を補う為に協力し合ってるの」

アリアス「当然、対人関係は大切になるわ?」

アリアス「あなたは対等の立場でない私に対して声を荒げたわよね?」

ジョー「はい…」

アリアス「つまり対人関係に気を配っていないと言えるわ」

ジョー「い、いえ…そんなつもりじゃ…」

アリアス「あなたにその気がなくても私にはそうとしか捉えられないの。分かる?」

ジョー「……」
620:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 21:57:45 ID:y3moFeW55g
アリアス「更に付け加えて言うなら、組織に身を置く人間として責任を自覚なさい」

ジョー「なっ…責任は持ってますよ!」

アリアス「はたしてそうかしら?」

ジョー「……?」

アリアス「あなたは極めて個人的な理由で休暇を申し立てたにも関わらず、与えられた日数に不満を漏らしている」

ジョー「だって…」

アリアス「なに?」

ジョー「こ、個人的かもしれないけど…俺にとっては外せない。一生後悔するかもしれない事なんです…」

アリアス「気持ちは分かるわ。たった一人の親ですものね?」

ジョー「……」

アリアス「けどね。あなたの事情を汲んでも二日の休暇、それが限界よ」

ジョー「……!」

アリアス「…あなたの空いた穴を埋めるのは簡単よ?
けれど一人の個人的な事情で長期の休暇を許せば、全体に堕落した意識が根付くかもしれない」

アリアス「誰もが自由に持ち場を空けて休んでも許されるようなぬるい空気になられても困るの」

ジョー「大げさですよ…」

アリアス「大げさなくらいがいいのよ。宣教師のような例もあるのだし」

ジョー「……」
621:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 22:01:44 ID:hEL1ryUmTQ
アリアス「そういう事だから、あなたにとって望ましい回答は出来ない」

アリアス「それでもまだ不満があるなら聞いてあげる」

アリアス「私は筋を通しているし、最大限に譲歩する努力はしたわ?」

アリアス「…さぁ何かある?
出来れば、これ以上の時間を奪われたくはないのだけれど?」

ジョー「いえ…」

アリアス「そう?納得してもらえてなによりね」

ジョー「……」

アリアス「出ていってくれる?
私はあなたと違って片付けなければならない事が山ほどあるの」

ジョー「はっ…」ガチャッ

バタンッ
622:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 22:03:25 ID:hEL1ryUmTQ
ジョー「くっ…!」

ジョー「(ちくしょう…!)」グッ

ジョー「たった二日でどうしろって言うんだよ…」

ジョー「……」トボトボ

ダガ「おっ」

ジョー「」トボトボ

ダガ「ふ…。今にもくたばりそうなツラしてやがる…」
623:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/19(金) 22:04:31 ID:y3moFeW55g
ガチャッ

ダガ「……」

アリアス「ノックくらいしてくれる?」ペラ

ダガ「うまくやったみたいだな?」

アリアス「当然でしょ?」

ダガ「ジョーの野郎、ひどく沈んでたぜ…?」

アリアス「それは悪いことをしたわね」

ダガ「ふ…お前もなかなかえげつねぇなぁ?
母親の手紙を偽って寄越すとはよ」

アリアス「……」ペラ

ダガ「ありゃ全部でたらめなんだもんなぁ?」

アリアス「……」

ダガ「ふ…。しかしあんな手紙に本当に乗せられるとは思っちゃいなかったが…」

アリアス「あの小娘がいなければ成立しなかったでしょうね」

ダガ「ククク…。あぁ、あのガキのくだらねぇ正義感とおせっかいが役に立ったな…」

アリアス「あとはジョーの弱味をちらつかせて小娘を脅すだけね」ペラ

ダガ「…そこはどうなんだ?」

アリアス「問題ないわよ。あのタイプは自分より他人を優先するはず」

ダガ「…はっ?いわゆる偽善者って奴だ?」

アリアス「あら、偽善だなんて神に仕える者として相応しくない言葉よ?」

ダガ「…それもそうか」

アリアス「今の内に考えておきなさい。あの小娘に何をさせるか」ペラ

ダガ「ふ…ふふ…!ククク!」

アリアス「(疲れた…。こっちは仕事が残ってるって言うのに…)」

アリアス「(ま、これで気が済むでしょ。借りも一つ出来たし…)」ペラ
624:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/20(土) 17:21:53 ID:hjA9OHHsFc
―――大聖堂(牢屋)―――

