書きたいことが出来たので、以前書いてたSSの続きを書かせていただきます。
お手数おかけして申し訳ございませんが、知らない方は前作から読んだ方がいいと思います。
一応貼っておきます。前作→http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1316008982/1-10
基本長いので携帯だと読めなくなる可能性があります。また、支援返レスを飛ばして読みたい方もいらっしゃると思います。
それらに該当する方は、本編とわけてまとめたので、こちらから読んでみてください。→>>981-984
注意事項は以上です。何卒よろしくお願い致します。
722:🎏 1:2012/11/5(月) 23:39:01 ID:7RuR6mIcnA
教えて側近さん
最近、女勇者が魔王様絡みでよく相談にやってくる。
この日もそうだった。魔王様のスリッパに画鋲を仕掛けていた時のことだ。
側近「……魔王様の彼女でいることに自信なくした?」
女勇者「うん。やっぱり私は魔王の彼女には相応しくなかったんだよ……」
側近「何でそう思うようになったんだよ?詳しい事情がわかんねえと乗れる相談も乗れねえよ」
女勇者「そうだね。つい先日のことなの。私は王都で魔王のゲームを一緒に買いに行ってたの……」
723:🎏 1:2012/11/5(月) 23:40:06 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「魔王、今日はどんなゲーム買うの?」
魔王「リトルビッグプラネットっていってね。可愛らしいキャラを操作する横スクロールアクションだよ!」
魔王「二人でできるゲームだから一緒にやっていこうね!」
女勇者「一緒にやっていいの?嬉しい///」
女戦士「おー、デート中かい、お二人さん」
女勇者「あっ、女戦士」
魔王「あっ、女戦士ちゃん!相変わらず綺麗だね!大好き!」
女勇者「っ!」
女戦士「おま……マジで言ってんのか?」
魔王「え?うん!女戦士ちゃんはスタイル抜群だし、綺麗でかっこよくて大好きだよ!」
女勇者「……」
魔王「女戦士ちゃんさえよかったら一緒にゲームしようよ!四人までなら出来る奴だから!」
女勇者「……ごめん、私今日は帰るね」タッタッタッ
魔王「え?え!?女勇者ちゃん!?」
女戦士「お前……最低にも程があるだろ」
魔王「え〜!?」
724:🎏 1:2012/11/5(月) 23:41:45 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……ってことがあって」
側近「あー、それで魔王様こないだ「女勇者ちゃんに嫌われた!」って号泣してたのか」
女勇者「それだけじゃないの……他にもデート中で他の女性に会うと、私をほっておいてその女性を褒め始めるの」
女勇者「そして、よかったら一緒にどう?って感じでその女性も誘うのよね。やっぱり私は魅力的じゃないのかな……」
女勇者「魔王と付き合えたのも何かの間違いでしかなかったのかなあ……は〜」ズーン
側近「いやー……魔王様は優しい御方だけど、恋愛に関してはいろんな意味で屑だからなあ」
側近「とりあえず、今度会ったときにこう訊け。魔王が一番好きなのは誰かって」
女勇者「そ、そんな!そんなこと訊いて……女戦士とかの名前が出たら立ち直れないって!」
側近「大丈夫だって。絶対お前の名前が出てくるから。他の女性がいるときに訊いても、ちゃんと答えてくれるはずだよ」
女勇者「本当?信じていい?」
側近「おう。信じてやってくれ」
女勇者「じゃあちょっと怖いけど……訊いてくる!」ダッ
側近「魔王様の部屋はわかるよな?行ってらっしゃーい」
女勇者「私が世界中の女の子の中で一番大好きって言ってもらえた!」パアア
側近「な?言った通りだったろ。よかったなー、女勇者」
725:🎏 1:2012/11/5(月) 23:42:21 ID:7RuR6mIcnA
……とまあ、このような相談を受けた。
このようなことがあったのはそれだけではない。あれは魔王様の部屋のドアノブに電流が流れるように仕込んでいた時のことだ。
側近「……魔王様をうまくいじめることができない?」
女勇者「うん……ほら、魔王ってドMでしょ」
側近「うん、女性に対してはド変態のドMだよな」
女勇者「だからこないだね、頑張って魔王のことをいじめてみたの……」
726:🎏 1:2012/11/5(月) 23:43:23 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「ほ、本当にいいの?こんな鞭までもらって」
魔王「うん!俺をゴミ屑のように痛めつけてください!」ハアハア
女勇者「う、うん……それじゃいくね。えい!」ペチッ
魔王「……」
女勇者「えい!えい!」ペチッピチッ
魔王「……」
女勇者「……駄目だった?」
魔王「えっ!?な、何で!?」
女勇者「だって魔王、全然嬉しくなさそうなんだもん……」
魔王「そ、そんなことないよ!ありがとう女勇者ちゃん!あとこんな変なことさせてごめんね!」
女勇者「私こそごめん。期待に添えなくて……」
魔王「そんな、女勇者ちゃんは悪くないよ!いじめられないのは女勇者ちゃんの優しさだから嬉しいよ!本当だよ!」
727:🎏 1:2012/11/5(月) 23:46:02 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……こんな感じの結果に終わってしまって」
側近「あーそりゃ苛め具合が圧倒的に足りねえよ。ペチッじゃ駄目だよ」
