むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。
438:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:54:12 ID:Ou70Vp7aU.
神父「(そういえば、先ほど触れられた時も…。言葉を出せなかった程の激痛が和らいだ…)」ジロジロ
カロル「な、なに?」
神父「(これが癒しの…力、なのか?)」ジロジロ
カロル「ぼ、ボクの顔に…何か付いてるかな?」
神父「くっ…。片目ではよく見えんが…どうやら目に映る方法だった訳ではなさそうだな」
カロル「なにが?」キョトン
母「そういえば…目は大丈夫なのですか?
安静にした方がいいのでは…」
神父「……だいぶ和らいだ。貴様らが我々から奪った術でな」
カロル「すべ…?」
母「なんのことですか?」
神父「とぼけるな。奪った力をぬけぬけと披露しおって。
それで恩を売ったつもりか!?」
カロル「え…?」
母「はい?」
神父「しかし奪った力など、所詮は盗みの垢にまみれた代物だ。
使役し、他者に施したところで罪の清算になると思うなよ!」ビシィッ
カロル「う、うん…。そうだね。あはは」ヒクヒク
母「お、おほほ…」ヒクヒク
神父「待て!なぜわざとらしく愛想笑いする!?」
439:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 17:59:04 ID:Ou70Vp7aU.
カロル「だ、だって…ね?」チラッ
母「えぇ。よく分からない事をおっしゃるものだから…」
神父「しらばっくれるな!この子供が癒しの力を用いて私の傷を癒したのであろうが!?」
母「……あぁ。なるほど。宣教師様も勘違いしていたわね」
神父「宣教師だと!?ふん…。やはりたぶらかしたのはお前達か」
カロル「おじさまは宣教師さまを知ってるの!?」バッ
神父「知らいでか!?
私は教団の人間だぞ!そのうえ奴より位の高い神父だ!」ドヤァ
母「別に位は聞いてませんけど…」シラー
カロル「教えて!今宣教師さまはどこにいるの!?」
神父「くっくっく…!奴なら今は大聖堂にいる!
罪を犯し、牢に入れられているそうだ!」
カロル「え…?」
母「なんですって!?」
神父「聞いた話では司祭様に刃向かったらしいがな。
たしか教団のホビットに対する見方を変えるべきだなどと」
母「なんで…そんな事を……」
カロル「宣教師さま…ボクたちの為に…」
440:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:02:34 ID:Ou70Vp7aU.
神父「おそらく牢を出る事はないだろう。目を覚まさない限りはな」
カロル「じ、じゃあボク…起こしに行く!」
神父「その目を覚ますじゃないわ!」
カロル「なら…どうしたらいいの?」
神父「奴がお前たちとの悪しき関係を清算し、悔い改めた上で司祭様に謝罪すれば、司祭様も寛大なお心を以てして許されるだろう。
そうすれば以前のように教団員として教えを従事し、布教活動をまっとうできるはずだ」
カロル「それって…」
神父「つまりはお前たちを見捨てるという事だな」
カロル「ボクたちを…見捨てる?
もう友達ではいられないの…?」
母「……」
441:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:08:18 ID:U0P6p.FErc
神父「当たり前だ!そもそもお前たちと関わらなければ奴が堕ちる事もなかったんだぞ!?」
カロル「ボクの…せい?」
神父「そうだ!奴は若干20歳にして村一つを任された。位の低い宣教師としては異例の待遇だったんだぞ!
いずれは教団の幹部になるだろうと間違いなく期待されていた!」
神父「奴はこの先も栄光を約束されていたんだ!
それをお前たちが全て崩した!紛れもなく、お前たちのせいだろう!?」
神父「(まぁそのおかげで奴が失墜し、私が村を任された訳だがな…)」ニヤリ
カロル「……」
――回想(>>111-123)――
カロル「やめろ!やめろよ!?」
アッ イヤッ ギャハハハハ パンッパンッ
イヤァァァァァァ!!!
カロル「お願い…だよ…」
カロル「(ボクが…友達なんて欲しがったから……)」
――――
442:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:10:43 ID:swnM2r.2YI
カロル「」ブルブル
母「坊や…」ダキッ
カロル「お母さま…やっぱり、ボク……間違ってたのかな?」ブワッ
母「そんな事、ない…。坊やのせいじゃないのよ…?」ギュッ
神父「いいや!お前のせいだ!罪深き種族めが!」
カロル「……分からない。分からないよ。ボクは…ただ…」ポロポロ
神父「私は宣教師のように癒しの力などにほだされんぞ!
自らの罪を受け入れるがいい!」
母「……!」キッ
神父「」ビクッ
母「いい加減にしてちょうだい!