ポツン

宣教師「………」

――――――

『そのあんたが司祭様の思いやりから目を背けるのか?』

――――――

宣教師「私が司祭様のお気に入り、か…」

宣教師「(思えば孤児として拾われた後も司祭様の優しさに幾度となく救われましたっけ…)」

宣教師「(懇切丁寧に教えを授けてくださり、学ぶ場所から生きる場所まで頂いた…)」

宣教師「それなのに…」

――――――

『…哀れな奴よな。こやつを地下牢に押し込めよ』

――――――

宣教師「半ば諦めている中で微かな希望を持っていた…」

宣教師「司祭様なら…きっと間違いに気付いてくださると…」

宣教師「一体どちらの側面が本当なのでしょう…?」

宣教師「私の目で見たカロルくん達は…薄汚れてなどいなかった」

宣教師「むしろそれまで神々しいほどに輝いていた司祭様が褪せて見えた…」

宣教師「私の目が濁っているというのなら、なぜ司祭様は何も教えてくださらないの…?」

宣教師「ずっと…信じていたのに…」

宣教師「父のように慕っていたのに…」

宣教師「とても……やりきれない…」ポロポロ
625:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/29(月) 20:23:16 ID:OlYbvURtok
―――大聖堂(通路)―――

ジョー「なぁ…頼むよ!」

トト「いや、ほんと悪い!」ペコリ

ジョー「なんでだよ!さっきまでは見張りを代わってもいいって言ってたじゃないか!?」

トト「それがさぁ…。ダガ様にいきなり頼まれちゃったんだよ」

ジョー「頼まれたって…何をだよ?」

トト「ミラルドの町まで行って酒を4樽買ってこいって言われたんだ。
なんでも三日後に来る客をもてなすんだとよ」

ジョー「なんでこんな時に…!」

トト「そんで客が来たらシスター達を手伝ってやんなきゃなんないから手が空かないんだよ」

ジョー「ちくしょう…」

トト「どうしたんだよ。さっきまでは平気だって言ってたじゃないか?」

ジョー「事情が変わったんだよ!」

トト「何があったんだ?」

ジョー「それは…」

トト「それは?」

ジョー「…いや、なんでもねぇよ」

トト「なんだよ。気になるじゃんか?最後まで言えよ?」

ジョー「…いいって。無理言って悪かったな」

トト「そうか…。力になれなくてごめんな」

ジョー「そんな事ねぇよ。お前はお前で色々あんだから」

トト「はは!雇われの身としちゃ上に逆らえねぇしな!」

ジョー「……」

トト「おっと、もう行かなきゃだ!悪いな!」

ジョー「あぁ…」
626:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/29(月) 20:25:12 ID:hf9q3Lf4C.
ジョー「どうすりゃいいんだよ…!」グッ

ジョー「すぐにでも行かなきゃ…」

ジョー「それどころか間に合うかすら分からないってのに…!」ガクッ

ジョー「俺はどうすりゃいいんだよおぉぉぉーー!!」

シスター「」ビクッ

神父2「」ビクッ

ジョー「うあぁぁぁぁぁーー!!」

ザワザワ ザワザワ
627:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:02:01 ID:d4mo8KMAQc
―――大聖堂(正門)―――

神父「はぁ…はぁ…。つ、着いたぞ!」ズルズル

カロル「わー!この建物、すごい大きいね?」

母「そうね。とても立派な造りだわ?」

神父「はぁ…はぁ…」

カロル「おじさま、辛いの…?」

神父「黙れ…!さんざんケガ人を急かしおって!」

カロル「ごめんなさい…」シュン

母「なに言ってるんですか!
休憩だって何度もとりましたし、あたしも坊やも神父さんのペースに合わせて歩きましたよ?」

神父「ぐっ…」

母「順調に行けば夕方までには着くという話でしたけど、結局こんなに暗くなってしまいましたし…」クドクド

神父「ぎぎ…!」ギリッ

カロル「あ、あはは…。もういいじゃない。早く中に入って休ませてもらおうよ?」

母「…そうね。神父さん、開けてくださいな?」

神父「黙れ!言われんでもそうするわ!」
628:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:06:05 ID:d4mo8KMAQc
ガチャッ