女勇者「やっぱり駄目だったんだね……」
側近「もっとこう、ピシーンッ!パシーンッ!ぐらいで叩かないと」
女勇者「そんないい音させたら相当痛いじゃない!」
側近「だからそれでいいんだよ。女勇者だったらアームロックやっても喜ばれるかもよ」
女勇者「アームロック?」
側近「腕をこう持って、こうしてこう……」
女勇者「……ああ、側近がよく魔王にやってる技ね」
側近「俺がやったら嫌がるけど、女勇者だったら骨を折られても喜ぶと思うよ」
女勇者「いやいやいや!重傷だよ、それ!」
側近「大丈夫だって、魔王様の回復魔法半端ないし。後は魔王様を仰向けに倒して顔面踏み潰しながら罵るとか。あ、せっかく折ったんだからそこ踏むのもいいかも」
女勇者「悪魔の所業じゃない!あんたよくそんな恐ろしい発想できるわね!?」
側近「いいから次の機会にやってみろって。もう大喜びだから」
女勇者「嘘よ!」
側近「嘘じゃないって」
女勇者「〜〜!ああもう、嫌われたら側近のせいだからね!」ダッ
女勇者「……すっごい喜んでもらえた」
側近「だから言っただろ?」
728:🎏 1:2012/11/5(月) 23:46:58 ID:7RuR6mIcnA
……こういうこともあった。
ところが話はまだ終わらない。あれは魔王様が使ってる箸に毒を塗りつけてた時だった。
側近「……魔王様とゲームして足引っ張ってしまう?」
女勇者「うん……私、普段はゲームってあんまりやんないからさ……」
側近「……ゲームに関して、何か不満とか聞いたってことはないけどなあ」
女勇者「たぶん、嘘だよ……私、すっごい下手で、魔王に頼りっぱなしだもん」
女勇者「あのときだって……あれはね、一緒にWiiのマリオやってる時だった……」
側近「ああ、あのゲームか……」
729:🎏 1:2012/11/5(月) 23:48:37 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「ねえ、本当に私がマリオ使ってよかったの?」
魔王「いいよー!側近とやる時だって、あいつマリオ使うから俺いっつもルイージだもん!」
女勇者「そっか、いいんだ……それじゃ、一緒にクッパを倒そうね!」
魔王「うん!頑張ろうね!」
女勇者「うう……どうしてもここ突破できない……」
魔王「頑張って!もう少しでいけるよ!」
女勇者「ごめんね……魔王はもういけてるっていうのに」
魔王「全然気にしなくていいよ!どうしても気になるっていうなら、俺が女勇者ちゃんの代わりに頑張るし!」
女勇者「え?どういうこと?」
魔王「そこの……そのボタンで、キャラがシャボン玉に入るんだよ」
女勇者「あ、本当だ」
魔王「この状態だったら、女勇者ちゃんは操作しなくても他の仲間が進めば進めるんだよ!」
女勇者「そうなんだ……」
魔王「待ってて!女勇者ちゃんも楽しめるとこまで進むね!」イヤッフー
女勇者(……これって、私が一緒にやる意味あるのかなあ)
730:🎏 1:2012/11/5(月) 23:50:47 ID:7RuR6mIcnA
女勇者「……こんな感じで、変に気を使わせてしまってるの」
側近「いやあ、魔王様はそれ全然気にしてないと思うけどなあ」
女勇者「でも……あんなに足引っ張っちゃって、結果一人で進まざるを得なくなってるんだよ?」
側近「……俺も魔王様に付き合わされてあのゲームやってたんだけどな」
女勇者「うん、魔王から聞いたよ」
側近「俺な、あれやってる時は魔王様をヒップドロップで攻撃したり、アイテム横取りしたり、持ち上げて谷底に投げたりしてるんだよ」
女勇者「最悪じゃない!協調性のかけらも見当たらないわよ!」
側近「挙句シャボン玉に逃げようとした魔王様自身にダイレクトアタックするからな。当然怒り狂うよ。側近とはもうやんない!って」
女勇者「まあそれは当然よね……」
側近「でも後日になったらまた俺を誘うんだよ。側近一緒にやろーってな」
女勇者「え!?それでやる気になるの!?」
側近「一緒にやる奴がうまいとか下手とか、そんなのたぶん魔王様は関係ないんだよ。好きな奴と一緒にゲーム出来たらそれでいいんだよ」
女勇者「そうなのかな……」
側近「それにさあ、一生懸命ゲームやってる時や、真剣に自分のプレイを見てくれてる時の女勇者も大好きって言ってたよ」
側近「だから気にせずに女勇者は女勇者でゲーム楽しんどけよ」
女勇者「……うん」
731:🎏 三次元の世界では非売品となっております:2012/11/5(月) 23:54:01 ID:7RuR6mIcnA
……こういう感じで、とにかく魔王様絡みで女勇者から相談を受ける。
こうも時間を取られると、俺としても仕事の合間に魔王様に嫌がらせするのが出来なくなってしまい、支障が出てしまう。
魔王様をいじるのは俺の趣味であり、それに支障が出てしまうと、別に問題ないけど何か嫌だなあと思わざるを得ない。
かといって、あんな特殊な性格の変態と付き合ってて苦労している女性を見捨てたりもしたくはない。
このままではいけない、どうしたものか……
という、経緯を経て生まれたのがこの魔王様攻略本。
長年付き添った側近が著述した、完全攻略を目標として完成させた一冊である。
これさえあれば、扱いのめんどくさい魔王様も御満悦。
「これのおかげで魔王がすごく喜んでくれるようになりました(女性/勇者職)」というように、お客様も大変ご満足の様子。
さあ、次にこれを手に入れて魔王様を喜ばせるのはあなたです!
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