この子はあなたを助けたかっただけなのよ!?」
神父「ふ、ふん。笑わせるな!助けたかっただと?
お前たちは災いを招く忌まわしき種族だ。
真に人間を想うのなら、我々に近寄るな!」
カロル「近寄るな……?」ドクンッ
母「どうしたら分かってくれるの!?
なにがそうまでさせるのよ!?
この子の気持ちを…少しは考えてよ…!」
443:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:14:24 ID:swnM2r.2YI
神父「ホビットに配慮するバカがどこにいる!?
女々しく泣きおって!それで罪を受け入れたつもりか!?」
カロル「…ぅ…ぇぐ…」メソメソ
神父「はっきり言ってやろうか!?」
カロル「な…にを…?」
母「やめなさい!それ以上、坊やに淀んだ感情をぶつけないで!」
神父「お前たちはそんざ……」
「そこまでにしなよ?」
神父「」ビクッ
ガサッ
カロル「グスッ…。だれ?」
母「……?」
ラム「やあ、おじさん。また会ったね?」ニコッ
神父「お…ぉ…ぉまえは…!」ワナワナ
ラム「声が上擦ってるよ?」クスクス
神父「だ、だだ黙れぃ!!」
ラム「心配しなくても何もしないよ。今度はホント」
神父「く……!」ガクガク
神父「(信用できるか…!)」ギリッ
444:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:20:49 ID:swnM2r.2YI
カロル「ラムくん…。どうしてここに…?」
ラム「だってなかなか帰ってこないんだもん。
心配するに決まってるじゃないか?」
カロル「あ、その…ごめんね。すぐに戻るって言ったのに…」
ラム「ううん。気にしてないよ?
それより早く別の場所を見つけよう。
あそこはもうバレちゃったみたいだから」
カロル「え、けど…」
ラム「……分かっただろ?人間に期待するだけ無駄だって」
カロル「……」シュン
ラム「僕ね。少し前からそこにいたんだ。
ちょこっとだけ話も聞いてた。
だから…カロル君が辛いのも知ってるよ?」
カロル「……」
ラム「行こう?これ以上、君が辛い思いをすることはないんだから」
母「そうね。行きましょ?
幸いケガの具合も良くなったみたいだし」
カロル「……」
445:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/2/24(日) 18:22:32 ID:swnM2r.2YI
ラム「まだ…何かあるの?」キョトン
カロル「」チラッ
神父「ひぃっ!?な、なんだ!なんだ!?
また私に危害を加えようとでもいうのか!?」ビクビク
カロル「あの…。さっき言ってた…司祭様っていう人には、どうしたら会えますか?」
ラム「か、カロル君!?」ビックリ
母「何を言っているの…!?」
神父「し、司祭様に会うだとぉ?
そんな事、出来る訳が……」
神父「ん?」
神父「」ハッ
神父「(待てよ?そういえばもともとホビットを連れてくるように言われてたんだったな…。
あまりの事態に忘れるところだった…)」
カロル「会えない…ですか?」
神父「」ニヤリ
神父「いいや?会わせてやってもいいぞ…?」ニヤニヤ
446:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:16:58 ID:aGBdsxic0Q
神父「司祭様に会いたいというなら会わせてやってもいいぞ?」ニヤニヤ
カロル「ホント!?」パァァ
ラム「ち、ちょっと!本気で言ってるの?」
神父「あぁ。本気だとも。司祭様に会わせ……」
ラム「お前になんか聞いてない!」
神父「な、何を!貴様!?」
ラム「ねぇ。カロル君、どうなの?」
カロル「…ボクだけで行くから二人はここで待ってて」
ラム「なっ…!」
母「ダメに決まってるじゃない!?」
ラム「」ビクッ
447:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:18:27 ID:tKolNl3U7M
母「今まで坊やが望むなら…そう思って目を瞑ってきたけど」
カロル「……」
母「今度は認められない!
教団の本部に行けばあなたは一生陽の目を見られなくなる!
ささやかな幸せすら、失ってしまうのよ!?」
神父「き、貴様!人聞きの悪いことを言うな!?」
母「ならあなたはなぜ坊やを拐おうとしたの!?」
神父「そ、それは…」ゴニョゴニョ
母「あたし達に話せないような理由なんでしょう?
話せば坊やが考えを変えるかもしれないから、話せないんでしょう?」
神父「あ、いや…それはだな…」ゴニョゴニョ
母「この人間はあなたが司祭に会いたがる気持ちを利用してるだけよ!