守衛「おや、神父さん。遅い帰りだったね」

神父「色々ゴタゴタがありましてな」

守衛「……?左目に布が巻かれてますがどうなさったんです?」

神父「久しぶりに吸った外の空気が合わなかったのか、見事に腫らしてしまいましてな」

守衛「まさにゴタゴタだった訳ですか」

神父「ははは。情けないザマをお見せしたようだ!」

カロル「」キョロキョロ

母「どうしたの?」

カロル「外から見たら大きかったのに中はそんなに広くないんだね?」

母「ふふ。この入り口はわざと個室にしてあるのよ?」

カロル「どうして?」

母「外から怪しい人間が入らないように二重に入り口を設けたのね。扉を抜ければもっと広い敷地に出るはずよ?」

カロル「へー!じゃあこの先にマルクも宣教師さまもいるの?」キラキラ

母「そうよ」ニコッ

守衛「神父さん。その方たちは?」

神父「司祭様が招いた客人です。リストを確認してもらえますかな?」

守衛「そうでしたか。ちょっと待ってくださいね」ペラッ

守衛「うんうん。確かに書いてありますよ」

神父「では通してもらえますか?」

守衛「リストにチェックを付けておきます。ちょっと待っててくださいね」カキカキ
629:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:13:04 ID:d4mo8KMAQc
守衛「さぁ、どうぞ通ってください」

神父「どうも」ペコリ

カロル「ありがとうございます!」ペコリ

母「ありがとうございます」ペコリ

守衛「いえいえ」ニコニコ
630:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:18:49 ID:d4mo8KMAQc
カロル「わぁ…!見て、お母さま。庭があるよ?」

母「すごい…。人口の物なんですか?」

神父「いや、自然の物だ。ここに拠点を建設した際に、あえて司祭様はこれらの豊かな彩りを残されたのだ」

神父「この庭園に備わる草木や花はシスター達が手入れし、美しく保ち続けている」

神父「これらの世話は女に宿るとされる真心を育み、慈愛と献身の意思を体に覚えさせる。一種の修行だな」

母「そうなの…。それにしても見事ですね!」

カロル「お花が光ってるよ?」

神父「それはライの花だ。暗闇に包まれると花弁が淡い光を放つ不思議な習性を持っている」

カロル「へぇ…森でも見たことないです」

神父「旅に出ていた宣教師や遠くの布教地から一旦戻った神父、司教様などが土産に持ってくるのが主だな」

カロル「そうなんだ!すごいね、お母さま!」

母「そうね…」

神父「凄くて当然だ。我が教団が誇る大庭園だからな!
貴様らのような下賤な種族にはもったいない光景だろう?」

カロル「うん!」

神父「」ズルッ

母「坊や…今のはバカにされたのよ?」

カロル「そうなの?」キョトン

神父「まったく調子が狂うな…」スクッ
631:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:32:50 ID:d4mo8KMAQc
神父「…さすがにもう遅い。今日は休んで司祭様には明日お目通し願おう」スタスタ

カロル「ボクたちはどうするの?」スタスタ

神父「あぁ、問題ない。別に部屋を用意してやるさ」

母「よかった。神父さんと一緒の部屋じゃないのね?」ニコッ

神父「当たり前だ!貴様らと同じ部屋で寝られるか!」

母「まぁ?」

神父「それに私は自分の部屋を持っておらん。他の神父達と共同なんだ」

神父「ともなればなおさらお前たちなど連れてこれん。騒ぎになっても面倒だしな」

母「なんでもいいですけど、お部屋に案内してくださいます?」

神父「案内してやってるだろうが!」

カロル「あれ?誰か座ってるよ?」

???「」グッタリ

神父「なんだ?通路の脇にしりもちなどついて…」

母「うなだれてらっしゃるみたい…何かあったのかしら?」

神父「なんだろうが知った事じゃないが、行儀の悪い奴だな…」
632:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:43:45 ID:d4mo8KMAQc
神父「おい、そこのお前!」