何か企んでるに決まってるわ!」
カロル「……」
448:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:20:58 ID:tKolNl3U7M
神父「そ、そんな事はないぞ。私はお前の熱い気持ちに打たれたのだ!」
ラム「信じちゃダメだよ。人間は平気で嘘をつく生き物だから」
神父「余計なことを言うな!」
母「お願いよ!考え直して…?」
カロル「……それでも、行かなきゃ」
神父「よーし、よく言った!」
ラム「なんでさ。君が行く必要なんてないだろ?」
カロル「ボクじゃなきゃダメなんだ」
ラム「……!?」
カロル「ボクがちゃんと話さなきゃ。宣教師さまは悪くないって…。
そうしないと宣教師さまが不幸になってしまうもの」
ラム「宣教師…?」
母「……!」
母「(まさか…宣教師様を…)」
449:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:22:26 ID:aGBdsxic0Q
カロル「お母さま。おねがい。ボクに行かせて?」
母「ダメよ!行かせないわ!」
カロル「お母さま…」
母「…宣教師様は坊やの不幸を望まないはずよ…。
あなたを恨んだりしないわ?」
カロル「…だから助けないの?」
母「違う!そうじゃないの!」
カロル「宣教師さまは本気でボクたちを助けようとしてくれたよ…?」
母「分かってる!でも!…あたしのたった一人の家族なの!」
母「もう…失うのはたくさん!」
母「あたしには……あなたしかいないのよ…!」ウルッ
ラム「……」
カロル「……ごめんなさい。お母さま…」
母「なっ…なんで…なんで分かってくれないの?」
カロル「……」
母「あたしはただ、あなたが心配だから……」
450:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:25:30 ID:aGBdsxic0Q
カロル「ねぇ。お母さま」
母「え…」
カロル「村で約束したこと、覚えてる…?」
母「っ…!」
カロル「ボクは覚えてる。お母さまとの大切な約束だから」
母「……」
カロル「たとえば相手が人間でも……」
母&カロル「友達なら最後まで信じなさい」
ラム「……!」
カロル「……えへへ。やっぱり…覚えてた?」
母「自分で言ったことだもの…。覚えてるに決まってるわ」
カロル「……」ニコッ
451:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:27:35 ID:tKolNl3U7M
カロル「じゃあもうひとつ思い出してみて?」
母「…?」
カロル「宣教師さまが手を差し伸べてくれた時のこと」
母「それも、覚えてる……」
カロル「今まで…あんなことって、無かったでしょ…?」
母「……そう…ね」
カロル「…ボクが村でいじめられた時も、お母さまを傷付けられた時も、助けてくれたじゃない?」
母「……」
カロル「ルーボイくんとパッチくんだって。
宣教師さまがいなかったら…ホントの友達になれなかったと思う…」
母「(坊や……)」
カロル「みんな…みんな…。宣教師さまが…くれたんだよ?」グスンッ
母「……」
カロル「」グシグシ
母「分かったわ。あたしはもう何も言わない…」
カロル「…お母さま!」
母「けど、一人では行かせないからね?」
カロル「え…。でもそしたらお母さまが…」
母「これだけは譲らないわよ?」
452:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:30:26 ID:tKolNl3U7M
カロル「ラムくんはどうするの?
お母さまがいないと…一人にしちゃう」
ラム「僕のことは気にしないで」
カロル「え?だって…」
ラム「カロルくん達とは、ここで別れるよ」
カロル「…そ、そんな…」
ラム「同じホビットでも君は何かが違うみたい。
はっきり言って、不愉快だ」
カロル「…!」
ラム「君とは会ったばっかりだし、その人間も知らないけどこれだけは言えるよ。
君は人間を間違った目で見てる」
カロル「そんなこと…ないもん」
ラム「人間は汚い。汚いんだ。
君はまだ、本当に奪われる怖さを知らないから…」
カロル「……」
ラム「……あんまりお母さんを困らせたらいけないよ?
後悔するようになってから、思い出してしまうから」
カロル「……」
母「……ラム君」
ラム「……?」
母「ごめんなさいね…」
ラム「いえ…。それじゃ…」
カロル「ら、ラムくん…!」
ラム「バイバイ。カロル君!」ニコッ
カロル「っ……」
ラム「」スタスタ
スタスタ………
453:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/2(土) 20:41:17 ID:tKolNl3U7M
神父「ふぅ…。ようやく行ったか」
神父「(あの小僧め。覚えてろよ。この目の恨みは忘れんからな…)」
カロル「行っちゃった…」
母「…あたし達も行きましょう。さ、案内してちょうだい」
神父「私に命令するな!!」
カロル「(ラムくん…)」
母「坊や。行きましょう?」
カロル「……」
母「出会いと別れは必然的に繋がっているものよ…」
母「これも、あなたの選んだこと。
坊やは無防備すぎるから、学ばなくちゃいけないわね」
カロル「……みんなで仲良くはなれないのかな?」
母「難しいわね。あたしは半ば諦めてるわ」
カロル「」シュン
母「……出来ない事っていっぱいあるの。
あたし達には何が出来るか、少しずつ知っていきましょう?」
カロル「はい…」
神父「いつまでくっちゃべってるつもりだ!?」
母「あら、ごめんなさい。
ほら、坊や。行きましょう?」
カロル「……」コクリ
454:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/3(日) 19:37:54 ID:Opd5Ib3YrA
――森の道――
神父「(これで手柄は頂いたも同然だ…)」スタスタ
神父「くっくっく…」
母「なにを笑ってらっしゃるの?」
神父「お、思い出し笑いだ。気にするな」
母「……ずいぶんいやらしいお顔でしたけど」ジト
神父「な、な、なな何を言うか!?」
母「」ジト
神父「じゃ、邪推するな!何もいやらしい事など考えとらんわ!」
母「どうかしらね?」
神父「わ、私が朝っぱらから、そんな妄想をするように見えるか!?」
母「見えますわ」キッパリ
神父「な、にゃ、にゃにをうっ!?」プンスカ
母「ま、艶話は一つも無さそうですが…」クスリ
神父「き、貴様!私を侮辱する気か!」
母「大聖堂はまだかしら…」
神父「話を反らすなぁぁ!!
こうなればもう許さん!聞かせてやるぞ!
とっておきのめくるめく恋バナをなぁ!!」
母「別にいいですよ。興味ありませんから」
神父「貴様が始めた話だろうがぁ!?」
455:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/3(日) 19:40:17 ID:8m3SaG5X5s
カロル「はぁ」
母「あら、どうしたの?溜め息なんて吐いて」
神父「き、貴様ら少しは興味を持たんかぁ!?
私が若い時はそりゃメイクラブしたものだ!」
カロル「……」ウジウジ
母「落ち込まないの。下ばかり向いてると幸福が逃げていくわよ?」ポンポン
カロル「はい…」ウジウジ
母「そうだわ。話を変えましょう?
坊やは人間の話を聞きたいんでしょう?」
カロル「うん…」ウジウジ
母「ちょうどいいじゃない?
せっかく人間といるのだから道中、お話を聞かせてもらったら?」
神父「勝手に決めるな!」
母「あら、いいじゃありませんか?
あたし達はあなた方の思惑に乗ってあげてるんですから」
神父「こ、この小僧とて司祭様に会いたがっているではないか?
利害は一致しているのだから、私が何かしてやる謂れはないぞ」
456:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/3(日) 19:42:59 ID:8m3SaG5X5s
カロル「……いいのかな?」
母「ね?そうなさい。少しは気も紛れるはずよ」
神父「無視か!?」
カロル「…いつまでも落ち込んでられないもんね」
母「そうよ?ラム君も落ち込ませるつもりは無かったはずだもの。
一人で傷付いていたら変に思われるわ?」
カロル「…そうだね!」
神父「くっ…。こいつら、もしかして私をナメとるな?」
母「ほら、声をかけてご覧なさい?」
カロル「う、うん!…えと……」モジモジ
神父「(全部聞こえとるっつぅに…)」ブツクサ
カロル「……」モジモジ
母「どうしたの?さっきまで普通にお話してたじゃない?」
カロル「な、なんだか…緊張しちゃって…」モジモジ
母「あぁ…。さっきは勢いで話せる状況だったものね」
母「(そういえば…坊やはまだまともに自分から人間と接した事がなかったわね…。
まぁ大聖堂に行ってしまえば嫌でも接する事になるのだろうけど…)」
457:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/3/3(日) 19:45:04 ID:Opd5Ib3YrA
母「大丈夫よ。あの人間は優しいから?ね?」
カロル「う、うん…」モジモジ
神父「("あのおじさんは優しいから"でこちらにプレッシャーを掛ける母親は全種族共通なのだな…)」
カロル「あ…あ…あの…お、おじさま…」ゴニョゴニョ
神父「なんだ?」ギロッ
カロル「」ビクッ
神父「……?」
カロル「」ブルブル
神父「さっさと言わんか!?」
カロル「っ…!」タッタッ
神父「ん?なぜ逃げる?」
カロル「」ポフッ
母「あらあら。どうしたの?突然甘えん坊になっちゃって?」ポンポン
カロル「」シクシク
神父「(なぜ泣く!?)」ギョギョッ
母「そう。怖かったの?」ポンポン
カロル「」コクコク
母「」キッ
神父「」ビクッ
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