ジョー「…?」ムクッ

神父「そんな場所で座り込むなど、何を考えているんだ!」

ジョー「あぁ、すみません…」スクッ

神父「ん?お前は確か見張りの…」

ジョー「ジョーです…」

神父「こんな所で何をしている?お前は地下の番をしていたはずだろう?」

ジョー「すみません…。すぐに戻りますんで」

神父「…体調が悪いのか?」

ジョー「あ、いや、心配なさらず。なんでもないッスよ」

神父「そうか…」

ジョー「じゃあ俺はこれで…」

神父「いや、待て」

ジョー「はい?」
633:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:50:09 ID:d4mo8KMAQc
神父「ちょうど頼みたい事があったのだ」

ジョー「…なんです?」

神父「彼女らを案内してやってくれないか?」

母「?」

ジョー「案内って…どこへ?」

神父「お前の持ち場だ。そこに入れてやってくれ」

ジョー「はい?俺の持ち場って地下ろ……」

神父「しーっ!いいから!言う通りにしてくれ!」

ジョー「わ、分かりましたよ…」

神父「よし、頼んだぞ!私は医務室に用があるのでな!」スタスタ

ジョー「あ、はい」

ジョー「(神父が連れてきたって事は…ひょっとしてこいつら…)」

ジョー「(ったく…こっちはそれどころじゃねぇってのに…)」
634:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:53:21 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「あーっと…聞いてたと思うけど、そういう事だから」ガリガリ

母「はい」ニコッ

カロル「お願いします」ペコリ

ジョー「おっ!ボウズ、しっかりしてるな?」ナデナデ

カロル「……!えへへ!」ニコニコ

ジョー「俺はジョーだ。よろしくな?」

カロル「ボクはカロル!よろしくね、おじさん!」

ジョー「おいおい、おじさんはよしてくれよ…」ツツー

母「どうも。この子の母親で、マリーと言います」ペコリ

ジョー「マリーさんか。よろしく!」
635:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:56:05 ID:d4mo8KMAQc
母「神父さんはどこに行かれたんですか?」

ジョー「ん?あぁ、あの人は医務室に行ったよ」

カロル「」キョロキョロ

ジョー「どうした、ボウズ?」

カロル「あ、ごめんなさい。初めて見る物ばかりだから、つい…」

ジョー「壁に飾られた絵や脇に立てられてる花瓶か。確かに物珍しいかもな」

カロル「うん。全部キレイ!」ニコッ

ジョー「へー。俺にはああいう芸術?みたいのはよく分からないなぁ…」

カロル「ボクも描いてみたいなぁ…」

母「そうね…画材の一つも買い与えられたらよかったけれど…」

ジョー「はは…まぁいいや。案内するよ」
636:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:57:32 ID:d4mo8KMAQc
―――大聖堂(地下牢)―――

母「ここ…ですか?」ツツー

ジョー「う、うん。まぁ何も無いとこだけどくつろいでってくれよ?」

母「……」

カロル「地面の下にたくさん部屋があるなんてすごいね!」

ジョー「お、ボウズ!気に入ったか?」

カロル「うん!」ニコッ

ジョー「いやー!そりゃよかった!」

カロル「ねぇ、ボクたちの部屋はどれなの?」ワクワク

ジョー「ここだ、待ってろ。今開けてやるからな?」カチャカチャ

母「(まぁ…それもそうよね。初めから期待はしてなかったけど)」

母「(ここが牢屋なら宣教師様はこの部屋のどれかにいるのかしら…?)」チラッ
637:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:59:32 ID:Pt5pBqwsmA
カロル「お母さま、入ろうよ」ガチャッ

母「えぇ…」スッ

ジョー「(まさか素直に入るとはな…。宣教師さんの言ってた通り、悪い奴らじゃないらしい…)」ガチャガチャ

カロル「鍵、閉めるの?」

ジョー「ん?う、うん…まぁな。他の奴が入ってこないようにさ」

カロル「そうなんだ?」

ジョー「とりあえず寝具を持ってくるからおとなしくしててくれよ?」

カロル「はい!」

母「……」スッ

カロル「色眼鏡、外しちゃうの?」

母「だいじょうぶ。ここで隠す必要はないわ?」

カロル「……」

母「坊やも頭巾は外してしまいなさい。いっぱい歩いたから汗で蒸れるでしょう?」

カロル「…分かった」スルッ

母「…平気よ。さっきのお兄さんは気付いてるから」

カロル「ボクとお母さまのこと…?」

母「えぇ、そうよ…?」

カロル「そう…」
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